JPH0537872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は荷受け用網の固定構造に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来より自動車の中にはドア、或いはトランク
ルーム等の壁部内側面に荷受け用網を設け、荷物
をこの荷受け用網内で保持することにより走行中
の荷物の移動、ガタつき等を防止するようにした
ものがある。

（考案が解決しようとする課題） ところでこの荷受け用網を壁部に取付けるには
荷受け用網の一部を係止部材で壁部の表面側から
取付けており（例えば実開昭63−58044号）、この
ために壁部の表面側には係止部材により突出部分
ができるという不具合があつた。

本考案は斯かる従来の不具合に鑑み成されたも
のであり、その目的とする処は自動車の壁部の表
面側に突出部分がないようにした荷受け用網の固
定構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため本考案は、自動車の壁
部に上部孔、下部孔、中間孔を上下に並べて形成
し、荷受け用網の上部、下部、中間部を前記上部
孔、下部孔、中間部孔を介して夫々壁部の裏側に
挿通し、壁部の裏側に配置したストツパの上部係
止部、下部係止部に前記荷受け用網の上部、下部
を夫々係止するとともにストツパの中間部分に前
記荷受け用網の中間部分を係合し、前記ストツパ
の上下長さを前記上部孔、下部孔の間隔よりも短
くしたことを特徴とする。

（作用） 荷受け用網の一部を孔を介して壁部の裏側に挿
通するとともに壁部裏側でストツパーにて止着し
たので壁部の表面側には係止部材等の突出部がな
くなる。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。

第１図は自動車の側面図、第２図はトランクを
該トランクの斜前方より視た図であり、図中１は
自動車、２は自動車の後部に形成したトランク
で、該トランク２は後壁２ａ、左右壁部２ｂ，２
ｂ及び図示しない前壁部にてその内部に収納空間
Ｓを形成している。又、このトランク２の上面開
口には公知のように図示しない蓋体が開閉自在に
取付けられている。

前記後壁２ａの内面２ａ１側には壁部材３を固
設し、この壁部材３の表面３ａ側（トランク２の
収納空間Ｓ側）にフエルト４を貼着する（第４図
参照）。又、この壁部材３の両端近傍には上下方
向に上部孔、中間部孔、下部孔である孔５，６，
７を夫々形成する。第５図に示すように孔５には
中央に貫通孔８ａを形成したグロメツト８を嵌合
し、グロメツト８の壁部材３裏面３ｂ側に突出す
る部分の外周に形成した環状溝９にはワツシヤー
１０を嵌合する。他の孔６，７もこの孔５同様に
構成する。

前記壁部材３の表面３ａ側には荷受け用網１２
を配設し、この荷受け用網１２の格子枠１２ａ
（この格子枠１２ａは所定の弾性を有する紐で構
成されている。）の四隅の部分をグロメツト８の
孔８ａを介して壁部材３の表面３ａ側から裏面３
ｂ側へ挿通する（第５図参照）。そして壁部材３
の裏面３ｂ側には棒状のストツパー１４を配設
し、このストツパー１４の長さは前記孔５，８間
の間隔よりも短く設定する。このストツパー１４
の上端、下端に屈曲形成した係止部１４ａ，１４
ｂに前述の荷受け用網１２の格子枠１２ａのうち
壁部材３の裏面３ｂ側へ挿通した部分を係止す
る。

又、前記格子枠１２ａの両側部の中間部分を第
６図に示すようにグロメツト８の孔８ａを介して
壁部材３の表面３ａ側から裏面３ｂ側へ挿通し、
この部分を前記ストツパー１４の中間部分に係止
する。

以上により荷受け用網１２は壁部材３の表面３
ａ側に取付けられる。

尚、図中２０は壁部材３の表面３ａ側に取付け
られたＬ字状の係合突起であり、格子枠１２ａを
車幅方向の任意の位置で係合支持し、格子枠１２
ａの支持間隔を短くすることで、格子枠１２ａが
所定以上伸びるのを防止し、特に小さい寸法の荷
物をより確実に保持できるようにしている。

本実施例は以上のように構成し、荷受け用網１
２の格子枠１２ａをグロメツト８の孔８ａを介し
て壁部材３の裏面３ｂ側へ挿通し、ストツパー１
４で止着するようにしたので、壁部材３の表面３
ａ側に突出する係止部材を設けるとことなく荷受
け用網１２を取付けることができる。

尚、本実施例で荷受け用網１２をトランクの壁
部に取付けたが荷受け用網１２はこれに限られ
ず、例えばドア内面、シートの後面等に取付けて
も良い。

（考案の効果） 以上述べたように本考案によれば、荷受け用網
の一部を孔を介して壁部の裏側に挿通するととも
に壁部裏側でストツパーにて止着したので壁部の
表面側には係止部材等の突出部がなくなる。

又、本考案によれば、荷受け用網の上部、下
部、中間部を壁部に形成した上部孔、下部孔、中
間部孔を介して夫々壁部の裏側に挿通し、壁部の
裏側に配置したストツパの上部係止部、下部係止
部に前記荷受け用網の上部、下部を夫々係止する
とともにストツパの中間部分に前記荷受け用網の
中間部分を係合するので、荷受け用網の上部、下
部、中間部の３箇所で係止することができ、荷受
用網を確実に固定することができる。

更に本願考案では、ストツパの上下長さを前記
上部孔、下部孔の間隔よりも短くしたので、係止
状態ではストツパにより荷受け用網が引張られ、
しかもこの力は荷受用網の中間部分とストツパと
の係止力を増加させる方向に作用し、このような
ことから荷受け用網の固定を更に確実なものにす
ることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の側面図、第２図はトランクを
該トランクの斜前方より視た図、第３図は壁部材
を裏面から視た図、第４図は第２図−線断面
図、第５図、第６図は壁部材の一部拡大縦断面図
である。 尚、図面中、３は壁部、５，６，７は孔、１２
は荷受け用網、１４はストツパーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の壁部に上部孔、下部孔、中間孔を上下
   に並べて形成し、荷受け用網の上部、下部、中間
   部を前記上部孔、下部孔、中間部孔を介して夫々
   壁部の裏側に挿通し、壁部の裏側に配置したスト
   ツパの上部係止部、下部係止部に前記荷受け用網
   の上部、下部を夫々係止するとともにストツパの
   中間部分に前記荷受け用網の中間部分を係合し、
   前記ストツパの上下長さを前記上部孔、下部孔の
   間隔よりも短くしたことを特徴とする荷受け用網
   の固定構造。