JP6956156B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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また、請求項12に記載の発明に係る車体前部構造は、車体(例えば、実施形態における車体10)の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠(例えば、実施形態における窓枠W)の後縁辺(例えば、実施形態における後縁辺21)を構成するアッパ部(例えば、実施形態におけるアッパ部22)及び前記窓枠の下縁辺(例えば、実施形態における下縁辺41)を構成するロア部(例えば、実施形態におけるロア部26)を有するフロントピラー(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)と、前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺(例えば、実施形態における前縁辺31)を構成するサブピラー(例えば、実施形態におけるサブピラー3)と、前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部(例えば、実施形態における第一屈曲部50)に設けられた補強部材(例えば、実施形態における補強部材7)と、前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバ(例えば、実施形態におけるアッパメンバ5)の後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部(例えば、実施形態における荷重伝達部6)と、を備え、前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴としている。
また、請求項13に記載の発明に係る車体前部構造は、車体(例えば、実施形態における車体10)の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠(例えば、実施形態における窓枠W)の後縁辺(例えば、実施形態における後縁辺21)を構成するアッパ部(例えば、実施形態におけるアッパ部22)及び前記窓枠の下縁辺(例えば、実施形態における下縁辺41)を構成するロア部(例えば、実施形態におけるロア部26)を有するフロントピラー(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)と、前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺(例えば、実施形態における前縁辺31)を構成するサブピラー(例えば、実施形態におけるサブピラー3)と、前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部(例えば、実施形態における第一屈曲部50)に設けられた補強部材(例えば、実施形態における補強部材7)と、前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバ(例えば、実施形態におけるアッパメンバ5)の後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部(例えば、実施形態における荷重伝達部6)と、を備え、前記サブピラーは、アウタパネル(例えば、実施形態におけるアウタパネル12)により形成されて開断面を有し、前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネル(例えば、実施形態におけるインナパネル11)と、により形成されて閉断面を有することを特徴としている。
車体前部構造は、第一屈曲部に補強部材を有するので、第一屈曲部への応力集中を抑制し、下縁辺と後縁辺とが互いに近づく方向に変形するのを抑制できる。これにより、後縁辺と下縁辺との間に第一屈曲部が設けられた場合であっても、前方からの衝撃荷重の伝達ロスを低減できる。また、前方からの衝撃荷重を効率的にフロントピラーへ伝達できるので、サブピラーへの伝達荷重を抑制できる。よって、サブピラーを細くして、運転者の視界を広く確保することができる。
したがって、車体に衝撃荷重が入力された場合の荷重伝達性能の向上及び運転者の視界向上を両立した車体前部構造を提供できる。
(車体前部構造)
図1は、実施形態に係る車体前部構造1の左側面図である。図2は、図1のサイドアウタパネル13の図示を省略した左側面図である。図3は、図2のアウタパネル12の図示を省略した左側面図である。
車体前部構造1は、フロントピラー2と、サブピラー3と、ロアパネル4(図3参照)と、アッパメンバ5(図3参照)と、荷重伝達部6(図2参照)と、補強部材7(図3参照)と、を備える。フロントピラー2、サブピラー3、ロアパネル4、アッパメンバ5、荷重伝達部6及び補強部材7は、それぞれ左右一対に設けられている。車体前部構造1は、左右対称の形状に構成されている。このため、以下の実施形態では、左側の車体前部構造1について説明し、右側の車体前部構造1の説明を省略する。
フロントピラー2は、車体10の上下方向に沿って延びている。図2に示すように、フロントピラー2は、アッパ部22と、ロア部26と、後方延在部23と、を有する。
アッパ部22は、下方から上方へ向かうにつれて後方へ傾斜するように延びている。アッパ部22の上端部は、アッパ部22の下端部より車幅方向の内側に位置している。アッパ部22の前方には、サブウィンドウの窓枠Wが設けられている。アッパ部22の前方の辺は、窓枠Wの後縁辺21を構成している。
ロア部26とアッパ部22との間には、第一屈曲部50が設けられている。第一屈曲部50における下縁辺41と後縁辺21とのなす角度は、鈍角となっている。
図4に示すように、後方延在部23は、アッパ部22の上端部に連結されている。後方延在部23は、アッパ部22の上端部から後方へ向かって延びている。後方延在部23は、車体10のルーフ(不図示)を構成するルーフサイドレール59と連結されている。
図3に示すように、インナパネル11は、車幅方向の内側に設けられている。インナパネル11は、フロントピラー2のアッパ部22、ロア部26及び後方延在部23に対応する部分を形成している。インナパネル11は、延在方向と直交する断面視において、車幅方向の内側に向かって突出するとともに、車幅方向の外側に開口した開断面となっている。
インナパネル11は、内膨出部35と、上フランジ36と、下フランジ37と、接続部38と、を有する。
内膨出部35は、前後方向から見て、車幅方向の内側に凸となるように突出した断面U字状に形成されている。内膨出部35は、内側部35aと、上側部35bと、下側部35cと、を有する。内側部35aは、車幅方向に面している。上側部35bは、内側部35aの上端部から車幅方向の外側へ向かって延びている。下側部35cは、内側部35aの下端部から車幅方向の外側へ向かって延びている。
上フランジ36は、接続部38の車幅方向外側の端部に連結されている。上フランジ36は、接続部38の車幅方向外側の端部から上方へ向けて張り出している。
下フランジ37は、内膨出部35における下側部35cの車幅方向外側の端部に連結されている。下フランジ37は、内膨出部35の下側部35cから下方へ向けて張り出している。
ステアリングハンガー取付部43は、インナパネル11のうち第一屈曲部50と対応する位置に設けられている。ステアリングハンガー取付部43は、インナパネル11の内膨出部35を車幅方向に貫通する孔である。ステアリングハンガー取付部43には、不図示のステアリングハンガーが取り付けられる。ステアリングハンガー取付部43は、詳しくは後述する補強部材7のガイド部74より下方に設けられている。
図2に示すように、サブピラー3は、フロントピラー2より前方に設けられている。サブピラー3は、車体10の上下方向に沿って延びている。サブピラー3の上端部は、フロントピラー2のアッパ部22に連結されている。サブピラー3は、フロントピラー2に連結される上端部から下方へ向かうにつれてフロントピラー2より前方に離間する。サブピラー3の下端部は、フロントピラー2のロア部26の前端部に連結されている。サブピラー3の後方の辺は、窓枠Wの前縁辺31を構成している。よって、サブピラー3の前縁辺31、アッパ部22の後縁辺21及びロア部26の下縁辺41により、サブウィンドウの窓枠Wが形成される。
アウタパネル12は、サブピラー3に対応する位置において、開断面を有する。具体的に、サブピラー3と対応する位置に設けられたアウタパネル12は、サブピラー3の延在方向と直交する断面視において、車幅方向の内側及び下方に向けて開口するV字状に形成されている。
図3に示すように、ロアパネル4は、フロントピラー2のロア部26より下方に設けられている。ロアパネル4は、インナパネル11の下端部に連結されている。
ロアパネル4は、ドアヒンジ取付部44と、第二開口部46と、を有する。
第二開口部46は、ドアヒンジ取付部44より下方に設けられている。第二開口部46は、ロアパネル4を車幅方向に貫通する孔である。第二開口部46は、前後方向において、第一開口部45より前方に設けられている。
アッパメンバ5は、フロントピラー2及びロアパネル4より前方に設けられている。アッパメンバ5は、上下方向において、フロントピラー2とロアパネル4との境界部分と対応する位置に設けられている。アッパメンバ5は、前後方向に沿って延びている。アッパメンバ5には、補強パネル15(図2参照)が取り付けられている。補強パネル15は、車幅方向の外側からアッパメンバ5と、ロア部26及びロアパネル4の一部と、を覆っている。補強パネル15は、前方から後方へ向かうにつれて上下方向に沿う高さ寸法が増加している。
図2に示すように、荷重伝達部6は、アッパメンバ5より後方に設けられている。荷重伝達部6は、インナパネル11及びロアパネル4のうち、アッパメンバ5より後方かつアッパメンバ5の延在方向に沿って設けられた領域である。荷重伝達部6は、下縁辺41より下方に設けられている。荷重伝達部6は、補強パネル15と連続するように、アッパメンバ5の後端部から後方へ向かうにつれて上下方向に沿う高さ寸法が増加している。荷重伝達部6の後端は、フロントピラー2に連結されている。荷重伝達部6は、車体10の前方に衝撃荷重F(図3参照)が入力された際、アッパメンバ5からフロントピラー2へ伝達する。
図8は、実施形態に係る第一屈曲部50の拡大斜視図である。
補強部材7は、第一屈曲部50に設けられている。補強部材7は、インナパネル11に取り付けられている。
補強部材7は、内壁71と、上張出部72(図7参照)と、起立部73と、ガイド部74と、溶接部75と、ビード76と、を有する。
ビード76は、溶接部75に対して前後方向の両側に設けられている。ビード76は、前後方向に沿って延びている。
補強部材7のうち、ロア部26の下縁辺41側に位置する稜線78は、アッパメンバ5の稜線58に沿って設けられている。アッパメンバ5の稜線58は、前後方向に沿って延びている。よって、補強部材7の稜線78は、アッパメンバ5の稜線58と前後方向に並んで設けられている。また、図10に示すように、ロア部26と対応する位置において、インナパネル11の稜線68は、補強部材7の稜線78に沿って設けられている。
次に、車体前部構造1の作用、効果について説明する。
本実施形態の車体前部構造1によれば、図2に示すように、下縁辺41より下方に離間して設けられた荷重伝達部6は、アッパメンバ5の後端部から後方へ向かうにつれて上下方向の高さ寸法が増加する。また、荷重伝達部6は、フロントピラー2に接続される。このため、図3に示すように、例えば車体10の前方から衝撃荷重Fが入力された場合、入力された衝撃荷重Fは、アッパメンバ5、荷重伝達部6、フロントピラー2のロア部26、フロントピラー2のアッパ部22の順に伝達される。さらに、アッパ部22に伝達された衝撃荷重Fは、後方延在部23を介して、アッパ部22の上端に接続されたルーフサイドレール59等に伝達される。これにより、荷重伝達部6を介して、車体10の前方から入力された衝撃荷重Fをフロントピラー2に伝達できる。一方、これにより、前縁辺31を構成するサブピラー3に伝達される衝撃荷重Fの大きさが抑えられるので、サブピラー3の断面積を小さくすることができる。よって、衝撃荷重Fに対する荷重伝達性能を高い状態に維持しつつ、前方に位置するサブピラー3を細くすることにより、運転者の視界を広く確保することができる。
したがって、車体10に衝撃荷重Fが入力された場合の荷重伝達性能の向上及び運転者の視界向上を両立した車体前部構造1を提供できる。
例えば、本実施形態において、補強部材7のガイド部74は、内壁71の下端部において1個設けられる構成とされたが、これに限らない。例えば、ガイド部74は、内壁71の下端部から車幅方向の外側へ突出する複数の突起部等を有して構成されてもよい。
また、ビード76や溶接部75の個数は上述した実施形態に限定されない。
2 フロントピラー
3 サブピラー
5 アッパメンバ
6 荷重伝達部
7 補強部材
10 車体
11 インナパネル
12 アウタパネル
13 サイドアウタパネル
14 ガーニッシュ
16 フェンダー
17 ドレンホース
21 後縁辺
22 アッパ部
23 後方延在部
24 第二屈曲部
25 拡幅部
26 ロア部
31 前縁辺
35 内膨出部
36 上フランジ
38 接続部
41 下縁辺
43 ステアリングハンガー取付部
44 ドアヒンジ取付部
45 第一開口部
46 第二開口部
50 第一屈曲部
58 (アッパメンバの)稜線
73 起立部
74 ガイド部
75 溶接部
76 ビード
78 (補強部材の)稜線
W 窓枠
Claims (13)
- 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
を備え、
前記フロントピラーは、
前記アッパ部の上端部から後方へ向かって延び、ルーフサイドレールと連結される後方延在部と、
前記アッパ部と前記後方延在部との間に設けられる第二屈曲部と、
を有し、
前記第二屈曲部は、前記アッパ部と前記後方延在部とを接続する拡幅部を有することを特徴とする車体前部構造。 - 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
を備え、
前記補強部材は、前記アッパ部に沿って設けられるドレンホースを前方へ導くガイド部を有することを特徴とする車体前部構造。 - 前記補強部材は、前記アッパ部に沿って設けられるドレンホースを前方へ導くガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
- 前記ロア部は、
前記補強部材の前記ガイド部より下方に設けられるステアリングハンガー取付部と、
前記ガイド部より前方かつ下方に設けられる第一開口部と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の車体前部構造。 - 前記第一開口部より下方に設けられるドアヒンジ取付部と、
前記ドアヒンジ取付部より下方に設けられる第二開口部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の車体前部構造。 - 前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車体前部構造。
- 前記サブピラーは、アウタパネルにより形成されて開断面を有し、
前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネルと、により形成されて閉断面を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車体前部構造。 - 前記インナパネルは、
前記上下方向に張り出す上フランジと、
前記車幅方向に張り出す内膨出部と、
前記第一屈曲部と対応する位置に設けられ、前記上フランジと前記内膨出部とを接続する接続部と、
を有し、
前記補強部材は、前記インナパネルの前記接続部に沿って立ち上がる起立部を有することを特徴とする請求項7に記載の車体前部構造。 - 前記補強部材は、
前記第一屈曲部に対応する位置において前記インナパネルと溶接される溶接部と、
前記溶接部に対して前後方向の両側に設けられ、前後方向に沿って延びるビードと、
を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車体前部構造。 - 前記補強部材のうち前記下縁辺側の稜線は、前記アッパメンバの前後方向に沿う稜線に沿って設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車体前部構造。
- 前記フロントピラーの前記アッパ部は、サイドアウタパネルに覆われ、
前記サブピラーは、ガーニッシュに覆われ、
前記フロントピラーの前記ロア部は、フェンダーに覆われることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車体前部構造。 - 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
を備え、
前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴とする車体前部構造。 - 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
を備え、
前記サブピラーは、アウタパネルにより形成されて開断面を有し、
前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネルと、により形成されて閉断面を有することを特徴とする車体前部構造。
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