JP2774909B2 - ハロゲン化銀カラー反転写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー反転写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、更に詳しくはインターイメージ効果が大きく
かつ現像処理要因の変動に対する依存性の小さいハロゲ
ン化銀カラー反転写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー反転写真感光材料の画質への要求
は常に他の性能の要求に増して強いものであるが、画質
の主な要素としては粒状、鮮鋭度及び色再現があり、こ
のうち鮮鋭度及び色再現の向上にはインターイメージ効
果向上技術が従来から検討されてきている。
【0003】インターイメージ効果については、例え
ば、ハンソン(Hanson)他著、“ジャーナル・オ
ブ・ジ・オプティカル・ソサエティ・オブ・アメリカ
(Journal of the Optical S
ociety of America)”、第42巻、
第663頁〜669頁、およびA・ティールズ(A・T
hiels)著、“ツアイトシュリフト・フュル・ヴイ
ッセンシャフトリッヒェ・フォトグラフィー・フォトフ
ィジーク・ウント・フォトヒエミ−(Zeitschr
ift fur Wissenschaftliche
Photographie,Photophysiq
ue und Photochemie)、第47巻、
第106頁〜第118頁および246頁〜255頁に記
載されている。
【0004】インターイメージ効果向上手段としては、
下記の技術が知られている。
【0005】米国特許第3,536,486号には、拡
散性の4−チアゾリン−2−チオンを、露光したカラー
反転写真要素に導入することにより、また、米国特許第
3,536,487号には、拡散性の4−チアゾリン−
2−チオンを未露光のカラー反転写真要素に導入して、
好ましいインターイメージ効果を得る方法が記載されて
いる。
【0006】また、特公昭48−34169号には、カ
ラー写真感光材料を現像してハロゲン化銀を銀に還元す
る際、N−置換−4−チアゾリン−2−チオン化合物を
存在させることにより、著しいインターイメージ効果が
現われることが記載されている。
【0007】またカラー反転写真要素のシアン層とマゼ
ンタ層との間に、コロイド状銀含有層を設けて好ましい
インターイメージ効果を得ることは、リサーチ・ディス
クロージャー(Research Disclosur
e)、No.131、第13116頁(1975年)に
記載がある。
【0008】さらに、米国特許第4,082,553号
には、現像中に沃素イオンの移動が可能な層配置のカラ
ー反転感光材料において、その内の一層に潜像形成性の
沃化銀粒子を含み、他の一層に潜像形成性ハロゲン化銀
粒子と、像露光とは無関係に現像しうるように表面をか
ぶらせたハロゲン化銀粒子とを含むことにより、良好な
インターイメージ効果を得る方法が記載されている。
【0009】また、特開昭62−11854号には5−
メルカプト−1,3,4−チアゾール系化合物によって
インターイメージ効果を向上させる技術が開示されてい
る。
【0010】カラーネガフィルムではいわゆるDIRカ
プラーを用いる方法が知られている。これはカラー感光
材料のカラー現像時に、色素形成に伴いカプラーから現
像抑制剤が放出され、その現像抑制剤の濃度差によりイ
ンターイメージ効果を出し、鮮鋭度を向上させる技術で
ある。この方法はカラー現像時にしか効果が出せないた
めカラーネガティブフィルムやカラーペーパー等のカラ
ー感光材料には適応できるが、画像形成の主なプロセス
が白黒現像時に行なわれるカラーリバーサルフィルムや
カラーリバーサルペーパー等のカラー感光材料や白黒写
真材料に対してその効果は期待できない。
【0011】現像時のインターイメージ効果を白黒現像
時に得る技術として、現像により現像抑制剤を放出する
DIR−ハイドロキノンが知られている(米国特許第
3,364,022号、同第3,379,529号、特
開昭50−62435号、同50−133833号、同
51−51941号、同50−119631号、同52
−57828号、同62−103639号、同62−2
51746号)。
【0012】特開昭64−546号には、ハロゲン化銀
を含有しない親水性コロイド層にDIR−ハイドロキノ
ンを含有するハロゲン化銀写真感光材料を黒白現像工程
を含む処理に供することにより、鮮鋭度と粒状性を改良
した画像形成方法が記載されている。
【0013】しかし、このようなメルカプト系化合物、
トリアゾール系化合物、ベンゾチアゾリウム系化合物な
どやDIR−ハイドロキノン類などを用いてインターイ
メージ効果を向上させる方法には、現像処理要因の変動
に対する依存性を増大させるという欠点があった。
【0014】ここでいう現像処理要因の変動とは、カラ
ー反転処理では第1現像(黒白現像)の組成の変動によ
るものが主なものであり、又、温度、撹拌などの条件で
も変動するものであるが、処理量の増減、現像所の管理
状態たとえば補充液補充量、処理液蒸発量などによって
変動するものであり、具体的に例を挙げれば第1現像液
のpHの変動、臭化カリウム量の変動、チオシアン酸カ
リウムの変動などがある。
【0015】こうした変動に対して依存性が大きいとい
う常に一定の品質で写真を仕上げることが難しくなり、
問題である。したがって、インタイメージ効果を向上さ
せながら、こうした現像処理要因の変動を受けにくい感
光材料が望まれていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の課
題はインターイメージ効果が大きくかつ現像処理要因の
変動に対する依存性の小さいカラー反転写真感光材料を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の手段により達成された。
【0018】(1)支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤
層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化
銀乳剤層のそれぞれ少なくとも一層を有するハロゲン化
銀カラー写真感光材料において、沃素イオン放出剤の存
在下で沃素イオン放出を調節することにより沃化銀を含
むハロゲン化銀相を形成したハロゲン化銀乳剤を含有す
る感光性乳剤層を有し、かつ、少なくとも一層の親水性
コロイド層に下記化6に示す一般式(I−I)、下記化
7に示す一般式(I−II)、及び下記化8に示す一般式
(I−III)で表わされる化合物の少なくとも1種を含有
することを特徴とするハロゲン化銀カラー反転写真感光
材料。
【0019】
【化6】 一般式(I−I)中、M1 は水素原子、陽イオン又はア
ルカリで開裂するメルカプト基の保護基を表わし、Qは
−C=N−とともに5員ないし6員の複素環を形成する
のに要する原子群を表わす。Rは、直鎖または分岐のア
ルキレン基、直鎖または分岐のアルケニレン基、直鎖ま
たは分岐のアラルキレン基、またはアリーレン基を表わ
し、Zは極性置換基を表わす。Yは直結可能な2価の基
を表わし、R″は水素原子またはこれを置換可能な基を
表わす。nは0または1を表わし、mは0、1または2
を表わす。
【0020】
【化7】 一般式(I−II)中、R200 は未置換又は置換されたア
ルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、
複素環基を表わし、VはO、S、Se、又はNR
201 (R201 はアルキル基、アラルキル基、アルケニル
基、アリール基、複素環基を表わし、R200 と同じでも
異なっていてもよい)を表わす。Q1 はV、CおよびN
とともに5〜6員の複素環を形成するのに必要な原子群
を表わし、この複素環はさらに縮合されていてもよい。
【0021】
【化8】 一般式(I−III)中、Y1 およびZ1 は、それぞれ独立
に、メチン、置換メチン、または窒素原子のずれかを表
わし、Q2 はN、Y1 およびZ1 とともに5ないし6員
の複素環を形成するのに必要な原子群を表わし、この複
素環は更に縮合されていてもよい。M2 は、水素原子、
またはアルカリ金属陽イオン、アンモニウムイオン等の
陽イオンを表わす。
【0022】(2)下記化9に示される式(II−I)で
表わされる沃素イオン放出剤を用いる上記(1)記載の
ハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
【0023】
【化9】 式(II−I)中、Xは沃素原子を表わし、R111 、R
112 、R113 は水素原子または置換可能な基を表わし、
またR111 、R112 、R113 は互いに連結し炭素環また
は複素環を形成してもよく、iは1〜5を表わす。
【0024】(3)支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤
層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化
銀乳剤層のそれぞれ少なくとも一層を有するハロゲン化
銀カラー反転写真感光材料において、沃素イオン放出剤
の存在下で沃素イオン放出を調節することにより沃化銀
を含むハロゲン化銀相を形成したハロゲン化銀乳剤を含
有する感光性乳剤層を有し、かつ、少なくとも一層の親
水性コロイド層に下記一般式(III−I)で表わされる化
合物の少なくとも1種を含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー反転写真感光材料。 一般式(III−I) A−(L)j −(G)k −(Time)t −DI 式中Aは酸化還元母核又はその前躯体を表わし、写真現
像処理中に酸化されることによってはじめて−(L)j
−(G)k −(Time)t −DIが離脱することを可
能ならしめる原子団を表わす。TimeはAの酸化体よ
り離脱した後DIを放出する基を表わし、DIは現像抑
制剤残基を表わす。Lは二価の連結基を表わし、Gは分
極しうる基を表わす。j、k、tはそれぞれ0または1
を表わす。
【0025】(4)上記式(II−I)で表わされる沃素
イオン放出剤を用いる上記(3)記載のハロゲン化銀カ
ラー反転写真感光材料。
【0026】以下本発明を詳細に説明する。
【0027】本発明は、少なくとも一層の親水性コロイ
ド層に前記一般式(I−I)、(I−II)及び(I−II
I)で表わされる化合物の少なくとも1種を含有する。
【0028】一般式(I−I)について、更に詳しく説
明する。
【0029】一般式(I−I)において、M1 は水素原
子、陽イオン又はアルカリで開裂するメルカプト基の保
護基を表わし、Qは−C=N−とともに5員ないし6員
の複素環を形成するのに要する原子群を表わす。この複
素環は置換基を有していてもよく、また縮合されていて
もよい。更に詳しく説明すると、M1 は水素原子、陽イ
オン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、アン
モニウムイオン)またはアルカリで開裂するメルカプト
基の保護基(例えば−COR′、−COOR′、−CH
2 CH2 COR′。但し、R′は例えば水素原子、アル
キル基、アラルキル基、アリール基を表す)を表す。
【0030】Qが形成する複素環はヘテロ原子として例
えば硫黄原子、セレン原子、窒素原子、酸素原子を含む
ものであり、縮合されていてもよい。5員ないし6員の
複素環としては、例えば、テトラゾール、トリアゾー
ル、イミダゾール、オキサゾール、チアジアゾール、ピ
リジン、ピリミジン、トリアジン、アザベンズイミダゾ
ール、プリン、テトラアザインデン、トリアザインデ
ン、ペンタアザインデン、ベンズトリアゾール、ベンズ
イミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾー
ル、ベンズセレナゾール、ナフトイミダゾールがある。
【0031】Rは、直鎖または分岐のアルキレン基、直
鎖または分岐のアルケニレン基、直鎖または分岐のアラ
ルキレン基、またはアリーレン基を表わす。Yは−S
−、−O−、−(R1 )N−、−CO−N(R2 )−、
−(R3 )N−CO−、−SO2 N(R4 )−、−(R
5 )NSO2 −、−COO−、−OCO−、−CO−、
−(R6 )NCON(R7 )−、−(R8 )N−C(=
S)−N(R9 )−または−(R10)N−COO−を表
わし、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R
8 、R9 及びR10は例えば、水素原子またはそれぞれ置
換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アラルキル基を表わす。
【0032】R″は水素原子またはこれを置換可能な基
を表わす。nは0または1を表わし、mは0、1または
2を表わす。
【0033】Zで表わされる極性置換基としては、例え
ば、置換もしくは無置換のアミノ基、四級アンモニウム
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、スルホニル基、カルバモイル基、
スルファモイル基、ウレイド基チオウレイド基、複素環
基、ヒドロキシ基が挙げられる。
【0034】下記化10〜18に、一般式(I−I)で
表わされる化合物のうち好ましい具体例を示すが、これ
らに限定されるものではない。
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】 次に、一般式(I−II)について、更に詳しく説明する
と、同式中、R200 は未置換又は置換されたアルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環
基を表わし、VはO、S、Se、又はNR201 (R201
はアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール
基、複素環基を表わし、R200 と同じでも異なっていて
もよい)を表わす。Q1 はV、CおよびNとともに5〜
6員の複素環を形成するのに必要な原子群を表わし、こ
の複素環はさらに縮合されていてもよい。
【0044】R200 、R201 で表わされるアルキル基
は、好ましくは炭素原子1〜20を有し、置換されたも
のも含む。置換基の例としはハロゲン原子(例えば塩素
原子)、シアノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、炭素
数2〜6のアシルオキシ基(例えばアセトキシ基)、炭
素数2〜22のアルコキシカルボニル基(例えばエトキ
シカルボニル基、ブトキシカルボニル基)、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、スルホ基、アミノ基、置換ア
ミノ基がある。有利なアルキル基は、例えば、メチル、
エチル、プロピル(n−又はiso−)、ブチル(n
−、iso−又はt−)、アミル(分岐を有してよい。
以下同じ)、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ペンタデ
シル、ヘプタデシル、クロロメチル、2−クロロエチ
ル、2−シアノエチル、カルボキシメチル、2−カルボ
キシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−アセトキシエ
チル、アセトキシメチル、エトキシカルボニルメチル、
ブトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエ
チル、ベンジル、o−ニトロベンジル、p−スルホベン
ジルである。
【0045】R200 、R201 で表わされるアラルキル基
は、例えばベンジル、フェネチルである。
【0046】R200 、R201 で表わされるアルケニル基
は、例えばアリルである。
【0047】R200 、R201 で表わされるアリール基は
単環又は二環、好ましくは単環のアリール基であって、
置換されたものも含む。置換基には例えば、炭素数1〜
20のアルキル基(例えばメチル、エチル、ノニル)、
炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子)、カルボキシ基、スルホ基がある。アリ
ール基の具体例は例えばフェニル、p−トリル、p−メ
トキシフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−クロロ
フェニル、2,5−ジクロロフェニル、p−カルボキシ
フェニル、o−カルボキシフェニル、4−スルホフェニ
ル、2,4−ジスルホフェニル、2,5−ジスルホフェ
ニル、3−スルホフェニル、3,5−ジスルホフェニル
である。
【0048】Q1 によって形成される5員又は6員の複
素環は例えば、チアゾリン環、チアゾリジン環、セレゾ
リン環、オキサゾリン環、オキサゾリジン環、イミダゾ
リン環、イミダゾリジン環、1,3,4−チアジアゾリ
ン環、1,3,4−オキサジアゾリン環、1,3,4−
トリアゾリン環、テトラゾリン環、ピリミジン環であ
る。これらの複素環はそれらに5〜7員の炭素環又は複
素環が縮合したものをも勿論包含する。即ち、例えばベ
ンゾチアゾリン核、ナフトチアゾリン核、ジヒドロナフ
トチアゾリン核、テトラヒドロベンゾチアゾリン核、ベ
ンゾセレナゾリン核、ベンズオキサゾリン核、ナフトオ
キサゾリン核、ベンズイミダゾリン核、ジヒドロイミダ
ゾロピリミジン核、ジヒドロトリアゾロピリジン核、ジ
ヒドロトリアゾロピリミジン核が包含される。
【0049】これらの縮合複素環の核上には、種々の置
換基を有することができる。前に、R200 、R201 で表
わされるアリール基の置換基として挙げたもの以外に、
アルキルチオ基(例えば、エチルチオ)、無置換または
置換アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ベンジルアミノ、アニリノ)、アシルアミノ基(例
えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホン
アミド基(例えば、メタンスルホンアミド、p−トルエ
ンスルホンアミド)、チオアミド基(例えば、プロピオ
ニルチオアミド)、炭素数2〜20のアルケニル基(例
えば、アリル)、アルキル部分の炭素数1〜4のアラル
キル基(例えば、ベンジル)、シアノ基、カルバモイル
基(置換されたものも包含し、例えばメチルカルバモイ
ル)、炭素数2〜22のアルコキシカルボニル基(例え
ば、ブトキシカルボニル)、炭素数2〜22のアルキル
カルボニル基(例えば、カプロイル)である。
【0050】前記アルキル基は更に、例えば、カルボキ
シル基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アシルオ
キシ基、アリール基で置換されている場合も含まれる。
【0051】上記の化合物は例えば特公昭48−341
69号、薬学雑誌74号1365頁〜1369頁(19
54年)、特公昭49−23368号、Beilste
inXII・394頁、同IV・121頁、特公昭47−1
8008号に記載された方法によって合成することがで
きる。
【0052】下記化19〜化21に、一般式(I−II)
で表わされる化合物のうち、好ましい具体例を挙げる
が、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】 一般式(I−III)について、更に詳しく説明すると、Y
1 およびZ1 はそれぞれ独立に、メチン、置換メチン、
または窒素原子のいずれかを表わし、Q2 はN、Y1
よびZ1 とともに5ないし6員の複素環を形成するのに
必要な原子群を表わし、これらの環は更に縮合されてい
てもよい。M2 は、水素原子またはアルカリ金属陽イオ
ン、アンモニウムイオン等の陽イオンを表わす。
【0056】Q2 によって形成される環としては、例え
ばトリアソール、テトラゾール、イミダゾール、オキサ
ゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、トリ
アジン、アザベンズイミダゾール、プリン、テトラアザ
インデン、トリアザインデン、ペンタアザインデン、ベ
ンズトリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサ
ゾール、ベンズチアゾール、ベンズセレナゾール、イン
ダゾール、ナフトイミダゾールがある。
【0057】これらの複素環は更に例えばアルキル基
(例えばメチル、エチル、n−ヘキシル、ヒドロキシエ
チル、カルボキシエチル)、アルケニル基(例えばアリ
ル)、アラルキル基(例えばベンジル、フェネチル)、
アリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−アセトア
ミドフェニル、p−カルボキシフェニル、m−ヒドロキ
シフェニル、p−スルファモイルフェニル、p−アセチ
ルフェニル、o−メトキシフェニル、2,4−ジエチル
アミノフェニル、2,4−ジクロロフェニル)、アルキ
ルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ブチル
チオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチ
ルチオ)、アラルキルチオ基(例えばベンジルチオ)で
置換されていてもよい。またとくに縮合環上には、上記
の置換基のほかに、例えばニトロ基、アミノ基、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、スルホ基が置換されてもよ
い。
【0058】下記化22〜化24に一般式(I−III)で
表わされる化合物のうち、好ましい具体例を以下に示す
が、これらに限定されるものではない。
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】 本発明の一般式(I−I)、(I−II)および(I−II
I)で表わされる化合物は、通常、本発明のハロゲン化銀
乳剤と同一層内において用いられるが非感光性親水性コ
ロイド層に用いられてもよい。その使用量は、一般的に
は本発明のハロゲン化銀1モル当り10-6〜10-1
ル、好ましくは10-5〜10-2モルの範囲である。
【0062】本発明の一般式(I−I)〜(I−III)で
表わされる化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以
上併用することもできる。
【0063】一般式(I−I)〜(I−III)で表わされ
る化合物と、上記のハロゲン化銀乳剤を混合する場合に
は、前記の化合物が専らハロゲン化銀乳剤粒子表面に吸
着されるようにすることが望ましい。したがってハロゲ
ン化銀乳剤を赤感性、緑感性、あるいは青感性の感光性
ハロゲン化銀乳剤層中に含有させる場合は、ハロゲン化
銀乳剤に本発明の化合物を予め加えておくことが好まし
いが、塗布直前に本発明の化合物を、ハロゲン化銀乳剤
を含有する塗布液に添加してもよい。また、本発明の一
般式で(I−I)、(I−II)および/または(I−II
I)で表わされる化合物は、ハロゲン化銀乳剤の粒子形成
時に加えてもよい。
【0064】本発明の一般式(I−I)〜(I−III)で
表わされる化合物のうち、特に好ましいのは、一般式
(I−I)及び(I−II)で表わされる化合物である。
【0065】次に本発明における一般式(III −I)で
示される化合物について詳しく以下に述べる。
【0066】Aで示される酸化還元母核としては、Ke
ndall−Pelz則に従うもので、例えばハイドロ
キノン、カテコール、p−アミノフェノール、o−アミ
ノフェノール、1,2−ナフタレンジオール、1,4−
ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、
1,2−アミノナフトール、1,4−アミノナフトー
ル、1,6−アミノナフトール、没食子酸エステル、没
食子酸アミド、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、ピラ
ゾリドンまたはレダクトンが挙げられる。
【0067】これらの酸化還元母核の有するアミノ基は
炭素数1〜25のスルホニル基、または炭素数1〜25
のアシル基で置換されていることが好ましい。スルホニ
ル基としては置換または無置換の脂肪族スルホニル基、
あるいは芳香族スルホニル基が挙げられる。またアシル
基としては置換または無置換の脂肪族アシル基あるいは
芳香族アシル基が挙げられる。Aの酸化還元母核を形成
する水酸基またはアミノ基は、現像処理時に脱保護可能
な保護基で保護されていてもよい。保護基の例として
は、炭素数1〜25のもので、例えばアシル基、アルコ
キシカルボニル基、カルバモイル基、さらに特開昭59
−197037号、特開昭59−201057号に記載
されている保護基が挙げられる。さらにこの保護基は、
可能な場合は以下に述べるAの置換基と互いに結合し
て、5、6あるいは7員環を形成してもよい。
【0068】Aで表わされる酸化還元母核は置換可能な
位置が置換基で置換されていてもよい。これら置換基の
例としては、炭素数25以下のもので、例えばアルキル
基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、
スルホンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウ
レイド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、
スルファモイル基、スルホニル基、シアノ基、ハロゲン
原子、アシル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ
基、複素環基または−(L)j −(G)k −(Tim
e)t −DIなどが挙げられる。これらの置換基はさら
に以上述べた置換基で置換されていてもよい。またこれ
らの置換基は、それぞれ可能な場合は、互いに結合して
飽和あるいは不飽和の炭素環、または飽和あるいは不飽
和のヘテロ環を形成してもよい。
【0069】Aの好ましい例としては、ハイドロキノ
ン、カテコール、p−アミノフェノール、o−アミノフ
ェノール、1,4−ナフタレンジオール、1,4−アミ
ノナフトール、没食子酸エステル、没食子酸アミド、ヒ
ドラジンなどが挙げられる。Aとしてさらに好ましく
は、ハイドロキノン、カテコール、p−アミノフェノー
ル、o−アミノフェノール、ヒドラジンであり、最も好
ましくはハイドロキノン及びヒドラジンである。
【0070】Lは2価の連結基を表わし、好ましくはア
ルキレン、アルケニレン、アリーレン、オキシアルキレ
ン、オキシアリーレン、アミノアルキレンオキシ、アミ
ノアルケニレンオキシ、アミノアリーレンオキシおよび
酸素原子が挙げられる。
【0071】Gは酸性基を表わし、好ましくは−CO
−、−CO−CO−、−CS−、−SO−、−SO
2 −、−P(=O)(OR21)−または−C(=N
22)−である。ここで、R21はアルキル基、アリール
基、または複素環基であり、R22は水素原子またはR21
と同義である。Gとして好ましくは−CO−、−CO−
CO−、−P(=O)(OR21)−または−C(=NR
22)−であり、さらに好ましくは−CO−、−CO−C
O−であり、最も好ましくは−CO−である。
【0072】j、kは0又は1であり、Aの種類によっ
てどちらが好ましいかは異なる。例えばAがハイドロキ
ノン、カテコール、アミノフェノール、ナフタレンジオ
ール、アミノナフトール、没食子酸類の場合、j=0が
好ましく、より好ましくはj=k=0である。
【0073】Aがヒドラジン、ヒドロキシルアミンの場
合は、j=0、k=1が好ましく、Aがピラゾリドンの
場合j=k=1が好ましい。
【0074】−(Time)t −DIは一般式(III −
I)においてAで表わされる酸化還元母核が現像時クロ
ス酸化反応をおこし酸化体となった時はじめて[−(T
ime)t −DI]- として放出される基である。
【0075】Timeは硫黄原子、窒素原子、酸素原子
またはセレン原子でGに連結する場合が好ましい。
【0076】Timeはその後さらにDIを放出しうる
基を表わし、タイミング調節機能を有してもよく、また
さらに現像主薬酸化体と反応してDIを放出するカプラ
ー、あるいは酸化還元基であってもよい。
【0077】Timeがタイミング調節機能を有する基
である場合、例えば米国特許第4,248,962号、
同第4,409,323号、英国特許第2,096,7
83号、米国特許第4,146,396号、特開昭51
−146828号、特開昭57−56837号などに記
載されているものが挙げられる。Timeとしては、これら
に記載されているものから選ばれる二つ以上の組み合わ
せでも良い。
【0078】タイミング調節基の好ましい例としては、
以下のものが挙げられる。
【0079】(1) ヘミアセタールの開裂反応を利用する
基 例えば、米国特許第4,146,396号、特開昭60
−249148号及び同60−249149号に記載が
あり、下記化25に示される式(T−1)で表わされる
基である。ここに*印は一般式(III −I)において左
側に結合する位置を表わし、**印は一般式(III −I)
において右側に結合する位置を表わす。
【0080】
【化25】 式(T−1)中、Wは酸素原子、イオウ原子または−N
(R67)−基を表わし、R65およびR66は水素原子また
は置換基を表わし、R67は置換基を表わし、tは1また
は2を表わす。tが2のとき2つの−W−C(R65
(R66)−は同じものもしくは異なるものを表わす。R
65およびR66が置換基を表わすときおよびR67の代表的
な例は各々R69基、R69CO−基、R69SO2 −基、N
(R69)(R70)CO−基またはN(R69)(R70)S
2 −基が挙げられる。ここでR69は脂肪族基、芳香族
基または複素環基を表わし、R70は脂肪族基、芳香族
基、複素環基または水素原子を表わす。R65、R66およ
びR67の各々は2価基を表わし、連結し、環状構造を形
成する場合も包含される。
【0081】(2) 分子内求核置換反応を利用して開裂反
応を起こさせる基 例えば米国特許第4,248,962号に記載のあるタ
イミング基が挙げられ、下記式(T−2)で表わすこと
ができる。
【0082】式(T−2) *−Nu−Link−E−** 式(T−2)中、*印は一般式(III −I)において左
側に結合する位置を表わし、**印は一般式(III −
I)において右側に結合する位置を表わし、Nuは求核
基を表わし、酸素原子またはイオウ原子が求核基の例で
あり、Eは求電子基を表わし、Nuより求核攻撃を受け
て**印との結合を開裂できる基でありLinkはNu
とEとが分子内求核置換反応することができるようにこ
れらを立体的に関係づける連結基を表わす。
【0083】(3) 共役系に沿った電子移動反応を利用し
て開裂反応を起こさせる基 例えば米国特許第4,409,323号または同4,4
21,845号に記載があり、下記化26に示される式
(T−3)で表わされる基である。
【0084】
【化26】 式(T−3)中、*印、**印、W、R65、R66および
tは式(T−1)について説明したのと同じ意味を表わ
す。
【0085】(4) エステルの加水分解による開裂反応を
利用する基 例えば西独公開特許第2,626,315号に記載のあ
る連結基であり、下記化27に示される式(T−4)、
(T−5)で表されるものが挙げられる。
【0086】
【化27】 式(T−4)、(T−5)中、*印および**印は式
(T−1)について説明したのと同じ意味である。
【0087】(5) イミノケタールの開裂反応を利用する
基 例えば米国特許第4,546,073号に記載のある連
結基であり、下記化28に示される式(T−6)で表わ
される基である。
【0088】
【化28】 式(T−6)中、*印、**印およびWは式(T−1)
において説明したのと同じ意味であり、R68はR67と同
じ意味を表わす。
【0089】Timeで表わされる基が、カプラーある
いは酸化還元基である例としては、以下のものが挙げら
れる。
【0090】カプラーとしては、例えばフェノール型カ
プラーの場合では、水酸基の水素原子を除いた酸素原子
において一般式(III −I)のGと結合しているもので
ある。また、5−ピラゾロン型カプラーの場合には、5
−ヒドロキシピラゾールに互変異性した型のヒドロキシ
基より水素原子を除いた酸素原子においてGを結合して
いるものである。これらは各々Gより離脱してはじめて
カプラーとして機能し、現像主薬酸化体と反応して、そ
れらのカップリング位に結合したDIを放出する。
【0091】Timeがカプラーである場合の好ましい
例としては、下記化29に示される式(Cp−1)〜
(Cp−4)で表されるものが挙げられる。
【0092】
【化29】 これら式中、V1 およびV2 は置換基を表わし、V3
4 、V5 およびV6は窒素原子または置換もしくは無
置換のメチン基を表わし、V7 は置換基を表わし、xは
0ないし4の整数を表わし、xが複数のときV7 は同じ
ものまたは異なるものを表わし、2つのV7 が連結して
環状構造を形成してもよい。V8 は−CO−基、−SO
2 −基、酸素原子または置換イミノ基を表わし、V9
5員ないし8員環を構成するための非金属原子群を表わ
し、V10は水素原子または置換基を表わす。ここに*印
は一般式(III −I)において左側に結合する位置を表
わし、**印は一般式(III −I)において右側に結合す
る位置を表わす。
【0093】一般式(III −I)においてTimeで表
わされる基が酸化還元基である場合、好ましくは下記式
(R−1)で表わされる。
【0094】式(R−1) *−J−(T=U)h −Q10−B 式中、J及びQ10はそれぞれ独立に酸素原子または置換
もしくは無置換のイミノ基を表わし、h個のT及びUの
少なくとも1個はDIを置換基として有するメチン基を
表わし、その他のT及びUは置換もしくは無置換のメチ
ン基または窒素原子を表わし、hは1ないし3の整数を
表わし(h個のT及びUは同じものもしくは異なるもの
を表わす)、Bは水素原子またはアルカリにより除去さ
れうる基を表わす。ここでJ、T、U、Q10及びBのい
ずれか二つの置換基が2価基となって連結し環状構造を
形成する場合も包含される。例えば(T=U)h がベン
ゼン環、ピリジン環などを形成する場合である。
【0095】JおよびQ10が置換または無置換のイミノ
基を表わすとき、好ましくはスルホニル基またはアシル
基で置換されたイミノ基であるときである。
【0096】このときJおよびQ10は、それぞれ、下記
化30に示される式(N−1)および(N−2)のよう
に表わされる。
【0097】
【化30】 ここに*印は一般式(III −I)のGと結合する位置ま
たは式(R−1)のBと結合する位置を表わし、**印
は(T=U)h −の自由結合手の一方と結合する位置を
表わす。
【0098】式(N−1)および(N−2)中、G1
表わされる基は脂肪族基、芳香族基、または複素環基を
表わす。
【0099】式(R−1)で表わされる基において特に
好ましい基は下記化31に示される式(R−2)または
(R−3)で表わされるものである。
【0100】
【化31】 式(R−2)または(R−3)中、*印は一般式(III
−I)のGと結合する位置を表わし、**印はDIと結
合する位置を表わす。
【0101】R64は置換基を表わし、qは0、1ないし
3の整数を表わす。qが2以上のとき2つ以上のR64
同じでも異なっていてもよく、また2つのR64が隣接す
る炭素上の置換基であるときにはそれぞれ2価基となっ
て連結し環状構造を表わす場合も包含する。
【0102】DIは現像抑制剤を意味する。DIの好ま
しい例としては、下記化32に示される式(X−1)で
表される複素環に結合するメルカプト基を有する化合
物、あるいは下記化32に示される式(X−2)で表さ
れるイミノ銀生成可能な複素環化合物が挙げられる。
【0103】
【化32】 式中、Z11は単環もしくは縮合環の複素環を形成するに
必要な非金属原子群を表わし、Z12はNとともに単環も
しくは縮合環の複素環を形成するに必要な非金属原子群
を表わす。これらの複素環は置換基を有してもよく、*
はTimeに結合する位置を表わす。Z11及びZ12で形
成される複素環としてさらに好ましくは、ヘテロ原子と
して窒素、酸素、硫黄、セレンのうち少なくとも一種を
含有する5員ないし8員の複素環であり、最も好ましく
は5員または6員の複素環である。
【0104】Z11が形成する複素環の例としては、例え
ばアゾール類(テトラゾール、1,2,4−トリアゾー
ル、1,2,3−トリアゾール、1,3,4−チアジア
ゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,3−チア
ゾール、1,3−オキサゾール、イミダゾール、ベンゾ
チアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾー
ル、ピロール、ピラゾール、インダゾール)、アザイン
デン類(テロラザインデン、ペンタザインデン、トリア
ザインデン)、アジン類(ピリミジン、トリアジン、ピ
ラジン、ピリダジン)などが挙げられる。
【0105】Z12が形成する複素環の例としては、例え
ばトリアゾール類(1,2,4−トリアゾール、ベンゾ
トリアゾール、1,2,3−トリアゾール)、インダゾ
ール、ベンズイミダゾール、アザインデン類(テトラザ
インデン、ペンタザインデン)、テトラゾールが挙げら
れる。
【0106】式(X−1)及び(X−2)で表わされる
現像抑制剤の有する好ましい置換基としてはR77基、R
78O−基、R77S−基、R77OCO−基、R77OSO2
−基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、R77SO2
−基、R78CO−基、R77COO−基、R77SO2
(R78)−基、R78N(R79)SO2 −基、R78N(R
79)CO−基、R77(R78)C=N−基、R77(R78
N−基、R78CON(R79)−基、R77OCON
(R78)−基、R78N(R79)CON(R80)−基、R
77SO2 O−基、下記化33に示される基、または下記
化34に示される基が挙げられる。
【0107】
【化33】
【0108】
【化34】 ここでR77は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表わ
し、R78、R79およびR80は脂肪族基、芳香族基、複素
環基または水素原子を表わす。一分子中にR77、R78
79およびR80が2個以上あるときこれらが連結して環
(例えばベンゼン環)を形成してもよい。
【0109】式(X−1)で表される化合物の例として
は、例えば置換あるいは無置換のメルカプトアゾール類
(例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、
1−プロピル−5−メルカプトテトラゾール、1−ブチ
ル−5−メルカプトテトラゾール、2−メチルチオ−5
−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−メチ
ル−4−フェニル−5−メルカプト−1,2,4−トリ
アゾール、1−(4−エチルカルバモイルフェニル)−
2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンズオ
キサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−
メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズオ
キサゾール、2−フェニル−5−メルカプト−1,3,
4−オキサジアゾール、1−{3−(3−メチルウレイ
ド)フェニル}−5−メルカプトテトラゾール、1−
(4−ニトロフェニル)−5−メルカプトテトラゾー
ル、5−(2−エチルヘキサノイルアミノ)−2−メル
カプトベンズイミダゾール)、置換あるいは無置換のメ
ルカプトアザインデン類(例えば、6−メチル−4−メ
ルカプト−1,3,3a,7−テトラアザインデン、
4,6−ジメチル−2−メルカプト−1,3,3a,7
−テトラアザインデン)、置換あるいは無置換のメルカ
プトピリミジン類(例えば2−メルカプトピリミジン、
2−メルカプト−4−メチル−6−ヒドロキシピリミジ
ン)がある。
【0110】イミノ銀を形成可能な複素環化合物として
は、例えば置換あるいは無置換のトリアゾール類(例え
ば、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、
5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリ
アゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、5−n−ブ
チルベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリ
アゾール)、置換あるいは無置換のインダゾール類(例
えばインダゾール、5−ニトロインダゾール、3−ニト
ロインダゾール、3−クロロ−5−ニトロインダゾー
ル)、置換あるいは無置換のベンズイミダゾール類(例
えば5−ニトロベンズイミダゾール、5,6−ジクロロ
ベンズイミダゾール)が挙げられる。
【0111】またDIは一般式(III −I)のTime
から離脱して、いったん現像抑制性を有する化合物とな
った後、更にそれが現像液成分とある種の化学反応をお
こして実質的に現像抑制性を有しないか、あるいは著し
く減少した化合物に変化するものであってもよい。この
ような化学反応を受ける官能基としては、例えばエステ
ル基、カルボニル基、イミノ基、インモニウム基、マイ
ケル付加受容基、あるいはイミド基などが挙げられる。
【0112】このような失活型現像抑制剤の例として
は、例えば米国特許第4,477,563号、特開昭6
0−218644号、同60−221750号、同60
−233650号、または同61−11743号に記載
のある現像抑制剤残基が挙げられる。
【0113】これらのうちでも特にエステル基を有する
ものが好ましい。具体的には、例えば1−(3−フェノ
キシカルボニルフェニル)−5−メルカプトテトラゾー
ル、1−(4−フェノキシカルボニルフェニル)−5−
メルカプトテトラゾール、1−(3−マレインイミドフ
ェニル)−5−メルカプトテトラゾール、5−フェノキ
シカルボニルベンゾトリアゾール、5−(4−シアノフ
ェノキシカルボニル)ベンゾトリアゾール、2−フェノ
キシカルボニルメチルチオ−5−メルカプト−1,3,
4−チアジアゾール、5−ニトロ−3−フェノキシカル
ボニルイミダゾール、5−(2,3−ジクロロプロピル
オキシカルボニル)ベンゾトリアゾール、1−(4−ベ
ンゾイルオキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾー
ル、5−(2−メタンスルホニルエトキシカルボニル)
−2−メルカプトベンゾチアゾール、5−シンナモイル
アミノベンゾトリアゾール、1−(3−ビニルカルボニ
ルフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、5−スク
シンイミドメチルベンゾトリアゾール、2−{4−スク
シンイミドフェニル}−5−メルカプト−1,3,4−
オキサジアゾール、6−フェノキシカルボニル−2−メ
ルカプトベンズオキサゾール、2−(1−メトキシカル
ボニルエチルチオ)−5−メルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール、2−ブトキシカルボニルメトキシカルボ
ニルメチルチオ−5−メルカプト−1,3,4−チアジ
アゾール、2−(N−ヘキシルカルバモイルメトキシカ
ルボニルメチルチオ)−5−メルカプト−1,3,4−
チアジアゾール、5−ブトキシカルボニルメトキシカル
ボニルベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0114】一般式(III −I)で表わされる化合物の
うち、下記化35に示される一般式(III −II)及び下
記化36に示される一般式(III −III )で表される化
合物がより好ましい。
【0115】
【化35】 式中、R21ないしR23は水素原子又はハイドロキノン核
に置換可能な基であり、P21及びP22は水素原子又は現
像処理時に脱保護可能な保護基である。Time、DI
及びtは一般式(III −I)と同義である。
【0116】
【化36】 式中、R31はアリール基、複素環基、アルキル基、アラ
ルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表わし、P
31及びP32は水素原子又は現像処理時に脱保護可能な保
護基である。G、Time、DI及びtは一般式(III
−I)と同義である。
【0117】一般式(III −II)について更に詳しく説
明すると、R21ないしR23で示される置換基としては、
例えば一般式(III −I)のAの置換基として述べたも
のが挙げられるが、R22及びR23として好ましくは水素
原子、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アミド基、スルホンアミド基、
アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基であり、更
に好ましくは水素原子、アルキルチオ基、アルコキシ
基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、ウレイド基である。
【0118】R21として好ましくは水素原子、カルバモ
イル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、
スルホニル基、シアノ基、アシル基、ヘテロ環基であ
り、更に好ましくは水素原子、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、スルファモイル基、シアノ基であ
る。R22とR23は共同で結合して環を形成してもよい。
【0119】P21及びP22の保護基の例としては、一般
式(III −I)のAの水酸基の保護基として述べたもの
が挙げられ、好ましくはアシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
イミドイル基、オキサゾリル基、スルホニル基などの加
水分解されうる基、米国特許第4,009,029号に
記載の逆マイケル反応を利用した型のプレカーサー基、
米国特許第4,310,612号に記載の環開裂反応の
後発生したアニオンを分子内求核基として利用する型の
プレカーサー基、米国特許第3,674,478号、同
3,932,480号もしくは同3,993,661号
に記載のアニオンが共役系を介して電子移動しそれによ
り開裂反応を起こさせるプレカーサー基、米国特許第
4,335,200号に記載の環開裂後反応したアニオ
ンの電子移動により開裂反応を起こさせるプレカーサー
基または米国特許第4,363,865号、同4,41
0,618号に記載のイミドメチル基を利用したプレカ
ーサー基が挙げられる。
【0120】P21及びP22として好ましくは水素原子で
ある。
【0121】DIとして好ましくは、メルカプトアゾー
ル類及びベンゾトリアゾール類である。メルカプトアゾ
ールとしてはメルカプトテトラゾール類及び5−メルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール類及び5−メルカプ
ト−1,3,4−オキサジアゾール類が更に好ましい。
【0122】DIとして最も好ましくは5−メルカプト
−1,3,4−チアジアゾール類である。
【0123】一般式(III −II)のうち、下記化37に
示される一般式(III −IIa)及び(III −IIb)で表
されるものが好ましい。
【0124】
【化37】 ここで、R42は脂肪族基、芳香族基、複素環基を表わ
し、Mは−CO−、−SO2 −、−N(R45)−CO
−、−O−CO−、または−N(R45)−SO2 −を表
わす。
【0125】R44、R45及びR54は水素原子、アルキル
基またはアリール基を表わす。
【0126】L1 は5員環ないし7員環を形成するに必
要な二価の連結基である。R41及びR51は一般式(G)
のR21、R43は一般式(III −II)のR23、−(Tim
e)t −DIは一般式(III −II)の−(Time)t
−DIと同義である。さらにR42について詳細に述べる
とR42の脂肪族基としては炭素数1ないし30の直鎖、
分岐鎖、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基である。芳香族基としては炭素数6ないし30のもの
でフェニル基、ナフチル基が挙げられる。複素環として
は窒素、酸素、硫黄のうち少なくとも一種を含む3員な
いし12員のものである。これらはさらにAの置換基で
述べた基で置換されていてもよい。
【0127】一般式(III −III )について更に詳しく
説明する。
【0128】R31で示されるアルール基としては炭素数
6ないし20のもので、例えばフェニル、ナフチルが挙
げられる。ヘテロ環基としては窒素、酸素、硫黄の少な
くとも一つを含む5員ないし7員のもので、例えばフリ
ル、ピリジルなどが挙げられる。アルキル基としては炭
素数1ないし30のもので、例えばメチル、ヘキシル、
オクタデシルなどが挙げられる。アラルキル基として
は、炭素数7ないし30のもので、例えばベンジル、ト
リチルなどが挙げられる。アルケニル基としては炭素数
2ないし30のもので、例えばアリルが挙げられる。ア
ルキニル基としては炭素数2ないし30のもので、例え
ばプロパルギルが挙げられる。R31として好ましくは、
アリール基であり、更に好ましくはフェニルである。
【0129】P31及びP32の保護基の例としては、一般
式(III −I)のAのアミノ基の保護基として述べたも
のが挙げられる。P31及びP32として好ましくは水素原
子である。
【0130】Gとして好ましくは−CO−であり、DI
として好ましくは一般式(III −II)で述べたものであ
る。
【0131】一般式(III −II)のR21ないしR23、一
般式(III −III )のR31は置換基で置換されていても
よい。置換基としては、耐拡散性を付与するための、い
わゆるバラスト基やハロゲン化銀への吸着基を有しても
よいが、より好ましくはバラスト基を有する場合であ
る。R31がフェニル基の場合、置換基としては、電子供
与性基が好ましく、例えばスルホンアミド基、アミド
基、アルコキシ基、ウレイド基が挙げられる。また
21、R22、R23又はR31がバラスト基を有する場合、
分子内に水酸基、カルボキシル基、スルホ基などの極性
基を有する場合が特に好ましい。
【0132】本発明の内容をより具体的に記すために、
下記化38〜化69に一般式(III−I)で表わされる
化合物の具体例を示すが、本発明で用い得る化合物はこ
れらに限定されるわけではない。
【0133】
【化38】
【0134】
【化39】
【0135】
【化40】
【0136】
【化41】
【0137】
【化42】
【0138】
【化43】
【0139】
【化44】
【0140】
【化45】
【0141】
【化46】
【0142】
【化47】
【0143】
【化48】
【0144】
【化49】
【0145】
【化50】
【0146】
【化51】
【0147】
【化52】
【0148】
【化53】
【0149】
【化54】
【0150】
【化55】
【0151】
【化56】
【0152】
【化57】
【0153】
【化58】
【0154】
【化59】
【0155】
【化60】
【0156】
【化61】
【0157】
【化62】
【0158】
【化63】
【0159】
【化64】
【0160】
【化65】
【0161】
【化66】
【0162】
【化67】
【0163】
【化68】
【0164】
【化69】 本発明の一般式(III −I)で表される化合物は、例え
ば、特開昭49−129536号、同52−57828
号、同60−21044号、同60−233642号、
同60−233648号、同61−18946号、同6
1−156043号、同61−213847号、同61
−230135号、同61−236549号、同62−
62352号、同62−103639号、米国特許第
3,379,529号、同3,620,746号、同
4,332,828号、同4,377,634号、同
4,684,604号に記載の方法に準じて合成でき
る。
【0165】一般式(III −I)で表わされる化合物は
任意の乳剤層、及び/または非感光性層のどちらに添加
しても良い。また両方に添加しても良い。添加量として
は好ましくは0.001〜0.2mmol/m2 、より好ま
しくは0.01〜0.1mmol/m2 の範囲である。
【0166】次に、本発明に使用する式(II−I)で表
わされる沃素イオン放出剤について詳細に説明する。
【0167】式(II−I)中、Xは沃素原子を表わし、
111 、R112 、R113 は水素原子または置換可能な基
を表わし、またR111 、R112 、R113 は互いに連結し
炭素環または複素環を形成してもよい。iは1〜5で表
わす。
【0168】式(II−I)においてR111 、R112 、R
113 で表わされる置換可能な基としては以下のものが挙
げられる。
【0169】ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭
素、沃素)、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル)、アルケニル基(例
えばアリル、2−ブテニル、3−ペンテニル)、アルキ
ニル基(例えばプロパルギル、3−ペンチニル)、アラ
ルキル基(例えばベンジル、フェネチル)、アリール基
(例えばフェニル、ナフチル基、4−メチルフェニ
ル)、複素環基(例えばピリジル、フリル、イミダゾリ
ル、ピペリジル、モルホリル)、アルコキシ基(例えば
メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ、ナフトキシ)、アミノ基(例えば
無置換アミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、アニリ
ノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾ
イルアミノ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、N
−メチルウレイド、N−フェニルウレイド)、ウレタン
基(例えばメトキシカルボニルアミノ、フェノキシカル
ボニルアミノ)、スルホニルアミノ基(例えばメチルス
ルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ)、スルフ
ァモイル基(例えばスルファモイル、N−メチルスルフ
ァモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイ
ル基(例えばカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フ
ェニルカルバモイル)、スルホニル基(例えばメチルス
ルホニル、ベンゼンスルホニル)、スルフィニル基(例
えばメチルスルフィニル、フェニルスルフィニル)、ア
ルキルオキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル
基(例えばフェノキシカルボニル)、アシル基(例えば
アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル)、アシ
ルオキシ基(例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ)、
リン酸アミド基(例えばN,N−ジエチルリン酸アミ
ド)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、シアノ
基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホスホノ
基、ニトロ基または単なる結合基である。
【0170】R112 、R113 が各々2つ以上あるとき
(i=2〜5のとき)、複数のR112、複数のR113
同じでも異なってもよい。
【0171】これらの基は1つまたは2つ以上の置換基
を有していてもよい。また、置換基が2つ以上あるとき
は同じでも異なってもよい。
【0172】R111 、R112 、R113 が互いに連結して
形成される炭素環または複素環としては、5〜7員の炭
素環、または1個以上の窒素、酸素または硫黄原子を含
む5〜7員の複素環であり、これらの炭素環または複素
環は適当な位置で縮合をしているものも包含する。具体
的には例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼ
ン、ナフタレン、イミダゾール、ピリジン、チオフェ
ン、キノリン、4−ピリドン、2−ピロン、クマリン、
ウラシルまたはシクロペンタンジオンが挙げられる。こ
れらの炭素環または複素環は置換されていてもよい。置
換基が2つ以上あるときは同じでも異なってもよい。
【0173】式(II−I)において、好ましくはi=1
〜3である。より好ましくは、iは1または2である。
【0174】式(II−I)中、好ましいものは下記化7
0に示される式(II−II)で表されるものである。
【0175】
【化70】 式(II−II)中、Xは沃素原子を表わし、R121 はハメ
ットのσP 値が0以下の水素原子または有機基を表わ
し、R122 、R123 は水素原子または置換可能な基を表
わし、またR121 、R122 、R123 は互いに連結し炭素
環または複素環を形成してもよい。aは1〜3を表わ
す。
【0176】次に式(II−II)について詳細に説明す
る。
【0177】R121 はハメットのσP 値が0以下の水素
原子または有機基を表わすが、ハメットのσP 値は「薬
物の構造活性相関」(南江堂)96ページ(1979
年)に記載されており、この表にもとづいて選ぶことが
できる。R121 の好ましいものとしては水素原子、OR
124 (R124 は水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表わ
す。)、NR125 126 (R125 、R126 は水素原子、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル
基、アリール基、アシル基、カルバモイル基、オキシカ
ルボニル基またはスルホニル基を表わし、R125 とR
126 は連結し飽和、不飽和の含窒素ヘテロ環を形成して
もよい。)またはSR127 (R127 は水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基また
はアリール基を表わす。)を表わす。R121 のハメット
のσP 値は、好ましくは、−0.85〜0.0である。
【0178】式(II−II)においてR124 、R125 、R
126 、R127 で表されるアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基は炭素数1〜30のものであって、特に炭素
数1〜10の直鎖、分岐鎖または環状のものが好まし
く、具体的には例えばメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシ
ル、n−ヘキサデシル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、プロパル
ギル、3−ペンチニルである。
【0179】式(II−II)においてR124 、R125 、R
126 、R127 で表されるアラルキル基は炭素数7〜30
のものであって、特に炭素数7〜10のものが好まし
く、具体的には例えばベンジル、フェネチル、ナフチル
メチルである。
【0180】式(II−II)においてR124 、R125 、R
126 、R127 で表されるアリール基は炭素数6〜30の
ものであって、特に炭素数6〜10のものが好ましく、
具体的にはフェニル、ナフチルである。
【0181】式(II−II)においてR125 またはR126
で表されるアシル基としては炭素数1〜30のものであ
って、特に炭素数1〜10のものが好ましく、具体的に
は例えばホルミル、アセチル、ブチリル、ピバロイル、
ミリストイル、アクリロイル、ベンゾイル、トルオイ
ル、ナフトイルである。
【0182】式(II−II)においてR125 またはR126
で表されるカルバモイル基としては炭素数1〜30のも
のであって炭素数1〜10のものが好ましく、具体的に
は例えば無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、ジ
エチルカルバモイル、フェニルカルバモイルである。
【0183】式(II−II)においてR125 またはR126
で表されるオキシカルボニル基は炭素数2〜30のもの
であって炭素数2〜10のものが好ましく、具体的には
例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェ
ノキシカルボニルである。
【0184】式(II−II)においてR125 またはR126
で表されるスルホニル基としては炭素数1〜30のもの
であって炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には
例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼン
スルホニルである。
【0185】R125 とR126 が連結して形成される飽
和、不飽和の含窒素複素環としては、具体的にはモルホ
リン、ピロリジン、ピペラジン、ピロール、ピラゾー
ル、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イン
ドール、ベンゾトリアゾール、スクシンイミド、フタル
イミドが挙げられる。これらの複素環はさらに置換され
ていてもよく、具体的置換基としてR111 、R112 、R
113 で挙げたものと同じである。
【0186】式(II−II)においてR124 、R125 、R
126 、R127 で表されるアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アラルキル基またはアリール基、またR
125 、R126 で表されるアシル基、カルバモイル基、オ
キシカルボニル基またはスルホニル基はさらに置換され
てもよく、具体的置換基としてはR111 、R112 、R
113 で挙げたものと同じものである。
【0187】式(II−II)のR121 で特に好ましいもの
はOR124 、NR125 126 である。
【0188】式(II−II)においてR122 、R123 で表
される置換可能な基としてはR112、R113 で挙げたも
のと同じものであるが、好ましくはアルキル基、アラル
キル基、アリール基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホ
ノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、アシル基、シアノ基および
121 で表される基であり、特に好ましくはアルキル
基、アラルキル基、アリール基、スルホ基、カルボキシ
基、ホスホノ基およびR121 で表される基である。
【0189】aは好ましくは1または2である。
【0190】下記化71〜化76に式(II−I)で表さ
れる沃素イオン放出剤の具体例を示すが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0191】
【化71】
【0192】
【化72】
【0193】
【化73】
【0194】
【化74】
【0195】
【化75】
【0196】
【化76】 本発明の沃素イオン放出剤は次の合成法に準じて合成す
ることができる。
【0197】J.Am.Chem.Soc.,76,3
227−8(1954),J.Org.Chem.,
,708(1951),Chem.Ber.,97
390(1964),Org.Synth.,V,47
8(1973),J.Chem.Soc.,1951
1851,J.Org.Chem.,19,1571
(1954),J.Chem.Soc.,1952,1
42,J.Chem.Soc.,1955,1383,
Angew.Chem.,Int.Ed.,11,22
9(1972),Chem.Commun.,197
,1112。
【0198】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は式(II
−I)及び(II−II)で表わされる沃素イオン放出剤か
ら沃素イオンの放出を調節した工程で製造される。
【0199】本発明の沃素イオン放出の調節とは、例え
ば、沃素イオン放出時の液pHの変化あるいは併用する
求核性物質の濃度の変化あるいは温度の変化によって、
沃素イオン放出剤からの沃素イオン放出の放出速度、タ
イミングをコントロールすることである。
【0200】式(II−I)において、R111 、R112
113 の選択はハロゲン化銀粒子形成時の液pH、組
成、温度および必要とされるタイミング時間によって選
択される。
【0201】沃素イオンの放出速度、タイミングは粒子
形成時の液pH以外に、特に亜硫酸イオン、ヒドロキシ
ルアミン、チオ硫酸イオン、メタ重亜硫酸イオン、ヒド
ロキサム酸類、オキシム類、ジヒドロキシベンゼン類等
のような求核性物質を用いることによっても、幅広くコ
ントロールすることができる。
【0202】本発明の沃素イオン放出剤は全ハロゲン化
銀量の0.5〜15モル%の範囲で添加される。より好
ましくは0.5〜10モル%、さらに好ましくは0.5
〜5モル%の範囲で用いられる。
【0203】求核性物質を併用する場合は沃素イオン放
出剤に対して求核性物質をモル比で1対1から1対20
の範囲の割合で添加する。より好ましくは1対1から1
対10の範囲の割合で、さらに好ましくは1対1から1
対5の割合の範囲で添加する。
【0204】液pHの変化に基づく場合は、本発明の沃
素イオン放出の調節時のpHの範囲は4〜12である。
本発明ではpHを7以上に上げることが沃素イオンの急
速な放出上好ましく、さらにpHを8以上に上げること
がより好ましい。
【0205】また、前述の求核性物質を併用する際も、
pHの変化を併用して沃素イオンの放出速度、タイミン
グをコントロールしても良い。
【0206】本発明の沃素イオン放出の調節時の好まし
い温度範囲は30〜80℃であり適宜温度を制御しつつ
沃素イオンを放出させる。
【0207】本発明の沃素イオン放出の調節時に、液中
には臭素イオンおよび/または塩素イオンが存在しても
よい。
【0208】本発明において、沃素イオン放出剤から全
沃素を放出させても、一部は分解せずに残ってもよい。
【0209】本発明における沃素イオン放出のコントロ
ールは次のような方法が好ましい。
【0210】すなわち、粒子形成容器のバルク液(反応
液)中に添加され既に全体に均一に分布している沃素イ
オン放出剤から、pH、求核性物質の濃度、温度などを
変化させることにより、通常は低pHから高pHへの変
化により、沃素イオンを粒子形成容器の全体で均一にコ
ントロールしながら放出させる方法である。
【0211】沃素イオン放出時にpHを上げるためのア
ルカリ、併用する求核性物質は沃素イオン放出剤が全体
に均一に分布している状態で添加することが好ましい。
【0212】該アルカリ、求核性物質の添加方法は一時
に添加するよりも一定流量で添加した方が好ましく、適
宜制御しつつ沃素イオンを放出させる。
【0213】pH変化は、好ましくは1単位(ΔpH=
1.0)当たり5分以下0.01秒以上、さらに好まし
くは2分以下0.1秒以上である。
【0214】本発明の沃素イオン放出化合物を用いてハ
ロゲン化銀相を形成する際、該ハロゲン化銀相を形成す
るのに要する時間は20分以内が好ましい。より好まし
くは10分以内、さらに好ましくは5分以下1秒以上で
ある。
【0215】本発明の特徴は、沃素イオンを粒子形成容
器のバルク液全体で均一に放出させ迅速に高ヨードのハ
ロゲン化銀相が形成できることにある。
【0216】従来のKI水溶液を沃素イオン供給源とす
る場合は沃素イオンがフリーな状態でバルク液中に添加
され沃素イオンの濃度分布の微視的な不均一が生じ、ハ
ロゲン化銀粒子中で沃化物を含むハロゲン化銀相を均一
に成長させることはできない。
【0217】また、沃化銀の微粒子を沃素イオン供給源
とする方法では微粒子が溶解しにくく沃素イオン供給コ
ントロールしながら迅速に高ヨードのハロゲン化銀相を
形成することはできない。
【0218】本発明の沃素イオン放出剤は特開平2−6
8538号にて部分的に公知であるが、この公開公報に
は沃素イオンの放出を一定条件下で行うことにより、核
形成から粒子成長全体を通じて均一にヨードを含むハロ
ゲン化銀相を形成することを開示する点で本発明とは異
なる。
【0219】言い換えれば特開平2−68538号は沃
素イオン徐放方式であるのに対し、本発明は沃素イオン
の放出を粒子形成中に均一に制御した放出方式である。
【0220】本発明の沃素イオン均一制御放出方式によ
り、あるタイミングで反応容器中のバルク液全体に均一
に迅速な沃素イオンを放出させることが可能になり沃化
銀を含むハロゲン化銀相を粒子内および粒子間で均一に
形成することにより本発明の目的を実現することが出来
た。
【0221】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は塩沃化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例
えばロダン銀、硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸
銀、有機酸銀が別粒子として、あるいはハロゲン化銀粒
子の一部分として含まれていてもよい。
【0222】本発明の粒子は沃臭化銀相、沃塩化銀相、
沃塩化銀相のうち少なくとも一相を含有している。
【0223】これらの相の形成を粒子形成のどの段階で
行なうかは、任意であり、ハロゲン化銀の中心部であっ
てもよいし、粒子全体に亘ってもよいし、外側部分に存
在してもよい。また該ハロゲン化銀相は複数であっても
よい。
【0224】また粒子成長の機構から該ハロゲン化銀相
が複数存在する場合、層状構造を作る場合が多いが、特
定の部分を形成することもできる。例えば、粒子のエッ
ヂとコーナーの性質の差を利用してエッヂのみ、あるい
はコーナー部のみに該ハロゲン化銀相を形成することが
できる。
【0225】また、これらの相に含まれる沃化銀含量は
1〜45モル%であり、好ましくは5〜40モル%であ
る。
【0226】2つ以上のハロゲン化銀が混晶として、あ
るいは構造をもって存在するハロゲン化銀粒子の場合に
粒子間のハロゲン組成分布を制御することが重要であ
る。粒子間のハロゲン組成分布の測定法に関しては特開
昭60−254032号に記載されている。粒子間のハ
ロゲン分布が均一であることは望ましい特性である。特
に変動係数20%以下の均一性の高い乳剤は好ましい。
別の好ましい形態は粒子サイズとハロゲン組成に相関が
ある乳剤である。例として大サイズ粒子ほどヨード含量
が高く、一方、小サイズほどヨード含量が低いような相
関がある場合である。目的により逆の相関、他のハロゲ
ン組成での相関を選ぶことができる。この目的のために
組成の異なる2つ以上の乳剤を混合させることが好まし
い。
【0227】粒子の表面近傍のハロゲン組成を制御する
ことは重要である。表面近傍の沃化銀含量を高くする、
あるいは塩化銀含量を高くすることは、色素の吸着性や
現像速度を変えるので目的に応じて選ぶことができる。
表面近傍のハロゲン組成を変える場合に、粒子全体を包
み込む構造でも、粒子の一部分にのみ付着させる構造の
どちらも選ぶことができる。例えば(100)面と(1
11)面からなる14面体粒子の一方の面のみハロゲン
組成を変える、あるいは平板粒子の主平面と側面の一方
のハロゲン組成を変える場合である。
【0228】本発明の乳剤およびこれと併用する乳剤の
ハロゲン化銀粒子は、双晶面を含まない正常晶でも、日
本写真学会編、写真工業の基礎、銀塩写真編(コロナ
社)、P.163に解説されているような例、たとえば
双晶面を一つ含む一重双晶、平行な双晶面を2つ以上含
む平行多重双晶、非平行な双晶面を2つ以上含む非平行
多重双晶などから目的に応じて選んで用いることができ
る。また形状の異なる粒子を混合させる例は米国特許第
4,865,964号に開示されているが、必要により
この方法を選ぶことができる。正常晶の場合には(10
0)面からなる立方体、(111)面からなる八面体、
特公昭55−42737号、特開昭60−222842
号に開示されている(110)面からなる12面体粒子
を用いることができる。さらに、Journal of
Imaging Science30巻 247ペー
ジ 1986年に報告されているような(211)を代
表とする(h11)面粒子、(331)を代表とする
(hh1)面粒子、(210)面を代表とする(hk
0)面粒子と(321)面を代表とする(hk1)面粒
子も調製法に工夫を要するが目的に応じて選んで用いる
ことができる。(100)面と(111)面が一つの粒
子に共存する14面体粒子、(100)面と(110)
面が共存する粒子、あるいは(111)面と(110)
面が共存する粒子など、2つの面あるいは多数の面が共
存する粒子も目的に応じて選んで用いることができる。
【0229】投影面積の円相当直径を粒子厚みで割った
値をアスペクト比と呼び、平板粒子の形状を規定してい
る。アスペクト比が1より大きい平板粒子は本発明に使
用できる。平板粒子は、例えばクリーブ著「写真の理論
と実際」(Cleve,Photography Th
eory and Practice(1930))、
131頁;ガトフ著、フォトグラフィク・サイエンス・
アンド・エンジニアリング(Gutoff,Photo
graphic Science and Engin
eering)、第14巻、248〜257頁(197
0年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および英国特許第2,112,157号に
記載の方法により調製することができる。平板粒子を用
いた場合、被覆力が上がること、増感色素による色増感
効率が上がることなどの利点があり、先に引用した米国
特許第4,434,226号に詳しく述べられている。
粒子の全投影面積の80%以上の平均アスペクト比とし
て、1以上100未満が望ましい。より好ましくは2以
上20未満であり、特に好ましくは3以上10未満であ
る。平板粒子の形状として三角形、六角形、円形などを
選ぶことができる。米国特許第4,797,354号に
記載されているような六辺の長さがほぼ等しい正六角形
は好ましい形態である。
【0230】平板粒子の円相当径は0.15〜5.0μ
であることが好ましい。平板状粒子の厚みとしては0.
05〜1.0μであることが好ましい。
【0231】平板粒子の占める割合としては好ましくは
アスペクト比2以上の平板粒子が全投影面積のうち50
%以上より好ましくは80%、特に好ましくは90%以
上である。
【0232】また単分散の平板粒子を用いるとさらに好
ましい結果が得られることがある。単分散の平板粒子の
構造および製造法は、例えば特開昭63−151618
号などの記載に従うが、その形状を簡単に述べると、ハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最小の長
さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長
さの比が、2以下である六角形であり、かつ、平行な2
面を外表面として有する平板ハロゲン化銀によって占め
られており、さらに、該六角形平板ハロゲン化銀粒子の
粒子サイズ分布の変動係数(その投影面積の円換算直径
で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平
均粒子サイズで割った値)が20%以下の単分散性をも
つものである。
【0233】平板粒子の場合には透過型の電子顕微鏡に
より転位線の観察が可能である。転位線を全く含まない
粒子、数本の転位を含む粒子あるいは多数の転位を含む
粒子を目的に応じて選ぶことは好ましい。また粒子の結
晶方位の特定の方向に対して直線的に導入された転位あ
るいは曲った転位を選ぶこともできるし、粒子全体に渡
って導入する、あるいは粒子の特定の部分にのみ導入す
る、例えば粒子のフリンジ部に限定して転位を導入す
る、などのなかから選ぶことができる。転位線の導入に
平板粒子の場合だけでなく正常晶粒子あるいはジャガイ
モ粒子に代表される不定型粒子の場合にも好ましい。こ
の場合にも粒子の頂点、稜などの特定の部分に限定する
ことは好ましい形態である。
【0234】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は欧州特
許第96,721B1号、同64,412B1号などに
開示されているような粒子に丸みをもたらす処理、ある
いは西独特許第2,306,477C2号、特開昭60
−221320号に開示されているような表面の改質を
行ってもよい。
【0235】粒子表面が平坦な構造が一般的であるが、
意図して凹凸を形成することは場合によって好ましい。
特開昭58−106532号、特開昭60−22132
0号に記載されている結晶の一部分、例えば頂点あるい
は面の中央に穴をあける方法、あるいは米国特許第4,
643,966号に記載されいるラッフル粒子がその例
である。
【0236】本発明に用いる乳剤の粒子サイズは電子顕
微鏡を用いた投影面積の円相当直径、投影面積と粒子厚
みから算出する粒子体積の球相当直径あるいはコールタ
ーカウンター法による体積の球相当直径などにより評価
できる。球相当直径として0.05ミクロン以下の超微
粒子から、10ミクロンを越える粗大粒子のなかから選
んで用いることができる。好ましくは0.1ミクロン以
上3ミクロン以下の粒子を感光性ハロゲン化銀粒子とし
て用いることである。
【0237】本発明に用いる正常晶の乳剤は粒子サイズ
分布の広い、いわゆる多分散乳剤でも、サイズ分布の狭
い単分散乳剤でも目的に応じて選んで用いることができ
る。サイズ分布を表わす尺度として粒子の投影面積円相
当直径あるいは体積の球相当直径の変動係数を用いる場
合がある。単分散乳剤を用いる場合、変動係数が25%
以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは1
5%以下サイズ分布の乳剤を用いるのがよい。
【0238】単分散乳剤を粒子数あるいは重量で平均粒
子サイズの±30%以内に全粒子の80%以上が入るよ
うな粒子サイズ分布と規定する場合もある。また感光材
料が目標とする階調を満足されるために、実質的に同一
の感色性を有する乳剤層において粒子サイズの異なる2
種以上の単分散ハロゲン化銀乳剤を同一層に混合または
別層に重層塗布することができる。さらに2種類以上の
多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と多分散乳
剤との組合わせを混合あるいは重層して使用することも
できる。
【0239】本発明の乳剤およびこれと併用する写真乳
剤は、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモン
テン社刊(P.Glafkides,Chemie e
tPhisique Photographique,
Paul Montel,1967)、ダフィン著「写
真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duf
fin,Photographic Emulsion
Chemistry(Focal Press,19
66))、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、
フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman e
t al.,Making and Coating
Photographic Emulsion,Foc
al Press,1964)などに記載された方法を
用いて調製することができる。すなわち、酸性法、中性
法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩
と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合
法、同時混合法、それらの組合わせなどのいずれを用い
てもよい。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる
方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時
混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相
中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコント
ロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。こ
の方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に
近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0240】乳剤調製用の反応容器にあらかじめ沈殿形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同4,301,241号、同
4,150,994号に記載の方法は、場合により好ま
しい。これらは種結晶として用いることもできるし、成
長用のハロゲン化銀として供給する場合も有効である。
後者の場合粒子サイズの小さい乳剤を添加するのが好ま
しく、添加方法として一度に全量添加、複数回に分割し
て添加あるいは連続的に添加するなどのなかから選んで
用いることができる。また表面を改質させるために種々
のハロゲン組成の粒子を添加することも場合により有効
である。
【0241】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成の大部分
あるいはごく一部分をハロゲン変換法によって変換させ
る方法は米国特許第3,477,852号、同4,14
2,900号、欧州特許273,429号、同273,
430号、西独公開特許第3,819,241号などに
開示されており、有効な粒子形成法である。より難溶性
の銀塩に変換するのに可溶性ハロゲンの溶液あるいはハ
ロゲン化銀粒子を添加することができる。一度に変換す
る、複数回に分割して変換する、あるいは連続的に変換
するなどの方法から選ぶことができる。
【0242】粒子成長の方法として、一定濃度、一定流
速で可溶性銀塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英
国特許第1,469,480号、米国特許第3,65
0,757号、同4,242,445号に記載されてい
るように濃度を変化させる、あるいは流速を変化させる
粒子形成法は好ましい方法である。濃度を増加させる、
あるいは流速を増加させることにより、供給するハロゲ
ン化銀量を添加時間の一次関数、二次関数、あるいはよ
り複雑な関数で変化させることができる。また必要によ
り供給ハロゲン化銀量を減量することも場合により好ま
しい。さらに溶液組成の異なる複数個の可溶性銀塩を添
加する、あるいは溶液組成の異なる複数個の可溶性ハロ
ゲン塩を添加する場合に、一方を増加させ、もう一方を
減少させるような添加方式も有効な方法である。
【0243】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩の溶液を反
応させる時の混合器は米国特許第2,996,287
号、同3,342,605号、同3,415,650
号、同3,785,777号、西独公開特許2,55
6,855号、同2,555,364号に記載されてい
る方法の中から選んで用いることができる。
【0244】熟成を促進する目的に対してハロゲン化銀
溶剤が有用である。例えば熟成を促進するのに過剰量の
ハロゲンイオンを反応器中に存在せしめることが知られ
ている。また他の熟成剤を用いることもできる。これら
の熟成剤は銀およびハロゲン化物塩を添加する前に反応
器中の分散媒中に全量を配合しておくことができるし、
ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応
器中に導入することもできる。別の変形態様として、熟
成剤をハロゲン化物塩および銀塩添加段階で独立して導
入することもできる。
【0245】熟成剤としては、上記の他に、例えば、ア
ンモニア、チオシアン酸塩(例えば、ロダンカリ、ロダ
ンアンモニウム)、有機チオエーテル化合物(例えば、
米国特許第3,574,628号、同3,021,21
5号、同3,057,724号、同3,038,805
号、同4,276,374号、同4,297,439
号、同3,704,130号、同4,782,013
号、特開昭57−104926号に記載の化合物)、チ
オン化合物(例えば特開昭53−82408号、同55
−77737号、米国特許第4,221,863号に記
載されている四置換チオウレアや、特開昭53−144
319号に記載されている化合物)や、特開昭57−2
02531号に記載されているハロゲン化銀粒子の成長
を促進しうるメルプト化合物、アミン化合物(例えば特
開昭54−100717号)があげられる。
【0246】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ターとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。例えば
ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポ
リマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セル
ロース硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アル
ギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニル
アルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポ
リ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリビニルピラゾール等の単独重合体あるいは共重
合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることが
できる。
【0247】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci,Ph
oto.Japan.No.16.P30(1966)
に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、
また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いること
ができる。
【0248】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイドに分散することが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選
べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ま
しくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応
じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗
の方法は、ヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠
心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで
用いることができる。凝析沈降法は、例えば、硫酸塩を
用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを
用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法から選ぶこと
ができる。
【0249】本発明の乳剤調製時、例えば粒子成形時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子に金属イオン
の塩をドープする場合には粒子形成時、金属イオンの塩
を粒子表面の修飾あるいは化学増感剤として用いる時は
粒子形成後、化学増感終了前に添加することが好まし
い。金属イオンの塩は、これを粒子全体にドープしても
よいし、粒子のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、
あるいはエピタシャル部分にのみ、あるいは基盤粒子に
のみドープすることもできる。金属イオンとしては、例
えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、Y、L
a、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、A
u、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Biのイオ
ンを用いることができる。これらの金属イオンは例えば
アンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水
酸塩あるいは6配位錯塩、4配位錯塩のような、粒子形
成時に溶解させることができる塩の形であれば用いるこ
とができる。そのような塩として例えばCdBr2 、C
dCl2 、Cd(NO3 2 、Pb(NO3 2 、Pb
(CH3 COO)2 、K3 [Fe(CN)6 ]、(NH
4 4 [Fe(CN)6 ]、K3 IrCl6 、(N
4 3 RhCl6 、K4 Ru(CN)6 があげられ
る。配位錯塩のリガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シ
アネート、チオシアネート、ニトロシル、チオニトロシ
ル、オキソ、カルボニルのなかから選ぶことができる。
これら金属イオンの塩は1種類のみ用いてもよいが2種
あるいは3種以上を組み合せて用いてよい。
【0250】金属イオンの塩は水またはメタノール、ア
セトンのような適当な溶媒に溶かして添加するのが好ま
しい。この溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶
液(例えばHCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカ
リ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr)を添
加することができる。また必要に応じ例えば酸、アルカ
リを加えてもよい。金属イオンの塩は粒子形成前の反応
容器に添加しても粒子形成の途中で加えることもでき
る。また金属イオンの塩を水溶性銀塩(例えばAgNO
3 )あるいはハロゲン化アルカリ水溶液(例えばNaC
l、KBr、Kl)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連
続して添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロ
ゲン化アルカリとは独立に金属イオンの塩の溶液を用意
し粒子形成中の適切な時期に連続して添加してもよい。
さらに種々の添加方法を組み合せるのも好ましい。
【0251】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシ
アン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン
酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0252】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セ
レン増感、金増感、パラジウム増感又は貴金属増感、還
元増感の少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程
の任意の工程で施こすことができる。2種以上の増感法
を組み合せることは好ましい。どの工程で化学増感する
かによって種々のタイプの乳剤を調製することができ
る。粒子の内部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表
面から浅い位置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学
増感核を作るタイプがある。本発明の乳剤は目的に応じ
て化学増感核の場所を選ぶことができるが、一般に好ま
しいのは表面近傍に少なくとも一種の化学増感核を作っ
た場合である。
【0253】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess,4th ed,Macmillan,197
7)67−76頁に記載されるように活性ゼラチンを用
いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロー
ジャー、120巻、1974年4月、12008、リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同3,
297,446号、同3,772,031号、同3,8
57,711、同3,901,714号、同4,26
6,018号、および同3,904,415号、並びに
英国特許第1,315,755号に記載されるようにp
Ag5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃にお
いて硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イ
リジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすること
ができる。貴金属増感においては、金、白金、パラジウ
ム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中で
も特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好ま
しい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオ
ーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金
セレナイドのような公知の化合物を用いることができ
る。パラジウム増感剤はパラジウム2価塩または4価の
塩を意味する。好ましいパラジウム増感剤は、R2 Pd
6 またはR2 PdX4 で表わされる。ここでRは水素
原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わ
す。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素またはヨウ素
原子を表わす。具体的には、K2 PdCl4 、(N
4 2 PdCl6 、Na2 PdCl4 、(NH4 2
PdCl4 、Li2 PdCl4 、Na2 PdCl6 また
はK2 PdBr4 が好ましい。金増感剤およびパラジウ
ム増感剤はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と
併用することが好ましい。
【0254】本発明の乳剤は金増感を他の増感と併用す
ることが好ましい。金増感剤の好ましい量はハロゲン化
銀1モル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さら
に好ましいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パ
ラジウム増感剤の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当
り1×10-3モルから5×10-7モルである。チオシア
ン化合物あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲は
ハロゲン化銀1モル当り5×10-2モルから1×10-6
モルである。
【0255】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同4,266,018号および同4,05
4,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いる
ことができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増
感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザイ
ンデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化
学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するも
のとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改
質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同3,
411,914号、同3,554,757号、特開昭5
8−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化
学」、138〜143頁に記載されている。
【0256】本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用す
る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1
×10-5〜5×10-7モルである。
【0257】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セレノ
ケトン類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増
感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場
合がある。
【0258】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。
【0259】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
選ぶこともできる。また2つ以上の方法を併用すること
もできる。
【0260】還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0261】還元増感剤として例えば第一錫塩、アスコ
ルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン
類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、
シラン化合物、ボラン化合物が公知である。本発明の還
元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いること
ができ、また2種以上の化合物を併用することもでき
る。還元増感剤として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジ
メチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体
が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製
造条件に依存するので還元増感剤を添加する時期に応じ
てその添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル
当り10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0262】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容
器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加
する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性ア
ルカリハライドの水溶液にあらかじめ還元増感剤を添加
しておき、これらの水溶液を用いてハロゲン化銀粒子を
沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増感剤
の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添加
するのも好ましい方法である。
【0263】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン
化銀等の水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀
等の水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化
剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機
の酸化剤としては、オゾン、過酸化水素およびその付加
物(例えば、NaBO2 ・H2 2 ・3H2 O、2Na
CO3 ・3H2 2 、Na4 2 7 ・2H2 2 、2
Na2 SO4 ・H2 2 ・2H2 O)、ペルオキシ酸塩
(例えばK2 2 8 、K2 2 6 、K2
2 8 )、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2 [Ti
(O2 )C24 ]・3H2 O、4K2 SO4 ・Ti
(O2 )OH・SO4 ・2H2 O、Na3 [VO
(O2 )(C2 4 2 ・6H2 O]、過マンガン酸塩
(例えば、KMnO4 )、クロム酸塩(例えば、K2
2 7 )などの酸素酸塩、沃素や臭素などのハロゲン
元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素酸カリウム)、高
原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリ
ウム)およびチオスルフォン酸塩などがある。
【0264】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
のようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のような有機過
酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−
ブロムサクシイミド、クロラミンT、クロラミンB)が
例として挙げられる。
【0265】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩のような無機酸化剤及びキノン類のような有機酸
化剤である。前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用
するのは好ましい態様である。酸化剤を用いたのち還元
増感を施こす方法、その逆方法あるいは両者を同時に共
存させる方法のなかから選んで用いることができる。こ
れらの方法は粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで
用いることができる。
【0266】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩;ニトロイミダゾール
類;ニトロベンズイミダゾール類;クロロベンズイミダ
ゾール類;ブロモベンズイミダゾール類;メルカプトチ
アゾール類;メルカプトベンゾチアゾール類;メルカプ
トベンズイミダゾール類;メルカプトチアジアゾール
類;アミノトリアゾール類;ベンゾトリアゾール類;ニ
トロベンゾトリアゾール類;メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール);
メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例
えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザ
インデン類、例えばトリアザインデン類、テトラアザイ
ンデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,
7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類の
ような、かぶり防止剤または安定剤として知られた、多
くの化合物を加えることができる。そのような化合物と
して例えば米国特許第3,954,474号、同3,9
82,947号、特公昭52−28660号に記載され
たものを用いることができる。好ましい化合物の一つに
特開昭63−212932号に記載された化合物があ
る。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成
中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感
前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期
に目的に応じて添加することができる。乳剤調製中に添
加して本来のかぶり防止および安定化効果を発現する以
外に、粒子の晶壁を制御する、粒子サイズを小さくす
る、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御する、
色素の配列を制御するなど多目的に用いることができ
る。
【0267】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されることが本発明の効果
を発揮するのに好ましい。用いられる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メ
ロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシア
ニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が
包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類は、塩基性異節環核としてシア
ニン色素類に通常利用される核のいずれを含むものであ
ってもよい。そのような核として、例えば、ピロリン
核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核など;これらの核
に脂環式炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳
香族炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン核、
ベンゾインドレニン核、インドール核、ベンゾオキサド
ール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、
ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイ
ミダゾール核、キノリン核を挙げることができる。これ
らの核は炭素原子上に置換基を有していてもよい。
【0268】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素はケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を有していてもよい。
【0269】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同2,97
7,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12375号、特開昭5
2−110618号、同52−109925号に記載さ
れている。
【0270】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0271】増感色素を乳剤中に添加する時期は、これ
まで有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階
であってもよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗
布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3,62
8,969号、および同第4,255,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−113
928号に記載されているように化学増感に先立って行
なうことも出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の完了
前に添加し分光増感を開始することも出来る。更にまた
米国特許第4,225,666号に教示されているよう
にこれらの増感色素を分けて添加すること、即ちこれら
の増感色素の一部を化学増感に先立って添加し、残部を
化学増感の後で添加することも可能であり、米国特許第
4,183,756号に開示されている方法を始めとし
てハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。
【0272】増感色素の添加量は、ハロゲン化銀1モル
当り、4×10-6〜8×10-3モルで用いることができ
るが、より好ましいハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜
1.2μmの場合はハロゲン化銀1モル当り約5×10
-5〜2×10モルが有効である。
【0273】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に感色性の異なる感光性層が挟まれたよう
な設置順をもとり得る。
【0274】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0275】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含ま
れていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含
んでいてもよい。
【0276】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
等に記載されているように支持体より離れた側に低感度
乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0277】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順等に設置することができる。
【0278】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0279】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号明細書に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されていてもよい。
【0280】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0281】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同4,705,744号、同
4,707,436号、特開昭62−160448号、
同63−89850号の明細書に記載の、BL,GL,
RLは主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナ
ー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
【0282】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成、配列を選択することができる。
本発明に用いられる写真感光材料の写真乳剤層に含有さ
れる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化
銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭
化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モ
ル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭
化銀である。
【0283】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。
【0284】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン
以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至る
までの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳
剤でもよい。
【0285】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月),22〜23頁,
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion and types)”および同No.187
16(1979年11月),648頁、同No.307
105(1989年11月),863〜865頁、およ
びグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル
社刊(P.Glafkides,Chemieet P
hisique Photographique Pa
ul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳
剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffi
n,Photographic Emulsion C
hemistry(Focal Press,196
6))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al,Making and Coating Ph
otographic Emulsion,Focal
Press,1964)に記載された方法を用いて調
製することができる。
【0286】例えば米国特許第3,574,628号、
同3,655,394号および英国特許第1,413,
748号に記載された単分散乳剤も好ましい。
【0287】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、例
えばガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff,Photogr
aphic Scienceand Engineer
ing)、第14巻、248〜257頁(1970
年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および米国特許第2,112,157号に
記載の方法により簡単に調製することができる。
【0288】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀・酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0289】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されてい。この乳剤のシェルの厚み
は、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ま
しく、5〜20nmが特に好ましい。
【0290】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643号、同No.18716および
同No.307105に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。
【0291】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0292】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特
開昭59−214852号に記載されている。
【0293】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのか
ぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限
定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.7
5μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形については特に限定はなく、規則的な粒子でもよ
く、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン化
銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒
子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であること
が好ましい。
【0294】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。
【0295】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/
または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を
0.5〜10モル%含有するものである。
【0296】微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面
積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好
ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
【0297】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲ
ン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、
また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添
加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アデイ
ンデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト
系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加し
ておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含
有層に、コロイド銀を好ましく含有させることができ
る。
【0298】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g
/m2 以下が好ましく、4.5g/m2 以下が最も好ま
しい。
【0299】本発明に使用できる公知の写真用添加剤
は、上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載
されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0300】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 866〜868 頁 強色増感剤 649頁右欄 4.増白剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.かぶり防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜870 頁 安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 873頁 フィルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左欄 872頁 〜右欄 8.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875 頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874 頁 11. 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876 頁 表面活性剤 13. スタチック、 27頁 650頁右欄 876〜877 頁 防止剤 14. マット剤 878〜879 頁 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号や同4,
435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応
して、固定化できる化合物を感光材料に添加することが
好ましい。
【0301】本発明の感光材料に、米国特許第4,74
0,454号、同第4,788,132号、特開昭62
−18539号、特開平1−283551号に記載のメ
ルカプト化合物を含有させることが好ましい。
【0302】本発明の感光材料に、特開平1−1060
52号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量と
は無関係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤
またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させるこ
とが好ましい。
【0303】本発明の感光材料に、国際公開WO88/
04794号、特表平1−502912号に記載された
方法で分散された染料またはEP第317,308A
号、米国特許第4,420,555号、特開平1−25
9358号に記載の染料を含有させることが好ましい。
【0304】本発明の感光材料には種々のカラーカプラ
ーを使用することができ、その具体例は前出のリサーチ
・ディスクロージャーNo.17643、VII−C〜
G、および同No.307105、VII−C〜Gに記
載された特許に記載されている。
【0305】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、同第4,248,961号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、米国特許第3,973,968号、同
第4,314,023号、同第4,511,649号、
欧州特許第249,473A号、に記載のものが好まし
い。
【0306】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、例えば
米国特許第4,310,619号、同4,351,89
7号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開
昭60−43659号、同61−72238号、同60
−35730号、同55−118034号、同60−1
85951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号に記載のものが特に好ま
しい。
【0307】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、例えば米国特許第
4,052,212号、同第4,146,396号、同
第4,228,233号、同第4,296,200号、
同第2,369,929号、同第2,801,171
号、同第2,772,162号、同第2,895,82
6号、同第3,772,002号、同第3,758,3
08号、同第4,334,011号、同第4,327,
173号、西独特許公開第3,329,729号、欧州
特許第121,365A号、同第249,453A号、
米国特許第3,446,622号、同第4,333,9
99号、同第4,775,616号、同第4,451,
559号、同第4,427,767号、同第4,69
0,889号、同第4,254,212号、同第4,2
96,199号、特開昭61−42658号に記載のも
のが好ましい。さらに、特開昭64−553号、同64
−554号、同64−555号、同64−556号に記
載のピラゾロアゾール系カプラーや米国特許第4,81
8,672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用す
ることができる。
【0308】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、例えば米国特許第3,451,820号、同第
4,080,211号、同第4,367,282号、同
第4,409,320号、同第4,576,910号、
英国特許第2,102,137号、欧州特許第341,
188A号に記載されている。
【0309】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0310】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643のVII−G項、同No.307105
のVII−G項、米国特許第4,163,670号、特
公昭57−39413号、米国特許第4,004,92
9号、同第4,138,258号、米国特許第1,14
6,368号に記載のものが好ましい。また、米国特許
第4,774,181号に記載のカップリング時に放出
された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正するカ
プラーや、米国特許第4,777,120号に記載の現
像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー基
を離脱基として有するカプラーを用いることも好まし
い。
【0311】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましくは使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、VII−F項及び同No.30710
5、VII−F項に記載された特許、特開昭57−15
1944号、同57−154234号、同60−184
248号、同63−37346号、同63−37350
号、米国特許4,248,962号、同4,782,0
12号に記載されたものが好ましい。
【0312】例えばR.D.No.11449、同24
241、特開昭61−201247号に記載の漂白促進
剤放出カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短
縮するのに有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン化
銀粒子を用いる感光材料に添加する場合に、その効果が
大である。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤
を放出するカプラーとしては、英国特許第2,097,
140号、同2,131,188号、特開昭59−15
7638号、同59−170840号に記載のものが好
ましい。また、特開昭60−107029号、同60−
252340号、特開平1−44940号、同1−45
687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応に
より、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を
放出する化合物も好ましい。
【0313】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、例えば米国特許第4,130,
427号に記載の競争カプラー、例えば米国特許第4,
283,472号、同第4,338,393号、同第
4,310,618号等に記載の多当量カプラー、例え
ば特開昭60−185950号、特開昭62−2425
2号等に記載のDIRレドックス化合物放出カプラー、
DIRカプラー放出カプラー、DIRカプラー放出レド
ックス化合物もしくはDIRレドックス放出レドックス
化合物、欧州特許第173,302A号、同第313,
308A号に記載の離脱後復色する色素を放出するカプ
ラー米国特許第4,555,477号等に記載のリガン
ド放出カプラー、特開昭63−75747号に記載のロ
イコ色素を放出するカプラー、例えば米国特許第4,7
74,181号に記載の蛍光色素を放出するカプラーが
挙げられる。
【0314】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0315】水中油滴分散法に用いられる高沸点媒剤の
例は例えば米国特許第2,322,027号に記載され
ている。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が1
75℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル
酸エステル類(例えばジブチルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミル
フェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミル
フェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプ
ロピル)フタレートなど)、リン酸またはホスホン酸の
エステル類(例えばトリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−
2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフ
ェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロ
プロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニ
ルホスホネート)、安息香酸エステル類(例えば2−エ
チルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2
−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、ア
ミド類(例えばN,N−ジエチルドデカンアミド、N,
N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピロリ
ドン)、アルコール類またはフェノール類(例えばイソ
ステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミル
フェノール)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばビ
ス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼ
レート、グリセロールトリブチレート、イソステアリル
ラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導
体(例えばN,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−te
rt−オクチルアニリン)、炭化水素類(例えばパラフ
ィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン)
が挙げられる。また補助溶剤としては、沸点が約30℃
以上、好ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶剤
などが使用でき、典型例としては例えば酢酸エチル、酢
酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジ
メチルホルムアミドなどが挙げられる。
【0316】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、例えば米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および同第2,541,230号に記載されて
いる。
【0317】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の例えば1,2−べンズイソチアゾリン−3−オン、n
−ブチル、p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、
4−クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノ
キシエタノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダ
ゾールの各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが
好ましい。
【0318】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.
18716の647頁右欄から648頁左欄、および同
No.307105の879頁に記載されている。
【0319】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調
湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、膜膨潤速度T
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測定
することができる。例えば、エー・グリーン(A.Gr
een)らによりフォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.E
ng.),19巻,2号,124〜129頁に記載の型
のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより、測
定でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理
した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
し、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義す
る。
【0320】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下でも最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0321】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては例えば3−メチル−4−アミ
ノ−N,Nジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3
−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンス
ルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−β−メトキシエチルアニリン及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩が
挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン
硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以
上併用することもできる。
【0322】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物
塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベン
ゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像
抑制剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N
−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ
(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表
例として挙げることができる。
【0323】次に発色現像以外の本発明のカラー反転感
光材料の処理液及び処理工程について説明する。
【0324】本発明のカラー反転感光材料の処理工程の
うち黒色現像から発色現像までの工程は以下の通りであ
る。
【0325】1) 黒白現像−水洗−反転−発色現像 2) 黒白現像−水洗−光反転−発色現像 3) 黒白現像−水洗−発色現像 工程1)〜3)の水洗工程はいずれも、米国特許4,8
04,616号に記載のリンス工程に替えて、処理の簡
易化、廃液の低減を図ることができる。
【0326】次に発色現像以後の工程について説明す
る。
【0327】 4) 発色現像−調整−漂白−定着−水洗−安定 5) 発色現像−水洗−漂白−定着−水洗−安定 6) 発色現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安定 7) 発色現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安定 8) 発色現像−漂白−定着−水洗−安定 9) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 10) 発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−安定 11) 発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定 12) 発色現像−調整−漂白定着−水洗−安定 13) 発色現像−水洗−漂白定着−水洗−安定 14) 発色現像−漂白定着−水洗−安定 15) 発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定 4)から15)の処理工程において、安定工程の直前の水
洗工程は除去されてもよく、又逆に最終工程の安定工程
は行なわなくてもよい。前記の工程1)〜3)のいずれ
かひとつと4)〜15)の工程のいずれかひとつとがつ
ながって、カラー反転工程が形成される。
【0328】次に本発明のカラー反転処理工程の処理液
について説明する。
【0329】本発明に用いられる黒白現像液には、公知
の現像主薬を用いることができる。現像主薬としては、
例えばジヒドロキシベンゼン類(たとえば、ハイドロキ
ノン)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−
3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえばN
−メチル−p−アミノフェノール)、1−フェニル−3
−ピラゾリン類、アスコルビン酸及び米国特許第4,0
67,872号に記載の1,2,3,4−テトラヒドロ
キノリン環とインドレン環とが縮合したような複素環化
合物を、単独もしくは組合せで用いることができる。
【0330】本発明に用いる黒白現像液には、例えばそ
の他必要により保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸
塩)、緩衝剤(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカ
ノールアミン)、アルカリ剤(例えば、水酸化物、炭酸
塩)、溶解錠剤(例えば、ポリエチレングリコール類、
これらのエステル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き
有機酸、増感剤(例えば、四級アンモニウム塩)、現像
促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、粘性付与剤を含
有させることができる。
【0331】本発明に用いる黒白現像液にはハロゲン化
銀溶剤として作用する化合物を含ませる必要があるが、
通常は上記の保恒剤として添加される亜硫酸塩がその役
目を果す。この亜硫塩及び他の使用しうるハロゲン化銀
溶剤としては、具体的には例えばKSCN、NaSC
N、K2 SO3 、Na2 SO3 、K2 2 5 、Na2
2 5 、K2 2 3 、Na2 2 3 を挙げること
ができる。
【0332】このようにして調整された現像液のpH値
は所望の濃度とコントラストを与える十分な程度に選択
されるが、約8.5〜約11.5の範囲にある。
【0333】かかる黒白現像液を用いて増感処理を行う
には通常、標準処理の最大3倍程度迄の時間延長を行え
ばよい。このとき処理温度を上げれば、増感処理のため
の延長時間を短縮することができる。
【0334】これらの発色現像液及び黒白現像液のpH
は9〜12であることが一般的である。またこれらの現
像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよる
が、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル以
下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させてお
くことにより500ml以下にすることもできる。補充
量を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さ
くすることによって液の蒸発、空気酸化を防止すること
が好ましい。
【0335】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。
【0336】即ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2 )〕÷〔処
理液の容量(cm3 )〕 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82
033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63
−216050号に記載されたスリット現像処理方法を
挙げることができる。開口率を低減させることは、発色
現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、
例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全
ての工程において適用することが好ましい。また、現像
液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることに
より補充量を低減することもできる。
【0337】黒白現像に用いられる反転浴には公知のか
ぶらせ剤を含むことができる。すなわち例えば第1スズ
イオン−有機リン酸錯塩(米国特許第3,617,28
2号明細書)、第1スズイオン有機ホスホノカルボン酸
錯塩(特公昭56−32616号公報)、第1スズイオ
ン−アミノポリカルボン酸錯塩(米国特許第1,20
9,050号明細書)の第1スズイオン錯塩、例えば水
素化ホウ素化合物(米国特許第2,984,567号明
細書)、複素環アミンボラン化合物(米国特許第1,0
11,000号明細書)などのホウ素化合物、である。
このカブラセ浴(反転浴)のpHは、酸性側からアルカ
リ性側まで広い範囲に亘っており、pH2〜12、好ま
しくは2.5〜10、特に好ましくは3〜9の範囲であ
る。反転浴のかわりに再露光による光反転処理を行なっ
てよく、又上記カブラセ剤を発色現像液に添加すること
により、反転工程を省略することもできる。
【0338】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、発色現像後漂白処理又は漂白定着処理される。これ
らの処理は発色現像後他の処理工程を経ることなく、直
ちに行なわれてもよいし、不用な後現像、空気カブリを
防止し、脱銀工程への発色現像液の持ち込みを低減する
ために、また写真感光材料中に含まれる増感色素、染料
などの感材部分及び写真感光材料に含浸された発色現像
主薬の洗い出し、無害化を行なうために、発色現像処理
後、停止、調整、水洗などの処理工程を経た後漂白処理
又は漂白定着処理されてもよい。
【0339】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III) などの多価
金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用
いられる。代表的漂白剤としては鉄(III) の有機錯塩、
例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸
類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩を用
いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢
酸鉄(III) 錯塩、及び1,3−ジアミンプロパン四酢酸
鉄(III) 錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(II
I) 錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好まし
い。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液
においても、漂白定着液においても特に有用である。こ
れらのアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白
液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処
理の迅速化のためにさらに低いpHで処理することもで
きる。
【0340】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる。例えば米国特許第3,893,858号、西独特
許第1,290,812号、同2,059,988号、
特開昭53−32736号、同53−57831号、同
53−37418号、同53−72623号、同53−
95630号、同53−95631号、同53−104
232号、同53−124424号、同53−1416
23号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo.17129号(1978年7月)に記載
のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;
特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導
体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号、米国特許第3,706,5
61号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,12
7,715号、特開昭58−16,235号に記載の沃
化物塩;西独特許第966,410号、同2,748,
430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭
45−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開
昭49−40,943号、同49−59,644号、同
53−94,927号、同54−35,727号、同5
5−26,506号、同58−163,940号記載の
化合物;臭化物イオンが使用できる。なかでもメルカプ
ト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が
大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,8
58号、西独特許第1,290,812号、特開昭53
−95,630号に記載の化合物が好ましい。更に、米
国特許第4,552,834号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮
影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂
白促進剤は特に有効である。
【0341】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には例えば
酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸が好ましい。
【0342】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテ
ル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩をあげること
ができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチ
オ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、例
えばチオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合
物、チオ尿素の併用も好ましい。定着液や漂白定着液の
保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重
亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A号に記
載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂
白定着液には液の安定化の目的で、各種アミノポリカル
ボン酸類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0343】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ
処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0344】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより撹拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような撹拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。撹拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の撹拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0345】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段の前
浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理
液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は
各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減
に特に有効である。
【0346】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Societ
y of Motion Picture and T
elevision Engineers 第64巻、
P.248〜253(1955年5月号)に記載の方法
で、求めることができる。前記文献に記載の多段向流方
式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内
における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖
し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生
じる。本発明のカラー感光材料の処理において、このよ
うな問題の解決策として、特開昭62−288,838
号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低
減させる方法を極めて有効に用いることができる。ま
た、特開昭57−8,542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用
いることもできる。
【0347】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗
水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定
し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、
好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択さ
れる。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直
接安定液によって処理することもできる。このような安
定化処理においては、特開昭57−8543号、同58
−148344号、同60−220345号に記載の公
知の方法はすべて用いることができる。
【0348】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、ホルマリンやグルタルアルデヒドなどの
アルデヒド類、n−メチロール化合物、ヘキサメチレン
テトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸付加物などを挙げ
ることができる。この安定浴にも各種キレート剤や防黴
剤を加えることもできる。
【0349】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。
【0350】自動現像機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加
えて濃縮補正することが好ましい。
【0351】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
14,850及び同15,159に記載のシッフ塩基型
化合物、同13,924号記載のアルドール化合物、米
国特許第3,719,492号記載の金属塩錯体、特開
昭53−135628号記載のウレタン系化合物を挙げ
ることができる。
【0352】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は例えば特開昭56−64339号、同57
−144547号、および同58−115438号に記
載されている。
【0353】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0354】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、これに限定されるものではない。
【0355】実施例1 乳剤Em−1(比較乳剤)の調製 ゼラチン40g、KBr0.65gを含む水溶液100
0mlを74℃に保ち、撹拌した。硝酸アンモニウム
2.7g、1NのNaOH 7ccを加えた後硝酸銀水
溶液(AgNO3 20g)とKBr水溶液をダブルジェ
ット法により27分間にわたって添加した。この時、銀
電位を飽和カロメル電極に対して55mVに保った。次
に、硝酸銀水溶液(AgNO3 23g)とハロゲン水溶
液(KIをKBrに対して10モル%含む)をダブルジ
ェット法により7分間添加し、1NのH2 SO4 でpH
を6.0に調整した後、KI(2.2g)の1%水溶液
を一定流量で添加し引き続き硝酸銀水溶液(AgNO3
57g)とKBr水溶液をダブルジェット法により30
分間に渡って添加した。この時銀電位を飽和カロメル電
極に対して65mVに保った。生成した乳剤をフロキュ
レーション法にて脱塩し、ゼラチンを加えた後、pH
6.4、pAg8.6に調整した。この乳剤は、平均球
相当径0.4μm、変動係数16%、平均AgI含量
4.6モル%、粒子間AgI含量分布の標準変差17%
の14面体粒子であった。
【0356】この乳剤をチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸
とチオシア酸カリウムを用い最適に金硫黄増感し、増感
色素S−2及びS−3をそれぞれ0.02、0.25g
/1モルAgNO3 量添加した乳剤をEm−1とした。
【0357】乳剤Em−2の調製 下記以外はEm−1と同様に調製した。
【0358】KI(2.2g)の1%水溶液を添加する
かわりに沃素イオン放出剤である2−ヨードエタノール
(3.6cc)を添加し、その後、0.1NのNaOH
水溶液を一定流量で5分間添加し、バルク液のpHを1
0.0に上げ5分間保持した後5.6に戻した。乳剤E
m−2も乳剤Em−1と同様に平均球相当径0.4μ
m、変動係数16%、平均AgI含量4.6モル%、粒
子間AgI含量分布の標準変差16%の14面体粒子で
あった。
【0359】乳剤Em−3の調製 下記以外は乳剤Em−1と同様に調製した。
【0360】KI(2.2g)の1%水溶液を添加する
かわりに沃素イオン放出剤であるp−ヨードアセトアミ
ドベンゼンスルホン酸ナトリウム(4.8g)水溶液を
添加した後、亜硫酸ナトリウム(3.0g)水溶液を5
分間一定流量で添加し、pHを8.0で5分間保持した
後、5.6に戻した。乳剤Em−3もEm−1と同様に
平均球相当径0.4μm変動係数16%、平均AgI含
量4.6モル%の14面体粒子であった。
【0361】乳剤Em−4の調製 臭化カリウム15g、不活性ゼラチン25gを蒸留水
3.7リットルに溶かした水溶液をよく撹拌しながら、
これにダブルジェット法により、14%臭化カリウム水
溶液と20%硝酸銀水溶液とを、一定流量で1分間にわ
たって、50℃で加えた(この添加(I)で全銀量の1
0.0%を消費した)。その後に、ゼラチン水溶液(1
7%、300cc)を加え75℃まで昇温し10分間熟
成した後、25%NH3 水溶液35ccを添加し、15
分間保持した後1NのH2 SO4 を510cc添加し中
和した。
【0362】さらに20%臭化カリウム水溶液および3
3%硝酸銀水溶液をダブルジェット法により、40分間
にわたって加えた(この添加(II)で全銀量の40%を
消費した)。この間温度を75℃、pAgを8.40に
保持した。このときのpHは5.8であった。温度を5
0℃に下げ、臭化カリウムを添加してpAgを9.4に
調節し、1%沃化カリウム水溶液1040mlを120
秒間にわたり添加して、その後残りの添加(II)を50
分間にわたって添加した。この添加で全銀量の50%を
消費した。この乳剤に使用した硝酸銀量は425gであ
った。次いで、通常のフロキュレーション法により脱塩
後、増感色素S−6およびS−7の存在下に金・硫黄増
感を最適に行ない、比較用の平板状のAgBrI(Ag
I=2.5モル%)乳剤Em−4を調製した。
【0363】以上説明した如く調製した乳剤Em−4
は、全粒子の98%が円相当径/厚み比が2以上の平板
粒子であり、その球相当径は0.65μmであり、平均
粒子直径/粒子厚みの比は5.2であった。
【0364】乳剤Em−5の調製 下記以外は乳剤Em−4と同様に調製した。
【0365】1%KI水溶液を添加するかわりに沃素イ
オン放出剤である、p−ヨードアセトアミドベンゼンス
ルホン酸ナトリウム(22.7g)水溶液を添加した
後、亜硫酸ナトリウム(10.5g)水溶液を5分間一
定流量で添加し、pHを8.0で5分間保持した後、
5.6に合わせた。
【0366】塗布試料の作製及びその評価 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に下
記組成の乳剤層及び保護層を塗布して試料101を作製
した。
【0367】 (1)乳剤層 乳剤Em−1 塗布銀量 2.15g/m2 カプラーC−5 1.5 g/m2 トリクレジルフォスフェート 1.1 g/m2 ゼラチン 2.0 g/m2 (2)保護層 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s− トリアジンナトリウム塩 0.08g/m2 ゼラチン 1.80g/m2 試料101に対して乳剤を下記表1に示すように変え、
又、表1に示すように乳剤層に化合物を添加して試料1
02〜109を作成した。
【0368】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下に14時間放置した後、下記に示すテストを行っ
た。
【0369】
【表1】 すなわち、以上のようにして作製したハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料を露光した後、以下の工程に従い処理し
た。
【0370】 処理工程 時 間 温 度 第一現像 4分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 前漂白 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 最終リンス 1分 25℃ 各処理液の組成は以下の通りであった。
【0371】 処理A [第一現像液] ニトリロ−N,N,N− トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 1.5 g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 炭酸カリウム 15 g 重炭酸ナトリウム 12 g 1−フェニル−4−メチル−4 −ヒドロキシメチル3−ピラゾリドン 1.5 g 臭化カリウム 2.5 g チオシアン酸カリウム 1.2 g ヨウ化カリウム 2.0 mg ジエチレングリコール 13 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 9.60 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0372】 [反転液] ニトリロ−N,N,N− トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 3.0 g 塩化第一スズ・2水塩 1.0 g p−アミノフェノール 0.1 g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15 ミリリットル 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.00 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0373】 [発色現像液] ニトリロ−N,N,N− トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 7.0 g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 臭化カリウム 1.0 g ヨウ化カリウム 90 mg 水酸化ナトリウム 3.0 g シトラジン酸 1.5 g N−エチル−N−(β−メタルスルホン アミドエチル)−3−メチル−4− アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 11 g 3,6−ジチアオクチン−1,8ジオール 1.0 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 11.80 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0374】 [前漂白] エチレンジアミン4酢酸 ・2ナトリウム塩・2水塩 8.0 g 亜硫酸ナトリウム 6.0 g 1−チオグリセロール 0.4 g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.20 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0375】 [漂白液] エチレンジアミン4酢酸 ・2ナトリウム塩・2水塩 2.0 g エチレンジアミン4酢酸 ・Fe(III)・アンモニウム ・2水塩 120 g 臭化カリウム 100 g 硝酸アンモニウム 10 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 5.70 pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0376】 [定着液] チオ硫酸アンモニウム 80 g 亜硫酸ナトリウム 5.0 g 重亜硫酸ナトリウム 5.0 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.60 pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0377】 [最終リンス液] 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g ポリオキシエチレン−p −モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 g ポリマレイン酸 (平均分子量2,000) 0.1 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 7.0。
【0378】処理B 第一現像液の組成のうち、臭化カリウムの量を3.1g
に変えた以外は処理Aと同様にした。
【0379】処理要因の変動に対する依存性の大きさを
調べるため処理A、処理Bそれぞれの処理を行ったとき
の各試料の発色濃度0.5における露光量を対数で表わ
しlogE(A)及びlog(B)とし、さらにlog
E(A)−logE(B)を求めた。すなわちlogE
(A)−logE(B)の値が小さいほど処理要因の変
動に対する依存性が小さいことを示している。結果を表
2に示す。
【0380】
【表2】 この結果より沃素イオン放出剤の存在下で沃素イオン放
出を調節して粒子形成した乳剤は本発明の化合物(I−
I)〜(I−III)を添加しても現像処理要因の変動に対
する依存性が小さいことがわかる。
【0381】実施例2 乳剤Em−6〜9の調製 乳剤Em−1と同様にして、温度、銀電位及びハロゲン
水溶液の組成(KIとKBrの比率)を調節して、粒子
サイズ、晶癖、AgI含量を変え、比較乳剤Em−6、
7を調製した。また乳剤Em−6、7に対してそれぞ
れ、乳剤Em−1に対する乳剤Em−2と同様の変更を
行い本発明の乳剤Em−8、9を調製した。乳剤Em−
6及び8は粒子サイズ0.35μ、変動係数9%、平均
AgI含率3.4%、粒子間AgI含量分布の標準変差
9%の立方体乳剤であった。乳剤Em−7及び9は粒子
サイズ0.25μ、変動係数13%、平均AgI含率
3.7%、粒子間AgI含量分布の標準変差12%の立
方体乳剤であった。乳剤Em−6〜9はチオ硫酸ナトリ
ウム、N,N−ジメチルセレノ尿素、塩化金酸、チオシ
アン酸カリウム、ベンゼンチオルホン酸ナトリウムを用
いて最適に増感し、増感色素S−2及びS−3を最適量
添加してある。ここでいう最適な増感及び最適量とは1
/100秒露光した時の感度が最も高くなる増感及び量
である。
【0382】乳剤Em−10,11の調製 乳剤Em−4、5と同様にして粒子形成、脱塩後、それ
ぞれチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシアン酸カリ
ウムを用いて最適に増感し、増感色素S−2およびS−
3を添加し、その後平均粒子サイズ0.05μmのAg
Br微粒子乳剤をAg量比で1/50になる量を添加
し、熟成して、乳剤Em−10、11を調製した。
【0383】乳剤Em−12、13の調製 乳剤Em−11と同様にして沃素イオン放出剤を用いて
乳剤Em−12、13を調製した。乳剤Em−12は全
粒子の92%が円相当径/厚み比が2以上の平板粒子で
あり、その球相当径は0.63μmであり平均粒子直径
/粒子厚み比は3.7であった。乳剤Em−13は全粒
子の99%が平均粒子直径/粒子厚み比が2以上の平板
粒子であり、その球相当径は0.67μmであり平均粒
子直径/粒子厚み比は8.1であった。
【0384】試料201の作製 前記乳剤Em−1、6、7、10を第4層、第5層、第
6層に用いて下記のように試料201を作製した。
【0385】下塗りを施した厚み127μの三酢酸セル
ロースフィルム支持体上に、下記の組成の各層より成る
多層カラー感光材料を作製し、試料101とした。数字
はm2 当りの添加量を表わす。なお添加した化合物の効
果は記載した用途に限らない。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.1 g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g 染料D−4 0.8 mg 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数18%、 AgI含量1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.4 g 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤Em−6 銀量 0.2 g 乳剤Em−7 銀量 0.3 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.05g カプラーC−9 0.05g 化合物Cpd−C 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 染料P−1 0.1 g 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤Em−1 銀量 0.5 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 染料P−1 0.1 g 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤Em−10 銀量 0.4 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.3 g カプラーC−2 0.1 g カプラーC−3 0.7 g 添加物P−1 0.1 g 第7層:中間層 ゼラチン 0.6 g 添加物M−1 0.3 g 混色防止剤Cpd−I 2.6 mg 染料D−5 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数16%、 AgI含量0.3モル%) 銀量 0.02g ゼラチン 1.0 g 添加物P−1 0.2 g 混色防止剤Cpd−A 0.1 g 化合物Cpd−C 0.1 g 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.1 g 乳剤B 銀量 0.2 g 乳剤C 銀量 0.2 g ゼラチン 0.5 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.05g カプラーC−8 0.20g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.04g 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤C 銀量 0.3 g 乳剤D 銀量 0.1 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.2 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.05g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.5 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−4 0.3 g カプラーC−7 0.1 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.04g 化合物Cpd−K 5 mg 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02g 第12層:中間層 ゼラチン 0.6 g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.05g 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.07g ゼラチン 1.1 g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 化合物Cpd−L 0.01g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05g 第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g 第15層 :低感度青感性乳剤層 乳剤F 銀量 0.2 g 乳剤G 銀量 0.3 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−5 0.2 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.4 g 第16層:中感度青感性性乳剤層 乳剤Em−4 銀量 0.5 g ゼラチン 0.9 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g 第17層 :高感度青感性性乳剤層 乳剤H 銀量 0.2 g 乳剤I 銀量 0.2 g ゼラチン 1.2 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−2 0.05g 紫外線吸収剤U−5 0.3 g ホルマリンスカンベンジャー Cpd−H 0.4 g 染料D−1 0.15g 染料D−2 0.05g 染料D−3 0.1 g 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1 mg 微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、 AgI含量1モル%) 銀量 0.1 g ゼラチン 0.4 g 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート (平均粒径1.5μ) 0.1 g メタルメタクリレートとアクリル酸 の4:6の共重合体 (平均粒径1.5μ) 0.1 g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 3.0 mg 界面活性剤W−2 0.03g。
【0386】さらに各層には上記化合物の他にゼラチン
硬化剤H−1及び塗布用、乳化用界面活性剤W−3、W
−4、W−5、W−6を添加した。
【0387】更に防止、防黴剤としてフェノール、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシ
エタノール、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチ
ルエステルを添加した。
【0388】試料202〜206の作製 試料201の第4、5、6層の乳剤を下記表3に示すご
とく変更し、又第4、5、6層に表3に示すように例示
化合物を添加した以外は試料201と同様にして試料2
02〜207を作成した。
【0389】
【表3】 このようにして作製した試料201〜207を連続ウエ
ッジを通して赤色光で露光し、実施例1と同様の現像処
理をした。ただし第1現像は6分とした。処理組成は処
理Aで行なった。さらに白色光(赤色光+緑色光+青色
光)で露光し、同様の現像処理を行った。この際、赤色
光露光時の露光量と、白色露光時の赤色光の露光量は同
じにした。この様に露光、現像処理した試料の濃度1.
0における露光量の対数logE(R)、logE
(R.G.B)を求めた。
【0390】さらにlogE(R.G.B)−logE
(R)を求め、これらの値を、それぞれ赤感性層へのイ
ンターイメージ効果の尺度とし、これらの値が大きい程
インターイメージ効果が大きいと言える。
【0391】また実施例1と同様にして処理要因変動に
対する依存性を評価するため各試料を白色光で露光し、
実施例1記載の処理A及び処理Bの現像処理を行った。
ただし、第1現像の処理時間はいずれも6分とした。こ
の際のシアン濃度1.0における露光量の対数を、処理
A、処理Bに対してそれぞれlogE(A)及びlog
E(B)として表わし、さらにlogE(A)−log
(B)を求めた。これらの結果を表4示す。
【0392】
【表4】 この結果より一般式(I−I)〜(I−III)で表わされ
る化合物を添加することにより、インターイメージ効果
は向上するが、沃素イオン放出を調節して粒子形成して
いない乳剤を用いると処理要因の変動に対する依存性が
大きくなってしまうことがわかる。さらに、このとき沃
素イオン放出剤を用いて沃素イオン放出を調節して粒子
形成した乳剤を用いるとこの階調変化が小さいことがわ
かる。
【0393】実施例3 実施例2の試料201に対して下記表5および表6に示
す変更を行った以外試料201と同様にして試料301
〜311を作製した。
【0394】
【表5】
【0395】
【表6】 これら試料301〜311及び201を実施例2に示し
たテストと同様にテストを行った。結果を表7に示す。
【0396】なお、このときの試料301〜311は第
1現像時間6分の処理でISO感度100、11分の処
理でISO感度400を示した。
【0397】
【表7】 この結果より一般式(III−I)で表わされる化合物を添
加した本発明の試料はインターイメージ効果が大きく、
かつ現像処理要因の変動に対する依存性が小さいことが
わかる。
【0398】以上述べた各実施例で使用した乳剤A〜I
について下記表8に、その分光増感について表9に示
す。また使用した化合物を下記化77〜化89に示す。
【0399】
【表8】
【0400】
【表9】
【0401】
【化77】
【0402】
【化78】
【0403】
【化79】
【0404】
【化80】
【0405】
【化81】
【0406】
【化82】
【0407】
【化83】
【0408】
【化84】
【0409】
【化85】
【0410】
【化86】
【0411】
【化87】
【0412】
【化88】
【0413】
【化89】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−68538(JP,A) 特開 平4−151144(JP,A) 特開 昭62−19844(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/00 530 G03C 1/015 G03C 7/305 G03C 7/392

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳
    剤層のそれぞれ少なくとも一層を有するハロゲン化銀カ
    ラー反転写真感光材料において、沃素イオン放出剤の存
    在下で沃素イオン放出を調節することにより沃化銀を含
    むハロゲン化銀相を形成したハロゲン化銀乳剤を含有す
    る感光性乳剤層を有し、かつ、少なくとも一層の親水性
    コロイド層に下記化1に示される一般式(I−I)、下
    記化2に示される一般式(I−II)、または下記化3に
    示される一般式(I−III)で表わされる化合物の少なく
    とも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラ
    ー反転写真感光材料。 【化1】 一般式(I−I)中、M1 は水素原子、陽イオン又はア
    ルカリで開裂するメルカプト基の保護基を表わし、Qは
    −C=N−とともに5員ないし6員の複素環を形成する
    のに要する原子群を表わす。Rは、直鎖または分岐のア
    ルキレン基、直鎖または分岐のアルケニレン基、直鎖ま
    たは分岐のアラルキレン基、またはアリーレン基を表わ
    し、Zは極性置換基を表わす。Yは直結可能な2価の基
    を表わし、R″は水素原子またはこれを置換可能な基を
    表わす。nは0または1を表わし、mは0、1または2
    を表わす。 【化2】 一般式(I−II)中、R200 は未置換又は置換されたア
    ルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、
    複素環基を表わし、VはO、S、Se、又はNR
    201 (R201 はアルキル基、アラルキル基、アルケニル
    基、アリール基、複素環基を表わし、R200 と同じでも
    異なっていてもよい)を表わす。Q1 はV、CおよびN
    とともに5〜6員の複素環を形成するのに必要な原子群
    を表わし、この複素環はさらに縮合されていてもよい。 【化3】 一般式(I−III)中、Y1 およびZ1 は、それぞれ独立
    に、メチン、置換メチン、または窒素原子のずれかを表
    わし、Q2 はN、Y1 およびZ1 とともに5ないし6員
    の複素環を形成するのに必要な原子群を表わし、この複
    素環は更に縮合されていてもよい。M2 は、水素原子ま
    たは陽イオンを表わす。
  2. 【請求項2】 下記化4に示される式(II−I)で表わ
    される沃素イオン放出剤を用いる請求項1記載のハロゲ
    ン化銀カラー反転写真感光材料。 【化4】 式(II−I)中、Xは沃素原子を表わし、R111 、R
    112 、R113 は水素原子または置換可能な基を表わし、
    またR111 、R112 、R113 は互いに連結し炭素環また
    は複素環を形成してもよく、iは1〜5を表わす。
  3. 【請求項3】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳
    剤層のそれぞれ少なくとも一層を有するハロゲン化銀カ
    ラー反転写真感光材料において、沃素イオン放出剤の存
    在下で沃素イオン放出を調節することにより沃化銀を含
    むハロゲン化銀相を形成したハロゲン化銀乳剤を含有す
    る感光性乳剤層を有し、かつ、少なくとも一層の親水性
    コロイド層に下記一般式(III−I)で表わされる化合物
    の少なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲン
    化銀カラー反転写真感光材料。 一般式(III−I) A−(L)j −(G)k −(Time)t −DI 一般式(III−I)中Aは酸化還元母核又はその前躯体を
    表わし、写真現像処理中に酸化されることによってはじ
    めて−(L)j −(G)k −(Time)t −DIが離
    脱することを可能ならしめる原子団を表わす。Time
    はAの酸化体より離脱した後DIを放出する基を表わ
    し、DIは現像抑制剤残基を表わす。Lは二価の連結基
    を表わし、Gは分極しうる基を表わす。j、k、tはそ
    れぞれ0または1を表わす。
  4. 【請求項4】 下記化5に示される式(II−I)で表わ
    される沃素イオン放出剤を用いる請求項3記載のハロゲ
    ン化銀カラー反転写真感光材料。 【化5】 式(II−I)中、Xは沃素原子を表わし、R111 、R
    112 、R113 は水素原子または置換可能な基を表わし、
    またR111 、R112 、R113 は互いに連結し炭素環また
    は複素環を形成してもよく、iは1〜5を表わす。
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