JPH08151907A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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Publication number
JPH08151907A
JPH08151907A JP4458595A JP4458595A JPH08151907A JP H08151907 A JPH08151907 A JP H08151907A JP 4458595 A JP4458595 A JP 4458595A JP 4458595 A JP4458595 A JP 4458595A JP H08151907 A JPH08151907 A JP H08151907A
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JP
Japan
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gear
camshaft
ring gear
pulley
spline
Prior art date
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Application number
JP4458595A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Idota
敏博 井戸田
Toshiaki Hamaguri
稔章 蛤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クランクシャフトあるいはカムシャフトのトル
ク変動を吸収して歯打音を低減する。 【構成】リングギヤ13をカムシャフト2の軸方向へ移
動させ、タイミングプーリ6及びカムシャフト2の回転
位相を変化させるバルブタイミング制御装置において、
タイミングプーリ6とアウタギヤ11との間にシールリ
ング18を介在するとともに、アウタギヤ11をシール
リング18に押圧する圧縮コイルバネ20を設ける。こ
の構成によれば、タイミングプーリ6に伝達されたクラ
ンクシャフトのトルク変動は、シールリング18の変形
に伴い吸収される。したがって、リングギヤ13の噛合
騒音は低減される。しかも、シールリング18は作動油
の熱によりその弾性が変化することがなく、安定した歯
打音低減効果を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は吸・排気バルブの開閉
時期を内燃機関の運転状態に応じて制御するバルブタイ
ミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関の運転状態に応じて
カムシャフトの回転位相を変化させて、バルブの開閉時
期を早めたり、遅らせたりするバルブタイミング制御装
置が提案されている。このバルブタイミング制御装置
は、タイミングプーリとカムシャフト間にリングギヤを
介在させ、同リングギヤの外周に設けたアウタ歯をタイ
ミングプーリの内周に設けられたインナ歯に噛合させて
いる。また、リングギヤの内周に設けたインナ歯をカム
シャフトの外周に設けたアウタ歯にそれぞれ噛合させて
いる。このことによって、タイミングプーリの駆動力が
リングギヤを介してカムシャフトに伝達される。前記リ
ングギヤのインナ歯もしくはアウタ歯のうち少なくとも
何れか一方はヘリカルスプラインとなっている。そし
て、リングギヤは油圧機構の油圧力やスプリング等の付
勢力によりカムシャフトの軸心方向に沿って移動される
と、カムシャフトに捩りが付与されてタイミングプーリ
との回転位相がずれ、吸気バルブのタイミングは制御さ
れる。
【0003】ところが、リングギヤとタイミングプーリ
及びカムシャフトとは互いに噛合されているため、噛合
するスプラインの歯面と歯面との間にはバックラッシが
存在する。したがって、タイミングプーリに伝達される
回転トルクの変動、あるいはカムシャフトのトルク変動
が生じると、リングギヤのインナ歯もしくはアウタ歯と
噛合する歯とが互いに衝突し合い、噛合打音による異音
の発生を招く問題がある。
【0004】そこで、このような問題を解決するため
に、例えば特開平2−241914号公報に示されるよ
うな構成のものが知られている。すなわち、この従来構
成においては、シリコンオイル等の粘性流体が封入され
た粘性ダンパが用いられている。そして、粘性流体の粘
性剪断力によりカムシャフトのトルク変動が吸収され、
リングギヤに噛合されるヘリカルスプラインの歯打ち力
が低減される。したがって、この従来技術においては、
バックラッシを低減することなく、カムシャフトのトル
ク変動を吸収することにより歯打音を解消している。
【0005】また、粘性ダンパによりカムシャフトのト
ルク変動を吸収する以外にも、リングギヤをシザーズギ
ヤ化して歯打音を解消するものが提案されている。この
構成によれば、リングギヤは歯車構成体に分割され、歯
車構成体は互いにゴムブッシュを介してスラストピンに
より各歯車構成体のアウタ歯及びインナ歯の歯すじを僅
かにずらすようにして連結されている。そして、このゴ
ムブッシュの弾性力により各歯車構成体が回転方向及び
軸方向に移動可能となるようにするとともに、歯すじを
ずらしたことにより見掛け上の歯厚を増大させている。
そして、リングギヤをタイミングプーリ及びカムシャフ
トに組付けた際、各歯車構成体がそれらのアウタ歯及び
インナ歯に対して噛合される歯車とのバックラッシを零
とする方向へ移動される。したがって、この従来技術に
おいては、カムシャフトのトルク変動を吸収することな
く、スプライン噛合するスプライン間のバックラッシを
無くすことにより、噛合音を解消してしる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合においては、リングギヤを移動させるための作動油
の保有する熱が粘性流体に伝達されるため、粘性流体の
粘性は温度変化により大きく変化してしまう。このた
め、カムシャフトのトルク変動の吸収性能がバラツクと
いう問題がある。また、粘性ダンパを使用することによ
り、タイミングプーリの重量が増加してしまう。このた
め、動弁系の慣性モーメントが大きくなり、動弁系の性
能に影響を及ぼすという問題がある。
【0007】また、後者のようにリングギヤをシザーズ
ギヤ化した場合においては、リングギヤのバックラッシ
を無くしたことにより、アウタ歯及びインナ歯に対する
リングギヤの摺動抵抗が増大してリングギヤの移動がス
ムーズに行われなくなる。このため、カムシャフトの回
転位相変換速度が低下して、スムーズに位相変換されな
くなるという問題がある。
【0008】この発明の目的は、作動油の温度変化によ
りカムシャフトのトルク変動吸収性能にバラツキを生じ
たり、内燃機関の動弁系に影響を及ぼしたり、更に、カ
ムシャフトの回転位相変換速度を低下させることなく、
リングギヤの歯打音を低減することの可能な内燃機関の
バルブタイミング制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに請求項1の発明は、内燃機関のバルブ駆動用カムシ
ャフトと、カムシャフトを駆動するためのプーリに取付
けられ、スプラインを有するアウタギヤと、カムシャフ
トの前端に設けられ、スプラインを有するインナギヤ
と、アウタギヤ及びインナギヤ間に設けられ、内外周面
にスプラインを有し、そのうち少なくとも一方はヘリカ
ルスプラインである円筒状のリングギヤとを備え、前記
アウタギヤの内周面及びリングギヤの外周面と、インナ
ギヤの外周面及びリングギヤの内周面とをスプライン嵌
合し、そのリングギヤの端部に作動油の油圧を作用させ
てカムシャフト軸方向へ移動させることでプーリとカム
シャフトの回転位相を変化させ、バルブの開閉時期を可
変としたバルブタイミング制御装置において、プーリと
アウタギヤとを、弾性により両者の相対回転を許容する
第1の相対回転許容手段により結合したことを要旨とす
るものである。
【0010】請求項2の発明は、内燃機関のバルブ駆動
用カムシャフトと、カムシャフトを駆動するためのプー
リに取付けられ、スプラインを有するアウタギヤと、カ
ムシャフトの前端に設けられ、スプラインを有するイン
ナギヤと、アウタギヤ及びインナギヤ間に設けられ、内
外周面にスプラインを有し、そのうち少なくとも一方は
ヘリカルスプラインである円筒状のリングギヤとを備
え、前記アウタギヤの内周面及びリングギヤの外周面
と、インナギヤの外周面及びリングギヤの内周面とをス
プライン嵌合し、そのリングギヤの端部に作動油の油圧
を作用させてカムシャフト軸方向へ移動させることでプ
ーリとカムシャフトの回転位相を変化させ、バルブの開
閉時期を可変としたバルブタイミング制御装置におい
て、カムシャフトとインナギヤとを、弾性により両者の
相対回転を許容する第2の相対回転許容手段により結合
したことを要旨とするものである。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明は、第1の
相対回転許容手段の弾性によりプーリとアウタギヤとの
相対回転が許容される。したがって、プーリに伝達され
る回転トルクが変動しても、プーリとアウタギヤとが相
対回転することによりそのトルク変動が吸収される。こ
の結果、リングギヤとアウタギヤとのバックラッシ、及
びリングギヤとインナギヤとのバックラッシを無くすこ
となく、噛合騒音が低減される。
【0012】請求項2の発明は、第2の相対回転許容手
段の弾性によりカムシャフトとインナギヤとの相対回転
が許容される。カムシャフトにおけるトルク変動は、カ
ムシャフトとインナギヤとの相対回転が許容されること
により吸収されるため、リングギヤあるいはプーリには
伝達されない。この結果、リングギヤとアウタギヤとの
バックラッシ、及びリングギヤとインナギヤとのバック
ラッシを無くすことなく、噛合騒音の発生が低減され
る。
【0013】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明における内燃機関のバルブ
タイミング装置を具体化した第1実施例を図1及び図3
を参照して説明する。
【0014】図1に示すように、内燃機関としてのエン
ジンのシリンダヘッド1には、前後(図1の左右)方向
へ延びる吸気バルブ用のカムシャフト2が設けられてい
る。カムシャフト2の外周にはカムジャーナル部2aが
形成され、このカムジャーナル部2aがシリンダヘッド
1とベアリングキャップ3とによって回転可能に支承さ
れている。カムシャフト2の前端には筒状のインナギヤ
4がボルト5により締付け固定されている。カムシャフ
ト2の前端外周にはタイミングプーリ6が回転可能に設
けられている。タイミングプーリ6のボス部6aはカム
シャフト2の前端に遊挿されている。ボス部6aの前端
面はインナギヤ4の後端面に摺動可能に当接されている
とともに、ボス部6aの後端面はカムシャフト2の外周
から突出したフランジ2bに摺動可能に当接されてい
る。
【0015】タイミングプーリ6にはタイミングベルト
8が掛装され、クランクシャフト(図示しない)の回転
がこのタイミングベルト8を介してタイミングプーリ6
に伝達される。図1,図3に示すように、タイミングプ
ーリ6の前端面にはアウタギヤ11が相対回転可能に連
結され、この相対回転量は微量な程度となっている。す
なわち、タイミングプーリ6の前端面には周溝18が形
成され、この周溝18内には弾性部材としてのシールリ
ング19が収容されている。このシールリング19はそ
の周方向及び径方向へ自身の弾性力に抗して変形自在と
なっている。本実施例において、シールリング19は軽
量なるNBR(ブタジエン・アクリロニトリル共重合
物)からなり、耐熱性かつ耐油性を有し、作動油の熱に
影響されることなく常に一定の弾性力を有するものを使
用している。また、タイミングプーリ6とアウタギヤ1
1との相対回転量は、シールリング19の厚みt1 を変
更したものを複数用意しておけば各エンジンに対応させ
て変更できる。
【0016】シールリング19の前面には前記アウタギ
ヤ11が当接されている。アウタギヤ11の後端には貫
通孔11cが形成されている。貫通孔11cには付勢部
材としての圧縮コイルバネ20を介してボルト9が遊挿
され、同ボルト9の先端はタイミングプーリ6に螺合さ
れている。そして、圧縮コイルバネのバネ力によりアウ
タギヤ11はシールリング19に対して押圧され、両者
11,19は互いに密接されている。前記シールリング
19と、圧縮コイルバネ20とから第1の相対回転許容
手段が構成され、シールリング19が変形することによ
り、ボルト9と貫通孔11c間に形成される隙間の範囲
でタイミングプーリ6及びアウタギヤ11は微少なる相
対回転が許容される。また、アウタギヤ11はタイミン
グプーリ6に対してピン10により回り止めされている
が、同ピン10とタイミングプーリ6の貫通孔23間に
形成される隙間の範囲でアウタギヤ11とタイミングプ
ーリ6との微小な相対回転が許容される。そして、図示
しない排気側カムシャフトからタイミングプーリ6に伝
達されるトルク変動は、タイミングプーリ6とアウタギ
ヤ11とが相対回転することにより吸収される。また、
吸気側カムシャフト2のトルク変動に伴う振動は、シー
ルリング19及び圧縮コイルバネ20の弾性力により吸
収される。
【0017】前記タイミングプーリ6とアウタギヤ11
とによって囲まれる空間は環状空間12とされ、同環状
空間12にはほぼ円筒状をなすリングギヤ13が配設さ
れている。リングギヤ13の後端外周には、同リングギ
ヤ13の径方向外方へ延びる環状のフランジ7が一体に
形成されている。フランジ7の外周面にはその周方向へ
延びる周溝7aが形成され、周溝7a内には環状のパッ
キン7bが収容されている。そして、前記パッキン7b
によりフランジ7の外周とアウタギヤ11の内周とは密
接されている。
【0018】前記リングギヤ13によりタイミングプー
リ6とインナギヤ4とが駆動連結されている。すなわ
ち、リングギヤ13の前端外周及び内周にはそれぞれヘ
リカルスプライン13a,13bが形成されている。一
方、前記インナギヤ4の外周及びアウタギヤ11の内周
にはヘリカルスプライン4a,11aが形成されてい
る。そして、ヘリカルスプライン13a,11a同士が
噛み合い、また、ヘリカルスプライン13b,4a同士
が相互に噛み合っている。
【0019】したがって、クランクシャフトの回転がタ
イミングベルト8を介してタイミングプーリ6に伝達さ
れると、リングギヤ13によって連結されたタイミング
プーリ6とインナギヤ4とが一体的に回転されて、カム
シャフト2が回転駆動される。
【0020】前記環状空間12におけるリングギヤ13
の前側は第一の圧力室14とされ、リングギヤ13の後
側は第二の圧力室15とされている。この圧力室14,
15には作動油が供給される。すなわち、カムシャフト
2の前端部、タイミングプーリ6のボス部6a及びベア
リングキャップ3には遅角制御用通路16が形成されて
いる。カムシャフト2における遅角側制御用通路16の
一端はボス部6aの開口を介して第二の圧力室15と連
通され、他端はカムジャーナル部2aの幅方向の中央部
に設けた開口部16aに連通されている。そして、その
開口部16aはベアリングキャップ3の軸受部に開口す
るベアリングキャップ3側の遅角制御用通路16に連通
されている。
【0021】また、カムシャフト2の前端部軸芯、ボル
ト5及びシリンダヘッド1には進角制御用通路17が形
成されている。すなわち、カムシャフト2における進角
側制御用通路17の一端はボルト5の軸芯に沿って穿設
された透孔5aを介して第一の圧力室14と連通され、
他端はカムジャーナル部2aのスラスト面側に設けた開
口部17aに連通されている。そして、その開口部17
aはシリンダヘッド1の軸受部においてカムジャーナル
2aのスラスト面側に開口するシリンダヘッド1側の進
角制御用通路17に連通されている。
【0022】前記遅角制御通路16及び進角制御通路1
7は電磁切換弁、オイルポンプを介してオイルパン(何
れも図示しない)に接続されている。前記オイルポンプ
はエンジンのクランクシャフトに駆動連結されており、
エンジンの作動に連動してオイルパン内に作動油を汲み
上げ、電磁切換弁にて選択された遅角制御用通路16、
あるいは進角制御用通路17を介していずれかの油圧室
へ供給する。この供給により、リングギヤ13に油圧が
作用するようになっている。
【0023】次に、上記のように構成された本実施例に
おけるバルブタイミング制御装置の作用及び効果につい
て説明する。図示しないオイルパンからオイルが進角制
御通路17を介して第一の圧力室14に供給されると、
リングギヤ13に油圧が作用して、その押圧力にて同リ
ングギヤ13はその軸方向の一方(図1の右方向)へ移
動される。この結果、カムシャフト2に捩じりが付与さ
れてアウタギヤ11との回転位相がずれる。すなわち、
吸気バルブの閉じ・開きが早められ、吸気工程における
吸気バルブと排気バルブとのオーバラップが大きくなる
方向へ変えられる。
【0024】反対に、図示しないオイルパンからオイル
が遅角制御通路16を介して第二の圧力室15に供給さ
れると、リングギヤ13に油圧が作用して、その押圧力
にて同リングギヤ13はその軸方向の一方(図1の左方
向)へ移動される。この結果、カムシャフト2に前記と
は逆の捩じりが付与されてアウタギヤ11との回転位相
がずれる。すなわち、吸気バルブの開き・閉じが遅らせ
られ、吸気工程における吸気バルブと排気バルブとのオ
ーバラップが小さくなる方向へ変えられる。上記のよう
に、油圧室14,15への作動油供給量に応じて弁開閉
時期を連続的に制御することができる。
【0025】また、図示しない排気側カムシャフトはエ
ンジン作動中に図示しない弁と係合するスプリングから
トルク変動を受ける。このトルク変動はタイミングプー
リ6に伝達される。そして、シールリング19が変形す
ることにより、タイミングプーリ6とアウタギヤ11と
が相対回転する。この相対回転により、トルク変動は吸
収され、タイミングプーリ6からのトルク変動がアウタ
ギヤ11に伝達されることはない。この結果、リングギ
ヤ13とアウタギヤ11との噛合騒音、及びリングギヤ
13とインナギヤ4との噛合騒音がバックラッシを無く
すことなく低減される。
【0026】また、吸気側カムシャフト2のトルク変動
に伴う振動は、シールリング19及び圧縮コイルバネ2
0の弾性力により吸収される。したがって、本実施例の
シールリング19は作動油の温度変化に影響されること
なく、常に安定した変形量を保つことができる。このた
め、作動油の温度変化により排気側カムシャフトのトル
ク変動の吸収性能にバラツキが生じることはない。この
結果、リングギヤ13とアウタギヤ11との噛合騒音、
及びリングギヤ13とインナギヤ4との噛合騒音を確実
に低減できる。
【0027】また、シールリング19は軽量であるの
で、タイミングプーリ6が重量化するのを防止できる。
このため、動弁系の慣性モーメントを小さくできて、動
弁系の動作性能に影響を及ぼすのを防止できる。
【0028】さらに、従来と異なり、リングギヤ13を
シザーズギヤ化することないので、リングギヤ13とア
ウタギヤ11、及びリングギヤ13とインナギヤ4との
摺動抵抗が増大するのを防止できる。このため、リング
ギヤ13の移動がスムーズに行われるので、カムシャフ
ト2の回転位相変換速度が低下することはない。
【0029】(第2実施例)次に第2実施例について図
2及び図4を参照して説明する。尚、上記第1実施例と
同一である構成部材については図1及び図3と同一の符
号を付すことによりその説明を省略する図2に示す第2
実施例において、アウタギヤ11はその外周部にてタイ
ミングプーリ6と複数のボルト9びピン10により固定
されている。アウタギヤ11に接しているタイミングプ
ーリ6の前端面には上記第1実施例と同様に周溝18が
形成されるとともに、その内部にはシールリング19が
配設されている。したがって、油圧室15の作動油は前
記シールリング19によりその漏出が抑止されている。
【0030】図4に示すように、カムシャフト2の先端
側にはインナギヤ4が配設されている。同インナギヤ4
の底面(同図において右側面)とカムシャフト2との先
端面との間には第2の相対回転許容手段としてのゴムシ
ート21が介在されている。同ゴムシート21は環状を
なし、その中央部には前記ボルト5が挿入可能な透孔2
1aが形成されている。また、ゴムシート21は第1実
施例におけるシールリング19と同材質のNBRからな
り、カムシャフト2の周方向において弾性を有してい
る。インナギヤ4はカムシャフト2に対してボルト5に
より固定されるとともに、ピン22により回り止めされ
ている。ここで、前記ピン22とインナギヤ4との間に
は僅かな隙間が形成され、両者はその隙間の範囲のおい
て相対回転が可能である。したがって、インナギヤ4と
カムシャフト2とはゴムシート21が周方向に剪断変形
することにより、その剪断変形量に応じた相対回転が許
容されることになる。
【0031】かかる構成を備えた第2実施例の作用につ
いて説明する。吸気側カムシャフト2はエンジンが運転
状態になると吸気バルブ(図示しない)を開閉駆動す
る。かかる際、バルブからの反力を受けるためカムシャ
フト2の回転トルクは周期的に変動している。このトル
ク変動がカムシャフト2の先端に設けられているインナ
ギヤ4、リングギヤ13あるいはアウタギヤ11の噛合
部分に伝達されると前述したような歯打音が発生するこ
とになる。しかしながら、本実施例ではカムシャフト2
とインナギヤ4との間にはゴムシート21が介在されて
いるため、そのトルク変動はゴムシート21の弾性変形
により吸収される。したがって、カムシャフト2からイ
ンナギヤ4へ伝達されるトルク変動が遮断されるため、
インナギヤ4とリングギヤ13間の噛合部分における歯
打音を低減することができる。
【0032】また、本実施例の歯打音低減効果はカムシ
ャフト2とインナギヤ4との間にゴムシート21を介在
するという非常に簡単な構成により奏せられるものであ
る。したがって、従来において行われていたリングギヤ
13をシザーズ化することによる歯打音の低減技術ある
いは粘性ダンパーによる歯打音の低減技術と異なり、部
品点数による製造原価の増加、リングギヤ13の摺動抵
抗増加によるバルブタイミング制御の応答性低下等がほ
とんどない。さらに、温度変化による歯打音低減効果の
影響が少なく、また、バルブタイミング制御装置の重量
増加を考慮する必要がない。
【0033】加えて、本実施例ではカムシャフト2とイ
ンナギヤ4との間に配設されるゴムシート21の厚さt
2 を変化させることにより、両者2,4において許容さ
れる相対回転量を調節することが可能であり、これによ
り種々のバルブタイミング制御装置において好適なトル
ク変動吸収量を選択することができる。
【0034】尚、上記実施例を以下のように変更して実
施してもよい。 (1)上記実施例において、リングギヤ13の内外周に
はヘリカルスプラインが13a,13b形成され、イン
ナギヤ4及びアウタギヤ11と同ヘリカルスプライン1
3a,13bにより噛合されているが、これはいずれか
一方がストレートスプラインであってもよい。
【0035】(2)圧力室14,15内にコイルスプリ
ングが配設され、同コイルスプリングの付勢力によりリ
ングギヤ13をいずれかの圧力室側に付勢する構成とし
てもよい。
【0036】(3)上記第1及び第2実施例を併用し
て、歯打音低減効果を更に向上させるようにしてもよ
い。 (4)第1実施例では、シールリング19にNBR(ブ
タジエン・アクリロニトリル共重合物)を使用したが、
この材質以外にも、耐熱、耐油性を有するものであれ
ば、どの材質のものでもよい。
【0037】(5)第1実施例ではシールリング19を
一つ使用したが、この数量に限定することなく、複数の
シールリング19を使用してもよい。 (6)第1実施例では圧縮コイルバネ20を使用した
が、これの代わりに板バネや、合成樹脂からなるクッシ
ョンを使用してもよい。
【0038】以上、この発明の各実施例について説明し
たが、各実施例から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果と共に記載する。 (a)請求項1に記載の発明において、第1の相対回転
許容手段は、プーリとアウタギヤとの間に介在された変
形可能な弾性部材と、アウタギヤを弾性部材に対して押
圧するように付勢する付勢部材とから構成されている内
燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0039】かかる構成によれば、カムシャフトからの
トルク変動がプーリに伝達された際、プーリとアウタギ
ヤとは相対回転される。この回転により、弾性部材が変
形され、そのトルク変動が吸収される。このとき、付勢
部材の付勢力によりアウタギヤは弾性部材に対して常に
押圧されているので、弾性部材の変形量に影響されるこ
となくアウタギヤはプーリに追従して回転される。この
結果、プーリからの回転力はアウタギヤに対して確実に
伝達される。尚、弾性部材は上記実施例におけるシール
リングにより、また、付勢部材は圧縮コイルバネにより
構成することができる。
【0040】(b)請求項2に記載の発明において、第
2の相対回転許容手段は、カムシャフトとインナギヤと
の間に介在された変形可能な弾性部材からなる内燃機関
のバルブタイミング制御装置。
【0041】かかる構成によれば、カムシャフトが回転
する際に生じるトルク変動はカムシャフトとインナギヤ
との間に介在された弾性部材が弾性変形することによ
り、吸収される。したがって、インナギヤとリングギヤ
との噛合部分における歯打音が低減される。尚、弾性部
材は上記実施例におけるゴムシート21により構成する
ことができる。
【0042】(c)上記(a)において、弾性部材は耐
熱性を有するシールリングである内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置。かかる構成によれば、シールリングは
周囲の温度変化があってもその弾性の変化は少ないた
め、粘性ダンパとは異なり、シールリングの温度変化に
伴うアウタギヤとプーリとの相対回転量が変化すること
はない。
【0043】(d)上記(c)において、シールリング
は軽量の合成樹脂からなる内燃機関のバルブタイミング
制御装置。かかる構成によれば、タイミングプーリが重
量化することがなく、動弁系の慣性モーメントが小さく
なり、動弁系の性能に影響を及ぼすのを防止できる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、プーリに伝達される回転トルクの変動は
第1の相対回転許容手段により吸収されるため、歯打音
が低減される。
【0045】また、請求項2に記載の発明によれば、カ
ムシャフトのトルク変動は第2の相対回転許容手段によ
り吸収されるため、歯打音が低減される。さらに、上記
請求項1又は2に記載した発明における歯打音低減効果
は内燃機関の動弁系に影響を及ぼしたり、カムシャフト
の回転位相変換速度を低下させることなく奏せられるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるバルブタイミング制御装置
の断面図。
【図2】第2実施例におけるバルブタイミング制御装置
の断面図。
【図3】第1実施例における、要部を示す断面図。
【図4】第2実施例における、要部を示す断面図。
【符号の説明】
2…カムシャフト、4…インナギヤ、6…タイミングプ
ーリ(プーリ)、11…アウタギヤ、13…リングギ
ヤ、13a,13b…ヘリカルスプライン、19…シー
ルリング、20…圧縮コイルバネ、(19,20から第
1の相対回転許容手段が構成されている。)、21…ゴ
ムシート(第2の相対回転許容手段)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブ駆動用カムシャフト
    と、 カムシャフトを駆動するためのプーリに取付けられ、ス
    プラインを有するアウタギヤと、 カムシャフトの前端に設けられ、スプラインを有するイ
    ンナギヤと、 アウタギヤ及びインナギヤ間に設けられ、内外周面にス
    プラインを有し、そのうち少なくとも一方はヘリカルス
    プラインである円筒状のリングギヤとを備え、前記アウ
    タギヤの内周面及びリングギヤの外周面と、インナギヤ
    の外周面及びリングギヤの内周面とをスプライン嵌合
    し、そのリングギヤの端部に作動油の油圧を作用させて
    カムシャフト軸方向へ移動させることでプーリとカムシ
    ャフトの回転位相を変化させ、バルブの開閉時期を可変
    としたバルブタイミング制御装置において、 プーリとアウタギヤとを、弾性により両者の相対回転を
    許容する第1の相対回転許容手段により結合した内燃機
    関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関のバルブ駆動用カムシャフト
    と、 カムシャフトを駆動するためのプーリに取付けられ、ス
    プラインを有するアウタギヤと、 カムシャフトの前端に設けられ、スプラインを有するイ
    ンナギヤと、 アウタギヤ及びインナギヤ間に設けられ、内外周面にス
    プラインを有し、そのうち少なくとも一方はヘリカルス
    プラインである円筒状のリングギヤとを備え、前記アウ
    タギヤの内周面及びリングギヤの外周面と、インナギヤ
    の外周面及びリングギヤの内周面とをスプライン嵌合
    し、そのリングギヤの端部に作動油の油圧を作用させて
    カムシャフト軸方向へ移動させることでプーリとカムシ
    ャフトの回転位相を変化させ、バルブの開閉時期を可変
    としたバルブタイミング制御装置において、 カムシャフトとインナギヤとを、弾性により両者の相対
    回転を許容する第2の相対回転許容手段により結合した
    内燃機関のバルブタイミング制御装置。
JP4458595A 1994-09-26 1995-03-03 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH08151907A (ja)

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JP22958494 1994-09-26
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980069851A (ko) * 1997-02-07 1998-10-26 슈드호프 로버트 조절가능한 행정 크랭크축상의 편심기 타이밍 조절장치 및 방법
KR100427306B1 (ko) * 2001-12-06 2004-04-14 현대자동차주식회사 연속 가변 밸브 타이밍 장치의 오일 회로
JP2012082691A (ja) * 2010-10-06 2012-04-26 Denso Corp バルブタイミング調整装置

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