JPH0262511B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0262511B2
JPH0262511B2 JP61209100A JP20910086A JPH0262511B2 JP H0262511 B2 JPH0262511 B2 JP H0262511B2 JP 61209100 A JP61209100 A JP 61209100A JP 20910086 A JP20910086 A JP 20910086A JP H0262511 B2 JPH0262511 B2 JP H0262511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
oxide
magnetic head
head substrate
material according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61209100A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63100054A (ja
Inventor
Toshiaki Wada
Mitsuhiko Furukawa
Masaharu Shiroyama
Mitsuyoshi Nagano
Michito Myahara
Takashi Kitahira
Shigeki Mori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to US07/021,227 priority Critical patent/US4902651A/en
Publication of JPS63100054A publication Critical patent/JPS63100054A/ja
Publication of JPH0262511B2 publication Critical patent/JPH0262511B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気ヘツド基板用材料、特に高密度
記録に適した薄膜磁気ヘツドスライダ用材料に関
する。 〔従来の技術〕 従来、コンピユータ用のデイスクヘツドスライ
ダは、フエライトのブロツク材料を加工して製造
されていたが、フエライト材では高周波透磁率が
低いため、高速データ転送や薄膜による磁気回路
形成時に磁気ヘツドとしての記録或いは再生出力
が低くなる。ところが、近年ではデイスクヘツド
のインダクタンスを小さくして、より高周波領域
で動作させるようにし、また、ギヤツプ幅を小さ
くして高速転送と記録密度の向上を図る傾向にあ
る。 また最近の傾向としてみられるように、記録密
度の高密度化に対応し、薄膜磁気ヘツド化が積極
的に進められており、それに伴い薄膜磁気ヘツド
用基板材料に対する要求特性は益々シビアなもの
となつており、下記の要求特性を満足させる材料
の開発が望まれている。 (1) 結晶粒子が微細均一で緻密であり、気孔が存
在しないこと。 (2) 記録媒体とのなじみ、潤滑性、耐摩耗性に優
れていること。 (3) 機械加工性がよいこと。すなわち、快削性が
あり、かつ精密加工性に優れていること。 (4) 表面にコーテイングされる材質とのなじみが
よいこと。 これらの要求に対し、高密度記録に適した薄膜
磁気ヘツド用セラミツクス基板用材料として、現
状では、酸化アルミニウムと炭化チタンを主成分
としたもの(特開昭60−66403号公報等)や、炭
化チタンに対して窒化チタンを一部固溶させた複
合材料などが開発されている。また、上記成分の
他に材料の焼結性をよくするために、酸化アルミ
ニウムに対して粒成長抑制剤又は焼結促進剤とし
て効果のあるMgO、CaO、NiO等が添加されて
いる。 このような薄膜磁気ヘツドでは、その基板を超
精密鏡面仕上げした時に基板表面に微小な気孔さ
えも存在しないこと、及びその基板の精密機械加
工性が良好なことが特に要求されている。 そこで、超精密鏡面仕上げされた基板に微少な
気孔が存在しないようにするには、その材料用混
合粉末を殆ど理論密度となるまで焼結し、しかも
セラミツクス結晶粒子間の結合が強く微細な組織
を有しているものでなければならない。しかし、
一方、そのようなセラミツクス焼結体の機械加工
性は非常に困難となる。 そこで、この問題を解消するために、例えば酸
化アルミニウムと炭化チタンを主成分に快削性付
与剤としてMgO、NiO等を主成分100重量部に対
し5重量部以下に添加した材料(特開昭57−
135772号公報参照)が開発されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、これら複合材料は、Al2O3及び
TiCの主成分に添加物が配合されたものである
が、Al2O3とTiC成分との結合力が弱く、硬くて
脆いという欠点があり、機械加工性が劣り精密加
工時にチツピングが生じ易く、また材料に微細な
空孔が存在するという問題があつた。 本発明は、上記諸問題を解消すべくなされたも
のであり、前記のAl2O3−TiC系系材料に薄膜磁
気ヘツドスライダに要求される諸特性を付与し、
空孔が非常に少なく機械加工性がよく、かつ精密
加工性のよい薄膜磁気ヘツドスライダ用材料を提
供しようとするもので、Al2O3−TiC系或いは
Al2O3−TiC置換系に原料粉末成分の調整及び配
合から焼結過程における分散性の改善方法、気孔
発生のメカニズムを解明し、更に各種組成の結合
力を強固にするとともに、靭性を高め、ひいては
機械加工性と超精密加工性に優れた薄膜磁気ヘツ
ドスライダ用の分散強化型複合セラミツクス材料
を提供するものである。なお、上記のTiC置換系
とは、炭化チタンの一部をM.O及び/又は炭化
物、窒化物、硼化物或いはこれらの複合化合物で
置換した成分系を意味する。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の磁気ヘツド基板用材料は、TiC又はそ
の一部をM.O(メタルオキサイド)で置換した炭
化チタン成分5〜45重量%、酸化ジルコニウム
0.2〜10重量%とイツトリウム酸化物0.05〜2重
量%と窒化アルミニウム0.2〜25重量%と、残部
がMg、Ca、B、Ni、Crの酸化物からなる快削
性付与剤の中から選択した少なくとも1種、又は
それらの複合酸化物0.5〜8重量%で置換した
Al2O3成分とから構成することによつて上記目的
を達成したものである。 また、上記材料の炭化チタンの10〜50重量%を
a、a、a族金属の炭化物、窒化物、硼化
物及びそれぞれの複合化合物(炭窒化物、炭硼化
物、室硼化物、炭窒化硼化物)の少なくとも1種
で置換した材料も上記目的を達成する。そしてこ
の材料は、所定の置換処理を行つた原料粉末を混
合調整して、熱間加圧焼結法により製造される
が、TiC或いはその置換成分の原料粉末調整法と
しては、Ti、Ta及びNbの酸化物の少なくとも1
種以上又はTi、Ta、Nbの少なくとも2元素を含
む複合酸化物(これらの酸化物をM.Oと略記す
る)で炭化チタンの一部を置換するためにそれぞ
れを粉末混合して炭化チタン成分とする。より好
ましくはそれぞれ粉末混合した後、非酸化性雰囲
気で500〜1500℃の温度で熱処理することにより、
炭化チタンにM.Oの酸素の一部固溶させ炭化チ
タン成分とする。 ここで、M.O(メタルオキサイド)等からなる
置換成分をふくむ炭化チタン成分に対するM.O
(メタルオキサイド)の割合は、重量比で0.15以
下(ゼロを含まず)、より好ましくは0.05〜0.15
の範囲としておくのが本発明材料の特性改善に効
果を発揮する。すなわち、Ti、Ta、Nbの少なく
とも1種の酸化物又はそれらの複合酸化物からな
るM.O(メタルオキサイド)は、炭化チタンと固
溶するとともに、アルミナ成分とも焼結過程で反
応結合する結果、炭化チタン成分とアルミナ成分
との強力な結合剤として作用し、焼結体の靭性を
高め、且つ精密加工性を高める作用効果がある。
このM.O(メタルオキサイド)の割合は、TiCの
10〜50重量%をa、a、a族金属の炭化
物、窒化物、硼化物及びそれぞれの複合化合物の
少なくとも一種で置換してなる炭化チタン成分に
対しても、重量比で0.15以下(ゼロを含まず)と
することが好ましい。 次に、Al2O3については、Al2O3の0.5〜8重量
%を前述の快削性付与剤で粉末混合置換するか、
より好ましくは快削性付与剤の塩をAl2O3にドー
プした粉末又は快削性付与剤とAl2O3の所定量混
合粉末を650〜1300℃の温度で焼成し反応結合さ
せてもよい。この快削性付与剤としてMg、Ca、
B、Ni、Crの酸化物を本来硬質材料である酸化
アルミニウム−炭化チタン系材料に配合すること
により機械加工性が大幅に改善され、微細加工及
び超精密加工を行なう場合に加工能率向上に多大
な効果を与えるものである。 この快削性付与剤の配合方法としては、単なる
粉末混合法でもよいが、焼成反応結合処理を行な
うことにより、材料組織面で快削性付与剤が非常
に均一に分散した材料が得られ、その結果超精密
加工する際に、エツジ部の欠けが発生しない効果
を与える。 なお、快削性付与剤を粉末混合法によつて配合
するのみで、従来材料にない機械加工性(快削
性)が得られるが、粉末混合法の場合、次工程で
湿式粉砕混合段階で酸化物が、たとえばMgO→
Mg(OH)2によつて水酸化物となり、この水酸化
物が若干の凝集性を有する性質があり、均一分散
性の点で焼成反応結合処理法よりもわずかな劣る
面がある。 さらに、快削性付与剤のうち酸化硼素は、炭化
チタン成分の10〜50重量%を硼化物または硼化物
との複合化合物で置換した材料に対して、酸化ア
ルミニウムと硼化物との強力な結合剤として作用
し、靭性向上及び精密加工性を向上させる効果を
発揮する。また、イツトリウム酸化物について
は、本発明材料の各種粉末混合時点でY2O3とし
て配合するか、より好ましくは、Al2O3とY2O3
複合酸化物であるガーネツトY3(Al、Y)2
(AlO43又は(Y、Al)3Al2(AlO43をY2O3に換
算して0.05〜2重量%配合する。 また同様にY3Al2(AlO43の組成のガーネツト
やガーネツト以外のYxAl(1-x)O3(ここでx<1)
で表される組成でも使用可能である。 このイツトリウム酸化物は、本発明材料組成の
いかなる組成の組合せに対しても顕著な焼結促進
効果を与えるものであり、特にアルミナとの複合
酸化物として配合した場合は、微細空孔の大幅な
低減効果を与えるとともに、他の必須成分である
酸化ジルコニウムを酸化アルミニウムと強固に結
合させる効果を発揮する。 酸化ジルコニウムについては、純ZrO2又は
Y2O3、MgO、CaO、CeOの少なくとも1種で部
分安定化された酸化ジルコニウムを用い、より好
ましくは粒度0.3μm以下の純ZrO2又は2〜5モ
ル%のY2O3で部分安定化されたジルコニアを原
料粉末とする。 酸化ジルコニウム又は部分安定化ジルコニア
は、本発明材料全組成に対して粒成長抑制効果を
与える他、靭性向上効果による超精密加工性に多
大な効果を与えるとともに、記録媒体とのなじ
み、潤滑性、耐摩耗性の特性改善に大きな効果を
与えさらには焼結促進効果も与えるものである。 更に、近年記録媒体としてフエライト系の代わ
りにクロム系が採用される傾向が多くなり、従来
の酸化アルミニウムと炭化チタンとの主成分に快
削性付与剤を配合した材料ではクロムとのなじ
み、潤滑性、耐摩耗性の点で改良すべき余地、即
ちクロムの凝着脱落摩耗の進行及びクロム系記録
媒体の摩耗に伴う再生出力の減衰量の増加の問題
が大きなウエイトを占めるようになつてきた。 その改善策として、窒化アルミニウムと酸化ジ
ルコニウムとを配合することにより潤滑性が向上
し、基板材料の耐摩耗性が改善されると共に、再
生出力減衰量を大幅に低減する効果が得られる。 また窒化アルミニウムについては、これを配合
することにより、粒成長抑制剤としても作用し、
かつ炭化物、窒化物、硼化物及びそれらの複合化
合物と酸化アルミニウム成分との強力な結合剤と
して作用する結果、焼結促進効果と靭性改善効果
が得られ超精密加工性に寄与するものである。よ
り好ましくは、平均粒子径1μm以下の窒化アル
ミニウムが効果が大きい。 炭化チタン成分の10〜50重量%をa、a、
a族の窒化物、硼化物、炭化物及びそれらの複
合化合物で置換した場合は、酸化アルミニウム−
炭化チタン複合材料の特徴を残し、かつ炭化チタ
ン成分の結晶粒子の成長を抑制する結果、均一微
細な組織を有する材料が得られるとともに、精密
加工性の改善効果も得られる。 最後に、微細空孔の残存量を非常に少なくでき
ることも本発明材料の特徴の一つであり、従来品
の空孔残存量が比較的多い理由としては、従来品
のAl2O3、TiC以外の配合物であるTiO2、MgO
及びY2O3等が単独酸化物として配合されている
ためによると推擦される。 すなわち、TiO2はTiC成分のフリーカーボン
或いは焼結雰囲気から生じるCOガス等と反応し、
発生した反応ガス(CO、CO2)が材料組織内に
残存する要因と、TiO2がTiCに固溶する際に空
孔を作る要因となる。また、MgOは湿式混合時
にMg(OH)2となり易く、焼結過程で脱水するた
め空孔残存要因となり、Y2O3はフリーカーボン
との反応及びAl2O3との反応等により空孔を発生
させる要因となる。これに対して、本発明材料を
固溶処理した炭化チタン成分、ガーネツト類及び
Al2O3と快削性付与剤との化合粉末から製造した
場合は、上記空孔残存要因が軽減されるため、微
細空孔の非常に少ない材料が得られる。 また熱間加圧焼結法としては、ホツトプレス法
または熱間静水圧加圧焼結法を、本発明材料の諸
要求特性を満足させるために採用するのがよい。
ホツトプレス法は、非酸化性雰囲気中で加圧力50
Kgf/cm2以上、温度1350〜1750℃の下で緻密化す
るに要する時間だけ保持することにより特性の良
い材料が得られ、緻密化後長時間保持した場合は
粒成長の虞れがあり好ましくない。次に、熱間静
水圧加圧焼結は、普通焼結(コールドプレス)法
又はホツトプレス法により製造した相対密度94〜
98%の予備焼結体を不活性ガス雰囲気(Ar、
N2)で加圧力500〜2000Kgf/cm2、温度1000〜
1600℃の下で0.5〜2時間保持することにより、
緻密化処理して本発明材料を得ることができる。 なお、熱間静水圧加圧焼結法またはホツトプレ
ス法により焼成した材料を非酸化性雰囲気で加圧
力0〜10Kgf/cm2、温度1000〜(焼結温度+100)
℃の範囲で熱処理することにより、歪を除去する
ことができる。従つて、熱処理した材料は、精密
加工時に歪による微細なチツピングが発生せず、
かつコーテイング膜の密着がよく、非常に優れた
材料が得られる。 〔成分範囲限定理由〕 本発明材料において、TiCは、Al2O3と共に、
主成分を形成しており、TiC5重量%未満では微
細な結晶粒径を有する材料が得られにくく、しか
もAl2O3の難削性が強く現れる結果、機械加工度
の多い本発明材料用途に適せず、5重量%以上で
あれば経済的な加工能率が得られると共に精密加
工性が向上する。またTiCが45重量%を超えると
機械加工性は向上するが焼結温度を高くする必要
があり、またTiCとAl2O3の結晶粒子の成長が進
行する結果、超精密加工を行なう場合好ましくな
い。 また、TiCの一部をTi、Ta、Nbなどの酸化物
や複合酸化物で置換して炭化チタン成分とする方
法は、原料粉末混合法と焼成反応結合法とに分け
られるが、焼結用原料粉末の混合調整段階では、
炭化チタン成分中のM.O量が15重量%以下(ゼ
ロを含まず)、より好ましくは5〜15重量%に調
整しておくことがAl2O3とTiCとの結合強化及び
焼結促進効果を与える点で有効である。 上記15重量%以下(ゼロを含まず)のM.Oは、
焼結過程で焼結用原料粉末中のフリーカーボンや
焼結雰囲気から発生するCOガスにより還元また
は炭化される場合があり、TiCと置換できるM.O
は高々15重量%であり、焼結材料に炭化物及び低
級酸化物又は炭酸化物の形で残存してもよい。こ
の意味から、Ti、Ta、Nbの酸化物或いは複合酸
化物の外に、これらの低級酸化物及び/又は炭酸
化物を含んだものをも、本願明細書におけるM.
O(メタルオキサイド)が包含するものとする。 従つて、TiCの置換物質であるM.Oが15重量%
を越えるとホツトプレス法では黒鉛モールドと反
応接着割れの原因となる他、材料中の微細空孔の
増加及びTiCが酸素を固溶し過ぎることによる脆
さがひどくなるため、材料の要求特性を満足しな
くなる。 快削性付与剤としてのMg、Ca、B、Ni、Cr
の酸化物又はこれら酸化物の複合物はいずれも同
様の効果を有し、少なくとも1種で0.5〜8重量
%を置換した酸化アルミニウムを使用すのが機械
加工性の向上に有効であり、0.5重量%未満では
粒成長抑制剤としてのみ作用し、機械加工性の向
上は見られない。また、逆に8重量%を超えると
酸化アルミニウム成分の粒成長が促進し、材料の
強度が低下し好ましくない。 周期律表a、a、a族の炭化物、窒化
物、硼化物及びそれぞれの複合化合物の少なくと
も1種によるTiCの置換範囲が10重量%未満で
は、材料特性の改善効果があまり現れず、50重量
%を超えると焼結温度が高くなる傾向があり、精
密加工性も劣ることになり、10〜50重量%の範囲
で材料特性の優れたものが得られる。 酸化ジルコニウムまたは部分安定化ジルコニア
の量が0.2重量%未満では粒成長抑制効果、靭性
向上効果及び記録媒体とのなじみや潤滑性、耐摩
耗性改善の作用効果が少なく、0.2〜10重量%配
合することにより、材料の靭性を向上させ超精密
加工性に優れた特性が得られると共に、各種の記
録媒体とのなじみや潤滑性の向上に伴伴う耐摩耗
性改善効果が発揮され、かつ再生出力減衰量が低
減できるが、10重量%を越えると靭性は向上する
が機械加工性(快削性)が急速に悪くなるため、
加工度合の大きい本発明用途材料としては経済性
の面から不適となる。 イツトリウム酸化物は0.05重量%未満では焼結
促進剤としての効果すなわち低温焼結性が現れ
ず、逆に2重量%を超えると結晶粒子の成長を引
き起こしたり、微細空孔が多数発生する傾向があ
るため好ましくなく、0.05〜2重量%の範囲とす
る。 窒化アルミニウムについては、0.2重量%未満
では再生出力減衰量の改善効果及びその作用効果
が現れず、25重量%を超すと材料の硬度が低下し
耐摩耗性が悪くなるため0.2〜25重量%とする。 〔実施例〕 本発明薄膜磁気ヘツド用スライダ材料を得るた
めの製造方法及び材料の特性について実施例によ
り説明する。 A 出発原材料粉末 ●α−Al2O3:平均粒子径0.5μm、純度99.9% ●炭化チタン:平均粒子径1μm、不純物量
(TiC、O以外)=0.1% ●周期律表a、a、a族の炭化物、窒化
物、硼化物及びそれらの複合化合物:平均粒
子径1μm、それぞれの構成元素以外の不純
物(酸素を除く)=0.3%以下 ●快削性付与剤:単独酸化物の平均粒子径0.5μ
m、純度99.9% なお、ドープ法に使用するそれぞれの塩の
純度は99.9%以上 ●酸化ジルコニウム:平均粒子径1μm以下、
純度99.9%以上(部分安定化剤を含めた純
度) ●イツトリウム酸化物:平均粒子径1μm純度
99.9% ●窒化アルミニウム:平均粒子径1μm 不純物(酸素を除く)=0.1% 実施例 1 上記の各種出発原料により、それぞれ置換粉
末、複合粉末を作り第1表〜第3表に示す材料組
成となし、ホツトプレス法は最適の焼結温度
(1350〜1750℃)加圧力200Kgf/cm2の条件下で60
分間保持し、50×50×5.5mmの焼結体を得た。各
種組成の焼結体をダイヤモンド砥石で49×49×
5.0mmに研削して比重測定を行つた後、更にダイ
ヤモンド砥石で切断あるいは研削して試験片を作
成し、各種試験に供した。その結果を第4表に試
料No.毎の特性を示す。 なお、第5表には、炭化チタン成分中のTiO2
量が10重量%になるようにTiO2で置換処理した
炭化チタン成分を35重量%と窒化アルミニウム
(AlN)2.5重量%と2重量%のTiO2とを一定と
し、4.0重量%MgOで置換し焼成反応結合処理し
たアルミナ成分と3mol.%Y2O3による部分安定化
ジルコニアとを各種変化させた場合の材料特性を
示す。 また、第6表には、炭化チタン成分中のTiO2
量が10重量%になるように置換処理した炭化チタ
ン成分を30重量%とY2O3換算0.2%のガーネツト
Y3(Al・Y)2・(AlO43と3mol%Y2O3による部分
安定化ジルコニアを5%一定とし、窒化アルミニ
ウムを種々変化させた場合の材料特性を示す。 なお、特性の判定評価A〜Cについては、後で
まとめて説明する。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 次に、各種組成の試験片を精密ラツプ仕上げし
た後、顕微鏡写真により炭化チタン成分の結晶粒
子を調べる一方、別途曲げ強度測定に供した試片
の破断面の走査型電子顕微鏡組織写真を観察し、
結晶粒子径と微細空孔の調査を行つた。 精密加工性は、デイスクヘツドスライダのトラ
ツク幅に合わせて加工する際に、エツジ部に発生
する微小欠けの度合により、使用上好ましくない
ものをC印、欠け発生がほとんどなく使用上問題
ないものをB印、特に優れているものをA印で示
す。 快削性とは、一定重量の重錘の重力を切断送り
分力とした条件の下で同じ断面積を切断するのに
要する時間が長くて生産性上好ましくないものを
C印、特に問題のないものをB印、切断所要時間
が短く優れているものをA印で示す。 焼結体の平均結晶粒子径が1μm以下のものを
A印、1〜1.5μmのものをB印、1.5μm以上のも
のをC印で示す。 組織に残存する空孔については、1μm以上の
空孔の存在するものをC印、空孔径が1μm未満
であるが若干認められ従来品と同等のものをB
印、1μm未満の空孔が特に少ないものをA印で
示す。 靭性については曲げ強さで評価し、曲げ強さが
60Kgf/mm2未満のものをC印、60〜70Kgf/mm2
ものをB印、70Kgf/mm2以上のものをA印で示
す。 相対密度については、99.4%以上をA、99.0〜
99.4%未満をB、99.0%未満をCで示す。 再生出力減衰量(dB)については、103回のシ
ユーシヤインテストによる評価が従来品と同程度
のもの(−2dB以下)をC印、優れているもの
(−2dB〜−1dB)をB印、非常に優れているも
の(−1dB〜0)をA印で示した。 また、熱間静水圧加圧焼結法についても各種成
分の材料を製造調査した結果、平均して結晶粒径
がホツトプレス法よりも約0.2μm大きい以外は、
第4表及び第5表に示した特性と殆ど同じであつ
た。 第1表〜第3表のTi、Ta、Nb酸化物は、TiC
成分及び/又は特許請求の範囲第3項のTiCと
TiC置換成分中に含まれる重量%を(%)で、ま
た快削性付与剤は酸化アルミニウムを置換した重
量%(Al2O3成分中の割合)を(%)で示した。 実施例 2 純度99.9%、平均粒径0.5μmの10%MgOで置換
したα−Al2O3及び純度99.9%、平均粒径1μm以
下のTiC、TiC−TiO2固溶体、AlN、ZrO2
Al2O3・Y2O3固溶体の焼結促進剤及び快削性付与
剤をそれぞれ所定の配合にて仕込み、ボールミル
混合機にて40時間湿式混合を行つた後、プレス成
形のためにバインダーを添加し、これを粉霧造粒
機にて乾燥造粒し原料粉末を得た。 60×60mmの金型にてプレス成形し、真空加熱に
てバインダーを除去し、これを不活性ガス中1450
〜1800℃にて予備焼結を行つた後、熱間静水圧加
圧装置(以下、HIPと略す)を用い、Arガス中
1400℃にて1000Kg/mm2、60分間保持しその後、冷
却して50×50×3t(mm)の焼結体を得た。更に、
その焼結体を非酸化性雰囲気で加圧力0〜10Kg/
cm2、温度1300〜1500℃の範囲で熱処理した。その
結果、精密加工時の歪開放による微細チツピング
が発生せず、かつコーテイング膜の密着性が非常
に優れた材料が得られた。炭化チタン成分(TiC
+TiO2)量を種々変化させた組成と材料特性を、
第7表に示す。
〔発明の効果〕
本発明の酸化アルミニウム−炭化チタンを主組
成とする各種材料は、従来のAl2O3−TiC系材料
と比べ磁気ヘツドスライダ用材料として同等以上
の精密加工性と機械加工性に優れ、かつ空孔が少
なく実用上非常に優れた性能を有している。 また、本発明材料は、各種組成物の材料に調整
可能であるため、記録媒体との相性のよい組成を
選ぶことあるいはコーテイングされる材質となじ
みのよい組成材料を選ぶことにより、さらに優れ
た薄膜磁気ヘツド用スライダ材料とすることがで
きる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭化チタン成分5〜45重量%と、酸化ジルコ
    ニウム0.2〜10重量%と、イツトリウム酸化物
    0.05〜2重量%と、窒化アルミニウム0.2〜25重
    量%と、残部がMg、Ca、B、Ni、Crの酸化物
    からなる快削性付与剤の中から選択した少なくと
    も1種、又はそれらの複合酸化物0.5〜8重量%
    で置換されたAl2O3とからなることを特徴とする
    磁気ヘツド基板用材料。 2 特許請求の範囲第1項記載の炭化チタン成分
    がTiC、或いはM.O(メタルオキサイド)を含む
    炭化チタン成分であることを特徴とする磁気ヘツ
    ド基板用材料。 3 M.O(メタルオキサイド)がTi、Ta、Nbの
    酸化物の少なくとも1種又はそれらの複合酸化
    物、低級酸化物又は炭酸化物からなり、M.O(メ
    タルオキサイド)の置換成分を含む炭化チタン成
    分に対するM.O(メタルオキサイド)の割合が重
    量比で0.15以下(0を含まず)であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の磁
    気ヘツド基板用材料。 4 TiCの10〜50重量%をa、a、a族金
    属の炭化物、窒化物、硼化物及びそれぞれの複合
    化合物の少なくとも1種で置換したことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項又は第3項に記載の磁
    気ヘツド基板用材料。 5 酸化ジルコニウムがY2O3、MgO、CaO、
    CeOの少なくとも1種で部分安定化されたZrO2
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃
    至第4項のいずれかに記載の磁気ヘツド基板用材
    料。 6 イツトリウム酸化物がAl2O3との複合酸化物
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃
    至第5項のいずれかに記載の磁気ヘツド基板用材
    料。 7 平均結晶粒径が2μm以下で、かつ相対密度
    が99%以上であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項乃至第6項のいずれかに記載の磁気ヘツ
    ド基板用材料。 8 特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか
    に記載の材料が熱間加圧焼結法で焼結されたもの
    であることを特徴とする磁気ヘツド基板用材料。 9 特許請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか
    に記載の材料が、熱間加圧焼結の後で熱処理され
    ていることを特徴とする磁気ヘツド基板用材料。 10 特許請求の範囲第8項又は第9項記載の材
    料が、熱間加圧焼結法として、熱間静水圧加圧焼
    結法又はホツトプレス法により焼結されたことを
    特徴とする磁気ヘツド基板用材料。
JP61209100A 1985-09-06 1986-09-05 磁気ヘツド基板用材料 Granted JPS63100054A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/021,227 US4902651A (en) 1986-06-20 1987-03-03 Material for magnetic head substrate member

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19719485 1985-09-06
JP60-197195 1985-09-06
JP60-197194 1985-09-06
JP61-144570 1986-06-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63100054A JPS63100054A (ja) 1988-05-02
JPH0262511B2 true JPH0262511B2 (ja) 1990-12-25

Family

ID=16370370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61209100A Granted JPS63100054A (ja) 1985-09-06 1986-09-05 磁気ヘツド基板用材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63100054A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009026405A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Tdk Corp 磁気ヘッドスライダ用材料、磁気ヘッドスライダ、ハードディスク装置、及び磁気ヘッドスライダ用材料の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101689374B (zh) * 2007-06-27 2012-03-28 京瓷株式会社 磁头用基板、磁头以及记录介质驱动装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009026405A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Tdk Corp 磁気ヘッドスライダ用材料、磁気ヘッドスライダ、ハードディスク装置、及び磁気ヘッドスライダ用材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63100054A (ja) 1988-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4650774A (en) Magnetic head slider material
US4814915A (en) Magnetic head slider and material therefor
JPH046083B2 (ja)
JPS6323643B2 (ja)
JPH0622053B2 (ja) 基板材料
US4902651A (en) Material for magnetic head substrate member
US4859638A (en) Magnetic head sliders, materials therefor, and the process for the production thereof
JP3039908B2 (ja) 低浮上性を有する磁気ヘッド用基板材料
JPH0262511B2 (ja)
JP2699104B2 (ja) A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料
JPH0255390B2 (ja)
JPH0531514B2 (ja)
JPH026367A (ja) 高靭性酸化アルミニウム基焼結体及びその製造方法
JP2968736B2 (ja) 磁気ヘッドスライダ用セラミック材料
JPH03126659A (ja) 超硬質セラミックス
JPS6339115A (ja) 薄膜磁気ヘツド用基板材料
JP2554604B2 (ja) 磁気ヘッドスライダ用セラミック材料
JPH0510292B2 (ja)
JPH04321555A (ja) セラミックス材料及びその製造方法
JPS63134559A (ja) 磁気ヘツド用非磁性セラミツクス
JP2699093B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド用セラミック材料
JPH03290356A (ja) 高靭性および高強度を有する酸化アルミニウム基セラミックス
JP2949297B2 (ja) 磁気ヘッド用磁器組成物
JPS6323641B2 (ja)
JPS6323642B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees