JPH0748426Y2

JPH0748426Y2 - 車両のシートベルトアンカ取付構造

Info

Publication number: JPH0748426Y2
Application number: JP8881189U
Authority: JP
Inventors: 清美平紙
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1989-07-27
Filing date: 1989-07-27
Publication date: 1995-11-08
Anticipated expiration: 2004-07-27
Also published as: JPH0328060U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、シートベルトを支持するために車体側端部下
端位置に取付けられる車両のシートベルトアンカの取付
構造に関する。

（従来の技術）従来より、このような車両のシートベルトアンカ取付構
造として、例えば実開昭62−138661号公報に開示される
ように、車体側端部下端位置に、サイドシルインナとサ
イドシルアウタとからなる前後方向へ延びるサイドシル
を設けるとともに、該サイドシルの上面に、ピラーイン
ナとピラーアウタとからなる閉断面形状で且つ上下方向
へ延びる車体ピラーの下端部を連結し、この車体ピラー
内に設けられたレインフォースメントの下端部をサイド
シル内に延設して、該サイドシルのサイドシルインナと
レインフォースメント（下端部）とが重合する重合部
に、シートベルトを支持するためのシートベルトアンカ
を取付けたものは知られている。この場合、サイドシル
インナに対するシートベルトアンカ取付部（重合部）の
剛性強度がレインフォースメントによって確保されてい
る。

また、サイドシルインナが、その前後端部の車体に対す
る接合を容易なものとするためにフロントサイドシルイ
ンナとリヤサイドシルインナとに分割されているものも
ある。

（考案が解決しようとする課題）ところが、上記従来のものでは、シートベルトアンカを
取付ける上でピラー内のレインフォースメントの下端部
をサイドシル内に延設するとともに、このレインフォー
スメントの下端部をサイドシルインナに重合させるよう
に加工する諸作業が必要となる。このため、サイドシル
インナに対するシートベルトアンカ取付部（重合部）の
剛性強度を、諸作業の必要なレインフォースメントなど
の別部材を用いることなく十分に確保したいという要求
がある。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、上記のサイドシルインナがフロントサイ
ドシルインナとリヤサイドシルインナとに分割されてい
るものに着目し、この両イドシルインナを効果的に利用
することにより、レインフォースメントなどの別部材を
用いることなく、サイドシルインナに対するシートベル
トアンカ取付部の剛性強度を確保しようとするものであ
る。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案の解決手段は、車体側
端部下端位置にシートベルトを支持するためのシートベ
ルトアンカが取付けられた車両のシートベルトアンカ取
付構造として、車体側端部下端位置に、サイドシルイン
ナとサイドシルアウタとからなる前後方向へ延びるサイ
ドシルを設け、上記サイドシルインナを、フロントサイ
ドシルインナとリヤサイドシルインナとに分割する。そ
して、上記フロントサイドシルインナとリヤサイドシル
インナとを前後方向に重合するとともに、この重合部に
上記シートベルトアンカを取付ける構成としたものであ
る。

（作用）上記の構成により、本考案では、サイドシルインナを前
後に分割したフロントサイドシルインナとリヤサイドシ
ルインナとを車体側端部下端位置において前後方向に重
合させ、この重合部にシートベルトアンカが取付けられ
ているので、サイドシルインナに対するシートベルトア
ンカ取付部（重合部）の剛性強度はフロントサイドシル
インナおよびリヤサイドシルインナとの重合によって十
分に確保されることになる。このため、従来のもののよ
うにサイドシルインナに対するシートベルトアンカ取付
部の剛性強度を十分に確保する上で、下端部をサイドシ
ル内に延設したサイドシルインナに重合させるように加
工したりする諸作業の必要なレインフォースメントなど
の別部材を用いる必要はない。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図は本考案の実施例に係るシートベル
トアンカ取付構造を用いた自動車の左側端部下端位置を
示し、１はフロアパネル、２は車体前後方向へ延びるサ
イドシルであって、該サイドシル２は、サイドシルイン
ナ３とサイドシルアウタ４とからなる。また、５は車体
上下方向へ延びるセンタピラーであって、該センタピラ
ー５は、センタピラーインナ６とセンタピラーアウタ７
とで閉断面状に形成されている。そして、上記サイドシ
ルアウタ４とセンタピラーアウタ７とは一体形成されて
いて、図示しないフロントピラーアウタ，クォータピラ
ーアウタ（リヤフェンダ）およびルーフ側端部分と共に
一体タイプのキャブアウタ８を構成している。また、上
記サイドシルアウタ４の下端部は、サイドシルインナ３
の下端部を介して上記フロアパネル１の側端部に接合さ
れている。

そして、上記サイドシルインナ３は、フロントサイドシ
ルインナ11とリヤサイドシルインナ12とに分割されてい
る。そして、上記センタピラー５（センタピラーインナ
６およびセンタピラーアウタ７）の下方において、フロ
ントサイドシルインナ11の後端部における車室内側の面
がリヤサイドシルインナ12の前端部における車室外側の
面により覆われていて、フロントサイドシルインナ11と
リヤサイドシルインナ12とが前後方向に重合して接合さ
れている。また、上記フロントサイドシルインナ11とリ
ヤサイドシルインナ12とが重合する重合部13には、両サ
イドシルインナ11,12を貫通する開孔部14が設けられて
いる。

また、上記センタピラーインナ６の下端部は、上記サイ
ドシルインナ３（フロントサイドシルインナ11）の上端
部内面に接合されたのち外方（センタピラーアウタ７）
へ延設されており、その延設部20の外端部が上記サイド
シルアウタ４の上端部側に接続されている。また、第３
図にも示すように、上記センタピラーインナ５の下端部
には、略四角形状の開口部21が設けられており、この開
口部21内には、シートベルト22を引出可能に巻回する略
ボックス形状のシートベルトリトラクタ23が収納されて
いる。そして、上記シートベルトリトラクタ23から引出
されたシートベルト22は、センタピラー５の上部に設け
られた支持部材（図示せず）に一旦引掛けられた後、後
述するシートベルトアンカ31に支持されて、図示しない
シートの外端部から内端部までシートを挾んで車体中央
側へ導かれるようになっている。また、上記シートベル
トリトラクタ23の上下端部には、上方および下方にそれ
ぞれ延びる上側フランジ24および下側フランジ25が設け
られており、上側フランジ24の上端部には上側孔部24a
が設けられているとともに、下側フランジ25の下端部に
は下側孔部25aが設けられている。そして、上記上側フ
ランジ24の上端部（上側孔部24a）は、上記センタピラ
ー５のセンタピラーインナ６外面（センタピラー５内）
の略中間部まで延設されており、この略中間部に設けら
れた第１孔部26からボルト（図示せず）により上側孔部
24aに対する締結がなされて、上側フランジ24（上端
部）がセンタピラー５に取付けられている。また、上記
下側フランジ25の下端部（下側孔部25a）は、上記重合
部13の開孔部14まで延設されている。

そして、上記重合部13の開孔部14に対応するリヤサイド
シルインナ12内面には、上記シートベルトリトラクタ23
から引出されてセンタピラー５の上部の支持部材に一旦
引掛けられたシートベルト22の略中間部を支持するシー
トベルトアンカ31が設けられている。そして、上記シー
トベルトアンカ31には、上記重合部13の開孔部14に対応
する第２孔部32が設けられており、該第２孔部32から挿
通される締結ボルト33は、上記下側フランジ25の下側孔
部25aを介して重合部13の開孔部14内に挿通された後、
該開孔部14に対応するフロントサイドシルインナ11の外
面側に設けられたアンカナットプレート34を介してナッ
ト35により締結されて、上記シートベルトアンカ31が下
側フランジ25と共に重合部13に取付けられている。

尚、第１図中、36は、シートをフロアパネル１上に支持
するための断面略コ字状のシートブラケットであって、
このシートブラケット36は、フロアパネル１とフロント
サイドシルインナ11とに跨って接合されている。

したがって、上記実施例では、サイドシルインナ３を前
後に分割したフロントサイドシルインナ11とリヤサイド
シルインナ12とをセンタピラー５の下方（車体側端部下
端位置）において前後方向に重合させ、この重合部13
（フロントサイドシルインナ11およびリヤサイドシルイ
ンナ12）の開孔部14に、シートベルトアンカ31のボルト
穴32からのボルト33を挿通して、アンカナットプレート
34を介してナット35で締結することによりシートベルト
アンカ31が重合部に13取付けられている。これにより、
サイドシルインナ３に対するシートベルトアンカ31の取
付部（重合部13）の剛性強度はフロントサイドシルイン
ナ11およびリヤサイドシルインナ12との重合により十分
に確保されることになる。このため、従来のもののよう
にシートベルトアンカの取付部の剛性強度を十分に確保
する上で、下端部をサイドシル内に延設したりサイドシ
ルインナに重合させるように加工したりする諸作業の必
要なレインフォースメントなどの別部材を用いる必要が
なくなり、よって別部材（レインフォースメント）を用
いることなくサイドシルインナ３に対するシートベルト
アンカ31の取付部（重合部13）の剛性強度の向上を図る
ことができる。

また、上記の如くサイドシルアウタ４とセンタピラーア
ウタ７とが一体形成されたキャブアウタ８一体タイプの
ものにおいて、センタピラーインナ６の下端部が、サイ
ドシルインナ３（フロントサイドシルインナ11）の上端
部内面に接合されているとともに、外方（センタピラー
アウタ７）へ延設された延設部20の外端部が上記サイド
シルアウタ４の上端部側に接続されている。このため、
例えば、単にセンタピラーインナの下端部がサイドシル
インナの上端部内面に接合されているだけのもののよう
に、別途部材を用いて互いに異る方向（上下方向と前後
方向）へ延びる部材同士の接合部に互いの閉断面を仕切
る節を作る必要がなく、別途部材を用いることなくセン
タピラーインナ６の延設部20でもって容易に節を形成す
ることができる。

尚、上記実施例では、センタピラー５を有する自動車に
設けた場合について述べたが、２ドアタイプの自動車な
どセンタピラーのない自動車にも適用することができ、
この場合、ドア後方に位置するインナパネルの下方のフ
ロントサイドシルインナとリヤサイドシルインナとの重
合部にシートベルトアンカが取付けられることになる。

（考案の効果）以上の如く、本考案における車両のシートベルトアンカ
取付構造によれば、フロントサイドシルインナとリヤサ
イドシルインナとを車体側端部下端位置において前後方
向に重合させた重合部にシートベルトアンカを取付けた
ので、諸作業の必要なレインフォースメントなどの別部
材を用いることなくサイドシルインナに対するシートベ
ルトアンカの取付部の剛性強度の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はシートベ
ルトアンカの取付部周辺を車室内側から視た斜視図、第
２図は第１図のII−II線における断面図、第３図は第１
図に係る側面図である。２…サイドシル３…サイドシルインナ４…サイドシルアウタ 11…フロントサイドシルインナ 12…リヤサイドシルインナ 13…重合部 22…シートベルト 31…シートベルトアンカ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車体側端部下端位置にシートベルトを支持
するためのシートベルトアンカが取付けられた車両のシ
ートベルトアンカ取付構造であって、車体側端部下端位
置には、サイドシルインナとサイドシルアウタとからな
る前後方向へ延びるサイドシルが設けられ、上記サイド
シルインナは、フロントサイドシルインナとリヤサイド
シルインナとに分割されており、該フロントサイドシル
インナとリヤサイドシルインナとは前後方向に重合され
ているとともに、この重合部には上記シートベルトアン
カが取付けられていることを特徴とする車両のシートベ
ルトアンカ取付構造。