JPH0886207A - 内燃機関のバルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調整装置

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JPH0886207A
JPH0886207A JP22191794A JP22191794A JPH0886207A JP H0886207 A JPH0886207 A JP H0886207A JP 22191794 A JP22191794 A JP 22191794A JP 22191794 A JP22191794 A JP 22191794A JP H0886207 A JPH0886207 A JP H0886207A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストを低減するとともに耐久性および
信頼性を向上させた内燃機関のバルブタイミング調整装
置を提供する。 【構成】 内外周にヘリカルスプラインを有し円筒歯車
を切断して製造される弧形歯車10、14を円筒状に組
付けた制御用部材が軸方向に移動することにより、カム
軸側部材とクランク軸側部材とが相対回動する。弧形歯
車10、14の外歯ヘリカルスプライン142と101
との間および内歯ヘリカルスプライン104と143と
の間に欠歯を設けることにより、切断部105、145
によってスプラインが分割されることを防止する。これ
により、切断時に歯面上にバリが発生しないためバリ取
り作業が容易になる。また、歯幅の短いスプラインが生
じないので特定スプラインへのトルクの集中が防止さ
れ、弧形歯車の耐久性および信頼性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸排気弁の
開閉タイミングを運転条件に応じて変更するためのバル
ブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のバルブタイミング調整装置と
して、内外周の少なくとも一方にヘリカルスプラインを
有する複数の弧形歯車とピストンとから構成される制御
用部材を油圧力もしくはバネ力によって軸方向に移動さ
せることによって、クランク軸側部材とカム軸側部材と
を相対回動させるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】クランク軸側部材とカ
ム軸側部材との間に噛合される上記の弧形歯車は、見か
け上ひとつの円筒状歯車を形成するようにピストンに組
付けられ、クランク軸側部材とカム軸側部材との間に噛
合される。弧形歯車に設けられたスプリングの弾性力が
隣り合う弧形歯車をカム軸の軸方向で互いに反対方向に
付勢していることにより、各々の弧形歯車によってカム
シャフトの正、負の変動トルクを吸収する。これによ
り、弧形歯車の外周のスプラインとクランク軸側部材の
スプラインとの間および弧形歯車の内周のスプラインと
カム軸側部材のスプラインとの間のバックラッシュをな
くして歯打ち音の発生を抑制している。
【0004】スプリングの弾性力は、スプライン噛合時
の弧形歯車の軸方向変位量のばらつきおよび各弧形歯車
の製造上のばらつきを考慮して決定される。このため、
ひとつの円筒歯車をその直径と筒軸とを通る面で分割
し、分割された複数の弧形歯車を再びピストンに組付け
ることによって、各弧形歯車の軸方向変位量の不均一を
小さくし、これにより弾性力のばらつきを小さくして装
置の性能を安定させることが好ましい。
【0005】この円筒歯車の分割によって、一本のスプ
ラインが二つに分割される場合がある。例えば図8
(A)に示すように、円筒歯車を分割した部分を円筒歯
車の外周方向から見ると、切断部545、505によっ
て弧形歯車50、54の外歯ヘリカルスプラインが外歯
ヘリカルスプライン541と501および542と50
2とに分割されている。また、図8(B)に示すよう
に、円筒歯車の内周方向から見ると、切断部505、5
45によって弧形歯車50、54の内歯ヘリカルスプラ
インが内歯ヘリカルスプライン503と543とに分割
されている。しかし、このようにスプラインが分割され
ると、切断部545、505の歯面上に切断加工による
バリが発生する。この歯面上のバリは、スプライン噛合
時に相手側スプラインとの歯面上の摩擦を増加させ、制
御用部材が軸方向に移動するときの作動応答性を悪化さ
せる恐れがある。また、歯面の摩擦の増加によりスプラ
イン歯面の摩耗が促進され、バックラッシュが増加して
弧形歯車間の軸方向変差が大きくなり、スプリングの弾
性力が不足して歯打ち音の抑制効果が減少する。したが
って、このバリを取り除く必要があり、バリ取り作業の
ためにコストが増大するという問題がある。
【0006】また、分割位置によっては歯幅の極端に短
いスプラインが形成される可能性がある。例えば、図8
に示す外歯ヘリカルスプライン501、542および内
歯ヘリカルスプライン543のような場合である。機関
作動時に弧形歯車によってトルク伝達を行うとき、この
歯幅の短いスプラインに荷重が集中して異常摩耗する場
合がある。さらに、制御用部材の偏心、回転変動などの
要因により、この歯幅の短いスプラインに伝達トルクの
分布が集中して歯の欠けや割れが発生する可能性があ
る。この欠けや割れによる歯の破片は、機関や装置内の
嵌合部や摺動部に入り込むことにより作動負荷の増加を
招き、さらには機関や装置の作動停止を引き起こす恐れ
もある。
【0007】本発明は、筒状歯車を分割して弧形歯車を
製造するとき、分割時に発生するバリを除去する作業を
容易にして加工工数を低減するとともに、弧形歯車の耐
久性および信頼性を向上させた内燃機関のバルブタイミ
ング調整装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の内燃機関のバルブタイミ
ング調整装置は、内燃機関の吸気バルブまたは排気バル
ブの少なくとも一方のバルブを駆動するためのカム軸
と、前記カム軸に固定されて前記カム軸と一体に回転す
る回転伝達部材とからなるカム軸側部材と、内燃機関の
クランク軸と同期して回転するクランク軸側部材と、前
記カム軸側部材と前記クランク軸側部材との間に噛合
し、内外周に設けられる歯のうち少なくともいずれか一
方がはす歯であり、軸方向に移動することにより前記ク
ランク軸側部材と前記カム軸側部材とを相対回動させる
制御用部材と、を有する内燃機関のバルブタイミング調
整装置であって、前記制御用部材は複数の弧形断面の歯
車を組合わせてなる筒状の集積歯車を有し、前記弧形断
面の歯車はその内周または外周にはす歯を有し、この周
方向端部のはす歯は軸方向一端から軸方向他端まで斜め
に連続して設けられていることを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項2記載の内燃機関の
バルブタイミング調整装置の製造方法は、請求項1記載
のバルブタイミング調整装置の製造方法であって、前記
制御用部材の製造方法は、内外周の少なくとも一方には
す歯を有する円筒歯車を形成する工程と、この円筒歯車
を直径と筒軸とを通る面で切断し、そのときの切断面が
前記はす歯を横切らないように前記円筒歯車を切断する
工程と、切断して得られた複数の前記弧形断面の歯車を
組合せて筒状の集積歯車にする工程とを含むことを特徴
とする。
【0010】また、本発明の請求項3記載の内燃機関の
バルブタイミング調整装置の製造方法は、請求項2記載
のバルブタイミング調整装置の製造方法であって、前記
円筒歯車の一部に欠歯を設けることにより、前記切断面
が前記はす歯を横切らないように前記円筒歯車を切断す
ることを特徴とする。また、本発明の請求項4記載の内
燃機関のバルブタイミング調整装置の製造方法は、請求
項2記載のバルブタイミング調整装置の製造方法であっ
て、前記円筒歯車のピッチを大きくすることにより、前
記切断面が前記はす歯を横切らないように前記円筒歯車
を切断することを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の内燃機関のバルブタ
イミング調整装置によると、筒状歯車の分割によって弧
形歯車を製造するときに、分割部分のはす歯を欠歯とす
るかあるいははす歯のピッチを大きくすることにより、
切断部によってはす歯が分割されないようにする。これ
により、分割時に歯面上にバリが発生することがなく、
バリ取り作業が容易になり加工コストが低減される。
【0012】また、分割された歯幅の短いスプラインが
生じないため、短いスプラインに荷重が集中して摩耗も
しくは割れを起こすことがなく、弧形歯車の耐久性およ
び信頼性が向上するという効果がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による内燃機関のバ
ルブタイミング調整装置を図1〜図6に示す。
【0014】図2に示すように、カムシャフト1と一体
に回転するようにボルト2およびピン3により円筒状の
カムシャフトスリーブ4がカムシャフト1の一方の端部
に固定されている。このカムシャフトスリーブ4の外周
壁の一部には、外歯ヘリカルスプライン4aが形成され
ている。スプロケットスリーブ7は、小径部7dおよび
大径部7eとを有する外筒と、大径部7eの反小径部側
から径方向外側に延びる円環状のフランジ部7cと、内
筒7bと、小径部7dの反大径部側から径方向内側に延
び外筒と内筒7bとをつなぐ円環部7fとが一体に形成
されている。小径部7dの内周壁の一部には、内歯ヘリ
カルスプライン7aが形成されている。この内歯ヘリカ
ルスプライン7aは、カムシャフトスリーブ4の外歯ヘ
リカルスプライン4aとは逆方向のねじれ角を有するよ
うに形成されている。なお、外歯ヘリカルスプライン4
と内歯ヘリカルスプライン7aのいずれか一方は、ねじ
れ角をゼロとして、軸方向に平行な直線状のスプライン
としても良い。
【0015】フランジ部材8は、カムシャフト1の径方
向に延びる円環部8aとカムシャフト1の軸方向にカム
シャフト1の後端側に向かって延びる円筒部8bとから
形成されている。図示しないクランクシャフトからの回
転トルクは、図示しないタイミングベルトによってタイ
ミングプーリ5に伝達される。タイミングプーリ5に
は、フランジ部材8の円環部8aとスプロケットスリー
ブ7のフランジ部7cとがボルト6によって組付られて
いる。クランク軸側部材の一方の端部においてスプロケ
ットスリーブ7の内筒部7bの外側面7gはカムシャフ
トスリーブ4の内側面4bに支持され、またクランク軸
側部材の他方の端部においてタイミングプーリ5がカム
シャフトフランジ部材8の円筒部8bの内側面8cはカ
ムシャフト1の外側面1cに支持されていることによ
り、タイミングプーリ5がカムシャフト1に相対回動自
在に支持されている。
【0016】カムシャフトスリーブ4とスプロケットス
リーブ7との間に、タイミングプーリ5とカムシャフト
1とを相対回動させる制御用部材9が設けられている。
図3に示す制御用部材9のピストン部13に二つの弧形
歯車10および二つの弧形歯車14を互い違いに組付け
ることにより、集積歯車として見かけ上ひとつの円筒状
歯車を形成する。弧形歯車10、14の上端部には弧形
の溝10e、14eにより円環状の溝が形成されてお
り、この円環状の溝にリテーナリング12が納められて
いる。
【0017】弧形歯車10、14は、ひとつの円筒歯車
を円周上で4つに分割して製造される。図1(A)に示
すように、切断部145、105の両側の隣り合う外歯
ヘリカルスプライン142と101との間に欠歯を設け
ることにより、つまり外歯ヘリカルスプライン141と
142との間および101と102との間に比べて外歯
ヘリカルスプライン142と101との間を広くするこ
とにより、切断部145、105によってスプラインが
分割されないようにしている。同様に、図1(B)に示
すように、切断部105、145の両側の隣り合う内歯
ヘリカルスプライン104と143との間に欠歯を設け
ることにより、つまり内歯ヘリカルスプライン103と
104との間および143と144との間に比べて内歯
ヘリカルスプライン104と143との間を広くするこ
とにより、切断部105、145によってスプラインが
分割されないようにしている。
【0018】外歯ヘリカルスプライン142と101と
の間に1本の欠歯を設けることにより、切断部105、
145において、図1(A)に示す弧形歯車14の最も
右側の外歯ヘリカルスプライン142は上端145aか
ら始まり、図1(A)に示す弧形歯車10の最も左側の
外歯ヘリカルスプライン101は下端105bで終わる
ように、外歯ヘリカルスプライン142と101との間
隔が設定されている。同様に、内歯ヘリカルスプライン
104と143との間に1本の欠歯を設けることによ
り、図1(B)に示す弧形歯車10の最も右側の内歯ヘ
リカルスプライン104は上端105aから始まり、図
1(B)に示す弧形歯車14の最も左側の内歯ヘリカル
スプライン143は切断部145の下端145bで終わ
るように、内歯ヘリカルスプライン104と143との
間隔が設定されている。
【0019】この弧形歯車10、14は、図4、5に示
すように、リテーナリング12を通して貫通孔10d、
14dに挿入したピン11によって、互い違いにピスト
ン部13に組付けられている。ピン11はピストン部1
3に圧入固定されており、組付け時の誤差を吸収するた
め、弧形歯車10、14との間に軸方向および回転方向
に若干のクリアランスが設けられている。弧形歯車1
0、14の内周壁にはそれぞれ内歯ヘリカルスプライン
10a、14aが形成され、外周壁には外歯ヘリカルス
プライン10b、14bが形成されている。
【0020】弧形歯車14の貫通孔14dの回転方向の
両側には二つのスプリングホルダ14cが形成され、リ
テーナリング12の下のスプリングホルダ14cの中に
はスプリング15が納められている。弧形歯車14の軸
方向の移動は、スプリング15の圧縮範囲で可能であ
る。リテーナリング12に一端を支持されるスプリング
15の弾性力によって、ピストン13と接近する方向に
弧形歯車14は押し付けられている。
【0021】弧形歯車10、14の内歯ヘリカルスプラ
イン10a、14aがカムシャフトスリーブ4の外歯ヘ
リカルスプライン4aと嵌合し、外歯ヘリカルスプライ
ン10b、14bがスプロケットスリーブ7の内歯ヘリ
カルスプライン7aと嵌合する。このとき、弧形歯車1
4は弧形歯車10に対してバックラッシュを吸収する分
だけカムシャフト1の軸方向および径方向に微少距離変
位して嵌合する。つまり、弧形歯車10と弧形歯車14
とは、カムシャフト1の軸方向に対して互いに反対方向
にスプリング15の弾性力を受けている。この弾性力に
より、弧形歯車10によってタイミングプーリ5に対し
てカムシャフト1を遅角方向に、また弧形歯車14によ
ってタイミングプーリ5に対してカムシャフト1を進角
方向に相対回転させるトルクを与える。したがって、カ
ムシャフトの正、負の変動トルクを各々の弧形歯車によ
って吸収することが可能となり、バックラッシュ間での
歯打ち音が抑制される。
【0022】このようなスプライン同士の噛み合いによ
り、タイミングプーリ5の回転は、スプロケットスリー
ブ7、制御用部材9、カムシャフトスリーブ4を経てカ
ムシャフト1に伝達される。カムシャフトスリーブ4と
スプロケットスリーブ7との間には、ピストン13の溝
13bに嵌合されるピストンリング18とピストン13
の摺動部13aとによって仕切られた進角側油圧室19
および遅角側油圧室20が形成されている。進角側油圧
室19および遅角側油圧室20は、ボルト23のOリン
グ24とフランジ部材8のOリング25によって液封さ
れ、フランジ部材8の円筒部8bによって略液封されて
いる。オイルシール26によって、円筒部8bから漏れ
た作動油の装置外部への漏れを防いでいる。
【0023】制御装置16の制御信号で制御弁17を切
替制御することにより、進角側油圧室19および遅角側
油圧室20に通じる油路への制御油の流れが制御され
る。具体的には、進角側油圧室19に通じるカムシャフ
トスリーブ4に構成された油路4c、ボルト2に構成さ
れた油路2aおよびカムシャフト1に構成された油路1
aを、オイルポンプ21、ドレン22と導通または遮断
することにより、進角側油圧室19内の油圧を制御す
る。また、遅角側油圧室20に通じるカムシャフトスリ
ーブ4に構成された油路4dおよびカムシャフトに構成
された油路1bをオイルポンプ21、ドレン22と導通
または遮断することにより、遅角側油圧室20内の油圧
を制御する。進角側油圧室19と遅角側油圧室20との
油圧のバランスにより、制御用部材9を軸方向に移動も
しくは停止する。
【0024】進角側油圧室19に比べて遅角側油圧室2
0の油圧を高くすると、制御用部材9は図2に示す矢印
P方向に移動する。このとき、ヘリカルスプラインのね
じれ作用により、図6に示すようにスプロケットスリー
ブ7の内歯ヘリカルスプライン7aには回転方向の力が
作用し、カムシャフトスリーブ4の外歯ヘリカルスプラ
イン4aには回転方向と逆向き(正トルク)の力が作用
する。したがって、タイミングプーリ5の回転位相に対
してカムシャフト1の回転位相が遅れる方向(遅角方
向)へと、タイミングプーリ5とカムシャフト1とが相
対回動する。
【0025】一方、遅角側油圧室20に比べて進角側油
圧室19の油圧を高くすると、制御用部材9は図2に示
す矢印Q方向に移動する。このとき、図6に示すよう
に、スプロケットスリーブ7の内歯ヘリカルスプライン
7aには回転方向と逆向きの力が作用し、カムシャフト
スリーブ4の外歯ヘリカルスプライン4aには回転方向
(負トルク)の力が作用する。したがって、タイミング
プーリ5の回転位相に対してカムシャフト1の回転位相
が進む方向(進角方向)へと、タイミングプーリ5とカ
ムシャフト1とが相対回動する。
【0026】本発明の第1実施例によると、外歯ヘリカ
ルスプライン142と101との間に欠歯を設けて外歯
ヘリカルスプライン141と142および101と10
2との間に比べて外歯ヘリカルスプライン142と10
1との間を広くすることにより、また内歯ヘリカルスプ
ライン104と143との間に欠歯を設けて内歯ヘリカ
ルスプライン103と104および143と144との
間に比べて内歯ヘリカルスプライン104と143との
間を広くすることにより、切断部105、145によっ
てスプラインが分割されないようにしている。このた
め、歯面上にバリが発生しないのでバリ取り作業が不要
となり、加工工数が低減されるという効果がある。
【0027】また、スプラインが分割されないため歯幅
の短いスプラインが生じることがなく、伝達トルク分布
の集中による異常摩耗および歯の欠けや割れが防止され
るので、弧形歯車の耐久性および信頼性が向上する。
(第2実施例)本発明の第2実施例を図7に示す。この
第2実施例は、弧形歯車を製造する際、切断部によって
スプラインが分割されないようにする方法の他の例であ
る。
【0028】弧形歯車30、34は、ひとつの円筒歯車
を円周上で4つに分割して製造される。各外歯ヘリカル
スプライン341、342、301、302および内歯
ヘリカルスプライン303、304、343、344は
互いに等間隔に形成されている。各スプラインの間隔
は、強度上問題のない範囲でスプラインの歯数を少なく
して広げられているので、切断部305、345によっ
てスプラインが分割されることを防止している。
【0029】さらに、切断部305、345において、
図7(A)に示す弧形歯車34の最も右側の外歯ヘリカ
ルスプライン342は上端345aから始まり、図6
(A)に示す弧形歯車30の最も左側の外歯ヘリカルス
プライン301は下端305bで終わるように、外歯ヘ
リカルスプラインのピッチが設定されている。同様に、
図7(B)に示す弧形歯車30の最も右側の内歯ヘリカ
ルスプライン304は上端305aから始まり、図7
(B)に示す弧形歯車34の最も左側の内歯ヘリカルス
プライン343は切断部345の下端345bで終わる
ように、内歯ヘリカルスプラインのピッチが設定されて
いる。
【0030】本発明の第2実施例によると、切断部によ
って分割されたスプラインが生じないため第1実施例と
同様に歯面上のバリ取り作業が不要となり、加工工数が
低減される。また、歯幅の短いスプラインが生じること
がなく伝達トルク分布の集中による異常摩耗および歯の
欠けや割れが防止されるため、弧形歯車の耐久性および
信頼性が向上する。
【0031】なお、第1および第2実施例の方法のほか
に、スプラインの傾き角度を調節することにより、切断
部によってスプラインが分割されないようにすることも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において弧形歯車の製造方
法を示す説明図であり、(A)は第1実施例の弧形歯車
の外歯の切断部を示す模式図であり、(B)第1実施例
の弧形歯車の内歯の切断部を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施例による内燃機関のバルブタ
イミング調整装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例の制御用部材を示す平面図
である。
【図4】図3に示すIV−O−IV線断面図である。
【図5】図3に示すV−O−V線断面図である。
【図6】本発明の第1実施例による内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の作動を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施例において弧形歯車の製造方
法を示す説明図であり、(A)は第2実施例の弧形歯車
の外歯の切断部を示す模式図であり、(B)第2実施例
の弧形歯車の内歯の切断部を示す模式図である。
【図8】従来の弧形歯車の製造方法を示す説明図であ
り、(A)は従来の弧形歯車の外歯の切断部を示す模式
図であり、(B)従来の弧形歯車の内歯の切断部を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(カム軸) 4 カムシャフトスリーブ(回転伝達部材) 4a 外歯ヘリカルスプライン 5 タイミングプーリ(クランク軸側部材) 7 スプロケットスリーブ(クランク軸側部材) 7a 内歯ヘリカルスプライン 7b 内筒 7g 外側面 8 フランジ部材(クランク軸側部材) 8b 円筒部 9 制御用部材 10、14 弧形歯車(弧形断面の歯車) 10a、14a 内歯ヘリカルスプライン 10b、14b 外歯ヘリカルスプライン 11 ピン 12 リテーナリング 13 ピストン部 14c スプリングホルダ 15 スプリング 19 油圧室 20 油圧室 21 オイルポンプ 22 ドレン 30、34 弧形歯車(弧形断面の歯車) 105、145 切断部 101、102、141、142 内歯ヘリカルス
プライン 103 104 143 144 外歯ヘリカルス
プライン 305、345 切断部 301、302、341、342 内歯ヘリカルス
プライン 303、304、343、344 外歯ヘリカルス
プライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブ
    の少なくとも一方のバルブを駆動するためのカム軸と、
    前記カム軸に固定されて前記カム軸と一体に回転する回
    転伝達部材とからなるカム軸側部材と、 内燃機関のクランク軸と同期して回転するクランク軸側
    部材と、 前記カム軸側部材と前記クランク軸側部材との間に噛合
    し、内外周に設けられる歯のうち少なくともいずれか一
    方がはす歯であり、軸方向に移動することにより前記ク
    ランク軸側部材と前記カム軸側部材とを相対回動させる
    制御用部材と、 を有する内燃機関のバルブタイミング調整装置であっ
    て、 前記制御用部材は、複数の弧形断面の歯車を組合わせて
    なる筒状の集積歯車を有し、 前記弧形断面の歯車は、その内周または外周にはす歯を
    有し、この周方向端部のはす歯は、軸方向一端から軸方
    向他端まで斜めに連続して設けられていることを特徴と
    する内燃機関のバルブタイミング調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の前記制御用部材の製造方
    法であって、 内外周の少なくとも一方にはす歯を有する円筒歯車を形
    成する工程と、 この円筒歯車を直径と筒軸とを通る面で切断し、そのと
    きの切断面が前記はす歯を横切らないように前記円筒歯
    車を切断する工程と、 切断して得られた複数の前記弧形断面の歯車を組合せて
    筒状の集積歯車にする工程とを含むことを特徴とする内
    燃機関のバルブタイミング調整装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記円筒歯車の一部に欠歯を設けること
    により、前記切断面が前記はす歯を横切らないように前
    記円筒歯車を切断することを特徴とする請求項2記載の
    内燃機関のバルブタイミング調整装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記円筒歯車のピッチを大きくすること
    により、前記切断面が前記はす歯を横切らないように前
    記円筒歯車を切断することを特徴とする請求項2記載の
    内燃機関のバルブタイミング調整装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110936163A (zh) * 2019-10-10 2020-03-31 沈阳炳恒科技有限公司 一种数控床加工齿轮的开坯方法
CN111376004A (zh) * 2020-04-29 2020-07-07 南通奥里斯特机械有限公司 一种耐磨曲轴的制作工艺

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