JPH0547667B2 - - Google Patents

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JPH0547667B2
JPH0547667B2 JP60298736A JP29873685A JPH0547667B2 JP H0547667 B2 JPH0547667 B2 JP H0547667B2 JP 60298736 A JP60298736 A JP 60298736A JP 29873685 A JP29873685 A JP 29873685A JP H0547667 B2 JPH0547667 B2 JP H0547667B2
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JP
Japan
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polyurethane elastomer
substrate
solution
suede
sheet material
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JP60298736A
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JPS62156365A (ja
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Atsushi Saito
Yoshioki Ookubo
Kenji Nagai
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0547667B2 publication Critical patent/JPH0547667B2/ja
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は研磨布の製造方法関し、更に詳しく
は、耐水性が良好で、しかも基体面に垂直且つ均
一な紡錘状気孔を有するスエード様シート材から
なる研磨布の製造方法に関する。 〔従来技術〕 スエード様シート材としては、綿、レーヨン、
ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリ
ル等の繊維を用いた編織布又は不織布、或いはこ
れらにスチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジ
エンゴム等のゴム状物質またはポリウレタンエラ
ストマー等の樹脂を充填して得られる基体に、ポ
リウレタンエラストマーの水混和性有機溶剤溶液
を塗布し、これを水系凝固液で処理し湿式凝固を
行つて多孔質銀面層を形成せしめ、水洗乾燥後、
該銀綿層表面を研削してスエード様としたものが
知られており、現在、靴、鞄、衣料、インテリア
材料、工業用研摩布、滑り止め材等に広く使用さ
れている。 しかしながら、これら従来のスエード用シート
材を研磨布として用いた場合、耐水性に劣り、製
品外部から水が浸透する等の問題があつた。この
耐水性不良を改善する方法として、例えば特公昭
48−4181号公報に記載されている如く基体に撥水
処理を施す方法、あるいはスエード様シート材
に、後加工により撥水処理を施したり、塗布液中
に撥水剤を添加する方法等が考えられるが、これ
らの方法の場合には、耐水性はある程度改善され
るものゝ、製品化工程に於ける接着加工時、接着
不良を惹起する場合があるという別の難点があ
る。 また、スエード様シート材は、銀面層の気孔の
形状、孔径、分布等が不均一であると銀面層研削
後の開孔径の斑による色斑を生じ商品価値を低下
せしめたり、更にはロツト間の色合せが非常に困
難となるなどの問題を生ずることから、特に均一
でしかも望ましくは基体面に垂直な紡錘状気孔を
有する銀面層を形成せしめることが重要であり、
そのために例えば塗布工程の温湿度さらには水系
凝固浴の組成、温度等の諸条件を厳しく管理する
ことが行われているが、かゝる条件コントロール
のみによつては上記の望ましい気孔を有する銀面
層を形成せしめることは困難である。また、気孔
の均一化を計るための一般的な方法としてポリウ
レタエラストマーの塗布液中に界面活性剤を添加
する方法があるが、この方法の場合に於ても、塗
布液が基体中に浸透し凝固時の気孔発現斑を生
じ、研削後も孔形状、孔径の斑を発生する原因と
なる。これに対して、フイルム上で別途均一気孔
を有する銀面を形成せしめ表面を研削した後、こ
れを基体と接着することによりスエード様シート
材を得る方法もあるが、加工工程が増えるばかり
でなく、製品化後の接着面の剥離現象を惹起し、
著しく商品価値を失う場合がある。 上記の如き従来のスエード様シート材に一般的
にみられる耐水性不良、気孔の均一性不良の問題
は、工業用研摩布として用いる場合に重要であ
り、例えば耐水性不良は、研摩加圧時の研摩液の
基体への浸込みによる被研摩体への圧力変化と、
それに基づく研摩斑を惹起し、また気孔の不均一
性即ち、スエード表面および断面の不均一性は、
研摩不良、あるいは摩擦抵抗値の変化等の問題を
もたらすところから、それら問題点のないスエー
ド様シート材からなる研磨布の出現が強く望まれ
ている。 〔本発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、上記の如き従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、耐
水性が良好で、しかも気孔の均一性にすぐれたス
エード様シート材からなる研磨布を簡便な手段で
工業的容易に製造する方法を提供することにあ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的は、基体にポリウレタンエラストマ
ーの水混和性有機溶剤溶液を塗布し、水系凝固液
で処理して基体上に多孔質銀面層を形成せしめ、
該銀面層表面をを研削することからなるスエード
様シート材の製造方法に於て、予め基体に、ポリ
ウレタンエラストマー溶液を、ポリウレタンエラ
ストマー固形分で40g/m2以上となるように塗布
し、乾燥して乾式皮膜層を形成せしめた後、該乾
式皮膜層上に銀面形成用のポリウレタンエラスト
マー溶液を塗布するようにしたことを特徴とする
スエード様シート材からなる研磨布の製造方法に
よつて達せられる。 かゝる本発明方法によれば、基体表面に設けら
れた乾式皮膜層によつて、スエード様シート材に
すぐれた耐水性が付与されると共に、意外なこと
に、銀面層中に、基体にほゞ垂直でしかも径の揃
つた紡錘状の気孔が形成され、その結果シート材
表面、さらには断面も極めて均質性に富んだもの
となる。 特公昭55−51077号公報には、基体表面にポリ
ウレタンエラストマーの乾式皮膜を形成せしめた
後、その上に該ポリウレタンエラストマーと同じ
ポリウレタンエラストマーの溶液を塗布し、湿式
凝固せしめることからなる風合の良好な多孔質シ
ート状物の製造方法が開示されているが、該公報
の第2頁左欄28〜31行目によれば、上記乾式皮膜
形成のためのポリウレタンエラストマーの塗布量
は、最終製品のシート状物の風合の観点から固形
分で30g/m2程度以下に限定されており、本発明
方法に於ける重要な要件である乾式皮膜層を40
g/m2(固形分)以上の塗布量とすることおよび
これによつて初めて均一な気孔形成が達成される
こと(後記実施例1参照)については何らの記録
もなされていない。 本発明に用いられる基体としては、綿、レーヨ
ン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニ
トリル等の繊維またはこれらの混合物からなる編
織布や不織布、或はこれらにスチレンブタジエン
ゴム、ニトリルブタジエンゴム等のゴム状物質ま
たはポリウレタンエラストマー等の樹脂を充填し
て得られるものが挙げられるが、特にこれらに限
定されるものではない。 本発明に於て、銀面形成用に使用されるポリウ
レタンエラストマー(以下これを銀面ポリウレタ
ンエラストマーと表記する)と、予め基体に塗布
し乾式皮膜層を形成せしめるポリウレタンエラス
トマー(以下前処理ポリウレタンエラストマーと
表記する)とは、同一或はまた同系統のポリウレ
タンエラストマーであることが好ましい。 ここに於ける同系統とは、銀面ポリウレタンエ
ラストマーを構成するポリオールが、ポリエステ
ル系ポリオールであれば、前処理ポリウレタンエ
ラストマーもポリエステル系ポリオールを使用し
たものであり、また銀面ポリウレタンエラストマ
ーを構成するポリオールがポリエーテル系ポリオ
ールであれば、前処理ポリウレタンエラストマー
もポリエーテル系ポリオールを使用したものであ
ることを意味する。なお、こゝで、ポリエステル
系あるいはポリエーテル系とは、ポリエステルポ
リオールあるいはポリエーテルポリオールをそれ
ぞれ50モル%以上含むことを意味する。また、銀
面ポリウレタンエラストマーと前処理ポリウレタ
ンエラストマーは上記の意味で同一或はまた同系
統のものであれば好適に使用でき、同系統の場合
分子量、組成(ジイソシアネート等)等も同一で
ある必要は必らずしもないが、分子量、組成等も
類似であれば更に好ましい。 ポリウレタンエラストマーが同一或はまた同系
統でない場合、例えばポリエステル系ポリオール
からならる銀面ポリウレタンエラストマーに対し
て、ポリエーテル系ポリオールからなる前処理ポ
リウレタエラストマーを使用した場合には、両エ
ラストマー間の相溶性が悪いため、銀面層と乾式
皮膜層間の剥離強力が低下する傾向が認められ
る。 本発明に係る銀面ポリウレタンエラストマー及
び前処理ポリウレタンエラストマーとは、一般的
に有機ジイソシアネートとポリオール類を反応せ
しめて得られるものであり、有機ジイソシアネー
トとしては、例えばジフエニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等があり、或は
これらの混合物でもよい。 またポリオールとしては、ポリエチレンアジペ
ートグリコール、ポリプロピレンアジペートグリ
コール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリ
コール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポ
リエチレンブチレンアジペートグリコール、ポリ
ペンダメチレンアジペートグリコール等のポリエ
ステルポリオール類、或はポリエチレンエーテル
グリコール、ポリプロピレンエーテルグリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポ
リヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエ
ーテルポリオール類、さらにはラクトン環を開環
重合したポリカプロラクトン類等の両末端に水酸
基を有する分子量500〜8000のグリコール等が挙
げられる。 本発明方法に於ては、まず以上の如き組成から
なる前処理ポリウレタンエラストマーの溶液を基
体表面に塗布し、乾燥して基体上にポリウレタン
エラストマーの乾式皮膜層を形成せしめる。前処
理ポリウレタンエラストマー溶液用の溶剤として
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミ
ド、エチルアセテート、ジオキサンなどが挙げら
れるが、特にこれらに限定されるものではない。
前処理ポリウレタンエラストマー溶液のエラスト
マー固形分濃度は10〜40重量%、好ましくは20〜
40重量%である。エラストマー固形分濃度が10重
量%未満であると、溶液の粘度が低下し過ぎ、乾
燥皮膜化工程に於て過度の基体への浸み込みが生
じ、皮膜表面が不均斉となつて好ましくない。 前処理ポリウレタンエラストマー溶液には、必
要に応じてポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリア
クリニトリル、ポリ酢酸ビニル等の他の重合体
類、着色剤、安定剤等を添加することができる。 以上の前処理ポリウレタンエラストマー溶液を
基体に塗布する方法としては、ナイフコーター、
ロールコーター等を用いる通常の方法を使用する
ことができる。 この場合、前処理ポリウレタンエラストマー溶
液の塗布量を、エラストマー固形分で40g/m2
上となるようにすることが肝要である。塗布量が
エラストマー固形分で40g/m2を下廻わる場合に
は、耐水性付与効果が不充分となるばかりでな
く、特に気孔形成が不均一となつて目的とする研
磨布に適したウエード様シート材は得られない。
塗布量の上限については、耐水性、気孔の均一性
の観点からは特に制限はないものゝ、一般には
150g/m2(エラストマー固形分)程度以下とす
るのがよく、それ以上塗布量を多くしても性能の
著しい向上は認められず、唯いたずらにコストア
ツプとなるばかりで好ましくない。 以上の前処理ポリウレタンエラストマー溶液の
塗布が終了したならば、次いで乾燥機中60〜130
℃で乾燥することにより、基体表面に前処理ポリ
ウレタンエラストマーの乾式皮膜層が形成され
る。 本発明では、こゝに得られる乾式皮膜層を有す
る基体の該乾式皮膜層側に、好ましくはそれを構
成するポリウレタンエラストマーと同一或は同系
統のポリウレタンエラストマー(銀面ポリウレタ
ンエラストマー)の水混和性有機溶剤溶液を塗布
し、水系凝固液で処理して多孔質銀面層を形成せ
しめる。 銀面ポリウレタンエラストマーの水混和性有機
溶剤溶液としては、例えば該エラストマーのジメ
チルホルムアミド溶液、ジメチルアセトアミド溶
液、或はジメチルスルホキシド溶液等に、凝固調
節剤例えば界面活性剤を添加したものが使用で
き、これらには必要に応じて更に、ポリウレア、
ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢
酸ビニル等の重合体類、顔料、染料等の着色剤、
或は老化防止剤等を添加してもよい。 塗布工程、水系凝固液で処理して銀面層を形成
せしめる工程、水洗乾燥工程並びに表面の研削工
程は、常法に従つて行うことが出来る。 即ち、界面活性剤及び必要に応じて重合体類、
着色剤、老化防止剤等を添加し、更に固形分濃度
を10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%に調整
した銀面ポリウレタンエラストマーの水混和性有
機溶剤溶液を、ロールコーター、ナイフコーター
などの適宜の塗布手段を用いて、前記の如き乾式
皮膜層を形成せしめた基体の該乾式皮膜層側に、
一般的に150〜1500g/m2、好ましくは300〜1200
g/m2の塗布量(溶液として)になるように塗布
し、次いで水或は水とポリウレタンエラストマー
の溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固せしめた
後、脱溶剤のための水洗、乾燥をすることによ
り、基体面に垂直且つ均一な紡錘状気孔を有する
銀面層を具えたシート状物質が得られる。更に、
サンドペーパー使用の表面研削機などにより該シ
ート状物質の銀面表面を研削することにより、表
面孔形状も均一で且つ断面孔形状が基体面に垂直
で均一な紡錘状気孔であるスエード様シート材が
得られる。 本発明の方法によつて得られるスエード様シー
ト材からなる研磨布は耐水性に優れ、表面、並び
に残面の孔形状が均一なため、ガラス、金属等の
研摩布として用いた場合、従来技術によるスエー
ド様シート材と比較してより優れた研摩効果を発
揮する。 尚、更には、銀面スエード層と基体との接着加
工工程の必要もなく、安価且つ工業的容易に製造
可能である。 以下、実施例により本発明の方法を更に詳細に
説明する。尚、本実施例中の部及び%は、特に断
わりのない限りすべて重量に関するものである。
また、実施例に示した表面平均孔径、断面平均孔
径、標準偏差値、耐水圧の測定方法は、下記の通
りである。 (1) 表面平均孔径:スエード様シート材の倍率
100倍の表面電子顕微鏡写真より、50個の孔径
を測定し、その平均値を求めた。 (2) 断面平均孔径:スエード様シート材の倍率
100倍の断面電子顕微鏡写真より、銀面層の中
間に当る50個の孔径を測定し、その平均値を求
めた。 (3) 標準偏差値(σ):表面平均孔径並びに断面
平均孔径測定結果より各標準偏差値を算出し
た。 (4) 耐水圧:JIS1092(低水圧法)に準拠。 実施例 1 ナイロン短繊維(2d、51mm長さ)よりなるニ
ードルパンチされた不織布(目付300g/m2、厚
み2.0m/m)に、スチレンブタジエン共重合体
のエマルジヨン溶液を含浸させ、加熱架橋反応
後、0.9mmの厚さにスライスして繊維比率46%、
スチレンブタジエン共重合体比率54%の基体を得
た。 また、分子量1500のポリブチレンアジペートグ
リコール1モル、ジフエニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート4モル、エチレングリコール3モ
ルを、ジメチルホルムアミド中で溶液重合させて
得た濃度30%のポリウレタンエラストマー溶液
を、前処理ポリウレタンエラストマー溶液とし
て、前記基体にナイフコーターにて塗布し、熱風
乾燥機にて初期70℃、後期110℃で5分間乾燥し、
第1表に記載の如き固形分量からなる乾式皮膜層
を有する基体を得た。さらに、前処理ポリウレタ
ンエラストマー皮膜層上に、上記と同様に溶液重
合させて得たポリウレタンエラストマー溶液200
部と、カーボンブラツク粉末5部、ステアリルア
ルコール3部、ジメチルホルムアミド100部から
なる粘度70ポイズ/30℃の銀面ポリウレタンエラ
ストマー塗布液を、ロールコーダーで800g/m2
だけ塗布した後、35℃の凝固浴(水:ジメチルホ
ルムアミド=90:10重量比)の中に浸漬して凝固
させ、温水で充分に脱溶媒した後、120℃にて熱
風乾燥を行なつた。 次いで、それぞれの表面を#120のサンドペー
パーにて0.15mm研削し、スエード様シート材を得
た。 比較として、無処理の(ポリウレタンエラスト
マー乾式皮膜層を有さない)基体(比較例1)、
あるいはポリウレタンエラストマー乾式皮膜層を
形成せしめる代りに撥水処理を施した基体(比較
例2)を用い、それぞれ上記と同様に操作してス
エード様シート材を得た。なお、撥水処理は、基
体をシリコンエマルジヨンに浸漬して、シリコン
を0.5%付着せしめた後、150℃で5分間乾燥する
ことにより行つた。 こゝで得られた各スエード様シート材の物性を
第1表に示した。
【表】 第1表の結果から、本発明の方法によつて得ら
れるスエード様シート材からなる研磨布(本発明
例1〜3)は、優れた耐水性を有しており、また
表面孔径ならびに断面孔径のいずれに於てもバラ
ツキが少なく気孔の均一性にすぐれていることが
判る。更に、断面の電顕写真によれば、気孔は基
体面にほゞ垂直に配向した紡錘状を呈していた。 これに対して、無処理の基体を用いて得られた
シート材(比較例1)は耐水性の点で劣るばかり
でなく、気孔のバラツキも大きく、研摩布用等と
しては使用に耐えないものであつた。また、気孔
のバラツキのため、表面に色相斑が発生してい
た。更に、基体にポリウレタンエラストマーの乾
式皮膜層を形成せしめた場合にも、固形分量が40
g/m2に満たない時(比較例3および4)には、
例えば耐水圧はこれをある程度向上せしめること
が可能(比較例4参照)であるものゝ、孔径(特
に、断面孔径)の均一性が不充分であり、研摩
布、例えばフオトマスク用ガラスの研摩布として
は不適当なものであつた。 また、前処理ポリウレタンエラストマーによる
乾式皮膜層の代りに、撥水処理した場合(比較例
2)も、耐水性が劣り、スエード用シート材の孔
径のバラツキが大きく、無処理の基体を用いて得
られたシート材(比較例1)と物性上大差がなか
つた。 なお、研摩布、特にフオトマスク、シリコンウ
エハー、化合物半導体ウエハーなど高精度の研摩
を要求される分野に使用される研摩布の場合、好
ましい研摩性能を発揮するためには、表面孔径の
均一性ばかりでなく、断面径孔の均一性、さらに
は気孔の垂直方向への配孔が強く要求されるが、
本発明方法によつて得られるスエード様シード材
はそれらのいずれをも満足しており、研摩布とし
て用いて特に好適であることが判る。 実施例 2 ナイロン短繊維(2デニール、51mm長さ)/ポ
リエステル短繊維(2デニール、51mm長さ)=
50/50からなるランダムウエブをニードルパンチ
し、300g/m2、厚み2.3mmの不織布を作つた。 また、分子量2000のポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール1モル、ジフエニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート3モル、エチレングリコー
ル2モルをジメチルホルムアミド中で溶液重合さ
せて、濃度30%のポリウレタンエラストマー溶液
を得た。このポリウレタンエラストマー溶液200
部と、カーボンブラツク粉末0.5部、ジメチルホ
ルムアミド120部からなる粘度40ポイズ/30℃の
溶液に、上記不織布を浸漬し、表面の溶液をナイ
フでかき落した後、30℃の凝固浴(水:ジメチル
ホルムアミド=80:20)中で凝固させ、水洗、乾
燥を行なつた後、1.0mmの厚みにスライスし平滑
な基体を得た。 この基体に、上記と同様に重合して得られた濃
度30%のポリウレタンエラストマー溶液を実施例
1と同方向にて塗布、乾燥し、乾式皮膜層固形分
量50g/m2の基体を得た。 さらに、分子量1500のポリテトラメチレンエー
テルグリコール1モル、ジフエニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート4モル、エチレングリコー
ル3モルを、ジメチルホルムアミド中で溶液重合
させて得たポリウレタンエラストマー溶液300部
と、カーボンブラツク粉末8部、ステアリルアル
コール8部、水10部、ジメチルホルムアミド130
部からなる粘度90ポイズ/30℃からなる溶液を、
前記乾式皮膜層を有する基体の該乾式皮膜層側
に、ナイフコーターで塗布量を600、800、1000
g/m2と変化せしめて塗布し、40℃の凝固浴
(水:ジメチルホルムアミド=85:15)の中に浸
漬して凝固させ、温水で充分に脱溶媒した後、
135℃にて熱風乾燥を行なつた。比較例として、
無処理の基体を使用し、銀面加工を同一条件にて
行なつた。次いで、それぞれの表面を#120のサ
ンドペーパにて0.15mm研削し、スエード様シート
材を得た。物性は第2表の如くである。
【表】 第2表の結果から明らかな通り、本発明の方法
によるスエード様シート材からなる研磨布は、耐
水性に優れ、表面並びに断面の孔径も均一であ
る。また、断面の電顕写真によれば、気孔は基体
面に垂直な紡錘状を呈していた。それに比較し、
乾式皮膜層を付与しない場合(比較例5〜7)
は、いずれも塗布したポリウレタンエラストマー
が基体の気孔内に浸透し、凝固形成された気孔も
バラツキが大きいばかりでなく、気孔の形成方向
もランダムであつた。 本発明に係るスエード様シート材からなる研磨
布を、ガラス並びにシリコンウエハーの研摩布と
して使用したところ、従来品に比較し表面の仕上
り状態も良好であり、研摩時の被研摩体に対する
圧力変動も少なく、作業性改善にも役立つことが
判明した。 実施例 3 1,6−ヘキサンジオールとホスゲンを重縮合
し、塩酸根を除去した分子量1500のポリカーボ系
ポリオール0.5モル、分子量2000のポリテトラメ
チレンエーテルグリコール0.5モル、ジフエニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート4モル、エチ
レングリコール3モルを、ジメチルホルムアミド
中で溶液重合させて得た濃度30%のポリウレタン
エラストマー溶液200部と、カーボンブラツク粉
末6部、グリセリンモノステアレート2部、ジオ
クチルスルフオサクシネートナトリウム4部、ジ
メチルホルムアミド90部からなる粘度80ポイズ/
30℃の溶液を、実施例2の本発明例で用いたのと
同様の基体(乾式皮膜層:ポリエーテル系ポリウ
レタンエラストマー固形分量50g/m2)に、ロー
ルコーターで1000g/m2だけ塗布した後、30℃の
凝固浴(水:ジメチルホルムアミド=90:10)の
中に浸漬して凝固させ、温水で充分に脱溶媒した
後、110℃で熱風乾燥を行なつた。次いで、銀面
表面を#120のサンドペーパーにて0.2mm研削し、
スエード様シート材を得た、その物性を第3表に
示す。
【表】 第3表に示した如く、本発明の方法によるスエ
ード様シート材からなる研磨布は、耐水性に優
れ、表面並びに断面の孔径も均一であつた。ま
た、該シート材は基体面に垂直な紡錘状気孔を有
していた。また、別途測定した結果によれば、剥
離強力も実用に充分耐えるものであつた。 本発明のスエード様シート材からなる研磨布を
用いてシリコンウエーハーを研磨したところ、従
来品に比較し表面の仕上り状態も良好であり、研
摩時の被研摩体に対する圧力変動も少なく、研摩
布の可使寿命の長いことが判明した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基体にポリウレタンエラストマーの水混和性
    有機溶剤溶液を塗布し、水系凝固液で処理して基
    体上に多孔質銀面層を形成せしめ、該銀面層表面
    を研削することからなるスエード様シート材の製
    造方法に於て、予め基体に、ポリウレタンエラス
    トマー溶液を、ポリウレタンエラストマー固形分
    で40g/m2以上となるように塗布し、乾燥して乾
    式皮膜層を形成せしめた後、該乾式皮膜上に銀面
    形成用のポリウレタンエラストマー溶液を塗布す
    るようにしたことを特徴とするスエード様シート
    材からなる研磨布の製造方法。
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