JPH0533602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、梁材に設ける一つの受けプレートに
よつて柱の連結及び床パネルの支持の双方を行う
ことができ、梁材への加工工数を減じ、その加工
コストの低減と品質の向上とを計りうる床構造に
関する。

〔従来の技術〕

家屋の架構体の一部を構成する梁材には、通常
例えば第３図に示すように、家屋の通し柱ａを連
結する連結部分ａ１、家屋の間柱ｂを連結する連
結部分ｂ１及び家屋の床パネルｃを支持する支持
部分ｃ１が夫々形成される。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような連結部分ａ１，ｂ１
は、従来ボルト止め用の挿通孔を具えかつ梁材ｅ
の上フランジｅ１上に溶着されるカバー板ｆ，ｇ
によつて、又支持部分ｃ１は、前記上フランジｅ
１に端部を突き合わせて溶着される受板ｈによつ
て夫々別形成されているため、該形成に際し多く
の溶接加工工数を必要とし、加工コスト、及び部
材コストの上昇を招いていた。

さらに溶接加工は、一般に精度に劣るため、該
加工工数の増加に伴い、品質の低下を招き、又特
に受板ｈは端部溶接となるため、溶着強度にも問
題が生じやすい。

本考案は、基板部に受部を一体に設けた受けプ
レートを用いることを基本として、前記問題点を
解決しうる床構造の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため本考案の床構造は、梁
材の上面に載置され柱などの家屋架構体が連結さ
れる基板部に前記梁材の側端で下向きに傾いての
びる傾斜段差を介して側方に張出し上面が梁材の
上面と同高となる受部を一体に設けた受けプレー
トを、前記傾斜段差下面と梁材の側端とがなす空
所に溶接材を満たすことにより前記梁材に溶着す
るとともに、前記受部に、床パネルの側縁を支持
させている。

〔作用〕

梁材に溶着された受けプレートは、その基板部
によつて家屋の架構体を構成する通し柱及び間柱
等と連結する連結部分を又その受部によつて床パ
ネルを支持する支持部分を形成する。

このように１つの受けプレートによつて連結部
分及び支持部分双方を形成しうるため、該形成に
際しての梁材への加工工数を大巾に減じることが
でき、コストの低減と品質の向上とを可能とす
る。又端部溶接を排除しうるため、強度ばらつき
を招くことなく支持部分を形成することができ、
安全性を高めうる。又前記受部の上面は梁材の上
面と同高となるため、床パネルを受けプレートを
介して梁材に精度よく支持させることができ、施
工品質を向上しうるとともに、受けプレートは、
傾斜段差下面と梁材の側端とがなす空所に溶接材
を満たすことにより該梁材に溶着されるため、こ
の溶着作業を便宜としかつ取付強度を高めうる。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

図において床構造１は、梁材２に溶着される基
板部３に受部５を一体に設けた受けプレート６の
前記受部５に床パネル７を支持しており、前記梁
材２は家屋の架構体をなす柱体９間に架設され
る。

柱体９は、本例では、第２図に示すように、布
基礎上で立上がりかつ家屋の階下、階上を挿通し
てのびる通し状の角柱であり、その一側面９ａに
は、梁材２連結用の連結金具１１，１１が取付
く。

連結金具１１は、前記側面９ａにボルト止めさ
れる基片１２の一側に、ボルト挿通用の小孔１３
……を有する連結片１５を水平に突出したＬ字状
の基体１６を具え、該基体１６は前記基片１２を
連結片１５とで挟む挟み部Ｐに配される三角形状
の継ぎ片１７によつて補強される。

又連結金具１１，１１は、前記連結片１５間に
間隙Ｄを有して向き合わせて配され、該連結片１
５，１５間で梁材２の一端を支持する。

梁材２は、本例ではウエブ２０の上端に上フラ
ンジ２１を、又下端に下フランジ２２を設けたＩ
形鋼からなる。又該上フランジ２１には、前記柱
体９との連結位置Ｑ１即ち梁材２の両端位置、及
び間柱２３との連結位置Ｑ２即ち梁材２の中間位
置に夫々下孔２４……が形成されるとともに、該
連結位置Ｑ１，Ｑ２には受けプレート６……が溶
着される。

受けプレート６は、前記上フランジ２１と略同
巾を有しかつその上面に載置される矩形板状の基
板部３と、該基板部３の側縁で下向きに傾いての
びる傾斜段差２５を介して延設され上フランジ２
１側方に張出して水平にのびる段部５とを具える
とともに、該受けプレート６は、前記傾斜段差２
５下面と梁材２の上フランジ２１側端とがなす空
所に溶接材を満たすことにより前記梁材２に溶着
される。なお本例では受部５は基板部３の両側縁
に形成される。

又前記基板部３には前記下孔２４……と合う位
置にボルト止め用の孔部２７……が透設される。

従つて前記連結位置Ｑ１に設ける受けプレート
６Ａの基板部３は、前記小孔１３、孔部２７及び
下孔２４を通るボルト片をナツト止めすることに
より梁材２と柱体９とを連結する連結部分ａ１を
形成するとともに、連結位置Ｑ２に設ける受けプ
レート６Ｂの基板部３により梁材２と間柱２３と
を連結する連結部分ｂ１を形成している。なお間
柱２３は前記柱体９と同構成の角管状の基体３０
下端に、前記基板部３に沿いかつ孔部２７に合う
小孔２９を透設した脚片３１を有し、該小孔２
９、孔部２７及び下孔２４を通るボルトをナツト
止めすることにより基板部３で間柱２３を立設す
る。

又受けプレート６は前記傾斜段差２５を設ける
ことにより受部５を前記上フランジ２１と同高さ
に配置し、又傾斜段差２５下面と上フランジ２１
端面とがなす空所により溶接代Ｈを形成すること
によつて受けプレート６と上フランジ２１との溶
着を強固にかつ容易に行いうる。

又各受けプレート６の受部５上面には、梁材２
に沿つて配されることにより階上の床面Ｓを形成
する例えばコンクリートパネル体である床パネル
７の側縁が載置、支持される。

なお床パネル７としては、木質、鋼質等からな
る外枠上面に面材を敷設してなるパネル体を用い
ることもできる。

このように１つの受けプレート６により連結部
分ａ１，ｂ１及び支持部分ｃ１を形成しうるた
め、該部分ａ１，ｂ１，ｃ１の形成における加工
工数を大巾に低減することができ、低コスト化と
品質の向上を計ることができる。又上フランジ２
１上面に溶着される基板部３に一体に設ける受部
５により支持部分ｃ１を形成するため、該支持部
分ｃ１の強度を安定して高めることができ、従来
の端部溶接の溶着不良に起因する支持部分ｃ１の
脱落を防止し、安全性を向上しうる。

なおこのような梁材２を家屋の外壁側に配する
場合には、外壁側に突出する一方の受部５を排除
することができる。又受けプレート６は、前記連
結位置Ｑ１，Ｑ２の他、他の中間位置に設け、床
パネル７の支持のみのために用いてもよく、又ラ
チス梁である梁材２に受けプレート６を設けるこ
ともできる。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の床構造は、梁材に溶着す
る受けプレートの基板部によつて柱体、間柱等を
連結する連結部分を、又受部によつて床パネルを
支持する支持部分を夫々形成するため、該部分の
形成における加工工数を大巾に低減でき、コスト
の削減化及び品質の向上を計ることができる。又
前記受けプレートは、傾斜段差下面と梁材の側端
とがなす空所に溶接材を満たすことにより該梁材
に溶着されるため、この溶接作業を容易とし、か
つ受けプレートと梁材との取付強度を高めること
ができ、支持部分の強度を増し、安全性を向上し
うる。さらに前記受部は、梁材上面と同高となる
ため、床パネルを精度よく支持でき、施工品質を
向上しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図はその分解斜視図、第３図は従来技術を示す斜
視図である。 ２……梁材、３……基板部、５……受部、６…
…受けプレート、７……床パネル、２７……小
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 梁材の上面に載置され柱などの家屋架構体が連
   結されうる基板部に前記梁材の側端で下向きに傾
   いてのびる傾斜段差を介して側方に張出し上面が
   梁材の上面と同高となる受部を一体に設けた受け
   プレートを、前記傾斜段差下面と梁材の側端とが
   なす空所に溶接材を満たすことにより前記梁材に
   溶着するとともに、前記受部に、床パネルの側縁
   を支持させてなる床構造。