JPH05340216A - 内燃機関のバルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調整装置

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JPH05340216A
JPH05340216A JP15224392A JP15224392A JPH05340216A JP H05340216 A JPH05340216 A JP H05340216A JP 15224392 A JP15224392 A JP 15224392A JP 15224392 A JP15224392 A JP 15224392A JP H05340216 A JPH05340216 A JP H05340216A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブタイミング調整装置において、簡単な
構成によりヘリカルスプラインのバックラッシュを消滅
させ、機関運転時の打音発生を防止する。 【構成】 1は吸気弁用のカム軸でタイミングギヤ3,
4の噛み合いによって排気弁用のカム軸2から駆動され
る。カムギヤハウジング5は最外周の内歯車であり、中
心の歯車である中空のシャフト8はカム軸1に連結され
ている。カムギヤハウジング5と中空のシャフト8との
間には制御用歯車11が挿入され、内外のヘリカルスプ
ラインによってそれらに嵌合しており、軸方向移動を与
えられることによってバルブタイミングが変更される。
図示実施例では制御用歯車11の内外のヘリカルスプラ
イン11a,11bの間に穴11dが形成されてスプリ
ングピン14が打ち込まれているので、制御用歯車11
の内外のヘリカルスプラインは内外へ付勢されて張り出
し、バックラッシュを埋める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸排気弁の
開閉タイミングを運転条件に応じて変更するためのバル
ブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の運転条件に応じて吸排気弁の
バルブタイミングを調整するために、クランクシャフト
からタイミングベルト、チェーン、或いはギヤ等のよう
な回転伝達部材を介してカム軸を駆動する動弁機構にお
いて、例えば、回転伝達部材とカム軸との間に相対的な
回転を与えたり、DOHC(ダブルオーバヘッドカムシ
ャフト)式の動弁機構の場合では、排気弁用のカム軸と
それによって駆動される吸気弁用のカム軸との間に相対
的な回転を与えるというように、伝動系統の途中にバル
ブタイミング調整装置を挿入することが知られている。
【0003】このようなバルブタイミング調整装置の一
つの形式として、中心の歯車と、中心の歯車に形成され
た歯に被さるように嵌合する同歯数の内歯を備えた円筒
形歯車と、更に、この円筒形歯車の外周側に形成された
歯に被さるように嵌合する同歯数の内歯を備えた最外周
の内歯車と、からなる三層構造の複合歯車を主要構成要
素とするものがある。この場合に複合歯車を構成する内
外三個の各歯車は互いに嵌合しているので、これらの歯
は、通常の歯車の歯よりも、むしろスプラインの歯に近
い性格をもっていると言うことができる。
【0004】この種のバルブタイミング調整装置におい
ては、複合歯車の内外二重のスプライン状の嵌合部分を
それぞれ構成する二対の歯の歯形のうち、少なくとも一
対の歯形を斜歯(ヘリカルスプライン)とすることによ
って、中間層をなす円筒形歯車を中心の歯車と最外周の
内歯車に対して軸方向に移動させた際に、中心の歯車と
最外周の内歯車との間に相対的な回転を生じさせること
ができ、それによって中心の歯車と最外周の内歯車にそ
れぞれ連結された回転伝達部材とカム軸や、吸気弁用カ
ム軸と排気弁用カム軸が相対的に回転する結果、バルブ
タイミングが円筒形歯車の軸方向位置に応じて連続的に
変化するようになっている。前述のように、この種のバ
ルブタイミング調整装置では三層構造の複合歯車におけ
る中間層の円筒形歯車の内外二箇所にスプライン状の嵌
合部分があるので、それらの嵌合部分を形成する各対の
歯車のスプライン状の歯と歯の間にバックラッシュが存
在すると、内燃機関が運転される際にそれらの部分から
打音が発生して、それが機関騒音の一つの要因となる。
【0005】この問題に対処するための従来技術が、例
えば特開昭62−3111号公報とか特開昭62−31
12号公報等に記載されている。これらの従来技術にお
いては、前述のバルブタイミング調整装置における三層
構造の複合歯車のうち、中間層をなす円筒形歯車に相当
するものとして、軸方向に長い「長尺の歯車」を使用
し、それを軸方向に配列する二個以上の部分に切断(輪
切り)すると共に、それらの各部分が相互に軸方向に微
小な距離だけ相対的移動をすることができるようにする
と共に、軸方向の相対的移動を起こさせる付勢装置とし
て、それらの各部分の間に色々な形の弾性体を介在させ
た構成をとっている。これらのバルブタイミング調整装
置においては、長尺の円筒形歯車を軸方向に配列する複
数個の部分に分割してなる各部分が、軸方向に微小な距
離だけ相対的に移動(接近又は離間)することによっ
て、それぞれの部分の斜歯(ヘリカルスプライン)の歯
筋が相互にずれる結果、円筒形歯車全体としての、その
歯の見かけ上の歯厚が増加し、中心の歯車と最外周の内
歯車の歯との嵌合部におけるバックラッシュが吸収され
るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術による
バルブタイミング調整装置においては、複合歯車の各層
のスプライン嵌合部分におけるバックラッシュを解消さ
せて内燃機関運転時の打音の発生を防止するには、複数
個の部分に分割した歯車構成体の個々の軸方向の長さを
大きくすると共に、相対的な軸方向の移動距離を大きく
とる必要があるため、それらの歯車構成体を積み重ねて
なる円筒形歯車の合計の軸方向長さがかなり大きくなる
上、それらの各部分の間に直列に挿入される弾性体が集
合体としての円筒形歯車の軸方向長さを一層大きくする
ために、バルブタイミング調整装置全体が軸方向に長く
なること、また、弾性体を円筒形歯車の半径方向の厚み
の中に収容しなければならないから、複合歯車の半径方
向の寸法も大きくなること等の理由から、バルブタイミ
ング調整装置をコンパクトに纏めることが難しい。ま
た、この場合の複合歯車は構造が複雑であり、各歯車構
成体等を高精度のものとする必要があるので、製造工程
の作業が複雑になるという問題もある。本発明は、従来
技術のこれらの問題を解決することを、発明が解決しよ
うとする課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、少なくとも、内燃機関のク
ランク軸側又は一つのカム軸側のいずれか一方に連結さ
れている中心の歯車と、前記クランク軸側又は前記カム
軸側の他方に連結され前記中心の歯車と同軸上において
それを覆うように支持されている最外周の内歯車と、前
記中心の歯車及び前記最外周の内歯車の間の環状空間に
挿入され軸方向に移動することによって前記中心の歯車
と前記最外周の内歯車とを相対的に回転させる制御用歯
車との三部材からなる集合体を有し、前記制御用歯車は
略円筒形の形状を有し、半径方向の内外面にそれぞれ内
歯ヘリカルスプラインと外歯ヘリカルスプラインを備え
ていて、前記内歯ヘリカルスプラインは前記中心の歯車
に形成された外歯ヘリカルスプラインに嵌合し、前記外
歯ヘリカルスプラインは前記最外周の内歯車に形成され
た内歯ヘリカルスプラインに嵌合していると共に、前記
制御用歯車の外面の外歯ヘリカルスプラインは半径方向
外方へ、同時に、前記制御用歯車の内面の内歯ヘリカル
スプラインは半径方向内方へ、それぞれ微小な距離だけ
移動するように弾性体によって付勢されていることを特
徴とする内燃機関のバルブタイミング調整装置を提供す
る。
【0008】
【作用】本発明による内燃機関のバルブタイミング調整
装置においては、中心の歯車及び最外周の内歯車の間の
環状空間には制御用歯車が挿入されており、それを軸方
向に移動させることによって中心の歯車と最外周の内歯
車とを相対的に回転させて、内燃機関のクランク軸とカ
ム軸との間の回転位相を変更させる。この場合、制御用
歯車は略円筒形の形状を有し、その半径方向の内外面に
ヘリカルスプラインを備えていて、それらが中心の歯車
の外面及び最外周の内歯車の内面に形成されたヘリカル
スプラインにそれぞれ嵌合しているが、制御用歯車の外
面の外歯ヘリカルスプラインは半径方向外方へ、また、
制御用歯車の内面の内歯ヘリカルスプラインは半径方向
内方へ、それぞれ微小な距離だけ移動するように弾性体
によって付勢されているので、ヘリカルスプラインの各
嵌合箇所にバックラッシュが生じようとしても、制御用
歯車の内外面のヘリカルスプラインが半径方向に微小な
距離だけ移動してバックラッシュを埋めるので、各嵌合
箇所にバックラッシュが残ることはなく、内燃機関が運
転されたときにバックラッシュに起因する打音を発生さ
せる恐れがない。
【0009】
【実施例】第1実施例として、図1に、排気弁用のカム
軸から一対のタイミングギヤを介して吸気弁用のカム軸
を駆動するDOHC式の動弁機構に本発明を適用し、被
駆動側のタイミングギヤと吸気弁用のカム軸との間にバ
ルブタイミング調整装置を挿入した場合の全体構成を縦
断正面図として示す。図1において、1は吸気弁用のカ
ム軸、2は排気弁用のカム軸を示す。図示例の排気弁用
のカム軸2は、図示しないタイミングプーリ等を介して
内燃機関のクランク軸から直接に回転駆動されており、
吸気弁用のカム軸1は、排気弁用のカム軸2に装着され
たタイミングギヤ3に噛み合っているタイミングギヤ4
を介して、排気弁用のカム軸2から駆動される。
【0010】タイミングギヤ3は所謂シザーズギヤであ
って、その構成ギヤ3aはカム軸2に固定されている
が、構成ギヤ3bはカム軸2に遊嵌されると共に、構成
ギヤ3aとの間に設けられている弾性部材によって付勢
され、構成ギヤ3aと構成ギヤ3bの各歯の間でタイミ
ングギヤ4の歯を挟んでバックラッシュを零にするよう
になっている。タイミングギヤ3と噛み合うタイミング
ギヤ4の歯はカムギヤハウジング5の外周に形成されて
おり、カムギヤハウジング5は図1の右端側において、
吸気弁用のカム軸1に対して回転可能に緩挿された円筒
状スリーブ6のフランジ部6aと螺合して一体化されて
いると共に、左端側においてはフランジ7とかしめによ
って一体化されている。
【0011】内部に2段階の段部を有する中空のシャフ
ト8が吸気弁用のカム軸1と円筒状スリーブ6に緩挿さ
れ、それに形成された軸方向の溝8aには吸気弁用のカ
ム軸1に打ち込まれたピン9が係合して、吸気弁用のカ
ム軸1と同じ回転をするように連結されている。カムギ
ヤハウジング5と中空のシャフト8を軸方向に位置決め
するために、吸気弁用のカム軸1の左端側にナット10
が螺合しており、フランジ7を挟んで、中空のシャフト
8の段部の一つを吸気弁用のカム軸1の段部に向かって
押し付けている。この構造によって、吸気弁用のカム軸
1、ピン9、中空のシャフト8、及びナット10は実質
的に一体化されるが、それらに対して別に一体されたフ
ランジ7、カムギヤハウジング5、及び円筒状スリーブ
6は、軸線の回りに相対的に回転することが許容されて
いる。
【0012】カムギヤハウジング5の内周面の一部には
内歯ヘリカルスプライン5aが形成されており、中空の
シャフト8の外周面の一部には外歯ヘリカルスプライン
8bが形成されている。内歯ヘリカルスプライン5aに
対して外歯ヘリカルスプライン8bは逆方向の捩じれ角
を有するが、場合によっては、内歯ヘリカルスプライン
5a又は外歯ヘリカルスプライン8bの一方は、ヘリカ
ルスプラインの一つの特別な形として捩じれ角が零のヘ
リカルスプライン、即ち、軸線の方向と平行な直線状の
スプラインとしてもよい。
【0013】このようにしてカムギヤハウジング5と中
空のシャフト8との間には略円筒形の隙間が形成される
が、この隙間には、図2及び図3に単独に取り出して示
すような制御用歯車11が挿入される。制御用歯車11
の外周面の一部には外歯ヘリカルスプライン11aが形
成されていて、それがカムギヤハウジング5の内歯ヘリ
カルスプライン5aと嵌合していると共に、制御用歯車
11の内周面の一部には内歯ヘリカルスプライン11b
が形成されていて、それが中空のシャフト8の外歯ヘリ
カルスプライン8bと嵌合している。この場合、ヘリカ
ルスプライン同士が嵌合しているということは、嵌合し
ている二対の内歯及び外歯のヘリカルスプライン同士
が、それぞれ等しい捩じれ角を有していることを意味す
るから、外歯ヘリカルスプライン11aと内歯ヘリカル
スプライン11bとは互いに相手に対して逆方向の捩じ
れ角を有するということであり、また、前述のように、
それらの一方がヘリカルスプラインの特別の形として直
線状のスプラインになり得るということである。
【0014】制御用歯車11は、相手となる二つのヘリ
カルスプラインとの嵌合を保持しながら、カムギヤハウ
ジング5と中空のシャフト8の間の略円筒形の隙間にお
いて軸方向に進退し得るように挿入されており、図1に
示されたスプリング12によって一方向に向かって付勢
されている。その付勢力に対抗する任意の大きさの油圧
力が発生するように、図1において制御用歯車11の右
端側と円筒状スリーブ6のフランジ部6aとの間に油圧
室13が形成されており、油圧室13は円筒状スリーブ
6の孔6b、吸気弁用のカム軸1の孔1a、及び軸方向
の貫通孔1bを通じて図示しない油圧制御弁に連通し、
それによって任意の大きさの油圧の供給を受けられるよ
うになっている。なお図中、1cはカム軸1の軸方向の
貫通孔1bの左端を閉塞するために圧入された鋼球を、
7aはフランジ7に開口された通気孔を、11cは制御
用歯車11の溝に挿入されたシール用のOリングを示し
ている。
【0015】図示しない油圧制御弁によって油圧室13
に或る大きさの油圧が供給されたとき、図1において制
御用歯車11の右側に作用する油圧力と、スプリング1
2の付勢力とが釣り合う位置まで制御用歯車11は軸方
向に移動し、その位置で停止する。制御用歯車11が軸
方向に移動することによって、捩じれ角の異なる二対の
ヘリカルスプライン、即ち、内歯ヘリカルスプライン5
aと外歯ヘリカルスプライン11aの対、及び、内歯ヘ
リカルスプライン11bと外歯ヘリカルスプライン8b
の対のそれぞれの嵌合位置の変化に応じて、カムギヤハ
ウジング5と中空のシャフト8との間に相対的な回転が
生じ、それによって吸気弁用のカム軸1と排気弁用のカ
ム軸2との間に回転位相の差が生じる結果、吸気弁と排
気弁との間に目的とするバルブタイミングの変化が生じ
る。以上の構成や、バルブタイミング調整装置としての
基本的な作動に関して、第1実施例は従来技術と比べて
格別に特徴を有するものではない。
【0016】第1実施例の特徴は、図2及び図3に明示
したように、制御用歯車11において、外歯ヘリカルス
プライン11aと内歯ヘリカルスプライン11bの間の
環状の厚肉部分11cに、複数の穴11dが全周にわた
って形成されており、図1のように、制御用歯車11を
カムギヤハウジング5と中空のシャフト8の間の環状の
隙間に挿入して、二対のヘリカルスプラインを嵌合させ
た状態で、円筒状スリーブ6のフランジ部6aを螺着す
る前に、穴11dにそれぞれスプリングピン14を打ち
込んで、穴11dが拡大する方向の付勢力を与えてある
ことである。
【0017】スプリングピン14による拡径方向への付
勢によって、環状の厚肉部分11cの半径方向の変形が
可能なように、制御用歯車11の材料は多少柔軟性を有
している必要があり、そのために、例えばPPSやPB
T、或いはナイロン樹脂のような熱可塑性の樹脂を用い
るのが良い。スプリングピン14を制御用歯車11の穴
11dに打ち込むことによって、図4に示したように、
制御用歯車11の外歯ヘリカルスプライン11aは外方
へ僅かに押し出されて11a’のような形になると共
に、内歯ヘリカルスプライン11bは内方へ僅かに押し
出されて11b’のような形になる。
【0018】それによって変形したヘリカルスプライン
11a’及び11b’は、それぞれカムギヤハウジング
5の内歯ヘリカルスプライン5a、及び中空のシャフト
8の外歯ヘリカルスプライン8bに向かって半径方向に
押し付けられるから、それらの間にあったバックラッシ
ュは消滅して、内燃機関が運転されたときに打音を発生
するのが防止される。また、長期間の間に制御用歯車1
1の各ヘリカルスプラインが摩耗しても、スプリングピ
ン14の付勢によって変形したヘリカルスプライン11
a’及び11b’は常に相手のヘリカルスプラインに押
し付けられているから、摩耗によるバックラッシュの増
大の恐れはなく、いつでもバックラッシュ零の状態を維
持することができる。このように、制御用歯車11の穴
11dにスプリングピン14を打ち込むというきわめて
簡単な構造によって、従来技術における複雑な構造と同
様に、打音の解消という効果を奏することができる。な
お、この実施例では、断面C字型のスプリングピン14
を打ち込んで制御用歯車11を拡げているが、断面C字
型のスプリングピン14に代えて、板ばね、コイルばね
等を用いてもよい。
【0019】図5〜図7は本発明の第2実施例を示した
もので、この例における制御用歯車15は複合歯車であ
って、製造工程において、第1実施例における制御用歯
車11と略同様な外形と、外周の一部及びそれに対応す
る内周の一部に外歯ヘリカルスプライン16aと内歯ヘ
リカルスプライン16bを有するように成形した素材
と、それとは別体で、スプライン16a及び16bと歯
すじが一致するように成形された外歯ヘリカルスプライ
ン17a及び内歯ヘリカルスプライン17bを有するリ
ング状部分17を作る。
【0020】次に、主体部分16の環状の厚肉部分16
cにおける対称の位置において軸方向に穿孔された孔1
6dにピン18を打ち込むと共に、ピン18と略対応す
る位置において、リング状部分17の環状の厚肉部分1
7cに、ピン18よりも若干大径の開口17dを穿孔す
る。更に、主体部分16環状の厚肉部分16cに接線方
向の溝16eを形成すると共に、それと接するリング状
部分17の環状の厚肉部分17cに、同じ大きさの接線
方向の溝17eを形成する。接線方向の溝16eとそれ
に対応する接線方向の溝17eには、それぞれ組み付け
の際に圧縮されたコイルスプリングやゴムのような弾性
体19が装填される。
【0021】本発明の第2実施例のバルブタイミング調
整装置は、図1と略同様な全体構成を備える一方、その
要部となる制御用歯車15はこのような特殊な構造を有
するから、圧縮された弾性体19が伸長しようとする力
によって、制御用歯車15を構成する主体部分16とリ
ング状部分17が半径方向反対の方向に向かって相互に
移動するように付勢されるので、外歯ヘリカルスプライ
ン16a,17a及び内歯ヘリカルスプライン16b,
17bは、図7にも示したように、それぞれ相手に対し
て半径方向にずれる結果、図1に示すものと同様なカム
ギヤハウジング5の内歯ヘリカルスプライン5aと、中
空のシャフト8の外歯ヘリカルスプライン8bに対して
内外方向に押し付けられ、それらの間に存在したバック
ラッシュが消滅し、内燃機関の運転の際に発生する打音
が防止される。第2実施例は、制御用歯車15を主体部
分16とリング状部分17に分割しているが、従来技術
と異なり、それらの軸方向の長さはきわめて小さくてよ
く、軸方向に相対的に移動させる必要もないので、それ
がバルブタイミング調整装置の体格を大きくする要因と
なることはない。
【0022】
【発明の効果】本発明のバルブタイミング調整装置にお
いては、従来技術よりも遙かに簡単な構成によってヘリ
カルスプラインのバックラッシュを消滅させ、それによ
って内燃機関の運転時における打音の発生を防止するこ
とができる。また、本発明によれば、バルブタイミング
調整装置を含む全体の大きさを、従来のものよりも小型
化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのバルブタイミング
調整装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例の要部を示す縦断面図である。
【図3】第1実施例の要部を示す側面図である。
【図4】第1実施例の要部の作動状態を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の第2実施例の要部を示す縦断面図であ
る。
【図6】第2実施例の要部を示す側面図である。
【図7】第2実施例の要部の作動状態を示す部分的拡大
図である。
【符号の説明】
1…吸気弁用のカム軸 2…排気弁用のカム軸 3…タイミングギヤ(シザーズギヤ) 4…タイミングギヤ 5…カムギヤハウジング 5a…内歯ヘリカルスプライン 6…円筒状スリーブ 6a…フランジ部 7…フランジ 8…中空のシャフト 8a…軸方向の溝 8b…外歯ヘリカルスプライン 11…制御用歯車 11a…外歯ヘリカルスプライン 11b…内歯ヘリカルスプライン 11c…環状の厚肉部分 11d…穴 12…スプリング 13…油圧室 14…スプリングピン 15…制御用歯車 16…主体部分 16a…外歯ヘリカルスプライン 16b…内歯ヘリカルスプライン 16e…接線方向の溝 17…リング状部分 17a…外歯ヘリカルスプライン 17b…内歯ヘリカルスプライン 17d…大径の開口 17e…接線方向の溝 18…軸方向のピン 19…弾性体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、内燃機関のクランク軸側又
    は一つのカム軸側のいずれか一方に連結されている中心
    の歯車と、前記クランク軸側又は前記カム軸側の他方に
    連結され前記中心の歯車と同軸上においてそれを覆うよ
    うに支持されている最外周の内歯車と、前記中心の歯車
    及び前記最外周の内歯車の間の環状空間に挿入され軸方
    向に移動することによって前記中心の歯車と前記最外周
    の内歯車とを相対的に回転させる制御用歯車との三部材
    からなる集合体を有し、前記制御用歯車は略円筒形の形
    状を有し、半径方向の内外面にそれぞれ内歯ヘリカルス
    プラインと外歯ヘリカルスプラインを備えていて、前記
    内歯ヘリカルスプラインは前記中心の歯車に形成された
    外歯ヘリカルスプラインに嵌合し、前記外歯ヘリカルス
    プラインは前記最外周の内歯車に形成された内歯ヘリカ
    ルスプラインに嵌合していると共に、前記制御用歯車の
    外面の外歯ヘリカルスプラインは半径方向外方へ、同時
    に、前記制御用歯車の内面の内歯ヘリカルスプラインは
    半径方向内方へ、それぞれ微小な距離だけ移動するよう
    に弾性体によって付勢されていることを特徴とする内燃
    機関のバルブタイミング調整装置。
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JP2014080963A (ja) * 2012-09-28 2014-05-08 Denso Corp バルブタイミング調整装置

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