JP5400862B2 - 車体側部構造 - Google Patents
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三角形窓枠の全周を補強ブラケットで補強することにより、車体前方からの衝撃荷重でフロントピラーが変形することを抑えることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
なお、三角形窓枠は、通常セダンタイプの車両に適用されている。
なお、ハイトワゴンとは、車体前部にボンネットを備えた、全高の大きなキャビンを持つ軽乗用車である。
このため、補強ブラケットの重量が増してしまい、そのことが車体側部構造の重量(すなわち、車体重量)を抑える妨げになる。
この車両に前方から衝撃荷重が入力した場合、前上角部および後下角部を互いに離れる方向に移動させようとする力が作用する。
換言すれば、前上角部を軸にして前縁部および上縁部が互いに近づく方向に移動する力が作用する。さらに、後下角部を軸にして後縁部および下縁部が互いに近づく方向に移動する力が作用する。
そこで、請求項1において、前縁部および上縁部が交差する前上角部を第1補強部材で補強し、後縁部および下縁部が交差する後下角部を第2補強部材で補強するようにした。
よって、第1補強部材および第2補強部材で窓枠の内面を窓枠の中心側から支えることが可能である。
そこで、請求項5において、縦辺(前縁部および後縁部)を覆う縦辺被覆部と、横辺(上縁部および下縁部)を覆う横辺被覆部との長さの比を、縦辺と横辺との長さの比に等しくなるようにした。
なお、縦辺被覆部および横辺被覆部は各補強部材(第1補強部材、第2補強部材)に備えられている。
第1補強部材および第2補強部材で窓枠の内面を窓枠の中心側から支えることができる。
よって、車両に前方から衝撃荷重が入力した場合に、前縁部および上縁部が前上角部を軸にして互いに近づく方向に移動することを第1補強部材で効率よく抑えることができる。
同様に、後縁部および下縁部が後下角部を軸にして互いに近づく方向に移動することを第2補強部材で効率よく抑えることができる。
さらに、窓枠の一部を補強するだけで窓枠の剛性を保つことができるので、補強部材による重量の増加を抑えることができる。
よって、車両に前方から衝撃荷重が入力した場合に、第2面部を第2被覆面部で効率よく支えることができる。
これにより、前縁部および上縁部が前上角部を軸にして互いに近づく方向に移動することや、後縁部および下縁部が後下角部を軸にして互いに近づく方向に移動することを第2被覆面部で好適に抑えることができる。
このように、各縁部に稜線部を備えて各縁部を断面略く字形に形成することで各縁部の剛性を確保できる。
これにより、各縁部の稜線部を第1補強部材および第2補強部材で補強することができるので、各縁部の剛性をより好適に確保できる。
さらに、補強フランジを窓枠フランジに沿わせて張り出させることにより、補強フランジを窓枠フランジに設けることができる。
よって、窓枠フランジを補強フランジで補強することができる。
よって、第2被覆面部および補強フランジの交差部でフランジ稜線部を補強することができる。
このように、窓枠フランジを補強フランジで補強し、かつ、フランジ稜線部を交差部で補強することで、窓枠の剛性をさらに好適に確保できる。
よって、車体側面視で車体側部の前端、かつ上端となる前上角部の近傍に補強フランジを設けることができる。これにより、前上角部を補強フランジで補強して車体側部の剛性を高めることができる。
これにより、例えば、「長い方の辺」を「長い被覆部」で覆うことができるので、縦辺や横辺を補強部材でより好適に補強できるので、窓枠の剛性をさらに好適に確保できる。
図1、図2に示すように、車両MVは、車体の側部を構成する車体側部構造10と、車体側部構造10に設けられたフロントサイドドア22と、センタピラー16およびリヤピラー17に設けられたリヤスライドドア23とを備えている。
フロントピラー14およびセンタピラー16間にフロントサイドドア22が設けられている。また、センタピラー16およびリヤピラー17間にリヤスライドドア23が設けられている。
窓枠24は、フロントピラーアッパ25、サブピラー26、ルーフサイドレール18のレール前部19およびフロントピラーロア27で略矩形状(詳しくは、略平行四辺形状)に形成されている。
このフロントピラーアッパ25は窓枠24の前縁部を構成する部位である。
以下、フロントピラーアッパ25を前縁部25として説明する。
前縁インナ25Bは、第1前面部(第1面部)35、第2前面部(第2面部)36、前稜線部(稜線部)37、前内窓枠フランジ(窓枠フランジ)38、前内フランジ稜線部(フランジ稜線部)39、前外窓枠フランジ41、および前外フランジ稜線部42を有する。
第2前面部36は、第1前面部35のうち窓枠24の中心(以下、窓枠中心という)48(図3参照)側の端部35aから車幅方向へ張り出すように折り曲げられた略平坦な帯状の部位である。
よって、第1前面部35、第2前面部36および前稜線部37で前縁部25が断面略く字形に形成されている。
このように、前縁部25に前稜線部37を備えて前縁部25を断面略く字形に形成することで前縁部25の剛性を確保することができる。
第2前面部36から前内窓枠フランジ38を張り出させることで、第2前面部36および前内窓枠フランジ38が交差する部位に前内フランジ稜線部39が形成されている。
前内フランジ稜線部39は、車室外20側に突出するように形成された断面凸状の部位である。
前外フランジ稜線部42は、前外窓枠フランジ41および第1前面部35が交差する部位に車室外20側に突出するように形成された断面凸状の部位である。
このサブピラー26は窓枠24の後縁部を構成する部位である。
以下、サブピラー26を後縁部26として説明する。
後縁インナ26Bは、第1後面部(第1面部)43、第2後面部(第2面部)44、後稜線部(稜線部)45、後窓枠フランジ(窓枠フランジ)46、および後フランジ稜線部47を有する。
後縁部26は、前縁部25と同様に形成された縁部であり、第1後面部43、第2後面部44、後稜線部45、後窓枠フランジ46および後フランジ稜線部47の詳しい説明を省略する。
さらに、ルーフサイドレール18は、レール前部19の後部が、後縁部26の上端26aからセンタピラー16の上端16aを経てリヤピラー17の上端17aまで延出されている(図2参照)。
このルーフサイドレール18のレール前部19は、窓枠24の上縁部を構成する部位である。
以下、ルーフサイドレール18のレール前部19を上縁部19として説明する。
上縁インナ19Bは、第1上面部(第1面部)51、第2上面部(第2面部)52、上稜線部(稜線部)53、上内窓枠フランジ(窓枠フランジ)54、および上外窓枠フランジ55を有する。
上縁部19は、前縁部25と同様に形成された縁部であり、第1上面部51、第2上面部52、上稜線部53、上窓枠フランジ54および上外窓枠フランジ55の詳しい説明を省略する。
このフロントピラーロア27は、窓枠24の下縁部を構成する部位である。
以下、フロントピラーロア27を下縁部27として説明する。
下縁インナ27Bは、第1下面部(第1面部)56、第2下面部(第2面部)57、下稜線部(稜線部)58、および下窓枠フランジ(窓枠フランジ)59を有する。
下縁部27は、前縁部25と同様に形成された縁部であり、第1下面部56、第2下面部57、下稜線部58および下窓枠フランジ59の詳しい説明を省略する。
この窓枠24は、前縁部25および上縁部19が交差する角部に設けられた前上角部28と、後縁部26および下縁部27が交差する角部に設けられた後下角部29とを有する。
ここで、前縁部25および後縁部26は、窓枠24の縦辺を形成する部位である。
また、上縁部19および下縁部27は、窓枠24の横辺を形成する部位である。
補強手段31は、前上角部28を補強する第1補強部材32と、後下角部29を補強する第2補強部材33とを備えている。
前縦辺被覆部62、上横辺被覆部63および前上角被覆部64で第1補強部材32が平面視略く字状に形成されている(図3参照)。
一対の補強フランジ74は、第2前被覆面部72の車幅方向内側の端部72aから窓枠中心48(具体的には、後縁部26)に向けて、前内窓枠フランジ38に沿うように張り出されている。
一対の補強フランジ74を前内窓枠フランジ38に設けることで、前内窓枠フランジ38を一対の補強フランジ74で補強することができる。
よって、第2前被覆面部72および一対の補強フランジ74の交差部75で前内フランジ稜線部39を補強することができる。
このように、前内窓枠フランジ38を一対の補強フランジ74で補強し、かつ、前内フランジ稜線部39を交差部75で補強することで、窓枠24の剛性を好適に確保できる。
これにより、前上角部28を一対の補強フランジ74で補強して車体側部構造10の剛性を高めることができる。
よって、前上角部28を一対の補強フランジ74で補強することで窓枠24の剛性(強度)を効率よく高めることが可能である。
さらに、上横辺被覆部63の第1上被覆面部77、第2上被覆面部78および上稜線被覆部79で、第1上面部51の前端51a、第2上面部52の前端52aおよび上稜線部53の前端53aをそれぞれ覆うようにした。
これにより、前縁部25および上縁部19(すなわち、窓枠24)の剛性を好適に確保できる。
そこで、前縦辺被覆部62と上横辺被覆部63との長さの比を、前縁部25と上縁部19との長さの比に等しくなるように設定した。
これにより、前縁部25を前縦辺被覆部62で覆うことにより、前縁部25および上縁部19を第1補強部材32で好適に補強して窓枠24の剛性を好適に確保できる。
後縦辺被覆部66、下横辺被覆部67および後下角被覆部68で第2補強部材33が平面視略L字状に形成されている(図3参照)。
さらに、下横辺被覆部67の第1下被覆面部85、第2下被覆面部86および下稜線被覆部87で、第1下面部56の後端56a、第2下面部57の後端57aおよび下稜線部58の後端58aをそれぞれ覆うようにした。
よって、後稜線部45の下端45aおよび下稜線部58の後端58aを第2補強部材33で補強することができる。
これにより、後縁部26および下縁部27(すなわち、窓枠24)の剛性を好適に確保できる。
そこで、後縦辺被覆部66と下横辺被覆部67との長さの比を、後縁部26と下縁部27との長さの比に等しくなるように設定した。
よって、後縦辺被覆部66は、後縁部26に対応させて「長い被覆部」に形成されている。
これにより、後縁部26を後縦辺被覆部66で覆うことにより、後縁部26および下縁部27を第2補強部材33で好適に補強して窓枠24の剛性を好適に確保できる。
図10(a)に示すように、車両MVの前方から衝撃荷重F1が入力することにより、衝撃荷重F1の一部F2がフロントサイドフレームおよびアウトリガーを経てサイドシル13に荷重F3として伝わる。
一方、衝撃荷重F1の残りの荷重F4がアッパメンバーを経て窓枠24の前下交差部24aに伝わる。
前縁部25に伝わった荷重F5が上縁部19に荷重F7として伝わり、下縁部27に伝わった荷重F6の一部が後縁部26に荷重F8として伝わる。
よって、前下交差部24aに荷重F4が伝えられることにより、前上角部28および後下角部29を互いに離れる方向(すなわち、矢印B方向)に移動させようとする力が作用する。
さらに、後下角部29を軸にして後縁部26および下縁部27が互いに近づく方向(矢印D方向)に移動する力が作用する。
そこで、前縁部25および上縁部19が交差する前上角部28を第1補強部材32で補強した。さらに、後縁部26および下縁部27が交差する後下角部29を第2補強部材33で補強した。
また、第1補強部材32の第2上被覆面部78で第2上面部52を窓枠中心48側から覆うことができる。
同様に、第2上面部52を第1補強部材32の第2上被覆面部78で効率よく支えることができる。
これにより、前縁部25および上縁部19が前上角部28を軸にして互いに近づく方向に移動することを第1補強部材32で好適に抑え、窓枠24の剛性を高めることができる。
また、第2補強部材33の第2下被覆面部86で第2下面部57を窓枠中心48側から覆うことができる。
同様に、第2下面部57を第2補強部材33の第2下被覆面部86で効率よく支えることができる。
これにより、後縁部26および下縁部27が後下角部29を軸にして互いに近づく方向に移動することを第2補強部材33で好適に抑え、窓枠24の剛性を高めることができる。
さらに、窓枠24の一部を補強するだけで窓枠24の剛性を保つことができるので、補強手段31(第1補強部材32、第2補強部材33)による重量の増加を抑えることができる。
例えば、前記実施例では、第1補強部材32の第2前被覆面部72に補強フランジ74を備えた例について説明したが、これに限らないで、第1補強部材32の第2上被覆面部78や第2補強部材33に補強フランジを備えることも可能である。
Claims (5)
- 車体側部の前方側で上下方向に延出して窓枠の前縁部を構成するフロントピラーアッパと、
該フロントピラーアッパの後方で上下方向に延出して前記窓枠の後縁部を構成するサブピラーと、
前記フロントピラーアッパの上端と前記サブピラーの上端を連結するよう車体前後方向に延びて前記窓枠の上縁部を構成するルーフサイドレールと、
前記フロントピラーアッパの下端と前記サブピラーの下端を連結して前記窓枠の下縁部を構成するフロントピラーロアと、を備え、
前記前縁部、前記後縁部、前記上縁部および前記下縁部の各縁部により、車体側部の前方側に前記窓枠が略矩形状に形成された車体側部構造であって、
前記前縁部および前記上縁部が交差する前上角部を補強する第1補強部材と、
前記後縁部および前記下縁部が交差する後下角部を補強する第2補強部材と、を備えることを特徴とする車体側部構造。 - 前記窓枠を構成する前記各縁部は、
車幅方向に対向する第1面部と、
該第1面部の前記窓枠の中心側の端部から車幅方向へ向けて張り出された第2面部と、
前記第1面部および前記第2面部が交差する部位に形成された稜線部と、を備え、
前記第1補強部材および第2補強部材は、
前記第1面部を覆う第1被覆面部と、
前記第2面部を覆う第2被覆面部と、
前記稜線部を覆う稜線被覆部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の車体側部構造。 - 前記各縁部は、
前記第2面部の車幅方向外側から前記窓枠の中心に向けて張り出された窓枠フランジを備え、
前記第1補強部材と第2補強部材のうち少なくともどちらか一方は、
前記第2被覆面部から前記窓枠の中心に向けて前記窓枠フランジに沿うように張り出された補強フランジを備えることを特徴とする請求項2記載の車体側部構造。 - 前記補強フランジは、前記フロントピラーアッパの上端に設けたことを特徴とする請求項3記載の車体側部構造。
- 前記前縁部および前記後縁部で前記窓枠の縦辺が形成され、かつ、前記上縁部および前記下縁部で前記窓枠の横辺が形成され、
前記第1補強部材および前記第2補強部材は、
前記縦辺を覆う縦辺被覆部と前記横辺を覆う横辺被覆部との長さの比が、前記縦辺と前記横辺との長さの比に等しいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体側部構造。
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