JPH05335129A - Fe基軟磁性合金粉末およびその製造方法 - Google Patents
Fe基軟磁性合金粉末およびその製造方法Info
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Abstract
Fe基軟磁性合金粉末を得る。 【構成】Fe−Si−B系合金に所定量のAlを添加す
る。好適には更にNb等の元素を所定量添加する。この
ような組成の非晶質合金を熱処理後粉砕あるいは非晶質
合金粉末を熱処理することにより、組織の少なくとも3
0%が結晶質で、残部が非晶質である合金粉末とする。
Description
を有するFe基軟磁性合金粉末およびその製造方法に関
する。
ら、軟磁気特性に優れた合金粉末としては、Fe−Ni
合金粉末、Fe−Si−Al合金粉末、Fe−Si合金
粉末が知られており、これら粉末を用いた圧粉磁心が使
用されている。また最近ではFe系やCo系の非晶質合
金粉末も作製されており、これについても、圧粉磁心や
シールド材等の応用が検討されている。
気特性には優れるものの飽和磁束密度が低い問題点があ
り、Fe−Si−Al合金粉末、Fe−Si合金粉末に
ついては飽和磁束密度はFe−Ni合金粉末よりは高い
ものの、軟磁気特性は十分ではない。Fe系非晶質合金
粉末は飽和磁束密度は高いが磁歪が大きいため、軟磁気
特性は良好ではない。Co系非晶質合金粉末は磁歪が小
さいため軟磁気特性はFe系と比較して良好であるが、
飽和磁束密度が低く高価であるという問題点がある。
されたFe基非晶質合金を熱処理してその金属組織を1
00オングストローム程度の微結晶とすることにより、
従来のFe基非晶質合金より優れた軟磁気特性が得られ
ることが報告された(特開昭64−79342号公報、
特開平1−156452号公報、U.S.P.4,881,989
等)。このFe基軟磁性合金は、FeSiBを基準組成
とし、これにCuとNb等の高融点金属等を加えたもの
で組織が100オングストローム程度の微結晶よりな
り、飽和磁歪が小さくなっているため、軟磁気特性が改
善されている。この合金より作製した粉末も、良好な軟
磁気特性を示す(特開昭64−28301号公報)。し
かしながら、Cuを添加した場合には、Cu同士が寄り
集って組成ずれを引き起こす可能性がある。
粉末に代わる粉末軟磁性材料であって、しかも飽和磁歪
が極めて小さく、軟磁気特性に優れ、かつ十分な飽和磁
束密度をもつ新規なFe基軟磁性合金粉末を提供するこ
とを目的とする。更に、本発明は比較的低融点の金属メ
タロイド系合金であって、従来の超急冷装置および粉末
製造装置等を利用して製造することのできるFe基軟磁
性合金粉末を提供することを目的とする。
るため本発明者は、Fe基軟磁性合金について鋭意研究
の結果、Fe−Si−B系Fe基軟磁性合金にAlを添
加した場合、優れた軟磁気特性を示し、例えば極めて飽
和磁歪が低いこと、またこのようなFe−Si−B−A
l系Fe基軟磁性合金に下記M'で示される他の特定の
元素(金属)、特にNbを添加した場合に極めて優れた
軟磁気特性を示すことを見い出し、かつこの合金粉末を
製造する方法を見い出し、本発明に至ったものである。
一般式(Fe1-XMX)100-a-b-c-dSiaAlbBcM'
d(式中、MはCo及び/又はNi、M'はNb、Mo、
Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、P
d、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上
の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子
%を示し、それぞれ0≦x≦0.15、0≦a≦24、
2<b≦15、4≦c≦20、0≦d≦10を満たすも
のとする)により表わされるものであり、特にその組織
の少なくとも30%以上が結晶質(微細な結晶粒)で生
成されていることが好ましく、更に結晶質は鉄を主体と
したbcc固溶体から成るものである。また、M'とし
てはNbが好適である。
性特性の面から銅(Cu)は0.5原子%以下、好適に
は0.1原子%以下であり、最も好ましくはCuが全く
混入しないほうがよい。本発明のFe基軟磁性合金粉末
において、Feは原子比xが0から0.15の範囲でC
o及び/又はNiで置換することができる。Co及びN
iは、Feと負の相互作用パラメータを示すので、本発
明のFe基合金粉末を熱処理する際に生成するFeを主
体としたbcc固溶体に固溶し、bcc構造格子に置換
されるものと考えられる。これにより、bcc固溶体が
持つ、磁歪定数、結晶磁気異方性定数を低減できると考
えられる。本発明の合金粉末においてxが0≦x<0.
02、特にx=0、即ちNi(及び/又はCo)を全く
含まない場合には高透磁率が得られるため、高透磁率が
要求される用途、電磁シールド等の用途(の磁心材料)
に好適である。
0.02≦x≦0.15を満たすときは、高透磁率が得
られるだけでなく上述した磁歪定数、結晶磁気異方性定
数の低減という効果及び磁場熱処理により誘導異方性の
付与が大きいという効果が得られる。なお、Ni(及び
又はCo)の含有量xは好ましくは0.02≦x≦0.
15、更に好ましくは0.03≦x≦0.1である。
lを特定量(2原子%を超え15原子%以下)添加する
ことにより、結晶磁気異方性の小さい軟磁性を示す結晶
(Fe基bcc固溶体)の結晶化温度(TX1)と軟磁性
を阻害する結晶(例えばFe−B系結晶)の結晶化温度
(TX2)との温度差(△T)を大きくすることができ、
熱処理時のFe−B系結晶等の生成を抑制すると共に、
比較的低い温度の熱処理で軟磁気特性を導出することが
できる。図1にFeSiB系合金粉末にAlを添加した
場合の結晶化温度とAl量(原子%)との関係を示し
た。図1より、Al量を増加するとTX1は単調に減少す
るが、一方TX2はほぼ一定値をとり、TX1とTX2との温
度差(△T)が増加することがわかる。
%を超え15原子%以下、好ましくは2.5〜15原子
%、更に好ましくは3〜12原子%である。3〜12原
子%の範囲において、特に透磁率が高く、鉄損の小さい
合金粉末を得ることができる。なお、本発明の合金粉末
においてxが0≦x<0.02、特にx=0の場合に
は、Alの含有量bは好ましくは6〜12原子%、更に
好ましくは6〜10原子%、最も好ましくは7〜10原
子%とする。
パラメータが負であるため、Alを添加することにより
Feを主体とした固溶体中に固溶され、即ちα−Fe結
晶構造のFe原子の位置に置換される形で固溶されbc
c結晶を安定化するため、熱処置に結晶化されやすい環
境を作るものと推定される。従って、上述のようにAl
添加によって結晶磁気異方性の小さい結晶粒が選択的に
作成されるので、これによって優れた軟磁気特性が発現
すると思われる。
期状態(熱処理前)で非晶質化させる元素である。Si
の含有量aは0〜24原子%、好ましくは6〜18原子
%、更に好ましくは10〜16原子%である。Siの含
有量をこの範囲とすることにより、初期状態(熱処理
前)における非晶質形成能を高めることができるので好
ましい。
は6〜15原子%、更に好ましくは10〜14原子%で
ある。この範囲であれば充分な結晶化温度の温度差が得
られ、かつ非晶質化させやすいので好ましい。なお、B
の含有量9原子%を境にしてアモルファス形成能が異な
り、Bが9.5〜15原子%、特に10〜14原子%の
範囲ではAlを入れた場合の上記組成のアモルファス合
金のアモルファス形成能に優れ、熱処理後均一な結晶粒
が得られる。
上述のFe(M)、B、Si、Alであるが、更に耐食
性、磁気特性を向上させるために他の元素M'を加える
ことができる。M'としては、Nb、Mo、Zr、W、
Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、
Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種以上が挙げられ
る。さらにM'の添加は、基本組成のFe−Si−Al
−B合金の非晶質形成能を向上させる働きがある。
に軟磁気特性を阻害するFe−B系結晶の析出を抑制
し、又はFe−B系結晶の析出温度を高い温度に移動さ
せる効果があり、合金粉末の軟磁気特性を改善する。ま
た上記元素(金属)の添加は結晶粒の微細化に寄与す
る。V、Cr、Mn、Y及びRuは特に合金の耐腐食性
を改善するのに効果的である。C、Ge、P及びGaは
特にアモルファスを形成するのに効果がある。上記元素
の1以上を添加することができる。これら元素のうち特
にNb、Ta、W、Mn、Mo、Vが好ましい。このう
ち、Nbを加えた場合には軟磁気特性、特に抗磁力、透
磁率、鉄損が著しく改善される。これらの元素の添加量
dは、1〜10原子%、好ましくは1〜8原子%、更に
好ましくは1〜6原子%である。この範囲とすることに
より、非晶質形成能および磁気特性が劣化することを防
止することができる。
不可避的不純物を、目的とする特性が劣化しない程度に
含有している合金も本発明に含むものである。本発明の
Fe基軟磁性合金粉末は組織全体の少なくとも30%以
上(30%〜100%)が結晶質(微細な結晶粒)から
成り、合金組成の結晶粒以外の部分は主に非晶質であ
る。本発明では、結晶粒の割合が上記範囲にあるとき優
れた(軟)磁気特性を示す。なお、本発明では微細結晶
粒の割合が実質的に100%であっても優れた(軟)磁
気特性を示す。本発明のFe基軟磁性合金粉末において
は磁気特性の面から、組織全体の少なくとも60%以上
が微細な結晶粒から成ることが特に好ましく、80%以
上が微細な結晶粒から成ることが最も好ましい。
造を有しており、Feを主体としてSi、B、Al(場
合により更にNi及び/又はCo)が固溶していると考
えられる。この結晶粒は1000オングストローム以
下、好ましくは500オングストローム以下、更に好ま
しくは50〜300オングストロームの平均粒径を有し
ている。本発明では平均粒径が1000オングストロー
ム以下であることにより、優れた磁気特性が得られるも
のである。
る割合は、実験的にX線回折法等により評価することが
できる。即ち、完全に結晶化した状態(X線回折強度が
飽和した状態)のX線回折強度を基準とし、これに対す
る測定すべき磁性合金材料のX線回折強度の割合をもっ
て実験的に評価することができる。また、結晶化に伴い
小受るX線回折線のX線回折強度と、結晶化に伴い減少
する非晶質特有のハローによるX線回折強度との比から
評価することもできる。また、本発明において平均粒径
はX線回折図形のbccピーク反射(110)を用い、
シェラーの式(t=0.9λ/βcosθ)によって導
出したものである(カリティ著、新版X線回折要論(El
ement of X-ray Diffraction (Second Edition)、B.D.
Cullity)、 91〜94頁)。
下の方法によって製造することができる。
し非晶質合金粉末を製造する工程と、これを加熱し組織
の少なくとも30%以上を結晶質とする熱処理工程から
なる製造方法である。非晶質合金粉末の製造方法として
は、水アトマイズ法やガスアトマイズ法、スプレー法、
キャビテーション法、スパークエロージョン法、回転液
中射出法等がある。非晶質合金粉末は完全な非晶質状態
が望ましいが結晶質を含んでいてもよい。熱処理は組織
の少なくとも30%以上を結晶質とする目的で行なわ
れ、結晶化温度より高い温度に加熱される。
し非晶質合金薄帯あるいは非晶質合金フレークあるいは
非晶質合金線等の非晶質合金を得る工程と、この非晶質
合金をその結晶化温度より低い温度で脆化させるのに十
分な時間加熱し、脆化した非晶質合金を粉砕する工程
と、脆化した非晶質合金粉末をその結晶化温度より高い
温度に加熱し、組織の少なくとも30%以上を結晶質と
する熱処理工程からなる製造方法である。非晶質合金薄
帯、非晶質合金フレークあるいは非晶質合金線を得る方
法として、単ロール法、双ロール法、遠心急冷法、回転
液中紡糸法等がある。
し非晶質合金薄帯あるいは非晶質合金フレークあるいは
非晶質合金線等の非晶質合金を得る工程と、この非晶質
合金をその結晶化温度より低い温度で脆化させるのに十
分な時間水素を導入し、次いでこの脆化した非晶質合金
を粉砕する工程と、このようにして得た非晶質合金粉末
をその結晶化温度より高い温度に加熱し、組織の少なく
とも30%以上を結晶質とする熱処理工程からなる製造
方法である。水素を導入する方法として加圧下で非晶質
合金を水素雰囲気にさらすことや、あるいは水素製造電
解浴におけるカソードとして用いることにより電解的に
導入する方法がある。
し非晶質合金薄帯あるいは非晶質合金フレークあるいは
非晶質合金線等の非晶質合金を得る工程と、この非晶質
合金をその結晶化温度より高い温度に加熱し、組織の少
なくとも30%以上を結晶質とする熱処理工程と、得ら
れた合金を粉砕する工程からなる製造方法である。結晶
化温度より高い温度に加熱した合金は脆化し、容易にボ
ールミル、振動ミル等により粉砕できる。
を結晶化温度以上に加熱して熱処理し、少なくとも一
部、好ましくは試料全体の30%以上を結晶化すること
により得られる。このための熱処理は真空中あるいはア
ルゴンガスもしくは窒素ガスなど不活性ガス、H2等の
還元性ガスもしくは空気等の酸化性ガス雰囲気中で行な
う。熱処理温度は約200〜800℃程度、好ましくは
400〜700℃程度、更に好ましくは520〜680
℃程度とする。熱処理時間は0.1〜10時間程度、好
ましくは1〜5時間程度とすることが好ましい。また、
熱処理は無磁場中でも、また磁場を印加して行なっても
よい。本発明では上記の温度範囲で且つ上記範囲の熱処
理時間で上記組成の非晶質合金を熱処理することにより
本発明の特性に優れた軟磁性合金粉末を得ることができ
る。
を含有する溶湯からアルゴンガス1気圧雰囲気中で幅
1.0〜5mm程度、板厚約14〜20μmの急冷薄帯を
作成し、得られた薄帯を結晶化温度以下において窒素ガ
スの存在下で、約1時間熱処理した。熱処理された非晶
質薄帯をボールミルを用いて粉砕し粉末とした後、さら
に結晶化温度以上で同様に窒素ガスの存在下で、約1時
間熱処理した。
B、Nbの組成を変えて作成した合金粉末について、抗
磁力Hc(mOe)および飽和磁化Ms(emu/g)を示し
た。磁化測定は振動試料型磁力計を用いて最大印加磁場
18kOeの範囲で行なった。なお組成はICP分析によ
って決定した。
末(比較例1、市販品)及びFeCuSiBNb合金粉
末(比較例2、特開昭64−28301号公報に記載さ
れるCu含有するFe基軟磁性合金粉末)の抗磁力、飽
和磁化、を併せて表1に示した。
てはM’としてNbを含有する実施例7ではFeSiB
系に比べかなり低い値を示した。この値は、比較例2の
抗磁力(18 mOe)とほぼ同等の値を示している。また
実施例3、4では、飽和磁化を除いてFeSiB系アモ
ルファス合金と同等あるいはそれ以上の磁気特性を示し
た。
金粉末の抗磁力Hcの組成依存性を示す図であるが、線
で囲んだ組成範囲において、抗磁力100 mOe 以下の
良好な軟磁気特性を示した。又、図3は、FeSiAl
B合金粉末の飽和磁化Msの組成依存性を示す図である
が、抗磁力Hcが100 mOe 以下の組成範囲内で高い
飽和磁化165 emu/g を示す試料(Fe73Si8Al10
B9)が得られた。
晶質合金(比較例1)より小さい実施例4(Fe69Al
8Si14B9)及び実施例7(Fe68Al8Si14B9Nb
1)について、結晶定数a(オングストローム)、結晶
粒径D(オングストローム)、第1結晶化温度TX
1(℃)及び第2結晶化温度TX2(℃)を測定した。そ
の結果を表2に示す。
値は比較例2に比べ有意に大きいことを示している。ま
た表2からも明らかなように、本発明合金粉末は、熱処
理により結晶化することで鉄を主体とした300オング
ストローム程度のbcc固溶体の結晶粒が形成されてい
ることが確認された。また第1結晶化温度TX1はこれら
のFe基軟磁性合金粉末が従来の熱処理装置を利用して
製造可能な温度であり、更に第2結晶化温度TX2との差
も実施例4で95℃、実施例7で125℃、「比較例2
で30℃」であり、熱処理温度を適当に選ぶことにより
軟磁性を阻害する結晶の生成を充分抑制できることが示
された。
例9の合金(Fe66Si14Al8Nb3B9)について更に詳細な検
討を行なった結果について、以下説明する。まず片ロー
ル法によって幅2.8mm、厚17μmの薄帯を製造し、
液体急冷後、450℃で窒素ガス雰囲気中で1時間熱処
理した後、ボールミルを用いて粉砕した粉末、およびこ
の粉末を580℃で窒素ガス雰囲気中で1時間熱処理し
た後のX線回折像を得た。これらX線回折図形を図4に
示す。図中、(a)は450℃で熱処理した後、ボール
ミルを用いて粉砕した粉末の場合で、非晶質合金に典型
的なハローパターンが見られる。また(b)は580℃
で熱処理後の場合で、典型的なbcc結晶の回折ピーク
を示しており、低角度領域にはDO3構造の規則格子反
射を示すピークが認められる。
3B9)粉末の抗磁力Hc(mOe)の熱処理温度依存性を図
5に示した。図から明らかなように抗磁力Hcは580
℃で12mOeの最小値をとった後、熱処理温度の上昇と
ともに増加する。
(110)回折強度ピークの半値幅からシェラーの式を
用いて導出した結晶粒径D110(オングストローム)
及びbcc結晶の(110)回折ピークから求めた格子
定数a(オングストローム)の熱処理温度依存性を図6
に示した。図6から明らかなように、結晶粒径は熱処理
温度の上昇によらずほぼ140オングストローム程度と
なった。一方、格子定数は熱処理温度の上昇に伴い、徐
々に減少することがわかった。
有する溶湯からアルゴンガス1気圧雰囲気中で幅1.3
mm、厚さ18μmの非晶質薄帯を作成し、得られた薄帯
を結晶化温度以下において窒素ガスの存在下で、約1時
間熱処理した。熱処理した薄帯をボールミルを用いて粉
砕し粉末とした後、さらに結晶化温度以上で同様に窒素
ガスの存在下で、約1時間熱処理した。得られた粉末の
抗磁力Hc(mOe)の結果を表3に示す。
い実施例10〜25の合金粉末は50mOe以下の小さい
抗磁力を示した。 実施例26〜45比較例3
原子%を超えた合金粉末は、抗磁力が小さくなった。表
4からもわかるようにM’としてNb以外の元素を用い
た非晶質合金(実施例25〜45)においても、またN
bとそれ以外の元素を併用した場合にもいずれも優れた
磁気特性を示した。
発明のFe基軟磁性合金粉末によれば、Fe−Si−B
系合金にAlを添加することにより、軟磁性特性の優れ
た新規なFe基軟磁性合金粉末を得ることができる。ま
た本発明のFe基軟磁性合金粉末は良好な軟磁性を示す
結晶の結晶化温度と軟磁性を阻害する結晶の結晶化温度
との温度差が大きいので、従来の非晶質合金粉末の熱処
理温度範囲に比べて充分大きな熱処理温度範囲が得られ
る。
ば、Alを加えるとともにFeの一部をNi(Co)で
置換することにより、良好な軟磁気特性を得ることがで
きる。更に本発明によれば、Fe−Si−Al−B系合
金粉末にNb等の元素を添加することにより、優れた軟
磁性特性、特に極めて低抗磁力を有する新規なFe基軟
磁性合金粉末を得ることができる。
磁性特性を有するため、例えば圧粉磁心、シールド材等
の用途(の磁心材料)に好適に用いられる。
の関係を示す図。
との相関を示す図。
成との相関を示す図。
末及び結晶合金粉末の各X線回折図形を示す図。
温度依存性を示す図。
晶の結晶粒径及び格子定数の温度依存性を示す図。
Claims (11)
- 【請求項1】一般式(Fe1-xMx)100-a-b-c-dSiaA
lbBcM'd(式中、MはCo及び/又はNi、M'はN
b、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、M
n、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる
1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、
c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0≦
a≦24、1≦b≦20、4≦c≦30、0≦d≦10
を満たすものとする)で表わされることを特徴とするF
e基軟磁性合金粉末。 - 【請求項2】一般式(Fe1-XMX)100-a-b-c-dSiaA
lbBcM'd(式中、MはCo及び/又はNi、M'はN
b、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、M
n、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる
1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、
c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.15、0
≦a≦24、2<b≦15、4≦c≦20、0≦d≦1
0を満たすものとする)で表わされることを特徴とする
Fe基軟磁性合金粉末。 - 【請求項3】組織の少なくとも30%以上が結晶質から
成り、残部は非晶質であることを特徴とする第1項記載
のFe基軟磁性合金粉末。 - 【請求項4】前記結晶質が鉄を主体としたbcc固溶体
であることを特徴とする第2項記載のFe基軟磁性合金
粉末。 - 【請求項5】M'がNbである第1項記載のFe基軟磁
性合金粉末。 - 【請求項6】形状が偏平状あるいは球状あるいは不規則
な粒形状であり、最大寸法が200μm以下であること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記
載のFe基軟磁性合金粉末。 - 【請求項7】前記組成の合金溶湯を超急冷し非晶質合金
粉末を製造する工程と、これを加熱し組織の少なくとも
30%以上を結晶質とする熱処理工程からなることを特
徴とするFe基軟磁性合金粉末の製造方法。 - 【請求項8】請求項6の非晶質合金粉末を、アトマイズ
法あるいはキャビテーション法により製造することを特
徴とするFe基軟磁性合金粉末の製造方法。 - 【請求項9】前記組成の合金溶湯を超急冷し非晶質合金
薄帯あるいは非晶質合金フレークあるいは非晶質合金線
等の非晶質合金を得る工程と、この非晶質合金をその結
晶化温度より低い温度で脆化させるのに十分な時間加熱
し、脆化した非晶質合金を粉砕する工程と、このように
して得た非晶質合金粉末をその結晶化温度より高い温度
に加熱し、組織の少なくとも30%以上を結晶質とする
熱処理工程からなることを特徴とするFe基軟磁性合金
粉末の製造方法。 - 【請求項10】前記組成の合金溶湯を超急冷し非晶質合
金薄帯あるいは非晶質合金フレークあるいは非晶質合金
線等の非晶質合金を得る工程と、この非晶質合金をその
結晶化温度より低い温度で脆化させるのに十分な時間水
素を導入し、次いでこの脆化した非晶質合金を粉砕する
工程と、このようにして得た非晶質合金粉末をその結晶
化温度より高い温度に加熱し、組織の少なくとも30%
以上を結晶質とする熱処理工程からなることを特徴とす
るFe基軟磁性合金粉末の製造方法。 - 【請求項11】前記組成の合金溶湯を超急冷し非晶質合
金薄帯あるいは非晶質合金フレークあるいは非晶質合金
線等の非晶質合金を得る工程と、この非晶質合金をその
結晶化温度より高い温度に加熱し、組織の少なくとも3
0%以上を結晶質とする熱処理工程と、得られた合金を
粉砕する工程からなることを特徴とするFe基軟磁性合
金粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13919592A JP3655321B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | Fe基軟磁性合金粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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