JPH0539413U - コンパクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パフに化粧料を移し取りやすく、その際に容
器本体内を化粧料で汚すことがないコンパクトを提供す
る。 【構成】 上面に凹部６ａを有する容器本体６の後壁部
に設けられた切欠部９に、蓋体７の後端部から垂下する
ヒンジ片１０を位置決めし、上記切欠部９に上記ヒンジ
片１０をヒンジ連結して上記ヒンジ片１０の前端面に連
結片２５を設けるとともに、上記凹部６ａに中皿８を収
容してこの中皿８の後端面に取付部２６を設け、この取
付部２６を上記連結片２５に軸着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、フアンデーシヨン等の化粧料を収容するコンパクトに関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、コンパクトは、図９に示すように、容器本体１の後端部に、蓋体２の 後端部がヒンジ連結されて構成されている。上記容器本体１の上面には、凹部１ ａが形成されており、この凹部１ａに化粧料３ａが充填された中皿３が、接着剤 ４で固定された状態で収容されている。そして、上記凹部１ａに収容されている 化粧料３ａをパフ等の塗布具に移し取り化粧することが行われる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記コンパクトでは、上記容器本体１の上面よりも中皿３の上 面の高さが低いため、パフに化粧料３ａを移し取りにくい。また、パフに化粧料 ３ａを移し取る際に、化粧料３ａが容器本体１の上面や内周面に付着したり、容 器本体１と中皿３との間の隙間Ａに入り込む。このため、化粧を終えた後、容器 本体１の上面に付着した化粧料３ａを布等で拭き取らなければならず煩雑である 。さらに、携帯時等に加わる振動等によつて、上記容器本体１と中皿３との間の 隙間Ａに入り込んだ化粧料３ａが、上記コンパクト内に飛び散つて内部を汚して しまつたり、場合によつては、蓋体２を開蓋すると不用意に化粧料３ａが飛散す るという事態を生じる。

【０００４】 この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、パフに化粧料を移し取り やすく、その際に容器本体内を化粧料で汚すことがないコンパクトの提供をその 目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するため、この考案のコンパクトは、上面に凹部を有する容 器本体の後壁部に切欠部を設け、この切欠部に蓋体の後端部から垂下するヒンジ 片を位置決めし、上記切欠部に上記ヒンジ片をヒンジ連結して上記ヒンジ片の前 端面に連結片を設けるとともに、上記凹部に中皿を収容してこの中皿の後端面に 取付部を設け、上記取付部を上記連結片に軸着して上記蓋体の開動作に伴い上記 中皿の後端側が上方に持ち上がるようにしたという構成をとる。

【０００６】

【作用】

すなわち、この考案のコンパクトは、容器本体の後端部の切欠部に蓋体の後端 部から垂下するヒンジ片がヒンジ連結されて構成されている。また、閉蓋状態で は、上記容器本体の上面の凹部内に中皿が納まつた状態になつている。そして、 上記蓋体を上方に持ち上げて開動作すると、上記ヒンジ片が上記切欠部との連結 部分を中心に後方に回動し、上記ヒンジ片の前端面に設けられた連結片が上方に 移動する。これに伴い、上記連結片にそれ自体の後端面に設けられた取付部が軸 着された上記中皿の後端側が上方に持ち上がる。そして、この後端側が持ち上が つた状態の中皿に充填されている化粧料をパフ等の塗布具に移し取り化粧するこ とが行われる。

【０００７】 つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明する。

【０００８】

【実施例】

図１および図２はこの考案のコンパクトの一実施例を示している。このコンパ クトは、上面に凹部６ａを有する容器本体６と、裏面に鏡７ａが貼着され上記容 器本体６の上面を蓋する蓋体７と、内部に化粧料８ａが充填され上記凹部６ａに 収容される中皿８とで構成されている。

【０００９】 上記容器本体６の後壁部の略中央部には、図３に示すように、切欠部９が設け られており、この切欠部９に、上記蓋体７の後端部から垂下するヒンジ片１０が 位置決めされている。上記容器本体６の後壁部の左右の切残された部分の上面に は、横方向に溝部１１が形成されており、図４に示すように、この溝部１１の上 部に蓋材１２を取り付けて軸穴１３が形成されている。そして、上記軸穴１３と 、上記ヒンジ片１０に横方向に穿設された貫通穴１４とを位置合わせした状態で 、両穴１３，１４に軸棒１５が嵌挿されて上記ヒンジ片１０が上記切欠部９にヒ ンジ連結されている。

【００１０】 上記軸棒１５（図３に戻る）は、丸棒状で外周面に長手方向に沿つて突条１７ が形成された軸体１８と、丸棒状でこの軸体１８の一端側に取り付けられたねじ り軸部１９とで構成されている。上記軸棒１５の内部には、図５に示すように、 細長い環を有する針金２０が、一端を軸体１８の端面に他端をねじり軸部１９の 端面に固着された状態で内蔵されている。また、上記軸体１８と上記ねじり軸部 １９との連結部分には、グリス２１が塗布されている。そして、上記軸棒１５で 上記ヒンジ片１０を上記切欠部９にヒンジ連結することは、つぎのように行われ る。まず、上記ヒンジ片１０の貫通穴１４に、軸棒１５のねじり軸部１９をその 端部が突出するように嵌挿し、蓋体７が容器本体６から約１３５度開いた状態で 、上記ヒンジ片１０を上記切欠部９に位置決めする。それとともに、軸棒１５の 軸体１８を上記溝部１１に位置決めし、溝部１１の上部に蓋材１２を固着して軸 穴１３に軸体１８を嵌挿した状態にする。これにより、上記軸棒１５で上記ヒン ジ片１０が上記切欠部９にヒンジ連結された状態となる。なお、この状態では、 図４に示すように、上記軸穴１３の前側角部２２に上記軸体１８の突条１７が嵌 合して軸体１８が容器本体６に固定されている。また、図６に示すように、上記 ヒンジ片１０の貫通穴１４の穴壁に形成された溝部２３にねじり軸部１９の外周 面に形成された突起２４が嵌合してねじり軸部１９がヒンジ片１０に固定されて いる。

【００１１】 上記ヒンジ片１０（図３に戻る）の前端面の左右端部には、連結片２５が設け られており、この左右連結片２５の間に、上記容器本体６の凹部６ａに収容され る中皿８の後端面に設けられた取付部２６が配設されている。そして、上記連結 片２５の先端に穿設された穴部２７と上記取付部２６に穿設された穴部２８とを 位置合わせした状態で、軸体２９が配挿され、上記連結片２５に上記取付部２６ が軸着されている（図２参照）。また、上記中皿８の左右側面の前端部に凸部３ ０が突設されており、この凸部３０は上記凹部６ａの左右側面に形成された前方 に向かつて下り傾斜の溝部３１に遊嵌され、上記溝部３１内をスライド移動する ようになつている。

【００１２】 なお、上記容器本体６（図１に戻る）の前端部には、切欠凹部３２が形成され ており、この切欠凹部３２の奥面に、上記蓋体７の前端から垂下する係合爪３３ に係合する係合突起３４が形成されている。そして、上記切欠凹部３２には、上 記係合爪３３と係合突起３４との係合を解除する操作片３５が回動可能に取り付 けられている。また、上記中皿８の上面の前側角部には、中皿８の上面にパフ３ ６を収容するケース３７を載置する際に、ケース３７がすべり落ちないようにす べり止め部３８が形成されている。

【００１３】 このように構成された上記コンパクトは、不使用時には、容器本体６の係合突 起３４に蓋体７の係合爪３３を係合させて閉蓋状態にしておく。これにより、蓋 体７のヒンジ片１０に固定されているねじり軸部１９が、図６に示す状態から図 ２に示すように１３５度回動し、ねじり軸部１９内の針金２０がねじれた状態に なる。そして、このコンパクトに収容された中皿８内の化粧料８ａを使用する場 合、まず、操作片３５を後方に押圧し、容器本体６の係合突起３４と蓋体７の係 合爪３３との係合を解除する。その結果、ねじり軸部１９が針金２０のねじれた 状態から復元する力に付勢されて蓋体７のヒンジ片１０が後方に回動して蓋体７ が自動的に後方に回動し、図６に示すように、蓋体７が開蓋状態になる。この蓋 体７の開動作に伴い、ヒンジ片１０の連結片２５にそれ自体の取付部２６が軸着 された中皿８の後端側が、図７および図８に示す状態を経て図６に示すように、 上方に持ち上がつた状態になる。それとともに、容器本体６の溝部３１の下側に 位置する中皿８の凸部３０が、溝部３１内をスライド移動し、溝部３１の上側に 移動し、中皿８の前端側も凹部６ａから少し持ち上がつた状態になる。なお、蓋 体７は、軸体１８とねじり軸部１９との間のグリス２１の粘性によつてねじり軸 部１９の回動速度が緩衝されてねじり軸部１９が緩やかに回動することからゆつ くりと開蓋する。そして、この凹部６ａから持ち上がつた中皿８の化粧料８ａを パフに移し取り化粧することが行われる。

【００１４】 このように、上記コンパクトでは、蓋体７の開動作に伴い、中皿８の後端側が 容器本体６の凹部６ａから上方に持ち上がつた状態になるため、中皿８の化粧料 ８ａをパフに移し取りやすい。また、パフに化粧料８ａを移し取る際に、容器本 体６の上面に化粧料８ａが付着したり、容器本体６と中皿８との間の隙間に化粧 料８ａが入り込むことがない。したがつて、化粧を行う度に、コンパクト内に付 着した化粧料を拭き取るという煩雑な手間をかけることなく清潔な状態で使用す ることができる。さらに、上記のように容器本体６の係合突起３４と蓋体７の係 合爪３３との係合を解除すると、蓋体７が自動的に開蓋し便利である。また、軸 体１８の一端に取り付けられたねじり軸部１９がグリス２１の粘性を利用して緩 やかに回動するため、開蓋の勢いによりパフが飛び出したりすることがない。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、この考案のコンパクトは、上面に凹部を有する容器本体の後壁 部に設けられた切欠部に、蓋体の後端部から垂下するヒンジ片がヒンジ連結され ている。そして、このヒンジ片の前端面に設けられた連結片に、上記凹部に収容 された中皿の後端面に設けられた取付部が軸着されている。したがつて、上記蓋 体を開動作すると、それに伴つて上記連結片にそれ自体の取付部が軸着された上 記中皿の後端側を上記凹部から自動的に上方に持ち上がつた状態にすることがで きる。このため、上記中皿に充填された化粧料をパフ等の塗布具に移し取りやす く、その際に容器本体と中皿との間の隙間に化粧料が入り込んだり容器本体の上 面に化粧料が付着することがなく清潔な状態で使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】上記実施例の縦断面図である。

【図３】上記実施例の分解斜視図である。

【図４】上記実施例の要部断面図である。

【図５】軸棒の縦断面図である。

【図６】上記実施例の使用態様を示す縦断面図である。

【図７】上記実施例の使用態様を示す縦断面図である。

【図８】上記実施例の使用態様を示す縦断面図である。

【図９】従来例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

６ 容器本体 ６ａ 凹部 ７ 蓋体 ８ 中皿 ９ 切欠部 １０ ヒンジ片 ２５ 連結片 ２６ 取付部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面に凹部６ａを有する容器本体６の後
   壁部に切欠部９を設け、この切欠部９に蓋体７の後端部
   から垂下するヒンジ片１０を位置決めし、上記切欠部９
   に上記ヒンジ片１０をヒンジ連結して上記ヒンジ片１０
   の前端面に連結片２５を設けるとともに、上記凹部６ａ
   に中皿８を収容してこの中皿８の後端面に取付部２６を
   設け、上記取付部２６を上記連結片２５に軸着して上記
   蓋体７の開動作に伴い上記中皿８の後端側が上方に持ち
   上がるようにしたことを特徴とするコンパクト。
2. 【請求項２】 上記切欠部９の側面に穿設された軸穴１
   ３と、上記ヒンジ片１０に横方向に穿設された貫通穴１
   ４とを位置合わせした状態で、上記軸穴１３に軸体１８
   を嵌挿するとともに、この軸体１８の一端から延びるね
   じり軸部１９を上記貫通穴１４内にねじつた状態で配挿
   して上記容器本体６に上記蓋体７をヒンジ連結した請求
   項１記載のコンパクト。