JPH0533362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、雪路、氷路でのタイヤの滑り止めを
行うタイヤ滑り止めネツトに関する。

（従来の技術） タイヤ滑り止めネツトは、１本又は複数本でタ
イヤの外周に巻回されて、その両端のジヨイント
部を連結して、タイヤに装着される。該ネツトは
一面がタイヤ側のタイヤ当接部であり、他面が地
面に接地する接地部であり、この接地部は地面と
の摩擦によつて摩耗し易く、損傷し易くなつてい
る。

この欠点を解消するために、実開昭61−203107
号公報に開示されているように、硬度の異なるゴ
ムを積層して、接地部をタイヤ当接部より軟いゴ
ムで形成し、滑り止めや耐摩耗性を図ろうとする
技術が開発されている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、タイヤ滑り止めネツトは、走行時の遠
心力で膨れあがり、路面に強く当るものであり、
特にそのジヨイント部は路面との衝撃及び摩擦が
大きいため、硬度の低いゴムで形成していると、
ジヨイント部から切れていく。

本考案は、ジヨイント部の接地部以外のネツト
接地部を、滑り止め性及び耐摩耗性が良好なゴム
様弾性材料で形成しておいて、ジヨイント部の接
地部を局部的に、ジヨイント部以外の接地部より
も高硬度のゴム様弾性材料で形成することによ
り、最も衝撃の大きいジヨイント部の耐久性を向
上して、ネツト全体の耐久性を向上できるように
したタイヤ滑り止めネツトを提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 本考案における課題解決のための具体的手段
は、ネツト長手方向両端にジヨイント部１０，１
１を有し、タイヤＴの外周に巻回して、前記ジヨ
イント部１０，１１のネツト幅方向両端を連結す
ることによりタイヤＴに装備されるタイヤ滑り止
めネツトにおいて、 前記ジヨイント部１０，１１のネツト幅方向の
少なくとも中央部Ｂの接地部α１０，α１１は局
部的に、ジヨイント部１０，１１以外のネツト接
地部αより高硬度のゴム様弾性材料で形成されて
いることである。

（作用） タイヤ滑り止めネツト１はタイヤＴの回転に伴
つて回転し、その外周側の接地部αが接地し、雪
路、氷路に対して、充分な滑り止め性能を発揮
し、耐摩耗性も奏する。ネツト１は遠心力によつ
て部分的に膨れあがり、路面に強く当り、特にジ
ヨイント部１０，１１においてはネツト幅方向両
端部Ａでのみ連結されているので、中央部Ｂでは
膨れあがりが大きく、ジヨイント部１０，１１以
外の部分より衝撃が大きい。このジヨイント部１
０，１１の中央部の接地部α１０，α１１はその
他の接地部αよりも高硬度であるので、その他の
接地部αより摩耗が早くなるのが防止されてい
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１，２図に示す第１実施例において、タイヤ
Ｔの外周面に巻付けられるタイヤ滑り止めネツト
１は、１本又は複数本の高張力性芯材を合成ゴム
又は合成樹脂等の弾性材料製の被覆材で被覆して
線条材４を形成し、この線条材４を網状に編組成
形して、帯状ネツト本体５に形成している。

ネツト本体５はネツト幅方向（タイヤ幅方向）
両端部にネツト長手方向（タイヤ周方向）複数個
の係合具６，７が設けられ、この係合具６，７に
緊締索８，９が係合されている。ネツト本体５の
ネツト長手方向両端のジヨイント部１０，１１は
ネツト幅方向両端が連結金具１２，１３で連結さ
れ、連結金具１３は緊締索９の両端と連結される
第１、第２金具１３ａ，１３ｂで成り、第１、第
２金具１３ａ，１３ｂは互いに係脱自在に係合し
ている。１６にはスパイクピンを示している。

帯状ネツト本体５は幅がタイヤでの幅より広幅
であり、タイヤＴに巻回装着すると、その幅方向
両端部Ａがタイヤシヨルダ部に当接し、中央部が
トレツド部外周に当接する。この中央部Ｂの外面
が路面に接する接地部αとなり、内面がタイヤ当
接部βとなる。

帯状ネツト本体５の被覆材は、JIS−Ａ硬度55
〜70度の比較的硬度の低いゴムが使用されてお
り、この硬度のゴムはタイヤＴによく密着して装
着状態が良好であり、滑り止め性能及び耐摩耗性
も比較的良好である。

ネツト本体５の接地部αの内、ジヨイント部１
０，１１の接地部α１０，α１１のみは、JIS−
Ａ硬度70〜85度の比較的高硬度のゴムが使用され
ており、この部分では二層構造となつている。こ
の接地部α１０，α１１はその他の接地部αより
も耐摩耗性に優れており、対向する２つのジヨイ
ント部１０，１１が幅方向両端でしか連結されて
いなく、その中央部で地面に強く当つても、低硬
度のゴムを使用している場合よりも耐久性が向上
し、この部分のみが他の部分より早く摩耗するの
を防止する。

第３図は本考案の第２実施例を示しており、こ
のネツト本体５′はジヨイント部１０，１１がそ
の幅方向全幅に亘つて二層構造になつており、ジ
ヨイント部１０，１１は中央部の接地部αだけで
なく、連結金具１３ａ，１３ｂが係合される端部
Ａの強度も高くなつている。従つて、連結金具１
３係合用孔１５からの亀裂も防止できる。

尚、本考案は前記実施例に限定されるものでは
なく、種々変形することができる。例えば、ネツ
ト１は周方向複数本のネツト本体５で１本のタイ
ヤＴを包囲するものでも良い。

（考案の効果） 以上詳述した本考案によれば、タイヤ滑り止め
具１は、ジヨイント部１０，１１のネツト幅方向
の少なくとも中央部Ｂの接地部α１０，α１１が
局部的に、ジヨイント部１０，１１間であるそれ
以外の部分の接地部αより高硬度のゴム用弾性材
料で形成されているので、それ以外の部分の接地
部αを比較的低硬度のゴム様弾性材料で形成し
て、滑り止め性能を良好に維持したまま、それ以
外の部分より大きい衝撃を受けるジヨイント部１
０，１１の早期摩耗を防止して、ネツト１全体と
しての耐久性を向上し、ネツト切れを防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案の実施例を示しており、第
１図は平面図、第２図は要部の斜視図、第３図は
第２実施例を示す要部の斜視図である。 １……タイヤ滑り止めネツト、５……ネツト本
体、６，７……係合具、８，９……緊締索、１
０，１１……ジヨイント部、１２，１３……連
結、Ｔ……タイヤ、Ａ……端部、Ｂ……中央部、
α……接地部、β……タイヤ当接部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ネツト長手方向両端にジヨイント部１０，１１
   を有し、タイヤＴの外周に巻回して、前記ジヨイ
   ント部１０，１１のネツト幅方向両端を連結する
   ことによりタイヤＴに装備されるタイヤ滑り止め
   ネツトにおいて、 前記ジヨイント部１０，１１のネツト幅方向の
   少なくとも中央部Ｂの接地部α１０，α１１は局
   部的に、ジヨイント部１０，１１以外のネツト接
   地部αより高硬度のゴム様弾性材料で形成されて
   いることを特徴とするタイヤ滑り止めネツト。