JPS6340369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の後部車体構造に関する。

（従来技術） 従来より、リヤピラーの閉断面内に車室内外を
連通するエキストラクターチヤンバーを組み込ん
だ構造は知られている（実開昭53−61948号公報
参照）。

ところで、第１図に示すようなクーペ型の自動
車では、第２図に示すように、車体後部の剛性を
アツプするため、リヤフエンダによつて形成され
るピラーアウターパネル１とクオータパネルによ
つて形成されるピラーインナーパネル２とで形成
されるリヤピラー３内において、ピラーインナー
パネル２を形成するクオータパネルに沿つて前後
方向に延びる前後方向のレインフオースメント４
の前端部にΛ型に上下方向のレインフオースメン
ト５，６を結合して、リヤピラー３の上部内に三
角形状の骨組構造を設け、車体後部の剛性をアツ
プするようにしたものが提案されている（実公昭
56−24145号公報参照）。

この種のリヤピラー構造を採用したものでは、
第３図に示すように、ピラーインナーパネル２に
固定するリヤ側の上下方向のレインフオースメン
ト６の閉断面を偏平にし、このレインフオースメ
ント６とピラーアウターパネル１との間に所要の
スペース７を確保し、このスペース７を利用し
て、車室内外を連通するエキストラクターチヤン
バー８をピラーアウターパネル１の内向きの折曲
壁部１ａ側から挿入して取付けるようにしてい
た。

しかしながら、かかるエキストラクターチヤン
バー８の取付構造では、上下方向のレインフオー
スメント６の閉断面が小さくなるため、目的とす
る剛性のアツプが不十分となるうえ、エキストラ
クターチヤンバー８は、外側開口部８ａが片持ち
で支持されるに過ぎないため、支持が不安定で、
車体の振動に伴なつてがたつくといつた不具合が
あつた。

（考案の目的） 本考案は、かかる問題を解消すべくなされたも
のであつて、リヤピラー内のレインフオースメン
トの断面を十分大きくとることができ、しかもエ
キストラクターチヤンバーをがたつきなしに安定
に支持することができる自動車の後部車体構造を
提供せんとするものである。

（考案の構成） このため、本考案においては、リヤピラーを形
成するピラーインナーパネルもしくはピラーアウ
ターパネルに設けた空気流通用開孔に合せて一端
部を固定するエキストラクターチヤンバーをピラ
ーインナーパネルに固定する上下方向のレインフ
オースメントに設けた挿入孔を通してレインフオ
ースメントとピラーインナーパネルとで形成され
る閉断面内に挿入する構造とし、エキストラクタ
ーチヤンバーを上記空気流通用開孔縁およびレイ
ンフオースメントの挿入孔縁の両方で保持する。

（考案の効果） 本考案によれば、レインフオースメントの断面
を大きくとつたままエキストラクターチヤンバー
の取付けが行なえるので、リヤピラーの剛性をア
ツプすることができ、またレインフオースメント
の挿入孔縁部でもエキストラクターチヤンバーの
保持ができ、エキストラクターチヤンバーをがた
つきなしに安定に支持することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を詳細に説明する。

第４図に具体的に示すように、リヤフエンダパ
ネルによつて形成されるピラーアウターパネル１
とクオータパネルによつて形成されるピラーイン
ナーパネル２とによつて閉断面に形成されたリヤ
ピラー３の内部の上部には、前述した如く、三角
形状の骨組が形成されている。

この三角形状の骨組は、車体の前後方向に延び
る断面ハツト状の前後方向のレインフオースメン
ト４と、この前後方向のレインフオースメント４
の前端部４ａが横付けされる上下方向に長く延び
た断面ハツト状の上下方向レインフオースメント
５と、この上下方向レインフオースメント５の上
部から後斜め下向きに傾斜して下端が前後方向レ
インフオースメント４に接合される断面ハツト状
の上下方向レインフオースメント１０とによつて
構成されている。

これら３つのレインフオースメント４，５，１
０はいずれもピラーインナーパネル２にスポツト
溶接等により、長手方向に沿つて形成したフラン
ジ部４ｆ，５ｆ，１０ｆが接合され、布々ピラー
インナーパネル２との間に閉断面を形成して、リ
ヤピラー３の内部を補強している。

そして、第４図に点線で示すように、後向き斜
めに傾斜した上下方向レインフオースメント１０
の内部には、換気用のエキストラクターチヤンバ
ー１１がリヤ側側壁１０ａに予め開設した挿入孔
１２から挿入されている。

このエキストラクターチヤンバー１１は、第５
図に示すように、合成樹脂製であつて、外側開口
部１１ａには、フランジ部１１ｂとフランジ部１
１ｂよりピラーアウターパネル１の板厚分の間隔
をおいて形成した弾性変形可能な挾持部１１ｃと
が形成されており、外側開口部１１ａはピラーア
ウターパネル１の内向き折曲壁部１ａに予め設け
た空気流通用開孔１３の周縁部に抜脱不能に嵌着
保持される。なお、エキストラクターチヤンバー
１１の他端開口１１ｄ（第４図参照）は、ピラー
インナーパネル２とレインフオースメント１０と
で形成する閉断面内に上向きに開口され、ピラー
インナーパネル２に上記閉断面に開口するように
開設した換気用開口（図示せず）に連通してい
る。

また、第６図に示すように、エキストラクター
チヤンバー１１には、レインフオースメント１０
の挿入孔１２に該当する部分に、外側に突出する
凸部１４，…を一方の縦壁に１個、他方の縦壁に
２個三角形の頂点をなすように形成し、挿入孔１
２に挿入されたときに、これら３個の凸部１４，
…が挿入孔１２の内周に当接して３点で保持され
るようにしている。

その結果、エキストラクターチヤンバー１１
は、ピラーアウターパネル１の空気流通用開孔１
３およびレインフオースメント１０の挿入孔１２
の両方において保持されることになり、がたつき
なしに安定に保持されることとなる。

なお、第４図に示すように、２つの上下方向の
レインフオースメント５，１０間には、さらに、
いま一つのレインフオースメント１５を横渡し
し、このレインフオースメント１５にシートベル
ト（図示せず）取付用のアンカーナツト１６を予
め溶接により固定しておけば、シートベルトを介
してアンカーナツト１６に作用する大きな荷重
が、三角形の骨組構造全体に分散して受け合われ
ることとなり、アンカーナツト１６の支持剛性を
たかめることができる。また、このレインフオー
スメント１５を設けることにより、三角形の骨組
構造自体の剛性もアツプすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はクーペ型自動車の要部側面図、第２図
は第１図に示す車体のリヤピラー部の一部破断斜
視図、第３図は従来のエキストラクターチヤンバ
ーの取付構造を示す第１図の−線方向断面
図、第４図は本考案の実施例にかかるリヤピラー
部の内部構造を示す後方向からの斜視図、第５図
は本考案の実施例にかかるエキストラクターチヤ
ンバーの取付構造を示す第１図の−線方向の
拡大断面図、第６図は第５図の−線方向の断
面図である。 １……ピラーアウターパネル、２……ピラーイ
ンナーパネル、３……リヤピラー、１０……レイ
ンフオースメント、１１……エキストラクターチ
ヤンバー、１２……挿入孔、１３……空気流通用
開孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピラーインナーパネルとピラーアウターパネル
   とよりなるリヤピラーの閉断面内に、ピラーイン
   ナーパネルに固着され車体上下方向に延びるレイ
   ンフオースメントと、車室内外を連通するエキス
   トラクターチヤンバーとが配設されており、上記
   エキストラクターチヤンバーは、ピラーインナー
   パネルもしくはピラーアウターパネルに設けた空
   気流通用開孔に合わせて一端部が固定され、他端
   部がレインフオースメントに設けた挿入孔を通つ
   てレインフオースメントとピラーインナーパネル
   とで形成された閉断面内に延びて配設されてお
   り、かつ、エキストラクターチヤンバーは、上記
   レインフオースメントの挿入孔縁により保持され
   ていることを特徴とする自動車の後部車体構造。