JPH0533885A - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 内面に防食樹脂層９を有する管６の雄ネジ８
を形成した端部７が螺入される雌ネジ部４を有する。か
つ、金属製継手本体２の内部には、防食樹脂層５が形成
される。かつ、筒状部10がこの防食樹脂層５と一体に形
成される。筒状部10は、継手本体の上記雌ネジ部４との
間に、略円筒状の隙間Ｓを形成する。筒状部10の外周面
15には、複数本の独立した突条20…が形成されている。 【効果】 密封性が改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は管継手に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に、
ねじ込み形管継手は端部開口にテーパ雌ネジ部を有し、
該雌ネジ部に接続すべき管の端部テーパ雄ネジが螺嵌さ
れる。

【０００３】このような管継手において、従来では図２
及び図３に示す如く管継手ａの雌ネジ部ｂ又は管ｄの雄
ネジ部ｅの螺合しない管内露出部分ｆ，ｇが管内を流れ
る流体のために錆びを生じて腐食し易いという問題があ
った。

【０００４】また、管ｄの端面ｈの腐食を防止するため
のコアｋを管ｄの端部開口に取付けていたが、作業性が
悪く、しかも取付漏れの可能性もある。

【０００５】さらに、このコアｋは、粉体塗装による薄
肉のポリエチレンライニングの場合には被覆層ｍ面に接
着できないという問題があった。

【０００６】本発明はこのような従来の問題を解決する
もので、接続部における管内露出部分の防食が完全にな
されると共に、施工が容易な管継手を提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る管継手は、
内面に防食樹脂層を有する管の雄ネジ形成端部が螺嵌す
る雌ネジ部を継手本体の端部開口に有し、かつ雌ネジ部
を除く継手本体の内面に防食樹脂層を形成し、該雌ネジ
部との間に所定の隙間をもつ筒状部を上記防食樹脂層と
一体に成型し、該筒状部の外周面に複数本の独立した突
条を形成し、この突条を管の樹脂層の内周面に接触させ
て、進入可能に構成されている。

【０００８】

【作用】管の雄ネジを、継手本体の雌ネジ部に螺進して
ゆけば、筒状部と雌ネジ部の間の隙間へ、管の端部が挿
入される。

【０００９】そして、この時、管の防食樹脂層の内周面
に、筒状部の外周面の複数本の独立した突条が、接触す
る。

【００１０】この筒状部の外周面の複数本の独立した突
条は、管の防食樹脂層に摺接しつつ、相互になじみ易
い。

【００１１】さらに、管の防食樹脂層の内径寸法のバラ
ツキ、又は、筒状部の外径寸法のバラツキが存在したと
しても、上記螺進時に、筒状部の外周面の突条が押し潰
され易いために、上記寸法のバラツキが吸収され、一層
なじみ易い。

【００１２】

【実施例】以下、図示の実施例に基き本発明を詳説す
る。

【００１３】図１において、１は管継手であり、エルボ
を例示している。該管継手１は鋳鉄製の継手本体２の両
端部開口３，３にテーパ雌ネジ部４を有し、かつ該雌ネ
ジ部４，４を除く継手本体２の内面に防食樹脂層５を有
する。

【００１４】６，６は管継手１を介して接続される２本
の金属製管であり、端部７外周には継手本体２の雌ネジ
部４に螺合するテーパ雄ネジ８を有すると共に、内面に
は継手本体２同様防食樹脂層９が施されている。

【００１５】管継手１の上記樹脂層５の外端部から一体
に筒状部10が形成されている。

【００１６】この筒状部10は雌ネジ部４との間に隙間Ｓ
を形成する。

【００１７】そして、複数本の独立した突条20…が上記
筒状部10の外周面15に形成される。

【００１８】また、筒状部10の外周面15は先端10ａへ僅
かに縮径するテーパ面12とするのが望ましい。

【００１９】また、図例では筒状部10の先端10ａは継手
本体２の端部と略同一位置としている。

【００２０】なお、図示省略するが、筒状部10の先端10
ａを継手本体２の端部から所定寸法突出するも自由であ
ると共に、先端部外周をさらに急なテーパ面に形成して
も良い。

【００２１】しかも、先端10ａから複数本のスリット13
を周方向等角度置きに設けるも自由である。

【００２２】この筒状部10及び樹脂層５は継手本体２の
内部に射出成型にて施工される。

【００２３】しかして、上記筒状部10の独立突条20…の
外径は管６の内径よりも若干小さく設定され、管６の雄
ネジ８形成端部７を管継手１の雌ネジ部４に螺合した場
合に該端部７が隙間Ｓに進入して管６の樹脂層９内周面
14が筒状部10の独立突条20を押圧しつつ密に嵌合する。

【００２４】つまり、突条20…は管６の内周面14に接触
しつつ、隙間Ｓへ雄ネジ８形成端部７が進入する。

【００２５】また、図１に示す如く管６の端部７を筒状
部10の先端突出部に外嵌して管６を矢印Ｂ方向に押し込
み、雄ネジ８を管継手１の雌ネジ部４に螺合させてねじ
込む。

【００２６】この接続作業において、筒状部10がテーパ
面12であれば、管６の挿入が容易である。

【００２７】そして、接続状態では筒状部10の外周面15
の複数本の独立突条20…と管６の樹脂層９内周面14が圧
接状態となって該両周面15，14間が密封され、水等の流
体が管６の端面16部に浸入することが確実に防止され
る。

【００２８】しかして、図１においては、隙間Ｓの奥部
21をポケット状として、塑性変形可能なコーキング剤22
を充填している。

【００２９】このコーキング剤22は、粘土状、チューイ
ンガム状若しくはパテ状の固体であり、矢印Ｂ方向へ管
６を螺進する前に、奥部21へ入れる。

【００３０】そして、筒状部10の外周面15の複数本の突
条20…が、管６の内周面14に接触するため、この突条20
以外の部分と該内周面14との間に、独立した周方向の微
小間隙が生じ、この微小間隙を、逃げ部23として、矢印
Ｂ方向へ螺進接続時に、奥部21内に予め入れておいたコ
ーキング剤22が、圧縮されつつこの逃げ部23へ押出され
て、図１の左上半部の状態から右下半分の状態となる。

【００３１】なお、（図示省略したが）ラビリンス溝を
この筒状部10の外周面15に凹設して、残部を独立突条20
…とするも自由である。

【００３２】この図例のように構成すれば、管継手１の
雌ネジ部４及び管６の雄ネジ８の製作寸法誤差、あるい
は、ネジ結合時の締力の強弱に伴って、雄ネジ８の螺進
深さが相違するが、そのような場合にもコーキング剤22
によって確実に流体が奥部21へ浸入するのを防止出来
る。

【００３３】本発明は図示のエルボ以外にチーズ、ソケ
ット、ユニオン等の各種管継手に実施可能である。

【００３４】

【発明の効果】本発明は以上詳述した構成にて所期目的
を有効に達成した。

【００３５】特に、管継手１の継手本体２の樹脂層５と
一体に筒状部10を形成し、該筒状部10と雌ネジ部４との
間に、所定の隙間Ｓを設け、該隙間Ｓに管６の雄ネジ８
形成端部７を、該端部７の樹脂層９内周面14と上記延伸
成型の筒状部10外周面15が、密封当接すべく、進入可能
に構成したから、管継手１と管６の接続状態において、
樹脂被覆が施されていない管継手１と管６のネジ形成部
及び管６の端面16等の露出部分への管内流体の浸入が確
実に阻止され、従って、これらの部分を完全に防食でき
る。

【００３６】特に、突条20…を複数本独立して、筒状部
10の外周面15に形成したから、（管継手１に対する管６
のねじ込み深さがテーパネジであるために一定しない
が、）ねじ込み深さに関係なく確実に密封することがで
きる。

【００３７】さらに、管６の端面16に従来のようなステ
ンレス製のコアを接着する必要がなくなって部品点数を
減少できると共にコアの取付漏れの心配もなく、施工が
容易である。

【００３８】しかも、管６の防食樹脂層９が塩化ビニー
ルライニングは勿論のこと、粉体塗装による安価なポリ
エチレンライニングの場合にも対応できる。

【００３９】また、管内圧力が筒状部10の内面に作用す
ることで該筒状部10外周面15における密封性がより良好
となる。

【００４０】しかも、管６の端部７には筒状部10により
管内圧力が直接作用しないため、該管６と管継手１との
接続に悪影響を受けることもない。

【００４１】さらに、複数本の独立した突条20…は、
（図１の右下半分に示すように）コーキング剤22の逃げ
部23としての役目を成し、コーキング剤22による密封性
と、この圧接状態の突条20自体の密封性の相乗効果に
て、著しく優れた密封特性を示す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】従来例の断面図である。

【図３】従来例の断面図である。

【符号の説明】

２ 継手本体 ３ 端部開口 ４ 雌ネジ部 ５ 防食樹脂層 ６ 管 ７ 端部 ８ 雄ネジ ９ 防食樹脂層 10 筒状部 14 内周面 15 外周面 20 突条 Ｓ 隙間

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 内面に防食樹脂層９を有する管６の雄ネ
   ジ８形成端部７が螺嵌する雌ネジ部４を継手本体２の端
   部開口３に有し、かつ雌ネジ部４を除く継手本体２の内
   面に防食樹脂層５を形成し、該雌ネジ部４との間に所定
   の隙間Ｓをもつ筒状部10を上記防食樹脂層５と一体に成
   型し、該筒状部10の外周面15に複数本の独立した突条20
   を形成し、この突条20を管６の樹脂層９の内周面14に接
   触させて、進入可能に構成されたことを特徴とする管継
   手。