JP3717676B2

JP3717676B2 - 養毛料

Info

Publication number: JP3717676B2
Application number: JP25499098A
Authority: JP
Inventors: 典昭中川; 祥代廣津
Original assignee: 株式会社カネボウ化粧品
Priority date: 1998-09-09
Filing date: 1998-09-09
Publication date: 2005-11-16
Anticipated expiration: 2018-09-09
Also published as: JP2000086451A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、育毛効果及び養毛効果、脱毛予防、ふけ防止等の効果に優れた養毛料に関する。さらに詳しくは、ゲラニルゲラニルアセトンを用いることにより、脱毛症に対して優れた脱毛予防効果及び育毛効果を有することを特徴とする養毛料に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
脱毛症は血行の不全、毛母細胞活性の低下や性ホルモンのアンバランス等様々な要因が複雑に絡み合って生じていると考えられているが、発生機作が未だ充分に解明されていないのが現状である。従来、血行促進剤、抗男性ホルモン剤等、各種の薬剤を配合した養毛料が脱毛の予防や治療に用いられてきているが、脱毛を抑制して発毛、養毛を促すに充分有効な薬剤は未だ見出されていない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、脱毛症に対して優れた脱毛予防効果及び育毛作用を有する養毛、育毛料を提供するにある。そして、育毛、養毛、脱毛予防、ふけ防止等の効果に優れた養毛料を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ゲラニルゲラニルアセトンを有効成分として用いることによって、マウス毛成長促進、ヒト頭髪毛成長促進に優れた効果を示し、ふけ防止効果にも著効を呈することを見出して本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、ゲラニルゲラニルアセトンを含有することを特徴とする、育毛、養毛、脱毛予防、ふけ防止等の効果に優れた養毛料にある。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるゲラニルゲラニルアセトンは、肌荒れ防止、チロシナーゼ合成阻害作用（特開平７−３０９７１０号公報、特開平６−１６５３２号公報）等が知られている。ゲラニルゲラニオールは育毛料として公知である（特開平１０−２５２２６号公報）。しかしながら、ゲラニルゲラニルアセトンに育毛効果があることは全く知られていない。
【０００６】
このゲラニルゲラニルアセトンの配合量は特に制限されないが、効果効能、使用感、安全性の観点から、本発明の養毛、育毛料中に０．００１〜１０重量％、特に０．１〜５重量％が望ましい。
【０００７】
本発明において、ゲラニルゲラニルアセトンは天然由来及び合成品のいずれを用いても良い。
【０００８】
本発明の養毛料は、常法に従って、ヘアートニック、ヘアーローション、ヘアークリーム、シャンプー、リンス、ヘアーフォーム、ヘアージェル等の剤型にすることが可能である。
【０００９】
本発明の養毛料には、色素、香料、殺菌剤、防腐剤、角質溶解剤、抗炎症剤、抗アンドロゲン剤、養毛剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。
【００１０】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基いて本発明を詳説する。なお、実施例に記載のマウス毛成長促進効果試験法、ヒト頭髪毛成長促進効果試験法及び実用試験法を下記に示す。
【００１１】
（１）マウス毛成長促進効果試験法
Ｃ３Ｈマウス（雄、８週齢）の背部中央の体毛をバリカン及びシェーバーで毛刈りし、試料を毛刈り部位に１日２回、一匹当たり０．２ｍｌ塗布した。一試料に対して動物は一群１０匹使用した。実験開始後１５日目にマウス背部の写真撮影を行い、毛刈り面積及び発毛面積を算出し発毛率（％）を求め、１０例の平均により、マウス毛成長促進効果を判定した。
【００１２】
（２）ヒト頭髪毛成長促進効果試験法
男性型脱毛症患者である被試験者１０名の頭部の耳の上５ｃｍの位置の頭髪を左右２カ所において直径１ｃｍの円形状に剃毛した被試験部位に、実施例または比較例の試料を左側に毎朝夕２回、約３ｍｌ塗布し、無処置の右側と比較した。効果の判定は、試験開始後２８日目に、左右の試験部位の毛髪各々２０本ずつを剃毛し、左側（実施例または比較例を塗布）の毛２０本の長さの平均値（Ｂ）を右側（無処置）の毛２０本の長さの平均値（Ａ）で除した値を求めて評価した。判定結果は、被試験者１０名の（Ｂ）／（Ａ）の平均値で示した。
【００１３】
（３）実用試験法
男性型脱毛症患者である被試験者２０名の頭部に毎朝夕２回、連続６か月間試料を塗布した後の効果を評価した。試験結果は、育毛効果、脱毛予防効果、ふけ防止効果の各項目に対して、「生毛が剛毛化したあるいは生毛が増加した」、「脱毛が少なくなった」、「ふけが少なくなった」と回答した人数で示した。
【００１４】
下記表１に記載の組成のヘアトニックを調製し、実施例はゲラニルゲラニルアセトンを０．５％、比較例は非添加とし、各試験に用いた。尚、数値はすべて重量％である。
【００１５】
【表１】

【００１６】
（２）調製法
ゲラニルゲラニルアセトン、香料をエタノール中に、プロピレングリコールを精製水にそれぞれ添加し、各溶液を攪拌しながら均一に混合して各々のヘアートニックを調製した。
【００１７】
マウス毛成長促進効果試験、ヒト頭髪毛成長促進効果試験及び実用試験の結果を表２に示す。
【００１８】
【表２】

【００１９】
表２に示すように、ゲラニルゲラニルアセトンは比較例に比べて、非常に高い育毛効果を示すことが確認された。
【００２０】
【発明の効果】
以上記載の如く、本発明が顕著な毛成長促進効果を示し、育毛効果、脱毛予防、およびふけ防止効果に優れた養毛料を提供することは明らかである。

Claims

ゲラニルゲラニルアセトンを含有することを特徴とする養毛料。