JP3193544B2 - 養毛化粧料 - Google Patents

養毛化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、毛母細胞を賦活し、育
毛効果及び養毛効果、脱毛予防、ふけ防止等の効果の優
れた養毛化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、トウガラシチンキ、ニコチン酸、ニコチン酸メチ
ル、センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス等の頭皮の血
行促進物質を配合してなる養毛化粧料は知られている。
しかし、これらの血行促進物質は、皮膚刺激が強くその
配合量に制約が生じるものであったり、血行促進作用が
短時間に減少したり血行促進作用が弱く、これらの血行
促進物質のみでは目的とする育毛、脱毛予防及びふけ防
止等の効果を充分に発現する程に至らなかった。本発明
の目的は、頭皮の血行を持続的に促進し、育毛、脱毛予
防及びふけ防止等の効果に優れた養毛化粧料を提供する
ことにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、γ−
アミノ−β−ヒドロキシ酪酸及びその塩の少なくとも一
種、センブリエキス、2価アルコールの少なくとも一種
とを併用し配合してなる養毛化粧料は、養毛、脱毛予
防、ふけ防止等の効果に更に一層優れていることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0004】本発明に配合されるγ−アミノ−β−ヒド
ロキシ酪酸及びその塩は毛母細胞賦活作用を有すること
が知られておる。またセンブリエキスは公知の物質であ
り、血行促進作用を有することが知られている。本発明
に用いる2価アルコールとは、分子内に2個の水酸基が
ある化合物で、エチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプルピレングリコール等である。従来から上
記の2価アルコールは、保湿剤、柔軟剤、増粘剤として
化粧品に用いられている。しかし、本発明は上記γ−ア
ミノ−β−ヒドロキシ酪酸及びその塩、、センブリエキ
ス、2価アルコールとを併用する事で本発明が目的とす
る育毛、脱毛予防効果を相乗的に発現し、更には、頭皮
代謝機能を正常化してふけ予防効果を高まることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】本発明者は、養毛化粧料中に配合する上記
構成物質の相乗効果を最大限度に発揮する配合割合に関
して探究した結果、(1)γ−アミノ−β−ヒドロキシ
酪酸及びその塩、(2)センブリエキス、(3)2価ア
ルコールの配合量の比率(重量比)が、(1)+
(2):(3)=1:1〜1:10である場合が好まし
く、本発明の目的とする優れた効果が認められるもので
あった。また、(1)の当該養毛化粧料中の配合量は、
総量を基準として、0.01〜1.0重量%(以下、w
t%と略記する)、(2)は、1.0〜5.0wt%が
好ましい。各々の配合量の下限未満、配合比率以外では
本発明の目的とする効果が充分でなく、一方上限を越え
ても、その増加分に見合った効果の向上は望めないもの
である。
【0006】センブリエキスの製造方法に関しては特定
されるものではないが、本発明において、下記の通り製
造して得られたセンブリエキスを適用した。 〔センブリエキスの製造法〕センブリ(Swertia
Japonica Makino)の開花期全草の乾
燥粉砕物をエタノール或いは含水エタノール中で温浸
し、瀘別して得られた抽出液である。後述の実施例及び
比較例には、下記の方法で得られた抽出液を適用した。
【0007】センブリ細砕物50gを含水エタノール
(エタノール90wt%)250mlに40〜50℃で
温浸して瀘別した後、再び残渣を同様に温浸することを
数回繰り返し、抽出液1.5lを得た。これを減圧濃縮
した残留物に精製水を100ml加え、1週間熟成した
後、不溶部を瀘別して得た抽出液を減圧濃縮し、次いで
エタノールを加えて抽出液のエタノール含有量が4wt
%になるように調整し、1000mlのセンブリエキス
を得た(尚、このエキス100gを減圧濃縮した後、こ
れを酢酸エチル200ml(40ml×5回)で抽出
し、次いでこの抽出物より酢酸エチルを減圧留去した残
渣は0.95〜1.05gであった)。
【0008】本発明の養毛化粧料は、常法に従って、ヘ
アートニック、ヘアーローション、ヘアークリーム、ヘ
アーコンディショナー、シャンプー、リンス、ヘアージ
ェル、ヘアーミスト、ヘアーフォーム等の剤型にするこ
とが可能である。また、本発明の養毛化粧料には、色
素、香料、殺菌剤、防腐剤、角質溶解剤、抗アンドロゲ
ン剤、抗酸化剤等を本発明の目的を達成する範囲内で適
宜配合することができる。
【0009】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明
を詳説する。
【0010】尚、実施例に記載のマウス毛成長促進効果
試験法、ヒト頭髪毛成長促進効果試験法及び実用試験法
を下記に示す。
【0011】(1)マウス毛成長促進効果試験法 C3H系マウス(雄・8週齢・平均体重35g)の背部
中央の皮膚を電気バリカンで刈った後、シェーバーによ
り完全に除毛した。翌日より実施例及び比較例の各試料
を被験部皮膚に毎日1回、一匹当り0.2ml塗布し
た。一試料に対して動物は一群10匹を使用した。尚、
対照群として基剤単独を塗布した。実験開始後15日目
に動物を屠殺し、被験部皮膚の写真撮影を行った。次
に、写真を画像解析装置に取り込み、最初に毛刈りした
面積(A)と、発毛面積(B)を求め、更に発毛率
(%)=(B)/(A)×100を個々の動物について
算出した。最後に、実施例又は比較例の各群の平均値を
対照群の平均値により除した値を毛成長促進効果として
判定に用いた。
【0012】(2)ヒト頭髪毛成長促進効果試験法 30〜40代の毛成長に衰えの認められる男性被験者1
0名の頭頂部の頭髪を直径約7mmの円形状に剃毛した。
更に、毛刈り1日後及び3日後に林らの方法(ブリティ
ッシュ・ジャーナル・オブ・デルマトロジー、125
巻、123頁、1991年)により毛成長速度を対象部
位の毛髪(約30〜40本)について求めて、平均値を
計算した(A)。次に各被験者に被験部位を中心とし
て、実施例又は比較例の試料を毎日朝夕2回、約3ml塗
布し、よくマッサージさせた。試験開始3ケ月目に同様
にして同一部位の毛成長速度の測定を行い、平均値
(B) を計算した。効果の判定は、各養毛化粧料使用前
後の比(B)/(A)を比較することにより行った。
【0013】(3)実用試験法 30〜40代の毛成長に衰えの認められる男性被験者2
0名の頭部に毎日朝夕2回、連続5ケ月間試料を塗布し
た後の効果を評価した。試験結果は、育毛効果、脱毛予
防効果の各項に対して、「生毛が剛毛化した或は生毛が
増加した」、「脱毛が少なくなった」、「フケが少なく
なった」と回答した人数で示した。
【0014】実施例1〜6、比較例1〜5 〔ヘアートニック〕下記表1の原料組成において、表2
に記載の如く、γ−アミノ−ヒトロキシ酪酸(以下、G
ABOBと略記する)、GABOBナトリウム塩(GA
BOB−Na)、GABOBカリウム塩(GABOB−
K)、センブリエキス及び2価アルコールとして、プロ
ピレングリコール(PG)、1,3−ブチレングリコー
ル(BG)、分子量300のポリエチレングリコール
(PEG)の所定量を配合し、各々のヘアートニックを
調製し、前記の諸試験を実施した。
【0015】
【表1】
【0016】(2)調製法 (B)成分に(C)、(D)、(E)成分を均一に混合
溶解し、この溶液に(A)成分を攪拌しつつ均一に混合
分散し、次いで容器に充填する。これらのヘアートニッ
クの使用時には内容物を均一に振盪分散して使用する。
【0017】(3)特性 各ヘアートニックの諸試験を実施した結果を下記表2に
記載した。比較例1〜5のGABOB及びその塩の少な
くとも一種、センブリエキス、2価アルコールとを併用
配合していないヘアートニックに比較して、本発明の実
施例1〜6のヘアートニックは諸試験において明らかに
良好な効果が認められた。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上記載の如く、本発明が、育毛効果及
び養毛効果、脱毛予防、ふけ防止等の効果の優れた有用
なる養毛化粧料を提供することは明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸及びそ
    の塩の少なくとも一種、センブリエキス、2価アルコー
    ルの少なくとも一種とを配合したことを特徴とする養毛
    化粧料。
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