JP2011171612A - Fe基軟磁性合金粉末及びその製造方法、ならびに、前記Fe基軟磁性合金粉末を用いたVHF帯域用磁性シート及び成形体、VHF帯域用磁心 - Google Patents

Fe基軟磁性合金粉末及びその製造方法、ならびに、前記Fe基軟磁性合金粉末を用いたVHF帯域用磁性シート及び成形体、VHF帯域用磁心 Download PDF

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Abstract

【課題】 特に、VHF帯域にて性能係数Q及び複素比透磁率の実数部μ´が共に高いFe基軟磁性合金粉末及びその製造方法、ならびに、前記Fe基軟磁性合金粉末を用いたVHF帯域用磁性シート及び成形体、VHF帯域用磁心を提供することを目的としている。
【解決手段】 本発明のFe基軟磁性合金粉末は、組織が前記bcc相と、前記bcc相と異なるX線回折ピークを持つ第2結晶相とを有する複相組織で構成され、前記bcc相の平均結晶粒径は、50nm以下であり、前記bcc相のピーク強度(I1)と、前記第2結晶相のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が10%以上で30%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
【選択図】 図6

Description

本発明は、性能係数Q及び複素比透磁率の実数部μ´が共に高いFe基軟磁性合金粉末及びVHF帯域用磁性シート及び成形体、VHF帯域用磁心に関する。
VHFアンテナ用に使用される磁心には、VHF帯域にて、高い複素比透磁率の実数部μ´及び性能係数Qが求められる。
しかしながら、下記に示す特許文献には、いずれも、VHF帯域において、複素比透磁率の実数部μ´及び性能係数Qの双方を高くできる磁性材料は記載されていない。
特開2007−119922号公報 特開2008−172099号公報 国際公開第2008/018179号のパンフレット 特開2002−151316号公報 特開2007−182594号公報 特開2007−537637号公報 特開平11−354973号公報 特開昭64−39347号公報 特開2004−179270号公報
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、VHF帯域にて性能係数Q及び複素比透磁率の実数部μ´が共に高いFe基軟磁性合金粉末及びその製造方法、ならびに、前記Fe基軟磁性合金粉末を用いたVHF帯域用磁性シート及び成形体、VHF帯域用磁心を提供することを目的としている。
本発明におけるFe基軟磁性合金粉末は、アモルファス相を主体とする合金材料を熱処理することにより得られるものであり、
組織が前記bcc相と、前記bcc相と異なるX線回折ピークを持つ第2結晶相とを有する複相組織で構成され、
前記bcc相の平均結晶粒径は、50nm以下であり、
前記bcc相のピーク強度(I1)と、前記第2結晶相のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が10%以上で30%以下の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明のFe基軟磁性合金粉末は、bcc相のほかに、前記bcc相と異なるX線回折ピークを持つ第2結晶相を析出させる。この第2結晶相は、Feと、Fe以外の元素を含む化合物相や単体相であるが、特に析出相は(FeSi)3B相、Fe2Nb相等と考えられる。本発明では、この第2結晶相をある程度析出させている。本発明では、前記bcc相のピーク強度(I1)と、前記第2結晶相のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を10%以上で30%以下とした。
これにより、複素比透磁率の実数部μ´とともに性能係数Qの双方を高くすることができる。
本発明では、前記ピーク強度比率が、15%以上であることが好ましい。
また本発明では、前記bcc相の平均結晶粒径は、35nm以下であることが好ましい。
また本発明では、アモルファス状態におけるTx1/Tm(end)が、K換算で、0.5以上であることが好ましい。
ここでTx1は、昇温速度20℃/minで測定したDSC曲線にて、bcc相の結晶化開始温度を示し、Tm(end)は、吸熱曲線の終わりの温度(熱流が融点Tmを示す吸熱ピークからベースラインに戻ったときの温度)を示す。
Tx1/Tmは、均一な微細結晶組織を形成する上で重要なファクターである。本発明のFe基軟磁性合金粉末は、例えば、アトマイズ法で製造した後、熱処理を施してbcc相と第2結晶相とを析出させたものであり、Tx1/Tm(end)を上記のように調整することで、熱処理前の状態ではアモルファス相を主体に形成出来る。このように熱処理前の状態がアモルファス主体であると、熱処理により、均一な微細結晶組織を形成することができる。また、アトマイズ法は、金属リボンとして合金を得る液体急冷法に比較して、均一な球状合金粉末を得られる反面、合金溶湯の冷却速度が低いためアモルファスになりにくいが、Tx1/Tm(end)を上記のように調整することで、アトマイズ法でもアモルファス主体の球状合金粉末を得ることが容易となる。
また本発明では、Tx1/Tm(end)が、K換算で、0.55以上であることがより好ましい。
また本発明では、組成式が、Fe100-a-b-c-d-eSiabcCrdeで示され、Xは、B,P,Cのうち少なくともいずれか1種、Yは、Nb,Moのうち少なくともいずれか1種、Qは、Co,Ni,Cu,Alのうち少なくともいずれか1種であり、0at%≦a≦21at%、3at%≦b≦15at%、1at%≦c≦6at%、0at%≦d≦5at%、0at%≦e≦5at%であることが好ましい。また本発明では、12.5at%≦a≦15.5at%、6at%≦b≦10at%、2at%≦c≦5at%、0.1at%≦e≦2at%であることがより好ましい。また、2at%≦d≦4at%であることがより好ましい。
また本発明では、アトマイズ法でアモルファス主体の均一な球状合金粉末を得ることができ、Fe基軟磁性合金粉末を均一に扁平化することができる。
また本発明では、Fe基軟磁性合金粉末の平均粉末粒径(D50)が、10μm〜70μmの範囲内であることが好ましい。
また本発明におけるVHF帯域用磁性シートは、マトリクス材料と、上記のいずれかに記載のFe基軟磁性合金粉末で形成された扁平粉末とを含み、前記扁平粉末の扁平な面がシート面内に配向していることを特徴とするものである。
また、本発明の成形体はマトリクス材と、上記いずれかに記載のFe基軟磁性合金粉末で形成された扁平粉末とを含み、前記扁平粉末の扁平な面がシート面内に配向していることを特徴とするものである。
本発明では、上記した磁性シートの作製により、扁平粉末の扁平な面をシート面内に効果的に配向させることが出来る。そして、VHF帯域用磁性シートを複数枚、積層したVHF帯域用磁心とすることで、前記磁心に含まれる扁平粉末全体をシート面内方向に配向させることができる。そして、前記磁心をVHFアンテナの磁心(コア)として使用することで、アンテナ特性を向上させることができる。また、上記した磁性成形体をVHFアンテナの磁心として使用することで、より安価な製造コストにてアンテナ特性を向上させることができる。
また本発明におけるFe基軟磁性合金粉末の製造方法は、
アトマイズ法にてアモルファス単相もしくはアモルファス相を主体としたFe基軟磁性合金粉末を作製した後、熱処理を施し、bcc相の結晶化開始温度をTx1、第2結晶相の結晶化開始温度をTx2(ただし、Tx2>Tx1)としたとき、
熱処理温度を、前記結晶化開始温度(Tx1)から50℃以上高く、前記結晶化開始温度(Tx2)から−70℃〜300℃の温度範囲内で熱処理を行い、平均結晶粒径が50nm以下のbcc相と前記第2結晶相とを析出させることを特徴とするものである。
本発明では、bcc相の結晶か開始温度(Tx1)付近でなく、それよりもある程度高い熱処理温度に設定する。そして、上記により、本発明では、bcc相と第2結晶相の双方を適切に析出させ均一な微細結晶組織を形成できるとともに、bcc相のX線回折のピーク強度(I1)と、第2結晶相のX線回折のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を10%以上で30%以下の範囲内に調製することが出来る。
また本発明では、前記熱処理温度を、前記結晶化開始温度(Tx1)から80℃以上高く、前記結晶化開始温度(Tx2)から−60℃〜100℃の温度範囲内で熱処理を行うことが好ましい。
本発明によれば、VHF帯域にて、複素比透磁率の実数部μ´及び性能係数Qの双方を効果的に高くできる。
本実施形態における磁性シートを厚さ方向に切断して現れる部分拡大縦断面図、 本実施形態における磁心を備えるVHFアンテナを高さ方向に切断して現れる縦断面図、 表1の磁性粉末1におけるTx1、Tx2、Tm(start)、Tm(end)の定義を示すDSC曲線図、 表1の磁性粉末2におけるTx1、Tx2、Tm(start)、Tm(end)の定義を示すDSC曲線図、 (a)は実施例である磁性粉末1におけるX線回折図、(b)は実施例である磁性粉末2におけるX線回折図、 (a)は図4(a)の一部を拡大した部分拡大X線回折図、(b)は図4(b)の一部を拡大した部分拡大X線回折図、 (a)は、表2に示す試料1〜6を製造する際に行った熱処理温度と、bcc相のピーク強度(I1)に対する各化合物相(1)(2)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)との関係を示すグラフ、(b)は、表2に示す試料7〜12を製造する際に行った熱処理温度と、bcc相のピーク強度(I1)に対する各化合物相(1)(2)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)との関係を示すグラフ、 (a)は、表2に示す試料1〜6を製造する際に行った熱処理温度と、bcc相、化合物相(1)(2)の各平均結晶粒径との関係を示すグラフ(熱処理温度を595℃程度とした場合の実験結果も合わせて掲載)、(b)は、表2に示す試料7〜12を製造する際に行った熱処理温度と、bcc相、化合物相(1)(2)の各平均結晶粒径との関係を示すグラフ(熱処理温度を595℃程度とした場合の実験結果も合わせて掲載)、 (a)(b)(c)は、表2の試料1〜6を製造する際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)との関係、複素比透磁率の虚数部μ″(100MHz)、性能係数Q(100MHz)との関係を示すグラフ(熱処理温度を595℃、750℃とした場合の実験結果も合わせて掲載)、(d)(e)(f)は、表2の試料1〜6を製造する際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)、複素比透磁率の虚数部μ″(200MHz)、性能係数Q(200MHz)との関係を示すグラフ(熱処理温度を595℃、750℃とした場合の実験結果も合わせて掲載)、 (a)(b)(c)は、表2の試料7〜12を製造する際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)との関係、複素比透磁率の虚数部μ″(100MHz)、性能係数Q(100MHz)との関係を示すグラフ(熱処理温度を595℃、750℃とした場合の実験結果も合わせて掲載)、(d)(e)(f)は、表2の試料7〜12を製造する際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)、複素比透磁率の虚数部μ″(200MHz)、性能係数Q(200MHz)との関係を示すグラフ(熱処理温度を595℃、750℃とした場合の実験結果も合わせて掲載)、 (a)は、磁性粉末1を用いた各磁性シート(試料1〜6;図には各試料に対する熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の実数部μ´との関係を示すグラフ、(b)は、磁性粉末1を用いた各磁性シート(試料1〜6;図には各試料に対する熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフ、(c)は、磁性粉末2を用いた各磁性シート(試料7〜12;図には各試料に対する熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の実数部μ´との関係を示すグラフ、(d)は、磁性粉末2を用いた各磁性シート(試料7〜12;図には各試料に対する熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフ、 磁性粉末2を用いて、試料7〜12とは別に作製した磁性シートの周波数と複素比透磁率の実数部μ´及び虚数部″との関係を示すグラフ。
図1は、本実施形態における磁性シートを厚さ方向に切断して現れる部分拡大縦断面図、図2は、本実施形態における磁心を備えるVHFアンテナを高さ方向に切断して現れる縦断面図、である。
図1に示すように本実施形態の磁性シート1は、扁平加工された多数のFe基軟磁性合金粉末2と、マトリクス材3とを有して構成される。
マトリクス材3としては、シリコーン樹脂、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマ(EPDM)、クロロプレン、ポリウレタン、塩化ビニル、飽和ポリエステル、ニトリル樹脂等を選択できる。また、リン酸エステル、赤燐、三酸化アンチモン、カーボンブラック、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ヘキサブロモベンゼン、メラミン誘導体、臭素系、塩素系、白金系等の難燃剤を添加してもよい。
Fe基軟磁性合金粉末の含有量は、30〜70体積%の範囲内であることが好ましい。これにより所望のシート特性を得ることが出来る。
磁性シート1を製造するには、まずFe基軟磁性合金の溶湯を水に噴出して急冷する、水アトマイズ法によりアモルファス単相もしくはアモルファスを主体とする合金粉末を作製する。なおFe基軟磁性合金粉末の製造方法としては水アトマイズ法に限定されず、ガスアトマイズ法を用いてもよい。また水アトマイズ法、ガスアトマイズ法の処理条件については、原料の種類に応じて通常行われる条件を用いることが出来る。一方、液体急冷法により製造された急冷薄帯であると、アモルファス合金を得やすい半面、薄帯を均一微細な扁平粉に粉砕することが困難であるのでアトマイズ法を使用し、最初から球状粉末状で製造することが好適である。
そして得られた球状のFe基軟磁性合金粉末を分級して粒度を揃えた後に、合金粉末を扁平加工する。扁平加工に用いるミルは、アトライタ、ビーズミル、ボールミル、ピンミル等の各種ミルを用いることが出来るが、特にビーズミルを用いることが好適である。その後、所定条件で熱処理を施す。熱処理条件については後述する。
次に、磁性シート1を構成するマトリクス材料の液状体中に上記の扁平粉末を混合させて混合液を作製した後に、混合液をシート化することにより磁性シート1を作製する。シート成形方法は、ドクターブレード法や押し出し成形等が好ましい。なお、上記した熱処理は、磁性シート状に成形した後、行ってもよいし、Fe基軟磁性合金粉末の製造段階とともに、磁性シート状に成形した後の双方に対して行うことも可能である。
また、上記は磁性シートを作製しそれらを積層して磁心4を形成しているが、所定の形状の磁心4を射出成形等の成形手段で一度に成形することも可能である。
本実施形態の磁性シート1の厚さは特に限定されないが、磁性シート4の厚さを薄くしても、具体的には1mmより薄くしても磁性シートを使用するデバイスに適したシート特性を得ることが出来る。なお、本実施形態の磁性シート1は、例えば、後述するように複数枚を積層して、ある所定厚の磁心4を形成するのに使用されるが、かかる場合、磁性シート1の厚みを薄くしすぎると、積層する枚数が多くなりすぎるため、具体的には、100μm前後から1mm程度の範囲内にて磁性シート1の厚みを調整することが好適である。
本実施形態におけるFe基軟磁性合金粉末2は、組織が、bcc相と、前記bcc相と異なるX線回折ピークを持つ第2結晶相とを有する複相組織で構成される。そして本実施形態では、bcc相のピーク強度(I1)と、第2結晶相のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が10%以上で30%以下となっている。
このように本実施形態のFe基軟磁性合金粉末2は、bcc相のほかに、bcc相と異なるX線回折ピークを持つ第2結晶相を有する。bcc相は、α−Fe単相やFe固溶体である。第2結晶相は、Feと、Fe以外の元素を含む化合物相や単体相である。化合物相は、(FeSi)3B相、Fe2Nb相等と考えられる。第2結晶相は、X線回折ピークが異なる複数相、存在してもよい。
本実施形態では、上記したように、ピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を10%〜30%として、第2結晶相をある程度、析出させている。ここで、bcc相のピーク強度および第2結晶相のピークは、X線回折結果より認識されるピークの最大のものを用いた。bcc相のピーク強度(I1)はd≒1.014Å(λ=1.78997Åの波長を用いたX線回折で2θ=52.72〜52.76°)付近の回折ピークにより求め、第2結晶相(化合物相)の回折ピーク強度(I2)は、d≒2.058Å(λ=1.78897Åの波長を用いたX線回折で2θ=51.51〜51.54°)付近のピークにより求めた。上記のように、ピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を規制することで、複素比透磁率の実数部μ´及び性能係数Qの双方を高くすることが出来る。性能係数Qはμ´/μ″(μ″は複素比透磁率の虚数部)で求めることが出来る。
また本実施形態では、bcc相の平均結晶粒径を、50nm以下に微細結晶化できる。このように微細な結晶組織にできることで、複素比透磁率の実数部μ´及び性能係数Qの双方を効果的に高くできる。
本実施形態では、前記ピーク強度率((I2/I1)×100)(%)を10%以上に調整することが好ましく、15%以上に調製することがより好適である。また、bcc相の平均結晶粒径を35nm以下とすることが好ましい。
次に、本実施形態におけるFe基軟磁性合金粉末2は、Tx1/Tm(end)が、K換算で、0.5以上であることが好ましい。
図3−1と図3−2は、後述する表1の磁性粉末1及び2の組成を有するFe基軟磁性合金粉末2のDSC曲線(一例)である。
図3−1、図3−2に示すように、DSC曲線には少なくとも2回の発熱ピークが発現する。低温側の発熱ピークはbcc相の析出を示しており、発熱曲線の始まりの温度(ベースラインから発熱ピークに向けて熱流が上昇し始めるときの温度)がbcc相の結晶化開始温度Tx1である。bcc相の析出による発熱曲線のピークが「Tx1 Peak」である。また、高温側の発熱ピークは第2結晶相の析出を示しており、発熱曲線の始まりの温度が結晶相の結晶化開始温度Tx2である。また、第2結晶相の析出による発熱曲線のピークが「Tx2 Peak」である。ここで、第2結晶相とは第1結晶相(bcc相)の次に高い温度で出てくる結晶相のことであり、さらに第3結晶相が出てくることを妨げるものでない。なお、Tx1、Tx2、Tm等の値は昇温速度20℃/分の条件にて測定した値である。
また図3−1、図3−2に示すように、発熱ピークよりもさらに高温側に、融点Tmを示す吸熱ピークが発現する。この吸熱曲線の始まりの温度(熱流がベースラインから吸熱ピークに向けて下降し始めるときの温度)がTm(start)で、終わりの温度(熱流が融点Tmを示す吸熱ピークから上昇してベースラインに戻ったときの温度)がTm(end)である。また、降温時、発熱反応が始まる温度がTm(down)である。
Tx1/Tm(end)は、均一な微細結晶組織を形成する上で重要なファクターである。本実施形態のFe基軟磁性合金粉末は、例えば、アトマイズ法でアモルファス単相もしくはアモルファス相を主体とした合金粉末を製造した後、熱処理を施してbcc相と第2結晶相とを析出させることが好ましいが、Tx1/Tm(end)を上記のように調整することで、熱処理前の状態(急冷直後の状態)ではアモルファス相を主体に形成出来る。ここで「アモルファス主体」とは、組織全体がアモルファス相であってもよいし、アモルファス相以外にわずかに(50%以下程度、より好ましくは30%以下)結晶質が存在してもよいことを指す。このように熱処理前の状態(急冷直後の状態)がアモルファス主体であると、その後の熱処理により、均一な微細結晶組織を形成することができる。
Tx1/Tm(end)は、K換算で、0.55以上であることが好ましい。
本実施形態におけるFe基軟磁性合金粉末は、例えば、組成式が、Fe100-a-b-c-d-eSiabcCrdeで示され、Xは、B,P,Cのうち少なくともいずれか1種、Yは、Nb,Moのうち少なくともいずれか1種、Qは、Co,Ni,Cu,Alのうち少なくともいずれか1種であり、0at%≦a≦21at%、3at%≦b≦15at%、1at%≦c≦6at%、0at%≦d≦5at%、0at%≦e≦5at%である。
本実施形態では、12.5at%≦a≦15.5at%、6at%≦b≦10at%、2at%≦c≦5at%、0.1at%≦e≦2at%であることが好ましい。また、2at%≦d≦4at%であることが好ましい。
これにより、熱処理前の状態(急冷直後の状態)をアモルファス主体に形成しやすく、また、Tx1、Tx2、Tm(end)等を所定範囲内に収まるように調整しやすい。
本実施形態でのFe基軟磁性合金粉末2の平均粉末粒径(D50)は、10μm〜70μmの範囲内であることが好ましい。平均粉末粒径は、累積50%粒径(D50)であり、粒度分布計(NikkisoのMicrotrac MT3000)で測定したものである。また扁平状のFe基軟磁性合金粉末2のアスペクト比(縦横比)は、10〜700の範囲内であり、厚みは、0.1μm〜10μm程度であることが好適である。
図1に示すように本実施形態の磁性シート1に含まれる扁平状のFe基軟磁性合金粉末2は、扁平な面2aが、シート面内に配向している(シート面と平行な面方向を向いている)。
そして、図2に示すように複数の磁性シート1が積層された磁心4が形成される。磁心4の厚さは1mm以上であることが好ましい。磁心4の周囲は、FR4基板5で囲まれ、更にコイル層6が巻回されてVHF用のループアンテナ7が構成されている。図2の磁心4は上記のように磁性シート1を積層して形成されているが、射出成形等の手段により一度に磁心4のような形状を成形しても良い。
本実施形態におけるFe基軟磁性合金粉末2を含有した磁性シート1では、VHF帯域(30MHz〜300MHz、好ましくは、70MHz〜250MHz、70MHz〜150MHz)にて、高い性能係数Q及び複素比透磁率の実数部μ´を得ることが出来る。具体的には、100MHzにて、複素比透磁率の実数部μ´を3以上にでき、性能係数Qを10以上に出来る。また、200MHzにおいても、複素比透磁率の実数部μ´を3以上にでき、性能係数Qを10以上に出来る。また、複素比透磁率の実数部μ´を10以上にすることも可能であり、また、性能係数Qを20以上に調整することも可能である。
そして、このように、VHF帯域にて優れた複素比透磁率の実数部μ´及び性能係数Qを発揮する磁性シート1を用いて、VHF用のループアンテナ7を構成する磁心4を形成することで、アンテナ特性を効果的に向上させることができる。特に、Fe基軟磁性合金粉末2がシート面内に配向した磁性シート1を複数枚、積層して所定厚の磁心4を形成することで、磁心4に含まれる全てのFe基軟磁性合金粉末2を適切にシート面内に配向させることが可能になり、効果的に、アンテナ特性の向上を図ることが出来る。
なお、製品によっては射出成形等で、Fe基軟磁性合金粉末とマトリクス材を有して構成される磁心を形成することも可能である。
本実施形態のFe基軟磁性合金粉末の製造方法では、所定の熱処理を施して、アモルファス主体の状態から図3のDSC曲線に示すようにbcc相及び第2結晶相の双方を析出させる。このとき、熱処理温度を、bcc相の結晶化開始温度(Tx1)から50℃以上高く、第2結晶相の結晶化開始温度(Tx2)から−70℃〜300℃の温度範囲内に設定する。ここでTx2は、昇温速度20℃/分の条件で測定した場合のDSC曲線にてbcc相の結晶化開始温度Tx1の次に現れる結晶化開始温度である。また熱処理時間を5min以上240min以内に設定する。
これにより、bcc相と第2結晶相の双方を適切に析出させ均一な微細結晶組織を形成できるとともに、平均結晶粒径が50nm以下で形成されたbcc相のX線回折のピーク強度(I1)と、第2結晶相のX線回折のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を10%以上で30%以下の範囲内となるように簡単且つ適切に調整できる。
本実施形態では、前記熱処理温度を、bcc相の結晶化開始温度(Tx1)から80℃以上高く、第2結晶相の結晶化開始温度(Tx2)から−60℃〜100℃の温度範囲内に設定することが好ましい。更には、第2結晶相の結晶化開始温度(Tx2)から−50℃〜50℃の温度範囲内に設定することがより好ましい。
本実施形態では、熱処理温度をbcc相の結晶化開始温度(Tx1)付近とせず、Tx1よりもある程度高い温度に設定する。これは、第2結晶相の析出を促進させて、ピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を10%以上で30%以下の範囲内、好ましくは15%以上とするためであり、そのためには、ある程度、高い熱処理温度を必要とする。
なお後述の実験結果に示すように、VHF帯域にて周波数が高くなるほど、熱処理温度が十分でないと10以上の性能係数Qが得にくくなる。よって、使用周波数にもよるが、VHF帯域にて使用する周波数全域にて、少なくとも3以上の複素比透磁率の実数部μ´を維持しつつ、10以上の性能係数Qが得られるように、出来る限り熱処理温度は高くしたほうがよい。具体的には、第2結晶相の結晶化開始温度(Tx2)付近にまで、あるいはTx2以上の熱処理温度にまで上昇させることが好適である。
以下の表1に示す組成を有するFe基軟磁性合金粉末を水アトマイズ法により製造した。
Figure 2011171612
熱処理前(急冷直後)の状態では、磁性粉末1,2はいずれもアモルファス相が主体であることがわかった。
また各磁性粉末1,2を示差走査熱量測定(20℃/minの昇温速度)し、図3に示すDSC曲線を得て、Tx1、Tx2、及び、Tm(end)を測定した。ここでTx2は、第2結晶相の結晶化温度を示す。
表1に示すように、磁性粉末1,2は、いずれも、Tx1/Tm(end)を0.5以上にできることがわかった。また、磁性粉末1,2のTx1/Tm(end)は、いずれも0.55以上であった。
次に、磁性粉末1,2に対して、扁平加工後595℃〜650℃の熱処理を施し、90分間、各熱処理温度にて保持したときの各磁性性粉末1,2のX線回折結果を図4、図5に示す。なお図4に示すように、実験では、熱処理なし(as−depo)としてX線回折の測定も行った。
図4(a)、図5(a)は、磁性粉末1に対するX線回折の実験結果、図4(b)、図5(b)は、磁性粉末2に対するX線回折の実験結果である。図5(a)は図4(a)の一部を拡大したものである。図5(b)は図4(b)の一部を拡大したものである。
X線回折による解析は、以下の方法で実施した。X線回折は、Coターゲットを用いて、出力40kV、200mA、走査角度2θ=30〜110°でディフラクトメーター法にて行った。その結果、比較的強い強度の見られた2θ=52°〜53°付近を中心として、さらに走査角度2θ=45〜60°の範囲で測定を行った。この2θ=45〜60°の測定は、ステップ角度0.02°、計測時間1秒でステップスキャン法(FT法)で行った。
強度の解析は、バックグランドの処理を施した後、Co−Kα1線の波長(1.789Å)を用いて実施した。熱処理後において、磁性粉末には2θ=52°〜53°付近に強度ピークがみられ、これはbcc相に相当するピークである。また、ある温度以上での熱処理においては、化合物相と思われる析出ピークが複数見られ、化合物相の中では、特に2θ=51°付近に強いピークが見られる。
図4(a)(b)、図5(a)(b)に示すように、熱処理温度を上昇していくと、bcc相が析出し、さらに熱処理温度を上げていくと、bcc相の回折ピークと異なる回折ピークを示す第2結晶相が析出し始めることがわかった。この第2結晶相は(FeSi)3B相、Fe2Nb相等、Fe以外の元素を含む化合物相や単体相であると考えられる。
図4、図5に示すように化合物相(1)のピークは、約635℃以上になると顕著に見られる(なお図5に示すように約615℃でも若干見え始めている)。第2結晶相である複数の化合物相のピークのうち、化合物相(1)の次に強いピークを化合物相(2)とした。
このように、本実施例の試料は全て熱処理前(急冷直後)の状態ではアモルファスを主体としたが、熱処理を施すことで、アモルファス相が結晶化し、bcc相、さらには第2結晶相(FeとFe以外の化合物相や単体相)が析出することがわかった。
続いて、磁性粉末1,2を用いて、表2に示す各試料1〜12の磁性シートを作製した。
Figure 2011171612
表2に示すように、各試料を構成する磁性粉末1,2を夫々、加工機ビーズミルにて数時間、扁平加工し、更に、表2に示す所定の温度で90分間の熱処理を行った。
続いて、各磁性粉末1,2に対してシランカップリング剤をコーティング処理した。また各試料1〜12に、マトリクス材(樹脂)として、エラスレン402NA(昭和電工)(塩素化ポリエチレン)を用いた。ここで、各試料1〜12においては、磁性粉末1,2の充填率を約50体積%となるように調整した。
そして、磁性粉末1,2とマトリクス材とを混練した。表2に示すように、磁性粉末とマトリクス材とをマゼルスター(クラボウ社製のKK−V)を用いて24分間、混練して混合材料を形成した。
これら試料1〜12の混合材料を、ドクターブレード法を用いて表2に示す板厚にて磁性シートを形成した。なお成形加工の際、プレス加工を、100℃、15分、250kg/cm2の条件の下で行った。
密度はシートサンプルを外形10mmの円形に打ち抜いた後、形状寸法から体積を求め、質量をその体積で割ることにより求めた。
表2には、各試料1〜12に含まれる磁性粉末1,2のbcc相、化合物相(1)(2)の2θの値と、bcc相のピーク強度(I1)に対する各化合物相(1)(2)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が示されている。
複素比透磁率の実数部μ´(100MHz or 200MHz or 1GHz)及び虚数部μ″(100MHz or 200MHz or 1GHz)を、インピーダンスアナライザを用いて測定した。性能係数Q(100MHz or 200MHz or 1GHz)は、μ´(100MHz or 200MHz or 1GHz)/μ″(100MHz or 200MHz or 1GHz)で求めることが出来る。
図6(a)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、bcc相のピーク強度(I1)に対する各化合物相(1)(2)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)との関係を示すグラフである。
図6(b)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、bcc相のピーク強度(I1)に対する各化合物相(1)(2)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)との関係を示すグラフである。
図6(a)(b)に示すように、635℃以上の熱処理温度となると、第2結晶相の中で最も強いピーク強度を示す化合物相(1)が析出し始める。そして、bcc相のピーク強度(I1)に対する化合物相(1)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を10%以上にできることがわかった。また図6(b)に示すように熱処理温度を調整することで、bcc相のピーク強度(I1)に対する化合物相(1)のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を15%以上、更には17%以上にできることがわかった。
また、ピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)の上限を30%としたが、あまり化合物相(1)が析出しすぎても、微細結晶組織を形成するうえで支障となり、bcc相の粗大化や複素比透磁率の実数部μ´の低下を招きやすく、良好な特性が得られないと考えられる。よって上限を30%とした。
なお、本実施形態では、bcc相のピーク強度(I1)に対する第2結晶相のピーク強度(I2)のピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)を、第2結晶相のうち最も強いピーク強度を示す化合物相(1)のピーク強度を用いて計算する。
図7(a)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、bcc相、化合物相(1)(2)の各平均結晶粒径との関係を示すグラフである。各試料の結晶粒径はX線回折図形からシェラーの式を用いて求めた。
図7(b)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、bcc相、化合物相(1)(2)の各平均結晶粒径との関係を示すグラフである。
ただし図7(a)(b)に示すように熱処理温度を595℃程度とした場合の実験結果も合わせて掲載した。
図7に示すように、熱処理温度を上昇させると、結晶粒径は大きくなる傾向にあることがわかった。また、化合物相(1)が析出する635℃以上で、680℃以下の熱処理を施したとき、bcc相の平均結晶粒径(D50)は50nm以下であることがわかった。また化合物相(1)(2)の平均結晶粒径も50nm以下であった。
次に、図8(a)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)との関係を示すグラフ、図8(b)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の虚数部μ″(100MHz)との関係を示すグラフ、図8(c)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、性能係数Q(100MHz)との関係を示すグラフである。また図8(d)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)との関係を示すグラフ、図8(e)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の虚数部μ″(200MHz)との関係を示すグラフ、図8(f)は、各試料1〜6の作製の際に行った熱処理温度と、性能係数Q(200MHz)との関係を示すグラフである。
なお図8に示すように、試料1〜6以外に、熱処理温度を595℃とした場合の実験結果も合わせて掲載した。
次に、図9(a)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)との関係を示すグラフ、図9(b)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の虚数部μ″(100MHz)との関係を示すグラフ、図9(c)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、性能係数Q(100MHz)との関係を示すグラフである。また図9(d)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)との関係を示すグラフ、図9(e)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、複素比透磁率の虚数部μ″(200MHz)との関係を示すグラフ、図9(f)は、各試料7〜12の作製の際に行った熱処理温度と、性能係数Q(200MHz)との関係を示すグラフである。
ただし図9に示すように、試料7〜12以外に、熱処理温度を595℃、750℃とした場合の実験結果も合わせて掲載した。
図8(a)に示すように磁性粉末1を用いた磁性シートでは、595℃〜675℃の熱処理温度内において、周波数100MHzでの複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)を10以上に出来ることがわかった。また、図9(a)に示すように、磁性粉末2を用いた磁性シートでは、595℃〜750℃の熱処理温度内において、周波数100MHzでの複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)を3以上、好ましくは5以上に出来ることがわかった。また熱処理温度によっては、複素比透磁率の実数部μ´(100MHz)を10以上に出来ることがわかった。
図8(d)、図9(d)に示すように、周波数200MHzとしても、磁性粉末1を用いた磁性シートでは、実験で行った熱処理温度内において、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)を10以上に出来、磁性粉末2を用いた磁性シートでは、実験で行った熱処理温度内において、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)を3以上、好ましくは5以上に出来ることがわかった。また熱処理温度によっては、複素比透磁率の実数部μ´(200MHz)を10以上に出来ることがわかった。
次に、図8(b)(e)、図9(b)(e)に示すように、磁性粉末1,2を用いた各磁性シートでは、複素比透磁率の虚数部μ″(100MHz,200MHz)が熱処理温度が高くなると低下し、特にその低下率は、複素比透磁率の実数部μ´(100MHz,200MHz)に比べて大きくなることがわかった。
このため、図8(c)(f)、図9(c)(f)に示すように、性能係数Q(100MHz,200MHz)は、熱処理温度を上げると上昇する傾向になることがわかった。
図8(c)に示すように磁性粉末1を用いた磁性シートでは、約635℃以上の熱処理温度とすると、周波数100MHzでの性能係数Q(100MHz)を10以上に出来ることがわかった。また、図9(c)に示すように、磁性粉末2を用いた磁性シートでは、熱処理温度を約635℃以上とすると、周波数100MHzでの性能係数Q(100MHz)を10以上に出来ることがわかった。
また図8(f)に示すように、周波数200MHzとしても、磁性粉末1を用いた磁性シートでは、熱処理温度を約675℃程度以上とすれば、性能係数Q(200MHz)を10以上に出来ることがわかった。また、図9(f)に示すように、磁性粉末2を用いた磁性シートでは、熱処理温度を675℃程度以上とすることで、性能係数Q(200MHz)を10以上に出来ることがわかった。
以上から、高い性能係数Qを得るには、熱処理温度を高く設定して、bcc相のみならず、bcc相と、ピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が10%〜30%、好ましくは15%以上となる第2結晶相(化合物相(1))を析出させることが必要であるとわかった。
図10(a)は、磁性粉末1を用いた各磁性シート(試料1〜6;図には各試料の作製の際に行った熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の実数部μ´との関係を示すグラフ、図10(b)は、磁性粉末1を用いた各磁性シート(試料1〜6;図には各試料の作製の際に行った熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフ、図10(c)は、磁性粉末2を用いた各磁性シート(試料7〜12;図には各試料の作製の際に行った熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の実数部μ´との関係を示すグラフ、図10(d)は、磁性粉末2を用いた各磁性シート(試料7〜12;図には各試料の作製の際に行った熱処理温度が記載されている)における周波数と複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフ、である。
図10(a)に示すように磁性粉末1を用いた磁性シートでは、各熱処理温度ごとに透磁率曲線を見てみると300MHz付近まではあまり各複素比透磁率の実数部μ´の変動が見られなかった。図10(a)に示すように、VHF帯域(30MHz〜300MHz、好ましくは、70MHz〜250MHz、70MHz〜150MHz)において、複素比透磁率の実数部μ´を10以上に出来ることがわかった。一方、図10(b)に示すように、磁性粉末1を用いた磁性シートでは、各熱処理温度ごとに透磁率曲線を見てみると、VHF帯域での複素比透磁率の虚数部μ″は周波数が高くなるほど大きくなりやすいことがわかった。よって図8(c)(f)にも示すように、周波数を200MHzとするより100MHzのほうが、性能係数Qを大きくしやすいことがわかった。ただし、熱処理温度を675℃程度まで上げれば、複素比透磁率の虚数部μ″を低い値に抑えることができる一方、複素比透磁率の実数部μ´を比較的高い値に維持することができ、周波数が200MHz程度であっても、性能係数Qを10以上に出来ることがわかった。
また、図10(c)に示すように磁性粉末2を用いた磁性シートでは、各熱処理温度ごとに透磁率曲線を見てみると300MHz付近まではあまり複素比透磁率の実数部μ´の変動が見られなかった。図10(c)に示すように、VHF帯域(30MHz〜300MHz、好ましくは、70MHz〜250MHz、70MHz〜150MHz)において、複素比透磁率の実数部μ´を5以上、好ましくは10以上に出来ることがわかった。一方、図10(d)に示すように、磁性粉末2を用いた磁性シートでは、各熱処理温度ごとに透磁率曲線を見てみると、VHF帯域での複素比透磁率の虚数部μ″の変動は複素比透磁率の実数部μ´の変動に比べてやや大きくなることがわかった。よって図9(c)(f)にも示すように、周波数を200MHzとするより100MHzのほうが、性能係数Qを大きくしやすいことがわかった。ただし、熱処理温度を675℃程度まで上げれば、複素比透磁率の虚数部μ″を低い値に抑えることができる一方、複素比透磁率の実数部μ´を比較的高い値に維持することができ、周波数が200MHz程度であっても、性能係数Qを10以上に出来ることがわかった。
本実施例の磁性シート中に含まれるFe基軟磁性合金粉末は、平均結晶粒径が50nm以下のbcc相と第2結晶相との混相組織を有し、ピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が10%〜30%、好ましくは15%以上である。そして本実施例の磁性シートであれば、VHF帯域にて、高い複素比透磁率の実数部μ´とともに性能係数Qを得ることができるが、VHF帯域でも特に、70MHz〜250MHz程度、更には70MHz〜150MHz程度での周波数帯域での使用が、複素比透磁率の実数部μ´と性能係数Qの双方をより効果的に高めることができ好適である。
続いて磁性粉末2を用いて、各試料7〜12とは別の磁性シートを作製した。なお試料7〜12と異なって、加工機ビーズミルでの加工時間を7時間とし、更に熱処理温度を635℃とした。磁性シート厚は100μm程度、密度は、2.85g/cm3程度であった。そして、測定周波数に対する複素比透磁率の実数部μ´及び虚数部μ″を、インピーダンスアナライザを用いて測定した。その実験結果が図11に示されている。
図11に示すように、VHF帯域(30MHz〜300MHz、好ましくは、70MHz〜250MHz、70MHz〜150MHz)において、複素比透磁率の実数部μ´を10以上、好ましくは12以上に出来ることがわかった。また、VHF帯域(30MHz〜300MHz、好ましくは、70MHz〜250MHz、70MHz〜150MHz)において、複素比透磁率の虚数部μ″を5以下、好ましくは1以下に抑えることができるとわかった。
次に、コア長が50mm、開口が6×6mm、コイル幅(導体幅)が5mm、コイルピッチが9mm、コイルの巻数が5としたループアンテナを形成した。また本実施例の図11における試料と同一の磁性シート(厚さ約100μm)を6×50mmに切断し、60枚重ねて磁心を形成し、前記開口内に挿入したループアンテナを形成した(実施例)。
一方、開口内に磁心を挿入しない空芯コイルのループアンテナを比較例とした。実験では、45×100mmの評価基板を用いて、実測周波数を95.75MHzとして、アンテナ利得(平均利得)を測定したところ、比較例が−41.00(dBd)で、実施例が−34.43(dBd)であり、実施例のほうが比較例に比べて約6.5dBd程度、アンテナ特性を改善できたことがわかった。
次に、熱処理温度について考察する。図8〜図9に示すように、磁性粉末1,2を用いた試料において、熱処理温度を約635℃以上、好ましくは675℃以上にすると、VHF帯域において、複素比透磁率の実数部μ´を3以上、好ましくは10以上を維持しつつ、性能係数Qを10以上に出来ることがわかった。
635℃以上という熱処理温度では、図4、図5に示すように化合物相(1)が析出しており、また、bcc相のピーク強度(I1)に対する化合物相(1)のピーク強度(I2)のピーク強度比率は10%〜30%、好ましくは15%以上であった。
そして表1に示すように、磁性粉末1におけるbcc相の結晶化開始温度(Tx1)が543.2℃、第2結晶相の結晶化開始温度が681.9℃であり、磁性粉末2におけるbcc相の結晶化開始温度(Tx1)が546.6℃、第2結晶相の結晶化開始温度が686.7℃であることから、熱処理温度を、Tx1から60℃以上高く、Tx2から−70℃〜300℃の温度範囲内と規定し、更には、Tx1から80℃以上高く、Tx2から−60℃〜100℃の温度範囲内を好ましい範囲と規定することとした。更には、Tx2から−50℃〜50℃の温度範囲内をより好ましい範囲とした。本実施例では、熱処理温度をbcc相の結晶化開始温度(Tx1)よりもある程度高く設定するが、周波数が高くなるほど、上記の設定温度範囲内にて低い熱処理温度では10以上の性能係数Qが得にくくなる。よって、少なくとも3以上の複素比透磁率の実数部μ´を維持しつつ、10以上の性能係数Qが得られるように、出来る限り熱処理温度は高くしたほうがよく、第2結晶相の結晶化開始温度(Tx2)付近にまで、あるいはTx2以上にまで熱処理温度を上昇させることが好適である。
次に、射出成形でアンテナ用の磁心を形成した時の実施例を以下に示す。磁性粉末としては表1の磁性粉末2と同じ組成のものを用い、加工機ビーズミルでの加工時間を8時間とし、加工後の扁平粉の熱処理を温度660℃にて90分間行った。続いて、マトリクス材としてナイロン21を使用して熱処理後の扁平粉と混練し、ペレット状に加工した後、射出成形機に投入し、加熱して金型に射出成形し、厚さ約1mmの試料を作成した。出来上がった試料の透磁率を測定したところ、100MHzの周波数で複素比透磁率の実数部μ´が15、及び虚数部μ″は0.7であり、VHF帯域の領域にて優れた磁気特性を有することが分かった。また、扁平粉も一定の方向に配向されており、成形密度は4.0g/cm3であった。
この射出成形で得られた試料を用いて、上記磁性シートを使用したアンテナ磁心と同等のものを作製するためには、射出成形にて試料を50×50mmの大きさで成形し、6枚重ねて磁心を形成すればよい。また、さらに厚い形状に射出成形すれば、より積層枚数を少なくすることが可能であり、コスト削減が期待できる。
1 磁性シート
2 Fe基軟磁性合金粉末
2a 扁平な面
3 マトリクス材
4 磁心
5 FR4基板
6 コイル層
7 ループアンテナ

Claims (15)

  1. 組織が前記bcc相と、前記bcc相と異なるX線回折ピークを持つ第2結晶相とを有する複相組織で構成され、
    前記bcc相の平均結晶粒径は、50nm以下であり、
    前記bcc相のピーク強度(I1)と、前記第2結晶相のピーク強度(I2)とのピーク強度比率((I2/I1)×100)(%)が10%以上で30%以下の範囲内であることを特徴とするFe基軟磁性合金粉末。
  2. 前記ピーク強度比率が、15%以上である請求項1記載のFe基軟磁性合金粉末。
  3. 前記bcc相の平均結晶粒径は、35nm以下である請求項1又は2に記載のFe基軟磁性合金粉末。
  4. Tx1/Tm(end)が、K換算で、0.5以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のFe基軟磁性合金粉末。
    ここでTx1は、昇温速度20℃/minで測定したDSC曲線にて、bcc相の結晶化開始温度を示し、Tm(end)は、吸熱曲線の終わりの温度(熱流が融点Tmを示す吸熱ピークからベースラインに戻ったときの温度)を示す。
  5. Tx1/Tm(end)が、K換算で、0.55以上である請求項4記載のFe基軟磁性合金粉末。
  6. 組成式が、Fe100-a-b-c-d-eSiabcCrdeで示され、Xは、B,P,Cのうち少なくともいずれか1種、Yは、Nb,Moのうち少なくともいずれか1種、Qは、Co,Ni,Cu,Alのうち少なくともいずれか1種であり、0at%≦a≦21at%、3at%≦b≦15at%、1at%≦c≦6at%、0at%≦d≦5at%、0at%≦e≦5at%である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のFe基軟磁性合金粉末。
  7. 12.5at%≦a≦15.5at%、6at%≦b≦10at%、2at%≦c≦5at%、0.1at%≦e≦2at%である請求項6記載のFe基軟磁性合金粉末。
  8. 2at%≦d≦4at%である請求項6又は7に記載のFe基軟磁性合金粉末。
  9. Fe基軟磁性合金粉末は扁平加工されている請求項1ないし8のいずれか1項に記載のFe基軟磁性合金粉末。
  10. Fe基軟磁性合金粉末の平均粉末粒径(D50)が、10μm〜70μmの範囲内である請求項9記載のFe基軟磁性合金粉末。
  11. マトリクス材料と、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のFe基軟磁性合金粉末で形成された扁平粉末とを含み、前記扁平粉末の扁平な面がシート面内に配向していることを特徴とするVHF帯域用磁性シート。
  12. 請求項11記載のVHF帯域用磁性シートが複数枚、積層されて構成されることを特徴とするVHF帯域用磁心。
  13. マトリクス材料と、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のFe基軟磁性合金粉末で形成された扁平粉末とを含み、前記扁平粉末の扁平な面が所定の方向に配向され成形されていることを特徴とする成形体よりなるVHF帯域用磁心。
  14. アトマイズ法にてアモルファス単相もしくはアモルファス相を主体としたFe基軟磁性合金粉末を作製した後、熱処理を施し、bcc相の結晶化開始温度をTx1、第2結晶相の結晶化開始温度をTx2(ただし、Tx2>Tx1)としたとき、
    熱処理温度を、前記結晶化開始温度(Tx1)から50℃以上高く、前記結晶化開始温度(Tx2)から−70℃〜300℃の温度範囲内で熱処理を行い、平均結晶粒径が50nm以下のbcc相と前記第2結晶相とを析出させることを特徴とするFe基軟磁性合金粉末の製造方法。
  15. 前記熱処理温度を、前記結晶化開始温度(Tx1)から80℃以上高く、前記結晶化開始温度(Tx2)から−60℃〜100℃の温度範囲内で熱処理を行う請求項14記載のFe基軟磁性合金粉末の製造方法。
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