JPH07158417A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH07158417A
JPH07158417A JP30838393A JP30838393A JPH07158417A JP H07158417 A JPH07158417 A JP H07158417A JP 30838393 A JP30838393 A JP 30838393A JP 30838393 A JP30838393 A JP 30838393A JP H07158417 A JPH07158417 A JP H07158417A
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JP
Japan
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ring gear
gear
control device
pulley
timing control
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Pending
Application number
JP30838393A
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English (en)
Inventor
Akira Hoshino
明良 星野
Takeshi Asakura
健 朝倉
Hirotatsu Ishigaki
裕達 石垣
Yoshito Moriya
嘉人 守谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リングギヤとプーリとの噛合により生じる噛合
騒音の発生を防止する。 【構成】内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトの外周に
設けられたプーリと、前記カムシャフト及びプーリ間に
ギヤ4,11を介して介在されるリングギヤ13とを備
え、バルブの開閉時期を調整するようにした可変バルブ
タイミング制御装置において、前記リングギヤ13の最
外周の一部分は所定間隔をおいて前記ヘリカルスプライ
ン13aが欠歯され、ヘリカル状をなす欠歯突条13c
がリングギヤ13の軸心方向に沿って形成されている。
リングギヤ13全体の重量はその回転中心に対し非対象
となる。この構成により、リングギヤ13とギヤ11と
のバックラッシが低減されて噛合騒音の発生が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は吸・排気バルブの開閉
時期を内燃機関の運転状態に応じて制御するバルブタイ
ミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関の運転状態に応じて
カムシャフトの回転位相を変化させて、バルブの開閉時
期を早めたり、遅らせたりするバルブタイミング制御装
置が提案されている。このバルブタイミング制御装置
は、タイミングプーリとカムシャフト及びプーリ間に介
在されたリングギヤを、同リングギヤの外周に設けたア
ウタ歯をタイミングプーリの内周に設けられたインナ歯
に噛合させるとともに、リングギヤの内周に設けたイン
ナ歯をカムシャフトの外周に設けたアウタ歯にそれぞれ
噛合させ、このことによって、タイミングプーリの駆動
力がリングギヤを介してカムシャフトに伝達される。そ
して、前記リングギヤのインナ歯もしくはアウタ歯のう
ち少なくとも何れか一方はヘリカルスプラインとなって
いる。リングギヤは油圧機構の油圧力やスプリング等の
付勢力によりカムシャフトの軸心方向に沿って移動され
ると、カムシャフトに捩りが付与されてタイミングプー
リとの回転位相がずれることにより、吸気バルブのタイ
ミングが制御される。
【0003】ところが、リングギヤとタイミングプーリ
及びカムシャフトとは互いに噛合されているため、噛合
するスプラインの歯面と歯面との間にはバックラッシが
存在する。従って、バックラッシが存在するために、カ
ムシャフトがカム駆動トルクの変動により回転変動を生
じると、リングギヤのインナ歯もしくはアウタ歯と噛合
する歯とが互いに衝突し合い、噛合打音による異音の発
生を招く問題がある。
【0004】上記のような問題を解決するために、例え
ば特開昭61−279713号公報に示されるような構
成のものが知られている。すなわち、この従来構成にお
いては、リングギヤが歯車構成体に分割されている。各
歯車構成体がそれらのアウタ歯相互及びインナ歯相互の
歯すじを僅かにずらすようにゴムブッシュを介してスラ
ストピンにて連結され、このゴムブッシュの弾性力によ
り各歯車構成体が回転方向及び軸方向に移動可能となる
とともに、歯すじをずらしたことにより見掛け上の歯厚
が増大する。そして、リングギヤをタイミングプーリ及
びカムシャフトに組付けた際、各歯車構成体がそれらの
アウタ歯及びインナ歯に対して噛合される歯車とのバッ
クラッシを零とする方向へ移動される。
【0005】また、上記の技術以外にも、本出願人は特
開平4−255508号公報に示す構成の内燃機関のバ
ルブタイミング制御装置を提案している。この従来構成
において、リングギヤは複数のギヤ構成体から構成され
ている。各ギヤ構成体はスライド可能な連結ピンを介し
てリングギヤの移動方向へ相対移動可能に連結されてい
る。そして、リングギヤを移動方向へ動かそうとする油
圧力が作用すると、隣接のギヤ構成体の端面に油圧力が
働き、隣接のギヤ構成体に押し付けられ、隣接のギヤ構
成体の歯すじがずれる。それとともに、ギヤ構成体のス
プラインはタイミングプーリ及びカムシャフトのスプラ
インに対し押え付けられて、バックラッシが低減され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合において、リングギヤを分割した構成上、複数の歯
車構成体を必要とするばかりか、同歯車構成体を互いに
連結するために、前記ゴムブッシュやスラストピン等の
連結部品が必要となる。この結果、部品点数が増加して
製造コストが上昇するという問題がある。また、各歯車
構成体の組付けにおいて、各歯車構成体のインナ歯及び
アウタ歯を僅かにずらして連結しなければならないの
で、組付けに高精度が要求され、歯車構成体の組付けが
難しいという問題がある。
【0007】また、後者の場合において、各ギヤ構成体
に前記連結ピンを連結するための連結構造は複雑である
ため、加工しにくいばかりか製造コストも上昇するとい
う問題がある。また、隣接のギヤ構成体の歯すじをずら
すために連結ピンは弾性材としたので、リングギヤを移
動方向へ動かそうとする油圧力の変化に伴い、ギヤ構成
体の歯すじのずれる量が変化する。このため、ギヤ構成
体がタイミングプーリ及びカムシャフトに対するバック
ラッシが変化するので、油温の変化を生じる。この結
果、ゴムや合成樹脂等からなる連結ピンは、油温の変化
に伴って熱劣化するおそれがあり、部品寿命が制限され
るというおそれがある。
【0008】この発明の目的は、部品点数を削減するこ
とにより製造コストの上昇防止及び製造の容易性を図る
ことができて、噛合騒音の発生を防止することができる
内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに請求項1に記載の発明は、内燃機関のバルブ駆動用
カムシャフトと、そのカムシャフトを駆動するためのプ
ーリとの間に内外周面にスプラインを有し、そのうち一
方はヘリカルスプラインである円筒状のリングギヤをス
プライン嵌合により介在させ、そのリングギヤの端部に
作動油の油圧を作用させてカムシャフト軸方向へ移動さ
せることでプーリとカムシャフトの回転位相を変化さ
せ、バルブの開閉時期を可変としたバルブタイミング制
御装置において、前記リングギヤがエンジン運転により
プーリとともに回転した際に同リングギヤの回転軸心を
プーリの回転軸心から偏心させてリングギヤのスプライ
ンと前記プーリ側のギヤのスプラインとを密接状態にす
べく、同リングギヤの形状を回転中心に対し非対象とし
たことを要旨とするものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、内燃機関のバル
ブ駆動用カムシャフトと、そのカムシャフトを駆動する
ためのプーリとの間に内外周面にスプラインを有し、そ
のうち一方はヘリカルスプラインである円筒状のリング
ギヤをスプライン嵌合により介在させ、そのリングギヤ
の端部に作動油の油圧を作用させてカムシャフト軸方向
へ移動させることでプーリとカムシャフトの回転位相を
変化させ、バルブの開閉時期を可変としたバルブタイミ
ング制御装置において、前記リングギヤがエンジン運転
によりプーリとともに回転した際に同リングギヤの回転
軸心をプーリの回転軸心から偏心させてリングギヤのス
プラインと前記プーリ側のギヤのスプラインとを密接状
態にすべく、同リングギヤの重量を回転中心に対し非対
象としたことを要旨とするものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
リングギヤの回転中心に対し重量が非対象となる部分に
対応してプーリ側のギヤにはリングギヤの非対象重量部
分とはその軽重配置が反対となるように、プーリの回転
中心に対して重量を非対象に形成したことを要旨とする
ものである。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
リングギヤの各ヘリカルスプラインのピッチを部分的に
異ならしめることにより、リングギヤに非対象重量部分
を形成したことを要旨とするものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
リングギヤの一部が径方向に沿って移動可能となるよう
に同リングギヤを径方向において非対象に分割したこと
を要旨とするものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、分割
されたリングギヤのうち少なくとも一つのリングギヤの
分割面の間の間隔を径方向外方へ向う程狭くなるように
形成したことを要旨とするものである。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
リングギヤを複数のギヤ構成体より構成し、ギヤ構成体
の移動方向において、作動油の油圧を受圧するための隣
接のギヤ構成体の端部には同リングギヤの軸心に対し傾
斜した受圧面を備えたことを要旨とするものである。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1及び請求項2に記
載の発明によれば、リングギヤがエンジン運転によりプ
ーリとともに移動された際、リングギヤの回転軸心がプ
ーリの回転軸心から偏心され、リングギヤのスプライン
と前記ギヤのスプラインとは密接状態で噛合される。こ
のため、リングギヤとプーリ側のギヤとのバックラッシ
の低減が図られ、両者の噛合により生じる噛合騒音の発
生が防止される。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、プーリ側
のギヤはリングギヤの重量が非対象となる部分に対応し
て、その軽重配置は反対となるように重量を非対象に形
成したので、プーリ全体の回転アンバランスが低減され
る。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、前記リン
グギヤの各ヘリカルスプラインのピッチを部分的に異な
らしめたことにより、リングギヤの重量はその回転中心
に対して非対象部分が形成される。従って、リングギヤ
が移動した際にその回転軸心がプーリの回転軸心から偏
心されるので、リングギヤとプーリ側のギヤとのバック
ラッシが低減され、噛合騒音の発生が防止される。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、分割され
たリングギヤの一部がエンジン運転によりプーリととも
に移動された際、リングギヤの径方向に沿って移動さ
れ、リングギヤとプーリ側のギヤとのバックラッシが低
減され、噛合騒音の発生が防止される。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、分割され
たリングギヤの分割面は、リングギヤの径方向外方へ向
う程狭くなっている。このため、リングギヤが移動され
た際に互いに対向する分割面間のクリアランスは無くな
る。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、隣接のギ
ヤ構成体の端部において軸心から傾斜した受圧面に対し
作動油の油圧が働く。受圧面で受けた際の分力により、
隣接のギヤ構成体のスプラインの歯すじがずれ、リング
ギヤとプーリ側のギヤとのバックラッシが低減され、噛
合騒音の発生が防止される。
【0022】
【実施例】
(第一実施例)以下、本発明における内燃機関のバルブ
タイミング装置を具体化した第一実施例を図1に従って
説明する。
【0023】図1に示すように、内燃機関としてのエン
ジンのシリンダヘッド1には、前後(図1の左右)方向
へ延びる吸気バルブ用のカムシャフト2が設けられてい
る。カムシャフト2の外周にはジャーナル部2aが形成
され、このジャーナル部2aがシリンダヘッド1とベア
リングキャップ3とによって回転可能に支承されてい
る。カムシャフト2の前端には筒状の固定ギヤ4がボル
ト5により締付け固定されている。カムシャフト2の前
端外周にはタイミングプーリ6が回転可能に設けられて
いる。タイミングプーリ6のボス部6aの前端は前記固
定ギヤ4とカムシャフト2の外周間に遊挿されるととも
に、ボス部6aの後端はカムシャフト2の外周から突出
したフランジ2bに摺動可能に当接されている。
【0024】タイミングプーリ6にはタイミングベルト
8が掛装され、クランクシャフト(図示しない)の回転
がこのタイミングベルト8を介してタイミングプーリ6
に伝達される。タイミングプーリ6の前端面にはキャッ
プ9がボルト10にて締付け固定されている。同キャッ
プ9によりカムシャフト2の前端が覆われている。キャ
ップ9とタイミングプーリ6との間には前記ボルト10
にて締付け固定された筒状のギヤ11が配置されてい
る。前記タイミングプーリ6、ギヤ11、キャップ9と
によって囲まれる空間が環状空間12とされ、同環状空
間12にはほぼ二重円筒状をなすリングギヤ13が配設
されている。このリングギヤ13によりタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが駆動連結されている。すなわち、
リングギヤ13の最外周及び最内周にはそれぞれヘリカ
ルスプライン13a,13bが形成されている。一方、
前記固定ギヤ4の後端外周及びギヤ11の内周にはヘリ
カルスプライン4a,11aが形成されている。そし
て、ヘリカルスプライン13a,11a同士が噛み合
い、また、ヘリカルスプライン13b,4a同士が相互
に噛み合っている。
【0025】従って、クランクシャフトの回転がタイミ
ングベルト8を介してタイミングプーリに伝達される
と、リングギヤ13によって連結されたタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが一体的に回転され、カムシャフト
2が回転駆動される。
【0026】前記環状空間12におけるリングギヤ13
の前側は第一の圧力室14とされ、リングギヤ13の後
側は第二の圧力室15とされている。この圧力室14,
15には流体としての作動油が供給される。すなわち、
カムシャフト2の前端部、タイミングプーリ6のボス部
6a及びシリンダヘッド1には進角制御用通路16が形
成されている。カムシャフト2における進角側制御用通
路16の一端はボス部6aの開口を介して第二の圧力室
15と連通され、他端はカムジャーナル部2aの幅方向
の中央部に設けた開口部16aに連通されている。そし
て、その開口部16aはシリンダヘッド1の軸受部に開
口するシリンダヘッド1側の進角制御用通路16に連通
されている。
【0027】また、カムシャフト2の前端部軸芯、ボル
ト5及びシリンダヘッド1には遅角制御用通路17が形
成されている。すなわち、カムシャフト2における遅角
側制御用通路17の一端はボルト5の軸芯に沿って穿設
された透孔5aを介して第一の圧力室14と連通され、
他端はカムジャーナル部2aのスラスト面側に設けた開
口部17aに連通されている。そして、その開口部17
aはシリンダヘッド1の軸受部においてカムジャーナル
2aのスラスト面側に開口するシリンダヘッド1側の遅
角制御用通路17に連通されている。
【0028】前記進角制御通路16及び遅角制御通路1
7は電磁切換弁、オイルポンプを介してオイルパン(何
れも図示しない)に接続されている。前記オイルポンプ
はエンジンのクランクシャフトに駆動連結されており、
エンジンの作動に連動してオイルパン内の作動油を汲み
上げ、電磁切換弁にて選択された進角制御用通路16、
あるいは遅角制御用通路17を介していずれかの油圧室
へ供給される。この供給により、リングギヤ13に油圧
が作用するようになっている。
【0029】次に、第一実施例の特徴部分について述べ
る。図2に示すように、前記リングギヤ13の最外周の
一部分は所定間隔をおいて前記ヘリカルスプライン13
aが欠歯され、ヘリカル状をなす欠歯突条13cがリン
グギヤ13の軸心方向に沿って形成されている。この欠
歯突条13cの歯先面はヘリカルスプライン13aの歯
先面と同一円周上に位置されている。
【0030】また、欠歯突条13cの重量は各ヘリカル
スプライン13aよりも重いため、リングギヤ13全体
の重量はその回転中心に対し非対象となっている。すな
わち、リングギヤ13の軸心方向の重心は固定ギヤ4及
びギヤ11の回転中心から半径方向に沿って欠歯突条1
3c寄りにずれた位置に位置している。
【0031】前記ギヤ11の内周の一部分は所定間隔を
おいて前記ヘリカルスプライン11aが欠歯され、ヘリ
カル状をなす欠歯溝11bがギヤ11の軸心方向に沿っ
て形成されている。欠歯溝11bの歯元面はヘリカルス
プライン11aの歯元面と同一円周上に位置されてい
る。すなわち、ギヤ11全体の重量は欠歯溝11bを備
えた部分がヘリカルスプライン11aよりも重量が軽い
ため、前記リングギヤ13の非対象重量部分と軽重配置
が反対となるように、プーリの回転中心に対して非対象
となっている。そして、リングギヤ13の欠歯突条13
cはギヤ11の欠歯溝11b内に係入され、リングギヤ
13の軸心方向への移動に伴い摺動するようになってい
る。
【0032】また、前記リングギヤ13の最内周の一部
分は所定間隔をおいて前記ヘリカルスプライン13bが
欠歯され、ヘリカル状をなす欠歯溝13dがリングギヤ
13の軸心方向に沿って形成されている。この欠歯溝1
3dの歯元面はヘリカルスプライン13bの歯元面と同
一円周上に位置されている。
【0033】前記固定ギヤ4の内周の一部分は所定間隔
をおいて前記ヘリカルスプライン4aが欠歯され、ヘリ
カル状をなす欠歯突条4bが固定ギヤの軸心方向に沿っ
て形成されている。欠歯突条4bの歯先面はヘリカルス
プライン4aの歯先面と同一円周上に位置されている。
そして、固定ギヤ4の欠歯突条4bはリングギヤ13の
欠歯溝13d内に係入され、リングギヤ13の軸心方向
への移動に伴い摺動するようになっている。
【0034】次に、上記のように構成されたバルブタイ
ミング制御装置の作用について説明する。図示しないオ
イルパンからオイルが遅角制御通路17を介して第一の
圧力室14に供給されると、リングギヤ13に油圧が作
用して、その押圧力にて同リングギヤ13はその軸方向
の一方(図1の右方向)へ移動される。この結果、カム
シャフト2に捩じりが付与されてギヤ11との回転位相
がずれる。すなわち、吸気バルブの開き・閉じが遅らせ
られ、吸気行程における吸気バルブと排気バルブとのオ
ーバラップが小さくなる方向へ変えられる。
【0035】反対に、図示しないオイルパンからオイル
が進角制御通路16を介して第二の圧力室15に供給さ
れると、リングギヤ13に油圧が作用して、その押圧力
にて同リングギヤ13はその軸方向の一方(図1の左方
向)へ移動される。この結果、カムシャフト2に前記と
は逆の捩じりが付与されてギヤ11との回転位相がずれ
る。すなわち、吸気バルブの開き・閉じが早められ、吸
気行程における吸気バルブと排気バルブとのオーバラッ
プが大きくなる方向へ変えられる。
【0036】図3に示すように、リングギヤ13の回転
中に働く遠心力により、リングギヤ13の欠歯突条13
cによる偏心荷重が同リングギヤ13の半径方向外方
(同図矢印方向)であるギヤ11の欠歯溝11b内に押
付け力となって作用される。このため、リングギヤ13
の回転中心O1 は固定ギヤ4及びギヤ11の回転中心O
2 から欠歯溝11b寄りに偏心して回転される。すなわ
ち、同図点線で示す領域において、リングギヤ13とギ
ヤ11とのヘリカルスプライン13a,11aとの噛み
合いは密接状態となり、逆に欠歯突条13cと反対側の
円周方向位置では両13,11のヘリカルスプライン1
3a,11aの噛み合いは疎状態となる。この結果、同
図点線で示す領域におけるリングギヤ13とギヤ11と
のバックラッシはなくなるとともに、フリクションは大
きくなる。
【0037】従って、図4に示すように、同図一点鎖線
で示す第一実施例におけるリングギヤ13とギヤ11と
のフリクションF1 はエンジン回転数Neの2乗に比例
する。このため、第一実施例と同図実線で示す従来例の
フリクションF2 とを比較してエンジン回転数Neが高
回転側に移行するほど高フリクションを得ることがで
き、かつエンジン回転数Neの低回転付近から高フリク
ションを得ることができる。
【0038】つまり、両ギヤ11,13の高フリクショ
ンに比例してバックラッシを低減できるので、エンジン
回転数Neの低回転付近からバックラッシを低減するこ
とができる。この結果、応答性の問題となるエンジンの
低回転時にバルブタイミング制御装置の応答性を向上す
ることができる。なお、同図に示すαはリングギヤ13
の回転アンバランスによる係数を示す。
【0039】また、図5に示すように、噛合打音による
異音の発生に伴う音圧、内燃機関のエンジン回転数Ne
及びフリクションFには以下のような異音発生特性があ
る。同図はリングギヤ13とギヤ11とのフリクション
Fの大小を比較した例を示し、一点鎖線はフリクション
Fが小の場合を示し、点線はフリクションFが大の場合
を示す。すなわち、エンジン回転数Neが高回転側に移
行するにつれ、フリクションFが大きい場合の方が、フ
リクションFが小さい場合よりも異音の発生に伴う音圧
は抑えられる。
【0040】この結果、異音の発生が問題となり応答性
が問題とならないエンジンの高回転時において、リング
ギヤ13のガタツキが高フリクションにてギヤ11に拘
束されるため、噛合騒音の発生を防止することができ
る。
【0041】さらに、図6はリングギヤ13とギヤ11
とのバックラッシAの大小を比較した例を示し、同図点
線はバックラッシAが大の場合を示し、一点鎖線はバッ
クラッシAが小の場合を示す。すなわち、エンジン回転
数Neが高回転側に移行するにつれ、バックラッシAが
小さい場合の方が、バックラッシAが大きい場合よりも
異音の発生に伴う音圧レベルは抑えられる。
【0042】この結果、異音の発生が問題となり応答性
が問題とならないエンジンの高回転時において、バック
ラッシAが低減されるので、ギヤ13,11同士の衝突
エネルギーが小さくなり、噛合騒音の発生を防止するこ
とができる。
【0043】また、従来の構成と異なり、分割されたリ
ングギヤを連結するための部品を余分に必要としないの
で、製造コストの上昇防止を図ることができるととも
に、リングギヤ13の欠歯突条13c,欠歯溝13dは
加工時に一体形成されるので、重量アンバランスを有す
るリング13を容易に製造することができる。
【0044】(第二実施例)次に第二実施例について図
7〜図9に従って説明する。但し、前記第一実施例と同
一構成もしくは相当する構成については同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0045】本実施例では、前記第一実施例で説明した
ギヤ11は省略され、リングギヤ13と異なるリングギ
ヤが使用されている。図7及び図9に示すように、第一
実施例において説明した環状空間12にはほぼ二重円筒
状をなすリングギヤ20が配置されている。リングギヤ
20の後端外周には、同リングギヤ20の径方向外方へ
延びる環状のフランジ21が一体に形成されている。フ
ランジ21の周縁にはその周方向へ延びる周溝22が形
成され、周溝22内には環状のパッキン23が収容され
ている。そして、前記パッキン23によりフランジ21
の周縁とキャップ9の内周とは密接されている。
【0046】前記リングギヤ20によりタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが駆動連結されている。すなわち、
リングギヤ20の最外周及び最内周にはそれぞれヘリカ
ルスプライン20a,20bが形成されている。一方、
前記キャップ9の内周にはヘリカルスプライン9aが形
成されている。そして、ヘリカルスプライン20a,9
a同士が噛み合い、また、ヘリカルスプライン20b,
4a同士が相互に噛み合っている。
【0047】従って、クランクシャフトの回転がタイミ
ングベルト8を介してタイミングプーリ6に伝達される
と、リングギヤ20によって連結されたタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが一体的に回転され、カムシャフト
2が回転駆動される。
【0048】前記環状空間12におけるリングギヤ20
の前側は第一の圧力室14とされ、リングギヤ20の後
側は第二の圧力室15とされている。そして、前記第一
実施例と同様に、進角制御通路16及び遅角制御通路1
7は電磁切換弁、オイルポンプを介してオイルパン(何
れも図示しない)に接続されている。前記オイルポンプ
はエンジンのクランクシャフトに駆動連結されており、
エンジンの作動に連動してオイルパン内の作動油を汲み
上げ、電磁切換弁にて選択された進角制御用通路16、
あるいは遅角制御用通路17を介していずれかの油圧室
14,15へ供給される。この供給により、リングギヤ
20及びフランジ21に油圧が作用するようになってい
る。
【0049】次に、第二実施例の特徴部分について述べ
る。図9に示すように、リングギヤ20はその軸心方向
へ沿って第一ギヤ24と第二ギヤ25とに互いに分割さ
れ、第二ギヤ25の外周長さは第一ギヤの外周長さより
も長くなっている。また、第一ギヤ24及び第二ギヤ2
5の最外周及び最内周に形成された前記ヘリカルスプラ
イン20a,20bは同一歯形となっている。ここで、
同一歯形とは圧力角、モジュール、歯数及び捩じれ角が
同一のことである。なお、図9では説明の便宜上、歯形
は一部のみ図示され、他は省略されている。そして、リ
ングギヤ20が軸方向へ沿って回転移動した際、その遠
心力により、第一ギヤ24及び第二ギヤ25はリングギ
ヤ20の径方向外方へ沿って移動可能となっている。す
なわち、第一ギヤ24と第二ギヤ25とは互いに離間す
る方向へ移動可能となっている。
【0050】次に、上記のように構成された第二実施例
におけるバルブタイミング制御装置の作用について説明
する。なお、リングギヤ20の回転移動により、吸気バ
ルブと排気バルブとのオーバラップを変化させる動作に
ついては、前記第一実施例と同様であるため、その説明
を省略する。
【0051】図8に示すように、リングギヤ20の回転
中に働く遠心力により、第一ギヤ24が、同リングギヤ
20の半径方向外方(同図矢印a方向)へ移動される。
このため、第一ギヤ24のヘリカルスプライン20a
は、キャップ9のヘリカルスプライン9aに対し押圧さ
れながら、第一ギヤ24がリングギヤ20の軸方向へ移
動される。従って、同図点線で示す領域S1 付近におい
て、第一ギヤ24とキャップ9とのヘリカルスプライン
20a,9aの噛み合いは密接状態となる。この結果、
第一ギヤ24のヘリカルスプライン20aと、キャップ
9のヘリカルスプライン9aとのバックラッシはなくな
るとともに、フリクションは大きくなる。
【0052】一方、リングギヤ20の回転中に働く遠心
力により、第二ギヤ25が、同リングギヤ20の半径方
向外方(同図矢印b方向)へ移動される。このため、第
二ギヤ25の外周方向中央付近のヘリカルスプライン2
0aは、キャップ9のヘリカルスプライン9aに対し押
圧される。それとともに、第二ギヤ25の両端付近のヘ
リカルスプライン20bは、固定ギヤ4のヘリカルスプ
ライン4aに対し押圧されながら、第一ギヤ24がリン
グギヤ20の軸方向へ移動される。
【0053】従って、同図点線で示す領域S2 付近にお
いて、第二ギヤ25とキャップ9とのヘリカルスプライ
ン20a,9aとの噛み合いは密接状態となる。また、
同図点線で示す領域S3 ,S4 付近において、第二ギヤ
25と固定ギヤ4とのヘリカルスプライン20b,4a
との噛み合いは密接状態となる。この結果、第二ギヤ2
5のヘリカルスプライン20aと、キャップ9及び固定
ギヤ4のヘリカルスプライン4a,9aとのバックラッ
シはなくなるとともに、フリクションは大きくなる。
【0054】上述したように、第二実施例におけるバル
ブタイミング制御装置においては、第一実施例と同様に
して、異音の発生が問題となり応答性が問題とならない
エンジンの高回転時において、バックラッシが低減され
るので、リングギヤ20、キャップ9及び固定ギヤ4同
士の衝突エネルギーが小さくなり、各々のヘリカルスプ
ライン20a,9a及びヘリカルスプライン20b,4
aの噛合騒音の発生を防止することができる。
【0055】また、従来の構成と異なり、分割されたリ
ングギヤを連結することがない分、その連結加工工程を
省略できるので、その製造が容易となるとともに、製造
コストの上昇防止を図ることができる。さらに、分割さ
れたリングギヤを連結するための部品を連結するための
製造部品も省略できるので、これまた製造コストの上昇
防止を図ることができる。
【0056】(第三実施例)次に第三実施例について図
10及び図11に従って説明する。但し、前記第二実施
例と同一構成もしくは相当する構成については同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0057】本実施例では、第二実施例とはギヤの分割
の仕方が異なっている。図10及び図11に示すよう
に、前記第一実施例において説明した環状空間12には
ほぼ二重円筒状をなすリングギヤ30が配置されてい
る。リングギヤ30の後端外周には、同リングギヤ30
の径方向外方へ延びる環状のフランジ21が一体に形成
されている。
【0058】前記リングギヤ30によりタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが駆動連結されている。すなわち、
リングギヤ30の最外周及び最内周にはそれぞれヘリカ
ルスプライン30a,30bが形成されている。一方、
前記キャップ9の内周にはヘリカルスプライン9aが形
成されている。そして、ヘリカルスプライン30a,9
a同士が噛み合い、また、ヘリカルスプライン30b,
4a同士が相互に噛み合っている。
【0059】次に、第三実施例の特徴部分について述べ
る。図10及び図11に示すように、リングギヤ30は
その軸心方向へ沿ってキー状をなす第一ギヤ31と第二
ギヤ32とに互いに分割され、両ギヤ31,32の分割
面31a,32a間は所定の隙間を有している。分割面
31a,32a間の隙間は、両ヘリカルスプライン30
a,9aのバックラッシよりも大きくなっている。ま
た、第一ギヤ31及び第二ギヤ32の最外周及び最内周
に形成された前記ヘリカルスプライン30a,30bは
同一歯形となっている。ここで、同一歯形とは圧力角、
モジュール、歯数及び捩じれ角が同一のことである。
【0060】前記第一ギヤ31は断面略台形状に形成さ
れ、同第一ギヤ31の断面形状のうち周方向の両辺間
は、リングギヤ30の径方向外方に行く程狭くなってい
る。すなわち、周方向における第一ギヤ31の分割面3
1a及び周方向における互いに対向する第二ギヤ32の
分割面32a間は、リングギヤ30の径方向外方に行く
程狭くなっている。
【0061】そして、リングギヤ30が軸方向へ沿って
移動した際、その第一ギヤ31及び第二ギヤ32は、互
いに離間する方向であるリングギヤ30の径方向外方へ
沿って移動することにより、両ギヤ31,32の分割面
31a,32a同士は互いに密接され、両ギヤ31,3
2の分割面31a,32a間の隙間はなくなる。それと
ともに、第一ギヤ31及びキャップ9のヘリカルスプラ
イン30a,9aと、第二ギヤ32及びキャップ9のヘ
リカルスプライン30a,9aと、固定ギヤ4及び第二
ギヤ32のヘリカルスプライン4a,30bとのバック
ラッシはなくなる。
【0062】次に、上記のように構成された第三実施例
におけるバルブタイミング制御装置の作用について説明
する。なお、リングギヤ30の回転移動により、吸気バ
ルブと排気バルブとのオーバラップを変化させる動作に
ついては、前記第一実施例と同様であるため、その説明
を省略する。
【0063】図11に示すように、リングギヤ30の回
転中に働く遠心力により、第一ギヤ31が同リングギヤ
30の半径方向外方(同図矢印c方向)へ移動される。
このため、第一ギヤ31のヘリカルスプライン30a
は、キャップ9のヘリカルスプライン9aに対し押圧さ
れながら、第一ギヤ31がリングギヤ30の軸方向へ移
動される。
【0064】従って、同図点線で示す領域S5 付近にお
いて、第一ギヤ31とキャップ9とのヘリカルスプライ
ン30a,9aの噛み合いは密接状態となる。この結
果、第一ギヤ31のヘリカルスプライン30aと、キャ
ップ9のヘリカルスプライン9aとのバックラッシはな
くなるとともに、フリクションは大きくなる。
【0065】一方、リングギヤ30の回転中に働く遠心
力により、第二ギヤ32が、同リングギヤ30の半径方
向外方(同図矢印d方向)へ移動される。このため、第
二ギヤ32の外周方向中央付近のヘリカルスプライン3
0aは、キャップ9のヘリカルスプライン9aに対し押
圧される。それとともに、第二ギヤ32の両端付近のヘ
リカルスプライン30bは、固定ギヤ4のヘリカルスプ
ライン4aに対し押圧されながら、第一ギヤ31がリン
グギヤ30の軸方向へ移動される。
【0066】従って、同図点線で示す領域S6 付近にお
いて、第二ギヤ32とキャップ9とのヘリカルスプライ
ン30a,9aとの噛み合いは密接状態となる。また、
同図点線で示す領域S7 ,S8 付近において、第二ギヤ
32と固定ギヤ4とのヘリカルスプライン30b,4a
との噛み合いは密接状態となる。この結果、第二ギヤ3
2のヘリカルスプライン30aと、キャップ9及び固定
ギヤ4のヘリカルスプライン4a,9aとのバックラッ
シはなくなるとともに、フリクションは大きくなる。
【0067】さらに、第一ギヤ31及び第二ギヤ32の
相対移動に伴い、第一ギヤ31の分割面31aと第二ギ
ヤ32の分割面32aとの隙間は次第に狭くなる。そし
て、所定位置移動されたところで、両ギヤ31,32の
移動が規制されるとともに、両分割面31a,32aは
互いに密接され、そのクリアランスはなくなる。
【0068】上述したように、第三実施例におけるバル
ブタイミング制御装置においては、第一実施例と同様に
して、異音の発生が問題となり応答性が問題とならない
エンジンの高回転時において、バックラッシが低減され
るので、リングギヤ30、キャップ9及び固定ギヤ4同
士の衝突エネルギーが小さくなり、各々のヘリカルスプ
ライン30a,9a,及びヘリカルスプライン30b,
4aの噛合騒音の発生を防止することができる。
【0069】また、周方向における第一ギヤ31の分割
面31a間及び周方向における互いに対向する第二ギヤ
32の分割面32aは、リングギヤ30の径方向外方に
向かって狭くなっている。このため、リングギヤ30が
軸方向へ沿って移動した際、両ギヤ31,32の分割面
31a,32a同士は互いに密接される。この結果、両
ギヤ31,32の分割面31a,32a同士の クリア
ランスを無くすことができて、分割面31a,32a同
士の衝突騒音の発生を防止することができる。また、第
一31をキー状をしたので、小さな遠心力でリングギヤ
30の大きなトルク変動に対応することができる。
【0070】(第四実施例)次に、第四実施例について
図12〜図14に従って説明する。但し、前記第一実施
例と同一構成もしくは相当する構成については同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0071】本実施例では、前記第一実施例で説明した
リングギヤ13とは異なるリングギヤが使用されてい
る。図12及び図13に示すように、第一実施例におい
て説明した環状空間12には、リングギヤ40が配置さ
れている。リングギヤ40によりタイミングプーリ6と
固定ギヤ4とが駆動連結されている。リングギヤ40の
最外周及び最内周にはそれぞれヘリカルスプライン40
a,40bが形成されている。そして、リングギヤ40
とギヤ11のヘリカルスプライン40a,11a同士が
噛み合い、また、リングギヤ40と固定ギヤ4のヘリカ
ルスプライン40b,4a同士が相互に噛み合ってい
る。
【0072】従って、クランクシャフトの回転がタイミ
ングベルト8を介してタイミングプーリ6に伝達される
と、リングギヤ40によって連結されたタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが一体的に回転され、カムシャフト
2が回転駆動される。
【0073】次に、第四実施例の特徴部分について述べ
る。図13(a)〜図13(c)に示すように、リング
ギヤ40はその前端から軸心方向中央付近にかけて切欠
部41が形成されている。両切欠部41の切欠面は、リ
ングギヤ40の半径方向に沿って切欠かれ、その半径方
向外方に向かう程周方向において互いに対向する切欠面
間が拡張されている。従って、この切欠部41に対応位
置するリングギヤ40の最外周と最内周は、前記ヘリカ
ルスプライン40a,40bが欠歯されている。また、
切欠部41に対応位置するキャップ9の外周には回転バ
ランス用のカウンタマス42が固着され、同カウンタマ
ス42にて切欠部41にて切欠かれた重量が補われてい
る。
【0074】次に、上記のように構成された第四実施例
におけるバルブタイミング制御装置の作用について説明
する。なお、リングギヤ40の回転移動により、吸気バ
ルブと排気バルブとのオーバラップを変化させる動作に
ついては、前記第一実施例と同様であるため、その説明
を省略する。図14に示すように、リングギヤ40の回
転中に働く遠心力により、切欠部41による偏心荷重
が、同リングギヤ40の半径方向外方(同図矢印方向)
であるギヤ11のヘリカルスプライン11aに対する押
付け力となって作用される。このため、リングギヤ40
の回転中心O3 は固定ギヤ4及びギヤ11の回転中心O
4 から反切欠部41方向(同図矢印方向)へ偏心して回
転される。すなわち、同図点線で示す領域9 において、
リングギヤ40とギヤ11とのヘリカルスプライン40
a,11aとの噛み合いは密接状態となる。逆に、同図
点線で示す領域10において、リングギヤ40とギヤ11
とのヘリカルスプライン40b,4aとの噛み合いは密
接状態となる。この結果、領域S9 におけるリングギヤ
40とギヤ11とのバックラッシはなくなるとともに、
フリクションは大きくなる。また、領域10におけるリン
グギヤ40と固定ギヤ4とのバックラッシはなくなると
ともに、フリクションは大きくなる。
【0075】また、回転バランス用のカウンタマス42
により、リングギヤ40の回転中心が偏心しても、キャ
ップ9の回転は不安定にならず、可変バルブタイミング
機構全体の回転バランスが安定して保持される。
【0076】上述したように、第四実施例におけるバル
ブタイミング制御装置においては、第一実施例と同様に
して、異音の発生が問題となり応答性が問題とならない
エンジンの高回転時において、バックラッシが低減され
るので、リングギヤ40、ギヤ11及び固定ギヤ4同士
の衝突エネルギーが小さくなり、ヘリカルスプライン4
0a,11a及びヘリカルスプライン40b,4aの噛
合騒音の発生を防止することができる。
【0077】また、従来の構成と異なり、分割されたリ
ングギヤを連結するための部品を連結するための連結加
工及び製造部品を要することなく、リングギヤ40に切
欠部41を設けるだけで噛合騒音の発生を防止すること
ができるので、その製造が容易となるとともに、製造コ
ストの上昇防止を図ることができる。
【0078】さらに、切欠部41に対応位置するキャッ
プ9の外周にはカウンタマス42を設けたので、リング
ギヤ40が移動した際でも、可変バルブタイミング機構
全体の回転バランスを安定化することができる。
【0079】(第五実施例)次に第五実施例について図
15及び図16に従って説明する。但し、前記第一実施
例と同一構成もしくは相当する構成については同一符号
を付し、その説明を省略する。
【0080】図15及び図16に示すように、前記第一
実施例において説明した環状空間12には、略円筒状を
なすリングギヤ50が配置されている。リングギヤ50
はタイミングプーリ6と固定ギヤ4とが駆動連結されて
いる。このリングギヤ50は、互いに同一形状なる略円
筒状の前部ギヤ構成体51と後部ギヤ構成体と52から
構成されている。
【0081】前部ギヤ構成体51の最外周及び最内周の
それぞれの全周には、それぞれヘリカルスプライン51
a,51bが形成されている。また、後部ギヤ構成体5
2の最外周及び最内周には、それぞれヘリカルスプライ
ン52a,52bが形成されている。また、前部ギヤ構
成体51及び後部ギヤ構成体52のヘリカルスプライン
51a,51b,52a,52bは同一歯形となってい
る。ここで、同一形状とは圧力角、モジュール、歯数及
び捩じれ角が同一のことである。
【0082】そして、前部及び後部ギヤ構成体51,5
2のヘリカルスプライン51a,52aとギヤ11のヘ
リカルスプライン11a同士が噛み合っている。また、
前部及び後部ギヤ構成体51,52のヘリカルスプライ
ン51b,52bと固定ギヤ4のヘリカルスプライン4
a同士が相互に噛み合っている。
【0083】従って、クランクシャフトの回転がタイミ
ングベルト8を介してタイミングプーリ6に伝達される
と、リングギヤ50によって連結されたタイミングプー
リ6と固定ギヤ4とが一体的に回転され、カムシャフト
2が回転駆動される。なお、図16では説明の便宜上、
前部及び後部ギヤ構成体51,52の歯形は一部のみ図
示され、他は省略されている。
【0084】次に、第五実施例の特徴部分について述べ
る。図15及び図16に示すように、前記前部及び後部
ギヤ構成体51,52の隣接される軸心方向端面は、リ
ングギヤ50の軸心に対し平行な一対の平行部P1,P2
と、リングギヤ50の軸心に対し斜交する平面を有し
て非平行なる一対の受圧部S1 ,S2 とを備えている。
本実施例において、受圧面は両ギヤ構成体51,52の
受圧部S1 ,S2 から構成されている。そして、前部ギ
ヤ構成体51の平行部P1 及び後部ギヤ構成体52の平
行部P2 と、前部ギヤ構成体51の受圧部S1 及び後部
ギヤ構成体52の受圧部S2 とは互いに当接されてい
る。
【0085】そして、リングギヤ50が作動油により押
圧された際、前部ギヤ構成体51の平行部P1 及び後部
ギヤ構成体52の平行部P2 同士は互いに離間するた
め、前部ギヤ構成体51のヘリカルスプライン51a,
51bと、後部ギヤ構成体52のヘリカルスプライン5
2a,52bとの歯すじは僅かにずれるようになってい
る。前記歯すじのずれた状態で、前部及び後部ギヤ構成
体51,52は、一体となって同リングギヤ50の軸心
方向へ回転移動するようになっている。
【0086】従って、前部及び後部ギヤ構成体51,5
2のヘリカルスプライン51a,52a及びギヤ11の
ヘリカルスプライン11aと、ヘリカルスプライン52
b,52b及び固定ギヤ4のヘリカルスプライン4aと
のバックラッシはなくなる。
【0087】次に、上記のように構成された第五実施例
におけるバルブタイミング制御装置の作用について説明
する。なお、リングギヤ50の回転移動により、吸気バ
ルブと排気バルブとのオーバラップを変化させる動作に
ついては、前記第一実施例と同様であるため、その説明
を省略する。
【0088】例えば、図15に示すようにリングギヤ5
0が最遅角側に位置された状態で、進角制御用通路16
を介して作動油が第二の圧力室15内に導入される。す
ると、後部ギヤ構成体52の後端面には前方への油圧力
が働き、後部ギヤ構成体52は前方へ回転移動する。そ
して、前部ギヤ構成体51の受圧部S1 には後部ギヤ構
成体52から押圧力が伝達され、両ギヤ構成体51,5
2は一体となって前方へ回転移動される。
【0089】それとともに、作動油の一部は後部ギヤ構
成体52及びギヤ11のヘリカルスプライン52a,1
1aの噛合部間と、後部ギヤ構成体52及び固定ギヤ4
のヘリカルスプライン52b,4aの噛合部間とを介し
て両ギヤ構成体51,52の境界部に流入される。この
ため、後部ギヤ構成体52の後端面以外にも、後部ギヤ
構成体52の前面側である受圧部S2 に後方への油圧力
が働き、さらに、前部ギヤ構成体51の後面側である受
圧部S1 にも前方への油圧力が働く。
【0090】両ギヤ構成体51,52の受圧部S1 ,S
2 に働く油圧力により、両ギヤ構成体51,52は互い
に受圧部S1 ,S2 に沿って反対方向へ回転する力が働
く。従って、リングギヤ50の両ギヤ構成体51,52
の境界部は僅かに捩じれ、外周側のヘリカルスプライン
51a,52aの歯すじと、内周側のヘリカルスプライ
ン51b,52bの歯すじとが僅かにずれる。この結
果、リングギヤ50のヘリカルスプライン51a,52
a,51b,52bの歯厚増大することにより、リング
ギヤ50と固定ギヤ4及びギヤ11との噛合部における
バックラッシが低減される。
【0091】ここで、後部ギヤ構成体52の後端面の受
圧面積をAとし、前部ギヤ構成体51における受圧部S
1 の受圧面積をB、同じく、後部ギヤ構成体52におけ
る受圧部S2 の受圧面積をBとし、油圧をPとする。な
お、受圧面積はA<Bの関係を有している。
【0092】上記の受圧面積の関係より、前部ギヤ構成
体51と後部ギヤ構成体52とに働く双方の力の関係は
以下のようになる。すなわち、後部ギヤ構成体52の後
端面には(P×A)の押圧力が前方へ働き、受圧部S2
には(P×B)の押圧力が後方へ働く。また、前部ギヤ
構成体51の受圧部S2 には(P×B)の押圧力が前方
へ働く。
【0093】従って、押圧力(P×B)>(P×A)の
関係から、後部ギヤ構成体52は後方に〔P×(B−
A)〕の押圧力が働くので、後方へ回転移動され、一
方、前部ギヤ構成体51は前方へ(P×B)の力が働く
ので前部ギヤ構成体51は前方へ回転移動される。すな
わち、両ギヤ構成体51,52はそれらの平行部P1 ,
P2 が互いに離間する方向へ回転される。
【0094】そのため、後部ギヤ構成体52は後方へ移
動されようとするが、前部ギヤ構成体51に対し前方へ
働く押圧力(P×B)>後部ギヤ構成体52に対し後方
へ働く押圧力〔P×(B−A)〕の関係により、後部ギ
ヤ構成体52の受圧部S2 と前部ギヤ構成体51の受圧
部S1 同士は互いに摺動される。よって、受圧部S1と
受圧部S2 との摩擦力により両ギヤ構成体51,52は
一体的に前方へ回転移動される。
【0095】この結果、リングギヤ50は上述したよう
にバックラッシの低減された状態で軸心方向前方へ移動
される。なお、上述した場合の作用において、前部ギヤ
構成体51の前端面には、第一の圧力室14内に導入さ
れた作動油を押し出す力がリングギヤ50に対し抵抗力
となって働くが、前記の力関係に比べて極めて微小なる
抵抗力であるのでその力関係の説明を省略する。
【0096】加えて、本実施例において、作動油はオイ
ルポンプから吐出されるエンジン油を使用しているの
で、前部及び後部ギヤ構成体51,52に作用する油圧
はエンジン回転数が高くなるに伴って増加する。そのた
め、油圧が大きくなるに従い(エンジン回転数が上昇す
るに従い)後部ギヤ構成体52に働く油圧力が増加す
る。つまり、後部ギヤ構成体52に働く押圧力はエンジ
ン回転数の上昇に伴って増加する。
【0097】逆に、リングギヤ50が最進角側に位置さ
れた状態で、遅角制御用通路17を介して作動油が第一
の圧力室14内に導入された場合、前部及び後部ギヤ構
成体51,52の力関係は逆となる。そして、リングギ
ヤ50はバックラッシの低減された状態で軸心方向後方
へ移動される。
【0098】上述したように、第五実施例におけるバル
ブタイミング制御装置においては、リングギヤ50を前
部及び後部ギヤ構成体51,52より構成し、隣接のギ
ヤ構成体51,52の端面に平行部P1 ,P2 及び受圧
部S1 ,S2 を形成した。このため、リングギヤ50が
移動した際、ギヤ構成体51,52における外周側のヘ
リカルスプライン51a,52aと、内周側のヘリカル
スプライン51b,52bの歯すじのずれによりその歯
厚を実質的に増大させることができる。この結果、両ギ
ヤ構成体51,52のヘリカルスプライン51a,52
a及びギヤ11のヘリカルスプライン11aの噛合部
と、両ギヤ構成体52のヘリカルスプライン51b,5
2b及び固定ギヤ4のヘリカルスプライン4aの噛合部
とのバックラッシを低減して、噛合騒音の発生を防止す
ることができる。
【0099】また、従来の技術と異なり、前部ギヤ構成
体51及び後部ギヤ構成体52を連結するための連結ピ
ン等の部品を必要としないので、製造コストの上昇防止
を図ることができる。また、リングギヤ50にはゴムや
合成樹脂等の連結ピン等の部品を使用していないので、
油温の変化に伴ってリングギヤ50の寿命が制限される
ことなく、長期にわたって寿命を保証することができ
る。しかも、前部及び後部ギヤ構成体51,52は連結
ピンを連結するための連結構造の加工も必要としないの
で容易に製造することができる。
【0100】なお、本発明は前記第一〜第五実施例に限
定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲
で例えば下記のように任意に変更することも可能であ
る。 (1)第一実施例においては、リングギヤ13のヘリカ
ルスプライン13aを欠歯して欠歯突条13cとし、ギ
ヤ11のヘリカルスプライン11aを欠歯して欠歯溝1
1bとした両者13c,11bを係合したが、これ以外
にも、両者の関係を逆にして、リングギヤ13に欠歯溝
を形成するとともに、ギヤ11に欠歯突条を形成しても
よい。
【0101】(2)第一実施例において、欠歯突条13
cはリングギヤ13の最外周に設け、欠歯溝13dはリ
ングギヤ13の最内周に設けたが、欠歯溝13dを省略
し、欠歯突条13cのみにしてもよい。
【0102】(3)第一実施例において、前記欠歯突条
13cはリングギヤ13のピッチ円周上で一箇所に設け
たが、一箇所に限らず例えば、複数箇所設けてもよい (4)第一実施例において、リングギヤ13の一部分に
おいて周囲の比重と異なる材料を使用して形成してもよ
い。こうすれば、前記実施例と同様にリングギヤ13の
回転中心に対し重量アンバランスを得ることができる。
【0103】(5)図15に示すように、前記第二実施
例におけるリングギヤ20の代わりに以下に示すリング
ギヤ60を使用してもよい。すなわち、リングギヤ60
を第一ギヤ61と第二ギヤ62とに分割し、両ギヤ6
1,62の分割面はリングギヤ60の軸心に対し非平行
となるように斜状に形成してもよい。また、第二実施例
において、第一ギヤ24におけるヘリカルスプライン2
0bを省略してもよい。
【0104】(6)前記第三実施例において、周方向に
おける第一ギヤ31の分割面31a間及び周方向におけ
る互いに対向する第二ギヤ32の分割面32a間は、リ
ングギヤ30の径方向へ向かうにしたがって狭くなるよ
うに形成した。この構成に対し、図16に示すリングギ
ヤ63のように変更してもよい。すなわち、リングギヤ
63を第一ギヤ64と第二ギヤ65とに分割し、両ギヤ
64,65の分割面64a,65aは互いに平行をなす
ように形成してもよい。
【0105】(7)前記第二及び第三実施例において、
リングギヤ20,30はいずれも二分割したが、二分割
に限定されることなく、例えば、リングギヤ20,30
を三分割にする等、二分割以上であれば、幾つに分割し
てもよい。
【0106】(8)前記第二実施例においては、第一ギ
ヤ24はリングギヤ20の前端から後端にかけて分割し
た。これに対し、第一ギヤ24をリングギヤ20の前端
から軸心方向中央付近にかけて分割してもよい。
【0107】(9)前記第五実施例において、第一及び
第二の圧力室14,15内には前部及び後部ギヤ構成体
51,52を互いに押圧する圧縮コイルスプリングを配
設してもよい。こうすれば、エンジン回転数が低い場合
においてリングギヤ50に対して働く油圧が低くても圧
縮コイルスプリングの付勢力によりバックラッシを低減
することができる。
【0108】(10)前記実施例では前部ギヤ構成体5
1及び後部ギヤ構成体52の平行部P1 ,P2 はリング
ギヤ50の軸心方向に対し平行となるように形成した。
これに以外にも、前記平行部P1 ,P2 はリングギヤ5
0の軸心方向に対し斜交する平面を有して非平行となる
ように形成してもよい。
【0109】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1及び請求
項2に記載の発明によれば、部品点数を削減することに
より製造コストの上昇防止及び製造の容易性を図ること
ができる。また、リングギヤが回転時に偏心するため、
スプラインのバックラッシが低減されることにより噛合
打音による異音を低減することができて、低回転時にお
いてリングギヤの遠心力が小になるのに伴いスプライン
のフリクションが小となるため、バルブタイミング制御
装置の応答性を向上することができるという優れた効果
を奏する。
【0110】請求項3に記載の発明によれば、リングギ
ヤの非対象重量部分と軽重配置を反対としたので、プー
リ全体の回転アンバランスを低減することができるとい
う優れた効果を奏する。
【0111】請求項4に記載の発明によれば、加工時に
重量アンバランスを形成できるため、リングギヤを容易
に製造することができるという優れた効果を奏する。請
求項5に記載の発明によれば、分割されたリングギヤを
連結する加工工程を要することなく、リングギヤを分割
するだけでスプラインのバックラッシが低減されること
により噛合打音による異音を低減することができるの
で、リングギヤの製造を容易にできるという優れた効果
を奏する。
【0112】請求項6に記載の発明によれば、分割面が
リングギヤの径方向外方へ向かうにしたがって狭くした
ので、分割されたリングギヤが径方向へ沿って移動した
際には、分割面同士のクリアランスを無くすことができ
て、クリアランスの管理を不要とすることができるとい
う優れた効果を奏する。
【0113】請求項7に記載の発明によれば、ギヤ構成
体の受圧面で受けた際の油圧の分力により、隣接のギヤ
構成体のスプラインの歯すじをずらすことができて、リ
ングギヤとプーリ側のギヤとのバックラッシが低減され
るので、リングギヤとプーリ側のギヤとの噛合騒音の発
生を防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施例におけるバルブ
タイミング制御装置の断面図である。
【図2】第一実施例におけるリングギヤの噛合状態を示
す要部部分断面図である。
【図3】第一実施例におけるリングギヤが移動した際の
作用説明図である。
【図4】第一実施例におけるエンジン回転数の上昇に伴
う第一実施例及び従来例のフリクションを比較した説明
図である。
【図5】第一実施例におけるエンジン回転数、音圧及び
フリクションの関係を示す説明図である。
【図6】第一実施例におけるエンジン回転数、音圧及び
バックラッシの関係を示す説明図である。
【図7】第二実施例におけるバルブタイミング制御装置
の断面図である。
【図8】第二実施例におけるリングギヤが移動した際の
作用説明図である。
【図9】第二実施例におけるリングギヤの斜視図であ
る。
【図10】第三実施例におけるバルブタイミング制御装
置の断面図である。
【図11】第三実施例におけるリングギヤが移動した際
の作用説明図である。
【図12】第四実施例におけるバルブタイミング制御装
置の断面図である。
【図13】第四実施例におけるリングギヤを示し、図1
3(a)はその平面図であり、図13(b)はその正面
図であり、図13(c)はその縦断面図である。
【図14】第四実施例におけるリングギヤが移動した際
の作用説明図である。
【図15】第五実施例におけるバルブタイミング制御装
置の断面図である。
【図16】第五実施例におけるリングギヤの分解斜視図
である。
【図17】別の実施例におけるリングギヤの斜視図であ
る。
【図18】別の実施例におけるリングギヤの略断面図で
ある。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド、2…カムシャフト、4…固定ギ
ヤ、6…タイミングプーリ、11…ギヤ、11a…ヘリ
カルスプライン、31a,32a…分割面、13,2
0,30,40,50…リングギヤ、13a,20a,
30a,40a,51a,52a…ヘリカルスプライ
ン、51…前部ギヤ構成体、52…後部ギヤ構成体、S
1 …受圧部(受圧面)、S2 …受圧部(受圧面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守谷 嘉人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトと、
    そのカムシャフトを駆動するためのプーリとの間に内外
    周面にスプラインを有し、そのうち一方はヘリカルスプ
    ラインである円筒状のリングギヤをスプライン嵌合によ
    り介在させ、そのリングギヤの端部に作動油の油圧を作
    用させてカムシャフト軸方向へ移動させることでプーリ
    とカムシャフトの回転位相を変化させ、バルブの開閉時
    期を可変としたバルブタイミング制御装置において、 前記リングギヤがエンジン運転によりプーリとともに回
    転した際に同リングギヤの回転軸心をプーリの回転軸心
    から偏心させてリングギヤのスプラインと前記プーリ側
    のギヤのスプラインとを密接状態にすべく、同リングギ
    ヤの形状を回転中心に対し非対象としたことを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトと、
    そのカムシャフトを駆動するためのプーリとの間に内外
    周面にスプラインを有し、そのうち一方はヘリカルスプ
    ラインである円筒状のリングギヤをスプライン嵌合によ
    り介在させ、そのリングギヤの端部に作動油の油圧を作
    用させてカムシャフト軸方向へ移動させることでプーリ
    とカムシャフトの回転位相を変化させ、バルブの開閉時
    期を可変としたバルブタイミング制御装置において、 前記リングギヤがエンジン運転によりプーリとともに回
    転した際に同リングギヤの回転軸心をプーリの回転軸心
    から偏心させてリングギヤのスプラインと前記プーリ側
    のギヤのスプラインとを密接状態にすべく、同リングギ
    ヤの重量を回転中心に対し非対象としたことを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記リングギヤの回転中心に対し重量が非対象となる部
    分に対応してプーリ側のギヤにはリングギヤの非対象重
    量部分とはその軽重配置が反対となるように、プーリの
    回転中心に対して重量を非対象に形成したことを特徴と
    する内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記リングギヤの各ヘリカルスプラインのピッチを部分
    的に異ならしめることにより、リングギヤに非対象重量
    部分を形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記リングギヤの一部が径方向に沿って移動可能となる
    ように同リングギヤを径方向において非対象に分割した
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 分割されたリングギヤのうち少なくとも一つのリングギ
    ヤの分割面の間の間隔を径方向外方へ向う程狭くなるよ
    うに形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記リングギヤを複数のギヤ構成体より構成し、ギヤ構
    成体の移動方向において、作動油の油圧を受圧するため
    の隣接のギヤ構成体の端部には同リングギヤの軸心に対
    し傾斜した受圧面を備えたことを特徴とする内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
JP30838393A 1993-10-14 1993-12-08 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH07158417A (ja)

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JP30838393A JPH07158417A (ja) 1993-10-14 1993-12-08 内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP5-257278 1993-10-14
JP25727893 1993-10-14
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004059148A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-15 Yanmar Co., Ltd. 油圧式タイマーユニット及びそれを具備する燃料噴射ポンプ
WO2021065221A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 住友電工焼結合金株式会社 焼結部材、及び電磁カップリング

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JPWO2021065221A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08
CN114402147A (zh) * 2019-10-03 2022-04-26 住友电工烧结合金株式会社 烧结部件及电磁耦合器
CN114402147B (zh) * 2019-10-03 2023-12-15 住友电工烧结合金株式会社 烧结部件及电磁耦合器

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