JPH0117477Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シートベルトのベルトアンカーの固
定構造に関する。

（従来技術） 車両のシートベルトのベルトアンカーの固定構
造として例えば、実開昭55−144179号公報にはキ
ヤブオーバ型車のキヤビンマウントブラケツトに
シートベルトアンカーを固定するためのアンカー
ブラケツトを取付けるとともに、ベルトアンカー
をフロアパネルを介してアンカーブラケツトに固
定する構造が開示されている。この構造は、シー
トベルトにかかる荷重をフロアパネルの下面側に
設けられたアンカーブラケツトで支持できるの
で、フロアパネルに負担がかからないという利点
を有するが、アンカーブラケツトをキヤビンマウ
ントに取付けるようにしているのでアンカーブラ
ケツトの形状が複雑になるという問題がある。ま
た、この構造では、回り止め手段がないのでアン
カーがフロア面上で回動し、フロアを傷つける恐
れもある。

（本考案の目的） 従つて、本考案の目的は、構造が簡単でしかも
ベルトアンカーの回動を阻止できるシートベルト
装置のベルトアンカーの固定構造を提供すること
である。

（本考案の構成） 本考案の前記目的は、車両のフロアパネル上面
に取付けられ、車体幅方向に延びるクロスメンバ
と、該クロスメンバに取付けられたシートベルト
のベルトアンカーとを備え、前記クロスメンバの
フロアパネル接合フランジ部の端部に、上方に延
びる折り曲げ部が形成され、該折り曲げ部によつ
て前記シートベルトアンカーの回動が阻止される
ようになつたことを特徴とする車両用シートベル
トの装置のベルトアンカー固定構造によつて達成
される。

（本考案の効果） 本考案の上記構成によれば、シートベルトのベ
ルトアンカーは車体の横方向の剛性を高める目的
でフロアパネルに取付けられたクロスメンバに取
付けられる。クロスメンバはそれ自体補強の目的
で設けられるものであり、十分な強度を有してい
る。従つて、ベルトアンカーの取付部はベルトア
ンカーブラケツトのような特別の補強を要せず、
ベルトアンカーを直接クロスメンバに取付けると
いう簡単な構造で所要の強度を得ることができ
る。しかも、クロスメンバのフロアパネルとの接
合フランジ部の端部には折り曲げ部が形成され、
この折り曲げ部が、ベルトアンカーがその取付軸
まわりにクロスメンバフランジ部上で回動するの
を阻止する回り止めとして機能するようになつて
いる。このようにベルトアンカーの動きを拘束す
ることにより、フランジ面がベルトアンカーによ
つて傷つけられることがなくなるとともに、シー
トベルトを常にキヤビンのピラーに沿つた状態に
保持することができ、見ばえが良くなる。

（実施例の説明） 第１図は自動車車体の一部を示したもので、図
示の例は、フロントパネル１０、該フロントパネ
ル１０の両側端部から上方に延びる左右のフロン
トピラー１２、ルーフパネル１４、リヤパネル１
６、リヤパネル１６の両側から上方に延びる左右
のピラー１８及びキヤビンのフロアパネル２０を
含むキヤブオーバ型車の前部構造である。フロア
パネル２０は２段に形成され上下の水平部２０
ａ，２０ｂと垂直部２０ｃを有する。フロアパネ
ル２０の下方にはエンジンが配置され、エンジン
の点検を行うために、パネル２０の上部水平部２
ａには点検口２０ｄが設けられる。また上部水平
部２ａの上方にはシートが配置されるようになつ
ている。点検口２０ｄの後方には車体横方向の剛
性を高めるためにフロアパネル２０上にクロスメ
ンバ２２が配置される。クロスメンバ２２は周縁
部に形成されたフランジ部２２ａにおいてフロワ
パネル２０に溶接固定される。

第２図を参照すれば、シートベルト２４のベル
トアンカー２６の取付部の構造が示されており、
ベルトアンカー２６は、クロスメンバ２２のフラ
ンジ部の前側部分の側端部にボルト２８によりフ
ロワパネル２０とともに固定されている。ベルト
アンカー２６はＬ字形状であり、その垂直部２６
ａにはベルト係合穴２６ｂが設けられており、シ
ートベルト２４の先端がこの係合穴２６ｂに取付
けられるようになつている。シートベルト２４は
ピラー１８のインナーパネル１８ａの内面に沿つ
て上方に延び、インナーパネル１８ａの上部に取
付けられた支持具３０を介し下方に延びインナー
パネル１８ａに設けられた開口１８ｂからインナ
ーパネル１８ａとアウターパネル１８ｃとで形成
された中空部に配された巻取装置に巻取られてい
る。シートベルト２４には結合部材の一方３４が
取付けられており、ベルト２４を巻取装置から引
き出して結合部材の他方と結合することにより乗
員はシートベルトを装着することができる。クロ
スメンバ２２のフランジ部２２ａのベルトアンカ
ー２６取付位置の端部は上方に折り曲げられて折
り曲げ部２２ｂが形成されている。これによつ
て、ベルトアンカー２６が水平面内でボルト２８
のまわりに回動するのを防止することができる。
従つて、フランジ部２２ａ表面がベルトアンカー
２６によつて傷つけられることはない。また、ベ
ルトアンカー２６が回動しないことによりシート
ベルト２４を使用しない状態では、常にベルト２
４がピラー１８の内面に沿つた状態に保持される
ので見ばえが良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例に係る車体の斜視
図、第２図はシートベルトアンカーの取付部の詳
細を示す斜視図である。 符号の説明、１０……フロントパネル、１２…
…フロントピラー、１４……ルーフパネル、２０
……フロワパネル、２２……クロスメンバ、２４
……シートベルト、２６……ベルトアンカー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両のフロアパネル上面に取付けられ、車体幅
   方向に延びるクロスメンバと、該クロスメンバに
   取付けられたシートベルトのベルトアンカーとを
   備え、前記クロスメンバのフロアパネル接合フラ
   ンジ部の端部に、上方に延びる折り曲げ部が形成
   され、該折り曲げ部によつて前記シートベルトア
   ンカーの回動が阻止されるようになつたことを特
   徴とする車両用シートベルトの装置のベルトアン
   カー固定構造。