JP2949297B2 - 磁気ヘッド用磁器組成物 - Google Patents

磁気ヘッド用磁器組成物

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JP2949297B2 JP2080052A JP8005290A JP2949297B2 JP 2949297 B2 JP2949297 B2 JP 2949297B2 JP 2080052 A JP2080052 A JP 2080052A JP 8005290 A JP8005290 A JP 8005290A JP 2949297 B2 JP2949297 B2 JP 2949297B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コンピュータ用ハードディスク、フロッピ
ーディスク、磁気テープ、オーディオ用レコーダ、ビデ
オテープレコーダ等の磁気記録に使用される磁気ヘッド
装置において、ヘッドコア等を固定するためのスライダ
ー用材料等に好適な非磁性の磁器組成物に関する。
(従来技術) 近年、磁気ヘッドの用いた磁気記録装置は、高記録密
度化、高容量化が進みつつあり、それにともない磁気ヘ
ッドに対しても高線密度化および高トラック密度化が要
求されている。そこで従来よりMn−Znフェライト等から
なる磁気ヘッドコアをセラミックス製のスライダーにガ
ラス等で接着した、いわゆるコンポジット型の磁気ヘッ
ド装置が利用されている。このコンポジット型磁気ヘッ
ドに装着されるMn−Znフェライトの熱膨張係数が105〜1
20×10-7/℃であることから、接着時の400℃前後の熱履
歴に対してフェライトとスライダー材料との熱膨張係数
の差から生じる亀裂や残留歪みの影響で、加工時に剥が
れ等の問題を生じないように熱膨張係数を一致させるこ
とが必要とされている。また、これに加えて磁気メディ
アとの摺動性に優れることが必要である。このような特
性についてはポアが小さく且つ少ない材料であることが
必要とされる。また材料中の異相、析出物の存在につい
ても摺動特性に大きな影響を与えることが考えられる。
この種の磁器組成物としてはTiO2とCaO等からなる複
合酸化物が主流であり、例えば特公昭51−15528号、特
公昭60−21940号等が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来の磁器組成物によれば、特定の特
性については満足すべき特性が得られるものの、熱膨張
係数、加工性、緻密性、強度、摺動性のすべての特性を
満足するものは得られておらず、例えば、特公昭51−15
528号によれば、チタン酸カルシウムと酸化チタンから
なる微細な組織の磁器が得られているが、焼結性の点で
不十分で、ポアが多いために加工性や摺動性の点で問題
がある。また、特公昭60−21940号によれば、焼結性を
改善する目的でAl2O3の他にSiO2,MgO,ZrO2,BaO,SrO等を
焼結助剤として添加することが提案されている。これら
の内、Al2O3は焼結助剤として特に有用である。しかし
ながら、このような焼結助剤の添加はその分散性等が問
題となり組織の不均一化を招く恐れがあり、特にAl2O3
の添加は他の酸化物との反応性に富むために磁器中に不
純物的複合酸化物が生成されるために磁器の不均一化を
招き、摺動性を著しく劣化させる要因となっている。
(発明の目的) 本発明は、上記の問題点を解決しMn−Znフェライトと
近似の105〜120×10-7/℃の熱膨張係数を有するととも
に強度、加工性に優れるとともに磁気メディアとの摺動
性に優れた磁器を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上記の問題点に対して検討を重ねた結
果、特定の割合からなるCaO及びTiO2を主成分とし、こ
れに焼結助剤としてのAl2O3の添加を極微量に抑えると
ともに磁器の相対密度を高めることにより、前述した各
特性を満足する磁器が得られることを知見した。さら
に、Al2O3の添加に加えて、SiO2,MgO,ZrO2,BaO,SrO等の
酸化物を微量添加することにより、さらに特性を向上す
ることができることを見い出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、CaをCaO換算で40〜48モル%と、Ti
をTiO2換算で52〜60モル%とからなる主成分と、該主成
分100重量部に対して、AlをAl2O3換算で0.01〜0.2重量
部含有するとともに、チタン酸カルシウムと酸化チタン
の結晶が存在し、相対密度が98.5%以上であり、かつ平
均結晶粒径が4μm以上であることを特徴とするもので
ある。
また、主成分100重量部に対して、さらにMg、Si、Z
r、NbおよびSrから選ばれる少なくとも1種の金属を酸
化物換算で0.01〜1.0重量部含有するものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明によれば、磁器の組成がCaおよびTiの各酸化物
を主成分とし、CaがCaO換算で40〜48モル%と、TiがTiO
2換算で52〜60モル%からなることが重要である。
主成分の組成を上記の範囲に規定した理由は、CaOの
量が40モル%より少なく、TiO2量が60モル%を超えると
熱膨張係数が105×10-7/℃未満となり、Mn−Znフェライ
ト用スライダー材料としては不適切となる。逆にCaOの
量が48モル%を越え、TiO2量が52モル%より少ないとチ
タン酸カルシウム結晶相の粒成長を抑制することができ
ず、焼結性が著しく低下する。
また、本発明によれば、上記主成分100重量部に対し
てAl2O3を磁器中、0.01〜0.2重量部添加することにより
磁器の焼結性を向上することができる。しかしながらAl
2O3の量が0.01重量部未満では焼結性改善効果が発揮さ
れず、0.2重量部を越えると磁器メディアとの摺動性が
極端に低下する。これは、Al2O3が主成分や不純物との
反応によりチタン酸カルシウムと酸化チタンの結晶相以
外に不純物相が形成され、しかもこれらが粒界に偏析し
やすいために、磁器表面が不均一となるためと考えられ
る。
さらに本発明によれば、磁器の相対密度が98.5%以上
の高密度体であることが重要で、このことはポアが小さ
く、且つ少ないことを意味するものであり、この相対密
度が98.5%より低いと磁器の加工性や磁器メディアとの
摺動性が劣化するためである。
本発明によれば、上記の磁器の製造に当たっては、ま
ず主成分であるCa、Tiの各酸化物粉末、あるいは焼成に
より酸化物を精製する粉末を上記の割合になるように秤
量混合する。それと同時にAl2O3粉末やSiO2,MgO,ZrO2,B
aO,SrO等の酸化物粉末を適宜秤量混合する。
この時、混合手段としてAl2O3ボールによるミル混合
等を採用すると、ボールの摩耗により0.2重量%以上のA
l2O3が混入することから、Al2O3ボールの使用は極力避
けるべきで、プラスチックボール等混入しても焼成によ
り残存しない成分あるいは残存しても磁器の特性に影響
のない物質を選択すべきである。
混合した粉末は所望の成形手段、例えばプレス成形、
射出成形、押し出し成形等により成形した後に焼成す
る。
本発明における磁器組成は、焼結性に優れることから
1300乃至1425℃の大気中で普通焼成、あるいはホットプ
レス焼成することにより相対密度95%以上の磁器を得る
ことができるが、本発明によれば最終焼結体の相対密度
を98.5%以上にするために、上記の普通焼成やホットプ
レス焼成によって得られた磁器をさらに1100乃至1400℃
の温度で1000〜2000気圧のアルゴンや窒素等の不活性雰
囲気中で熱間静水圧焼成することが望ましい。
また、この熱間静水圧焼成によって磁器の色調等が焼
成時の雰囲気によって変色する場合があるがその場合
は、再度酸化性雰囲気で熱処理することにより色調を戻
すことができる。
このような方法により得られる磁器は、結晶相として
チタン酸カルシウムとルチル構造の酸化チタンが生成
し、この酸化チタンの存在によりチタン酸カルシウムの
粒成長が抑制され、微細な組織の磁器を得ることができ
る。よって磁器の結晶構造としてはチタン酸カルシウム
結晶粒の間に酸化チタンの微細な粒子が分散しているこ
とが望ましく、粒径としてはチタン酸カルシウムの平均
粒径が2〜6μm、酸化チタンが1〜2μmの粒子とし
て分散していることが望ましい。このような粒径の制御
は焼成温度や原料粒径に依存し、特に原料粉末として酸
化チタン粉末の平均粒径が0.1〜0.3μmの微細なものを
使用し、これに平均粒径が0.5〜2.0μmの酸化カルシウ
ム粉末あるいはチタン酸カルシウム粉末を前述の割合に
なるように混合すればよい。
また、磁器中に存在するポアは、その径が小さく且つ
その個数が少ないことが重要で、そのポア平均径が5μ
m以下であることが望ましいが、本発明の磁器において
はポア径5μm以上の個数は1.69mm2当たり2個以下と
非常に少なく、これにより優れた加工性と摺動性が得ら
れるのである。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例) 酸化カルシウム源として、平均粒径が2μmの炭酸カ
ルシウムと平均粒径が0.3μmのルチル型酸化チタン粉
末を用いて第1表に示す割合で秤量するとともに、これ
にAl2O3をはじめとする各種酸化物粉末を第1表の割合
で秤量し、これらをジルコニア製ボールを用いて湿式ボ
ールミル混合を行った。これを乾燥させ、乾燥後の原料
を1000〜1300℃で1〜2時間仮焼を行った。仮焼後の原
料を不純物の混入に抑えて平均粒径が1.5μm以下にな
るように微粉砕した。これにバインダーを加え造粒を行
った後に0.8〜2.0ton/cm2の圧力で成形した。その後125
0〜1400℃の大気中で焼成した後、さらに1200〜1300
℃、1000〜2000気圧で熱間静水圧焼成した。
得られた各磁器は、X線回折測定からチタン酸カルシ
ウムと酸化チタンから構成されていた。
得られた磁器に対して平均粒径、相対密度、40〜400
℃における熱膨張係数、ポア率、ビッカース硬度を測定
した。
なお、平均粒径は、得られた磁器を鏡面研磨後、エッ
チングし1500倍の走査顕微鏡写真を撮り、この写真上に
任意に8cmの直線を3本引きこの線上にある結晶粒の数
をNとして次式 平均結晶粒径(cm)=8×3÷1500÷N により算出した。
また、磁器に対して加工性ならびに磁器メディアとの
摺動特性を次の方法で調べた。
加工性は平面研削盤を用いて、ダイヤモンドホイール
で深さ2mmの溝を加工した時にダイヤモンドホイールの
主軸に加わる最大負荷電力で加工性を評価した。この最
大負荷電力はその値が小さいほど加工性が良いことを意
味する。
摺動特性は、球面加工したスライダーに40gの荷重を
加え、磁気メディアを1.0m/secで走行した時にメディア
に傷を発生することなく走行したメディアの回転数で評
価した。なお、表中では100万回以下で水が発生したも
のに×、100万〜150万回のものに△、150万回以上のも
のに○を付けた。
結果は第1表に示した。
第1表によれば、CaO量が48モル%を越え、TiO2量が5
2モル%を下回る試料No.1は焼結性が悪く、高密度体が
得られず、ポアの多い磁器となった。逆に、CaO量が40
モル%を下回る試料No.8ではAl2O3の添加にかかわら
ず、熱膨張係数が105×10-7/℃を下回り、本発明の目的
が達成されない。CaO、TiO2量が1:1比であり、Al2O3
無添加の試料No.2では、試料No.1と同様に焼結性が悪く
満足すべき特性は得られない。
また、Al2O3を添加してもその量が0.2重量部を越える
試料No.9では、加工性等はある程度満足すべきものであ
ったが、磁器メディアとの摺動性が悪いことがわかっ
た。
これらの比較例に対して、本発明の磁器はいずれも優
れた特性を示した。具体的には、相対密度98.5%以上が
達成され、磁器のポアのその径は5μm以下と非常に小
さく、5μmを越えるポアは殆ど存在せず、加工性に優
れるとともに、磁器メディアとの摺動性にも優れたもの
であった。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明の磁器組成物によれば、Ca
OおよびTiO2を主成分とし、これらの焼結性を改善する
ためにAl2O3を必須とする焼結助剤を極微量添加しこれ
らを高密度に焼結することにより、助剤の添加により不
純物化合物の生成を極力抑制し、均質な組織を有すると
ともに105〜120×10-7/℃の熱膨張係数を有し、高い強
度に優れた磁器を提供することができる。これによりMn
−Znフェライトをコアとする磁気ヘッド用スライダー等
への応用に際し、その加工性および磁気メディアとの摺
動特性等の特性を大きく向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−33059(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/42 - 35/49 G11B 5/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CaをCaO換算で40〜48モル%と、TiをTiO2
    換算で52〜60モル%とからなる主成分と、該主成分100
    重量部に対して、AlをAl2O3換算で0.01〜0.2重量部含有
    するとともに、チタン酸カルシウムと酸化チタンの結晶
    が存在し、相対密度が98.5%以上であり、かつ平均結晶
    粒径が4μm以上であることを特徴とする磁気ヘッド用
    磁器組成物。
  2. 【請求項2】主成分100重量部に対して、さらにMg、S
    i、Zr、NbおよびSrから選ばれる少なくとも1種の金属
    を酸化物換算で0.01〜1.0重量部含有することを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッド用磁器組成物。
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