JPH0323909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、オープンボデイ型自動車の後部車体
構造に関する。

（従来技術及びその課題） 従来、自動車の後部車体構造のうちリヤホイー
ルハウスのサスペンシヨンタワーにはサスペンシ
ヨンから集中的大荷重が作用するためサスペンシ
ヨンタワー及びその周辺のリヤホイールハウスに
は各種の補強構造が採用されている。

例えば、実開昭55−70372号公報にはサスペン
シヨンタワーの周壁を部分的にフロア下側に延設
してこの延設部を車体強度部材に結合した補強構
造が記載されている。

しかしながら、上記の補強構造ではサスペンシ
ヨンタワーと車体との結合強度を増強することは
できるが、車体後部の全体的強度及び剛性の向上
には余り有効ではない。

特に、車体上部に開閉自在の幌を備えたオープ
ンボデイ型の自動車においては、下部及び側部の
車体構造でもつて車体の強度・剛性を確保しなけ
ればならないため、リヤホイールハウスとサスペ
ンシヨンタワーと側壁パネルと底部パネルとの結
合構造が車体後部の剛性確保にとつて極めて重要
になつてくる。

（考案の目的） 本考案は、上記の問題に鑑みてなされたもの
で、車体後部の剛性・強度を高め且つサスペンシ
ヨンタワーを補強し得るようなオープンボデイ型
自動車の後部車体構造を提供することを目的とす
る。

（考案の構成） 本考案に係るオープンボデイ型自動車の後部車
体構造は、車体上部に開閉自在の幌を備えたオー
プンボデイ型自動車の後部車体構造において、リ
ヤウインドガラスの下側に沿つて車体の側部パネ
ルに車体長さ方向向きのベルトラインレインフオ
ースメントを設け、リヤホイールハウスのサスペ
ンシヨンタワーの前側近傍に対応する前後方向位
置において車体の底部パネルにクロスメンバを設
け、上記クロスメンバに対応する前後方向位置に
おいてリヤホイールハウスの車室側内面に沿つて
車幅方向に向つて立ち上がり側部パネルとリヤホ
イールハウスとに固着された断面コ字状の補強部
材であつて上端部が上記ベルトラインレインフオ
ースメントに固着されるとともに下端部が上記ク
ロスメンバに固着された補強部材を設け、この補
強部材と側部パネルとリヤホイールハウスとで閉
断面を形成し、補強部材の後側壁の一部をサスペ
ンシヨンタワーに固着したものである。

尚、上記補強部材はその上部を車幅方向に設け
られたパツケージトレイレインフオースメントの
端部に固着してもよい。

（考案の効果） 本考案に係るオープンボデイ型自動車の後部車
体構造においては、車体上部に開閉自在の幌を備
えたオープンボデイ型自動車の後部車体構造の剛
性・強度を増強するために、車体の側部パネルに
ベルトラインレインフオースメントを設け、リヤ
ホイールハウスのサスペンシヨンタワーの前側近
傍に対応する前後方向位置において底部パネルに
クロスメンバを設け、クロスメンバに対応する前
後方向位置においてリヤホイールハウスの車室側
内面に沿つて車幅方向に向つて立ち上がる断面コ
字状の補強部材を設けて側部パネルとリヤホイー
ルとに固着し、またその上端部をベルトラインレ
インフオースメントに固着するとともその下端部
をクロスメンバに固着し、この補強部材と側部パ
ネルとリヤホイールハウスとで閉断面を構成した
ので、上記補強部材を介してベルトラインレイン
フオースメントとリヤホイールハウスとクロスメ
ンバとが強力に結合され、後部車体の剛性・強度
が飛躍的に向上することになる。

また、上記補強部材をサスペンシヨンタワーの
前側近傍部に配設して補強部材の後側壁の一部を
サスペンシヨンタワーに固着したので、サスペン
シヨンタワーの荷重条件を緩和でき、且つサスペ
ンシヨンタワーの内倒れ変形を確実に防ぐことが
出来る。

（実施例） 以下、本考案に係るオープンボデイ型自動車の
後部車体構造の実施例について図面に基いて説明
する。

第４図に示すように、上記オープンボデイ型自
動車Ａは車体上部に開閉自在の幌（図は幌を格納
した状態を示す）を備えたもので、この自動車の
後部車体構造は次のように構成されている。

第１図に示すように、車体後部の側部パネル１
と底部パネル２とに亙つてリヤホイールハウス３
が設けられ、リヤホイールハウス３の車体長さ方
向略中央部にはサスペンシヨンタワー４が立設さ
れ、このサスペンシヨンタワー４の上端外側部は
側部パネル１に固着され、またサスペンシヨンタ
ワー４の下部はリヤホイールハウス３に固着され
ている。

上記側部パネル１の上部にはリヤウインドガラ
ス５が装着されていて、このリヤウインドガラス
５の下側つまり側部パネル１の上部に沿つて車体
前後方向向きに断面コ字状のベルトラインレイン
フオースメント６ａ，６ｂが側部パネル１の内外
両面に設けられている。

また、底部パネル２の外側部下面にはリヤホイ
ールハウス３の下縁よりも内側（車体中心側）に
沿つてリヤフレーム７が設けられ、サスペンシヨ
ンタワー４よりもやや前方位置で底部パネル２の
上下両面にクロスメンバ８ａ，８ｂが設けられ、
底部パネル２の上面のクロスメンバ８ａの端部は
リヤホイールハウス３の車室側内面に固着されて
いる。

上記ベルトラインレインフオースメント６ａ，
６ｂとリヤホイールハウス３とサスペンシヨンタ
ワー４とクロスメンバ８ａ，８ｂとを強力に結合
して後部車体の剛性を高めるために、上記クロス
メンバ８ａの端部からリヤホイールハウス３の内
面に沿つて車幅方向に向つて立ち上がる断面コ字
状の補強部材９が設けられ、この補強部材９の上
端部は側部パネル１の内面側のベルトラインレイ
ンフオースメント６ａに固着されるとともに補強
部材９の下端部は上記クロスメンバ８ａの上部に
被せ合わせた状態で固着されている。

また、上記補強部材９の外側部は側部パネル１
の内面に固着され補強部材９と側部パネル１とで
閉断面が構成されるとともに、補強部材９の下側
部はリヤホイールハウス３の内面に固着され補強
部材８ａとリヤホイールハウス３とで閉断面が構
成されている。

更に、上記補強部材９の上半部の後側壁９ａに
は第２図に示すようにサスペンシヨンタワー４の
周壁４ａに沿う取付フランジ部９ｂが形成され、
この取付フランジ部９ｂをサスペンシヨンタワー
４の周壁４ａに固着することにより補強部材９の
上半部の後側壁９ａがサスペンシヨンタワー４に
固着されている。

尚、上記クロスメンバ８ａ，８ｂは底部パネル
２の上下何れか一方にのみ設けてもよい。

更に、上記において車体左側の構造は図示した
右側の構造と対称になつていることは言うまでも
ない。

以上の構成においては、上記補強部材９を介し
て側部パネル１のベルトラインレインフオースメ
ント６ａ，６ｂとリヤホイールハウス３とサスペ
ンシヨンタワー４と底部パネル２のクロスメンバ
８ａ，８ｂとが強力に結合されるので、後部車体
構造の強度・剛性が大幅に向上するだけでなく、
サスペンシヨンタワーの荷重条件を緩和でき、サ
スペンシヨンタワー４の内倒れ変形も防止でき
る。

上記後部車体構造の強度・剛性を更に増強する
ために、第３図に示すように上記の構造を部分的
に変更してもよい。

即ち、上記左右の補強部材９の上部同士間にパ
ツケージトレイレインフオースメント１０が架着
され、その両端部が補強部材９に固着される。こ
のパツケージトレイレインフオースメント１０に
より左右の側部パネル１が強力に結合され後部車
体の剛性が著しく向上することになる。

更に、上記補強部材９よりも前方において、側
部パネル１とリヤホイールハウス３３との結合部
に沿つて断面Ｌ形の湾曲状の補強部材１１が設け
られ、その上端部は補強部材９に固着されるとと
もにその下端部は底部パネル２とリヤフレーム７
に固着される。そして、補強部材１１の側壁１１
ａの下端はリヤホイールハウス３に固着され、上
壁１１ｂの端部は側部パネル１に固着される。

上記補強部材１１により側部パネル１とリヤホ
イールハウス３と補強部材９とリヤフレーム７と
が強力に結合され、後部車体構造の強度、剛性が
更に増強されることになる。

上記実施例の後部車体構造によれば、補強部材
９や補強部材１１を設けるという簡単な構成でも
つて、オープンボデイ型自動車Ａの後部車体構造
の剛性を著しく向上させることが出来るうえ、サ
スペンシヨンタワー４の内倒れ変形を防止するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
後部車体構造の要部斜視図、第２図は第１図−
線断面図、第３図は変形例の第１図相当図、第
４図はオープンボデイ型自動車の斜視図である。 １……側部パネル、２……底部パネル、３……
リヤホイールハウス、４……サスペンシヨンタワ
ー、５……リヤウインドガラス、６ａ，６ｂ……
ベルトラインレインフオースメント、７……リヤ
フレーム、８ａ，８ｂ……クロスメンバ、９……
補強部材、９ａ……後側壁、１０……パツケージ
トレイレインフオースメント。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体上部に開閉自在の幌を備えたオープンボ
   デイ型自動車の後部車体構造において、 リヤウインドガラスの下側に沿つて車体の側
   部パネルに車体長さ方向向きのベルトラインレ
   インフオースメントを設け、リヤホイールハウ
   スのサスペンシヨンタワーの前側近傍に対応す
   る前後方向位置において車体の底部パネルにク
   ロスメンバを設け、上記クロスメンバに対応す
   る前後方向位置においてリヤホイールハウスの
   車室側内面に沿つて車幅方向に向つて立ち上が
   り側部パネルとリヤホイールハウスとに固着さ
   れた断面コ字状の補強部材であつて上端部が上
   記ベルトラインレインフオースメントに固着さ
   れるとともに下端部が上記クロスメンバに固着
   された補強部材を設け、この補強部材と側部パ
   ネルとリヤホイールハウスとで閉断面を形成
   し、補強部材の後側壁の一部をサスペンシヨン
   タワーに固着したことを特徴とするオープンボ
   デイ型自動車の後部車体構造。 (2) 上記補強部材はその上部が車幅方向に設けら
   れたパツケージトレイレインフオースメントの
   端部に固着されたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲１項に記載のオープンボデイ型自
   動車の後部車体構造。