JPH0542715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ジヤツキの支持ブラケツトを備えた
自動車の後部車体構造に関するものである。

（従来技術） 従来、例えば実開昭58−129253号公報に示され
るように、車体後部のトランクルームのフロアサ
イドパネルにジヤツキを支持する支持ブラケツト
を設け、この支持ブラケツトとフロアサイドパネ
ルとの間にジヤツキ収納部を形成してなる自動車
の後部車体構造が知られている。上記フロアサイ
ドパネルは、通常一枚のプレート材で構成されて
おり、支持剛性が不充分であるために安定したジ
ヤツキの支持状態を得ることが困難である。ま
た、上記ジヤツキ収納部はトランクルームの側端
部に位置しており、ジヤツキの着脱時に車体側壁
部が邪魔になるのでジヤツキの着脱操作性が悪
く、しかもトランクルームをレイアウトする上で
その側端部にジヤツキ収納用のスペースを確保す
ることが困難となる場合があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記問題点を解決するためになされ
たものであり、ジヤツキを安定した状態で支持す
ることができるとともに、ジヤツキの着脱操作を
容易に行なうことができ、しかもジヤツキ支持部
のレイアウトを容易に行なうことができる自動車
の後部車体構造を提供するものである。

（考案の構成） 本考案は、トランクルームの後壁部を構成する
リヤエンドパネルの中央部内方に、上下方向に伸
びるレインフオースメントを設置しその上下部を
リヤエンドパネルに接合することにより、このレ
インフオースメントとリヤエンドパネルの間に閉
断面を形成し、上記レインフオースメントの上部
にリツド部材のロツク機構を支持するロツク支持
部を設けるとともに、その下部にリヤエンド側に
凹入する凹部を設け、かつ上記レインフオースメ
ントの下部と、上記リヤエンドパネルとの接合部
との近傍部に位置する上記凹部の下部前面にジヤ
ツキを支持する支持ブラケツトを設けたものであ
る。

上記の構成によればレインフオースメントの上
下両端部をリヤエンドパネルに固定してリヤエン
ドパネルの中央部とレインフオースメントとの間
で閉断面を形成することにより、レインフオース
メントに所定の剛性が確保され、この部分にロツ
ク機構の支持部およびジヤツキの支持ブラケツト
が設置される。そして上記支持ブラケツト上にジ
ヤツキを支持させることにより、レインフオース
メントに形成された凹部の前面部、つまりトラン
クルームに面した部分にジヤツキが設置されるこ
とになる。

（実施例） 第１図は本考案に係る後部車体構造の実施例を
示し、１はトランクルーム２の後壁部を形成する
リヤエンドパネル、３はトランクルーム２の底壁
部を構成するフロアパネル、４はトランクリツド
もしくはバツクドア等からなるリツド部材であ
る。上記リヤエンドパネル１の車幅方向中央部に
はレインフオースメント５が設置され、このレイ
ンフオースメント５とリヤエンドパネル１との間
に閉断面１ａが形成されている。

上記レインフオースメント５は、第２図に示す
ように、基板６とその周辺部に形成されたフラン
ジ部７とを有し、上端フランジ部７ａがリヤエン
ドパネル１の上端部に固着されるとともに、基板
６の下端部および下端フランジ部７ｂがリヤエン
ドパネル１の下端部に固着されることにより、リ
ヤエンドパネル１の中央部内方に設置されるよう
に構成されている。また、上記レインフオースメ
ント５の上部にはストライカレインフオースメン
ト８が一体に接合され、この部分に、リツド部材
４のロツク機構９を支持するロツク支持部が設け
られている。すなわち、上記ロツク機構９は、リ
ツド部材４の後端部下面に取付けられたストライ
カ１０と、このストライカ１０に係合される係合
部１１とからなり、この係合部１１の取付孔１２
がレインフオースメント５の上部に形成され、こ
の取付孔１２によつてロツク支持部が構成されて
いる。

また、レインフオースメント５には、基板６が
その中間部から下端部に亘つて後方に凹入される
ことにより、リヤエンドパネル１に沿つた凹部１
３が形成され、かつこの凹部１３の下部前面、つ
まり上記レインフオースメント５の下端部と、リ
ヤエンドパネル１との接合部の近傍部に位置する
上記凹部６の下部前面に、ジヤツキＡの下端部を
支持する支持ブラケツト１４が取付けられるとと
もに、その上方にジヤツキＡの固定ボルトＢが止
着される固定部１５が形成されている。

上記のようにリツド部材４のロツク機構９の支
持部を有するレインフオースメント５をリヤエン
ドパネル１の中央部内方に設置し、このレインフ
オースメント５にジヤツキＡを支持する支持ブラ
ケツト１４を取付けたため、簡単な構成でジヤツ
キＡを安定して支持することができる。すなわ
ち、上記レインフオースメント５は、上下両端部
がそれぞれリヤエンドパネル１に固着されること
によつてこのリヤエンドパネル１との間に閉断面
１ａを形成し、所定の剛性を備えているために上
記ジヤツキＡの支持剛性を充分に確保することが
できる。しかも、上記支持ブラケツト１４が、レ
インフオースメント５の下部と、リヤエンドパネ
ル１との接合部の近傍の剛性の高い部分に設置さ
れているため、第３図に示すように、ジヤツキＡ
を安定した状態で保持することができる。

また、上記レインフオースメント５は、リヤエ
ンドパネル１の中央部内方に設置されているた
め、ジヤツキ収納部をトランクルーム２の側端部
に形成した場合のようにレイアウト上の制約を受
けることがなく、ジヤツキＡの設置スペースを容
易に確保することができる。しかも、車体側壁部
に邪魔されることなくジヤツキＡを着脱でき、操
作性が良好であるという利点がある。

また上記レインフオースメント５に、リヤエン
ドパネル１側に凹入する凹部１３を形成するとと
もに、その下部前面に設けられたを支持ブラケツ
ト１４上にジヤツキＡを支持させるように構成し
たため、レインフオースメント５に形成された凹
部１３の前面部、つまりトランクルーム２に面し
た部分にジヤツキＡが設置されることになり、リ
ヤエンドパネル１に干渉するという問題を生じる
ことなく、ジヤツキＡの着脱作業を容易に行うこ
とができるとともに、上記ジヤツキＡの収納部が
トランクルーム２内に大きく突出するのを防止す
ることができる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、リヤエンドパネ
ルの中央部内方に、このリヤエンドパネルとの間
で閉断面を形成するレインフオースメントを設置
してその上下両端部をリヤエンドパネルに接合
し、このレインフオースメントにリツド部材のロ
ツク機構を支持するロツク支持部と、ジヤツキを
支持するジヤツキ支持部とを設けたため、所定の
剛性を有する上記レインフオースメントによつて
リツド部材のロツク機構およびジヤケツトを安定
して支持することができるという利点がある。

また、上記リヤエンドパネルの中央部内方に設
置されたレインフオースメントに、リヤエンドパ
ネル側の凹入するジヤツキ設置用の凹部を形成す
るとともに、この凹部の下部前面にジヤツキを支
持する支持ブラケツトを設けたため、レイアウト
上の制約を受けることなくジヤツキ収納部を形成
できるとともに、ジヤツキの着脱操作を容易に行
なうことができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車の後部車体構造の
実施例を示す断面図、第２図はレインフオースメ
ントの構成を示す斜視図、第３図はジヤツキの取
付状態を示す斜視図である。 １……リヤエンドパネル、１ａ……閉断面、２
……トランクルーム、４……リツド部材、５……
レインフオースメント、９……ロツク機構、１２
……取付孔（ロツク支持部）、１３……凹部、１
４……ジヤツキの支持ブラケツト、Ａ……ジヤツ
キ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランクルームの後端部を構成するリヤエンド
   パネルの中央部内方に、上下方向に伸びるレイン
   フオースメントを設置しその上下部をリヤエンド
   パネルに接合することにより、このレインフオー
   スメントとリヤエンドパネルの間に閉断面を形成
   し、上記レインフオースメントの上部にリツド部
   材のロツク機構を支持するロツク支持部を設ける
   とともに、その下部にリヤエンド側に凹入する凹
   部を設け、かつ上記レインフオースメント下部
   と、上記リヤエンドパネルとの接合部との近傍部
   に位置する上記凹部の下部前面にジヤツキを支持
   する支持ブラケツトを設けたことを特徴とする自
   動車の後部車体構造。