JPH05341418A - ハロゲン化銀乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤

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JPH05341418A
JPH05341418A JP17155392A JP17155392A JPH05341418A JP H05341418 A JPH05341418 A JP H05341418A JP 17155392 A JP17155392 A JP 17155392A JP 17155392 A JP17155392 A JP 17155392A JP H05341418 A JPH05341418 A JP H05341418A
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silver halide
grains
emulsion
silver
group
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JP17155392A
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Makoto Kikuchi
信 菊池
Hiroyuki Kawamoto
博之 川本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、従来の平板状粒子のエッジ
部へのエピタキシー形成方法の問題であった、不均一な
粒子(主平面エピタキシー型粒子)をなくし、平板状粒
子のエッジ部に実質的に限定して沃化銀含有ハロゲン化
銀エピタキシーを形成することにある。 【構成】 (1)アスペクト比が2以上の平板状ハロゲ
ン化銀粒子をホスト粒子として、このホスト粒子のエッ
ジ部に実質的に限定された沃化銀含有ハロゲン化銀エピ
タキシーを形成したエピタキシャルハロゲン化銀粒子を
全ハロゲン化銀粒子の撮影面積の50%以上含有するハ
ロゲン化銀乳剤。 (2)沃素イオン放出剤から沃素イオンの放出を調節す
ることにより形成されたエピタキシーを有する(1)記
載のハロゲン化銀乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀乳剤に関
する。
【0002】さらに詳しくはハロゲン化銀平板状ホスト
粒子のエッジ部に実質的に限定された沃化銀(沃素イオ
ン)含有ハロゲン化銀エピタキシーを形成したエピタキ
シャルハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤に関す
る。
【0003】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀粒子の高感化のため
には、個々のハロゲン化銀粒子の粒子内及び粒子間のハ
ロゲン分布が均一であることが、各粒子の均質性、効率
的な化学増感という点で好ましいと考えられる。
【0004】特に平板状粒子の場合、粒子形状が等方的
な立方体や8面体及び14面体粒子等に比べて、粒子内
及び粒子間でハロゲン分布の不均一が大きく、従来の技
術では不均一な成長を防ぐことはできず、平板状粒子の
エッジ部のみに実質的に限定して沃化銀含有ハロゲン化
銀エピタキシーを形成することはできなかった。
【0005】平板粒子に関しては米国特許第4,43
4,226号、同4,439,520号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,41
4,306号、同4,459,353号等にその製法及
び使用技術が開示されており、増感色素による色増感効
率の向上を含む感度の向上、感度/粒状性の関係の改
良、平板粒子の特異的な光学的性質によるシャープネス
の向上、カバーリングパワーの向上などの利点が知られ
ている。
【0006】本発明は平板状ハロゲン化銀粒子の特にエ
ッジ部に実質的に限定して沃化銀(沃素イオン)を含む
ハロゲン化銀エピタキシーを形成する技術に関するもの
である。平板粒子に沃化銀を含むハロゲン化銀エピタキ
シーを形成させる方法としては、ホスト平板粒子を形成
しているハロゲンイオンより、銀イオンをつくる塩の溶
解度が小さいハロゲンイオンを添加するいわゆるコンバ
ージョン法や特開昭59−133540号、特開昭58
−108526号、特開昭59−162540号等に記
載されているように吸着性の分光増感色素のようなエピ
タキシャル成長の局部支配物質を用いる方法がある。
【0007】しかしながら、従来のKI水溶液を添加し
てホスト平板粒子のエッジ部に実質的に限定してハロゲ
ン化銀エピタキシーを形成しようとしても、一部の粒子
はエッジ部のみならず本来意図していない主平面部にも
ハロゲン化銀エピタキシーを有することになり(この粒
子を主平面エピタキシー型粒子と呼ぶ。)、実質的にハ
ロゲン化銀エピタキシーの形成される部位をエッジ部に
限定することは出来なかった。
【0008】また、この主平面エピタキシー型粒子が全
粒子数に占める割合は添加するKI水溶液のモル数に比
例するものであった。
【0009】つまり添加した沃素イオンは沃化銀を含む
相となって特に一部の粒子により多く沈着するために、
必然的にその他の粒子の沃化銀含量は少なくなり、KI
量を増やせばさらに不均一な粒子を生じるものであっ
た。
【0010】従って従来技術では平板状粒子のエッジ部
のみに実質的に限定して粒子内及び粒子間で均一に処方
値通りの沃化銀量を含むハロゲン化銀エピタキシーを成
長させるという点では十分に満足できず、新たな方法が
望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の平板状粒子のエッジ部へのエピタキシー形成方法の問
題であった、不均一な粒子(主平面エピタキシー型粒
子)をなくし、平板状粒子のエッジ部に実質的に限定し
て沃化銀含有ハロゲン化銀エピタキシーを形成すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記によって
達成された。
【0013】すなわち、 (1)アスペクト比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子
をホスト粒子として、このホスト粒子のエッジ部に実質
的に限定された沃化銀含有ハロゲン化銀エピタキシーを
形成したエピタキシャルハロゲン化銀粒子を全ハロゲン
化銀粒子の投影面積の50%以上含有するハロゲン化銀
乳剤。
【0014】(2)沃素イオン放出剤から沃素イオンの
放出を調節することにより形成されたエピタキシーを有
する上記(1)記載のハロゲン化銀乳剤。 (3)(1)の乳剤が、平板状粒子に沃化銀を含むハロ
ゲン化銀エピタキシーを形成した粒子構造を経由した工
程で製造されることを特徴とするハロゲン化銀乳剤。 (4)(1)の乳剤が、沃素イオン放出剤からの沃素イ
オンの放出を調節した工程で製造されることを特徴とす
るハロゲン化銀乳剤。
【0015】以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、アス
ペクト比(ハロゲン化銀粒子の円相当径/粒子厚み)が
2以上の粒子が、乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の50%
(面積)以上存在する乳剤が好ましく、さらに好ましく
は80%以上である。
【0017】さらに好ましくはアスペクト比4以上の粒
子が80%(面積)以上、特に好ましくはアスペクト比
8以上の粒子が80%(面積)以上存在する乳剤であ
る。
【0018】ここで平板状ハロゲン化銀粒子は1枚の双
晶面あるいは2枚以上の平行な双晶面を有するハロゲン
化銀粒子の総称である。
【0019】双晶面とは、(111)面の両側ですべて
の格子点のイオンが鏡像関係にある場合にこの(11
1)面のことを言う。
【0020】この平板状粒子は、粒子を上から見た時に
三角形状、六角形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形
状をしており、三角形状のものは三角形の、六角形状の
ものは六角形の、円形状のものは円形の互いに平行な外
表面を有している。
【0021】粒子の厚みの測定は、参照用のラテックス
とともに粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャド
ーの長さを電子顕微鏡写真上で測定し、ラテックスのシ
ャドーの長さを参照にして計算することにより容易にで
きる。
【0022】本発明における粒子直径とは、粒子に平行
な外表面の投影面積と等しい面積を持つ円の直径であ
る。粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定
し、撮影倍率を補正することにより得られる。平板状粒
子の直径としては0.3〜5.0μmであることが好ま
しい。平板状粒子の厚みとしては0.05〜0.5μm
であることが好ましい。
【0023】また単分散の平板状粒子を用いるとさらに
好ましい結果が得られることがある。単分散の平板状粒
子の構造および製造法は、例えば特開昭63−1516
18号などの記載に従うが、その態様を簡単に述べる
と、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最
小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する
辺の長さの比が、2以下である六角形であり、かつ、平
行な2面を外表面として有する平板状ハロゲン化銀によ
って占められており、さらに、該六角形平板状ハロゲン
化銀粒子の粒子サイズ分布の変動係数〔その投影面積の
円換算直径で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏
差)を、平均粒子サイズで割った値〕が20%以下の単
分散性をもつものが好ましく、さらに好ましくは15%
以下、特に好ましくは10%以下の粒子である。
【0024】本発明の乳剤は、平板状粒子に沃化銀を含
むハロゲン化銀エピタキシーを形成した粒子構造を経由
したのち、そのまま粒子成長させてもよく、また転位を
含んでもよい。転位とは結晶格子における原子配列のズ
レ目のことを言い、格子欠陥の一種であるが、熱力学的
な起源により生ずるものではないため、結晶が機械的な
ひずみを受げずに成長すれば転位は全く含まれない。
【0025】ハロゲン化銀結晶の転位に関しては、 1 C.R.Berry,J.Appl.Phys.,
27,636(1956) 2 C.R.Berry,D.C.Skilman,
J,Appl.Phys.,35,2165(196
4) 3 J.F.Hamilton,Phot.Sci.E
ng.,11,57(1967) 4 T,Shiozawa,J.Soc.Phot.S
ci.Jap.,34,16(1971) 5 T.Shiozawa,J.Soc.Phot.S
ci.Jap.,35,213(1972) 等の文献があり、X線回析法または低温の透過型の、低
温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観
察することができる。すなわち、粒子に転位が発生する
ほどの圧力をかけないよう注意して乳剤から取り出した
ハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュにの
せ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐよう
に試料を冷却した状態で透過法により観察を行う。この
場合、粒子の厚みが厚い程電子線が透過しにくくなるの
で、高圧型(0.25μの厚さの粒子に対し、200k
V以上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察する
ことができる。
【0026】一方転位の写真性能に及ぼす影響として
は、G.C.Farnell,R.B.Flint,a
nd J.B.Chanter,J.Phot.Sc
i.,13,25(1965)、の文献があり、大きい
サイズの高アスペクト比平板状臭化銀粒子において潜像
核が形成される場所と粒子内の欠陥とが密接な関係にあ
ることが示されている。
【0027】特開昭63−220238号、特開平1−
201649号は、転位を意図的に導入した平板状ハロ
ゲン化銀粒子について開示している。転位線を導入した
平板粒子は転位線のない平板粒子と比較して、感度、相
反則などの写真特性に優れ、かつこれらを感光材料に用
いると鮮鋭性、粒状性に優れることが示されている。
【0028】本発明の平板状粒子は平板状ホスト粒子の
エッジ部に実質的に限定されて沃化銀含有ハロゲン化銀
エピタキシーを形成した粒子である。粒子エッジ部とは
平板粒子を上から見た時、粒子の側面及び各辺の辺上の
部位を指す。
【0029】エピタキシャル成長後の粒子形状は通常の
カーボンレプリカ法電子顕微鏡写真で観察できる。
【0030】エッジ部のみにエピタキシャル成長した粒
子及びエッジ部以外すなわち主平面部にもエピタキシャ
ル成長した粒子がそれぞれ乳剤粒子中に占める割合は、
乳剤粒子の少なくとも300粒子について電子顕微鏡で
観察して求めることが好ましく、500粒子以上ならば
さらに好ましい。粒子エッジ部に沃化銀含有ハロゲン化
銀エピタキシーを実質的に限定して形成するとはエッジ
部のみに該エピタキシーを形成した粒子が全粒子中、9
9%以上存在することを言う。
【0031】本発明は式(I)で表わされる沃素イオン
放出剤を用いて粒子形成を行った場合に著しい効果が得
られる。
【0032】式(I)で表わされる沃素イオン放出剤は
特開平2−68538号(特願昭63−220187
号)にてハロゲン組成を均一にするために使用する化合
物と部分的に重複する。
【0033】しかしながら式(I)の化合物の存在下で
沃素イオン放出を調節することにより粒子形成を行うこ
とによって平板状粒子の粒子エッジ部に実質的に限定し
て沃化銀含有ハロゲン化銀エピタキシーを形成できるこ
とを本発明者らが見出したのは予想外のことであった。
【0034】本発明の下記の式(I)で表わされる沃素
イオン放出剤について詳細に説明する。
【0035】
【化1】 式(I)中、Xは沃素原子を表わし、R11、R12、R13
は水素原子または置換可能な基を表わし、またR11、R
12、R13は互いに連結し炭素環または複素環を形成して
もよい。nは1〜5を表わす。
【0036】式(I)においてR11、R12、R13で表わ
される置換可能な基としては以下のものが挙げられる。
【0037】ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭
素、沃素)、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル)、アルケニル基(例
えばアリル、2−ブテニル、3−ペンテニル)、アルキ
ニル基(例えばプロパルギル、3−ペンチニル)、アラ
ルキル基(例えばベンジル、フェネチル)、アリール基
(例えばフェニル、ナフチル基、4−メチルフェニ
ル)、ヘテロ環基(例えばピリジル、フリル,イミダゾ
リル、ピペリジル、モルホリル)、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ、ナフトキシ)、アミノ基(例えば
無置換アミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、アニリ
ノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾ
イルアミノ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、N
−メチルウレイド、N−フェニルウレイド)、ウレタン
基(例えばメトキシカルボニルアミノ、フェノキシカル
ボニルアミノ)、スルホニルアミノ基(例えばメチルス
ルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ)、スルフ
ァモイル基(例えばスルファモイル、N−メチルスルフ
ァモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイ
ル基(例えばカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フ
ェニルカルバモイル)、スルホニル基(例えばメチルス
ルホニル、ベンゼンスルホニル)、スルフィニル基(例
えばメチルスルフィニル、フェニルスルフィニル)、ア
ルキルオキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル
基(例えばフェノキシカルボニル)、アシル基(例えば
アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル)、アシ
ルオキシ基(例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ)、
リン酸アミド基(例えばN,N−ジエチルリン酸アミ
ド)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基)、シア
ノ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホスホ
ノ基、ニトロ基または単なる結合基である。
【0038】R12、R13が各々2つ以上あるとき(n=
2〜5のとき)、複数のR12、複数のR13は同じでも異
なってもよい。
【0039】これらの基は1つまたは2つ以上の置換基
を有していてもよい。また、置換基が2つ以上あるとき
は同じでも異なってもよい。
【0040】R11、R12、R13が互いに連結して形成さ
れる炭素環または複素環としては、5〜7員環の炭素
環、または1個以上の窒素、酸素または硫黄原子を含む
5〜7員環の複素環であり、これらの炭素環または複素
環は適当な位置で縮合をしているものも包含する。具体
的には例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼ
ン、ナフタレン、イミダゾール、ピリジン、チオフェ
ン、キノリン、4−ピリドン、2−ピロン、クマリン、
ラウシルまたはシクロペンタンジオンが挙げられる。こ
れらの炭素環または複素環は置換されていてもよい。置
換基が2つ以上あるときは同じでも異なってもよい。
【0041】式(I)において、好ましくはn=1〜3
である。より好ましくは、nは1または2である。
【0042】式(I)中、好ましいものは式(II)で
表すものである。
【0043】
【化2】 式(II)中、Xは沃素原子を表わし、R21はハメット
のσp 値が0以下の有機基を表わし、R22、R23は水素
原子または置換可能な基を表わし、またR21、R22、R
23は互いに連結し炭素環または複素環を形成してもよ
い。mは1〜3を表わす。
【0044】次に式(II)について詳細に説明する。
【0045】R21はハメットのσp 値が0以下の有機基
を表わすが、ハメットのσp 値は「薬物の構造活性相
関」(南江堂)96ページ(1979年)に記載されて
おり、この表にもとづいて選ぶことができる。R21の好
ましいものとしては水素原子、OR24(R24は水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラル
キル基またはアリール基を表わす。)、NR2526(R
25、R26は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、カル
バモイル基、オキシカルボニル基またはスルホニル基を
表わし、R25とR26は連結し飽和、不飽和の含窒素ヘテ
ロ環を形成してもよい。)またはSR27(R27は水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラル
キル基またはアリール基を表わす。)を表わす。R21
ハメットのσp 値は、好ましくは、−0.85〜0.0
である。
【0046】式(II)においてR24、R25、R26、R
27で表わされるアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基は炭素数1〜30のものであって、特に炭素数1〜1
0の直鎖、分岐鎖または環状のものが好ましく、具体的
には例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキ
サデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、
2−ブテニル、3−ペンテニル、プロパルギル、3−ぺ
ンチニルである。
【0047】式(II)においてR24、R25、R26、R
27で表されるアラルキル基は炭素数7〜30のものであ
って、特に炭素数7〜10のものが好ましく、具体的に
は例えばベンジル、フェネチル、ナフチルメチルであ
る。
【0048】式(II)においてR24、R25、R26、R
27で表されるアリール基は炭素数6〜30のものであっ
て、特に炭素数6〜10のものが好ましく、具体的には
フェニル、ナフチルである。
【0049】式(II)においてR25またはR26で表さ
れるアシル基としては炭素数1〜30のものであって、
特に炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には例え
ばホルミル、アセチル、ブチリル、ピバロイル、ミリス
トイル、アクリロイル、ベンゾイル、トルオイル、ナフ
トイルである。
【0050】式(II)においてR25またはR26で表さ
れるカルバモイル基として炭素数1〜30のものであっ
て炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には例えば
無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカ
ルバモイル、フェニルカルバモイルである。
【0051】式(II)においてR25またはR26で表さ
れるオキシカルボニル基は炭素数2〜30のものであっ
て炭素数2〜10のものが好ましく、具体的には例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシ
カルボニルである。
【0052】式(II)においてR25またはR26で表さ
れるスルホニル基としては炭素数1〜30のものであっ
て炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には例えば
メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホ
ニルである。
【0053】R25とR26が連結して形成される飽和、不
飽和の含窒素ヘテロ環としては、具体的にはモルホリ
ン、ピロリジン、ピペラジン、ピロール、ピラゾール、
イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドー
ル、ベンゾトリアゾール、サクシイミド、フタルイミド
が挙げられる。これらのヘテロ環はさらに置換されてい
てもよく、具体的置換基としてはR11、R12、R13で挙
げたものと同じである。
【0054】式(II)においてR24、R25、R26、R
27で表わされるアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基またはアリール基、R25、R26で表さ
れるアシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル基ま
たはスルホニル基はさらに置換されてもよく、具体的置
換基としてはR11、R12、R13で挙げたものと同じもの
である。
【0055】式(II)のR21で特に好ましいものはO
24、NR2526である。
【0056】式(II)においてR22、R23で表される
置換可能な基としてはR12、R13で挙げたものと同じも
のであるが、好ましくはアルキル基、アラルキル基、ア
リール基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフ
ィニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アシル基、シアノ基およびR21で表さ
れる基であり、特に好ましくはアルキル基、アラルキル
基、アリール基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基
およびR21で表される基である。
【0057】mは好ましくは1または2である。
【0058】以下に本発明の化合物の具体例を示すが、
本発明の化合物はこれに限定されるものではない。
【0059】
【化3】
【0060】
【化4】
【0061】
【化5】
【0062】
【化6】
【0063】
【化7】
【0064】
【化8】 本発明のヨードイオン放出剤は次の合成法に準じて合成
することができる。
【0065】J.Am.Chem.Soc.,76,3
227−8(1954),J.Org.Chem.,1
6,708(1951),Chem.Ber.,97,
390(1964),Org.Synth.,V,47
8(1973),J.Chem.Soc.,1951,
1851,J.Org.Chem.,19,1571
(1954),J.Chem.Soc.,1952,1
42,J.Chem.Soc.,1955,1383,
Angew,Chem.,Int.Ed.,11,22
9(1972),Chem.Commun.,197
1,1112。
【0066】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は式
(I)及び(II)で表わされる沃素イオン放出剤から
沃素イオンの放出を調節した工程で製造される。
【0067】本発明の沃素イオン放出の調節とは、例え
ば、沃素イオン放出時の液pHの変化あるいは併用する
求核性物質の濃度の変化あるいは温度の変化によって、
沃素イオン放出剤からの沃素イオン放出の放出速度、タ
イミングをコントロールすることである。
【0068】式(I)において、R11、R12、R13の選
択はハロゲン化銀粒子形成時の液pH、組成、温度およ
び必要とされるタイミング時間によって選択される。
【0069】沃素イオンの放出速度、タイミングは粒子
形成時の液pH以外に、特に亜硫酸イオン、ヒドロキシ
ルアミン、チオ硫酸イオン、メタ重亜硫酸イオン、ヒド
ロキサム酸類、オキシム類、ジヒドロキシベンゼン類等
のような求核性物質を用いることによっても、幅広くコ
ントロールすることができる。
【0070】本発明の沃素イオン放出剤は全ハロゲン化
銀量の2〜15モル%の範囲で添加される。より好まし
くは2〜10モル%、さらに好ましくは2〜5モル%の
範囲で用いられる。
【0071】求核性物質を併用する場合は沃素イオン放
出剤に対して求核性物質をモル比で1対1から1対20
の範囲の割合で添加する。より好ましくは1対1から1
対10の範囲の割合で、さらに好ましくは1対1から1
対5の割合の範囲で添加する。
【0072】液pHの変化に基づく場合は、本発明の沃
素イオン放出の調節時のpHの範囲は4〜12である。
本発明ではpHを7以上に上げることが沃素イオンの急
速な放出上好ましく、さらにpHを8以上に上げること
がより好ましい。
【0073】また、前述の求核性物質を併用する際も、
pHの変化を併用して沃素イオンの放出速度、タイミン
グをコントロールしても良い。
【0074】本発明の沃素イオン放出の調節時の好まし
い温度範囲は30〜80℃であり適宜温度を制御しつつ
沃素イオンを放出させる。
【0075】本発明の沃素イオン放出の調節時に、液中
には臭素イオンおよび/または塩素イオンが存在しても
よい。
【0076】本発明において、沃素イオン放出剤から全
沃素を放出させても、一部は分解せずに残ってもよい。
【0077】本発明における沃素イオン放出のコントロ
ールは次のような方法が好ましい。
【0078】すなわち、粒子形成容器のバルク液(反応
液)中に添加され既に全体に均一に分布している沃素イ
オン放出剤から、pH、求核性物質の濃度、温度などを
変化させることにより、通常は低pHから高pHへの変
化により、沃素イオンを粒子形成容器の全体で均一にコ
ントロールしながら放出させる方法である。
【0079】沃素イオン放出時にpHを上げるためのア
ルカリ、併用する求核性物質は沃素イオン放出剤が全体
に均一に分布している状態で添加することが好ましい。
【0080】該アルカリ、求核性物質の添加方法は一時
に添加するよりも一定流量で添加した方が好ましく、適
宜制御しつつ沃素イオンを放出させる。
【0081】pH変化は、好ましくは1単位(ΔpH=
1.0)当たり5分以下0.01秒以上、さらに好まし
くは2分以下0.1秒以上である。
【0082】本発明の沃素イオン放出化合物を用いてハ
ロゲン化銀相を形成する際、該ハロゲン化銀相の形成す
るのに要する時間は20分以内が好ましい。より好まし
くは10分以内、さらの好ましくは5分以下1秒以上で
ある。
【0083】本発明の特徴は、沃素イオンを粒子形成容
器のバルク液全体で均一に放出させ迅速に高ヨードのハ
ロゲン化銀相を平板状粒子エッジ部に実質的に限定して
形成できることにある。
【0084】従来のKI水溶液を沃素イオン供給源とす
る場合は沃素イオンがフリーな状態でバルク液中に添加
され沃素イオンの濃度分布の微視的な不均一が生じ、ハ
ロゲン化銀粒子に沃化銀を含むハロゲン化銀相を粒子内
及び粒子間で均一にエピタキシャル成長させることはで
きない。
【0085】また、沃化銀の微粒子を沃素イオン供給源
とする方法では微粒子が溶解しにくくその間にエピタキ
シャルの再溶解が進み、沃素イオン供給をコントロール
しながら迅速に高ヨードのハロゲン化銀含有エピタキシ
ーを形成することはできない。
【0086】本発明の沃素イオン放出剤は特開平2−6
8538号にて部分的に公知であるが、この公開公報に
は沃素イオンの放出を一定条件下で行うことにより、核
形成から粒子成長全体を通じて均一にヨードを含むハロ
ゲン化銀相を形成することを開示する点で本発明とは異
なる。
【0087】言い換えれば特開平2−68538号は沃
素イオン徐放方式であるのに対し、本発明は沃素イオン
の放出を粒子形成中に均一に制御した放出方式である。
【0088】本発明の沃素イオン均一制御放出方式によ
り、あるタイミングで反応容器中のバルク液全体で均一
に迅速に沃素イオンを放出させることが可能となり沃化
銀を含むハロゲン化銀含有エピタキシーを粒子内および
粒子間で均一に形成することにより本発明の目的を実現
することが出来た。
【0089】以下は本発明の乳剤とこれと併用する乳剤
についての説明である。
【0090】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は塩沃化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例
えばロダン銀、硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸
銀、有機酸銀が別粒子として、あるいはハロゲン化銀粒
子の一部分として含まれていてもよい。
【0091】2つ以上のハロゲン化銀が混晶として、あ
るいは構造をもって存在するハロゲン化銀粒子の場合に
粒子間のハロゲン組成分布を制御することが重要であ
る。粒子間のハロゲン組成分布の測定法に関しては特開
昭60−254032号に記載されている。粒子間のハ
ロゲン分布が均一であることは望ましい特性である。特
に変動係数20%以下の均一性の高い乳剤は好ましい。
別の好ましい形態は粒子サイズとハロゲン組成に相関が
ある乳剤である。例として大サイズ粒子ほどヨード含量
が高く、一方、小サイズほどヨード含量が低いような相
関がある場合である。目的により逆の相関、他のハロゲ
ン組成での相関を選ぶことができる。この目的のために
組成の異なる2つ以上の乳剤を混合させることが好まし
い。
【0092】粒子の表面近傍のハロゲン組成を制御する
ことは重要である。表面近傍の沃化銀含量を高くする、
あるいは塩化銀含量を高くすることは、色素の吸着性や
現像速度を変えるので目的に応じて選ぶことができる。
表面近傍のハロゲン組成を変える場合に、粒子全体を包
み込む構造でも、粒子の一部分にのみ付着させる構造の
どちらも選ぶことができる。例えば(100)面と(1
11)面からなる14面体粒子の一方の面のみハロゲン
組成を変える、あるいは平板粒子の主平面と側面の一方
のハロゲン組成を変える場合である。
【0093】本発明の乳剤およびこれと併用する乳剤の
ハロゲン化銀粒子は、双晶面を含まない正常晶でも、日
本写真学会編、写真工業の基礎、銀塩写真編(コロナ
社)、P.163に解説されているような例、たとえば
双晶面を一つ含む一重双晶、平行な双晶面を2つ以上含
む平行多重双晶、非平行な双晶面を2つ以上含む非平行
多重双晶などから目的に応じて選んで用いることができ
る。また形状の異なる粒子を混合させる例は米国特許第
4,865,964号に開示されているが、必要により
この方法を選ぶことができる。正常晶の場合には(10
0)面からなる立方体、(111)面からなる八面体、
特公昭55−42737号、特開昭60−222842
号に開示されている(110)面からなる12面体粒子
を用いることができる。さらに、Journal of
Imaging Science30巻 247ペー
ジ 1986年に報告されているような(211)を代
表とする(h11)面粒子、(331)を代表とする
(hh1)面粒子、(210)面を代表する(hk0)
面粒子と(321)面を代表とする(hk1)面粒子も
調製法に工夫を要するが目的に応じて選んで用いること
ができる。(100)面と(111)面が一つの粒子に
共存する14面体粒子、(100)面と(110)面が
共存する粒子、あるいは(111)面と(110)面が
共存する粒子など、2つの面あるいは多数の面が共存す
る粒子も目的に応じて選んで用いることができる。
【0094】投影面積の円相当直径を粒子厚みで割った
値をアスペクト比と呼び、平板粒子の形状を規定してい
る。アスペクト比が1より大きい平板粒子は本発明に使
用できる。平板粒子は、クリーブ著「写真の理論と実
際」(Cleve,Photography Theo
ry and Practice(1930))、13
1頁;ガトフ著、フォトグラフィク・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff,Photogr
aphic Science and Enginee
ring)、第14巻、248〜257頁(1970
年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および英国特許第2,112,157号な
どに記載の方法により調製することができる。平板粒子
を用いた場合、被覆力が上がること、増感色素による色
増感効率が上がることなどの利点があり、先に引用した
米国特許第4,434,226号に詳しく述べられてい
る。粒子の全投影面積の80%以上の平均アスペクト比
として、1以上100未満が望ましい。より好ましくは
2以上20未満であり、特に好ましくは3以上10未満
である。平板粒子の形状として三角形、六角形、円形な
どを選ぶことができる。米国特許第4,797,354
号に記載されているような六辺の長さがほぼ等しい正六
角形は好ましい形態である。
【0095】平板粒子の円相当径は0.15〜5.0μ
であることが好ましい。平板粒子の厚みとしては0.0
5〜1.0μであることが好ましい。
【0096】平板粒子の占める割合としては好ましく
は、アスペクト比3以上の平板粒子が全投影面積のうち
50%以上より好ましくは80%、特に好ましくは90
%以上である。
【0097】また単分散の平板粒子を用いるとさらに好
ましい結果が得られることがある。単分散の平板粒子の
構造および製造法は、例えば特開昭63−151618
号などの記載に従うが、その形状を簡単に述べると、ハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最小の長
さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長
さの比が、2以下である六角形であり、かつ、平行な2
面を外表面として有する平板ハロゲン化銀によって占め
られており、さらに、該六角形平板ハロゲン化銀粒子の
粒子サイズ分布の変動係数(その投影面積の円換算直径
で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平
均粒子サイズで割った値)が20%以下の単分散性をも
つものである。
【0098】平板粒子の場合には透過型の電子顕微鏡に
より転位線の観察が可能である。転位線を全く含まない
粒子、数本の転位を含む粒子あるいは多数の転位を含む
粒子を目的に応じて選ぶことは好ましい。また粒子の結
晶方位の特定の方向に対して直線的に導入された転位あ
るいは曲った転位を選ぶこともできるし、粒子全体に渡
って導入する、あるいは粒子の特定の部分にのみ導入す
る、例えば粒子のフリンジ部に限定して転位を導入す
る、などのなかから選ぶことができる。転位線の導入は
平板粒子の場合だけでなく正常晶粒子あるいはジャガイ
モ粒子に代表される不定型粒子の場合にも好ましい。こ
の場合にも粒子の頂点、稜などの特定の部分に限定する
ことは好ましい形態である。
【0099】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は欧州特
許第96,727B1号、同64,412B1号などに
開示されているような粒子に丸みをもたらす処理、ある
いは西独特許第2,306,447C2号、特開昭60
−221320号に開示されているような表面の改質を
行ってもよい。
【0100】粒子表面が平坦な構造が一般的であるが、
意図して凹凸を形成することは場合によって好ましい。
特開昭58−106532号、特開昭60−22132
0号に記載されている結晶の一部分、例えば頂点あるい
は面の中央に穴をあける方法、あるいは米国特許第4,
643,966号に記載されているラッフル粒子がその
例である。
【0101】本発明に用いる乳剤の粒子サイズは電子顕
微鏡を用いた投影面積の円相当直径、投影面積と粒子厚
みから算出する粒子体積の球相当直径あるいはコールタ
ーカウンター法による体積の球相当直径などにより評価
できる。球相当直径として0.05ミクロン以下の超微
粒子から、10ミクロンを越える粗大粒子のなかから選
んで用いることができる。好ましくは0.1ミクロン以
上3ミクロン以下の粒子を感光性ハロゲン化銀粒子とし
て用いることである。
【0102】本発明に用いる正常晶の乳剤は粒子サイズ
分布の広い、いわゆる多分散乳剤でも、サイズ分布の狭
い単分散乳剤でも目的に応じて選んで用いることができ
る。サイズ分布を表わす尺度として粒子の投影面積円相
当直径あるいは体積の球相当直径の変動係数を用いる場
合がある。単分散乳剤を用いる場合、変動係数が25%
以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは1
5%以下のサイズ分布の乳剤を用いるのがよい。
【0103】単分散乳剤を粒子数あるいは重量で平均粒
子サイズの±30%以内に全粒子の80%以上が入るよ
うな粒子サイズ分布と規定する場合もある。また感光材
料が目標とする階調を満足させるために、実質的に同一
の感色性を有する乳剤層において粒子サイズの異なる2
種以上の単分散ハロゲン化銀乳剤を同一層に混合または
別層に重層塗布することができる。さらに2種類以上の
多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と多分散乳
剤との組合わせを混合あるいは重層して使用することも
できる。
【0104】本発明の乳剤およびこれと併用する写真乳
剤は、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモン
テル社刊(P.Glafkides,Chemie e
tPhisique Photographique,
Paul Montel,1967)、ダフィン著「写
真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F.Duf
fin,Photographic Emulsion
Chemistry(Focal Press,19
66))、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、
フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman e
t al.,Making and Coating
Photographic Emulsion,Foc
al Press,1964)などに記載された方法を
用いて調製することができる。すなわち、酸性法、中性
法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩
と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合
法、同時混合法、それらの組合わせなどのいずれを用い
てもよい。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる
方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時
混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相
中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコント
ロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。こ
の方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に
近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0105】乳剤調製用の反応容器にあらかじめ沈澱形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同4,301,241号、同
4,150,994号に記載の方法は、場合により好ま
しい。これらは種結晶として用いることもできるし、成
長用のハロゲン化銀として供給する場合も有効である。
後者の場合粒子サイズの小さい乳剤を添加するのが好ま
しく、添加方法として一度に全量添加、複数回に分割し
て添加あるいは連続的に添加するなどのなかから選んで
用いることができる。また表面を改質させるために種々
のハロゲン化銀の粒子を添加することも場合により有効
である。
【0106】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成の大部分
あるいはごく一部分をハロゲン変換法によって変換させ
る方法は米国特許第3,477,852号、同4,14
2,900号、欧州特許第273,429号、同27
3,430号、西独公開特許第3,819,241号な
どに開示されており、有効な粒子形成法である。より難
溶性の銀塩に変換するのに可溶性ハロゲンの溶液あるい
はハロゲン化銀粒子を添加することができる。一度に変
換する、複数回に分割して変換する、あるいは連続的に
変換するなどの方法から選ぶことができる。
【0107】粒子成長の方法として、一定濃度、一定流
速で可溶性銀塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英
国特許第1,469,480号、米国特許第3,65
0,757号、同4,242,445号に記載されてい
るように濃度を変化させる、あるいは流速を変化させる
粒子形成法は好ましい方法である。濃度を増加させる、
あるいは流速を増加させることにより、供給するハロゲ
ン化銀量を添加時間の一次関数、二次関数、あるいはよ
り複雑な関数で変化させることができる。また必要によ
り供給ハロゲン化銀量を減量することも場合により好ま
しい。さらに溶液組成の異なる複数個の可溶性銀塩を添
加する、あるいは溶液組成の異なる複数個の可溶性ハロ
ゲン塩を添加する場合に、一方を増加させ、もう一方を
減少させるような添加方式も有効な方法である。
【0108】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩の溶液を反
応させる時の混合器は米国特許第2,996,287
号、同3,342,605号、同3,415,650
号、同3,785,777号、西独公開特許第2,55
6,885号、同2,555,364号に記載されてい
る方法のなかから選んで用いることができる。
【0109】熟成を促進する目的に対してハロゲン化銀
溶剤が有用である。例えば熟成を促進するのに過剰量の
ハロゲンイオンを反応器中に存在せしめることが知られ
ている。また他の熟成剤を用いることもできる。これら
の熟成剤は銀およびハロゲン化物塩を添加する前に反応
器中の分散媒中に全量を配合しておくことができるし、
ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応
器中に導入することもできる。別の変形態様として、熟
成剤をハロゲン化物塩および銀塩添加段階で独立して導
入することもできる。
【0110】アンモニア、チオシアン酸塩(例えば、ロ
ダンカリ、ロダンアンモニウム)、有機チオエーテル化
合物(例えば、米国特許第3,574,628号、同
3,021,215号、同3,057,724号、同
3,038,805号、同4,276,374号、同
4,297,439号、同3,704,130号、同
4,782,013号、特開昭57−104926号な
どに記載の化合物。)、チオン化合物(例えば特開昭5
3−82408号、同55−77737号、米国特許第
4,221,863号などに記載されている四置換チオ
ウレアや、特開昭53−144319号に記載されてい
る化合物)や、特開昭57−202531号に記載され
ているハロゲン化銀粒子の成長を促進しうるメルカプト
化合物、アミン化合物(例えば特開昭54−10071
7号など)等があげられる。
【0111】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0112】例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖
誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一
あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を
用いることができる。
【0113】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Ph
oto.Japan.No.16.P30(1966)
に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、
また、ゼラチンの加水分解物や酵素分散物も用いること
ができる。
【0114】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選
べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ま
しくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応
じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗
の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、
遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選ん
で用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を
用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを
用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶ
ことができる。
【0115】本発明の乳剤調製法、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピ
タキシャル部分にのみ、あるいは基盤粒子にのみドープ
する方法も選べる。Mg、Ca、Sr、Ba、Al、S
c、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Bi
などを用いることができる。これらの金属はアンモニウ
ム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるい
は6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させる
ことができる塩の形であれば添加できる。例えばCdB
2 、CdCl2 、Cd(NO3 2 、Pb(NO3
2 、Pb(CH3 COO) 2 、K3 [Fe(C
N)6 ]、(NH4 4 [Fe(CN)6 ]、K3 Ir
Cl6 、(NH4 3 RhCl6 、K4 Ru(CN)6
などがあげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、
アコ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシ
ル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選
ぶことができる。これらは金属化合物を1種類のみ用い
てもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いても
よい。
【0116】金属化合物は水またはメタノール、アセト
ンなどの適当な溶媒に溶かして添加するのが好ましい。
溶液を安定化するためにハロゲン化銀水素水溶液(例H
Cl、HBr)あるいはハロゲン化アルカリ(例KC
l、NaCl、KBr、NaBrなど)を添加する方法
を用いることができる。また必要に応じ酸・アルカリな
どを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反応容器
に添加しても粒子形成の途中で加えることもできる。ま
た水溶性銀塩(例えばAgNO3 )あるいはハロゲン化
アルカリ水溶液(例えばNaCl、KBr、KI)に添
加しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加することもで
きる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリとは独立
の溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続して添加
してもよい。さらに種々の添加方法を組み合わせるのも
好ましい。
【0117】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシ
アン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン
酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0118】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セ
レン増感、金増感、パラジウム増感又は貴金属増感、還
元増感の少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程
の任意の工程で施こすことができる。2種以上の増感法
を組み合せることは好ましい。どの工程で化学増感する
かによって種々のタイプの乳剤を調製することができ
る。粒子の内部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表
面から浅い位置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学
増感核を作るタイプがある。本発明の乳剤は目的に応じ
て化学増感核の場所を選ぶことができるが、一般に好ま
しいのは表面近傍に少なくとも一種の化学増感核を作っ
た場合である。
【0119】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess,4th ed,Macmillan,197
7)67−76頁に記載されるように活性ゼラチンを用
いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロー
ジャー、120巻、1974年4月、12008;リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同3,
297,446号、同3,772,031号、同3,8
57,711号、同3,901,714号、同4,26
6,018号、および同3,904,415号、並びに
英国特許第1,315,755号に記載されるようにp
Ag5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃にお
いて硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イ
リジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすること
ができる。貴金属増感において、金、白金、パラジウ
ム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中で
も特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好ま
しい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオ
ーレート、カリウムオーリチシアネート、硫化金、金セ
レナイド等の公知の化合物を用いることができる。パラ
ジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味
する。好ましいパラジウム化合物は、R2 PdX6 また
はR2 PdX4 で表わされる。ここでRは水素原子、ア
ルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わす。Xはハ
ロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃素原子を表わ
す。
【0120】具体的には、K2 PdCl4 、(NH4
2 PdCl6 、Na2 PdCl4 、(NH4 2 PdC
4 、Li2 PdCl4 、Na2 PdCl6 またはK2
PdBr4 が好ましい。金化合物およびパラジウム化合
物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用す
ることが好ましい。
【0121】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同4,266,018号および同4,05
4,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いる
ことができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増
感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザイ
ンデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化
学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するも
のとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改
質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同3,
411,914号、同3,554,757号、特開昭5
8−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化
学」、138〜143頁に記載されている。
【0122】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ま
しいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パラジウ
ム化合物の好ましい範囲は1×10-3〜5×10-7であ
る。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化合物の好
ましい範囲は5×10-2〜1×10-6である。
【0123】本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用す
る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1
×10-5〜5×10-7モルである。
【0124】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物、具体的には、コロイド状金属セレニ
ウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ
尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケトン
類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用いることが
できる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増感ある
いはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場合があ
る。
【0125】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。
【0126】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
選ぶこともできる。また2つ以上の方法を併用すること
もできる。
【0127】還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0128】還元増感剤として第一錫塩、アスコルビン
酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物などが公知である。本発明の還元増
感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いることがで
き、また2種以上の化合物を併用することもできる。還
元増感剤として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチル
アミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ま
しい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件
に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化
銀1モル当り1×10-7〜10-3モルの範囲が適当であ
る。
【0129】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容
器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加
する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性ア
ルカリハライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加
しておき、これらの水溶液を用いてハロゲン化銀粒子を
沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増感剤
の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添加
するのも好ましい方法である。
【0130】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン
化銀等の水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀
等の水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化
剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機
の酸化剤としては、オゾン、過酸化水素およびその付加
物(例えば、NaBO2 ・H2 2 ・3H2 O、2Na
CO3 、3H2 2 、Na4 2 7 、2H2 2 、2
Na2 SO4 ・H2 2 ・2H2 O)、ペルオキシ酸塩
(例えば、K2 2 8 、K2 26 、K2
2 8 )、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2 [Ti
(O2 )C2 4 ]・3H2 O、4K2 SO4 ・Ti
(O2 )OH・SO4 ・2H2 O、Na3 [VO
(O2 )(C2 4 2 ・6H2 O)、過マンガス酸塩
(例えば、KMnO4 )、クロム酸塩(例えば、K2
2 7 )などの酸素酸塩、沃素や臭素などのハロゲン
元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素酸カリウム)、高
原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリ
ウム)およびチオスルフォン酸塩などがある。
【0131】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
などのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロ
ムサクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例
として挙げられる。
【0132】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。
前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ま
しい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす
方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法
のなかから選んで用いることができる。これらの方法は
粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることが
できる。
【0133】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)な
ど;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン
類;たとえばオキサドリンチオンのようなチオケト化合
物;アザインデン類、たとえばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,
3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザイ
ンデン類などのようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた、多くの化合物を加えることができる。たとえ
ば米国特許第3,954,474号、同3,982,9
47号、特公昭52−28660号に記載されたものを
用いることができる。好ましい化合物の一つに特開昭6
3−212932号に記載された化合物がある。かぶり
防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形
成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増
感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応
じて添加することができる。乳剤調製中に添加して本来
のかぶり防止および安定化効果を発現する以外に、粒子
の晶壁を制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶
解性を減少させる、化学増感を制御する、色素の配列を
制御するなど多目的に用いることができる。
【0134】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されることが本発明の効果
を発揮するのに好ましい。用いられる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メ
ロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシア
ニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が
包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チオゾリ
ン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セ
レナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリ
ジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、
即ち、インドレニン核、ベンゾインドレニン核、インド
ール核、ベンゾオキサドール核、ナフトオキサゾール
核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾ
セレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、キノリン核な
どが適用できる。これらの核は炭素原子上に置換基を有
していてもよい。
【0135】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−
ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0136】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同2,97
7,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12,375号、特開昭
52−110,618号、同52−109,925号に
記載されている。
【0137】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0138】増感色素を乳剤中に添加する時期は、これ
まで有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階
であってもよい。もっとも普通には化真増感の完了後塗
布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3,62
8,969号、および同第4,225,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−11
3,928号に記載されているように化学増感に先立っ
て行なうことも出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の
完了前に添加し分光増感を開始することも出来る。更に
また米国特許第4,225,666号に教示されている
ようにこれらの前記化合物を分けて添加すること、即ち
これらの化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残
部を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特
許第4,183,756号に開示されている方法を始め
としてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよ
い。
【0139】添加量は、ハロゲン化銀1モル当り、4×
10-6〜8×10-3モルで用いることができるが、より
好ましいハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜1.2μmの
場合は約5×10-5〜2×10-3モルが有効である。
【0140】本発明で得られるハロゲン化銀乳剤を用い
て製造される感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感
色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層およ
び非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型
的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じで
あるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成
る感色性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感
光材料であり、該感光材料は青色光、緑色光、および赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性層の順に設置される。しかし、目
的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性
層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり
得る。
【0141】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0142】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物が含まれ
ていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含ん
でいてもよい。
【0143】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0144】具体例として支持体から最も遠い側から、
例えば低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性
層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光
性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/R
H/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/
RHの順等に設置することができる。
【0145】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に設
置することもできる。
【0146】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号明細書に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。
【0147】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。
【0148】また、4層以上の場合にも、上記の如く配
列を変えてよい。
【0149】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成、配列を選択することができる。
【0150】本技術に関する感光材料には、前記の種々
の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種
々の添加剤を用いることができる。
【0151】これらの添加剤は、より詳しくはリサーチ
・ディスクロージャー Item17643(1978
年12月)、同 Item 18716(1979年1
1月)および同 Item 307105(1989年
11月)に記載されており、その該当個所を後掲の表に
まとめて示した。
【0152】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD307105 1 化学増感剤 23頁 648 頁右欄 996頁 2 感度上昇剤 同 上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 996右〜998 右 強色増感剤 649 頁右欄 4 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 998右 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649 頁右欄 998右〜1000右 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 1003左〜1003右 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650 頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 1004右〜1005左 10 バインダー 26頁 同 上 1003 右〜1004右 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 1006左〜1006右 12 塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005 左〜1006左 表面活性剤 13 スタチック防止剤 27頁 同 上 1006 右〜1007左 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許第4,411,987号や同
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0153】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII−C〜G、および
同No.307105、VII−C〜Gに記載された特
許に記載されている。
【0154】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同4,022,620号、
同4,326,024号、同4,401,752号、同
4,248,961号、特公昭58−10739号、英
国特許第1,425,020号、同1,476,760
号、米国特許第3,973,968号、同4,314,
023号、同4,511,649号、欧州特許第24
9,473A号、等に記載のものが好ましい。
【0155】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同4,351,897号、
欧州特許第73,636号、米国特許第3,061,4
32号、同3,725,067号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24220(1984年6月)、特開
昭60−33552号、リサーチ・ディスクロージャー
No.24230(1984年6月)、特開昭60−4
3659号、同61−72238号、同60−3573
0号、同55−118034号、同60−185951
号、米国特許第4,500,630号、同第4,54
0,654号、同第4,556,630号、国際公開W
O88/04795号に記載のものが特に好ましい。
【0156】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。
【0157】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
第2,102,137号、欧州特許第341,188A
号に記載されている。
【0158】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0159】発色色素が不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643のVII−G項、同No.307105
のVII−G項、米国特許第4,163,670号、特
公昭57−39413号、米国特許第4,004,92
9号、同第4,138,258号、英国特許第1,14
6,368号に記載のものが好ましい。また、米国特許
第4,774,181号に記載のカップリング時に放出
された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正するカ
プラーや、米国特許第4,777,120号に記載の現
像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー基
を離脱基として有するカプラーを用いることも好まし
い。
【0160】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。
現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD1
7643、VII−F項及び同No.307105、V
II−F項に記載された特許、特開昭57−15194
4号、同57−154234号、同60−184248
号、同63−37346号、同63−37350号、米
国特許第4,248,962号、同第4,782,01
2号に記載されたものが好ましい。
【0161】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同2,131,188号、特開昭59−
157638号、同59−170840号に記載のもの
が好ましい。また、特開昭60−107029号、同6
0−252340号、特開平1−44940号、同1−
45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反
応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤
等を放出する化合物も好ましい。
【0162】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、RD.No.
11449、同24241、特開昭61−201247
号等に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第4,
555,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特
開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放出する
カプラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍
光色素を放出するカプラーが挙げられる。
【0163】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
【0164】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.
18716の651左欄〜右欄、および同No.307
105の880〜881頁に記載された通常の方法によ
って現像処理することができる。
【0165】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は米
国特許第4,500,626号、特開昭60−1334
49号、同59−218443号、同61−23805
6号、欧州特許第210,660A2号などに記載され
ている熱現像感光材料にも適用できる。
【0166】本発明のハロゲン化銀感光材料は、特公平
2−32615号、実公平3−39784号などに記載
されているレンズ付フィルムユニットに適用した場合
に、より効果を発現し易く有効である。
【0167】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 平板沃臭化銀乳剤 (1)乳剤の調製 平板状臭化銀ホスト乳剤1−A ゼラチン8g及びKBr5gを含む水溶液1200cc
を60℃で攪拌し、AgNO3 (9.7g)水溶液とK
Br(7g)水溶液をダブルジェトで添加した。ゼラチ
ン40gを追添した後75℃に昇温した。pAgを8.
2に調整した後AgNO3 (130g)水溶液とKBr
水溶液を流量を加速しながら(終了時の流量が開始時の
2倍)添加した。この時pAgは8.2に保った。
【0168】この後乳剤を35℃に冷却し、常法のフロ
キュレーション法で水洗し、ゼラチン50gを加え、p
H5.5、pAg8.2に調整した。得られた乳剤は平
均円相当径1.3μm、平均厚み0.2μmの平板状粒
子であり、アスペクト比4以上の粒子を全投影面積の8
0%含有していた。
【0169】平板状沃臭化銀乳剤1−B(比較乳剤) AgNO3 で82gに相当する臭化銀を含む乳剤1−A
を水975ccに添加して溶解し、温度を40℃、pA
gを9.7、pHを5.6に保った。その後KI(3.
4g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加し
た。得られた乳剤はアスペクト比4以上の平板状粒子を
80%含有していた。以下の平板乳剤についても同様で
あった。
【0170】平板状沃臭化銀乳剤1−C(比較乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加するか
わりに、10分間かけて一定流量で添加した。
【0171】平板状沃臭化銀乳剤1−D(比較乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加するか
わりに、20分間かけて一定流量で添加した。
【0172】平板状沃臭化銀乳剤1−E(比較乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加するか
わりに、あらかじめ別に調製したAgNO3 (3.5
g)に相当する平均粒子サイズ0.02μmの沃化銀微
粒子乳剤を添加し、20分間で溶解させた。
【0173】平板状沃臭化銀乳剤1−F(本発明乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加するか
わりに、2−ヨードエタノール(5.6cc)を添加し
た後、0.1NのNaOH水溶液を一定流量で5分間添
加し、バルク液(反応液)のpHを5.6から10.0
に上げ、5分間保持した後、5.6に戻した。沃素イオ
ン放出量はKI(3.4g)に相当する。
【0174】平板状沃臭化銀乳剤1−G(本発明乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加するか
わりに、2−ヨードアセトアミド(3.8g)水溶液を
添加した後、亜硫酸ナトリウム(3.9g)水溶液を一
定流量で5分間添加し、pHが8.0の状態で5分間保
持した後、5.6に戻した。沃素イオン放出量はKI
(3.4g)に相当する。
【0175】平板状沃臭化銀乳剤1−H(本発明乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液188ccを5分間、一定流量で添加するか
わりに、P−ヨードアセトアミドベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(7.4g)水溶液をを添加した後、亜硫酸ナ
トリウム(3.9g)水溶液を5分間一定流量で添加
し、pHを8.0で5分間保持した後、5.6に戻し
た。沃素イオン放出量はKI(3.4g)に相当する。
【0176】平板状沃臭化銀乳剤1−I(比較乳剤) 下記以外は乳剤1−Bと同様に調製した。KI(3.4
g)水溶液を一定流量で添加するかわりに、液pHが
5.6のバルク液にヨード酢酸(37.2g)水溶液を
を添加した。この間バルク液のpH調節は行わなかっ
た。沃素イオン放出量はKI(3.4g)に相当する。 (2)乳剤の評価 乳剤1−B〜1−Iについてそれぞれ500粒子を通常
のカーボンレプリカ法電子顕微鏡写真により観察し、平
板粒子のエッジ部のみにエピタキシャル成長を有する粒
子(エッジエピタキシー型粒子)と主平面部にもエピタ
キシャル成長を有する粒子(主平面エピタキシー型粒
子)に分類しその割合を求めた。
【0177】得られた結果を表1に示す。
【0178】
【表1】 表1から明らかなように本発明により平板状粒子のエッ
ジ部に実質的に限定して沃化銀含有ハロゲン化銀エピタ
キシーを形成することが可能となった。
【0179】
【発明の効果】本発明により不均一な粒子(主平面エピ
タキシー型粒子)をつくることなく平板粒子のエッジ部
に実質的に限定して沃化銀含有ハロゲン化銀エピタキシ
ーを形成することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【化5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスペクト比が2以上の平板状ハロゲン
    化銀粒子をホスト粒子として、このホスト粒子のエッジ
    部に実質的に限定された沃化銀含有ハロゲン化銀エピタ
    キシーを形成したエピタキシャルハロゲン化銀粒子を全
    ハロゲン化銀粒子の撮影面積の50%以上含有するハロ
    ゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 沃素イオン放出剤から沃素イオンの放出
    を調節することにより形成されたエピタキシーを有する
    請求項1記載のハロゲン化銀乳剤。
JP17155392A 1992-06-08 1992-06-08 ハロゲン化銀乳剤 Pending JPH05341418A (ja)

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