JP3055431U - 鉄骨造建築用の複合柱材 - Google Patents

鉄骨造建築用の複合柱材

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JP3055431U
JP3055431U JP1998004751U JP475198U JP3055431U JP 3055431 U JP3055431 U JP 3055431U JP 1998004751 U JP1998004751 U JP 1998004751U JP 475198 U JP475198 U JP 475198U JP 3055431 U JP3055431 U JP 3055431U
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▲高▼光 櫻庭
勉 榎本
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株式会社テスク
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄骨造建築に於て間取り自由度の大な梁優先
鉄骨構造を、安全、正確、且つ容易に施工出来るための
柱部材を提供する。 【解決手段】 金属製単柱材1の複数本を平行に配置
し、各単柱材1間に金属製ブレース4a,4bを一体化
固定し、柱機能とブレース機能とを兼備した鉄骨造建築
用の複合柱材とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、鉄骨造建築物用の柱部材であり、建材として予め工場生産しておき 、建築現場で横梁材と組立てるものであって、中低層の建物を構築するのに適し た柱部材である。
【0002】
【従来の技術(図5、図6)】 柱と梁とで構築する鉄骨造建造物に於て、各階の間取りの自由度を重視した観 点から、従来の柱優先構造(柱勝ち構造)に代えて梁優先構造(梁勝ち構造)が 提案されている。 図5及び図6に示すものは特開平2−85436号として提案された梁優先構 造の建築物に関するものである。
【0003】 即ち、基礎構造体6上に1階のみの柱10の全本数を立設固定し、各柱10の 頂部に1階の梁8を差渡して固定し、柱10と梁8との必要個所にブレース40 を固定して1階の骨組みを完成し、次いで、1階の梁8の上に2階用の全柱10 を立設固定し、2階柱の頂部に2階の梁8を差渡して柱10と固定し、各柱間の 必要個所にブレース40を固定している。
【0004】 そして、柱10と梁8との固定は、柱10の端部に固定した連結プレートPを 梁8とボルト締着し、またブレース40は、その取付け端に予め溶接した接合プ レート41をボルトbで柱10及び梁8に締着して達成する(図5)か、予め縦 材31と横材32とで形成した枠体30内にブレース40を接合プレート41で 取付けて耐力壁パネル20を形成しておき、該耐力壁パネル20を柱10間に嵌 合している(図6)。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
梁優先の鉄骨造にあっては、間取りの自由度が向上するが、単柱10が各階毎 に分割されて散在しているため、施工時には建物の水平応力に対する抗力に特に 配慮する必要があり、ブレース40の組込みは重要であるが、図5に示す各柱1 0間へのブレース40の取付けは現場施工である上に、各柱間寸法とブレース4 0の寸法との必要精度を得るのも容易でなく、しかも、ブレース施工前の柱10 は梁8の横移動抑制力が弱くて柱10が傾く危険もあり、従って、鉄骨造の骨組 構造に設計どおりのブレース機能を付与する作業は、危険、且つ困難な作業であ る。
【0006】 また、図6に示すブレース機能付与手段にあっては、各柱10間と枠体30の 嵌合精度、及び枠体30内へのブレース40の取付け精度が問題である上、やは り、ブレース機能を欠如する柱と梁との構造体の寸法管理を行ないながらの枠体 の嵌合は危険、且つ困難な作業である。また、耐力壁パネル20は耐水平応力機 能(ブレース機能)と共に垂直応力支承機能(柱機能)をも有するので、耐力壁 パネル20を適用する際の鉄骨造骨組構造に於ける耐垂直応力及び耐水平応力の 合理的設定が煩雑となる。 従って、耐力壁パネル20を適用する場合にあっても、設計上及び施工上複雑 且つ困難な作業となる。
【0007】 本考案は、梁優先構造の鉄骨造骨組み構造を、上述の如き危険、且つ困難な作 業を要せずに、簡便、且つ合理的施工作業によって達成出来るようにした新規な 柱材を提供とすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
本考案は、例えば図2及び図3に示す如く、金属製単柱材1の複数本を平行に 配置し、各単柱材1間に金属製ブレース4a,4bを一体化固定した鉄骨造建築 用の複合柱材である。 従って、該柱材B,B' ,B'',B''' は、2本以上の単柱材1がブレース( 斜材)によって結合されて一体固定化された部材であるため、建築物の構築時に 上下梁間に柱材として介在結合するだけで、垂直荷重を支承する柱機能と、水平 応力に耐えるブレース機能とを同時に発揮するものであるから、複合柱材B,B ’,B'',B''' を固定した上に重量物の横梁8を載置しても柱材B,B’,B '',B''' の梁方向揺れの生ずる心配もなく、従って、鉄骨造の骨組みが安全且 つ容易に遂行出来、建築物の構築施工時の煩雑なブレース付設作業も省略出来、 寸法精度の高い梁優先の鉄骨造建築物を安全、且つ容易に構築することが出来る 。
【0009】 また、各単柱材1が、上端にトッププレート2を下端にベースプレート3,3 aを一体化固定しているため、複合柱材を建築現場へ搬入するだけで梁と柱材と の結合は、柱材上下端の接合用プレートを梁面に慣用の固定手段(溶接、リベッ ト接合等)によって固定することにより施工が容易となる。 更に、各トッププレート及びボトムプレートにボルト孔hが予め設けてあるた め、柱材と梁との結合はボルト締着のみであり、施工が簡便、且つ容易である。
【0010】 また、ベースプレート3aがデッキプレート支承部Sを有するため、デッキプ レートの柱材との干渉を避けた切欠部の端縁をベースプレートが支承し、従って 、特別の手段を要することなくデッキプレートの均斉な支承が可能となる。
【0011】 また、複合柱材は、各単柱材1が角形鋼管であり、鋼製ブレース4a,4bの 各端が単柱材1の内側面に溶接一体化されたものであるから、複合柱材の製造に 際してはブレースの単柱材への溶接一体化作業が容易に、且つ高精度で実施出来 る。 更に、各ブレースが交叉配置され、交叉部が溶接一体化されているため、各ブ レースが四隅に固定点を有する一枚の剛体として機能し、ブレース機能が向上す る。
【0012】
【考案の実施の形態】
〔標準2本柱型(図2(B))〕 一辺100mmの正方形断面を有する一般構造用角形鋼管(肉厚:2・3mm)を 単柱材1として採用し、建物の上下梁間距離の長さ(2,550mm)に裁断した 2本の単柱材1,1を、図4に示す如く標準柱間隔(1800mm)に両側壁Eを 立設した定盤F上に、各単柱材1,1を側壁に当接配置し、幅100mm、厚さ5 0mmの矩形断面を有する角形鋼管(肉厚2・3mm)を定寸に裁断したブレース4 aの1本を定盤F上の柱材間に斜向配置してブレース4a両端をそれぞれ単柱材 1に溶接固定し、次いで、同一ブレース4aの他の1本を交叉斜向配置して同様 に各単柱材1に溶接固定すると共に、両ブレース4a,4bの交叉部も溶接固定 した。
【0013】 次いで、ブレース4aの2本を交叉形態で溶接一体化した2本柱の各一方側( 上方)の端部に、6mm肉厚で、幅125mm、長さ300mmで両側にボルト孔hを 備えたトッププレート2を溶接固定し、他方側(下方)の端部に、6mm肉厚、幅 175mm、長さ300mmで両側にボルト孔hを備えたベースプレート3aを溶接 固定した。
【0014】 出来た標準複合柱材Bは、図2(B)に示す如く、各トッププレート2及びベ ースプレート3aには梁に固定するためのボルト孔hを有している。尚、ベース プレート3aのトッププレートより幅広とした部分(50mm)は、鉄骨造の柱材 として梁と結合した状態では、梁より内方に延出してデッキプレート(図示せず )の切欠部(デッキプレートの柱材と干渉しないように切り落した部分)の端部 を支持するための支承部Sである。
【0015】 〔標準3本柱型(図1)〕 上述の標準2本柱型に更に1800mmの間隔でもう1本の単柱材を並設し、ブ レース4aの2本を交叉溶接し、図1中に使用状態で示した形状(B''' )とし た。この型式(3本柱型)の複合柱材はブレース機能が大であり、従って、図1 に示す如く、トッププレート2及びベースプレート3aを備えた単柱Aと併用す ることも可能である。
【0016】 〔狹間隔2本柱型(図2(A))〕 柱間距離が900mm以下の場所用としては、図2(A)に示す如く、各単柱材 1,1間の上下中間部に、ブレースと同一材料の矩形角形鋼管(100×50) の横架材5を入れ、横架材5の上方と下方にそれぞれブレース4bを斜向交叉さ せた形態に、単柱材1,1、横架材5、上下各交叉ブレース4a,4bを相互に 溶接一体化し、各単柱材1,1の上下端にトッププレート2及びベースプレート 3aを溶接一体化した。この複合柱材B’は、横架材で2分した上方と下方にそ れぞれブレースを設置するため、単柱材1,1間が狹くても各ブレースにはブレ ース機能を低下させることなく十分な斜向角度が付与出来た。
【0017】 〔隅3本柱型(図3)〕 図3に示す如く、狹間隔2本柱型の複合柱材B’(図2(A))を形成後、該 複合柱材B’を定盤上に立てて、更に1本の単柱材1を交叉ブレース4aによっ て溶接一体化した。この複合柱材B''は建物の隅部でしかも一方の柱間距離が狹 い(900mm以下)所に適用するものである。
【0018】 〔その他〕 複合柱材は、複数本の単柱材1と各種ブレースとを一体化した柱機能とブレー ス機能とを併せ持つ柱材であるから、例示した型式にとどまらず、図1に示す並 列3本型以外の並列4本型や隅4本型等各種型式を含むことは自明である。また 、各単柱材の上下端に固定するトッププレート及びベースプレートは、それぞれ 各単柱材1を梁又は基礎に強固に固定出来れば良いのであり、1階用の複合柱材 のベースプレート3にあっては、デッキプレート支承部Sを設ける必要はない。 但し、建築用材の管理上、上層階用の複合柱材を1階に転用することも可能であ る。また、単柱材、ブレース、トッププレート、ベースプレート等の肉厚や、複 合柱材B,B’,B'',B''' の配置形態等は当業者が鉄骨造建築物の設計に際 して適宜最適状態に決定する設計事項にすぎない。
【0019】 〔複合柱材の利用(図1)〕 鉄骨造建築物の構造設計に応じて、各種複合柱材を工場で製作し、施工現場に 搬入して鉄骨コンクリートの基礎構造体6のアンカーボルト7で1階用複合柱材 のベースプレート3をボルト孔hを介して固着する。尚1階用柱として強度上ブ レース機能の不要な個所には単柱A(図2(C))を混用する。 次いで、1階梁8の下面を各柱材上端のトッププレート2にボルト孔hを介し てボルト11で締着し、1階梁8の上面には2階柱として複合柱材B,B’,B '',B''' 及び単柱Aのベースプレート3aをボルト11で締着し、順次並設柱 材1の上に梁8を固定する仕方で鉄骨を組み上げる。
【0020】 順次立設する複合柱材B,B’,B'',B''' は柱機能及びブレース機能を有 する剛体であるので、長尺、且つ重量物である梁8を各柱材上に載置しても柱材 に梁方向横ぶれは生ずることなく、従って鉄骨の組み上げ作業が安全、且つ容易 に遂行出来た。尚、建物によっては、柱材として各種複合柱材のみとすることも 、各種複合柱材と単柱とを併用することも可能である。 また、コンクリート打設用のデッキプレート(図示せず)の敷設に際しては、 各柱材の内面と干渉する部分は切欠く必要があるが、該切欠いたデッキプレート 端部もベースプレート3aの支承部Sが支承するため、デッキプレートの敷設が 容易となった。
【0021】
【考案の効果】
本考案の複合柱材は、柱機能とブレース機能を兼備しているため、梁優先構造 の鉄骨造構造物の組み上げが柱材の横揺れの危険なく安全、且つ容易に遂行出来 、しかも複合柱材は工場生産で高精度寸法品として提供出来るため、梁優先構造 の鉄骨造建築の施工が、安全、高精度、迅速、且つ容易に遂行可能となる。
【0022】 また、複合柱材は、トッププレート2及びベースプレート3,3aを具備して いるため、現場での梁との組立てが容易であり、各プレートと梁とのボルト締着 で作業が容易に遂行出来る。しかも、ベースプレート3aには建物内方へ延出し たデッキプレート支承部Sがあるため、別途、支承部材を取付ける必要がなくて デッキプレート敷設作業も簡単に遂行出来る。 更に、単柱材1が角形鋼管であるため、工場でのブレース4a,4bの溶接固 定作業が正確且つ容易に遂行出来る。 しかも、ブレース4a,4bは斜向交叉部で溶接一体化されているため、各交 叉ブレースが一体の剛体部材として機能し、複合柱材のブレース機能が大である 。
【提出日】平成10年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 〔複合柱材の利用(図1)〕 鉄骨造建築物の構造設計に応じて、各種複合柱材を工場で製作し、施工現場に 搬入して鉄骨コンクリートの基礎構造体6のアンカーボルト7で1階用複合柱材 のベースプレート3をボルト孔hを介して固着する。尚1階用柱として強度上ブ レース機能の不要な個所には単柱A(図2(C))を混用する。 次いで、1階梁8の下面を各柱材上端のトッププレート2にボルト孔hを介し てボルト11で締着し、1階梁8の上面には2階柱として複合柱材B,B’,B '',B''' 及び単柱Aのベースプレート3aをボルト11で締着し、順次並設柱 材1の上に梁8を固定する仕方で鉄骨を組み上げる。 尚、梁8には慣用のガセットプレート18及びスチフナー9の補強手段を適用 した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の複合柱材を適用した鉄骨造建築物の骨
組みの略示斜視図である。
【図2】柱材の斜視図であって、(A)は本考案の複合
柱材の一種の狹間隔2本柱型を、(B)は本考案の複合
柱材の一種である標準2本柱型を、(C)は本考案複合
柱材と併用可能な単柱を示す図である。
【図3】本考案の複合柱材の一種である隅3本柱型の斜
視図である。
【図4】本考案複合柱材の製作状態説明図である。
【図5】従来の梁優先鉄骨造を示し、(A)は骨組の側
面を、(B)はブレース40の取付構造を示す図であ
る。
【図6】従来の梁優先鉄骨造のうち、ブレース40を枠
体内に組込んだ耐力壁パネル20を柱10間に嵌着する
型式を示す図である。
【符号の説明】
1…単柱材 2…トッププレート 3,3a…ベースプレート 4a,4b…ブレース 5…横架材 6…基礎構造体 7…アンカーボルト 8…梁 9…スチフナー 10…ガセットプレート 11…ボルト
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月21日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1…単柱材 2…トッププレート 3,3a…ベースプレート 4a,4b…ブレース 5…横架材 6…基礎構造体 7…アンカーボルト 8…梁 9…スチフナー 11…ボルト18 …ガセットプレート
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 601 E04B 2/56 601C 604 604G 611 611B 632 632B 632C 632D 632H 633 633A 651 651A 651D 651L 651S 652 652H 652M 1/08 1/08 1/24 1/24 A 5/40 5/40 E

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製単柱材(1)の複数本を平行に配
    置し、各単柱材(1)間に金属製ブレース(4a,4
    b)を一体化固定した鉄骨造建築用の複合柱材。
  2. 【請求項2】 各単柱材(1)が、上端にトッププレー
    ト(2)を下端にベースプレート(3,3a)を一体化
    固定している請求項1の複合柱材。
  3. 【請求項3】 各トッププレート(2)及びベースプレ
    ート(3,3a)が締着用のボルト孔(h)を具備して
    いる請求項2の複合柱材。
  4. 【請求項4】 ベースプレート(3a)が、デッキプレ
    ート支承部(S)を有する請求項3の複合柱材。
  5. 【請求項5】 各単柱材(1)が角形鋼管であり、鋼製
    ブレース(4a,4b)の各端が単柱材(1)の内側面
    に溶接一体化されている請求項1乃至4のいずれか1項
    の複合柱材。
  6. 【請求項6】 角形鋼管から成るブレース(4a,4
    b)が交叉配置され、該交叉部が溶接一体化されている
    請求項5の複合柱材。
JP1998004751U 1998-06-30 1998-06-30 鉄骨造建築用の複合柱材 Expired - Lifetime JP3055431U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100570086C (zh) * 2005-12-27 2009-12-16 洪百燿 一种钢构单元
CN109208757A (zh) * 2018-10-25 2019-01-15 安徽建筑大学 一种新型钢梁柱连接节点
KR101985208B1 (ko) * 2017-12-19 2019-06-03 삼성중공업 주식회사 족장 장치

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