JPH053105B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカラーテレビジヨン受像機、電子計算
機の端末デイスプレイ等のカラー画像表示装置に
用いられる平板形陰極線管とその駆動方法に関す
るものである。

従来例の構成とその問題点 従来、テレビ受像用平板形陰極線管として多く
のものが発表されており、その１例としてゼニス
社およびアリゾナ州立大学から発表されたものを
それぞれ第１図および第２図に示す。第１図に示
すものは、水平方向に直線的にのびる線状カソー
ド１１を垂直方向に多数並置し、このカソード１
１から放出された電子ビームを、電子ビームを増
倍するために電子増倍部１２に入射させる。この
電子増倍部１２を出た電子ビームは水平方向に長
い帯状になつたものであり、これを変調電極１４
にて映像信号で変調し、変調電極１４を通過する
電子ビーム量を制御し、制御された電子ビームは
螢光面の形成されたスクリーン１６に印加される
高圧のアノード電圧で加速されて蛍光体を発光さ
せる。電極１３，１５は電子ビームを集束するた
めに挿入されている。また変調電極１４は水平方
向に絵素数の本数に分割されており、各変調電極
１４にはそれぞれ異なる映像信号が印加され、水
平方向の映像がスクリーン１６に表示される。一
方、垂直方向はカソード電位、あるいは電子増倍
部１２の電位を制御することにより走査され、テ
レビ映像がスクリーン１６に表示されることにな
る。

第２図に示した従来例は、第１図のカソード１
１、電子増倍部１２を変更したものであり、背面
電極２１とメツシユ電極２３，２４の間に線状カ
ソード２２を垂直方向に多数並置し、電極２５に
入射する電子ビームの入射角が垂直になるように
構成されている。その他の電極構成は第１図と同
じであるため同一符号を付して説明は省略する。

以上の構成で大きな問題点は変調電極である。

カラー画像表示を行なうには第３図に示すよう
に赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの螢光体ストライ
プ３１がスクリーン３３に形成され、それぞれの
螢光体ストライプ３１と対応して分割された変調
電極３２を形成しなければならない。Ｒ、Ｇ、
B1組で１画素が形成されるため解像度の良い画
像を得ようとするとそれぞれの蛍光体幅を非常に
狭くしなければならない。たとえば１０吋のスク
リーンサイズの場合水平絵素数が340の画像を得
ようとすると１絵素の水平幅は約600μｍとなる。
これをＲ、Ｇ、B3原色で表示しようとすると
個々の螢光体幅は200μｍとなる。したがつて変
調電極は200μｍピツチで個々に分割されたもの
が必要となり、製作上非常に困難となるとともに
個々に分割された変調電極の数が約1000本とな
り、各変調電極を駆動する回路も同数必要とし、
変調電極と回路との接続も非常に困難となる。

発明の目的 本発明は解像度を損なうことなく、変調電極の
分割数を減らし、上記問題点を解決することを目
的としたものである。

発明の構成 本発明は水平方向にｎ個（ｎは２以上の整数）
の開孔を有する垂直方向に長い電極を所定の間隔
をおいて水平方向に多数並置した第１の電極群と
第１の電極群と同様の構成で、長い電極のｎ−１
本おきに母線に接続したｎ−１個の第２、第３、
……第ｎの電極群は第１の電極群より１／ｎピツ
チずつ順次ずらせて配置し、第１の電極群に映像
信号を、その他の電極群に各電極の母線にそれぞ
れ位相の異なるビーム制御電圧を印加するように
した平板形陰極線管である。

実施例の説明 以下本発明の実施例について図面を用いて詳細
に説明する。

第４図は本発明による平板形陰極線管の実施例
における変調電極部の斜視図、第５図はその水平
方向の断面図である。その他の部分は第１図、第
２図と同一であるのど図示を省略する。

２ケのスリツトあるいは丸あるいは矩形の開孔
を設けた垂直方向に互いに分割された長いストラ
イプ状電極４１ａ，４１ｂ，４１ｃ，……を、そ
れぞれ水平方向に並置した第１の電極群を変調電
極４１とし、ビーム直進方向にある間隔をもつて
同様の電極群４２を設ける。電極群４２はそれぞ
れ１本おきに母線４２ａ，４２ｂに接続して、２
枚の櫛歯状電極が噛み合つたような構成とし、か
つそれぞれの電極群４１，４２を1/2ピツチ互い
にずらして配置する。この電極群の開孔部に対応
して赤(R)、緑(G)、青(B)の色螢光体ストライプ４
４，４４Ｒ，４４Ｇ，４４Ｂを透明なフエースガ
ラス４７の内面に形成し、その上にメタルバツク
電極４６を形成する。また各色螢光体ストライプ
４４Ｒ，４４Ｇ，４４Ｂの間にはコントラストの
向上、色の混色防止のためにブラツクストライプ
４５を形成する。

次に動作を説明する。まず、実施例の動作を説
明する前に、本発明のような平板形陰極線管を用
いたテレビ表示装置についての一般的な動作説明
を第６図を用いて説明する。

テレビ同期信号５２によつて、タイミングパル
ス発生器５４では後述する回路ブロツクを駆動さ
せるタイミングパルスが作られる。まずその中の
１つのタイミングパルスでＲ、Ｇ、B3原色信号
５１に復調された信号をＡ／Ｄコンバーター５３
にてデイジタル信号に変換し、Ｒ，Ｇ，Ｂそれぞ
れの１水平走査期間の信号を第１のラインメモリ
−回路５５に入力する。１水平走査期間（以下
1Hと略す）の信号が全て入力されると、第２の
ラインメモリ−回路５６に転送され、次に1Hの
信号が第１のラインメモリ−回路５５に入力され
る。

第２のラインメモリ−回路５６に転送された信
号は1H間記憶系持されるとともに、Ｄ／Ａコン
バーター５７に信号を送り、ここでもとのアナロ
グ信号に変換する。アナログ信号に変換された信
号は、平板形陰極線管の各変調電極に導かれ、ビ
ーム量を制御する。ここでＤ／Ａコンバータ出力
は平板形陰極線管の変調電極と同じ数だけあり、
各変調電極には1H間、信号が連続して印加され
る。

しかし、本発明の実施例のように、いくつかの
開孔を１まとめにした変調電極構成では、ある１
つの電極をみた時、1H間連続して同じ信号を印
加していたのではカラー画像表示はできない。し
たがつて、まず第４図、第５図に示した実施例に
ついての駆動方法について説明する。

第７図にその駆動方法を示す。第５図の変調電
極４１で、４１ａ，４１ｂ……４１ｆの６本の電
極を１ブロツクとして考える。

いま電極４１ａにＲの信号Rsig（第７図７１ａ
参照）が印加された時、螢光面４４のＲの螢光体
の位置に対応する各電極の開孔部をビームが通過
するためには、母線４２ａに接続された電極に、
ビームが通過する電圧７２ａ（以下ビームON電
圧と呼ぶ）を印加する。この時、Ｇの螢光体位置
に対応する開孔部からはビームが螢光面４４にこ
ないようにするためには母線４２ｂに接続された
電極にビームを遮断する電圧７２ｂ（以下ビーム
オフオフ電圧と呼ぶ）を印加する。したがつて、
変調電極４１ａにＲの信号が印加されている時
は、この信号で変調されたビームは正確にＲの螢
光体に入射して発光させる。

この時、母線４２ａに接続されている電極はビ
ームを通過させる状態となつているため、変調電
極４１ｂ，４１ｃ，４１ｄ，４１ｅ，４１ｆにそ
れぞれＲ（７１ｂ），Ｇ（７１ｃ），Ｇ（７１ｄ），Ｂ
（７１ｅ），Ｂ（７１ｆ）の信号を印加すれば、そ
れぞれの信号で変調されたビームは電極４２の開
孔を通過し、色信号に対応する色の螢光体に入射
する。

次に変調電極４１ａにＧの信号（７１ａ−
Gsig）を印加し、Ｇの螢光体に対応した電極の
開孔からビームを通過させようとすると、母線４
２ａにビームカツトオフ電圧７２ａを、母線４２
ｂにビームオン電圧７２ｂを印加すればよい。そ
の結果、変調電極４１ａでＧの信号で変調された
ビームはＧの螢光体に入射し発光させる。

また、この時、母線４２ｂはビームオン電圧と
なつているため、変調電極４１ｂ，４１ｃ，４１
ｄ，４１ｅ，４１ｆにはそれぞれＢ（７１ｂ），Ｂ
（７１ｃ），Ｒ（７１ｄ），Ｒ（７１ｅ），Ｇ（７１ｆ
）
の信号を印加すると、各変調電極で変調されたビ
ームは電極４２の開孔を通過し、それぞれの色信
号に対応する色の螢光体に入射する。

以上の動作を1H内で行なうと、伝送されてく
るテレビの画像の1H間の画像を表示することが
できる。そして垂直方向には前記実施例と同様に
行なうことにより、テレビの１画面を構成し表示
することができる。

第８図は本発明の第２の実施例であり、第４
図、第５図で示した実施例と同様、３ケのスリツ
トあるいは丸あるいは矩形の開孔を設けた垂直方
向に長いストライプ状電極８１ａ，８１ｂ，８１
ｃ……を水平方向に並置した第１の電極群を変調
電極８１とし、ビーム直進方向にある間隔をもつ
て同様の電極群８２，８３を設ける。電極群８
２，８３はそれぞれ２本おきに母線８２ａ，８２
ｂ，８２ｃ，８３ａ，８３ｂ，８３ｃに接続さ
れ、かつそれぞれの電極群８１，８２，８３を水
平方向に1/3ピツチ互いにずらして配置する。８
４はフエースガラス８７上に形成された螢光面、
８６はメタルバツク電極である。

第９図には、第８図に示した変調電極構成の駆
動方法に示す。この場合は８１ａ，８１ｂ，８１
ｃの３本の変調電極を１ブロツクと考える。

いま変調電極８１ａにＲの信号（９１ａ−
Rsig）を印加した時、螢光面８４のＲの位置に
対応する各電極の開孔部をビームが通過するため
には、母線８２ａ，８２ｃ，８３ａ，８３ｂに接
続された電極ビームオン電圧を印加する。この
時、Ｇ，Ｂの螢光体位置に対応する開孔からビー
ムが出ないようにするため、母線８２ｂ，８３ｃ
に接続された電極にはビームカツトオフ電圧を印
加する。

その結果、変調電極８１ａでＲの信号で変調さ
れたビームは各開孔を通過し、Ｒの螢光体に入射
し発光させる。

この時、変調電極８１ｂ，８１ｃにそれぞれＧ
（９１ｂ−Gsig），Ｂ（９１ｅ−Bsig）信号を印号
を印加すればＧ，Ｂの螢光体位置に対応する開孔
のみからビームが通過して螢光体に入射する。

次に変調電極８１ａにＧの信号（９１ａ−
Gsig）を印加した時、螢光面のＧの位置に対応
する各電極の開孔部のみをビームが通過するため
には、母線８２ｂ，８２ｃ，８３ａ，８３ｃにビ
ームオン電圧を、母線８２ａ，８３ｂにはビーム
カツトオフ電圧を印加すればよい。この時、変調
電極８１ｂ，８１ｃにはＢ（９１ｂ−Bsig）、Ｒ
（９１ｃ−Rsig）を印加すれば、それぞれの色信
号で変調されたビームは、螢光面上の色螢光体に
対応する位置の開孔部のみを通過する。

次に変調電極８１ａにＢの信号（９１ａ−
Bsig）を印加した時、母線８２ａ，８２ｂ，８
３ｂ，８３ｃにビームオン電圧を、母線８２ｃ，
８３ａにはビームカツトオフ電圧を印加すれば、
螢光面のＢの位置に対応する各電極の開孔部をビ
ームが通過する。同時に変調電極８１ｂ，８１ｃ
にはＲ信号（９１ｂ−Rsig）、Ｇ信号（９１ｃ−
Gsig）を印加すれば、螢光面のＲ，Ｇ内位置に
対応する各電極の開孔部をビームが通過する。

以上の動作を1H内で行なうと、伝送されてく
るテレビ画像の1H間の画像を表示することがで
る。

なお以上の説明において１本の変調電極の中に
水平方向に２ケの孔を設けた場合と３ケの孔の場
合について述べたが、一般にｎケの場合（ｎ：整
数）についても可能であり、ｎケの場合には１／
ｎピツチずらした第２，第３，……第ｎの電極群
を所定の間隔で配置し、かつそれぞれの電極群は
（ｎ−１）本おきごとにｎケの開孔を有する電極
を接続した構成とする。

また第１の電極群である変調電極の位置はビー
ム入射側である必要はなく、その位置はいずれの
位置においてもよいことはいうまでもない。

発明の効果 以上のように本発明は２もしくは３ケの丸孔あ
るいはスリツトあるいは矩形の開孔部を水平方向
に設けた垂直方向に長いストライプ状電極を、そ
れぞれ分割して水平方向に並置した第１の電極群
を変調電極とし、ビーム直進方向にある間隔をも
つて同様の構成の電極群を、２ケ孔の場合には1/
２ピツチずらして第２の電極群として配置し、か
つ１本おきに共通母線に接続した構成、また３ケ
孔の場合には互いに1/3ピツチずらした第２，第
３の電極群を配置し、２本おきに共通母線に接続
した構成とし、前記第１の電極群と合わせて変調
電極構成とする。そして、第１の電極群の個々に
分割配置された電極に映像信号を印加し、第２，
第３の電極群の各母線には互いに位相のずれたビ
ーム制御信号電圧を印加することにより、各変調
電極に印加された色信号で変調されたビームはそ
の色に対応する螢光体に入射させることができ
る。

この結果、従来は水平方向の各絵素毎に変調電
極を構成していたのに対し、本発明によれば変調
電極本数１／ｎとすることが可能となる。このた
め変調電極を製作する時の困難性を解消し、各変
調電極を駆動する回路も減少させることができ、
消費電力の低下もはかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の平板形テ
レビ用陰極線管の構成の一例を示す分解斜視図お
よび断面図、第３図は従来の平板形テレビ用陰極
線管の変調電極と螢光面との対応関係を説明する
断面図、第４図および第５図は本発明による平板
形陰極線管の実施例における要部斜視図およびそ
の断面図、第６図は平面テレビの一般的な動作回
路を示す系統図、第７図は第４図および第５図に
示した構成の平板形陰極線管の動作説明波形図、
第８図は本発明による平板形陰極線管の他の実施
例における要部断面図、第９図は第８図の構成の
動作説明波形図である。 ４１……変調電極、４１ａ，４１ｂ，４１ｃ…
…ストライプ状電極、４２……電極群、４２ａ，
４２ｂ……母線、４４，４４Ｒ，４４Ｇ，４４Ｂ
……色螢光体ストライプ、４６……メタルバツク
電極、４７……フエースガラス、５３……Ａ／Ｄ
コンバータ、５４……タイミングパルス発生器、
５５，５６……ラインメモリー回路、５７……
Ｄ／Ａコンバータ、８１……変調電極、８１ａ，
８１ｂ，８１ｃ……ストライプ状電極、８２，８
３……電極群、８２ａ，８２ｂ，８２ｃ，８３
ａ，８３ｂ，８３ｃ……母線、８４……螢光面、
８６……メタルバツク電極、８７……フエースガ
ラス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平方向にｎ個（ｎは２以上の整数）の開孔
   を有する垂直方向に長い電極を所定の間隔をおい
   て水平方向に多数並置した第１の電極群と、第１
   の電極群と同様の構成を有する第２、第３、……
   第ｎの電極群とを有し、第２、第３、……第ｎの
   電極群は各々前記長い電極のｎ−１本おきに母線
   に接続されており、かつ各電極群が第１の電極群
   に対して１／ｎピツチずつ順次ずらせて電極板厚
   方向に所定の間隔をもつて配されて成る変調電極
   構成を具備したことを特徴とする平板形陰極線
   管。 ２ 第１の電極群に映像信号を、第２乃至第ｎの
   電極群に各電極群のｎ本の母線にそれぞれ位相の
   異なるビーム制御電圧を印加する特許請求の範囲
   第１項記載の平板形陰極線管。