JPH089502Y2 - 管端防食継手 - Google Patents
管端防食継手Info
- Publication number
- JPH089502Y2 JPH089502Y2 JP1993055064U JP5506493U JPH089502Y2 JP H089502 Y2 JPH089502 Y2 JP H089502Y2 JP 1993055064 U JP1993055064 U JP 1993055064U JP 5506493 U JP5506493 U JP 5506493U JP H089502 Y2 JPH089502 Y2 JP H089502Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pipe
- water
- joint
- gap
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)
- Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、管端防食機能を備え
た管端防食継手に関する。
た管端防食継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の管端防食継手を図5に示してあ
る。この継手は管体同士をL字形に接続するための所謂
エルボであって、L字形の継手本体1を有し、その一端
側と他端側とは同一構成になっている。従って、以下で
は一端側のみを説明するにとどめ、他端側の各部には一
端側の各部と同一符号を付して説明を省略する。
る。この継手は管体同士をL字形に接続するための所謂
エルボであって、L字形の継手本体1を有し、その一端
側と他端側とは同一構成になっている。従って、以下で
は一端側のみを説明するにとどめ、他端側の各部には一
端側の各部と同一符号を付して説明を省略する。
【0003】継手本体1の端部にはテーパ内ねじ2が設
けられており、この内ねじ2の刻設個所を除く継手本体
1の内面に樹脂被覆層3が射出成形されており、この樹
脂被覆層3と一体成形されて該樹脂被覆層3から上記テ
ーパ内ねじ2と同心状に樹脂製スリーブ部4が延設され
ている。
けられており、この内ねじ2の刻設個所を除く継手本体
1の内面に樹脂被覆層3が射出成形されており、この樹
脂被覆層3と一体成形されて該樹脂被覆層3から上記テ
ーパ内ねじ2と同心状に樹脂製スリーブ部4が延設され
ている。
【0004】同図に示したように、この継手に管体10
0を接続したときは、上記内ねじ2にねじ込まれた管体
100の端部内面がスリーブ部4に外嵌合される。
0を接続したときは、上記内ねじ2にねじ込まれた管体
100の端部内面がスリーブ部4に外嵌合される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上述した従来の管端防
食継手において、継手に接続される管体100の内径寸
法は全ての管体100について正確に同一ではなく、許
容される寸法公差を有しているのが普通である反面、ス
リーブ部4はその寸法公差を吸収する機能を持ち併せて
いない。そして、従来の管端防食は、管路を流れる水が
管体100の端面101(以下、管端という)に接触し
ないようにするという考え方に基づいていた。このた
め、従来はスリーブ部4と管体100の端部との間にシ
リコンゴム等よりなるシール剤を介在させて管端101
に対する完全な水密性を確保することを目指していた。
食継手において、継手に接続される管体100の内径寸
法は全ての管体100について正確に同一ではなく、許
容される寸法公差を有しているのが普通である反面、ス
リーブ部4はその寸法公差を吸収する機能を持ち併せて
いない。そして、従来の管端防食は、管路を流れる水が
管体100の端面101(以下、管端という)に接触し
ないようにするという考え方に基づいていた。このた
め、従来はスリーブ部4と管体100の端部との間にシ
リコンゴム等よりなるシール剤を介在させて管端101
に対する完全な水密性を確保することを目指していた。
【0006】他方、管体100の端部にはテーパ外ねじ
110が刻設されているが、その外ねじ110のねじ径
は一定でなく、許容の寸法公差を有している。そして、
外ねじ110のねじ径が小さすぎると、継手本体1のテ
ーパ内ねじ2に管体100の端部をねじ込んだときにそ
のねじ込み幅が正規の寸法よりも長くなって管端101
が樹脂被覆層3の端面5に強く押圧して喰い込み、樹脂
被覆層3を変形させてスリーブ部4と管体100の端部
との間などの上記したシール剤の介在箇所の水密性を損
なうことがある。逆に、テーパ外ねじ110のねじ径が
大きすぎると、管体100の端部のねじ込み幅が正規の
寸法よりも短くなり、管端101を正常な位置までねじ
込むことができなくなって十分な水密性が確保されなく
なり管端防食機能が損なわれるという問題があった。
110が刻設されているが、その外ねじ110のねじ径
は一定でなく、許容の寸法公差を有している。そして、
外ねじ110のねじ径が小さすぎると、継手本体1のテ
ーパ内ねじ2に管体100の端部をねじ込んだときにそ
のねじ込み幅が正規の寸法よりも長くなって管端101
が樹脂被覆層3の端面5に強く押圧して喰い込み、樹脂
被覆層3を変形させてスリーブ部4と管体100の端部
との間などの上記したシール剤の介在箇所の水密性を損
なうことがある。逆に、テーパ外ねじ110のねじ径が
大きすぎると、管体100の端部のねじ込み幅が正規の
寸法よりも短くなり、管端101を正常な位置までねじ
込むことができなくなって十分な水密性が確保されなく
なり管端防食機能が損なわれるという問題があった。
【0007】以上より判るように、従来は、管体100
の内面と継手側のスリーブ部4との間の隙間を完全な水
密状態で密閉することにより管端101への水分の付着
を防ぐという対策を講じていたのであるけれども、管体
100の内径寸法やテーパ外ねじ110などに寸法公差
が存在しているということが障害になって上記の対策が
なかなか実効のあるものにならなかった。
の内面と継手側のスリーブ部4との間の隙間を完全な水
密状態で密閉することにより管端101への水分の付着
を防ぐという対策を講じていたのであるけれども、管体
100の内径寸法やテーパ外ねじ110などに寸法公差
が存在しているということが障害になって上記の対策が
なかなか実効のあるものにならなかった。
【0008】そこで、本願出願人は、管端のような金属
面の腐食と水分との関係について鋭意調査分析を行った
ところ、金属面での腐食の発生は金属面に付着した水分
中に含まれる酸素がその金属面を攻撃することによって
起こるものであり、水分中の酸素の絶対量が少なくなっ
てくると腐食が極端に発生しにくくなるか、まったく発
生しなくなるという結論を得た。
面の腐食と水分との関係について鋭意調査分析を行った
ところ、金属面での腐食の発生は金属面に付着した水分
中に含まれる酸素がその金属面を攻撃することによって
起こるものであり、水分中の酸素の絶対量が少なくなっ
てくると腐食が極端に発生しにくくなるか、まったく発
生しなくなるという結論を得た。
【0009】本考案は以上の事情のもとでなされたもの
であり、管体の内径寸法やテーパ外ねじのねじ径に公差
範囲内のばらつきがあって、管体と該管体がねじ込まれ
た継手本体と樹脂被覆層とスリーブ部の四者の相互間に
隙間が存在したとしても、その隙間に管路の水が入らな
い優れた水密性を確保することができると共に、万一そ
の隙間に管路の水が入ってもその水が管路を流れる水と
入れ替わりにくく、しかもその隙間に対して管路から水
が補給されにくくなるような工夫を講じることによっ
て、水分中に含有される酸素の絶対量を可及的に少なく
して確実な管端防食機能を発揮させることができる管端
防食継手を提供することを目的とする。
であり、管体の内径寸法やテーパ外ねじのねじ径に公差
範囲内のばらつきがあって、管体と該管体がねじ込まれ
た継手本体と樹脂被覆層とスリーブ部の四者の相互間に
隙間が存在したとしても、その隙間に管路の水が入らな
い優れた水密性を確保することができると共に、万一そ
の隙間に管路の水が入ってもその水が管路を流れる水と
入れ替わりにくく、しかもその隙間に対して管路から水
が補給されにくくなるような工夫を講じることによっ
て、水分中に含有される酸素の絶対量を可及的に少なく
して確実な管端防食機能を発揮させることができる管端
防食継手を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案による管端防食継手は、内面に樹脂被覆層が
形成された継手本体の端部にテーパ内ねじが設けられ、
上記樹脂被覆層と一体成形されて該樹脂被覆層から上記
テーパ内ねじと同心状に延設された樹脂製スリーブ部に
上記テーパ内ねじにねじ込まれる管体の端部が外嵌合さ
れる管端防食継手において、上記樹脂製スリーブ部の外
周に、上記内ねじにねじ込まれてきた管体の端部内面に
摺接して管体のねじ込み方向に横倒弾性変形される断面
形状がリップ形をなす上記スリーブ部と同一樹脂材料の
突条がリング状に一体形成されているものである。
に、本考案による管端防食継手は、内面に樹脂被覆層が
形成された継手本体の端部にテーパ内ねじが設けられ、
上記樹脂被覆層と一体成形されて該樹脂被覆層から上記
テーパ内ねじと同心状に延設された樹脂製スリーブ部に
上記テーパ内ねじにねじ込まれる管体の端部が外嵌合さ
れる管端防食継手において、上記樹脂製スリーブ部の外
周に、上記内ねじにねじ込まれてきた管体の端部内面に
摺接して管体のねじ込み方向に横倒弾性変形される断面
形状がリップ形をなす上記スリーブ部と同一樹脂材料の
突条がリング状に一体形成されているものである。
【0011】
【作用】この管端防食継手によると、管端が正規位置へ
ねじ込まれているときは勿論、正規位置を通り越してね
じ込まれた場合であっても正規位置の手前までしかねじ
込まれていない場合であっても、管体の端部内面には樹
脂製スリーブ部と同一樹脂材料で該スリーブ部に一体形
成されているリング状のリップ形(断面形状)をなす突
条が管体のねじ込み方向に横倒弾性変形した状態で接触
する。管体の内径寸法やテーパ外ねじに許容寸法公差範
囲内のばらつきがある場合にも、樹脂製スリーブ部の弾
性と上記リップ形の突条自身の弾性とが相俟って、ばら
つきを無理なく吸収して上記突条を管体のねじ込み方向
に横倒弾性変形させた状態で管体の端部内面に弾性的に
密着させて必要かつ十分な水密性を確保させることが可
能となり、管路を流れる水が管体の端部内面とスリーブ
部との隙間に入り込み、その水が管端に付着して管端を
腐食させるという事態を防止できる。ここで、管体の内
径寸法やテーパ外ねじの許容寸法公差範囲内のばらつき
を樹脂製スリーブ部の弾性と上記リップ形の突条自身の
弾性との相乗作用によって吸収することが可能であるか
ら、突条自身の突出量は小さくてよいため、スリーブ部
に対する管体の外嵌合も無理なくスムーズに行なえる。
ねじ込まれているときは勿論、正規位置を通り越してね
じ込まれた場合であっても正規位置の手前までしかねじ
込まれていない場合であっても、管体の端部内面には樹
脂製スリーブ部と同一樹脂材料で該スリーブ部に一体形
成されているリング状のリップ形(断面形状)をなす突
条が管体のねじ込み方向に横倒弾性変形した状態で接触
する。管体の内径寸法やテーパ外ねじに許容寸法公差範
囲内のばらつきがある場合にも、樹脂製スリーブ部の弾
性と上記リップ形の突条自身の弾性とが相俟って、ばら
つきを無理なく吸収して上記突条を管体のねじ込み方向
に横倒弾性変形させた状態で管体の端部内面に弾性的に
密着させて必要かつ十分な水密性を確保させることが可
能となり、管路を流れる水が管体の端部内面とスリーブ
部との隙間に入り込み、その水が管端に付着して管端を
腐食させるという事態を防止できる。ここで、管体の内
径寸法やテーパ外ねじの許容寸法公差範囲内のばらつき
を樹脂製スリーブ部の弾性と上記リップ形の突条自身の
弾性との相乗作用によって吸収することが可能であるか
ら、突条自身の突出量は小さくてよいため、スリーブ部
に対する管体の外嵌合も無理なくスムーズに行なえる。
【0012】また、上記突条はその断面形状がリップ形
であり、しかも管体のねじ込み方向に横倒弾性変形した
状態で管体の端部内面に密着するものであるので、管路
を流れる水が横倒弾性変形した突条と管体の端部内面と
の間に押し入ることもあり、その場合には、管路を流れ
る水がスリーブ部と管体の端部内面との隙間に入り込ん
で管端に付着するという事態が生じる可能性もある。し
かしながら、継手本体と樹脂被覆層とスリーブ部と管体
との相互間の隙間は、上記突条と管体の端部内面との密
着により管路から閉ざされた密閉空間となっているの
で、万一、上記の隙間に水が入り込んだとしても、その
水が隙間に充満してしまうと、それ以後は管路からの水
の補給はなされない。また、たとえば、管路の水圧が下
がって管路の水圧が上記隙間に充満している水の水圧よ
りも低くなったような場合には、横倒弾性変形している
突条が管路と上記隙間との水圧差により元の状態(姿
勢)になるように付勢されるから、その突条が管体の端
部内面に強く押圧して隙間に充満している水が管路に逆
流するのを阻止し、このことが、上記隙間に充満してい
る水が管路を流れる水と入れ替わりにくくすることに役
立つ。すなわち、この場合には断面形状がリップ形の突
条が上記隙間から管路に向かう水の逆流を防止する弁つ
まり逆流防止弁としての機能を果たす。
であり、しかも管体のねじ込み方向に横倒弾性変形した
状態で管体の端部内面に密着するものであるので、管路
を流れる水が横倒弾性変形した突条と管体の端部内面と
の間に押し入ることもあり、その場合には、管路を流れ
る水がスリーブ部と管体の端部内面との隙間に入り込ん
で管端に付着するという事態が生じる可能性もある。し
かしながら、継手本体と樹脂被覆層とスリーブ部と管体
との相互間の隙間は、上記突条と管体の端部内面との密
着により管路から閉ざされた密閉空間となっているの
で、万一、上記の隙間に水が入り込んだとしても、その
水が隙間に充満してしまうと、それ以後は管路からの水
の補給はなされない。また、たとえば、管路の水圧が下
がって管路の水圧が上記隙間に充満している水の水圧よ
りも低くなったような場合には、横倒弾性変形している
突条が管路と上記隙間との水圧差により元の状態(姿
勢)になるように付勢されるから、その突条が管体の端
部内面に強く押圧して隙間に充満している水が管路に逆
流するのを阻止し、このことが、上記隙間に充満してい
る水が管路を流れる水と入れ替わりにくくすることに役
立つ。すなわち、この場合には断面形状がリップ形の突
条が上記隙間から管路に向かう水の逆流を防止する弁つ
まり逆流防止弁としての機能を果たす。
【0013】そして、上記隙間の容積はそれほど大きい
ものではないので、その隙間に水が充満したとしてもそ
の水に含まれる酸素の絶対量は少なく、そのために管端
が効果的に防食される。
ものではないので、その隙間に水が充満したとしてもそ
の水に含まれる酸素の絶対量は少なく、そのために管端
が効果的に防食される。
【0014】
【実施例】図1はこの考案の実施例による管端防食継手
の一例であるエルボを示す。同図の継手において図5の
ものと異なる主な点は、樹脂製スリーブ部4の外周に、
該スリーブ部4と同一の樹脂材料からなるリング状の突
条7が一体形成されている点である。なお、樹脂被覆層
3およびスリーブ部4が射出成形によって一体形成され
ているのは勿論である。図1の一部を拡大した図4で判
るように、上記突条7は断面形状がリップ形になってい
る。ここで、実施例における断面形状がリップ形とは、
図1から類推できしかも図4に明確に示したように、ス
リーブ部4の外周から突出した部分において、管体のね
じ込み方向X側の端面71がスリーブ部4の軸線に対し
て略垂直な面(垂直な面を含む)になっており、しかも
その端面71の外縁から管体のねじ込み方向Xとは反対
側に延びる面が滑らかな湾曲面72になっていてその湾
曲面72がスリーブ部4の外周面につながった形のこと
である。そして、突条7がこのような断面形状を有して
おれば、その突条7は、継手本体1のテーパ内ねじ2に
ねじ込まれてきた管体100の端部内面に摺接して図4
に仮想線イで示したように管体100のねじ込み方向X
に横倒弾性変形される。突条7の断面形状として図4に
示した形状は例示である。したがって、略三角形の断面
形状のような多少の変形がなされた断面形状はリップ形
に含まれる。なお、突条7は一つだけ設けても二つ以上
の複数設けてもよい。
の一例であるエルボを示す。同図の継手において図5の
ものと異なる主な点は、樹脂製スリーブ部4の外周に、
該スリーブ部4と同一の樹脂材料からなるリング状の突
条7が一体形成されている点である。なお、樹脂被覆層
3およびスリーブ部4が射出成形によって一体形成され
ているのは勿論である。図1の一部を拡大した図4で判
るように、上記突条7は断面形状がリップ形になってい
る。ここで、実施例における断面形状がリップ形とは、
図1から類推できしかも図4に明確に示したように、ス
リーブ部4の外周から突出した部分において、管体のね
じ込み方向X側の端面71がスリーブ部4の軸線に対し
て略垂直な面(垂直な面を含む)になっており、しかも
その端面71の外縁から管体のねじ込み方向Xとは反対
側に延びる面が滑らかな湾曲面72になっていてその湾
曲面72がスリーブ部4の外周面につながった形のこと
である。そして、突条7がこのような断面形状を有して
おれば、その突条7は、継手本体1のテーパ内ねじ2に
ねじ込まれてきた管体100の端部内面に摺接して図4
に仮想線イで示したように管体100のねじ込み方向X
に横倒弾性変形される。突条7の断面形状として図4に
示した形状は例示である。したがって、略三角形の断面
形状のような多少の変形がなされた断面形状はリップ形
に含まれる。なお、突条7は一つだけ設けても二つ以上
の複数設けてもよい。
【0015】図2は上記継手に管体100,100を接
続した状態を示している。この図から明らかなように、
管体100の端部に刻設されたテーパ外ねじ110は継
手本体1のテーパ内ねじ2にねじ込まれており、かつ、
管体100の端部はスリーブ部4に外嵌合されている。
また、図3に示したように、突条7は、管体100のね
じ込み方向Xに横倒弾性変形した状態で管体100の端
部内面に接触している。この状態は管体100の端部の
ねじ込み幅の大小に関係なく常に保たれるため、管体1
00の内径寸法やテーパ外ねじのねじ径に公差範囲内の
ばらつきがあっても、図3または図4の仮想線イのよう
に、スリーブ部4の弾性と突条7自身の弾性とが相俟っ
て、突条7が管体100のねじ込み方向Xに横倒弾性変
形した状態で管体100の端部内面に密着することにな
る。このため管路を流れる水や温水が突条7と管体10
0の端部内面との密着個所を通過して流れることがな
い。すなわち突条7によって管体100の端部内面とス
リーブ部4との隙間Sの水密性が保たれるために、管路
を流れる水がその隙間Sに入り込んで管端101に付着
して管端101を腐食させるという事態が起こらない。
続した状態を示している。この図から明らかなように、
管体100の端部に刻設されたテーパ外ねじ110は継
手本体1のテーパ内ねじ2にねじ込まれており、かつ、
管体100の端部はスリーブ部4に外嵌合されている。
また、図3に示したように、突条7は、管体100のね
じ込み方向Xに横倒弾性変形した状態で管体100の端
部内面に接触している。この状態は管体100の端部の
ねじ込み幅の大小に関係なく常に保たれるため、管体1
00の内径寸法やテーパ外ねじのねじ径に公差範囲内の
ばらつきがあっても、図3または図4の仮想線イのよう
に、スリーブ部4の弾性と突条7自身の弾性とが相俟っ
て、突条7が管体100のねじ込み方向Xに横倒弾性変
形した状態で管体100の端部内面に密着することにな
る。このため管路を流れる水や温水が突条7と管体10
0の端部内面との密着個所を通過して流れることがな
い。すなわち突条7によって管体100の端部内面とス
リーブ部4との隙間Sの水密性が保たれるために、管路
を流れる水がその隙間Sに入り込んで管端101に付着
して管端101を腐食させるという事態が起こらない。
【0016】また、上記突条7はその断面形状が上述し
たようにリップ形であり、しかも管体100のねじ込み
方向Xに横倒弾性変形した状態で管体100の端部内面
に密着するので、管路を流れる水が図4に仮想線イで示
したように横倒弾性変形した突条7と管体100の端部
内面との間に押し入って、スリーブ部4と管体100の
端部内面との隙間Sに入り込んで管端101に付着する
という事態が生じる可能性もある。しかしながら、万
一、そのような事態になったとしても、継手本体1と樹
脂被覆層3とスリーブ部4と管体100との相互間の隙
間は、上記突条7と管体100の端部内面との密着によ
り管路から閉ざされた密閉空間となっているので、上記
の隙間Sに入り込んだ水が充満してしまうと、それ以後
は管路からの水の補給はなされない。また、たとえば、
水道管の管路に見られるように、管路の水圧が下がって
管路の水圧が上記隙間Sに充満している水の水圧よりも
低くなったような場合には、横倒弾性変形している突条
7が管路と上記隙間Sとの水圧差により元の状態(姿
勢)になるように図4の矢印F方向に付勢されるから、
その突条7が管体100の端部内面を強く押圧して隙間
Sに充満している水が管路に逆流するのを阻止する。こ
のため、上記隙間Sに充満している水が管路を流れる水
と入れ替わりにくくなる。すなわち、この場合には断面
形状がリップ形の突条7が上記隙間Sから管路に向かう
水の逆流を防止する弁つまり逆流防止弁としての機能を
果たすのである。
たようにリップ形であり、しかも管体100のねじ込み
方向Xに横倒弾性変形した状態で管体100の端部内面
に密着するので、管路を流れる水が図4に仮想線イで示
したように横倒弾性変形した突条7と管体100の端部
内面との間に押し入って、スリーブ部4と管体100の
端部内面との隙間Sに入り込んで管端101に付着する
という事態が生じる可能性もある。しかしながら、万
一、そのような事態になったとしても、継手本体1と樹
脂被覆層3とスリーブ部4と管体100との相互間の隙
間は、上記突条7と管体100の端部内面との密着によ
り管路から閉ざされた密閉空間となっているので、上記
の隙間Sに入り込んだ水が充満してしまうと、それ以後
は管路からの水の補給はなされない。また、たとえば、
水道管の管路に見られるように、管路の水圧が下がって
管路の水圧が上記隙間Sに充満している水の水圧よりも
低くなったような場合には、横倒弾性変形している突条
7が管路と上記隙間Sとの水圧差により元の状態(姿
勢)になるように図4の矢印F方向に付勢されるから、
その突条7が管体100の端部内面を強く押圧して隙間
Sに充満している水が管路に逆流するのを阻止する。こ
のため、上記隙間Sに充満している水が管路を流れる水
と入れ替わりにくくなる。すなわち、この場合には断面
形状がリップ形の突条7が上記隙間Sから管路に向かう
水の逆流を防止する弁つまり逆流防止弁としての機能を
果たすのである。
【0017】そして、上記隙間Sの容積はそれほど大き
いものではないので、その隙間Sに水が充満したとして
もその水に含まれる酸素の絶対量は少なく、そのために
管端101に対する防食効果が損なわれることは非常に
少ない。
いものではないので、その隙間Sに水が充満したとして
もその水に含まれる酸素の絶対量は少なく、そのために
管端101に対する防食効果が損なわれることは非常に
少ない。
【0018】この考案は上述したエルボに限らず、他の
種類の継手、例えばソケットやチーについても同様に適
用できる。また、この考案の管端防食継手は、給湯用配
管システムのみならず、水用配管システムにも用いるこ
とが可能である。
種類の継手、例えばソケットやチーについても同様に適
用できる。また、この考案の管端防食継手は、給湯用配
管システムのみならず、水用配管システムにも用いるこ
とが可能である。
【0019】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、管体の
内径寸法やテーパ外ねじに許容寸法公差範囲内のばらつ
きがあっても、樹脂製スリーブ部の弾性と、このスリー
ブ部と同一材料からなり一体形成された上記リップ形の
突条自身の弾性とが相俟って、上記ばらつきを無理なく
吸収して突条を管体のねじ込み方向に横倒弾性変形させ
た状態で管体の端部内面に弾性的に密着させて必要かつ
十分な水密性を確保させることができる。これによっ
て、管路を流れる水が管体の端部内面とスリーブ部との
隙間に入り込み、その水が管端に付着して管端を腐食さ
せるという事態を防止できるとともに、突条自身の突出
量は小さくてよいため、スリーブ部に対する管体の外嵌
合も無理なくスムーズに行なうことができる。また、万
一、横倒弾性変形した突条と管体の端部内面との密着箇
所から管路を流れる水がその突条と管体の端部内面との
隙間に押し入ったとしても、その隙間に入った水が管路
を流れる水と入れ替わったり、その隙間に管路から水が
継続して補給されるということをなくして、その隙間に
充満した水に含まれる酸素の絶対量を可及的に少なく抑
制し、所定の管端防食機能を十分に発揮させることがで
きるという効果を奏する。
内径寸法やテーパ外ねじに許容寸法公差範囲内のばらつ
きがあっても、樹脂製スリーブ部の弾性と、このスリー
ブ部と同一材料からなり一体形成された上記リップ形の
突条自身の弾性とが相俟って、上記ばらつきを無理なく
吸収して突条を管体のねじ込み方向に横倒弾性変形させ
た状態で管体の端部内面に弾性的に密着させて必要かつ
十分な水密性を確保させることができる。これによっ
て、管路を流れる水が管体の端部内面とスリーブ部との
隙間に入り込み、その水が管端に付着して管端を腐食さ
せるという事態を防止できるとともに、突条自身の突出
量は小さくてよいため、スリーブ部に対する管体の外嵌
合も無理なくスムーズに行なうことができる。また、万
一、横倒弾性変形した突条と管体の端部内面との密着箇
所から管路を流れる水がその突条と管体の端部内面との
隙間に押し入ったとしても、その隙間に入った水が管路
を流れる水と入れ替わったり、その隙間に管路から水が
継続して補給されるということをなくして、その隙間に
充満した水に含まれる酸素の絶対量を可及的に少なく抑
制し、所定の管端防食機能を十分に発揮させることがで
きるという効果を奏する。
【図1】この考案の実施例による管端防食継手の断面図
である。
である。
【図2】上記継手の使用状態を示す断面図である。
【図3】突条と管体の端部内面との密着状態を示す拡大
断面図である。
断面図である。
【図4】図1の一部を拡大した断面図である。
【図5】従来の継手の使用状態を示す断面図である。
1 継手本体 2 テーパ内ねじ 3 樹脂被覆層 4 樹脂製スリーブ部 7 突条 100 管体 X 管体のねじ込み方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−31793(JP,A) 実開 昭62−886(JP,U) 実開 昭60−23388(JP,U) 実開 昭52−162362(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 内面に樹脂被覆層が形成された継手本体
の端部にテーパ内ねじが設けられ、上記樹脂被覆層と一
体成形されて該樹脂被覆層から上記テーパ内ねじと同心
状に延設された樹脂製スリーブ部に上記テーパ内ねじに
ねじ込まれる管体の端部が外嵌合される管端防食継手に
おいて、 上記樹脂製スリーブ部の外周に、上記内ねじにねじ込ま
れてきた管体の端部内面に摺接して管体のねじ込み方向
に横倒弾性変形される断面形状がリップ形をなす上記ス
リーブ部と同一樹脂材料の突条がリング状に一体形成さ
れていることを特徴とする管端防食継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993055064U JPH089502Y2 (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | 管端防食継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993055064U JPH089502Y2 (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | 管端防食継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710677U JPH0710677U (ja) | 1995-02-14 |
JPH089502Y2 true JPH089502Y2 (ja) | 1996-03-21 |
Family
ID=12988262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993055064U Expired - Lifetime JPH089502Y2 (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | 管端防食継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089502Y2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52162362U (ja) * | 1976-06-02 | 1977-12-09 | ||
JPS6023388U (ja) * | 1983-07-25 | 1985-02-18 | 新菱冷熱工業株式会社 | ダクト継手構造 |
JPH0637953B2 (ja) * | 1984-07-24 | 1994-05-18 | 東尾メック株式会社 | 管 継 手 |
JPS62886U (ja) * | 1985-06-19 | 1987-01-07 |
-
1993
- 1993-10-12 JP JP1993055064U patent/JPH089502Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0710677U (ja) | 1995-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1142201A (en) | Corrosion resistant pipe joint | |
JPS6125957B2 (ja) | ||
US5056831A (en) | Fitting construction for connection of pipes and pipe assembly | |
JPH089502Y2 (ja) | 管端防食継手 | |
JPH0637953B2 (ja) | 管 継 手 | |
JP3307998B2 (ja) | 防食管継手 | |
JP2590835Y2 (ja) | 管継手 | |
JPH0134790Y2 (ja) | ||
JP2914700B2 (ja) | 管継手 | |
JP2577540Y2 (ja) | 管端防食構造 | |
JPH0137275Y2 (ja) | ||
JPH06185676A (ja) | 管継手 | |
JPH0533885A (ja) | 管継手 | |
JPH0435667Y2 (ja) | ||
JP3069838B2 (ja) | 管端防食構造 | |
JPS5832067Y2 (ja) | 内面被覆鋼管と管継手との接続部 | |
JPH0222546Y2 (ja) | ||
JP3106386B2 (ja) | 管端防食コア | |
JPH0618133Y2 (ja) | 管端防食継手 | |
JPH0410466Y2 (ja) | ||
JPH0212379Y2 (ja) | ||
JPS5832069Y2 (ja) | 管継手 | |
JPH0710150Y2 (ja) | 防食管継手 | |
JP2555119Y2 (ja) | 管継手 | |
JPS6112465Y2 (ja) |