JP5533587B2 - 車両のサイドシル構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車体下部において車体前後方向に延びるサイドシルに、該サイドシルを補強するための補強体を内蔵した車両のサイドシル構造に関する。
自動車等の車両においては、車体下部に車体前後方向に延びるサイドシルが左右両側面に配設され、このサイドシルは一般に、車幅方向内方側に位置するサイドシルインナと車幅方向外方側に位置するサイドシルアウタとによって閉断面状に形成されている。また、サイドシルに、該サイドシルを補強するための補強体を取り付けたものも一般に知られている。
例えば特許文献1には、ピラーと結合するための作業用開口部が形成されたサイドシル内に、該作業用開口部に対応してピラーとの結合部に補強体を配設したものが開示されている。また、例えば特許文献2には、フロントピラーとの結合部におけるサイドシル内に、車体後方側に壁面を有する第1の補強体と、該第1の補強体の壁面に対向する壁面を車体前方側に有する第2の補強体とを間隔をあけて配設したものが開示されている。
特開2000−085634号公報 特開2009−179217号公報
しかしながら、前記特許文献1及び前記特許文献2に開示されるように、閉断面状に形成したサイドシルの内部に補強体を取り付けて補強する場合、補強体によって重量の増加を招くこととなるので、サイドシルにおいては、如何に重量の増加を抑制しつつ補強するかが重要な課題となっている。
また、自動車等の車両においては、操縦安定性や乗り心地性の向上を図る観点から、走行時に車輪を懸架するサスペンション装置と車体との取付部から車体に入力されるねじり荷重がサイドシルに伝達されてサイドシルに曲げモーメントが生じる場合においても、サイドシルが曲げ変形しないようにして、車体のねじり剛性を高めることが求められている。
前記特許文献1に記載のものは、サイドシルのピラーとの結合部において側面衝突時の断面剛性を高めることができ、また、前記特許文献2に記載のものは、前面衝突時にサイドシルの軸方向に衝突荷重を伝達して衝突吸収性能を向上させることができるものの、前記特許文献1及び前記特許文献2に記載のものは、車体のねじれに伴うサイドシル全体の曲げ変形を抑制するものとしては必ずしも十分ではなく、車体のねじり剛性の向上に対する更なる改善が望まれる。
そこで、この発明は、車体にねじり荷重が作用した時にサイドシルの曲げ変形を抑制することができ、重量の増加を抑制しつつ車体のねじり剛性を向上させることができる車両のサイドシル構造を提供することを目的とする。
このため、本願の請求項1に係る発明は、車体下部において車体前後方向に延びるサイドシルに、該サイドシルを補強するための補強体を内蔵した車両のサイドシル構造であって、センタピラーとの結合部の車体前方側及び車体後方側の該結合部近傍において該サイドシル内にそれぞれ配設された第1の補強体及び第2の補強体と、フロントピラーとの結合部の車体後方側の該結合部近傍において該サイドシル内に配設された第3の補強体と、車体前後方向に延び、前記サイドシルの車幅方向外方側の側面部と下面部との間の角部の内側に取り付けられた前記第1、第2及び第3の補強体とは別の補強体と、を備え、前記第1、第2及び第3の補強体はそれぞれ、前記サイドシルの内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有し、前記第1及び第2の補強体にそれぞれ、前記別の補強体の形状に対応して車幅方向内方側に切り欠かれた切欠部が設けられ、前記別の補強体は、前記第1及び前記第2の補強体の切欠部を通じて車体前後方向に延びるとともに前記第1及び第2の補強体の切欠部において前記第1及び第2の補強体とそれぞれ結合されている、ことを特徴とする。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、車幅方向に延びる隔壁部を有し、前記フロントピラーとの結合部において前記サイドシル内に配設された第4の補強体を備え、該第4の補強体は、前記サイドシルの前端部から前記フロントピラーとの結合部の車体後方側まで延びている、ことを特徴とする。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記センタピラーは、車幅方向内方側に位置するセンタピラーインナと車幅方向外方側に位置するセンタピラーアウタとを備え、該センタピラーインナは、前記サイドシルとの結合部において該サイドシルの内部を車幅方向に区切るように前記サイドシル内に延在し、前記第1の補強体は、前記サイドシル内において前記センタピラーインナの前端部よりも車体前方側に配設され、前記第2の補強体は、前記サイドシル内において前記センタピラーインナの後端部よりも車体後方側に配設され、前記フロントピラーは、車幅方向内方側に位置するフロントピラーインナと車幅方向外方側に位置するフロントピラーアウタとを備え、該フロントピラーインナは、前記サイドシルとの結合部において該サイドシルの内部を車幅方向に区切るように前記サイドシル内に延在し、前記第3の補強体は、前記サイドシル内において前記フロントピラーインナの後端部よりも車体後方側に配設されている、ことを特徴とする。
また更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に係る発明において、前記第4の補強体は、前記フロントピラーとの結合部における前記サイドシル内において、前記フロントピラーインナによって車幅方向に区切られた前記サイドシルの内部の車幅方向外方側に配設されている、ことを特徴とする。
また更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に係る発明において、車幅方向に延びるクロスメンバとの結合部における前記サイドシル内に配設され、前記サイドシルの内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有する第5の補強体をさらに備えている、ことを特徴とする。
本願の請求項1に係る車両のサイドシル構造によれば、サイドシル内におけるセンタピラーとの結合部の車体前方側及び車体後方側の該結合部近傍に第1及び第2の補強体が、フロントピラーとの結合部の車体後方側の該結合部近傍に第3の補強体が配設され、これら補強体に、サイドシルの内部を車体前後方向に区切る隔壁部が設けられているので、車体にねじり荷重が作用した時に生じる曲げモーメントによって断面変形が生じ易いサイドシルのセンタピラーとの結合部近傍及びフロントピラーとの結合部近傍においてサイドシルを隔壁部によって効果的に補強することができ、車体にねじり荷重が作用した時にサイドシルの曲げ変形を抑制することができ、重量の増加を抑制しつつ車体のねじり剛性を向上させることができる。また、重量の増加を抑制することにより燃費が改善され、省エネルギー効果を高めることができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、車幅方向に延びる隔壁部を有し、フロントピラーとの結合部においてサイドシル内に配設された第4の補強体を備え、該第4の補強体は、サイドシルの前端部からフロントピラーとの結合部の車体後方側まで延びていることにより、サイドシルのフロントピラーとの結合部においてサイドシルを隔壁部によって効果的に補強することができ、前記効果をより有効に奏することができる。減速時に車体前部が下方へ沈み込むとともに車体後部が上方へ浮き上がる所謂ノーズダイブが生じる場合においても、フロントピラーとの結合部におけるサイドシルの曲げ変形を効果的に抑制することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、第1の補強体は、サイドシル内においてセンタピラーインナの前端部よりも車体前方側に配設され、第2の補強体は、サイドシル内においてセンタピラーインナの後端部よりも車体後方側に配設され、第3の補強体は、サイドシル内においてフロントピラーインナの後端部よりも車体後方側に配設されていることにより、前記効果をより具体的に実現することができる。
また更に、本願の請求項4に係る発明によれば、第4の補強体は、フロントピラーとの結合部におけるサイドシル内において、フロントピラーインナによって車幅方向に区切られたサイドシルの内部の車幅方向外方側に配設されていることにより、重量の増加を抑制しつつ、サイドシルに車幅方向外方側から荷重が入力される場合にサイドシルの曲げ変形を効果的に抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また更に、本願の請求項5に係る発明によれば、車幅方向に延びるクロスメンバとの結合部におけるサイドシル内に配設され、サイドシルの内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有する第5の補強体をさらに備えていることにより、サイドシルの曲げ変形をより有効に抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。サイドシルに車幅方向外方側から荷重が入力される場合に、サイドシルに入力される荷重を第5の補強体を通じてクロスメンバに伝達して分散させることができ、サイドシルの曲げ変形をさらに抑制することができる。
本発明の実施形態に係るサイドシル構造を適用したサイドシルを備えた車体を概略的に示す側面図である。 前記車体の要部を概略的に示す下面図である。 前記車体のサイドシルを示す斜視図である。 図3に示すサイドシルの分解斜視図である。 図3におけるY5−Y5線に沿った断面図である。 図3におけるY6−Y6線に沿った断面図である。 図3に示すサイドシルのフロントピラーとの結合部近傍に内蔵した補強体を示す斜視図である。 図7に示す補強体をY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿った断面で切断した図である。 図3におけるY9−Y9線に沿ったサイドシルの断面図である。 図3におけるY10−Y10線に沿ったサイドシルの断面図である。 図3におけるY11−Y11線に沿ったサイドシルの断面図である。 図3に示すサイドシルの要部を拡大して示す斜視図である。 図12に示すサイドシルのセンタピラーとの結合部近傍に内蔵した補強体を示す斜視図である。 図12におけるY14a−Y14a線及びY14b−Y14b線に沿ったサイドシルの断面図である。 図12に示すサイドシルの要部を拡大して示す要部拡大図である。 図15におけるY16a−Y16a線及びY16b−Y16b線に沿った断面図である。 図15におけるY17a−Y17a線及びY17b−Y17b線に沿った断面図である。 サイドシルの外側面部と下面部との間の角部の内側に取り付けられた補強体の凸部の配列を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語など特定の方向を意味する用語を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
本願発明者等は、車体にねじり荷重が作用した時にサイドシルの曲げ変形を抑制することができ、重量の増加を抑制しつつ車体のねじり剛性を向上させることができる車両のサイドシル構造の開発に当たり、先ず、サイドシルを備えた車体にねじり荷重を作用させた場合に該サイドシルに生じる断面変形について解析を行った。
そして、前記解析結果より、車体にねじり荷重を作用させた場合、サイドシルには曲げモーメントの回転軸が車幅方向となるように曲げモーメントが生じ、サイドシルは、フロントピラーとの結合部近傍及びセンタピラーとの結合部近傍において断面変形が大きくなることを見出した。かかる解析結果から、フロントピラーとの結合部近傍及びセンタピラーとの結合部近傍におけるサイドシル内に補強体を配設することで、重量の増加を抑制しつつ、サイドシルの曲げ変形を抑制し、車体のねじり剛性を向上させることができると考えられる。
以下、本発明の実施形態に係る車両のサイドシル構造について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るサイドシル構造を適用したサイドシルを備えた車体を概略的に示す側面図、図2は、前記車体の要部を概略的に示す下面図、図3は、前記車体のサイドシルを示す斜視図、図4は、図3に示すサイドシルの分解斜視図、図5は、図3におけるY5−Y5線に沿った断面図、図6は、図3におけるY6−Y6線に沿った断面図である。なお、図4では、サイドシルに内蔵した補強体を省略して示している。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る車両のサイドシル構造を適用したサイドシルを備えた車体1は、4ドアタイプの乗用車の車体であり、車体の底面を構成する車体フロア部2と、車体の側面を構成する車体側面部10とを備えている。なお、本実施形態では、車体左側の車体側面部10について説明しているが、車体右側の車体側面部についても同様に構成されている。
車体フロア部2は、板状のフロアパネル3を備え、該フロアパネル3上には、車幅方向に延びる車体前方側から第1のクロスメンバ4、第2のクロスメンバ5及び第3のクロスメンバ6が配設されている。これらクロスメンバ4、5、6はそれぞれ、サイドシル30に結合されている。
車体側面部10は、車体上部において車体前後方向に延びるルーフサイドレール11と、車体下部において車体前後方向に延びるサイドシル30と、前側のドア開口部12の車体前方側に位置して車体上下方向に延びるフロントピラー15、前後のドア開口部12、13の間に位置して車体上下方向に延びるセンタピラー20と、後側のドア開口部13の車体後方側に位置するリアピラー25とを備え、サイドシル30に、フロントピラー15、センタピラー20及びリアピラー25が結合されている。
サイドシル30にはまた、3つのクロスメンバ4、5、6が結合され、第1のクロスメンバ4が車体前後方向におけるフロントピラー15とセンタピラー20との略中間位置において結合され、第2のクロスメンバ5が車体前後方向におけるセンタピラー20と略同位置において結合され、第3のクロスメンバ6が車体前後方向におけるセンタピラー20とリアピラー25との略中間位置において結合されている。
後述するように、本実施形態に係るサイドシル30では、サイドシル30を補強するための補強体40、50、60がフロントピラー15との結合部18近傍並びにセンタピラー20との結合部23近傍に内蔵され、フロントピラー15との結合部18近傍に内蔵された補強体40は、サイドシル30の前端部まで延び、フロントピラー15との結合部18にも内蔵されるように形成されている。また、サイドシル30には、サイドシル30を補強するための補強体70、90、80がクロスメンバ4、5、6との結合部7、8、9において内蔵されている。
図7は、図3に示すサイドシルのフロントピラーとの結合部近傍に内蔵した補強体を示す斜視図、図8は、図7に示す補強体をY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿った断面で切断した図であり、図8(a)は、Y8a−Y8a線に沿った断面で切断した図、図8(b)は、Y8b−Y8b線に沿った断面で切断した図、図9は、図3におけるY9−Y9線に沿ったサイドシルの断面図、図10は、図3におけるY10−Y10線に沿ったサイドシルの断面図、図11は、図3におけるY11−Y11線に沿ったサイドシルの断面図である。
サイドシル30は、図9に示すように、車幅方向内方側に位置し、車体の内面の一部を構成して車体前後方向に延びるサイドシルインナ31と、車幅方向外方側に位置し、車体の外面の一部を構成して車体前後方向に延びるサイドシルアウタ32とによって閉断面状に形成されている。
具体的には、サイドシルインナ31は、略水平方向に延びる上面部31aと、上面部31aに対向して上面部31aの下方に位置し、略水平方向に延びる下面部31bと、下面部31bから上面部31aまで略垂直方向に延びる側面部31cとを備え、車幅方向内方側(図9では左側である車内側)に側面部31cが膨出するようにして配設されている。
サイドシルインナ31にはまた、上面部31aの車幅方向外方端部に上面部31aから上方へ延びる上フランジ部31dが形成されるとともに、下面部31bの車幅方向外方端部に下面部31bから下方へ延びる下フランジ部31eが形成され、サイドシルインナ31は、断面略ハット状に形成されている。
一方、サイドシルアウタ32は、略水平方向に延びる上面部32aと、上面部32aに対向して上面部32aの下方に位置し、略水平方向に延びる下面部32bと、下面部32bから上面部32aまで略垂直方向に延びる側面部32cとを備え、車幅方向外方側(図9では右側である車外側)に側面部32cが膨出するようにして配設されている。
サイドシルアウタ32もまた、上面部32aの車幅方向内方端部に上面部32aから上方へ延びる上フランジ部32dが形成されるとともに、下面部32bの車幅方向内方端部に下面部32bから下方へ延びる下フランジ部32eが形成され、サイドシルアウタ32は、断面略ハット状に形成されている。
そして、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とは、上フランジ部31d、32dどうしが接合されるとともに下フランジ部31e、32eどうしが接合され、これにより、サイドシル30は、閉断面状に形成されている。なお、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とはそれぞれ、鋼板などの金属製の板状素材をプレス加工して形成することができる。
このようにして形成されるサイドシル30には、サイドシルインナ31の上面部31a及び側面部31cによってそれらの間に角部30aが形成され、サイドシルインナ31の下面部31b及び側面部31cによってそれらの間に角部30bが形成され、サイドシルアウタ32の上面部32a及び側面部32cによってそれらの間に角部30cが形成され、サイドシルアウタ32の下面部32b及び側面部32cによってそれらの間に角部30dが形成され、サイドシル30は略矩形閉断面状に形成されている。
前述したように、サイドシル30においては、走行時に車輪を懸架するサスペンション装置と車体1との取付部から車体1に入力されるねじり荷重が伝達され、曲げモーメントの回転軸Mが車幅方向となるように曲げモーメントが生じることとなる。
従って、サイドシル30は、互いに離間して配設され、曲げモーメントの回転軸M方向と略直交する方向に延びるサイドシルインナ31の側面部31c及びサイドシルアウタ32の側面部32cと、側面部31cと32cとの間に位置し、側面部31cと32cとの間でそれぞれ角部30a、30c及び30b、30dを形成するサイドシルインナ31の上面部31a、サイドシルアウタ32の上面部32a及びサイドシルインナ31の下面部31b、サイドシルアウタ32の下面部32bを有している。
以下では、適宜、サイドシルインナ31の側面部31cをサイドシル30の車幅方向内方側の側面部である内側面部31cとして表し、サイドシルアウタ32の側面部32cをサイドシル30の車幅方向外方側の側面部である外側面部32cとして表し、サイドシルインナ31の上面部31a、サイドシルアウタ32の上面部32aをサイドシル30の上面部31a、32aとして表し、サイドシルインナ31の下面部31b、サイドシルアウタ32の下面部32bをサイドシル30の下面部31b、32bとして表す。
また、サイドシル30に結合されるフロントピラー15は、走行時に、車輪を懸架するサスペンション装置と車体1との取付部から車体1に入力されるねじり荷重が伝達されるとともに、該荷重をサイドシル30に伝達することができるようになっている。
フロントピラー15は、車内側に位置するフロントピラーインナ16と、車外側に位置するフロントピラーアウタ17とによって閉断面状に形成され、サイドシル30との結合部18では、フロントピラーインナ16がサイドシル30内、具体的にはサイドシルインナ31とサイドシルアウタ32との間に延在するとともにサイドシルアウタ32の車外側にフロントピラーアウタ17が配設されるように設けられている。
サイドシル30とフロントピラー15との結合部18では、フロントピラーインナ16が、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とによって形成されるサイドシル30の内部の閉断面部S1を車内側と車外側に区切るように配設され、これにより、図5に示すように、サイドシルインナ31とフロントピラーインナ16によって略断面矩形状の閉断面部S2が形成されるとともに、サイドシルアウタ32とフロントピラーインナ16によって略断面矩形状の閉断面部S3が形成されている。
なお、図4及び図5に示すように、サイドシルアウタ32の側面部32cの車体前方側では、車体上下方向の長さが短く形成され、閉断面部S3は、具体的にはサイドシルアウタ32及びフロントピラーアウタ17とフロントピラーインナ16によって閉断面状に形成されている。
また、サイドシル30に結合されるセンタピラー20は、車内側に位置するセンタピラーインナ21と、車外側に位置するセンタピラーアウタ22とによって閉断面状に形成され、サイドシル30との結合部23では、センタピラーインナ21がサイドシル30内、具体的にはサイドシルインナ31とサイドシルアウタ32との間に延在するとともにサイドシルアウタ32の車外側にセンタピラーアウタ22が配設されるように設けられている。
サイドシル30とセンタピラー20との結合部23では、センタピラーインナ21が、サイドシルインナ31とサイドシルアウタ32とによって形成されるサイドシル30の内部の閉断面部S1を車内側と車外側に区切るように配設され、これにより、図6に示すように、サイドシルインナ31とセンタピラーインナ21によって略断面矩形状の閉断面部S4が形成されるとともに、サイドシルアウタ32とセンタピラーインナ21によって略断面矩形状の閉断面部S5が形成されている。
本実施形態では、サイドシル30には、フロントピラー15との結合部18近傍に補強体40が内蔵され、補強体40は、図8に示すように、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面においてS字状に形成される板状のS字状部41と、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面において逆S字状に形成される板状の逆S字状部42と、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面方向である車幅方向に延び、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る板状の隔壁部43とを有している。
S字状部41は、図8(a)及び図9に示すように、サイドシル30の上面部31a、32aに略沿って車幅方向に延在し、接着剤27を介して上面部31a、32aに当接して接合される上面接合部41aと、上面接合部41aの車幅方向内方端部から角部30aにおけるサイドシル30の内側面部31c側に略沿って下方へ延び、上面接合部41aに連続して接着剤27を介して角部30aにおける内側面部31c側に当接して接合される内側面接合部(第1の内側面接合部)41bを有している。
また、S字状部41は、サイドシル30の下面部31b、32bに略沿って車幅方向に延在し、接着剤27を介して下面部31b、32bに当接して接合される下面接合部41cと、下面接合部41cの車幅方向外方端部から角部30dにおけるサイドシル30の外側面部32c側に略沿って上方へ延び、下面接合部41cに連続して接着剤27を介して角部30dにおける外側面部32c側に当接して接合される外側面接合部(第2の外側面接合部)41dを有している。
さらに、S字状部41は、内側面接合部41bと外側面接合部41dとを連結する第1の連結部41eを有している。第1の連結部41eは、車内側から車外側に向かうにつれて下方側へ傾斜し、車内側から車外側に向かうにつれて上面接合部41aとの離間距離が大きくなるように形成されるとともに車外側から車内側に向かうにつれて下面接合部41cとの離間距離が大きくなるように形成されている。
S字状部41はまた、サイドシル30の内側面部31cと当接しない内側面非当接部41fと、サイドシル30の外側面部32cと当接しない外側面非当接部41gとを有している。
一方、逆S字状部42は、図8(b)及び図10に示すように、サイドシル30の上面部31a、32aに略沿って車幅方向に延在し、接着剤27を介して上面部31a、32aに当接して接合される上面接合部42aと、上面接合部42aの車幅方向外方端部から角部30cにおけるサイドシル30の外側面部32c側に略沿って下方へ延び、上面接合部42aに連続して接着剤27を介して角部30cにおける外側面部32c側に当接して接合される外側面接合部(第1の外側面接合部)42bを有している。
また、逆S字状部42は、サイドシル30の下面部31b、32bに略沿って車幅方向に延在し、接着剤27を介して下面部31b、32bに当接して接合される下面接合部42cと、下面接合部42cの車幅方向内方端部から角部30bにおけるサイドシル30の内側面部31c側に略沿って上方へ延び、下面接合部42cに連続して接着剤27を介して角部30bにおける内側面部31c側に当接して接合される内側面接合部(第2の内側面接合部)42dを有している。
さらに、逆S字状部42は、内側面接合部42dと外側面接合部42bとを連結する第2の連結部42eを有している。第2の連結部42eは、車外側から車内側に向かうにつれて下方側へ傾斜し、車外側から車内側に向かうにつれて上面接合部42aとの離間距離が大きくなるように形成されるとともに車内側から車外側に向かうにつれて下面接合部42cとの離間距離が大きくなるように形成されている。
逆S字状部42はまた、サイドシル30の内側面部31cと当接しない内側面非当接部42fと、サイドシル30の外側面部32cと当接しない外側面非当接部42gとを有している。
また、隔壁部43は、図8及び図10に示すように、接着剤27を介してサイドシル30の内面形状に対応した外形形状を有し、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面方向に延びるように形成されている。なお、図8では、S字状部41、逆S字状部42及び隔壁部43を明瞭に図示するために、二点鎖線によって分離して示している。
補強体40は、S字状部41、逆S字状部42及び隔壁部43をそれぞれ複数有しており、S字状部41と逆S字状部42とが、サイドシル30の長手方向である車体前後方向に隔壁部43を介して交互に配置されている。また、補強体40では、S字状部41、逆S字状部42及び隔壁部43が一体的に成形されている。なお、補強体40は、樹脂材料を射出成形等によって成形して得ることができる。
このようにして、補強体40では、内側面接合部41b、42dがサイドシル30の長手方向に離間して複数設けられるとともに外側面接合部41d、42bがサイドシル30の長手方向に離間して複数設けられるように形成されている。これにより、内側面接合部41b、42d及び外側面接合部41d、42bがサイドシル30の長手方向に連続して設けられる場合に比べて、重量の増加を抑制することができる。
また、補強体40では、第1の内側面接合部41bと第2の内側面接合部42dとは、サイドシル30の長手方向に重ならないように設けられるとともに、第1の外側面接合部42bと第2の外側面接合部41dとが、サイドシル30の長手方向に重ならないように設けられている。
さらに、補強体40では、内側面接合部41b、42dを曲げモーメントの回転軸M方向にサイドシル30の外側面部32cに投影した領域において外側面部32cと接合しないように設けられるとともに、外側面接合部41d、42bを曲げモーメントの回転軸M方向にサイドシル30の内側面部31cに投影した領域において内側面部31cと接合しないように設けられている。
また、補強体40では、第1の連結部41eは、サイドシル30の内側面部31cから外側面部32cに向かうにつれて上面接合部41aとの離間距離が大きくなるように形成されるとともにサイドシル30の外側面部32cから内側面部31cに向かうにつれて下面接合部41cとの離間距離が大きくなるように形成され、第2の連結部42eは、サイドシル30の外側面部32cから内側面部31cに向かうにつれて上面接合部42aとの離間距離が大きくなるように形成されるとともにサイドシル30の内側面部31cから外側面部32cに向かうにつれて下面接合部42cとの離間距離が大きくなるように形成されている。これにより、補強体40を、例えば射出成形によって成形する場合など成形型を用いて成形する場合に、成形時の型抜きを容易に行うことができる。
補強体40はまた、図3及び図7に示すように、サイドシル30とフロントピラー15との結合部18では、フロントピラーインナ16によって車幅方向に区切られたサイドシル30の内部の車外側の閉断面部S3内に配設されるように、車体前方側において車幅方向における長さが短く形成されている。
補強体40は、車体前方側に配設される部分においても同様に、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面においてS字状に形成される板状のS字状部41と、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面において逆S字状に形成される板状の逆S字状部42と、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面方向である車幅方向に延び、サイドシル30の内部、具体的にはサイドシル30の内部の閉断面部S3を車体前後方向に区切る板状の隔壁部43とを備え、S字状部41と逆S字状部42とが、サイドシル30の長手方向である車体前後方向に隔壁部43を介して交互に配置されている。
図5では、フロントピラー15との結合部18におけるサイドシル30に内蔵した補強体40の逆S字状部42が示されているが、この図5に示すように、補強体40の車体前方側では、逆S字状部42は、閉断面部S3内において、上面接合部42a、外側面接合部(第1の外側面接合部)42b、下面接合部42c、内側面接合部(第2の内側面接合部)42d、及び第2の連結部42eを有し、サイドシル30の長手方向と直交する断面において逆S字状に形成されている。
しかしながら、上面接合部42aがサイドシルアウタ32の上面部32aに接合され、外側面接合部42bがサイドシルアウタ32の上面部32aと側面部32cとの角部30cにおける側面部32c側に接合され、下面接合部42cがフロントピラーアウタ17の略水平方向に延びる下面部17aに接合され、内側面接合部42dがフロントピラーアウタ17の下面部17aとフロントピラーインナ16との角部におけるフロントピラー16側に接合されている。
なお、図示されていないが、補強体40の車体前方側においても、閉断面部S3内において、S字状部41は、サイドシル30の長手方向と直交する断面においてS字状に形成され、隔壁部43は、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面方向である車幅方向に延びるように形成されている。
このようにして、サイドシル30には、フロントピラー15との結合部18の車体後方側において該結合部18近傍のサイドシル30内に補強体40が配設され、該補強体40は、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部43を有している。また、補強体40は、フロントピラー15との結合部18におけるサイドシル30内にも車幅方向に延びる隔壁部を有して配設され、サイドシル30の前端部からフロントピラー15との結合部18の車体後方側まで延びている。
なお、本実施形態では、フロントピラー15との結合部18の車体後方側、具体的にはフロントピラーインナ16の後端部16aよりも車体後方側において該結合部18近傍のサイドシル30内に配設され、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有する補強体(第3の補強体)と、サイドシル30の前端部からフロントピラー15との結合部18の車体後方側まで延び、フロントピラー15との結合部18ではサイドシル30内、具体的にはフロントピラーインナ16によって車幅方向に区切られたサイドシル30の内部の車幅方向外方側に配設され、車幅方向に延びる隔壁部を有する補強体(第4の補強体)が、補強体40によって一体的に形成されているが、これら補強体を別体として構成するようにしてもよい。
図12は、図3に示すサイドシルの要部を拡大して示す斜視図、図13は、図12に示すサイドシルのセンタピラーとの結合部近傍に内蔵した補強体を示す斜視図、図14は、図12におけるY14a−Y14a線及びY14b−Y14b線に沿ったサイドシルの断面図であり、図14(a)は、Y14a−Y14a線に沿った断面図、図14(b)は、Y14b−Y14b線に沿った断面図である。なお、図12では、サイドシルに内蔵した補強体を明瞭に図示するために、サイドシル及びセンタピラーを二点鎖線で示し、これを透過状態で示している。
本実施形態ではまた、サイドシル30のセンタピラー20との結合部23近傍に補強体50、60が内蔵されている。サイドシル30のセンタピラー20との結合部23では、センタピラーインナ21がサイドシル30内に延在し、補強体50及び60はそれぞれ、センタピラー20との結合部23の車体前方側及び車体後方側、具体的にはサイドシル30内のセンタピラーインナ21の前端部21aよりも車体前方側及びセンタピラーインナ21の後端部21bよりも車体後方側においてサイドシル30内に配設されている。
サイドシル30のセンタピラー20との結合部23の車体前方側に配設される補強体50(第1の補強体)と、サイドシル30のセンタピラー20との結合部23の車体後方側に配設される補強体60(第2の補強体)とは、同様に構成されているので、以下では補強体50についてのみ説明する。
サイドシル30のセンタピラー20との結合部23の車体前方側に配設される補強体50は、図13及び図14に示すように、車幅方向に延び、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る板状の隔壁部51と、車体前後方向に延び、隔壁部51の周囲を覆い、隔壁部51に結合される板状の周壁部52とを備えている。
隔壁部51は、図14に示すように、サイドシル30の内面形状に対応した外形形状を有し、サイドシル30の長手方向と直交する直交断面方向に延びるように形成されている。隔壁部51にはまた、隔壁部51から車体前方側及び車体後方側に延びる複数の板状のリブ53が設けられている。
周壁部52もまた、図14に示すように、サイドシル30の内面形状に対応した外形形状を有し、接着剤27によってサイドシル30に結合されている。周壁部52にはまた、後述するサイドシル30の外側面部32cと下面部31b、32bとの間の角部30dの内側に配設される補強体100を取り付けるために、該補強体100の形状に対応して車内側に切り欠かれた断面略L字状の切欠部54が形成されている。補強体100は、補強体50の切欠部54において接着剤27によって補強体50と結合されている。
このようにして、サイドシル30には、センタピラー20との結合部23の車体前方側及び車体後方側において該結合部23近傍のサイドシル30内に補強体50、60が配設され、該補強体50、60は、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部51を有している。なお、補強体50、60は、樹脂材料を射出成形等によって成形して得ることができる。
また、サイドシル30には、クロスメンバ4、5、6との結合部7、8、9におけるサイドシル30内にそれぞれ補強体(第5の補強体)70、90、80が配設されている。クロスメンバ4、6との結合部7、9におけるサイドシル30内にそれぞれ配設される補強体70、80は、サイドシル30のセンタピラー20との結合部23の車体前方側に配設される補強体50と同様に構成され、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有している。
一方、クロスメンバ5との結合部8におけるサイドシル30内に配設される補強体90は、サイドシル30のセンタピラー20との結合部23の車体前方側に配設される補強体50と略同様に構成され、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有しているが、クロスメンバ5との結合部8ではセンタピラーインナ21がサイドシル30内に延在しているので、車幅方向に分割された2つの分割補強体91、96によって構成されている。
車内側に位置する分割補強体91は、センタピラーインナ21によって車幅方向に区切られたサイドシル30の内部の車内側の閉断面部S4に配設され、車幅方向に延びる板状の隔壁部92と、車体前後方向に延びる板状の周壁部93とを備え、該周壁部93が、接着剤27を介してセンタピラーインナ21とサイドシルインナ31とに結合されている。
また、車外側に位置する分割補強体96は、センタピラーインナ21によって車幅方向に区切られたサイドシル30の内部の車外側の閉断面部S5に配設され、車幅方向に延びる板状の隔壁部97と、車体前後方向に延びる板状の周壁部98とを備え、該周壁部98が、接着剤27を介してセンタピラーインナ21とサイドシルアウタ32とに結合されている。
補強体90においても、後述するサイドシル30の外側面部32cと下面部31b、32bとの間の角部30dの内側に配設される補強体100を取り付けるために、分割補強体96に補強体100の形状に対応して車内側に切り欠かれた断面略L字状の切欠部99が形成され、補強体100は、補強体90の切欠部99において接着剤27によって補強体90と結合されている。また、分割補強体91、96の隔壁部92、97には、該隔壁部92、97から車体前方側及び車体後方側に延びる複数の板状のリブが設けられている。
このようにして、サイドシル30には、車幅方向に延びるクロスメンバ4、5、6との結合部7、8、9におけるサイドシル30内に、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部92、97を有する補強体70、90、80が配設されている。なお、補強体70、90、80は、樹脂材料を射出成形等によって成形して得ることができる。
また、サイドシル30には、サイドシル30の外側面部32cと下面部31b、32bとの間の角部30dの内側に補強体100が取り付けられている。補強体100は、車体前後方向に延び、クロスメンバ4との結合部7におけるサイドシル30内に配設された補強体70からクロスメンバ6との結合部9におけるサイドシル30内に配設された補強体90まで延びるように設けられている。なお、補強体100は、鋼板などの金属製の板状素材をプレス加工して形成することができる。
図15は、図12に示すサイドシルの要部を拡大して示す要部拡大図、図16は、図15におけるY16a−Y16a線及びY16b−Y16b線に沿った断面図であり、図16(a)は、Y16a−Y16a線に沿った断面図、図16(b)は、Y16b−Y16b線に沿った断面図、図17は、図15におけるY17a−Y17a線及びY17b−Y17b線に沿った断面図であり、図17(a)は、Y17a−Y17a線に沿った断面図、図17(b)は、Y17b−Y17b線に沿った断面図である。
補強体100は、サイドシル30から離間した状態でサイドシル30の角部30dの内面に沿って延在する基部101と、基部101と一体的に形成されてサイドシル30の長手方向及び該長手方向と直交する方向(直交断面方向)に配列され、基部101からサイドシル30に向けて突出して四角錐台状に形成される複数の凸部102とを備えている。
図18は、サイドシルの外側面部と下面部との間の角部の内側に取り付けられた補強体の凸部の配列を説明するための説明図であり、補強体100の要部を示す正面図である。図18に示すように、複数の凸部102は、頂面部102aが四角形である四角錐台状に形成され、サイドシル30の長手方向及び直交断面方向において周期的に配列されている。
複数の凸部102はそれぞれ、頂面部102aの四角形の対角線がサイドシル30の長手方向及び直交断面方向に略平行になるように配置され、サイドシル30の長手方向に隣り合う凸部102が互いにサイドシル30の直交断面方向に重なりL1を有するとともに、サイドシル30の直交断面方向における隣り合う凸部102が互いにサイドシル30の長手方向に重なりL2を有している。
また、複数の凸部102は、図16及び図17に示すように、基部101からの凸部102の高さH1がサイドシル30の長手方向及び直交断面方向において略一定の高さで形成され、凸部102の頂面部102aがサイドシルアウタ32の側面部32c及び下面部32bと当接されている。これにより、基部101は、サイドシル30から所定距離離間するように設けられている。
また、補強体100は、図15に示すように、サイドシルアウタ32の側面部32cに沿って延在する部分とサイドシルアウタ32の下面部32bに沿って延在する部分とが対称に形成されており、サイドシルアウタ32の側面部32cと下面部32bとの間の稜線に対向する凸部102は、サイドシルアウタ32の側面部32cと下面部32bに当接されるとともに、その頂面部32aが湾曲して形成されている。
図15ではまた、補強体100において、サイドシルアウタ32の側面部32cと結合する凸部102に黒丸(●)印を付して示している。この図15に示すように、補強体100は、サイドシルアウタ32の側面部32cと下面部32bとの間の稜線近傍のサイドシルアウタ32の側面部32cと当接する凸部32が、該側面部32cと結合されている。
補強体100は、サイドシルアウタ32の下面部32b側に沿って延在する部分についても同様に、サイドシルアウタ11の側面部32cと下面部32bとの間の稜線近傍のサイドシルアウタ32の下面部32bと当接する凸部102が、該下面部32bと結合されている。なお、補強体100とサイドシル30とは、スポット溶接等によって結合することができる。
補強体100はまた、サイドシル30の直交断面方向における両端部が、サイドシル30と離間するように設けられている。図16(b)に示すように、サイドシル30の直交断面方向における一方の端部103aがサイドシルアウタ32の側面部32cから所定角度傾斜した状態で該側面部32cと離間するように設けられ、図16(a)に示すように、基部101よりもサイドシル30から離間するように設けられている。
サイドシル30の直交断面方向における他方の端部103bについても同様に、図16(b)に示すように、サイドシルアウタ32の下面部32bから所定角度傾斜した状態で該下面部32bと離間するように設けられ、図16(a)に示すように、基部101よりもサイドシル30から離間するように設けられている。
このように、補強体100は、サイドシル30の直交断面方向における該補強体100の端部103a、103bがサイドシル30と離間するように形成されていることにより、サイドシル30の直交断面方向における補強体100の端部がサイドシル30と接している場合に比べて、サイドシル30の長手方向における変形を抑制することができ、サイドシル30の曲げ強度を向上させることができる。
このようにして、サイドシル30には、サイドシル30の外側面部32cと下面部31b、32bとの間の角部30dの内側に補強体100が取り付けられている。これにより、サイドシル30に外部より荷重が作用した時に角部30dが座屈して断面変形することを抑制することができ、サイドシル30の曲げ強度を高めることができる。
なお、前述したように、補強体50、60、70、80、90にはそれぞれ、補強体100を取り付けるための断面略L字状の切欠部54、99が形成されており、補強体100は、該切欠部54、99を通じて車体前後方向に延びるとともに該切欠部54、99に接着剤27を介して補強体50、60、70、80、90と結合されている。
また、接着剤27としては、例えば、所定温度に加熱することにより発泡する所定厚さのシート状の熱硬化性接着剤を用いることができ、該接着剤を発泡前に補強板40、50、60、70、80、90に取り付け、その後、所定温度に加熱することにより発泡させて、サイドシル30と補強体50、60、70、80、90との間に充填させて結合させることができる。
また、補強体50、60、70、80、90と補強体100とを結合する際に用いる接着剤27として、シート状の熱硬化性接着剤を用いる場合には、補強体50、60、70、80、90に取り付けた接着剤27の発泡倍率が一定となるように補強体100の凹凸形状に対応してシート状の接着剤27を凹凸形状に形成することが好ましい。
これに代えて、補強体50、60、70、80、90と補強体100とを結合する際に用いる接着剤27として、所定厚さを有するシート状の熱硬化性接着剤を用い、補強体50、60、70、80、90に取り付けた接着剤27の発泡倍率が一定となるように補強体100の凹凸形状に対応して補強板50、60、70、80、90の切欠部54、99を凹凸形状に形成するようにすることも可能である。
以上のように、本実施形態に係る車両のサイドシル構造は、センタピラー20との結合部23の車体前方側及び車体後方側の該結合部23近傍においてサイドシル30内に配設された第1の補強体50及び第2の補強体60と、フロントピラー15との結合部18の車体後方側の該結合部18近傍においてサイドシル30内に配設された第3の補強体40とを備え、第1、第2及び第3の補強体50、60、40はそれぞれ、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部51、43を有している。
これにより、車体にねじり荷重が作用した時に生じる曲げモーメントによって断面変形が生じ易いサイドシル30のセンタピラー20との結合部23近傍及びフロントピラー15との結合部18近傍において、サイドシル30を隔壁部51、43によって効果的に補強することができるので、車体にねじり荷重が作用した時にサイドシル30の曲げ変形を抑制することができ、重量の増加を抑制しつつ車体のねじり剛性を向上させることができる。また、重量の増加を抑制することにより燃費が改善され、省エネルギー効果を高めることができる。
また、車幅方向に延びる隔壁部を有し、フロントピラー15との結合部18においてサイドシル30内に配設された第4の補強体40を備え、該第4の補強体40は、サイドシル30の前端部からフロントピラー15との結合部18の車体後方側まで延びていることにより、サイドシル30のフロントピラー15との結合部18においてサイドシル30を効果的に補強することができ、前記効果をより有効に奏することができる。減速時に車体前部が下方へ沈み込むとともに車体後部が上方へ浮き上がる所謂ノーズダイブが生じる場合においても、フロントピラー15との結合部18におけるサイドシル30の曲げ変形を効果的に抑制することができる。
更に、第4の補強体40は、フロントピラー15との結合部18におけるサイドシル30内において、フロントピラーインナ16によって車幅方向に区切られたサイドシル30の内部の車幅方向外方側に配設されていることにより、重量の増加を抑制しつつ、サイドシル30に車幅方向外方側から荷重が入力される場合にサイドシル30の曲げ変形を効果的に抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また更に、車幅方向に延びるクロスメンバ4、5、6との結合部7、8、9におけるサイドシル30内に配設され、サイドシル30の内部を車体前後方向に区切る隔壁部51、92、97を有する第5の補強体70、80、90をさらに備えていることにより、サイドシル30の曲げ変形をより有効に抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。サイドシル30に車幅方向外方側から荷重が入力される場合に、サイドシル30に入力される荷重を第5の補強体70、80、90を通じてクロスメンバ4、5、6に伝達して分散させることができ、サイドシル30が曲げ変形されることをさらに抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1の補強体50又は第2の補強体60と第5の補強体70、80、90とが別体で構成されているが、第5の補強体70、80、90がクロスメンバ4、5、6の位置に応じて第1の補強体50又は第2の補強体60と一体的に形成するようにすることも可能である。
以上のように、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、重量の増加を抑制しつつ車体のねじり剛性を向上させることができる車両のサイドシル構造を提供することができ、サイドシルに該サイドシルを補強するための補強体を内蔵させた車体に広く利用される可能性がある。
1 車体
15 フロントピラー
16 フロントピラーインナ
17 フロントピラーアウタ
20 センタピラー
21 センタピラーインナ
22 センタピラーアウタ
30 サイドシル
40、50、60、70、80、90、100 補強体
43、51、92、97 隔壁部

Claims (5)

  1. 車体下部において車体前後方向に延びるサイドシルに、該サイドシルを補強するための補強体を内蔵した車両のサイドシル構造であって、
    センタピラーとの結合部の車体前方側及び車体後方側の該結合部近傍において該サイドシル内にそれぞれ配設された第1の補強体及び第2の補強体と、
    フロントピラーとの結合部の車体後方側の該結合部近傍において該サイドシル内に配設された第3の補強体と、
    車体前後方向に延び、前記サイドシルの車幅方向外方側の側面部と下面部との間の角部の内側に取り付けられた前記第1、第2及び第3の補強体とは別の補強体と、
    を備え、
    前記第1、第2及び第3の補強体はそれぞれ、前記サイドシルの内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有し、
    前記第1及び第2の補強体にそれぞれ、前記別の補強体の形状に対応して車幅方向内方側に切り欠かれた切欠部が設けられ、
    前記別の補強体は、前記第1及び前記第2の補強体の切欠部を通じて車体前後方向に延びるとともに前記第1及び第2の補強体の切欠部において前記第1及び第2の補強体とそれぞれ結合されている、
    ことを特徴とする車両のサイドシル構造。
  2. 車幅方向に延びる隔壁部を有し、前記フロントピラーとの結合部において前記サイドシル内に配設された第4の補強体を備え、
    該第4の補強体は、前記サイドシルの前端部から前記フロントピラーとの結合部の車体後方側まで延びている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドシル構造。
  3. 前記センタピラーは、車幅方向内方側に位置するセンタピラーインナと車幅方向外方側に位置するセンタピラーアウタとを備え、該センタピラーインナは、前記サイドシルとの結合部において該サイドシルの内部を車幅方向に区切るように前記サイドシル内に延在し、
    前記第1の補強体は、前記サイドシル内において前記センタピラーインナの前端部よりも車体前方側に配設され、
    前記第2の補強体は、前記サイドシル内において前記センタピラーインナの後端部よりも車体後方側に配設され、
    前記フロントピラーは、車幅方向内方側に位置するフロントピラーインナと車幅方向外方側に位置するフロントピラーアウタとを備え、該フロントピラーインナは、前記サイドシルとの結合部において該サイドシルの内部を車幅方向に区切るように前記サイドシル内に延在し、
    前記第3の補強体は、前記サイドシル内において前記フロントピラーインナの後端部よりも車体後方側に配設されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両のサイドシル構造。
  4. 前記第4の補強体は、前記フロントピラーとの結合部における前記サイドシル内において、前記フロントピラーインナによって車幅方向に区切られた前記サイドシルの内部の車幅方向外方側に配設されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の車両のサイドシル構造。
  5. 車幅方向に延びるクロスメンバとの結合部における前記サイドシル内に配設され、前記サイドシルの内部を車体前後方向に区切る隔壁部を有する第5の補強体をさらに備えている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の車両のサイドシル構造。
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