JPH08170507A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH08170507A
JPH08170507A JP31201694A JP31201694A JPH08170507A JP H08170507 A JPH08170507 A JP H08170507A JP 31201694 A JP31201694 A JP 31201694A JP 31201694 A JP31201694 A JP 31201694A JP H08170507 A JPH08170507 A JP H08170507A
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pulley
oil
end surface
camshaft
cylinder head
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JP31201694A
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Takashi Deo
隆志 出尾
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関のバルブタイミング制御装置の小型
化を可能にする。 【構成】 バルブ駆動用カムシャフト4の外周に回転可
能にタイミングプーリ8を設け、同タイミングプーリ8
とカムシャフト4の間にヘリカルピストン9をスプライ
ン嵌合する。同ヘリカルピストン9の前後に形成した油
圧室に供給される油量を調節し、ヘリカルピストン9を
軸芯方向に移動させることにより、カムシャフト4の相
対回転位相を変化させる。以上の構成において、タイミ
ングプーリ8のシリンダヘッド側端面に、遅角制御用油
圧室20と連通する連通孔23を設ける。同連通孔23
をシリンダヘッド1a端面及びシリンダキャップ1b端
面に相対させるとともに、シリンダヘッド1a端面及び
シリンダキャップ1b端面に形成された油供給溝24と
連通させる。そして、同油供給溝24より前記遅角制御
用油圧室20に作動油を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関のバルブタ
イミング制御装置に関するものであり、詳しくは、同装
置の小型化及びその構造の簡略化に係るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内燃機関のバルブタイミング制
御装置における従来技術として、特開昭63−1318
08号公報に示される技術等がある。図3に従来技術の
バルブタイミング制御装置を示す。この従来技術では、
バルブをカム駆動するためのカムシャフト31がエンジ
ンのシリンダヘッド32a及びシリンダキャップ32b
によって回転自在に支承されている。同カムシャフト3
1の前端部にはヘリカルスプライン33aを有するタイ
ミングプーリ33が遊嵌されている。さらに、同カムシ
ャフト31の前端面には同じくヘリカルスプライン34
aを有するハウジング34がカムシャフト31に対して
一体的に設けられている。そして、前記ハウジング34
及びタイミングプーリ33間には、内外周にヘリカルス
プライン35a、35bが形成された筒状のリングギヤ
35が介装されている。同リングギヤ35に形成された
ヘリカルスプライン35a、35bはハウジング34及
びタイミングプーリ33に形成されたヘリカルスプライ
ン34a、33aとそれぞれスプライン嵌合されてい
る。
【0003】また、リングギヤ35の前後にはカムシャ
フト31の回転位相を変化させるための進角制御用油圧
室36及び遅角制御用油圧室37が設けられている。そ
して、前記進角及び遅角制御用油圧室36、37へ供給
される作動油の供給量を調節することにより、リングギ
ヤ35はカムシャフト31の軸芯前後方向に移動する。
その結果、カムシャフト31はタイミングプーリ33に
対して相対回動され、カムシャフト31の回転位相は変
化し、バルブ開閉時期の制御が可能となっている。
【0004】また、前記構成において、リングギヤ35
と、ハウジング34及びタイミングプーリ33の噛合部
分にはバックラッシが存在しており、同噛合部分にギヤ
ノイズが発生する。この問題を解消するため、バルブタ
イミング制御装置に粘性ダンパー44を設ける技術や、
あるいは、リングギヤ35をシザーズ化する技術が提案
されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3に示す
従来技術では、前記進角及び遅角制御用油圧室36、3
7に作動油を供給するための進角及び遅角制御用油路3
8、39がカムシャフト31内にそれぞれ形成されてい
る。したがって、カムシャフト31が大径化されるとと
もに、バルブタイミング制御装置を構成しているタイミ
ングプーリ33、リングギヤ35等も大型化され、その
結果、バルブタイミング制御装置全体が大型化してい
た。
【0006】また、べアリング40には前記進角及び遅
角制御用油路38、39に作動油を供給するための油供
給路41、42及び潤滑油供給路43が形成され、これ
らの油供給路41、42、43の一端はベアリング40
のスラスト面に開口されている。かかる構成において、
油供給路41、42、43の前記開口部が十分なシール
部を設けて配設されていなければ作動油の漏出量が多く
なり、制御性及び潤滑性が悪化することになる。すなわ
ち、従来技術では必然的にカムジャーナル31aの幅が
長くなるとともに、シリンダヘッド32の全長が増加し
ていた。
【0007】さらに、ギヤノイズを防止するため、バル
ブタイミング制御装置に粘性ダンパー44を設けたり、
あるいはリングギヤ35をシザーズ化する場合にも、装
置全体が大型化し、その構造が複雑化するとともに、製
造コストの増大を招いていた。
【0008】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、内燃機関のバ
ルブタイミング制御装置を小型化し、その構造を簡略化
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、内燃機関のバルブ駆動用カムシ
ャフトと、前記カムシャフトに回動可能に設けられたプ
ーリと、前記プーリ及びカムシャフト間に介装されると
ともに、両者に対して内外周に設けたスプラインによっ
て噛合され、プーリとカムシャフトのうち少なくとも一
方とヘリカルスプライン嵌合されるリング状のピストン
とを備え、前記ピストンに作用する作動油の油圧を調節
することにより、ピストンをカムシャフト軸芯方向に移
動させ、プーリとカムシャフトの相対回転位相を可変と
した内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前
記プーリのシリンダヘッド側端面に、ピストンのシリン
ダヘッド側に設けられた油圧室と連通する連通孔を設
け、同連通孔をシリンダヘッド端面に相対させるととも
に、同シリンダヘッド端面に形成された油供給手段と連
通させたことをその要旨としている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載のバル
ブタイミング制御装置において、プレートを前記カムシ
ャフトに対して一体に設けるとともに、プーリに対して
は摺接させ、さらに、プレートとプーリ間にプーリをシ
リンダヘッド側に押圧する弾性体を介装したことをその
要旨としている。
【0011】
【作用】上記構成により、請求項1の発明では、ピスト
ンのシリンダヘッド側に設けられた油圧室に、シリンダ
ヘッド端面の油供給手段からプーリのシリンダヘッド側
の連通孔を通して作動油が供給される。
【0012】請求項2の発明では、前記プレートとプー
リとの間に介装された弾性体の付勢力によってプーリが
シリンダヘッド側に押圧される。さらに、前記プレート
及びプーリ間の摺動抵抗によってカムシャフトのトルク
変動が吸収される。
【0013】
【実施例】以下、この発明を具体化した第1実施例につ
いて、図1に従って説明する。内燃機関としてのエンジ
ンのシリンダヘッド1aの側壁上面には半円筒形状のベ
アリング下部2aが形成されている。また、シリンダキ
ャップ1bの側壁下面には半円筒形状のベアリング上部
2bが形成されている。シリンダヘッド1aの上部にシ
リンダキャップ1bが載置されると、前記ベアリング下
部2a及びベアリング上部2bによりベアリング2が形
成される。また、同ベアリング2の前部(図1の左側)
は拡径され、プーリ挿入穴3とされている。そして、前
後方向(図1の左右方向)に延びる吸気バルブ用のカム
シャフト4が、前記ベアリング2にカムジャーナル4b
が嵌挿されることにより、回動自在に支承されている。
【0014】シリンダキャップ1b内には潤滑油供給路
5aが形成されている。カムジャーナル4bのスラスト
面には潤滑用の油溝5bが全周にわたり形成されるとと
もに、カムジャーナル4bの内部には油逃し路5cが形
成されている。同油逃し路5cは一端がオイル通路6に
連通されるとともに、他端が前記油溝5bを介して前記
潤滑油供給路5aに連通されている。作動油はまた潤滑
油として同潤滑油供給路5a、油溝5bを通じて、前記
ベアリング2とカムジャーナル4bとの摺動部分に供給
された後、油逃がし路5cを通じてオイル通路6に排出
されるようになっている。
【0015】カムジャーナル4bの前後の周部にはベア
リング2の幅と等しい間隔をおいて、フランジ7a、7
bが設けられている。同フランジ7a、7bによってカ
ムシャフト4はシリンダヘッド1a及びシリンダキャッ
プ1bに対して軸芯方向の位置決めがされている。フラ
ンジ7aは前記プーリ挿入穴3の底部を覆うように延設
されるとともに、同フランジ7aの後端面はプーリ挿入
穴3の底面に対して摺接可能とされている。
【0016】カムシャフト4の外周には略筒状の形状を
有するプーリとしてのタイミングプーリ8が回動可能に
設けられている。同タイミングプーリ8の後端部は前端
部に対して縮径形成され、前記プーリ挿入穴3に対して
嵌入されている。同後端部端面は、前記フランジ7aの
前端面に回転摺動可能に当接されている。
【0017】タイミングプーリ8の後端部内周面にはヘ
リカルスプライン8aが形成されている。また、タイミ
ングプーリ8のヘリカルスプライン8aに対応して、カ
ムシャフト4の外周面にはヘリカルスプライン4aが形
成されている。
【0018】また、タイミングプーリ8の内周面及びカ
ムシャフト4の外周面によって囲まれる環状の空間に
は、ピストンとしてのヘリカルピストン9が介装されて
いる。同ヘリカルピストン9は前側にピストン部10が
設けられるとともに、その後側に内外周面にヘリカルス
プラインが形成されたギヤ部11が設けられている。そ
して、同ギヤ部11の内周に形成されたヘリカルスプラ
イン11aはカムシャフト4の外周に形成されたヘリカ
ルスプライン4aと、また、ギヤ部11の外周に形成さ
れたヘリカルスプライン11bはタイミングプーリ8の
内周に形成されたヘリカルスプライン8aとそれぞれス
プライン嵌合されている。
【0019】前記ピストン部10の内周面及び外周面
は、カムシャフト4の外周面及びタイミングプーリ8の
内周面とそれぞれ摺動可能に密接されている。また、前
記ピストン部10の外周面には周方向に延びるシール溝
12が全周にわたって形成されるとともに、同シール溝
12内にはシールリング13が収容されている。
【0020】カムシャフト4の前端面にはプレートとし
てのプラグプレート14がボルト18によって締付固定
されている。同プラグプレート14の中央部から後端に
かけてはタイミングプーリ8の前端開口部に対して嵌合
されている。そして、同プラグプレート14の嵌合部外
周面は前記タイミングプーリ8の内周面と摺動可能とな
っている。またプラグプレート14の嵌合部外周面に
は、周方向に延びる環状の周溝15が全周にわたって形
成されるとともに、同周溝15の内部にはシール部材と
してのXリング16が収容されている。さらに、プラグ
プレート14の前端部外周にフランジ14aが形成され
ている。
【0021】プラグプレート14の外周には弾性体とし
てのゴムリング17が遊嵌され、前記フランジ14aの
後端面と、同後端面に対向するタイミングプーリ8の前
端面との間に介装されている。そして、プラグプレート
14がカムシャフト4の前端面にボルト18により締付
固定されると同時に、前記ゴムリング17はフランジ1
4aの後端面とタイミングプーリ8の前端面との間に密
着挟持される。かかる際、ゴムリング17には弾性変形
が生じ、その弾性力によってタイミングプーリ8は、シ
リンダヘッド1a側に付勢される。その結果、タイミン
グプーリ8の後端面はカムジャーナル4bの前部に設け
られたフランジ7aの前端面に押圧される。
【0022】カムシャフト4の外周面、タイミングプー
リ8の内周面、及びプラグプレート14の後端面によっ
て囲まれた空間は環状空間となっている。同環状空間は
前記ヘリカルピストン9のピストン部10によって更に
2つの空間に区画され、ピストン部10の前部側には進
角制御用油圧室19が、後部側には遅角制御用油圧室2
0がそれぞれ形成されている。
【0023】また、シリンダヘッド1a内に進角制御用
の油供給路21aが設けられている。同油供給路21a
は一端が電磁切換弁、オイルポンプを介してオイルパン
(いずれも図示しない)に接続されており、他端がカム
ジャーナル4bのスラスト面に形成された油溝21bを
介してカムシャフト4の進角制御用油路21cと連通さ
れている。同進角制御用油路21cは略L字状に形成さ
れ、カムシャフト4の軸芯方向に延びる部分は前記オイ
ル通路6と同軸上に形成されている。さらに、進角制御
用油路21cはボルト18の連通孔18aと連通されて
いる。そして、同連通孔18aはボルト18に対して略
T字状に穿設され、カムシャフト4前端部の径方向に形
成された貫通孔22を介して進角制御用油圧室19と連
通されている。
【0024】前記遅角制御用油圧室20はタイミングプ
ーリ8の後端面に設けられた連通孔23及び前記フラン
ジ7aに形成された油供給孔24を通じて、前記プーリ
挿入穴3の底面に設けられた油供給溝25と連通されて
いる。油供給溝25は本発明の油供給手段を構成してい
る。また、同油供給溝25はシリンダキャップ1b内に
設けられた図示しない遅角制御用の油供給路に連通さ
れ、電磁切換弁、オイルポンプを介してオイルパン(い
ずれも図示しない)に接続されている。
【0025】前記オイルポンプはエンジンのクランクシ
ャフト(いずれも図示しない)に駆動連結されており、
エンジンの作動に連動して図示しないオイルパン内の作
動油が汲み上げられる。そして、作動油は図示しない電
磁切換弁にて選択された進角制御用の油供給路21aあ
るいは図示しない遅角制御用の油供給路を介して、前記
進角制御用油圧室19または遅角制御用油圧室20のい
ずれかに供給されるようになっている。
【0026】タイミングプーリ8は、その外周面にタイ
ミングベルト26が掛装されており、図示しないクラン
クシャフトからの回転駆動力が同タイミングベルト26
を介してタイミングプーリ8に伝達される。回転駆動力
はタイミングプーリ8からヘリカルピストン9を介し、
カムシャフト4まで伝達される。そして、カムシャフト
4が回転駆動されることにより、バルブの開閉駆動が行
われる。
【0027】バルブ開閉時期を制御しない場合において
は、前記進角及び遅角制御用油圧室19、20に作用す
る作動油の油圧は平衡しており、前記ヘリカルピストン
9は所定位置に停止している。
【0028】この状態から、バルブ開閉時期を早める場
合には、図示しないオイルパンからの作動油が進角制御
用油圧室19に供給される。かかる場合、同油圧室19
の油圧は増加し、ヘリカルピストン9は後方に押圧され
る。そして、ヘリカルピストン9は作動油の供給量に応
じた移動量だけカムシャフト4の軸芯方向後方に移動す
る。ヘリカルピストン9はタイミングプーリ8及びカム
シャフト4とスプライン嵌合されているため、上記ヘリ
カルピストン9の移動によりカムシャフト4はタイミン
グプーリ8に対して相対回動されカムシャフト4の回転
位相は早められる。したがって、吸気バルブの開閉時期
が早められる。
【0029】これに対して、バルブ開閉時期を遅らせる
場合には、図示しないオイルパンからの作動油が遅角制
御用油圧室20に供給される。かかる場合、同油圧室の
油圧は増加し、ヘリカルピストン9は前方に移動する。
そして、カムシャフト4はタイミングプーリ8に対して
上記の場合とは逆方向に相対回動され、吸気バルブの開
閉時期が遅らせられる。
【0030】また、本実施例では、上記の如く遅角制御
用油圧室20の油圧が増加した場合であっても、同ゴム
リング17の弾性力によってタイミングプーリ8の後端
面は前記フランジ7aの前端面に常時押圧された状態に
保持されている。前記弾性力はゴムリング17の弾性率
あるいは厚さを調節することにより、適宜変更すること
が可能である。
【0031】さらに、以上の油圧による制御を行う際、
進角及び遅角制御用油圧室19,20に供給された作動
油は、前記プラグプレート14の外周側面に備えられた
Xリング16により、外部に漏出されることが防止され
ている。また、前記ピストン部10外周側面に設けられ
たシールリング13によって、進角及び遅角制御用油圧
室19,20の作動油が漏出して制御性が低下すること
が防止されている。
【0032】上記構成を有する第1実施例の作用及び効
果について説明する。本実施例において遅角制御用油圧
室20の油圧を増加させる場合、作動油はタイミングプ
ーリ8及びフランジ7aに設けられた連通孔23及び油
供給孔24を通じて、シリンダヘッド1aのプーリ挿入
穴3の底面に設けられた油供給溝25から供給される構
造となっている。したがって、カムシャフト4内に遅角
制御用油圧室20へ作動油を供給するための油路をカム
シャフト4内に形成する必要がない。その結果、同カム
シャフト4内に形成される油路は前記オイル通路6と、
同オイル通路6と同軸上に配設された進角制御用油路2
1cのみである。したがって、本実施例においては進角
及び遅角制御用の油路がそれぞれカムシャフト4内に形
成されていた従来技術と異なり、カムシャフト4が小径
化されている。カムシャフト4が小径であれば、それに
伴ってタイミングプーリ8、ヘリカルピストン9、プラ
グプレート14等を小型化することができ、その結果、
バルブタイミング制御装置全体を小型化することが可能
となる。
【0033】また、本実施例においてはタイミングプー
リ8の後端面より遅角制御用油圧室20に作動油を供給
する構造としたため、従来、カムジャーナル4bのスラ
スト面に設けられていた遅角制御用の油路を廃止するこ
とができる。したがって、カムジャーナル幅4aを短く
することができるとともに、シリンダヘッド1aの全長
を短縮することが可能となる。また、カムシャフト4内
に遅角制御用の油供給路を形成する製造工程を削減する
ことができ、製造コストの低減化を図ることができる。
加えて、プラグプレート14の後端面とタイミングプー
リ8との前端面に介装されたゴムリング17に生じる弾
性力によって、前記タイミングプーリ8の後端面はフラ
ンジ7aの前端面に常時押圧されるようになっている。
したがって、遅角制御用油圧室20の油圧が変動する場
合であっても、作動油がタイミングプーリ8の後端面と
フランジ7aの前端面との摺接部分より漏出することは
ない。
【0034】つぎに、カムシャフト4の回転トルク変動
によって、ヘリカルピストン9と、タイミングプーリ8
及びカムシャフト4との噛合部分には、前述したように
ギヤノイズが発生する場合がある。本実施例ではタイミ
ングプーリ8と前記Xリング16及びゴムリング17と
の摺接面に発生する摺動抵抗により、タイミングプーリ
8とカムシャフト4とのバックラッシによる相対回動を
抑制し、ギヤノイズを低減することができる。その結
果、バルブタイミング制御装置において、粘性ダンパー
等のギヤノイズ低減機構を設ける必要がない。すなわ
ち、本実施例ではシール部材であるXリング16及びゴ
ムリング17とに、カムシャフト4のトルク変動を吸収
する機能を付加させることによって、部品点数を削減
し、装置全体を小型化することが可能である。
【0035】つぎに、図2に示す第2実施例について第
1実施例との相違点を中心に説明する。尚、第1図と同
一構成部材又は相当する構成部材については同一符号を
付して、その説明を省略する。前記プラグプレート14
に形成されたフランジ14aの後端面及びタイミングプ
ーリ8の前端面に捩りコイルバネ27が介装されてい
る。同捩りコイルバネ27は圧縮バネとしての機能の他
に捩りバネとしても作用するようになっている。そし
て、プラグプレート14がカムシャフト4の前端面にボ
ルト18によって締付固定されると同時に、捩りコイル
バネ27は前記段部の後端面及びタイミングプーリ8の
前端面の間に密着挟持される。捩りコイルバネ27は密
着挟持されることにより弾性力を発生し、同弾性力によ
ってタイミングプーリ8の後端面はカムシャフト4のフ
ランジ7a前端面に押圧される。したがって、タイミン
グプーリ8の後端面とカムシャフト4のフランジ7a前
端面との摺接部分は常時密接され、作動油が同部分より
漏出されることはない。
【0036】また、同捩りコイルバネ27の両端が密着
する前記フランジ14aの後端面、及びこれに対向する
タイミングプーリ8の前端面には、図示しない摩擦材が
溶射等の手段により取着されている。このため、プラグ
プレート14及びタイミングプーリ8と捩りコイルバネ
27との接触部分における摩擦力は増加している。プラ
グプレート14とタイミングプーリ8がカムシャフト4
のトルク変動によって相対回動する際、前記摩擦力によ
り捩りコイルバネ27と、プラグプレート14及びタイ
ミングプーリ8との間の相対的なすべり運動が抑制され
る。その結果、捩りコイルバネ27には捩れトルクが発
生する。同捩れトルクは、プラグプレート14の周側面
に設けられたXリング16の摺動抵抗とともに、バック
ラッシによって生じるタイミングプーリ8とカムシャフ
ト4との相対回動に対してこれを抑制するように作用す
る。その結果、カムシャフト4のトルクがバルブ開閉駆
動によって変動する場合においても、プラグプレート1
4及びタイミングプーリ8は一体に拘束され、バックラ
ッシは見かけ上無くなり、ギヤノイズを低減させること
ができる。
【0037】なお、捩りコイルバネ27が発生する捩れ
トルクは、前記摩擦力によって発生しているため、所定
値以上に増加することはない。また、タイミングプーリ
8内周面とXリング16との摺動抵抗も同様に、両者間
の最大静止摩擦力を越えることはない。したがって、捩
りコイルバネ27の捩れトルク及びXリング16の摺動
抵抗はバルブタイミング制御時において、その応答性に
悪影響を及ぼすものではない。
【0038】以上の第2実施例によれば、バルブタイミ
ング制御装置に粘性ダンパーなどのギヤノイズ低減機構
を付加する必要がなく、同装置を小型化することが可能
である。
【0039】なお、本発明は上記実施例以外にも以下の
ように変更し実施してもよい。 (1)上記実施例では、前記弾性体はゴムリング15及
び捩りコイルバネ27としたが、これをウェーブスプリ
ング、あるいは皿バネとしてもよい。 (2)上記実施例では、タイミングプーリ8がカムシャ
フト4のフランジ5aに摺接され、さらに、同フランジ
5aがシリンダヘッド1aに摺接された構造とした。こ
れを、タイミングプーリ8とシリンダヘッド1a間のカ
ムシャフト4のフランジ5aを省略して、同タイミング
プーリ8の後端面を直接プーリ挿入穴3の底面に摺接さ
せ、同底面の油供給溝25からタイミングプーリ8の後
端面の連通孔23を通じて、遅角制御用油圧室20に作
動油を供給する構造に変更してもよい。
【0040】以上、本発明の各実施例について説明した
が、各実施例から把握できる請求項以外の技術的思想に
ついて、以下にその効果と共に記載する。 (a)前記弾性体はカムシャフト軸芯方向の弾性を有す
るとともに、その軸芯方向に対して捩じり弾性を有する
ものとした請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミン
グ制御装置。この構成によれば、カムシャフト4のトル
クがバルブの開閉駆動によって変動する場合でも、タイ
ミングプーリ8とカムシャフト4は一体に拘束され、両
者の噛合部分から発生するギヤノイズを効果的に低減す
ることができる。
【0041】
【発明の効果】第1の発明によれば、カムシャフト内及
びカムジャーナルに設けられていたバルブタイミング制
御用の油路を減らすことができる。したがって、カムシ
ャフトの小径化が可能となり、ジャーナル幅及びシリン
ダヘッド全長を短縮することができる。その結果、バル
ブタイミング制御装置の小型化及びその構造の簡略化が
可能となる。
【0042】第2の発明によれば、タイミングプーリが
シリンダヘッド側に押圧され、タイミングプーリのシリ
ンダヘッド側端面と同端面に相対する部材との接触面圧
を高めることにより、油圧室の作動油が外部に漏出する
ことを防止できる。さらに、プラグプレートとタイミン
グプーリとの摺動抵抗によって両者の相対回動を抑制
し、ギヤノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるバルブタイミング制御装置
の断面図。
【図2】第2実施例におけるバルブタイミング制御装置
の断面図。
【図3】従来技術におけるバルブタイミング制御装置の
断面図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド、4…カムシャフト、8…タイミン
グプーリ(プーリ)、9…ヘリカルピストン(ピスト
ン)、14…プラグプレート(プレート)、17…ゴム
リング(弾性体)、19…進角制御用油圧室、20…遅
角制御用油圧室、23…連通孔、27…コイルバネ(弾
性体)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブ駆動用カムシャフト
    と、 前記カムシャフトに回動可能に設けられたプーリと、 前記プーリ及びカムシャフト間に介装されるとともに、
    両者に対して内外周に設けたスプラインによって噛合さ
    れ、プーリとカムシャフトのうち少なくとも一方とヘリ
    カルスプライン嵌合されるリング状のピストンとを備
    え、 前記ピストンに作用する作動油の油圧を調節することに
    より、ピストンをカムシャフトの軸芯方向に移動させ、
    プーリとカムシャフトの相対回転位相を可変とした内燃
    機関のバルブタイミング制御装置において、 前記プーリのシリンダヘッド側端面に、ピストンのシリ
    ンダヘッド側に設けられた油圧室と連通する連通孔を設
    け、 同連通孔をシリンダヘッド端面に相対させるとともに、
    同シリンダヘッド端面に形成された油供給手段と連通さ
    せた内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 プレートを前記カムシャフトに対して一
    体に設けるとともに、プーリに対しては摺接させ、さら
    に、プレートとプーリ間にプーリをシリンダヘッド側に
    押圧する弾性体を介装した請求項1に記載の内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
JP31201694A 1994-12-15 1994-12-15 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH08170507A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009257335A (ja) * 2009-08-03 2009-11-05 Nittan Valve Co Ltd 自動車用エンジンにおける位相可変装置

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