JPH0642316A - 内燃機関のバルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調整装置

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JPH0642316A
JPH0642316A JP5058494A JP5849493A JPH0642316A JP H0642316 A JPH0642316 A JP H0642316A JP 5058494 A JP5058494 A JP 5058494A JP 5849493 A JP5849493 A JP 5849493A JP H0642316 A JPH0642316 A JP H0642316A
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JP
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gear
arc
axial direction
teeth
camshaft
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Yasushi Morii
泰詞 森井
Michio Adachi
美智雄 安達
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 バルブタイミング調整装置の軸方向長さの延
長を抑え、全体を小型としながら、ヘリカルスプライン
の歯打音を低減する。 【構成】 内燃機関のクランクシャフトによって駆動さ
れるスプロケット2に取り付けられたスリーブ5の内面
には内歯ヘリカルスプライン5aが形成され、スプロケ
ット2を遊嵌しているカムシャフト1に取り付けられた
スリーブ3の外面には外歯ヘリカルスプライン3aが形
成される。それらに嵌合する円筒形の歯車集合体8は、
制御用部材6と、弧形歯車7とからなり、これらはコイ
ルスプリング27によって軸方向に付勢されている。そ
れらのヘリカルスプラインの歯筋が軸方向にずれて見か
けの歯厚が増大することによりバックラッシュが低減さ
れるが、制御用部材6の円周方向の一部を軸方向に切り
欠いた空間に弧形歯車7が収容されているので、歯車集
合体8の軸方向長さの増大を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸排気弁の
開閉タイミングを運転条件に応じて変更するためのバル
ブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関には、クランクシャ
フトからタイミングベルト、チェーン、或いはギヤ等の
ような回転伝達部材を介してカムシャフトを回転駆動
し、このカムシャフトによりバルブを作動させるバルブ
駆動機構が広く採用されている。そして、内燃機関の運
転条件に応じて吸排気弁のバルブタイミングを調整する
ために、例えば、カムシャフトと同軸に設けられた回転
伝達部材とカムシャフトとの間に相対的な回転を与える
ことにより、バルブタイミングを変化させるバルブタイ
ミング調整装置が知られている。
【0003】例えば、特開昭61−279713号公
報、特開昭62−3111号公報、及び、特開昭62−
3112号公報等が知られている。これらの従来技術に
おいては、中心歯車と外周歯車との間に制御用部材を軸
方向に移動可能に設け、制御用部材を軸方向に移動させ
ることにより中心歯車と外周歯車とを相対的に回転さ
せ、バルブタイミングを変化させている。
【0004】また、これらの従来技術においては、制御
用部材の軸方向への移動を中心歯車と外周歯車との相対
的な回転に変換するために、ヘリカルスプラインによる
噛み合い構造を採用している。このため、ヘリカルスプ
ライン同志の噛み合いにバックラッシュがあると、エン
ジンの回転変動などによりヘリカルスプライン同志の噛
み合い状態が変化し、歯打ち音を発生し、騒音となるお
それがあった。
【0005】そこで、これらの従来技術では、制御用部
材をその軸方向に並べられた2つの円筒状歯車から構成
し、それらを軸方向に互いに逆方向に弾性付勢すること
で、ヘリカルスプライン同志のバックラッシュを低減
し、エンジンの回転変動によるヘリカルスプラインの歯
打ち音を低減している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術による
バルブタイミング調整装置においては、ヘリカルスプラ
イン嵌合部分におけるバックラッシュが解消し、内燃機
関運転時の打音の発生が防止されるという効果がある。
【0007】ところが、軸方向に複数個の円筒状歯車を
積み重ねて円筒形の制御用部材が構成されるため、制御
用部材の軸方向長さが大となる。更に、それらの歯車の
間に直列に挿入される弾性体が集合体としての制御用部
材の軸方向長さを一層大きくする。このため、バルブタ
イミング調整装置全体が軸方向に長くなるという問題が
あった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、内燃機関のクランクシャフト又はカムシ
ャフトの一方に連結されて回転し、外周に外歯が形成さ
れた中心歯車と、前記クランクシャフト又は前記カムシ
ャフトの他方に連結されて回転すると共に、前記中心部
材と同軸上においてそれに被さるように支持され、内周
に内歯が形成された外周歯車と、前記中心歯車と前記外
周歯車との間の環状空間に軸方向に移動可能に挿入さ
れ、前記中心歯車の外歯と前記外周歯車の内歯とに係合
して回転を伝達するとともに、軸方向への移動により前
記中心歯車と前記外周歯車とを相対的に回転させて、前
記クランクシャフトと前記カムシャフトとの間の回転位
相を変更させる円筒形の歯車集合体とを備える内燃機関
のバルブタイミング調整装置において、前記歯車集合体
は、前記中心歯車と前記外周歯車との間の環状空間のう
ちの第1の角度範囲に設けられ、前記中心歯車の外歯と
前記外周歯車の内歯とに係合する歯を内外面に備えてい
る制御用部材と、前記中心歯車と前記外周歯車との間の
環状空間のうちの前記第1の角度範囲を除く第2の角度
範囲に設けられ、前記中心歯車の外歯と前記外周歯車の
内歯とに係合する歯を内外面に備えている弧形歯車と、
前記制御用部材と前記弧形歯車とを軸方向の逆方向に付
勢する弾性部材とを備えることを特徴とする内燃機関の
バルブタイミング調整装置という技術的手段を採用す
る。
【0009】
【作用】以上に述べた本発明の構成によると、中心歯車
と外周歯車との間の環状空間のうちの第1角度範囲に渡
って設けられた制御用部材と、環状空間のうちの第1角
度範囲を除く第2角度範囲に設けられた弧形歯車とによ
り歯車集合体が構成され、これら制御用部材と弧形歯車
とが弾性部材によって互いに軸方向の逆方向に付勢され
る。このため、制御用部材と弧形歯車とは、中心歯車の
外歯に対して互いに反対方向に向けて付勢されるととも
に、外周歯車の内歯に対しても互いに反対方向に向けて
付勢される。従って、制御用部材の内外面に形成される
歯と、弧形歯車の内外面に形成される歯との両方を含め
て歯車集合体の歯として見た場合、見かけ上、その歯厚
が増大したのと同様になり、制御用部材と弧形歯車とで
構成される歯車集合体の内面に形成される内歯と、中心
歯車の外歯との間のバックラッシュ、および制御用部材
と弧形歯車とで構成される歯車集合体の外面に形成され
る外歯と、外周歯車の内歯との間のバックラッシュが低
減され、バックラッシュに起因する歯打音の発生が低減
される。る。
【0010】また、本発明においては、環状空間に挿入
される円筒形の歯車集合体が第1角度範囲に設けられた
制御用部材と、第1角度範囲を除く第2角度範囲に設け
られた弧形歯車とによって構成され、歯車集合体は周方
向に対して複数の部分から構成されているため、歯車構
成体を軸方向に積み重ねられた複数の円筒状歯車から構
成する場合に比して歯車集合体の軸方向長さが短縮さ
れ、それによってバルブタイミング調整装置全体の体格
も縮小される。
【0011】
【実施例】図1に、本発明の第1実施例としてのバルブ
タイミング調節装置の全体構成を縦断正面図として示
す。
【0012】図1において、1は内燃機関の図示しない
吸、排気弁を開閉駆動するカムシャフト、2は図示しな
いクランクシャフトからタイミングチェーンを介して回
転駆動されるスプロケット(回転伝達部材)を示してい
る。
【0013】スプロケット2は、中央に設けられたボア
2aの部分によってカムシャフト1の段部1aに相対回
転可能に嵌合しており、段部1a及びカムシャフトスリ
ーブ3(中心の歯車)とボルト4により軸方向の移動を
阻止されている。カムシャフトスリーブ3は、例えば軸
方向に挿入された図示しないピンのような手段により、
カムシャフト1と一体に回転するように固定されてい
る。
【0014】スプロケット2にはカムシャフト1と同心
に円筒状のスプロケットスリーブ5(最外周の内歯車)
が一体的に取付けられている。カムシャフトスリーブ3
の外周面には外歯ヘリカルスプライン3aが形成されて
おり、スプロケットスリーブ5の内周面には内歯ヘリカ
ルスプライン5aが形成されている。外歯ヘリカルスプ
ライン3aに対して内歯ヘリカルスプライン5aは逆方
向のねじれ角を有するが、場合によっては、それらの一
方をヘリカルスプラインでなく捩じれ角0の軸方向の直
線歯を有するスプラインとしてもよい。
【0015】カムシャフトスリーブ3とスプロケットス
リーブ5との間には略円筒形の隙間が形成されるが、こ
の隙間には、従来技術における「円筒形歯車」に対応す
るように、制御用部材6と、その円周方向の一部を軸方
向に切り欠いた空間内に組み付けられた弧形歯車37、
47とからなる円筒形の歯車集合体8が、軸方向に進退
し得るように挿入されており、制御用部材6及び弧形歯
車37、47のそれぞれの歯車部分の内側円筒面に形成
された内歯ヘリカルスプライン6a,7aが、カムシャ
フトスリーブ3の外歯ヘリカルスプライン3aと係合す
ると共に、それぞれの歯車部分の外側円筒面に形成され
た外歯ヘリカルスプライン6b,7bが、スプロケット
スリーブ5の内歯ヘリカルスプライン5aと係合してい
る。
【0016】制御用部材6及び弧形歯車37、47から
なる円筒形の歯車集合体8は、その軸方向位置が変化し
ない限り、内外のカムシャフトスリーブ3及びスプロケ
ットスリーブ5のヘリカルスプライン3a及び5aに係
合することにより、スプロケット2とカムシャフト1と
を一体的に回転させて、スプロケット2の回転をカムシ
ャフト1に伝達するが、回転中に円筒形の歯車集合体8
をカムシャフト1の軸線方向に摺動させることにより、
カムシャフトスリーブ3及びスプロケットスリーブ5の
ヘリカルスプラインと円筒形の歯車集合体8のヘリカル
スプラインとの係合位置をずらせることにより、スプロ
ケット2とカムシャフト1をヘリカルスプライン3a,
5aの歯筋に沿って反対方向に相対回転させることがで
きる。
【0017】従って、円筒形の歯車集合体8の軸方向位
置を制御することにより、スプロケット2、ひいては内
燃機関のクランクシャフトに対する、カムシャフト1の
回転位相を運転中に無段階に調節することができる。円
筒形の歯車集合体8の構造は本発明の特徴に対応するも
のであるから、後に詳細に説明する。
【0018】このように円筒形の歯車集合体8をカムシ
ャフト1の軸線方向に調整移動させると共に、回転自在
に支承するための位相制御機構としては、シャフト部9
とナット部10とを備えたボールねじ機構と、シャフト
部9の一部に支持されたボールベアリング11が用いら
れる。シャフト部9とナット部10は、それぞれシャフ
ト部9の外周とナット部10の内周に設けられたねじ溝
が、それらにそって転動する多数のボール10aを介し
て相互に係合しており、シャフト部9とナット部10が
相互に回転するときボール10aを循環させる図示しな
い周知の循環機構を備えている。それによって、ボール
ねじ機構は普通のねじに比べて摩擦が少なくなるので、
シャフト部9とナット部10とを小さな回転力によって
も容易に相対回転させることができる。
【0019】ボールねじ機構のナット部10は、それに
取り付けられているウオームホイール12と共に、ボー
ルベアリング13によって調整装置のハウジング14内
に回転可能に、しかし、軸方向には移動しないように支
持されている。ハウジング14は、内燃機関のシリンダ
ヘッド15のカムシャフト1を略中心とする開口部15
aを塞ぐように、ボルト16のような手段によって締結
されている。ウオームホイール12には電動モータ17
によって正逆転方向に駆動されるウオーム18が噛合し
ており、図示しない制御装置によって回転制御される。
【0020】ボールねじ機構のシャフト部9は、ボール
10aを介してナット部10に支承されているが、ナッ
ト部10が電動モータ17によって、ウオーム18とウ
オームホイール12を介して駆動されて回転しても、シ
ャフト部9自体は、その端部にピン19によって取り付
けられたカップリング20の半径方向の突起21と、そ
れを軸方向に案内するようにハウジング14の突出部の
内面に形成された軸方向の溝22との係合によって、回
転運動を拘束されているので、ナット部10の回転方向
によって、軸方向右又は左にナット部10の回転角に応
じた分だけ移動する。それによって、ナット部10の内
方先端にボールベアリング11を介して取り付けられた
円筒形の歯車集合体8の軸方向位置が決まる。
【0021】なお、図1に示した実施例の構造において
は、ナット部10の右端部10bは前述のようにボール
ベアリング13によって軸支されているが、左端部10
cはハウジング14に形成された円筒形内壁によって回
転可能に支持されている。また23は固定部材であっ
て、ボールベアリング13の外輪をボルト24を用いて
ハウジング14に固定し、それによってナット部10の
軸方向移動を阻止するようになっている。更に25は、
ナット部10の右端部の雄ねじ部に螺合してボールベア
リング13の内輪をナット部10に固定するためのリン
グ状ナットを示している。
【0022】次に、図1に加えて図2〜図4をも参照し
て、本発明の特徴とする制御用部材6及び弧形歯車3
7、47等からなる円筒形の歯車集合体8の詳細な構造
を説明する。
【0023】図示実施例における円筒形の歯車集合体8
の歯車部分は、あたかも従来技術における円筒形歯車
を、軸方向に動く刃物によって円周方向に4つの円弧部
分に切り分けたような形状を有する。対向する一対の歯
車部分36、46は制御用部材6の軸方向に延びる部分
であり、その半径方向内面及び外面には前述の内歯ヘリ
カルスプライン6aと外歯ヘリカルスプライン6bが形
成されている。また、それらの一対の歯車部分36、4
6と90°ずれた位置で互いに対向している他の一対の
歯車部分137、147は、前述の2個の弧形歯車3
7、47の軸方向に延びる部分を構成しており、その半
径方向内面及び外面には、前述の内歯ヘリカルスプライ
ン7aと外歯ヘリカルスプライン7bが形成されてい
る。
【0024】以上の説明及び図4から明らかなように、
制御用部材6は円筒形の歯車部分の円周方向の一部を軸
方向に切り欠いたような形状のもので、歯車部分36、
46が切り欠きによって残った部分であり、切り欠きに
よって生じた二個の空間6rには、それらを埋めるよう
にそれぞれ別体の弧形歯車37、47が挿入され、その
歯車部分137、147が制御用部材6の歯車部分3
6、46と整合可能な位置に置かれることによって、全
体として円筒形をなす歯車集合体8を構成している。
【0025】制御用部材6の端部6cには各弧形歯車3
7、47の端面に対応して軸方向の孔6dが複数個穿孔
されており、それぞれに軸方向のピン26が緩く嵌合し
ていて、ピン26の先端が弧形歯車37、47の基部7
cに穿孔された軸方向の小孔7dに圧入固定し、制御用
部材6に対する弧形歯車37、47の軸方向移動を許す
と共に、回転方向には連動するように弧形歯車37、4
7を制御用部材6に拘束している。弧形歯車37、47
の基部7cにおける軸方向の孔6dは弧形歯車37、4
7に向かう側が拡径されており、小径部分との段部によ
って一端を支持されるようにコイルスプリング27が拡
径部分にその大部分を収容されていて、コイルスプリン
グ27の他端は弧形歯車37、47の基部7cに接触す
ることによってそれを軸方向に押圧し、弧形歯車37、
47の歯車部分137、147の内歯ヘリカルスプライ
ン7aと外歯ヘリカルスプライン7bの歯筋が、制御用
部材6の歯車部分36、46の内歯ヘリカルスプライン
6aと外歯ヘリカルスプライン6bの各歯筋からずれる
ように付勢している。
【0026】次に、本発明の第1実施例を適用した自動
車用エンジンのシステム構成を図5に基づいて説明す
る。図5は、第1実施例のバルブタイミング調整装置を
使用した自動車用エンジンのシステム構成を示す構成図
である。
【0027】図5において、この実施例ではDOHC型
エンジンの吸気側カムシャフト1aにバルブタイミング
調整装置が設けられている。吸気側スプロケット2aと
排気側スプロケット2bとは、エンジンのクランクシャ
フト50に設けられたクランクスプロケット51によ
り、タイミングチェーン52を介して回転駆動される。
そして、吸気側カムシャフト1aと排気側カムシャフト
1bとが駆動される。なお、53a,53bはガイドで
ある。
【0028】モータ17は、バルブタイミング制御装置
56によってその回転位置が制御され、所望のバルブタ
イミングが得られるようフィードバック制御される。こ
の実施例では、カムシャフト1aの回転に同期して所定
回転角毎に信号を発生するカムシャフト回転センサ54
と、クランクシャフト50の回転に同期して所定回転角
毎に信号を発生するクランクシャフト回転センサ55と
を備え、両センサ54、55の信号を制御装置56に入
力している。そして、制御装置56は両センサ54、5
5からの信号の位相差を演算し、その検出位相差を目標
とする位相差とするようにモータ17をフィードバック
制御する。なお、目標位相差は、燃料噴射弁58を制御
する燃料噴射制御装置57などから吸気量信号Qとエン
ジン回転数信号Neとを入力し、これら両信号で示され
るエンジン負荷に応じた最適なバルブタイミングとなる
よう設定される。
【0029】次に、図1〜図5に示した第1実施例の作
動について説明する。機関の運転中で、バルブタイミン
グの変更操作を行っていない場合には、円筒形の歯車集
合体8はその軸方向位置を維持したまま、ボールベアリ
ング11上においてスプロケットスリーブ5とカムシャ
フトスリーブ3と共に回転するので、スプロケット2a
とカムシャフト1aとは一体的に回転することになり、
円筒形の歯車集合体8は一体の伝動部分になっていて、
それによってバルブタイミングが変更されることはな
い。
【0030】運転条件に応じてバルブタイミングを変更
する必要が生じた場合、制御装置56が制御信号を変化
させることによって、モータ17が正又は逆方向に指定
された回転角度だけウオーム18を回転駆動する。モー
タ17の回転は、ウオーム18およびウオームホイール
12により減速され、ウオームホイール12はボールね
じのナット部10と共に、シャフト部9及びハウジング
14に対して回転する。前述のようにナット部10は軸
方向移動を阻止されており、しかも、シャフト部9は軸
方向の溝22に係合するカップリング20によって回転
運動を阻止されているため、ナット部10の回転により
ボール10aを介してねじ溝の軸方向移動成分だけがシ
ャフト部9に伝達される。
【0031】このように、モータ17の回転方向と回転
角度に応じてシャフト部9は左右に移動し、ボールベア
リング11を介して円筒形の歯車集合体8の軸方向位置
を変更させる。それによって円筒形の歯車集合体8は、
カムシャフトスリーブ3及びスプロケットスリーブ5に
対する挿入深さが変化し、それらの係合面に設けられた
ヘリカルスプラインの作用によって、カムシャフトスリ
ーブ3とスプロケットスリーブ5の間に相対的な回転が
生じる。その結果、スプロケット2aとクランクシャフ
ト50に対するカムシャフト1の回転位相が変化し、カ
ムシャフト1aによって駆動される吸気弁のバルブタイ
ミングが変化する。
【0032】この場合、スプロケット2aの回転は、ス
プロケットスリーブ5から、内歯ヘリカルスプライン5
aと、円筒形の歯車集合体8の制御用部材6の歯車部分
36、46及び弧形歯車37、47の歯車部分137、
147の外歯ヘリカルスプライン6b,7bとの嵌合部
分によって円筒形の歯車集合体8に伝えられ、更に歯車
集合体8の回転は、内歯ヘリカルスプライン6a,7a
と、カムシャフトスリーブ3の外歯ヘリカルスプライン
3aとの嵌合部分によってカムシャフト1に伝えられる
が、それらの嵌合部分に遊隙があると、その部分におい
て打音が発生するととになる。
【0033】これに対して、第1実施例では、弧形歯車
37、47が制御用部材6の切欠き6rに収容されてい
て、コイルスプリング27によって常に軸方向に制御用
部材6から離間するように付勢されているので、制御用
部材6の歯車部分36、46の歯筋に対して弧形歯車3
7、47の歯車部分137、147の歯筋は常にずれよ
うとしており、それによって歯車部分36、46の内外
のヘリカルスプライン6a,6bの見かけの歯厚が増大
し、カムシャフトスリーブ3及びスプロケットスリーブ
5のヘリカルスプライン3a,5aに対する遊隙がなく
なって打音の発生が防止される。
【0034】次に、本発明を適用した第2実施例を説明
する。図6及び図7は第2実施例の歯車集合体の構造を
示している。第2実施例の構造は第1実施例のそれと比
べて、円筒形の歯車集合体208において、制御用部材
206に形成された2個の歯車部分236、246と、
それとは別体のものとして制御用部材206の切欠き2
06rに挿入されている2個の弧形歯車237、247
にそれぞれ形成された歯車部分257、267とを有す
る点は同じであるが、異なる点は、それらの歯車部分2
36、246、257及び267を円周方向に連結する
共通のリング28を設けたことである。なお、図6、図
7に図示された以外の構成は第1実施例と同じである。
【0035】リング28は、歯車部分236、246の
端面に形成された円周方向の溝206eに圧入固定され
ており、歯車部分257、267の端面に形成された円
周方向の溝207eに対しては摺動可能に嵌合してい
る。このため、弧形歯車237、247がピン226を
支点として半径方向に傾くのが防止され、歯車部分23
6、246に形成された内外のヘリカルスプライン20
6a,206bの歯筋が、歯車部分257、267に形
成された内外のヘリカルスプライン207a,207b
の歯筋に対して半径方向にずれるのを抑え、それらを共
通の円の円周上に整合させる。これにより、歯車集合体
208とカムシャフトスリーブ3との組付け時、及び歯
車集合体208とスプロケットスリーブ5との組付け時
の変形を防止して作業性が向上する。また、組付け後に
歯車集合体208をカムシャフト1の軸方向に調整移動
させるときに起こり得る摩擦によるモータ17の負荷の
増大を防止することができる。
【0036】以上に述べた第1実施例および第2実施例
の構成においては、いずれも弧形歯車37、47、23
7、247を制御用部材6、206に形成された切欠き
6r、206rの空間に収容し、弧形歯車37、47、
237、247と制御用部材6、106とを軸方向に付
勢しているため、短い軸方向全長で歯筋をずらすことが
できる。また、コイルスプリング27、227の大部分
を制御用部材6、206の端部6c、206cに穿孔さ
れている軸方向の孔6d、206dの中に装填したた
め、軸方向の長さが著しく短縮される。
【0037】これにより、バルブタイミング調整装置全
体の軸方向長さも従来のものに比して短くすることが可
能になり、装置の体格を縮小して小型化することができ
る。また、コイルスプリング27、227も制御用部材
6、206の端部6c、206c内に収容するため、比
較的大径のスプリングを用いても、それによって円筒形
の歯車集合体8、208の直径が増大することはない。
【0038】次に、本発明を適用した第3実施例を説明
する。なお、この第3実施例では、制御用部材が油圧に
よってカムシャフトの軸方向に移動される。図8は本発
明を適用した第3実施例の断面構造と油圧制御機構とを
示す構成図である。吸気側カムシャフト301内には、
2つの油圧供給通路311、312が形成されている。
カムシャフト301の外周にはプーリ302が回転可能
に装着されている。このプーリ302は、図示せぬコグ
ベルトを介してエンジンのクランクシャフトにより駆動
される。また、カムシャフト301の端部にはカムスリ
ーブ303がピン313とボルト304とにより固定さ
れている。このカムスリーブ303外周には、ヘリカル
スプライン303aが形成されている。
【0039】プーリ302には、カップ状のプーリスリ
ーブ305がボルト314により組付けられ、プーリス
リーブ305とプーリ302との間にはOリング315
が介装され、油密に組付けられている。プーリスリーブ
305内のカムスリーブ303と対向する内周面の図中
L1の範囲には、ヘリカルスプライン305aが形成さ
れている。プーリスリーブ305の底面には、作業孔3
18が形成され、Oリング316を介して蓋317がね
じ込まれている。
【0040】プーリスリーブ305内には、この実施例
の歯車集合体308が設けられている。歯車集合体30
8は、全体としてL型の断面を有し、径方向に広がるピ
ストン部309と、軸方向に延びる歯車部310とを形
成している。
【0041】歯車集合体308のピストン部309は制
御用部材306により構成され、外周に油密用シールリ
ング318を備える。そしてピストン部309は、プー
リ302の円筒部302aとプーリスリーブ305の円
筒部305bとの間に形成される環状のシリンダを図中
左右に仕切るように収容されている。ピストン部309
より図中左側のシリンダ室319は、プーリ302の円
筒部302aに形成された孔302bを介して油圧供給
通路311に連通している。一方、ピストン部309よ
り図中右側のシリンダ室320は、プーリスリーブ30
5と制御部材308とカムスリーブ303との間の隙間
から、ボルト304に形成された孔304aを介して油
圧供給通路312に連通している。
【0042】油圧供給路311、312は、油圧制御弁
321に接続され、作動油ポンプ322からの作動油供
給と、作動油タンク323への作動油排出とに切り換え
られる。この油圧制御弁321は、バルブタイミング制
御装置356により駆動される。そして、油圧制御弁3
21により、シリンダ室319、320の作動油の供
給、排出が制御されることで歯車集合体308がカムシ
ャフト301の軸方向へ駆動される。
【0043】次に、歯車集合体308の構成を図9、図
10に基づきさらに詳細に説明する。図9は歯車集合体
308を図8右側から見た平面図、図10は図9のC−
C断面図である。
【0044】歯車集合体308の歯車部310は、円筒
を4分割した4つの弧形部分からなる。歯車部310
は、ピストン部309を構成する制御用部材306から
延びる2本の歯車部分336、346と、2個の弧形歯
車337、347とからなる。2本の歯車部分336、
346の内周には、ヘリカルスプライン303aと噛み
合うヘリカルスプライン336a、346aが形成さ
れ、外周にはヘリカルスプライン305aと噛み合うヘ
リカルスプライン336b、346bが形成される。2
本の歯車部分336、346と、2個の弧形歯車33
7、347とは、全体として見かけ上一つの円筒状歯車
を構成している。この実施例では、歯車集合体308の
内側に28歯分、外側に40歯分のヘリカルスプライン
が形成される。
【0045】2個の弧形歯車337、347は摺動性に
優れた樹脂材料により形成される。2個の弧形歯車33
7、347には、それぞれ3個の穴337c、347c
が形成され、これら穴337c、347cの中にスプリ
ング327が圧縮されて収容されている。そして、2本
の弧形歯車336、346の端部には、図10に図示さ
れるように径方向に開いた溝336c、346cが形成
され、ここにスナップリング326が装着されている。
このため、2個の弧形歯車337、347は、その端部
がスナップリング326に当接することよって軸方向へ
の移動が規制され、図9の状態に組み立てられる。この
状態では、2本の歯車部分336、346の内外に形成
されたヘリカルスプラインと、2個の弧形歯車337、
347の内外に形成されたヘリカルスプラインとの歯筋
は、互いにずれている。
【0046】この実施例では、図9の状態に組付けた歯
車集合体308がプーリ302に装着された後に、カム
スリーブ303がヘリカルスプラインを噛み合わせなが
ら組付けられる。そして、プーリスリーブ305がヘリ
カルスプラインを噛み合わせながら組付けられる。この
組付け過程で、スプリング327は図9の状態からさら
に圧縮され、図9の状態で存在した歯筋のずれが縮小さ
れ、図8に図示した組付け後の状態では、スナップリン
グ326と2個の弧形歯車337、347との間にはL
2の隙間が生じる。
【0047】図11は、各ヘリカルスプラインの噛み合
い状態を模式的に示した説明図である。図11上段の
(a)には、歯車部分346、弧形歯車337を実線で
図示し、プーリスリーブ305を破線で図示した平面図
が図示されている。図11中段の(b)には、歯車部分
346、弧形歯車337、カムスリーブ303およびプ
ーリスリーブ305の噛み合い状態を模式化した断面図
が図示されている。また、図11下段の(c)には、歯
車部分346、弧形歯車337を実線で図示し、カムス
リーブ303を破線で図示した平面図が図示されてい
る。なお、図11(b)の断面図は、図11(a)、
(b)のD−D矢視方向断面を示している。なお、図1
1では説明を簡単にするため、内歯と外歯の歯数を同じ
にして図示されている。
【0048】組付け後、図11に図示されるように、2
個の弧形歯車337、347のヘリカルスプライン33
7a、347aと、2本の歯車部分336、346のヘ
リカルスプライン336a、346aは、スプリング3
27によって、互いにカムスリーブ303のヘリカルス
プライン303aの一方の歯面と他方の歯面とに向けて
付勢される。また、2個の弧形歯車337、347のヘ
リカルスプライン337b、347bと、2本の歯車部
分336、346のヘリカルスプライン336b、34
6bは、スプリング327によって、互いにプーリスリ
ーブ305のヘリカルスプライン305aの一方の歯面
と他方の歯面とに向けて付勢される。
【0049】このため、プーリスリーブ305の矢印R
方向への回転は、ヘリカルスプライン305aとヘリカ
ルスプライン336b、346bとの当接により2本の
歯車部分336、346に伝達され、さらにヘリカルス
プライン336a、336aとヘリカルスプライン30
3aとの当接によりカムスリーブ303に伝達される。
このとき2本の歯車部分336、346には、ヘリカル
スプラインの捩じれ方向に応じて矢印P方向への推進力
が生じる。
【0050】一方、2個の弧形歯車337、347はス
プリング327によって図11に図示されるように矢印
P方向にL3だけずれており、図11(a)に図示され
るようにヘリカルスプライン305aとヘリカルスプラ
イン303aとに対して当接している。このため、プー
リスリーブ305の矢印R方向への回転は2個の弧形歯
車337、347には伝達されず、専ら2本の歯車部分
336、346を介してプーリ302の回転がカムシャ
フト301に伝達される。
【0051】このような実施例によると、スプリング3
27の付勢方向を矢印P方向に一致させているため、ヘ
リカルスプラインの捩じれにより発生する推進力に抗し
てスプリングが2個の弧形歯車337、347を付勢す
る必要がない。このため、スプリングの付勢力を小さく
することができる。
【0052】また、2個の弧形歯車337、347のス
プライン歯面にかかる歯面圧力も小さくなるため、2個
の弧形歯車337、347を歯面の摺動が滑らかな樹脂
材料製とすることができ、歯車集合体308の軸方向へ
の移動を滑らかにすることができる。
【0053】次に、この第3実施例の作動を説明する。
制御装置356からの指令により制御弁321が図8図
示の状態にあるとき、ポンプ322からの作動油は通路
311、孔302bを通してシリンダ室319に導入さ
れる。一方、シリンダ室320内の作動油は、孔304
a、通路312を通してタンク323に戻される。この
ため、歯車集合体308は図8の右側へ向けて移動し、
バルブタイミングが変化する。
【0054】また、制御装置356からの指令により制
御弁321が図8図示の状態から切り換えられると、ポ
ンプ322からの作動油は通路312、孔304aを通
してシリンダ室320に導入される。一方、シリンダ室
319内の作動油は、孔302b、通路311を通して
タンク323に戻される。このため、歯車集合体308
は図8の左側へ向けて移動し、バルブタイミングが変化
する。
【0055】このような作動中も、2個の弧形歯車33
7、347はスプリング327により図中矢印P方向に
付勢され、スプライン同志の噛み合いのバックラッシュ
を減少させて、エンジンの回転変動などに伴う歯打ち音
の発生を低減する。
【0056】以上に述べた第3実施例によると、スプリ
ング327が弧形歯車337、347の中に収容される
ため、全体の体格を小型化できる。特に、軸方向の全長
を短くすることができ、エンジンのカムシャフトの端部
に取り付けた場合の突出量を少なくできる。
【0057】また、スナップリング326によって、図
9図示の仮組状態への組付けを可能としたため、第1実
施例のようにピンを使用する場合と比べて構成を簡単に
できる。
【0058】また、上記実施例では、2個の弧形歯車3
37、347を設けるにあたり、歯車集合体308の円
周上に180°間隔で2個の弧形歯車337、347を
配置した。このため、スプリング327を歯車集合体3
08の円周上にバランスよく配置し、スプラインの噛み
合いのこじりを低減することができる。
【0059】なお、上記実施例の構成に代えて、n個の
独立弧形歯車を配置する場合、各独立弧形歯車は、36
0°/n毎の間隔をもって配置されることが望ましく、
例えば3個の独立弧形歯車を配置する場合には120°
間隔とすることが望ましい。
【0060】また、上記実施例では、2個の弧形歯車3
37、347が、約90°の範囲に渡って形成されるも
のを説明したが、弧形歯車337、347の形成範囲
を、約30°とし、歯車部分336、346の形成範囲
を約150°としてもよい。
【0061】また、この実施例では歯車集合体308の
内歯の総歯数と外歯の総歯数とを公約数n(nは2以
上)を有する歯数としている。このため、歯車集合体3
08上の内歯と外歯との位置関係が、360°/n毎に
同じになる。このため、n個の独立した弧形歯車を36
0°/n毎の間隔をもって配置する場合に、各弧形歯車
に形成されるヘリカルスプラインの形状を同一とするこ
とができる。
【0062】この実施例では、歯車集合体308の内側
に28歯分、外側に40歯分のヘリカルスプラインが形
成され、n(=2)が内歯と外歯との公約数である。こ
のため、180°毎に配置される2個の弧形歯車33
7、347の歯形状を同一とすることができる。このた
め、ヘリカルスプラインの形成工程、2個の弧形歯車3
37、347の組付け工程が容易になる。
【0063】なお、この実施例では4個の弧形歯車を9
0°毎に配置する場合でも、4個の独立した弧形歯車の
形状を同一のものとすることができる。また、2nが公
約数の1つであるとき、1つの円筒歯車を等n分割する
ことによってできる孤形歯車がすべて336及び346
と円形状となるので、孤形歯車の製作もより容易に可能
となる。
【0064】また、ヘリカルスプラインが内外周に形成
されたひとつの円筒歯車を分割して2本の歯車部分33
6、346と、2個の弧形歯車337、347とを製作
することも可能である。
【0065】なお、制御弁321は、図8図示のような
2位置切り換え弁に限らず、さらに両通路を遮断する遮
断位置を有する3位置切り換え弁としてもよい。次に、
本発明を適用した第4実施例を説明する。
【0066】この第4実施例では、第3実施例の各部に
形成されたヘリカルスプラインの捩じれ方向を逆方向と
し、さらにスプリングの付勢方向も逆方向としたもので
ある。以下、第4実施例の歯車集合体の構成を図12、
図13により説明する。なお、他の構成は、ヘリカルス
プラインの捩じれ方向を除いて第3実施例と同じであ
る。図12は歯車集合体408を図8右側から見た平面
図、図13は図12のE−E断面図である。
【0067】歯車集合体408は、全体としてL型の断
面を有し、径方向に広がるピストン部409と、軸方向
に延びる歯車部410とを形成している。歯車集合体4
08のピストン部409は制御用部材406により構成
され、外周に油密用シールリング418を備える。歯車
集合体408の歯車部410は、円筒を4分割した4つ
の弧形部分からなる。歯車部410は、ピストン部40
9を構成する制御用部材406から延びる2本の歯車部
分436、446と、2個の弧形歯車437、447と
からなる。2本の歯車部分436、446の内周には、
ヘリカルスプライン403aと噛み合うヘリカルスプラ
イン436a、446aが形成され、外周にはヘリカル
スプライン405aと噛み合うヘリカルスプライン43
6b、446bが形成される。2本の歯車部分436、
446と、2個の弧形歯車437、447とは、全体と
して見かけ上一つの円筒状歯車を構成している。
【0068】2個の弧形歯車437、447は摺動性に
優れた樹脂材料により形成される。2個の弧形歯車43
7、447には、第3実施例と同様にそれぞれ3個の穴
が形成され、これら穴の中にスプリングが圧縮されて収
容されている。図13には、穴447cと、その中に収
容されたスプリング427とが図示されている。
【0069】2本の歯車部分436、446の端部に
は、図13に図示されるように径方向に開いた溝436
c、446cが形成され、ここにスナップリング426
が装着されている。さらにスナップリング426とスプ
リング427との間には、ワッシャ428が介装されて
いる。このため、スプリング427の一端がスナップリ
ング426により固定され、2個の弧形歯車437、4
47が、制御用部材406に当接することで図13の状
態に組み立てられる。この状態では、2本の歯車部分4
36、446の内外に形成されたヘリカルスプライン
と、2個の弧形歯車437、447の内外に形成された
ヘリカルスプラインとの歯筋は、互いにずれている。
【0070】この実施例では、ヘリカルスプラインの捩
じり方向を第3実施例の逆としたため、プーリの回転に
伴って、制御用部材406には図13の矢印P方向への
推進力が発生する。一方、2個の弧形歯車437、44
7はスプリング427によって矢印P方向へ付勢されて
いるため、上記第3実施例と同様の効果が得られる。
【0071】
【発明の効果】本発明のバルブタイミング調整装置にお
いては、中心歯車と外周歯車との間に軸方向に挿入され
る円筒形の歯車集合体が、円周方向に対して分離された
制御用部材と弧形歯車とで構成されるため、円筒形の歯
車集合体の軸方向長さを延長することなく、歯車集合体
の内側、外側に位置する歯車との歯打ち音を低減するこ
とができる。
【0072】このため、バルブタイミング調整装置全体
の体格を小型とすることが可能となり、内燃機関への搭
載性がよいバルブタイミング調整装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのバルブタイミング
調整装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の実施例の要部を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線による縦断面図である。
【図4】図2及び図3に示す第1実施例の要部の分解斜
視図である。
【図5】本発明の第1実施例の制御システムを説明する
ブロック図である。
【図6】本発明の第2実施例の要部を示す平面図であ
る。
【図7】図6のB−B線による縦断面図である。
【図8】本発明の第3実施例としてのバルブタイミング
調整装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図9】図8の実施例の要部を示す平面図である。
【図10】図9のC−C線による縦断面図である。
【図11】ヘリカルスプラインの噛み合い状態を模式的
に図示した模式図である。
【図12】本発明の第4実施例の要部を示す平面図であ
る。
【図13】図12のE−E線による縦断面図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト 2 スプロケット 3 カムシャフトスリーブ 3a 外歯ヘリカルスプライン 5 スプロケットスリーブ 5a 内歯ヘリカルスプライン 6 制御用部材 36,46 歯車部分 6a 内歯ヘリカルスプライン 6b 外歯ヘリカルスプライン 6c 底部 6d 軸方向の孔 206e 円周方向の溝 6r 切欠き 7 弧形歯車 7a 内歯ヘリカルスプライン 7b 外歯ヘリカルスプライン 7c 基部 7d 軸方向の小孔 207e 円周方向の溝 8 円筒形の歯車集合体 9 ボールねじのシャフト部 10 ボールねじのナット部 10a ボール 11 ボールベアリング 12 ウオームホイール 13 ボールベアリング 14 バルブタイミング調整装置のハウジング 15 内燃機関のシリンダヘッド 17 電動モータ 18 ウオーム 19 ピン 20 カップリング 21 半径方向の突起 22 軸方向の溝 26 ピン 27 コイルスプリング 28 リング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフト又はカムシ
    ャフトの一方に連結されて回転し、外周に外歯が形成さ
    れた中心歯車と、 前記クランクシャフト又は前記カムシャフトの他方に連
    結されて回転すると共に、前記中心部材と同軸上におい
    てそれに被さるように支持され、内周に内歯が形成され
    た外周歯車と、 前記中心歯車と前記外周歯車との間の環状空間に軸方向
    に移動可能に挿入され、前記中心歯車の外歯と前記外周
    歯車の内歯とに係合して回転を伝達するとともに、軸方
    向への移動により前記中心歯車と前記外周歯車とを相対
    的に回転させて、前記クランクシャフトと前記カムシャ
    フトとの間の回転位相を変更させる円筒形の歯車集合体
    とを備える内燃機関のバルブタイミング調整装置におい
    て、 前記歯車集合体は、 前記中心歯車と前記外周歯車との間の環状空間のうちの
    第1の角度範囲に設けられ、前記中心歯車の外歯と前記
    外周歯車の内歯とに係合する歯を内外面に備えている制
    御用部材と、 前記中心歯車と前記外周歯車との間の環状空間のうちの
    前記第1の角度範囲を除く第2の角度範囲に設けられ、
    前記中心歯車の外歯と前記外周歯車の内歯とに係合する
    歯を内外面に備えている弧形歯車と、 前記弧形歯車と前記制御用部材とを軸方向の逆方向に付
    勢する弾性部材とを備えることを特徴とする内燃機関の
    バルブタイミング調整装置。
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