JPH05339133A - マツエキス含有外用養毛剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マツエキスを含有し、ヒトおよび動物に適用
して、発育毛促進効果に優れ、かつ安全性の高い外用養
毛剤の確立を目的とする。 【構成】 本発明は、マツエキスとともに、タケエキス
およびウメエキスの一方または双方を含有せしめたマツ
エキス含有外用養毛剤を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マツエキスを含有する
発育毛促進効果の増強された外用養毛剤に関する。

【０００２】

【従来技術】頭髪を生涯豊かに保つことは、人類共通の
願いである。

【０００３】本発明者等は、先にマツエキスとともに、
タケエキスおよびウメエキスを含有せしめた経口摂取用
養毛剤を確立し、特願平４−１２６６０５号明細書で特
許出願した。

【０００４】マツエキスが養毛剤に用いられることは、
中国の薬物書「本草綱目」木部、第３４巻「松」の項の
記載にも見られるように、古くから知られてきた。近年
においても、例えば、特開平２−１６４８１１号公報に
おいて、マツエキスを用いる養毛化粧料が開示されてい
る。

【０００５】しかしながら、本発明者等が検討を続けた
ところ、マツエキスのみでは、発育毛促進効果が不充分
であり、外用養毛剤の実現が困難なことが判明した。マ
ツエキスを含有し、より発育毛促進効果の優れた、安全
性の高い外用養毛剤の確立が望まれる。

【０００６】

【発明により解決すべき課題】本発明は、ヒトおよび動
物に適用して、発育毛促進効果に優れ、かつ安全性の高
いマツエキス含有外用養毛剤の確立を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものである。本発明者等は、マツ
エキスの発育毛促進効果を高めたマツエキス含有外用養
毛剤の確立を目指し、民間療法薬として広く用いられて
いる各種植物エキスを配合することに着目して鋭意研究
を続けてきた。

【０００８】その結果、意外にも、マツエキスととも
に、それ自体ではほとんど発育毛促進効果の見られない
タケエキスおよびウメエキスの一方または双方の使用が
本目的に合致することを見いだし、本発明を完成した。

【０００９】また、マツエキスを濃度０．０１ｗ／ｗ％
（以下、特にことわらない限り、本明細書ではｗ／ｗ％
を単に％で示す。）以上含有せしめるとともに、マツエ
キスに対して、タケエキスおよびウメエキスを 固形物
当り、それぞれ０．１乃至１００倍量の範囲から選ばれ
る量を含有せしめたマツエキス含有外用養毛剤が好適で
あることを見いだし、本発明を完成した。

【００１０】また、マツエキスとともに、タケエキスお
よびウメエキスの一方または双方に加えて、さらに、α
−グリコシル−Ｌ−アスコルビン酸、α−グリコシル−
バイオフラボノイド、プロポリスエキスおよびシアニン
色素から選ばれる一種または二種以上の併用は、本発明
のマツエキス含有外用養毛剤の発育毛促進効果を一段と
高めることも見いだし、本発明を完成した。

【００１１】本発明に用いるマツエキスは、マツ科植物
の葉、枝、実、マツカサ、樹皮、組織培養物などから抽
出されるエキスであって、その抽出方法は限定されず、
公知の方法を適宜採用すればよい。

【００１２】通常は、例えば、特開昭６３−２１０６０
号公報に開示されている水や親水性有機溶媒による方
法、また、例えば、特開平１−２３８５３２号公報に開
示されているアルカリ水による方法などが採用される。

【００１３】必要ならば、例えば、特開昭６２−１７２
０９６号公報に開示されている二酸化炭素の超臨界状態
の流体による方法を採用してもよい。

【００１４】このようにして得られるエキスは、液状、
ペースト状または粉末状であり、その形状は、目的に応
じて適宜選択できる。必要に応じて、市販の松葉エキス
を用いることも有利に実施できる。

【００１５】本発明に用いるタケエキスは、タケ、ササ
類植物の葉、枝、根などから抽出されるエキスであっ
て、その抽出法は限定されず、マツエキスの場合と同様
に公知の方法が適宜採用できる。必要に応じて、市販の
笹エキス、例えば隈笹熱水抽出濃縮物などを用いること
も有利に実施できる。

【００１６】本発明に用いるウメエキスは、ウメの果肉
から調整されるエキスであって、その調製方法は限定さ
れず、公知の方法が適宜採用できる。必要に応じて、市
販の梅肉エキス、例えば、梅エキス食品などを用いるこ
とも有利に実施できる。

【００１７】本発明に用いるα−グリコシル−Ｌ−アス
コルビン酸、α−グリコシル−バイオフラボノイドおよ
びシアニン色素は、例えば、先に本出願人が出願し、特
開平４−４６１１２号公報で開示されたものを採用すれ
ばよい。すなわち、α−グリコシル−Ｌ−アスコルビン
酸は、Ｌ−アスコルビン酸の２位の炭素のアルコール基
に１個以上のα−Ｄ−グルコシル基がα−１，４結合し
た構造を有しており、詳細には、例えば、特開平３−１
３５９９２号公報、特開平３−１３９２８８号公報など
に開示されている。

【００１８】α−グリコシル−バイオフラボノイドは、
ルチン、ヘスペリジン、ナリンジンなどのバイオフラボ
ノイドにＤ−グルコースが等モル以上α−結合したα−
グリコシル−ルチン、α−グリコシル−ヘスペリジン、
α−グリコシル−ナリンジンなどを含み、詳細には、例
えば、特開平３−２７２９３号公報、特開平３−１１５
２９２号公報、特開平３−７５９３号公報、特開平４−
１３６９１号公報などに開示されている。シアニン色素
は、例えば、株式会社日本感光色素研究所販売、商品名
感光素３０１号、感光素４０１号などが好適である。

【００１９】また、本発明に用いるプロポリスエキス
は、プロポリスをエタノールなどの親水性有機溶媒で抽
出した溶液、またはそれから調製される粉末などであ
り、詳細には、例えば、先に本出願人が出願した特願平
３−１６６５３８号明細書、特願平３−２９６６９８号
明細書などに記載したものが有利に利用できる。

【００２０】本発明のマツエキス含有外用養毛剤は、マ
ツエキスとともにタケエキスおよびウメエキスの一方ま
たは双方を含有せしめ、発育毛促進効果の発揮できる外
用養毛剤であればよい。

【００２１】その量としては、マツエキスを濃度０．０
１％以上望ましくは０．０２乃至５％の範囲から選ばれ
る濃度に含有せしめるのが好適である。０．０１％未満
では、発育毛促進効果が期待できず、５％を越えては、
タケエキスおよびウメエキスによる発育毛促進効果が低
減する。また、タケエキスおよびウメエキスは、それぞ
れ単独では、発育毛促進効果をほとんど示さないものの
マツエキスと併用することによってその効果が著しく発
揮、増強される。マツエキスに対するタケエキスおよび
ウメエキスの量としては、固形物当り、それぞれ、約
０．１乃至１００倍量、望ましくは約０．１乃至２０倍
量の範囲から選ばれる量を含有せしめるのが発育毛促進
効果を増強する上で特に好都合である。

【００２２】また、α−グリコシル−Ｌ−アスコルビン
酸、α−グリコシル−バイオフラボノイドおよびプロポ
リスエキスの量としては、マツエキスに対して、固形物
当り、それぞれ約０．１乃至１００倍量の範囲から選ば
れる量が好適である。

【００２３】また、シアニン色素の量としては、マツエ
キスに対して、固形物当り、約０．０１乃至１．０倍量
の範囲から選ばれる量が好適である。

【００２４】本発明の外用養毛剤は、通常、前記の各種
必須有効成分を総量で、濃度約０．１乃至３０％、望ま
しくは、約０．５乃至２０％の範囲から選ばれる濃度に
含有せしめるのが好適である。この濃度は、通常、有効
成分の種類、対象疾患などによって、また、養毛剤の形
状、例えば、液状、ゼリー状、乳状、エアゾール状、ペ
ースト状などによって適宜選択できる。

【００２５】また、本発明の外用養毛剤には、前記の必
須成分の他、通常の養毛剤に用いられる、例えば、油性
乃至水性基剤、エモリエント剤、乳化剤、ゲル化剤、香
料、防腐剤、酸化防止剤、着色剤、清涼剤、殺菌剤、湿
潤剤、ｐＨ調整剤などを適宜配合することができる。

【００２６】更に、必要に応じて、発育毛促進効果のあ
るビタミン類、ホルモン類、アミノ酸類、血管拡張剤、
血行促進剤、細胞賦活剤、消炎剤、皮膚機能亢進剤、角
質溶解剤などの薬剤を併用することも随意である。

【００２７】この様にして得られる本発明の外用養毛
剤、例えば、養毛料、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘ
アローション、ヘアクリーム、ヘアオイル、ヘアトリー
トメント、ムース、シャンプー、リンス、養毛軟膏など
であり、ヒトの皮膚に塗布し顕著良好な発育毛促進効果
を奏し、且つ、長期保存しても安定であって、その商品
価値は極めて高い。

【００２８】従って、本発明の外用養毛剤は、発育毛を
促進し、例えば、若年性、壮年性または老年性脱毛症、
多発性円形脱毛症、機械性脱毛症、症候性脱毛症などの
脱毛状態や著しい抜毛の改善、治療に加えて、フケ、カ
ユミ、白髪の予防、治療などにも著効を発揮する。

【００２９】また、毛を採取するか、毛皮を利用する、
例えば、緬羊、キツネ、アルパカ、アンゴラウサギ、ミ
ンク、カシミヤ山羊などの動物に適用して発育毛を促進
し、毛の色艶を良くし、製品の品質を高めたり、さらに
は、イヌ、ネコ、インコ、カナリヤなどの愛玩動物の毛
並みを良くするという目的に利用することもできる。

【００３０】本発明の外用養毛剤は、通常、１日１乃至
３回程度、毛髪部位の皮膚に適用すればよい。

【００３１】また、必要に応じて、特公昭５９−４１７
４７号公報、特開平１−５６０６０号公報などで開示さ
れている低周波治療器を用いてイオン性の有効成分をイ
オン導入して、その発育毛促進効果を、更に増強するこ
とも有利に実施できる。

【００３２】以下、本発明を実験例で詳細に説明する。

【００３３】

【実験１】マツエキスの発育毛促進効果に与える各種植
物エキスの影響

【００３４】マツエキスと各種植物エキスおよびそれら
の混合エキスによる発育毛促進効果を比較した。

【００３５】マツエキスは、常法によりマツ葉から調製
し、他の植物エキスは、市販品、または常法により調製
したものを それぞれ、濃度１％になるように、プロピ
レングリコール２％含有エタノール５０％水溶液に溶解
した後、塩酸または苛性ソーダ溶液にてｐＨ６．７に調
整して、ローションタイプの供試液を調製した。対照に
は、植物エキスの代りに精製水を配合したものを用い
た。

【００３６】次に、家兎の背部を脊柱に対して左右対称
に頭部側、尾部側計４個所、約５ｃｍ^２にシルバークリ
ームを短時間塗布して脱毛し、脱毛部を水で充分洗浄し
た後、右体側に於ける頭部側脱毛部には、単独エキス配
合供試液１ｍｌを、左体側における頭部側脱毛部には精
製水を含有せしめた対照供試液１ｍｌを、そして、右体
側に於ける尾部側脱毛部には、混合エキス配合供試液１
ｍｌを毎日１回筆で塗布した。なお、左体側に於ける尾
部側脱毛部は無処置とした。

【００３７】脱毛後２日目に塗布を開始し、塗布開始か
ら１０日目、２０日目に新生毛を抜毛計測した。発育毛
促進効果は、硬毛のみを顕微鏡微動装置により、各１０
本ずつ計測し、各群に於ける投与部と無処置部との毛伸
長の平均差値（ｍｍ）を求めて、その指標とした。

【００３８】なお、家兎を使用する発育毛試験に於いて
は、一羽の個体で脊柱を中心とする左右対称部位の発育
毛に遅速を認めず、また、雌雄間で発育毛に差異のない
ことが知られている。

【００３９】結果を表１にまとめた。

【００４０】

【表１】

【００４１】表１の結果から明らかなように、マツエキ
スに、各種植物エキスを併用したところ、マツエキスと
ともに、タケエキスまたはウメエキスを併用した場合に
は、発育毛促進効果が相乗的に増強、発揮されることが
判明した。

【００４２】

【実験２】 マツエキスの発育毛効果に与えるタケエキ
スおよびウメエキスの影響

【００４３】マツエキスとともにタケエキスおよびウメ
エキスを含有せしめた供試液を用いて、発育毛促進効果
を、実験１の場合と同様にして調べた。

【００４４】すなわち、供試液は、マツエキスを、濃縮
０．０２％、０．２％および２．０％の３群を設け、そ
れぞれの場合に、タケエキスおよびウメエキスを マツ
エキスに対して、固形物当り０．１乃至１００倍量の範
囲から選ばれる量を含有させて、実験１と同様に調製し
た。

【００４５】家兎への投与は、投与期間を３０日に延長
し、２０日目と３０日目を、実験１と同様に計測し、無
処置部との毛伸長の平均差値（ｍｍ）を求めた。

【００４６】結果を表２に示す。

【００４７】

【表２】

【００４８】表２の結果から明らかなように、マツエキ
スとともにタケエキスおよびウメエキスを使用したとこ
ろ、マツエキスの発育毛促進効果が著しく増強、発揮さ
れることが判明した。

【００４９】

【実験３】 臨床試験

【００５０】実験２で発育毛促進効果に著効を示したテ
ストＮｏ．６およびＮｏ．８を供試液に用いて、脱毛患
者を対象に３ケ月間臨床試験をした。対照には、実験２
におけるテストＮｏ．１０を供試液とした。対象者は、
それぞれ、各種脱毛患者から無作為に抽出した２０例
（男、女各１０例）とし、年齢は１８乃至６２歳であっ
た。

【００５１】個々の脱毛症としては、若年性、壮年性お
よび老年性脱毛症などの男性型脱毛症、および多発性円
形脱毛症、悪性脱毛症などの円形脱毛症であり、いずれ
の患者も病院などの皮膚科に於いて薬物療法や物理療法
を受けていたものである。

【００５２】なお、軽微な円形脱毛症には、自然治癒が
しばしば見られることから、初診時に顕著な脱毛が認め
られず、脱毛部分が比較的小さく、臨床的に皮膚萎縮及
び毛孔縮小の認められない例は除いた。

【００５３】治療方法は、受診時に外用剤を薄く塗布
し、よくマッサージした後、太陽灯照射した。自宅に於
いては、１日３回塗布するよう指示した。

【００５４】発育毛促進効果は、「治癒（毛髪が新生
し、まったく脱毛が見られないもの）」、「軽快（毛髪
の発育速度は遅いものの、再発のみられないもの」、
「不変（毛髪の新生が全く見られないもの）」および
「悪化（副作用や脱毛の促進が見られたもの）」の４段
階で判定した。

【００５５】結果を表３に示す。

【００５６】

【表３】

【００５７】表３の結果から明らかなように、実験２の
動物実験の場合と同様に、マツエキスとともにタケエキ
スおよびウメエキスを含有する供試液は、臨床試験にお
いても著しい発育毛促進効果を発揮し、各種脱毛症の治
療に著効を示すことが判明した。なお、この際、副作用
は認められなかった。

【００５８】

【実験４】 急性毒性

【００５９】７週令のｄｄ系マウスを使用し、供試液と
して、実験１におけるテストＮｏ．１１、Ｎｏ．１３お
よび実験２におけるテストＮｏ．３、Ｎｏ．６、Ｎｏ．
９のそれぞれを用いて、経口投与による急性毒性試験を
した。

【００６０】その結果、いずれの場合も５ｇまで死亡例
が見られず、これ以上の投与は困難であった。従って、
これら試料の毒性は極めて低い。

【００６１】以下、本発明の２〜３の実施例を述べる。

【００６２】

【実施例１】 ヘアトニック

【００６３】エタノール５５．０重量部、ポリオキシエ
チレン（８）オレイルアルコールエーテル２．０重量
部、精製水３５重量部にマツエキス（濃度約２０％）
３．０重量部、タケエキス（濃度約２５％）３．０重量
部およびウメエキス（濃度約４５％）２．０重量部を配
合し、更に、常法にしたがって、適量のヒノキチオー
ル、香料、着色剤を配合し、ヘアトニックタイプの養毛
剤を得た。本品は、発育毛を促進し、脱毛症、抜毛の治
療、予防に利用できるのみならず、フケ、カユミの治
療、予防にも有利に利用できる。

【００６４】本品には、香気や清涼感を与える作用を有
していることから、ヘアトニックに好適である。

【００６５】また、本品は、殺菌、消炎作用があること
から、外傷治療剤としても有利に利用できる。

【００６６】

【実施例２】 ヘアトニック

【００６７】マツエキス粉末５．０重量部、タケエキス
（濃度約４０％）２．５重量部、α−グリコシル−ルチ
ン（東洋精糖株式会社製造、商品名αＧルチン）２．０
重量部およびグリセリン２０．０重量部を精製水（６０
℃）５５０重量部に混合溶解し、これに、シアニン色素
（商品名 感光素３０１号）０．０５重量部をエタノー
ル４４０重量部に溶解した溶液と、Ｌ−メントール２．
０重量部とプロポリスエキス（濃度１５％）１．０重量
部をエタノール１０重量部に溶解した溶液とを混合し、
濾過後、濾液を瓶詰して、ヘアトニックタイプの養毛剤
を得た。

【００６８】本品は、発育毛を促進し、脱毛症、抜毛の
治療、予防に有利に利用できるのみならず、フケ、カユ
ミを押さえる整髪料などとしても有利に利用できる。

【００６９】また、本品は、殺菌、消炎作用があること
から、外傷治療剤としても有利に利用できる。

【００７０】

【実施例３】 ヘアリキッド

【００７１】エタノール５５．０重量部、ポリオキシプ
ロピレン（４０）ブチルエーテル２０．０重量部、精製
水１３．０重量部に、マツエキス（濃度約２０％）５．
０重量部、ウメエキス（濃度約４５％）５．０重量部お
よび２−０−α−Ｄ−グルコピラノシル−Ｌ−アスコル
ビン酸３．０重量部を配合し、更に、常法に従って、適
量のｐＨ調整剤、香料、および防腐剤を配合し、ヘアリ
キッドタイプの養毛剤を得た。

【００７２】本品は、発育毛を促進し、脱毛症、抜毛の
治療、予防に有利に利用できるのみならず、フケ、カユ
ミを押える整髪料などとしても有利に利用できる。

【００７３】また、本品は、殺菌、消炎作用があること
から、外傷治療剤としても有利に利用できる。

【００７４】

【実施例４】 ヘアクリーム

【００７５】常法に従い、ミツロウ３．０重量部、ワセ
リン１５．０重量部、流動パラフィン４２．０重量部、
ポリオキシエチレン（５）ステアリン酸エステル３．０
重量部、ポリオキシエチレン（６）オレイルアルコール
エーテル２．０重量部、ポリオキシエチレン（６）セチ
ルアルコールエーテル１．０重量部、マツエキス粉末
１．０重量部、タケエキス（濃度約４０％）１．５重量
部、ウメエキス（濃度約８５％）１．０重量部、α−グ
リコシル−ルチン０．２重量部、２−０−α−Ｄ−グル
コピラノシル−Ｌ−アスコルビン酸０．３重量部および
精製水３２重量部、更に、適量のｐＨ調整剤、香料およ
び防腐剤を配合して、ヘアクリームタイプの養毛剤を得
た。

【００７６】本品は、発育毛を促進し、脱毛症、抜毛の
治療、予防に利用できるのみならず、フケ、カユミの治
療、予防に有利に利用できる。

【００７７】本品には、毛髪の艷出し作用や、皮膚に対
する栄養補給並びに消炎作用があり、ヘアクリームとし
て好適である。

【００７８】

【実施例５】 軟膏

【００７９】常法に従い、アニオン性自己乳化型ワック
ス１０．０重量部、ミリスチン酸イソプロピル３．０重
量部、流動パラフィン３．０重量部、セタノール４．０
重量部、マルトース５．０重量部、プロポリスエキス
（濃度約１０％）１０重量部、マツエキス粉末２．０重
量部、タケエキス（濃度約２０％）２．０重量部、ウメ
エキス（濃度約４５％）１．０重量部、α−グリコシル
−ルチン１．０重量部、精製水５１重量部および適量の
防腐剤を配合して軟膏タイプの養毛剤を得た。

【００８０】本品は、発育毛を促進し、脱毛症、抜毛の
治療、予防に利用できるのみならず、フケ、カユミの治
療、予防に有利に利用できる。

【００８１】また、本品は、殺菌、消炎作用があること
から、外傷治療剤として有利に利用できる。

【００８２】

【発明の効果】本分で述べたごとく、本発明は、マツエ
キスとともにタケエキスおよびウメエキスの一方または
双方を含有せしめることにより、マツエキスの持つ発育
毛促進効果を著しく増強させた外用養毛剤を確立するも
ので、脱毛症、抜毛などの治療、予防は勿論のこと、美
容、化粧品分野に与える工業的意義は大きく、更には、
家畜の発育毛促進、ペットの毛並の色艶向上などとして
も大きく貢献できる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マツエキスとともに、タケエキスおよび
   ウメエキスの一方または双方を含有せしめたマツエキス
   含有外用養毛剤。
2. 【請求項２】 マツエキスを濃度０．０１ｗ／ｗ％以上
   含有せしめるとともに、マツエキスに対して、タケエキ
   スおよびウメエキスを、固形物当り、それぞれ０．１乃
   至１００倍量の範囲で含有せしめた請求項１記載のマツ
   エキス含有外用養毛剤。
3. 【請求項３】 α−グリコシル−Ｌ−アスコルビン酸、
   α−グリコシル−バイオフラボノイド、プロポリスエキ
   スおよびシアニン色素から選ばれる一種または二種以上
   を含有せしめた請求項１または請求項２記載のマツエキ
   ス含有外用養毛剤。