JPH05320102A - 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩 - Google Patents

光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩

Info

Publication number
JPH05320102A
JPH05320102A JP4126388A JP12638892A JPH05320102A JP H05320102 A JPH05320102 A JP H05320102A JP 4126388 A JP4126388 A JP 4126388A JP 12638892 A JP12638892 A JP 12638892A JP H05320102 A JPH05320102 A JP H05320102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optically active
cpea
ethylamine
chlorophenyl
cma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4126388A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nohira
博之 野平
Akiko Takebayashi
晶子 竹林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamakawa Yakuhin Kogyo KK
Unipres Corp
Original Assignee
Yamakawa Industrial Co Ltd
Yamakawa Yakuhin Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamakawa Industrial Co Ltd, Yamakawa Yakuhin Kogyo KK filed Critical Yamakawa Industrial Co Ltd
Priority to JP4126388A priority Critical patent/JPH05320102A/ja
Publication of JPH05320102A publication Critical patent/JPH05320102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチ
ルアミンを工業的に有利に製造する。 【構成】 光学分割剤として光学活性なp−クロルマン
デル酸を使用し、ジアステレオマー法を実施する。 中
間体として下記の塩(新規化合物)が形成される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なα−(p−
クロルフェニル)エチルアミンの製造方法に関する。
その製造の過程で中間体として得られる光学活性なα−
(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマン
デル酸も、本発明の対象に含まれる。
【0002】以下、α−(p−クロルフェニル)エチル
アミンを「CPEA」と、p−クロルマンデル酸を「C
MA」と略記する。
【0003】
【従来の技術】CPEAの光学活性体は、光学分割剤や
不斉誘導化試薬として有用な化合物であり、光学純度検
定試薬として、また農薬や医薬等の原料としての用途も
期待されている。
【0004】光学活性なCPEAを製造するひとつの方
法は、光学分割剤として光学活性な酒石酸を用いる
〔J.Chem.Soc.(B)2418−2423(197
1)〕。この方法で光学純度の高いCPEAを製造する
ためには、ジアステレオマー塩の再結晶精製を何回も繰
り返す必要があり、その結果、収率が低下することを免
れない。 また、分割剤として使用した酒石酸の回収が
容易でないという問題もある。
【0005】いまひとつの製造方法は、光学分割剤とし
て光学活性なN−ホルミルフェニルアラニンを用いる方
法である(特開平2−306942号)。 この方法の
難点は、天然に存在しないタイプの分割剤の入手が困難
であり、そのため一方の光学活性CPEAしか製造でき
ないことである。
【0006】このように、現在知られている方法はいず
れも、光学活性なCPEAの工業的製造には適しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
活性なCPEAを、入手の容易な原料を使用し、比較的
簡単な工程に従って効率よく製造する方法を提供するこ
とにある。
【0008】その製造の過程で得られる光学活性なCP
EA・CMA塩を提供することも、本発明の目的に包含
される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光学活性なCP
EAの製造方法は、(±)−CPEAと光学活性なCM
Aとを溶媒中で反応させて、ジアステレオマー塩である
(+)−CPEA・(−)−CMAおよび(または)
(−)−CPEA・(+)−CMAを形成させ、これら
のジアステレオマー塩を溶媒から選択的に析出させて分
離し、分離したジアステレオマー塩を分解して光学活性
なCPEAを回収することからなる。
【0010】上記の製造方法の過程で中間体として生成
する下式のCPEA・CMA塩は光学活性な新規化合物
である。
【0011】
【化2】
【0012】ジアステレオマー塩形成の反応媒体として
は、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、
アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン等
の(±)−CPEAおよび光学活性なCMAを溶解する
溶媒、またはこれらの混合溶媒を使用する。 常用の溶
媒の中では、メタノールが最適である。 溶媒の使用量
は、反応剤のその溶媒への溶解度によって異なるが、一
般に溶質の2〜4倍量(重量比)が適当である。
【0013】光学分割剤である光学活性CMAの使用量
は、(±)−CPEAの1モルに対して0.8〜1.0
モルの割合が適当である。 反応は、両者を直接同じ溶
媒中に溶解して行なってもよいし、別々の溶液を用意し
ておいてそれらを混合して行なってもよい。 いずれに
せよ、室温において、または加熱した場合は溶媒の沸点
以下の温度において、均一な溶液として静置して、また
はゆっくり撹拌しながら、難溶性ジアステレオマー塩を
析出させる。 このとき、析出させようとする塩の結晶
を接種することが好ましい。
【0014】析出した難溶性ジアステレオマー塩は、濾
過または遠心分離により溶媒から分離し、必要に応じて
再結晶して精製する。 得られた粗製の、または精製し
たジアステレオマー塩を、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムのような強塩基で処理して分解したのち、有機溶
媒たとえばエーテル、メチルエチルケトン、クロロホル
ム、ベンゼン等で抽出し、ついで常圧または減圧下に溶
媒を留去すれば、光学活性なCPEAが得られる。 必
要により、さらに減圧蒸留して精製する。
【0015】光学分割に使用した光学活性CMAは、溶
媒抽出後の水相を塩酸、硫酸等の鉱酸を加えて処理し、
液性を酸性にすることにより析出させるか、またはベン
ゼン、トルエン、クロロホルム、エーテル、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒で抽出
することにより、容易に回収することができ、再利用可
能である。
【0016】
【実施例】(実施例1)(±)−CPEAの0.93g
(6mmol)と(+)−CMAの1.12g(6mmol)と
を、メタノール6.5ml中に加熱溶解した。 この溶液
に、あらかじめ調製しておいた(−)−CPEA・
(+)−CMA塩の結晶1mgを接種し、室温で一夜放置
した。 析出したジアステレオマー塩を濾別して、(−)
−CPEA・(+)−CMA粗製塩0.80gを得た。
【0017】このジアステレオマー塩をメタノール溶媒
で一回再結晶して、(−)−CPEA・(+)−CMA
精製塩0.52gを得た。 原料の(±)−CPEA中
の(−)−CPEAに対する総収率は、この段階で5
0.8%である。
【0018】融点190.0〜191.0℃ 〔α〕20 D +45.2°(c 1.014,MeO
H) 〔α〕20 435+96.6°(c 1.014,MeO
H) 元素分析値 Cl 計算値(%) 56.16 5.01 4.09 20.72 実測値(%) 56.39 4.97 3.90 20.50 IR吸収スペクトル(KBr錠剤法) 図1のチャート1 H−NMRスペクトル(溶媒:DMSO−d6,TMS
基準) δ1.42ppm(d,3H),δ4.32ppm(q,1
H),δ4.58ppm(s,1H),δ7.28〜7.4
3ppm(m,8H) 上記の(−)−CPEA・(+)−CMA精製塩0.5
2gに2N−NaOH水溶液0.9mlを加え、クロロホ
ルム10mlで(−)−CPEAを抽出した。
【0019】クロロホルム相を乾燥し、溶媒を留去する
と、(−)−CPEAが油状物として0.22g得られ
た。 遊離収率は93.0%、使用した(±)−CPE
A中の(−)−CPEAに対する総収率は47.2%で
ある。
【0020】 〔α〕22 D −25.2°(c 1.096,MeO
H) 〔α〕22 435−53.1°(c 1.096,MeO
H) この(−)−CPEAを、下記の光学純度検定法に従っ
て検定したところ、100.0%e.e.であった。
【0021】光学分割剤として使用した(+)−CMA
は、前記の、クロロホルムで(−)−CPEAを抽出し
た後の水相に2N−HClを加え、ついでエーテル5ml
で抽出して回収した。 回収率は97%であった。
【0022】(光学純度検定法)光学活性CPEA約2
mgを、pH1.5の過塩素酸水溶液1mlに溶解する。こ
の溶液1μlをHPLC分析する。 HPLC分析の条
件は、つぎのとおりである。
【0023】 カラム :CROWNPAK CR(+)(径4mm×1
50mm) 移動相 :0.031M過塩素酸水溶液(pH1.5) 流速 :1.0ml/min 検出波長:UV210nm 測定温度:35℃ (実施例2)(±)−CPEAの1.40g(9.0mm
ol)をメタノール2mlに溶解した溶液に、(+)−CM
Aの1.68g(9.0mmol)をメタノール4mlに溶解
した溶液を、室温において滴下して加えた。 この混合
溶液を5分間還流下に加熱したのち、室温で6時間放置
して、(−)−CPEA・(+)−CMA粗製塩1.4
2gを得た。
【0024】この塩をメタノール溶媒で精製することに
より、(−)−CPEA・(+)−CMA精製塩を1.
04g得た。 原料(±)−CPEA中の(−)−CP
EAに対する総収率は67.6%であった。
【0025】融点189.0〜191.0℃ この(−)−CPEA・(+)−CMA精製塩を実施例
1と同様の操作により分解したのち、(−)−CPEA
を単離した。 収量は0.45g、遊離収率は96.2
%であった。 用いた(±)−CPEA中の(−)−C
PEAに対する総収率は65.0%、光学純度は98.
8%e.e.(HPLC)である。
【0026】(実施例3)(±)−CPEAの1.17
g(7.5mmol)をメタノール4.5mlに溶解し、この溶
液に(−)−CMAの1.12g(6.0mmol)を少し
ずつ加えた。 この溶液を5分間還流下に加熱したの
ち、室温で6時間放置して、(+)−CPEA・(−)
−CMA粗製塩0.99gを得た。 この塩をメタノー
ル溶媒で精製することにより、(+)−CPEA・
(−)−CMA精製塩0.74gを得た。原料の(±)
−CPEA中の(+)−CPEAに対する総収率は、5
8.0%である。
【0027】この(+)−CPEA・(−)−CMA精製
塩を実施例1と同様の操作により分解し、さらに(+)−
CPEAを単離した。 得られた(+)−CPEAは0.
33gで、遊離収率は96.8%であった。 使用した
(±)−CPEA中の(+)−CPEAに対する総収率は
56.2%、光学純度は100.0%e.e.(HPL
C)であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、入手容易であって、と
りたてて高価ではない光学活性CMAを分割剤として使
用することにより、中間体として新規化合物である光学
活性CPEA・CMA塩を経由して、光学活性なCPE
Aを、簡単な工程で高収率をもって製造することができ
る。 製品の光学純度は、実施例にみるとおり極めて高
く、容易に98%を超える。 従って本発明は、従来有
力な製法が見出されていなかった光学活性CPEAの工
業的製造に、はじめて途を開いたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例において得た、光学活性
(−)−CPEA・(+)−CMA精製塩のIR吸収ス
ペクトル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)−α−(p−クロルフェニル)エ
    チルアミンと、光学活性なp−クロルマンデル酸とを溶
    媒中で反応させて、ジアステレオマー塩である(+)−
    α−(p−クロルフェニル)エチルアミン・(−)−p−
    クロルマンデル酸および(または)(−)−α−(p−
    クロルフェニル)エチルアミン・(+)−p−クロルマ
    ンデル酸を形成させ、これらのジアステレオマー塩を溶
    媒から選択的に析出させて分離し、分離したジアステレ
    オマー塩を分解して光学活性なα−(p−クロルフェニ
    ル)エチルアミンを回収することからなる光学活性なα
    −(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 下式であらわされる光学活性なα−(p
    −クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル
    酸塩。 【化1】
JP4126388A 1992-05-19 1992-05-19 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩 Pending JPH05320102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4126388A JPH05320102A (ja) 1992-05-19 1992-05-19 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4126388A JPH05320102A (ja) 1992-05-19 1992-05-19 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05320102A true JPH05320102A (ja) 1993-12-03

Family

ID=14933909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4126388A Pending JPH05320102A (ja) 1992-05-19 1992-05-19 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05320102A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294582A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Fuji Chemical Industries Ltd 光学活性アミノブチロラクトンの製造法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294582A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Fuji Chemical Industries Ltd 光学活性アミノブチロラクトンの製造法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100081845A1 (en) Process for Production of Optically Active Benzylamine Derivatives
JPH05320102A (ja) 光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミンの製造方法および光学活性なα−(p−クロルフェニル)エチルアミン・p−クロルマンデル酸塩
JPH0136462B2 (ja)
JPH05286889A (ja) アリール酢酸及びそれらのアルカリ金属塩の製造方法
JP2791732B2 (ja) 3′−アミノ−2′−ヒドロキシアセトフェノンの製造方法
EP0478559B1 (en) Improved process for the preparation of ketone compounds
KR100641825B1 (ko) 4-바이페닐아세트산의 제조 방법
JP3084577B2 (ja) 光学活性なアトロラクチン酸の製造方法および製造の中間体
JPH029576B2 (ja)
JPS63211278A (ja) S−6−フルオル−4−ウレイドクロマン−4−カルボン酸のアミン塩およびその製法
JPS61172846A (ja) (±)−2−クロロプロピオン酸の光学分割法
JP3911302B2 (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造法
JP3288109B2 (ja) 光学異性体分離法
JPH01149775A (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
JPS6317869A (ja) 2−低級アルキル−4−アミノ−5−ホルミルピリミジンの製造法
JP3181722B2 (ja) 2−アルキル−4−ハロゲノ−5−ホルミルイミダゾールの精製方法
JPH08277256A (ja) 光学活性な(s)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エタノール、およびその製造方法
JPH0143731B2 (ja)
JPH04360877A (ja) 光学活性な2−メチルピペラジン・マンデル酸塩および光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
JPH0527617B2 (ja)
JPS63211264A (ja) インドリン類の製造法
JP2571939B2 (ja) シクロペンテノン誘導体及びその製造法
JPH10101629A (ja) 光学活性酪酸誘導体の製造方法
JPS6213936B2 (ja)
JPS58203950A (ja) α−アミノメチルベンジルアルコ−ル誘導体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080620

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080620

Year of fee payment: 11