JP6956156B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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本発明は、車体前部構造に関するものである。
従来、車体のフロントウィンドウの両側部に、フロントウィンドウより面積の小さいサブウィンドウを設けた車体前部構造の構成が知られている。このような車体前部構造においては、サブウィンドウを構成する窓枠を補強するための技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、矩形状に形成された窓枠の前縁部、後縁部、上縁部及び下縁部をそれぞれ構成するフロントピラーアッパ、サブピラー、ルーフサイドレール及びフロントピラーロアと、前縁部及び上縁部が交差する角部を補強する第1補強部材と、後縁部及び下縁部が交差する角部を補強する第2補強部材と、を有する車体前部構造の構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、車体の前方から衝撃荷重が入力した場合に、第1補強部材と第2補強部材とにより窓枠の一部を補強するだけで窓枠の剛性を保つことができるとされている。
特開2013−112075号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、車体の前方から衝撃荷重が入力した場合に、前方のフロントピラーアッパ及び後方のサブピラーに荷重が分散して伝達される。このため、前方のフロントピラーアッパと後方のサブピラーとで断面積の大きさを同等にする必要があり、特に前方のフロントピラーアッパが運転者の視界に入り易い。よって、従来技術にあっては、荷重の伝達性能と運転者の視界向上とを両立する点において改善の余地があった。
そこで、本発明は、車体に衝撃荷重が入力された場合の荷重伝達性能の向上及び運転者の視界向上を両立した車体前部構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る車体前部構造(例えば、実施形態における車体前部構造1)は、車体(例えば、実施形態における車体10)の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠(例えば、実施形態における窓枠W)の後縁辺(例えば、実施形態における後縁辺21)を構成するアッパ部(例えば、実施形態におけるアッパ部22)及び前記窓枠の下縁辺(例えば、実施形態における下縁辺41)を構成するロア部(例えば、実施形態におけるロア部26)を有するフロントピラー(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)と、前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺(例えば、実施形態における前縁辺31)を構成するサブピラー(例えば、実施形態におけるサブピラー3)と、前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部(例えば、実施形態における第一屈曲部50)に設けられた補強部材(例えば、実施形態における補強部材7)と、前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバ(例えば、実施形態におけるアッパメンバ5)の後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部(例えば、実施形態における荷重伝達部6)と、を備え、前記フロントピラーは、前記アッパ部の上端部から後方へ向かって延び、ルーフサイドレールと連結される後方延在部(例えば、実施形態における後方延在部23)と、前記アッパ部と前記後方延在部との間に設けられる第二屈曲部(例えば、実施形態における第二屈曲部24)と、を有し、前記第二屈曲部は、前記アッパ部と前記後方延在部とを接続する拡幅部(例えば、実施形態における拡幅部25)を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明に係る車体前部構造は、車体(例えば、実施形態における車体10)の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠(例えば、実施形態における窓枠W)の後縁辺(例えば、実施形態における後縁辺21)を構成するアッパ部(例えば、実施形態におけるアッパ部22)及び前記窓枠の下縁辺(例えば、実施形態における下縁辺41)を構成するロア部(例えば、実施形態におけるロア部26)を有するフロントピラー(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)と、前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺(例えば、実施形態における前縁辺31)を構成するサブピラー(例えば、実施形態におけるサブピラー3)と、前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部(例えば、実施形態における第一屈曲部50)に設けられた補強部材(例えば、実施形態における補強部材7)と、前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバ(例えば、実施形態におけるアッパメンバ5)の後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部(例えば、実施形態における荷重伝達部6)と、を備え、前記補強部材は、前記アッパ部に沿って設けられるドレンホース(例えば、実施形態におけるドレンホース17)を前方へ導くガイド部(例えば、実施形態におけるガイド部74)を有することを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係る車体前部構造は、前記補強部材は、前記アッパ部に沿って設けられるドレンホース(例えば、実施形態におけるドレンホース17)を前方へ導くガイド部(例えば、実施形態におけるガイド部74)を有することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明に係る車体前部構造は、前記ロア部は、前記補強部材の前記ガイド部より下方に設けられるステアリングハンガー取付部(例えば、実施形態におけるステアリングハンガー取付部43)と、前記ガイド部より前方かつ下方に設けられる第一開口部(例えば、実施形態における第一開口部45)と、を有することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明に係る車体前部構造は、前記第一開口部より下方に設けられるドアヒンジ取付部(例えば、実施形態におけるドアヒンジ取付部44)と、前記ドアヒンジ取付部より下方に設けられる第二開口部(例えば、実施形態における第二開口部46)と、を備えることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明に係る車体前部構造は、前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明に係る車体前部構造は、前記サブピラーは、アウタパネル(例えば、実施形態におけるアウタパネル12)により形成されて開断面を有し、前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネル(例えば、実施形態におけるインナパネル11)と、により形成されて閉断面を有することを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明に係る車体前部構造は、前記インナパネルは、前記上下方向に張り出す上フランジ(例えば、実施形態における上フランジ36)と、前記車幅方向に張り出す内膨出部(例えば、実施形態における内膨出部35)と、前記第一屈曲部と対応する位置に設けられ、前記上フランジと前記内膨出部とを接続する接続部(例えば、実施形態における接続部38)と、を有し、前記補強部材は、前記インナパネルの前記接続部に沿って立ち上がる起立部(例えば、実施形態における起立部73)を有することを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明に係る車体前部構造は、前記補強部材は、前記第一屈曲部に対応する位置において前記インナパネルと溶接される溶接部(例えば、実施形態における溶接部75)と、前記溶接部に対して前後方向の両側に設けられ、前後方向に沿って延びるビード(例えば、実施形態におけるビード76)と、を有することを特徴としている。
また、請求項10に記載の発明に係る車体前部構造は、前記補強部材のうち前記下縁辺側の稜線(例えば、実施形態における稜線78)は、前記アッパメンバの前後方向に沿う稜線(例えば、実施形態における稜線58)に沿って設けられていることを特徴としている。
また、請求項11に記載の発明に係る車体前部構造は、前記フロントピラーの前記アッパ部は、サイドアウタパネル(例えば、実施形態におけるサイドアウタパネル13)に覆われ、前記サブピラーは、ガーニッシュ(例えば、実施形態におけるガーニッシュ14)に覆われ、前記フロントピラーの前記ロア部は、フェンダー(例えば、実施形態におけるフェンダー16)に覆われることを特徴としている。
また、請求項12に記載の発明に係る車体前部構造は、車体(例えば、実施形態における車体10)の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠(例えば、実施形態における窓枠W)の後縁辺(例えば、実施形態における後縁辺21)を構成するアッパ部(例えば、実施形態におけるアッパ部22)及び前記窓枠の下縁辺(例えば、実施形態における下縁辺41)を構成するロア部(例えば、実施形態におけるロア部26)を有するフロントピラー(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)と、前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺(例えば、実施形態における前縁辺31)を構成するサブピラー(例えば、実施形態におけるサブピラー3)と、前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部(例えば、実施形態における第一屈曲部50)に設けられた補強部材(例えば、実施形態における補強部材7)と、前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバ(例えば、実施形態におけるアッパメンバ5)の後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部(例えば、実施形態における荷重伝達部6)と、を備え、前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴としている。
また、請求項13に記載の発明に係る車体前部構造は、車体(例えば、実施形態における車体10)の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠(例えば、実施形態における窓枠W)の後縁辺(例えば、実施形態における後縁辺21)を構成するアッパ部(例えば、実施形態におけるアッパ部22)及び前記窓枠の下縁辺(例えば、実施形態における下縁辺41)を構成するロア部(例えば、実施形態におけるロア部26)を有するフロントピラー(例えば、実施形態におけるフロントピラー2)と、前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺(例えば、実施形態における前縁辺31)を構成するサブピラー(例えば、実施形態におけるサブピラー3)と、前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部(例えば、実施形態における第一屈曲部50)に設けられた補強部材(例えば、実施形態における補強部材7)と、前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバ(例えば、実施形態におけるアッパメンバ5)の後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部(例えば、実施形態における荷重伝達部6)と、を備え、前記サブピラーは、アウタパネル(例えば、実施形態におけるアウタパネル12)により形成されて開断面を有し、前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネル(例えば、実施形態におけるインナパネル11)と、により形成されて閉断面を有することを特徴としている。
本発明の請求項1に記載の車体前部構造によれば、下縁辺より下方に離間して設けられた荷重伝達部は、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて上下方向の高さ寸法が増加する。また、荷重伝達部は、フロントピラーに接続される。このため、例えば車体の前方から衝撃荷重が入力された場合、入力された衝撃荷重は、アッパメンバ、荷重伝達部、フロントピラーのロア部、フロントピラーのアッパ部の順に伝達される。さらに、アッパ部に伝達された衝撃荷重は、アッパ部の上端に接続されたルーフサイドレール等に伝達される。これにより、荷重伝達部を介して、車体の前方から入力された衝撃荷重をフロントピラーに伝達できる。一方、これにより、前縁辺を構成するサブピラーに伝達される衝撃荷重の大きさが抑えられるので、サブピラーの断面積を小さくすることができる。よって、衝撃荷重に対する荷重伝達性能を高い状態に維持しつつ、前方に位置するサブピラーを細くすることにより、運転者の視界を広く確保することができる。
車体前部構造は、第一屈曲部に補強部材を有するので、第一屈曲部への応力集中を抑制し、下縁辺と後縁辺とが互いに近づく方向に変形するのを抑制できる。これにより、後縁辺と下縁辺との間に第一屈曲部が設けられた場合であっても、前方からの衝撃荷重の伝達ロスを低減できる。また、前方からの衝撃荷重を効率的にフロントピラーへ伝達できるので、サブピラーへの伝達荷重を抑制できる。よって、サブピラーを細くして、運転者の視界を広く確保することができる。
したがって、車体に衝撃荷重が入力された場合の荷重伝達性能の向上及び運転者の視界向上を両立した車体前部構造を提供できる。
また、第二屈曲部は、拡幅部を有するので、接続部によりアッパ部と後方延在部との屈曲角度が緩やかになる。このため、第二屈曲部への応力集中を抑制し、アッパ部と後方延在部とが互いに近づく方向に変形するのを抑制できる。また、パッチ等の補強用の部材を別途追加することなく、形状変更により拡幅部を設けるだけで第二屈曲部の変形を抑制できる。よって、軽量化及び部品点数の削減を実現するとともに、フロントピラーに伝達された衝撃荷重を効率的にルーフサイドレールに伝達できる。
本発明の請求項2および請求項3に記載の車体前部構造によれば、ドレンホースは、フロントピラーのアッパ部に沿って設けられ、補強部材は、このドレンホースを前方へ導くガイド部を有する。ドレンホースは、例えばサンルーフを有する車両において、サンルーフのガラスとボディ側シールとの間に入り込んだ雨水等を車室外へ排出する。補強部材はガイド部を有するので、アッパ部に沿って設けられたドレンホースの下端部を、アッパ部より前方に位置する開口孔まで誘導できる。これにより、ドレンホース内の水を確実に開口孔から排出できる。また、補強部材にガイド部を設けることができるので、ドレンホースを誘導するための部品を別途設ける場合と比較して、部品点数の削減、軽量化及び生産性の向上を実現できる。
本発明の請求項4に記載の車体前部構造によれば、ロア部は、ステアリングハンガー取付部と第一開口部とを有し、ステアリングハンガー取付部は、補強部材のガイド部より下方に設けられている。これにより、ステアリングハンガーの取り付けに影響を与えることなく補強部材を設けることができる。また、第一開口部は、ガイド部より前方かつ下方に設けられる。ガイド部は、ドレンホースを前方へ導いている。これにより、フロントピラーの内部に収容されたドレンホースをガイド部により前方へ誘導し、第一開口部から車室内側へドレンホースを取り出すことができる。
本発明の請求項5に記載の車体前部構造によれば、第一開口部より下方にドアヒンジ取付部が設けられ、ドアヒンジ取付部より下方に第二開口部が設けられる。これにより、第一開口部と第二開口部との間にドアヒンジや補強用のバルクヘッド等を取り付けることができる。第一開口部より下方に第二開口部を有するので、第一開口部から車室内側へ案内されたドレンホースは、第二開口部を通って車室外へ案内される。よって、ドレンホース内の水等を車室外に確実に排出できる。
本発明の請求項6に記載の車体前部構造によれば、補強部材は、第一屈曲部に対応する位置において断面U字状に形成されている。これにより、衝撃荷重が入力された際、第一屈曲部及び補強部材に作用する曲げモーメントに対して、補強部材の強度を高めることができる。よって、第一屈曲部の変形を抑制し、荷重伝達部からフロントピラーへ衝撃荷重を効率的に伝達できる。また、高強度な補強部材を容易に形成できる。
本発明の請求項7に記載の車体前部構造によれば、サブピラーは、アウタパネルにより形成されて開断面を有し、フロントピラーは、アウタパネルとインナパネルとにより形成されて閉断面を有する。これにより、衝撃荷重を伝達するフロントピラーの断面積を大きくするとともに剛性を高めることができる。よって、衝撃荷重に対する荷重伝達性能を向上できる。また、前縁辺を構成するサブピラーの断面積を小さくできる。よって、運転者の視界を広く確保できる。
本発明の請求項8に記載の車体前部構造によれば、インナパネルは、上フランジと、内膨出部と、接続部と、を有し、補強部材は、接続部に沿って立ち上がる起立部を有する。接続部は、第一屈曲部と対応する位置に設けられる。これにより、前方からの衝撃荷重に対して、インナパネルにおける第一屈曲部と対応する部分の剛性を高めることができる。補強部材の起立部は、接続部に沿って延びている。これにより、前方からの衝撃荷重に対して、補強部材に作用する曲げモーメントを支持し、衝撃荷重を効率的にフロントピラーへ伝達できる。
本発明の請求項9に記載の車体前部構造によれば、補強部材は、溶接部と、ビードと、を有する。溶接部は、第一屈曲部と対応する位置において補強部材とインナパネルとを接合する。ビードは、溶接部に対して前後方向の両側に設けられ、前後方向に沿って延びている。これにより、前方から衝撃荷重が入力された際、第一屈曲部に作用する曲げモーメントをより一層支持し、衝撃荷重を効率的にフロントピラーへ伝達できる。
本発明の請求項10に記載の車体前部構造によれば、補強部材の稜線は、アッパメンバの稜線に沿って設けられている。これにより、前方からの衝撃荷重を、アッパメンバの稜線から、補強部材の稜線まで、各稜線を介して前後方向に沿って滑らかに伝達できる。
本発明の請求項11に記載の車体前部構造によれば、フロントピラーのアッパ部はサイドアウタパネルに覆われ、サブピラーはガーニッシュに覆われ、フロントピラーのロア部はフェンダーに覆われている。このように、アッパ部、サブピラー及びロア部をそれぞれ意匠部材で覆うことにより、外観品質を向上できる。また、容易な組み立てによりそれぞれの部材を意匠部材で覆うことができる。よって、組み立て作業性と外観品質を向上した車体前部構造とすることができる。
実施形態に係る車体前部構造の左側面図。 図1のサイドアウタパネルの図示を省略した左側面図。 図2のアウタパネルの図示を省略した左側面図。 実施形態に係る車体前部構造を左上方から見た斜視図。 図4のV矢視図。 図5のVI−VI線に沿う断面図。 図2のVII−VII線に沿う断面図。 実施形態に係る第一屈曲部の拡大斜視図。 図4のアウタパネルを省略した斜視図。 図9のX−X線に沿う断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面において、矢印FRは車体の前方、矢印UPは車体の上方、矢印LHは車体の左方を指すものとする。また、車幅方向を左右方向ということがある。
(実施形態)
(車体前部構造)
図1は、実施形態に係る車体前部構造1の左側面図である。図2は、図1のサイドアウタパネル13の図示を省略した左側面図である。図3は、図2のアウタパネル12の図示を省略した左側面図である。
車体前部構造1は、フロントピラー2と、サブピラー3と、ロアパネル4(図3参照)と、アッパメンバ5(図3参照)と、荷重伝達部6(図2参照)と、補強部材7(図3参照)と、を備える。フロントピラー2、サブピラー3、ロアパネル4、アッパメンバ5、荷重伝達部6及び補強部材7は、それぞれ左右一対に設けられている。車体前部構造1は、左右対称の形状に構成されている。このため、以下の実施形態では、左側の車体前部構造1について説明し、右側の車体前部構造1の説明を省略する。
(フロントピラー)
フロントピラー2は、車体10の上下方向に沿って延びている。図2に示すように、フロントピラー2は、アッパ部22と、ロア部26と、後方延在部23と、を有する。
アッパ部22は、下方から上方へ向かうにつれて後方へ傾斜するように延びている。アッパ部22の上端部は、アッパ部22の下端部より車幅方向の内側に位置している。アッパ部22の前方には、サブウィンドウの窓枠Wが設けられている。アッパ部22の前方の辺は、窓枠Wの後縁辺21を構成している。
ロア部26は、アッパ部22の下端部に連結されている。ロア部26は、アッパ部22の下端部から前方へ向かって延びている。ロア部26の上方の辺は、窓枠Wの下縁辺41を構成している。
ロア部26とアッパ部22との間には、第一屈曲部50が設けられている。第一屈曲部50における下縁辺41と後縁辺21とのなす角度は、鈍角となっている。
図4は、実施形態に係る車体前部構造1を左上方から見た斜視図である。図5は、図4のV矢視図である。図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。
図4に示すように、後方延在部23は、アッパ部22の上端部に連結されている。後方延在部23は、アッパ部22の上端部から後方へ向かって延びている。後方延在部23は、車体10のルーフ(不図示)を構成するルーフサイドレール59と連結されている。
アッパ部22と後方延在部23との間には、第二屈曲部24が設けられている。図5に示すように、第二屈曲部24は、アッパ部22と後方延在部23とを接続する拡幅部25を有する。図5及び図6に示すように、拡幅部25は、アッパ部22と後方延在部23との屈曲角度の内側(車幅方向の外側)に向かって張り出している。具体的に、拡幅部25は、後方延在部23における車幅方向の外側に位置する側面部Lより、車幅方向の外側に張り出している。第二屈曲部24におけるフロントピラー2の車幅方向の幅寸法は、後方延在部23及びアッパ部22におけるフロントピラー2の車幅方向の幅寸法より大きい。拡幅部25は、アッパ部22及び後方延在部23と一体に形成されている。
図1から図3に示すように、フロントピラー2は、インナパネル11(図3参照)と、アウタパネル12(図2参照)と、サイドアウタパネル13(図1参照)と、を有する。
図3に示すように、インナパネル11は、車幅方向の内側に設けられている。インナパネル11は、フロントピラー2のアッパ部22、ロア部26及び後方延在部23に対応する部分を形成している。インナパネル11は、延在方向と直交する断面視において、車幅方向の内側に向かって突出するとともに、車幅方向の外側に開口した開断面となっている。
図7は、図2のVII−VII線に沿う断面図である。
インナパネル11は、内膨出部35と、上フランジ36と、下フランジ37と、接続部38と、を有する。
内膨出部35は、前後方向から見て、車幅方向の内側に凸となるように突出した断面U字状に形成されている。内膨出部35は、内側部35aと、上側部35bと、下側部35cと、を有する。内側部35aは、車幅方向に面している。上側部35bは、内側部35aの上端部から車幅方向の外側へ向かって延びている。下側部35cは、内側部35aの下端部から車幅方向の外側へ向かって延びている。
接続部38は、内膨出部35における上側部35bの車幅方向外側の端部に連結されている。接続部38は、内膨出部35の上側部35bから斜め上方へ向けて張り出している。具体的に、接続部38は、下方から上方へ向かうにつれて車幅方向の外側へ位置するように傾斜している。接続部38は、フロントピラー2の第一屈曲部50(図3参照)と対応する位置に設けられている。
上フランジ36は、接続部38の車幅方向外側の端部に連結されている。上フランジ36は、接続部38の車幅方向外側の端部から上方へ向けて張り出している。
下フランジ37は、内膨出部35における下側部35cの車幅方向外側の端部に連結されている。下フランジ37は、内膨出部35の下側部35cから下方へ向けて張り出している。
図3に戻って、このように形成されたインナパネル11は、ステアリングハンガー取付部43と、第一開口部45と、を有する。
ステアリングハンガー取付部43は、インナパネル11のうち第一屈曲部50と対応する位置に設けられている。ステアリングハンガー取付部43は、インナパネル11の内膨出部35を車幅方向に貫通する孔である。ステアリングハンガー取付部43には、不図示のステアリングハンガーが取り付けられる。ステアリングハンガー取付部43は、詳しくは後述する補強部材7のガイド部74より下方に設けられている。
第一開口部45は、インナパネル11のうちロア部26と対応する位置に設けられている。第一開口部45は、インナパネル11の内膨出部35を車幅方向に貫通する孔である。第一開口部45は、側方から見て矩形状に形成されている。第一開口部45は、詳しくは後述する補強部材7よりも下方、かつ補強部材7のガイド部74より前方に設けられている。
図2及び図7に示すように、アウタパネル12は、インナパネル11より車幅方向の外側に設けられている。アウタパネル12は、側面から見て三角形枠状に形成されている。アウタパネル12に囲まれた部分は、サブウィンドウの窓枠Wとなっている。アウタパネル12は、インナパネル11の上フランジ36及び下フランジ37に接触した状態で固定されている。アウタパネル12は、インナパネル11の開口を閉塞している。これにより、フロントピラー2は、インナパネル11及びアウタパネル12により形成される閉断面を有する。
図1に示すように、サイドアウタパネル13は、車幅方向の外側からアウタパネル12を覆っている。側方から見て、サイドアウタパネル13は、フロントピラー2のアッパ部22に沿うとともに、アッパ部22よりフロントピラー2の下方まで延びている。サイドアウタパネル13は、例えば意匠部材である。
(サブピラー)
図2に示すように、サブピラー3は、フロントピラー2より前方に設けられている。サブピラー3は、車体10の上下方向に沿って延びている。サブピラー3の上端部は、フロントピラー2のアッパ部22に連結されている。サブピラー3は、フロントピラー2に連結される上端部から下方へ向かうにつれてフロントピラー2より前方に離間する。サブピラー3の下端部は、フロントピラー2のロア部26の前端部に連結されている。サブピラー3の後方の辺は、窓枠Wの前縁辺31を構成している。よって、サブピラー3の前縁辺31、アッパ部22の後縁辺21及びロア部26の下縁辺41により、サブウィンドウの窓枠Wが形成される。
サブピラー3は、アウタパネル12と、ガーニッシュ14と、を有する。
アウタパネル12は、サブピラー3に対応する位置において、開断面を有する。具体的に、サブピラー3と対応する位置に設けられたアウタパネル12は、サブピラー3の延在方向と直交する断面視において、車幅方向の内側及び下方に向けて開口するV字状に形成されている。
ガーニッシュ14は、サブピラー3と対応する位置に設けられたアウタパネル12を前上方から覆っている。ガーニッシュ14は、サブピラー3に沿う直線状に形成されている。ガーニッシュ14は、後面に設けられた固定部(不図示)を介してアウタパネル12に取り付けられている。ガーニッシュ14は、例えば意匠部材である。
(ロアパネル)
図3に示すように、ロアパネル4は、フロントピラー2のロア部26より下方に設けられている。ロアパネル4は、インナパネル11の下端部に連結されている。
ロアパネル4は、ドアヒンジ取付部44と、第二開口部46と、を有する。
ドアヒンジ取付部44は、車幅方向の外側に突出形成された凸部である。ドアヒンジ取付部44には、不図示のドアヒンジが取り付けられる。
第二開口部46は、ドアヒンジ取付部44より下方に設けられている。第二開口部46は、ロアパネル4を車幅方向に貫通する孔である。第二開口部46は、前後方向において、第一開口部45より前方に設けられている。
(アッパメンバ)
アッパメンバ5は、フロントピラー2及びロアパネル4より前方に設けられている。アッパメンバ5は、上下方向において、フロントピラー2とロアパネル4との境界部分と対応する位置に設けられている。アッパメンバ5は、前後方向に沿って延びている。アッパメンバ5には、補強パネル15(図2参照)が取り付けられている。補強パネル15は、車幅方向の外側からアッパメンバ5と、ロア部26及びロアパネル4の一部と、を覆っている。補強パネル15は、前方から後方へ向かうにつれて上下方向に沿う高さ寸法が増加している。
(荷重伝達部)
図2に示すように、荷重伝達部6は、アッパメンバ5より後方に設けられている。荷重伝達部6は、インナパネル11及びロアパネル4のうち、アッパメンバ5より後方かつアッパメンバ5の延在方向に沿って設けられた領域である。荷重伝達部6は、下縁辺41より下方に設けられている。荷重伝達部6は、補強パネル15と連続するように、アッパメンバ5の後端部から後方へ向かうにつれて上下方向に沿う高さ寸法が増加している。荷重伝達部6の後端は、フロントピラー2に連結されている。荷重伝達部6は、車体10の前方に衝撃荷重F(図3参照)が入力された際、アッパメンバ5からフロントピラー2へ伝達する。
図1に示すように、荷重伝達部6を含むロアパネル4、フロントピラー2のロア部26、アッパメンバ5及び補強パネル15は、車幅方向の外側からフェンダー16に覆われている。フェンダー16は、例えば意匠部材である。
(補強部材)
図8は、実施形態に係る第一屈曲部50の拡大斜視図である。
補強部材7は、第一屈曲部50に設けられている。補強部材7は、インナパネル11に取り付けられている。
補強部材7は、内壁71と、上張出部72(図7参照)と、起立部73と、ガイド部74と、溶接部75と、ビード76と、を有する。
図7及び図8に示すように、内壁71は、インナパネル11の内膨出部35における内側部35aに接触している。内壁71は、車幅方向を厚み方向とする板状に形成されている。内壁71は、側方から見て、フロントピラー2のアッパ部22及びロア部26に沿って湾曲している。内壁71は、ロア部26に設けられたステアリングハンガー取付部43及び第一開口部45より上方に配置されている。
上張出部72は、内壁71の上端部に連結されている。上張出部72は、内壁71の上端部から車幅方向の外側へ向かって延びている。上張出部72は、インナパネル11の内膨出部35における上側部35bに沿って設けられている。
起立部73は、上張出部72の車幅方向外側の端部に連結されている。起立部73は、上張出部72の端部から車幅方向の外側へ向かうにつれて上方へ位置するように傾斜している。起立部73は、インナパネル11の接続部38に沿って設けられている。
ガイド部74は、内壁71の下端部のうち、第一屈曲部50と対応する長手方向の中央部に設けられている。ガイド部74は、内壁71の下端部から車幅方向の外側へ向かって延びている。ガイド部74の前後方向に沿う長さは、内壁71の下辺の前後方向に沿う長さより短い。ガイド部74が設けられることにより、補強部材7は、第一屈曲部50と対応する位置において、断面U字状に形成されている(図7も参照)。
ガイド部74は、アッパ部22に沿って設けられるドレンホース17を前方へ導く。ドレンホース17は、例えばサンルーフ(不図示)を有する車両において、サンルーフのガラスとボディ側シールとの間に入り込んだ雨水等を車室外へ排出する。ドレンホース17は、アッパ部22においてインナパネル11とアウタパネル12との間に設けられ、上下方向に沿って延びている。ドレンホース17の下端部は、ガイド部74により前方へ導かれ、ガイド部74より前方に位置する第一開口部45を通って車室内へ配管される。さらに、車室内へ導かれたドレンホース17は、第二開口部46(図3参照)を通って車室外へ配管される。これにより、ドレンホース17内の水等は、車室外へ排出される。
図8に示すように、溶接部75は、補強部材7の長手方向の中央部に設けられている。換言すれば、溶接部75は、第一屈曲部50と対応する位置に設けられている。補強部材7は、溶接部75においてインナパネル11と溶接されている。補強部材7は、例えばスポット溶接によりインナパネル11に固定されている。
ビード76は、溶接部75に対して前後方向の両側に設けられている。ビード76は、前後方向に沿って延びている。
図9は、図4のアウタパネル12を省略した斜視図である。図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。
補強部材7のうち、ロア部26の下縁辺41側に位置する稜線78は、アッパメンバ5の稜線58に沿って設けられている。アッパメンバ5の稜線58は、前後方向に沿って延びている。よって、補強部材7の稜線78は、アッパメンバ5の稜線58と前後方向に並んで設けられている。また、図10に示すように、ロア部26と対応する位置において、インナパネル11の稜線68は、補強部材7の稜線78に沿って設けられている。
(作用、効果)
次に、車体前部構造1の作用、効果について説明する。
本実施形態の車体前部構造1によれば、図2に示すように、下縁辺41より下方に離間して設けられた荷重伝達部6は、アッパメンバ5の後端部から後方へ向かうにつれて上下方向の高さ寸法が増加する。また、荷重伝達部6は、フロントピラー2に接続される。このため、図3に示すように、例えば車体10の前方から衝撃荷重Fが入力された場合、入力された衝撃荷重Fは、アッパメンバ5、荷重伝達部6、フロントピラー2のロア部26、フロントピラー2のアッパ部22の順に伝達される。さらに、アッパ部22に伝達された衝撃荷重Fは、後方延在部23を介して、アッパ部22の上端に接続されたルーフサイドレール59等に伝達される。これにより、荷重伝達部6を介して、車体10の前方から入力された衝撃荷重Fをフロントピラー2に伝達できる。一方、これにより、前縁辺31を構成するサブピラー3に伝達される衝撃荷重Fの大きさが抑えられるので、サブピラー3の断面積を小さくすることができる。よって、衝撃荷重Fに対する荷重伝達性能を高い状態に維持しつつ、前方に位置するサブピラー3を細くすることにより、運転者の視界を広く確保することができる。
車体前部構造1は、第一屈曲部50に補強部材7を有するので、第一屈曲部50への応力集中を抑制し、下縁辺41と後縁辺21とが互いに近づく方向に変形するのを抑制できる。これにより、後縁辺21と下縁辺41との間に第一屈曲部50が設けられた場合であっても、前方からの衝撃荷重Fの伝達ロスを低減できる。また、前方からの衝撃荷重Fを効率的にフロントピラー2へ伝達できるので、サブピラー3への伝達荷重を抑制できる。よって、サブピラー3を細くして、運転者の視界を広く確保することができる。
したがって、車体10に衝撃荷重Fが入力された場合の荷重伝達性能の向上及び運転者の視界向上を両立した車体前部構造1を提供できる。
図5に示すように、第二屈曲部24は、拡幅部25を有するので、接続部38によりアッパ部22と後方延在部23との屈曲角度が緩やかになる。このため、第二屈曲部24への応力集中を抑制し、アッパ部22と後方延在部23とが互いに近づく方向に変形するのを抑制できる。また、パッチ等の補強用の部材を別途追加することなく、形状変更により拡幅部25を設けるだけで第二屈曲部24の変形を抑制できる。よって、軽量化及び部品点数の削減を実現するとともに、フロントピラー2に伝達された衝撃荷重Fを効率的にルーフサイドレール59に伝達できる。
図8に示すように、ドレンホース17は、フロントピラー2のアッパ部22に沿って設けられ、補強部材7は、このドレンホース17を前方へ導くガイド部74を有する。ドレンホース17は、例えばサンルーフを有する車両において、サンルーフのガラスとボディ側シールとの間に入り込んだ雨水等を車室外へ排出する。補強部材7はガイド部74を有するので、アッパ部22に沿って設けられたドレンホース17の下端部を、アッパ部22より前方に位置する開口孔(第一開口部45及び第二開口部46)まで誘導できる。これにより、ドレンホース17内の水を確実に第一開口部45及び第二開口部46から排出できる。また、補強部材7にガイド部74を設けることができるので、ドレンホース17を誘導するための部品を別途設ける場合と比較して、部品点数の削減、軽量化及び生産性の向上を実現できる。
ロア部26は、ステアリングハンガー取付部43と第一開口部45とを有し、ステアリングハンガー取付部43は、補強部材7のガイド部74より下方に設けられている。これにより、ステアリングハンガーの取り付けに影響を与えることなく補強部材7を設けることができる。また、第一開口部45は、ガイド部74より前方かつ下方に設けられる。ガイド部74は、ドレンホース17を前方へ導いている。これにより、フロントピラー2の内部に収容されたドレンホース17をガイド部74により前方へ誘導し、第一開口部45から車室内側へドレンホース17を取り出すことができる。
図3に示すように、第一開口部45より下方にドアヒンジ取付部44が設けられ、ドアヒンジ取付部44より下方に第二開口部46が設けられる。これにより、第一開口部45と第二開口部46との間にドアヒンジや補強用のバルクヘッド等(いずれも不図示)を取り付けることができる。第一開口部45より下方に第二開口部46を有するので、第一開口部45から車室内側へ案内されたドレンホース17は、第二開口部46を通って車室外へ案内される。よって、ドレンホース17内の水等を車室外に確実に排出できる。
補強部材7は、第一屈曲部50に対応する位置において断面U字状に形成されている。これにより、衝撃荷重Fが入力された際、第一屈曲部50及び補強部材7に作用する曲げモーメントに対して、補強部材7の強度を高めることができる。よって、第一屈曲部50の変形を抑制し、荷重伝達部6からフロントピラー2へ衝撃荷重Fを効率的に伝達できる。また、高強度な補強部材7を容易に形成できる。
サブピラー3は、アウタパネル12により形成されて開断面を有し、フロントピラー2は、アウタパネル12とインナパネル11とにより形成されて閉断面を有する。これにより、衝撃荷重Fを伝達するフロントピラー2の断面積を大きくするとともに剛性を高めることができる。よって、衝撃荷重Fに対する荷重伝達性能を向上できる。また、前縁辺31を構成するサブピラー3の断面積を小さくできる。よって、運転者の視界を広く確保できる。
図7に示すように、インナパネル11は、上フランジ36と、内膨出部35と、接続部38と、を有し、補強部材7は、接続部38に沿って立ち上がる起立部73を有する。接続部38は、第一屈曲部50と対応する位置に設けられる。これにより、前方からの衝撃荷重Fに対して、インナパネル11における第一屈曲部50と対応する部分の剛性を高めることができる。補強部材7の起立部73は、接続部38に沿って延びている。これにより、前方からの衝撃荷重Fに対して、補強部材7に作用する曲げモーメントを支持し、衝撃荷重Fを効率的にフロントピラー2へ伝達できる。
図8に示すように、補強部材7は、溶接部75と、ビード76と、を有する。溶接部75は、第一屈曲部50と対応する位置において補強部材7とインナパネル11とを接合する。ビード76は、溶接部75に対して前後方向の両側に設けられ、前後方向に沿って延びている。これにより、前方から衝撃荷重Fが入力された際、第一屈曲部50に作用する曲げモーメントをより一層支持し、衝撃荷重Fを効率的にフロントピラー2へ伝達できる。
図9に示すように、補強部材7の稜線は、アッパメンバ5の稜線に沿って設けられている。これにより、前方からの衝撃荷重Fを、アッパメンバ5の稜線から、補強部材7の稜線まで、各稜線を介して前後方向に沿って滑らかに伝達できる。
図1に示すように、フロントピラー2のアッパ部22はサイドアウタパネル13に覆われ、サブピラー3はガーニッシュ14に覆われ、フロントピラー2のロア部26はフェンダー16に覆われている。このように、アッパ部22、サブピラー3及びロア部26をそれぞれ意匠部材で覆うことにより、外観品質を向上できる。また、容易な組み立てによりそれぞれの部材を意匠部材で覆うことができる。よって、組み立て作業性と外観品質を向上した車体前部構造1とすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態において、補強部材7のガイド部74は、内壁71の下端部において1個設けられる構成とされたが、これに限らない。例えば、ガイド部74は、内壁71の下端部から車幅方向の外側へ突出する複数の突起部等を有して構成されてもよい。
また、ビード76や溶接部75の個数は上述した実施形態に限定されない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 車体前部構造
2 フロントピラー
3 サブピラー
5 アッパメンバ
6 荷重伝達部
7 補強部材
10 車体
11 インナパネル
12 アウタパネル
13 サイドアウタパネル
14 ガーニッシュ
16 フェンダー
17 ドレンホース
21 後縁辺
22 アッパ部
23 後方延在部
24 第二屈曲部
25 拡幅部
26 ロア部
31 前縁辺
35 内膨出部
36 上フランジ
38 接続部
41 下縁辺
43 ステアリングハンガー取付部
44 ドアヒンジ取付部
45 第一開口部
46 第二開口部
50 第一屈曲部
58 (アッパメンバの)稜線
73 起立部
74 ガイド部
75 溶接部
76 ビード
78 (補強部材の)稜線
W 窓枠

Claims (13)

  1. 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
    前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
    前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
    前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
    を備え
    前記フロントピラーは、
    前記アッパ部の上端部から後方へ向かって延び、ルーフサイドレールと連結される後方延在部と、
    前記アッパ部と前記後方延在部との間に設けられる第二屈曲部と、
    を有し、
    前記第二屈曲部は、前記アッパ部と前記後方延在部とを接続する拡幅部を有することを特徴とする車体前部構造。
  2. 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
    前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
    前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
    前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
    を備え、
    前記補強部材は、前記アッパ部に沿って設けられるドレンホースを前方へ導くガイド部を有することを特徴とする車体前部構造。
  3. 前記補強部材は、前記アッパ部に沿って設けられるドレンホースを前方へ導くガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  4. 前記ロア部は、
    前記補強部材の前記ガイド部より下方に設けられるステアリングハンガー取付部と、
    前記ガイド部より前方かつ下方に設けられる第一開口部と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の車体前部構造。
  5. 前記第一開口部より下方に設けられるドアヒンジ取付部と、
    前記ドアヒンジ取付部より下方に設けられる第二開口部と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の車体前部構造。
  6. 前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  7. 前記サブピラーは、アウタパネルにより形成されて開断面を有し、
    前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネルと、により形成されて閉断面を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  8. 前記インナパネルは、
    前記上下方向に張り出す上フランジと、
    前記車幅方向に張り出す内膨出部と、
    前記第一屈曲部と対応する位置に設けられ、前記上フランジと前記内膨出部とを接続する接続部と、
    を有し、
    前記補強部材は、前記インナパネルの前記接続部に沿って立ち上がる起立部を有することを特徴とする請求項7に記載の車体前部構造。
  9. 前記補強部材は、
    前記第一屈曲部に対応する位置において前記インナパネルと溶接される溶接部と、
    前記溶接部に対して前後方向の両側に設けられ、前後方向に沿って延びるビードと、
    を有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車体前部構造。
  10. 前記補強部材のうち前記下縁辺側の稜線は、前記アッパメンバの前後方向に沿う稜線に沿って設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  11. 前記フロントピラーの前記アッパ部は、サイドアウタパネルに覆われ、
    前記サブピラーは、ガーニッシュに覆われ、
    前記フロントピラーの前記ロア部は、フェンダーに覆われることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  12. 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
    前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
    前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
    前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
    を備え、
    前記補強部材は、前記下縁辺と前記後縁辺との間の前記第一屈曲部に対応する位置において、断面U字状に形成されていることを特徴とする車体前部構造。
  13. 車体の上下方向に沿って延び、サブウィンドウの窓枠の後縁辺を構成するアッパ部及び前記窓枠の下縁辺を構成するロア部を有するフロントピラーと、
    前記フロントピラーより前方に設けられ、前記窓枠の前縁辺を構成するサブピラーと、
    前記後縁辺と前記下縁辺との間の第一屈曲部に設けられた補強部材と、
    前記下縁辺より下方に離間して設けられ、アッパメンバの後端部から後方へ向かうにつれて前記上下方向の高さ寸法が増加するとともに、前記フロントピラーと接続される荷重伝達部と、
    を備え、
    前記サブピラーは、アウタパネルにより形成されて開断面を有し、
    前記フロントピラーは、前記アウタパネルと、前記アウタパネルより前記車体の車幅方向の内側に設けられるインナパネルと、により形成されて閉断面を有することを特徴とする車体前部構造。
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