JP6390595B2 - 車両の後部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の後部車体構造に関する。
車両の後部車体構造として、サスペンションからサスペンションタワー部に作用する上下方向への荷重入力を、サイドパネル及びクロスメンバに分散するように構成したものが知られている。
例えば、特許文献1には、左右のサスペンションタワー部、左右のサイドパネル、左右のホイルハウスインナ、左右のリヤフレーム、及びこれらのリヤフレームを左右に連結するクロスメンバを、鋳造部材で一体に形成した後部車体構造が開示されている。この後部車体構造によれば、サスペンションタワー部に作用する上下方向への荷重入力が、該サスペンションタワー部と一体に形成された、サイドパネル、ホイルハウス、リヤフレーム、及びクロスメンバに分散されるようになっている。
また、特許文献2には、ホイルハウスインナのサスペンションタワー部近傍とホイルハウスインナの下部に連結されたリヤフレームとを前面視L字状のホイルハウスガセット(サイドブレース)で連結し、該ホイルハウスガセットのL字状屈曲部が補強部材で補強された後部車体構造が開示されている。この後部車体構造によれば、ホイルハウスガセットは、補強部材によってL字状屈曲部における曲げ変形が抑制されるので、サスペンションタワー部に作用する上下方向への荷重入力がホイルハウスガセットを介して効率的にリヤフレームに分散されるようになっている。
特開平06−286652号公報 特開2014−8915号公報
しかしながら、特許文献1の後部車体構造では、左右のサスペンションタワー部周辺を鋳造部材として一体に形成するものであり、金型が大型化するため製造が容易でない。また、左右のサスペンションタワー部の荷重入力の差に起因した捻れがこれらを左右に接続するクロスメンバに生じやすいが、靱性に乏しい鋳造部材では柔軟に抗し難い。さらに、サスペンションタワー部への荷重入力を、車体側方(サイドパネル及びホイルハウス)及び車体下方(クロスメンバ)に分散させることはできるものの、車体上方へは効率的に分散させることができない。
また、特許文献2の後部車体構造では、ホイルハウスガセットのL字状屈曲部の曲げ剛性を高めることによって、サスペンションタワー部への荷重入力を、車体側方及び車体下方に効率的に分散させることはできるものの、特許文献1の構造と同様に車体上方へは効率的に分散させることができない。
したがって、後部車体構造の剛性を向上させるに際して、生産性を悪化させることなく、サスペンションからサスペンションタワー部に作用する上下方向への荷重入力を、車体側方及び車体下方に分散させるのみならず車体上方へも効率的に分散させる観点で更に改良する余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、生産性を悪化させることなく、サスペンションタワー部への上下荷重を車体側に効率的に分散させることのできる車両の後部車体構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本願発明は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、車両の後部車体構造であって、後車輪の上部を車幅方向内側から覆うホイルハウスインナと、前記ホイルハウスインナの車幅方向外側の端部から上方に延びているサイドパネルと、前記サイドパネルに設けられて上下方向に延びており、上端がルーフ部の車体骨格部材に結合されているアッパインナレインと、前記ホイルハウスインナの下部から車幅方向内側に延びているフロアパネルと、前記フロアパネルに沿って車幅方向に延びているクロスメンバと、前記ホイルハウスインナから上方に膨出しており、上面部にサスペンションが締結固定されるサスペンションタワー部と、前記サスペンションタワー部に隣接して設けられ、前記サイドパネルと前記ホイルハウスインナに沿って上下方向に延びて、前記アッパインナレインと前記クロスメンバとを連結するサイドブレースと、を備えており、前記サイドブレースは、前方に面する前面部と、後方に面する後面部と、前記前面部及び前記後面部のそれぞれの車室側端部を接続する側面部と、を有するハット形断面に形成されて、前記サイドパネル及び前記ホイルハウスインナに沿って下方に延びる第1部分と、該第1部分の下端部において車幅方向内側に湾曲した湾曲部と、該湾曲部から車幅方向内側に延びる第2部分と、を有しており、前記湾曲部には、前記前面部、前記後面部、及び前記側面部の少なくとも2つの間を相互に接続して、前記ハット形断面の内側を前記第1部分側と前記第2部分側とに区分けする第1リブが設けられており、前記前面部及び前記後面部と前記側面部との間には、ハット形断面を形成するための屈曲部としての第1稜線部がそれぞれ形成されており、前記第1リブは、少なくとも前記第1稜線部に対応した隅部を肉盛りするように設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記サイドブレースは、前記サスペンションタワー部に対して前後にオフセットしていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の発明において、前記湾曲部には、長手方向に沿って延びる第2リブが設けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記サスペンションタワー部は、前記上面部の周縁部からコーナー部を介して、下方に延びる外周壁部を有し、前記サイドブレースは、前記前面部及び前記後面部のそれぞれの反車室側端部から前後方向に延びるフランジ部を更に有し、前記前面部及び前記後面部と前記フランジ部との間には、屈曲部としての第2稜線部がそれぞれ形成されており、前記サイドブレースは、前記第1稜線部及び/又は前記第2稜線部が、前記コーナー部に交差していることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記請求項1〜のいずれか1つに記載の発明において、前記サイドブレースと、前記サスペンションタワー部と、前記ホイルハウスインナの少なくとも一部とが、一体的に形成されていることを特徴とする。
前記の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、サスペンションからサスペンションタワー部へ作用する上下方向への入力荷重を、サスペンションタワー部に隣接するサイドブレースを介して、ホイルハウス、サイドパネル及びクロスメンバに伝達させることができると共に、アッパインナレインからルーフ部の車体骨格部材に伝達させることができる。したがって、サスペンションタワー部に作用する上下方向への入力荷重を、車体側方及び車体下方に分散させるのみならず、車体上方へも効率的に分散させることができるので、後部車体構造の上下方向の剛性を効果的に向上させることができる。
また、左右のサスペンションタワー部を一体に形成するものではないので、生産性を悪化させることもなく、さらに左右のサスペンションタワー部に作用する荷重入力に対して、左右それぞれで抗し得る。
また、第1リブによって、湾曲部の断面2次モーメントを増大させることができると共に、前面部、後面部及び側面部の少なくとも2つを相互に接続することによって、これらの各面部の面外方向への変形を抑制できる。したがって、湾曲部の曲げ剛性を向上させることができるので、サイドブレースの上下方向の剛性を効果的に向上させることができ、この結果、後部車体構造の上下方向の剛性を効果的に向上させることができる。
また、サイドブレースのうち、前面部、後面部及び側面部に比して相対的に剛性の高い第1稜線部に対応した隅部を肉盛り補強するように第1リブを設けることで、重量増大を抑制しつつ、第1稜線部の剛性を更に向上させることができるので、湾曲部の曲げ剛性をより効果的に向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ホイルハウスインナから車室側へ膨出したサスペンションタワー部とサイドブレースとが車幅方向に重複して位置することがない。これによって、サイドブレースの車幅方向内側への突出が抑制されるので、サイドブレースによる車室空間又は荷室容積の減少を抑制できる。
また、請求項に記載の発明によれば、第2リブ自体が車幅方向への曲げに好適に抗しやすいので、湾曲部の曲げ剛性をさらに効果的に向上させることができる。また、第2リブを第1リブに交差するように設けた場合には、第1リブの支持剛性を向上させることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、サイドブレースの相対的に剛性の高い第1稜線部及び/又は第2稜線部と、サスペンションタワー部の相対的に剛性の高いコーナー部とが交差しているので、サスペンションタワー部への入力荷重が、コーナー部を介してサイドブレースに効率的に伝達される。これによって、サスペンションからサスペンションタワー部に入力される上下方向への荷重入力を、サイドブレースを介して、より効率的に車体側に分散させることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、サスペンションからサスペンションタワー部に入力される上下方向への荷重入力を、サイドブレースを介して、アッパインナレイン及びクロスメンバに、更により一層効率的に分散させることができる。


すなわち、本発明による車両の後部車体構造によれば、生産性を悪化させることなく、サスペンションタワー部への上下荷重を車体側に効率的に分散させることができる。
本発明の一実施形態に係る後部車体構造を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1の後部車体構造の分解斜視図である。 リヤサスペンション支持体を後方から見た斜視図である。 リヤサスペンション支持体を下方から見た斜視図である。 図5のA矢視による断面図である。 第1リブの変形例を示す図6と同様の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。以下の説明では、自動車の後部車体構造を車幅方向の一方側(右側)について説明するが、他方側(左側)についても同様である。また、各図において示す、前/後、内/外、及び上/下の各方向はそれぞれ、特段の説明がある場合を除いて、車両の前後方向、車幅方向、及び上下方向の各方向を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る後部車体構造1を前方から見た斜視図を示している。図1に示すように、後部車体構造1は、後車輪(図示しない)の上部を車幅方向内側から覆うホイルハウスインナ2と、ホイルハウスインナ2の車幅方向外側の端部に接続されて上方に延びているサイドパネル3と、ホイルハウスインナ2の下部に接続されて車幅方向内側に延びているフロアパネル4と、を備えている。
サイドパネル3にはアッパインナレイン5が設けられている。アッパインナレイン5は、車幅方向内側に凸となる略ハット形断面を有し上下方向に延びるように形成されている。アッパインナレイン5は、前方に面するアッパインナレイン前面部5aと、アッパインナレイン前面部5aの後方に対向して位置するアッパインナレイン後面部5b(図2参照)と、アッパインナレイン前面部5aおよびアッパインナレイン後面部5bそれぞれの車室側縁部を車体前後方向に接続するアッパインナレイン側面部5cと、を有している。
なお、アッパインナレイン5を、サイドパネル3と一体に形成してもよく、別体で形成したものをサイドパネル3に接続してもよい。アッパインナレイン5の上端部は、ルーフ部骨格部材(車体骨格部材)6に結合されている。ルーフ部骨格部材6としては、例えば、車体前後方向に延びるルーフレール7と、車幅方向に延びるリヤヘッダ8とが含まれる。
図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図2に示すように、サイドパネル3の下端部には、車幅方向外側に膨出したホイルハウスアウタ13が一体的に形成されている。ホイルハウスインナ2とホイルハウスアウタ13とで、後車輪を収容するリヤホイルハウス14が構成されている。
アッパインナレイン5の車幅方向外側には、車幅方向外側に凸となるハット形断面を有するサスハウジングレイン12が結合されている。アッパインナレイン5は、サスハウジングレイン12と共にリヤホイルハウス14とルーフ部骨格部材6との間を上下方向に延びる閉断面構造を構成している。また、左右のアッパインナレイン5及びサスハウジングレイン12は、ルーフ部骨格部材6を介して左右で連結されており、後述するサイドブレース30、クロスメンバ10と共に、前面視で環状構造を構成している。
図1に示すように、フロアパネル4には、上方に凸となる略ハット形断面で車幅方向に延びる凸状部41が形成されている。凸状部41は、前方に面する凸状部前面部41aと、凸状部前面部41aに対向して後方に位置する凸状部後面部41bと、凸状部前面部41aおよび凸状部後面部41bそれぞれの上縁部を車体前後方向に接続する凸状部上面部41cと、を有している。
凸状部上面部41cの下面には、車幅方向に延びる横方向部材9が結合されている。横方向部材9は下方に凸となる略ハット形断面で車幅方向に延びており、凸状部41と共に車幅方向に延びる閉断面に形成されたクロスメンバ10を構成している。
図3は、図1から後述するリヤサスペンション支持体11を分解した後部車体構造1の分解斜視図を示している。図3に示すように、ホイルハウスインナ2は、前側に位置するホイルハウスインナ前部2aと、前後方向の略中央に位置するホイルハウスインナ中央部2bと、後側に位置するホイルハウスインナ後部2cとに、車体前後方向に3分割された部材をそれぞれ接続して形成されている。ホイルハウスインナ中央部2bには、上方に膨出したサスペンションタワー部20が形成されている。
サスペンションタワー部20は、サスペンション(図示しない)の上端部が締結固定される上面部21と、上面部21の周縁部から下方にR状に湾曲したコーナー部22を介して下方に延びる外周壁部23と、を有している。
サスペンションタワー部20の前側には、サイドブレース30が隣接して設けられている。サイドブレース30は、サイドパネル3およびホイルハウスインナ前部2aに沿って下方に延びる第1部分31と、クロスメンバ10に沿って車幅方向内側に延びる第2部分32と、第1部分31と第2部分32とをR状に接続するL字状湾曲部33と、を有する前面視L字状に形成されており、後述するように、アッパインナレイン5の下部とクロスメンバ10の上部とを連結している。
なお、本実施形態では、ホイルハウスインナ中央部2bとサスペンションタワー部20とサイドブレース30とは、例えばアルミダイカスト法によって一体に形成されており、これによってリヤサスペンション(図示しない)支持するリヤサスペンション支持体11が構成されている。
以下、サイドブレース30について具体的に説明する。
図1に示すように、サイドブレース30は、車室内側に凸となる略ハット形断面で前面視L字状に湾曲して延びており、前方に面するサイドブレース前面部30aと、サイドブレース前面部30aに対向して後方に位置するサイドブレース後面部30b(図4参照)と、サイドブレース前面部30aおよびサイドブレース後面部30bそれぞれの車室内側縁部を車体前後方向に接続するサイドブレース側面部30cと、を有している。
また、サイドブレース30は、サイドブレース前面部30aの反車室側の縁部から前方に延びる前部フランジ部37と、サイドブレース後面部30bの反車室側の縁部から後方に延びる後部フランジ部38と、を更に有しており、これらのフランジ部37,38でサイドパネル3およびフロアパネル4に接続されるようになっている。
サイドブレース前面部30aは、上端部がアッパインナレイン前面部5aの下端部に沿って連結されており、下端部が凸状部前面部41aに沿って連結されている。サイドブレース側面部30cは、上端部がアッパインナレイン側面部5cの下端部に沿って連結されており、下端部が凸状部上面部41cに沿って連結されている。
図4は、サイドブレース30を後方上方から見た斜視図である。図4を併せて参照して、サイドブレース後面部30bは、上端部がアッパインナレイン後面部5bの下端部に沿って連結されており、下端部が後部フランジ部38を介して凸状部上面部41cに沿って連結されている。
サイドブレース30は、ハット形断面を形成するための屈曲部としての第1稜線部35が形成されている。第1稜線部35は、サイドブレース前面部30aとサイドブレース側面部30cとの間に形成される前側第1稜線部35aと、サイドブレース側面部30cとサイドブレース後面部30bとの間に形成される後側第1稜線部35bとからなる。また、サイドブレース30は、ハット形断面の基部側に第2屈曲部36が形成されている。第2屈曲部36は、サイドブレース前面部30aと前部フランジ部37との間に形成される前側第2稜線部36aと、サイドブレース後面部30bと後部フランジ部38との間に形成される後側第2稜線部36bとからなる。
図4に示すように、後側第1稜線部35bおよび後側第2稜線部36bは、サスペンションタワー部20のコーナー部22に交差するようになっている。これによって、サイドブレース30の相対的に剛性の高い第1稜線部35及び/又は第2稜線部36と、サスペンションタワー部20の相対的に剛性の高いコーナー部22とが交差しているので、サスペンションタワー部20に作用する入力荷重が、コーナー部22を介してサイドブレース30により効率的に伝達されるようになっている。
図5は、リヤサスペンション支持体11を下方から見た斜視図である。図5に示すように、サイドブレース30は、L字状湾曲部33において、2つの第1リブ51が設けられている。第1リブ51は、サイドブレース前面部30a、サイドブレース後面部30b、及びサイドブレース側面部30cの間を相互に接続して、ハット形断面の内側を、第1部分31側と第2部分32側とにサイドブレース30の延在方向に区分けするように形成されている。
図6は、図5のA矢視図であり、第1リブ51の正面図である。図5に示すように、第1リブ51は、ハット形断面の内側に全体的に設けられている。これによって、L字状湾曲部33に車幅方向及び/又は上下方向への曲げ荷重が作用した場合に、サイドブレース前面部30a、サイドブレース後面部30b、及びサイドブレース側面部30cの、面外方向への変形が抑制されるので、L字状湾曲部33の曲げ剛性が好適に向上する。
なお、第1リブ51は、少なくとも前側第1稜線部35aと後側第1稜線部35bとに対応した隅部を肉盛りするように形成すればよく、ハット形断面の内側全体に設けなくてもよい。
例えば、図7(a)に示すようにハット形断面の第1稜線部35に対応した隅部を肉盛りするようにアーチ状に形成してもよい。また、図7(b)に示すように、ハット形断面の各面部30a〜30cそれぞれから内側へ所定幅で形成してもよい。また、図7(c)に示すように、サイドブレース前面部30a及びサイドブレース後面部30bを接続するようにサイドブレース側面部30cから一定長さで形成してもよい。また、図7(d)に示すように、サイドブレース側面部30cと、サイドブレース前面部30a及びサイドブレース後面部30bと、をそれぞれ接続するように、サイドブレース前面部30a及びサイドブレース後面部30bから一定長さで形成してもよい。
また、図7(e)に示すように、第1稜線部35に対応した隅部を斜めに肉盛りするように形成してもよい。また、図7(f)に示すように、ハット形断面の第1稜線部35側を接続すると共に第2稜線部36側に幅狭となるように台形状に形成してもよい。また、図7(g)に示すようにハット形断面から一定長さで形成しつつ隅部を面取り状に肉盛りするように形成してもよい。すなわち、サイドブレース前面部30a、サイドブレース後面部30b及びサイドブレース側面部30cのうち2つの間を、第1稜線部35に対応した隅部を肉盛りするように接続するように、第1リブ51を設ければよい。
なお、第1リブ51は、図7(a)に示すような角部のないアーチ状に形成することが好ましく、この場合、ハット形断面の第1稜線部35に対応した隅部を効果的に肉盛りして補強しつつも第1リブ51を軽量化することができ、更に、第1リブ51には角部がないので応力集中を防止できる。
図5に示すように、サイドブレース30は、L字状湾曲部33に、その長手方向に沿う複数の第2リブ52を有している。第2リブ52は、第1リブ51に交差するように設けられ、これによって、第1リブ51の支持剛性が向上すると共に、L字状湾曲部33の曲げ剛性が向上している。
また、サイドブレース30の第1部分31は、ホイルハウスインナ2の上部のホイルハウス湾曲部2d(図1参照)に沿って車幅方向外側へ湾曲する第1湾曲部31aと、ホイルハウスインナ2とサイドパネル3との接合部にわたって上方へ湾曲する第2湾曲部31bと、を更に有している。第1湾曲部31a及び第2湾曲部31bには長手方向に沿って第3リブ53と第4リブ54とが設けられており、これによって、サイドブレース30のうち、車幅方向及び/又は上下方向に曲げ変形が生じやすい第1湾曲部31a及び第2湾曲部31bが好適に補強され、サイドブレース30の曲げ剛性が向上されている。
なお、本実施形態では、第2〜第4リブ52〜54はそれぞれ、サイドブレース30のハット形断面の内側(反車室側)に設けられており、これによってサイドブレース30の車室内側への出っ張りを抑制することができ、車室内空間が減少することがない。サイドブレース30の車室空間側への出っ張りが問題とならない場合には、第2〜第4リブ52〜54を車室内側へ形成してもよい。
上述した本実施形態に係る後部車体構造1よれば、以下の効果を奏する。
サスペンション(図示しない)からサスペンションタワー部20へ作用する上下方向への入力荷重を、サスペンションタワー部20に隣接するサイドブレース30を介して、ホイルハウスインナ2、サイドパネル3及びクロスメンバ10に伝達させることができると共に、アッパインナレイン5からルーフ部骨格部材6としてのルーフレール7及びリヤヘッダ8に伝達させることができる。したがって、サスペンションタワー部20に作用する上下方向への入力荷重を、車体側方及び車体下方に分散させるのみならず、車体上方へも効率的に分散させることができるので、後部車体構造1の上下方向の剛性を効果的に向上させることができる。
また、左右のサスペンションタワー部20,20を一体に形成するものではないので、生産性を悪化させることもなく、さらに左右の荷重入力に対して左右それぞれで抗し得る。
第1リブ51によって、サイドブレース30のL字状湾曲部33の断面2次モーメントを増大させることができると共に、サイドブレース前面部30a、サイドブレース後面部30b及びサイドブレース側面部30cを相互に接続することによって、これらの各面部30a〜30cの面外方向への変形を抑制できる。したがって、L字状湾曲部33の曲げ剛性を向上させることができるので、サイドブレース30の上下方向の剛性を効果的に向上させることができ、この結果、後部車体構造1の上下方向の剛性を効果的に向上させることができる。
サイドブレース30のうち、サイドブレース前面部30a、サイドブレース後面部30b及びサイドブレース側面部30cに比して相対的に剛性の高い第1稜線部35に対応した隅部に肉盛りするように第1リブ51を設けることで、重量増大を抑制しつつ、第1稜線部35の剛性を更に向上させることができる。よって、L字状湾曲部33の曲げ剛性をより効果的に向上させることができる。
第2リブ52を設けることで第1リブ51の支持剛性を向上させることができると共に、第2リブ52自体がL字状湾曲部33の車幅方向への曲げに好適に抗しやすいので、すなわち第2リブ52によって、L字状湾曲部33の曲げ剛性をさらに効果的に向上させることができる。
サイドブレース30の相対的に剛性の高い第1稜線部35及び/又は第2稜線部36と、サスペンションタワー部20の相対的に剛性の高いコーナー部22とが交差しているので、サスペンションタワー部20への入力荷重が、コーナー部22を介してサイドブレース30に効率的に伝達される。これによって、サスペンションからサスペンションタワー部20に作用する上下方向への入力荷重を、サイドブレース30を介して、より効率的に分散させることができる。
また、ホイルハウスインナ中央部2bとサスペンションタワー部20とサイドブレース30とを、リヤサスペンション支持体11として一体的に形成することによって、サスペンションからサスペンションタワー部20に作用する上下方向への入力荷重を、より効率的にサイドブレース30に伝達させることができ、この結果、アッパインナレイン5及びクロスメンバ10に、更により一層効率的に分散させることができる。
また、上記実施形態では、サイドブレース30を、サスペンションタワー部20の前側にオフセットして配置したが、これに限らない。すなわち、サイドブレース30をサスペンションタワー部20に隣接して配置すればよく、サスペンションタワー部20の後側にオフセットして配置してもよく、サスペンションタワー部20と前後方向に重複した位置に配置してもよい。なお、サスペンションタワー部20と前後方向にオフセットして配置することによって、サイドブレース30の車室内側への突出が抑制されるので、サイドブレース30による車室空間の減少を抑制できる。
また、上記実施形態では、ホイルハウスインナ2の一部(すなわちホイルハウスインナ中央部2c)と、サスペンションタワー部20と、サイドブレース30と、を一体に形成したが、これに限らない。すなわち、ホイルハウスインナ2と、サスペンションタワー部20と、サイドブレース30と、をそれぞれ別体に形成し、例えば溶接又は適宜に締結手段によってそれぞれ接合してもよい。
また、サスペンションタワー部20を、アルミダイカスト法の他、鉄又はアルミニウム以外の軽合金を原材料とした鋳造品もしくは鍛造品で形成してもよく、鋼板をプレス成形することで形成してもよく、または複数の部材を例えば溶接によって接合して形成してもよい。また、サスペンションタワー部構造を、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で形成してもよい。
特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
以上説明したように、本発明に係る車両の後部車体構造1によれば、生産性を悪化させることなく、サスペンションタワー部への上下荷重を車体側に効率的に分散させることができるので、この種の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 後部車体構造
2 ホイルハウスインナ
3 サイドパネル
4 フロアパネル
5 アッパインナレイン
6 ルーフ部骨格部材
7 ルーフレール
8 リヤヘッダ
9 横方向部材
10 クロスメンバ
11 リヤサスペンション支持体
20 サスペンションタワー部
21 上面部
22 コーナー部
23 外周壁部
30 サイドブレース
31 第1部分
32 第2部分
33 L字状湾曲部
35 第1稜線部
36 第2稜線部
41 凸状部
51〜54 第1〜第4リブ

Claims (5)

  1. 後車輪の上部を車幅方向内側から覆うホイルハウスインナと、
    前記ホイルハウスインナの車幅方向外側の端部から上方に延びているサイドパネルと、
    前記サイドパネルに設けられて上下方向に延びており、上端がルーフ部の車体骨格部材に結合されているアッパインナレインと、
    前記ホイルハウスインナの下部から車幅方向内側に延びているフロアパネルと、
    前記フロアパネルに沿って車幅方向に延びているクロスメンバと、
    前記ホイルハウスインナから上方に膨出しており、上面部にサスペンションが締結固定されるサスペンションタワー部と、
    前記サスペンションタワー部に隣接して設けられ、前記サイドパネルと前記ホイルハウスインナに沿って上下方向に延びて、前記アッパインナレインと前記クロスメンバとを連結するサイドブレースと、を備えており、
    前記サイドブレースは、
    前方に面する前面部と、後方に面する後面部と、前記前面部及び前記後面部のそれぞれの車室側端部を接続する側面部と、を有するハット形断面に形成されて、
    前記サイドパネル及び前記ホイルハウスインナに沿って下方に延びる第1部分と、該第1部分の下端部において車幅方向内側に湾曲した湾曲部と、該湾曲部から車幅方向内側に延びる第2部分と、を有しており、
    前記湾曲部には、前記前面部、前記後面部、及び前記側面部の少なくとも2つの間を相互に接続して、前記ハット形断面の内側を前記第1部分側と前記第2部分側とに区分けする第1リブが設けられており、
    前記前面部及び前記後面部と前記側面部との間には、ハット形断面を形成するための屈曲部としての第1稜線部がそれぞれ形成されており、
    前記第1リブは、少なくとも前記第1稜線部に対応した隅部を肉盛りするように設けられていることを特徴とする車両の後部車体構造。
  2. 前記サイドブレースは、前記サスペンションタワー部に対して前後にオフセットしている、
    請求項1に記載の車両の後部車体構造。
  3. 前記湾曲部には、長手方向に沿って延びる第2リブが設けられている、
    請求項1又は2に記載の車両の後部車体構造。
  4. 前記サスペンションタワー部は、前記上面部の周縁部からコーナー部を介して、下方に延びる外周壁部を有し、
    前記サイドブレースは、前記前面部及び前記後面部のそれぞれの反車室側端部から前後方向に延びるフランジ部を更に有し、前記前面部及び前記後面部と前記フランジ部との間には、屈曲部としての第2稜線部がそれぞれ形成されており、
    前記サイドブレースは、前記第1稜線部及び/又は前記第2稜線部が、前記コーナー部に交差している、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の後部車体構造。
  5. 前記サイドブレースと、前記サスペンションタワー部と、前記ホイルハウスインナの少なくとも一部とが、一体的に形成されている、
    請求項1〜のいずれか1つに記載の車両の後部車体構造。
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