JPH05297220A - 楕円偏光板 - Google Patents

楕円偏光板

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JPH05297220A
JPH05297220A JP12831492A JP12831492A JPH05297220A JP H05297220 A JPH05297220 A JP H05297220A JP 12831492 A JP12831492 A JP 12831492A JP 12831492 A JP12831492 A JP 12831492A JP H05297220 A JPH05297220 A JP H05297220A
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JP
Japan
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film
adhesive composition
sensitive adhesive
polarizing plate
acrylic
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Application number
JP12831492A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Midori
好 英 緑
Masahiko Tomori
森 賢 彦 登
Yorihide Fukuda
田 自 秀 福
Mamoru Akiyama
山 護 秋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、薄層化、軽量化、低コスト化が図
れ、更には視野角に優れた楕円偏光板を提供する。 【構成】 ポリビニルアルコール系位相差フイルム
(1)の両面にアクリル系粘着剤組成物層(4)を有
し、かかる粘着剤組成物層の一方の面に偏光フイルム
(5)をもう一方の面に離型フイルム(6)を積層した
構成からなる楕円偏光板において、アクリル系粘着剤組
成物として対ガラス板90゜剥離における剥離強度が
0.5kg/inch以上かつゲル化分率が50重量%
以上95重量%以下であるアクリル系粘着剤組成物を用
いることを特徴とする楕円偏光板

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSTN型液晶ディスプレ
イの着色防止等に用いられる楕円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】STN(Super Twisted
Namatic)型液晶の複屈折性を利用した高コント
ラストな液晶ディスプレイはパーソナルコンピューター
やワードプロセッサなどに用いられている。かかるディ
スプレイは液晶の複屈折性に基づくため表示が一般に青
色系統ないし黄色系統に着色する。そのためSTN型液
晶の複屈折による位相差を補償し、楕円偏光を直線偏光
に戻して着色を打ち消す手段が講じられている。その手
段として偏光板と複屈折性フイルムからなる位相差板と
からなる楕円偏光板を用いる方式が提案されている。こ
の方式はFTN方式などと呼ばれており、単層セルによ
る白黒表示を可能にして、それまでの別途の液晶セルを
重ね合わせるD−STN方式の嵩高や高重量問題を解消
している。
【0003】位相差板用の原材料には透明度、耐熱性、
光学的な均質性加工性などを備えたポリビニルアルコー
ル系、ポリカーボネート系、アクリル系、ポリエステル
系などが用いられており、特に単体透過率、加工性及び
白表示等に優れた性質を有し、又コストが安価であるポ
リビニルアルコール系位相差フイルムが広く用いられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ポリビニルアルコール系位相差フイルムは耐湿性に劣る
ために高湿度雰囲気下において位相差板の性質(リター
デーション値(R値)、フイルム又はシートの重量、寸
法など)が大きく変動するため、位相差フイルムの片面
又は両面には三酢酸セルロース、二酢酸セルロース等の
セルロース系フイルム、ポリカーボネート系フイルム、
ポリメチルメタクリレート系フイルム、ポリスチレン系
フイルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル系フイルム、ポリサルホン系フイルム等の高分子フイ
ルムを保護層として形成することが必須であり、楕円偏
光板として用いられる際には図1に示す如きポリビニル
アルコール系位相差フイルム(1)の両面に接着剤層
(2)を介して保護層(3)を有し、更に粘着剤層
(4)を介して一方の面には偏光フイルム(5)をもう
一方の面には離型フイルム(6)を積層した構成を有し
ている。かかる保護層の存在は、液晶ディスプレイの薄
層化、軽量化、低コスト化の趨勢に反するものであり、
又視野角が狭くなる問題点が指摘されており改善が強く
求められている。これらの要求に対して保護層を有しな
い位相差板の開発、更には該位相差板を用いた楕円偏光
板の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニ
ルアルコール系位相差フイルム(1)の両面にアクリル
系粘着剤組成物層(4)を有し、かかる粘着剤組成物層
の一方の面に偏光フイルム(5)をもう一方の面に離型
フイルム(6)を積層した構成からなる楕円偏光板にお
いて、アクリル系粘着剤組成物として対ガラス板90゜
剥離における剥離強度が0.5kg/inch以上かつ
ゲル化分率が50重量%以上95重量%以下であるアク
リル系粘着剤組成物を用いることにより目的を達成しう
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の如き特定のアクリル系粘着
剤組成物を用いた場合には、該粘着剤組成物層が保護層
の役目も兼ね、保護層を省略してもポリビニルアルコー
ル系位相差フイルムは十分な耐水性が得られることを見
出し、かかる位相差板を用いることにより薄層化、軽量
化、低コストが図れ、更には視野角に優れた楕円偏光板
を製造することに成功したのである。以下本発明につい
て詳述する。
【0007】本発明における位相差フイルムとはポリビ
ニルアルコール系(以下PVA系と略する。)の一軸延
伸フイルム又はシートが用いられる。該フイルム又はシ
ートを構成するPVA系の材料としては、PVA、PV
Aを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えばポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂な
どのいわゆるポリビニルアセタール樹脂およびその他共
重合によるPVA誘導体が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらのうちでは、耐熱性が良好
であるという点から、高ケン化度で高重合度のPVAが
好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以上が好まし
く、更には99モル%以上、特には99.5モル%以上
であって、重合度1000以上、望ましくは1000〜
3000のものが好ましい。
【0008】前記PVA系の一軸延伸フイルム又はシー
トとは、PVA系樹脂をキャスト法、押出法、カレンダ
ー法などの通常の方法で成膜した原反フイルム又はシー
トを1.1〜4倍、好ましくは1.1〜1.5倍程度一軸
延伸し、150〜250℃で10秒以上、好ましくは2
00〜230℃で20秒以上熱処理して得られた厚さ3
0〜60μm程度、好ましくは40〜50μm程度のも
のであり、物性的にはリターデーション値が30〜80
0nm程度で、未だ耐湿性を有しない基材である。
【0009】光学主軸が一定で、かつ光学的色斑が少な
い位相差板をうるためには原反フイルムまたはシート
は、厚さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均質な
ものであるのが好ましい。フイルムまたはシートに成膜
時にダイラインなどが発生することは好ましくない。本
発明において光学的に色斑が小さい位相差フイルムをう
るためには、延伸前のフイルム幅Aと延伸後のフイルム
幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A−
B)/A)を20%以下に抑えることが好ましい。
【0010】前記一軸延伸する方法としては、たとえば
多数のロールの間をフイルムを通過させることによって
フイルムの予熱を行い、ついで2対の延伸ロールにより
所定の倍率に延伸する方法、多数のロール間をフイルム
を通過させる間に予熱と段階的な延伸を併行して行いな
がら、所定の倍率にまでもっていく方法、テンター法に
より巾方向に延伸する横一軸延伸法などの方法が採用さ
れうる。
【0011】延伸は目的とする位相差板の用途に応じて
適宜に行われる。即ち、リターデーション値とは主延伸
方向(MD方向)、およびこれに垂直な方向(TD方
向)における屈折率差(IIMD−IITD)と位相差フイルム
またはシートの厚さの(d)との積で定義され、直交関
係にある直線偏光が同位相で入射した場合の透過光の位
相差を意味するリターデーション値(R値)が、使用光
線の波長(λ)の例えば1/4の値となるように延伸処
理を行った場合には、1/4波長板が得られ、1/2の
値となるように延伸処理を行った場合には、1/2波長
板が得られることとなる。
【0012】使用光線が可視光線である場合、1/4波
長板としてのリターデーション値は95〜170nmの
範囲となる。従って、この範囲にある1/4波長板と直
線偏光子とを組合わせることによって、ある可視光線に
おける正確な円偏光が得られることになる。本発明によ
るPVA系位相差板には、紫外線吸収剤や安定剤などの
各種の添加剤が添加されていてもよい。また、延伸後に
行われる熱処理によりその分子配合が恒久的なものとさ
れる。
【0013】本発明におけるアクリル系粘着剤組成物と
はアクリル系粘着剤及び硬化剤との混合物からなり対ガ
ラス板90゜剥離における剥離強度が0.5kg/in
ch以上、好ましくは1.0kg/inch以上、かつ
ゲル化分率が50重量%以上95重量%以下、好ましく
は60重量%以上90重量%以下を示すものである。剥
離強度が0.5kg/inch未満では高温、高湿条件
において位相差フイルムの性質が大きく変動し、又ガラ
ス板との剥離現象が生じるため好ましくない。ゲル化分
率が50重量%未満のものは高温、高湿条件において、
位相差フイルムのR値の低下及び寸法変化等が起こり又
粘着剤組成物層中において気泡が発生し外観的に好まし
くなく、一方95重量%を越えるものは位相差フイルム
との著しい剥離が生じる。
【0014】本発明でいう対ガラス板90゜剥離におけ
る剥離強度とはJIS−C210790度引きはがし法
に準じて測定されたものである。但し、試験板としてガ
ラス基材を、試験片として巾25mmの位相差フイルム
に粘着剤組成物25μm程度を塗布したものを使用し、
又圧着方法としては試験片の圧着速さ200mm/mi
n、圧着回数5往復で試験片を圧着し、更にオートクレ
ーブ処理(圧力5kg/cm2、50℃、15分間)し
てエージング(60℃、12時間)したものとする。
【0015】ゲル化分率とはポリエチレン等のプラスチ
ックフイルム上に40mm×80mm×25μm程度に
塗布したアクリル系粘着剤組成物を250ml中のトル
エン中に約20℃で20〜24時間浸漬させた時の粘着
剤組成物の残存分を塗布量に対する重量基準で表したも
のである。アクリル系粘着剤の具体的な構成成分として
はガラス転移温度の低く柔らかいモノマー成分やガラス
転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ少
量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0016】前記の主モノマー成分としては、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシ
ル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸ア
ルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタク
リル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12
程度のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、
前記のコモノマー成分としては、アクリル酸メチルやメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸
アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0017】前記以外に官能基含有モノマー成分として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれ
らの無水物等のカルボキシル基含有モノマーや2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールア
クリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0018】かかる官能基含有モノマー成分のうちで、
特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。か
かる主モノマー成分の含有量は他に含有させるコモノマ
ー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量により
一概に規定できないが、一般的には上記主モノマーを5
0重量%以上含有させることが好ましい。
【0019】本発明のアクリル系樹脂は、主モノマー、
コモノマー、更に必要に応じて官能基含有モノマーを有
機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方
法によって容易に製造される。
【0020】前記重合に用いられる有機溶剤としては、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコ
ール、iso−プロピルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられ
る。前記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通
常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例
として挙げられる。
【0021】かかるアクリル系粘着剤は、本発明の効果
をより顕著に発揮させるために0.001〜10重量
%、好ましくは0.01〜5重量%程度の硬化剤が混合
される。硬化剤としての代表的なものはイソシアネート
系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、ア
ミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート
化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示
される。
【0022】硬化剤のうちイソシアネート系化合物とし
ては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイ
ソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイ
ソシアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキシ
リレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタ
ン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
など、及びこれらのケトオキシムブロック物またはフェ
ノールブロック物などが挙げられる。
【0023】エポキシ系化合物としては、ビスフェノー
ルA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミ
ン、N,N,N',N'−テトラグリシジルm−キシレン
ジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジグリシジルアミノ
メチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0024】アルデヒド系化合物としては、グリオキザ
ール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マ
レインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが
挙げられる。アミン化合物としては、ヘキサメチレンジ
アミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘ
キサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹
脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0025】金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、
亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシ
ウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金
属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの
塩、たとえば、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第
二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マ
グネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロムな
どが挙げられる。金属アルコキシドとしては、テトラエ
チルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニ
ウムイソプロピオネートなどが挙げられる。
【0026】金属キレート化合物としては、アルミニウ
ム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモ
ン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム
等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル
配位化合物などが挙げられる。アンモニウム塩として
は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、プロピオン酸アンモニウムなどが挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒ
ドラート、およびそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等
の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられ
る。
【0027】本発明における偏光フイルムとは特に限定
はなく、偏光素膜をそのまま用いることもできるが、通
常は偏光素膜の少なくとも片面(通常は両面)に保護層
を積層したものを用いる。ここで偏光素膜とては、ビニ
ルアルコール系重合体/ヨウ素系、ビニルアルコール系
重合体/2色性染料系、ビニルアルコール系重合体/ポ
リエン系、ポリハロゲン化ビニル/ポリエン系、ポリア
クリロニトリル/ポリエン系、ポリ(メタ)アクリレー
ト/ポリエン系、ポリカーボネート系などが挙げられ
る。上記中、ビニルアルコール系重合体とは、ポリビニ
ルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体な
どである。保護層としては、セルローストリアセテート
シート、ポリカーボネートシート、ポリメチルメタクリ
レートシートをはじめとする光等方性の透明シートが挙
げられる。その厚さは120〜200μm程度である。
【0028】本発明における離型フイルムしは、ポリエ
ステルやポリオレフィン等のプラスチックフイルムの片
面又は両面を剥離剤で処理したものであり、一般的にポ
リエステルフイルムにシリコーン系剥離剤をコーティン
グしたものを使用する。その厚さは30〜50μm程度
である。本発明における楕円偏光板はPVA系位相差フ
イルムの両面に本発明の如きアクリル系粘着剤組成物を
設け、一方の面に偏光フイルムをもう一方の面に離型フ
イルムを積層することにより得られる。図2にその構成
を示す。
【0029】(1)はPVA系位相差フイルム、(4)
はアクリル系粘着剤組成物、(5)は偏光フイルム、
(6)離型フイルムである。アクリル系粘着剤組成物層
の厚さは適宜に決定して良いが、一般には10〜40μ
mとされる。かかる楕円偏光板を液晶ディスプレイに貼
り付ける場合には離型フイルム(6)を剥がしてアクリ
ル系粘着剤組成物層(4)を液晶ディスプレイのガラス
基板に貼り付ける。かくして得られた楕円偏光板はST
N型液晶セル等の複屈折性液晶セルを用いたディスプレ
イにおける位相差による着色の打ち消しに好ましく用い
られる。
【0030】
【作 用】本発明は特定のアクリル系粘着剤組成物を
用いることによりPVA系位相差フイルムを用いるに際
し、従来必須とされていた保護層が省略でき、楕円偏光
板の薄層化、軽量化、低コスト化を実現した。
【0031】
【実施例】以下、本発明について実例を挙げ更に詳述す
る。尚、「部」及び「%」とあるのは重量基準である。 アクリル系粘着剤組成物(A) 還流管、温度計付きの重合反応缶に、酢酸エチル50部
と、重合触媒として、アゾビスイソブチロニトリル0.
03部を入れ、沸点まで昇温し、ブチルアクリレート6
7%、メチルアクリレート30%、アクリル酸3%を2
時間かけて滴下仕込みを行った。重合率95%になるま
で反応を行い、希釈溶剤として、酢酸エチルとトルエン
混合溶剤にて、希釈を行った結果、樹脂分30%、粘度
が4000cps/25℃の粘着剤を得た。この粘着剤
に対して硬化剤として、トリメチロールプロパントリレ
ンジイソシアネートの75%液を1.5部混合して粘着
剤組成物とした。
【0032】アクリル系粘着剤組成物(B) アクリル系粘着剤組成物(A)において硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を0.5部配合した以外は同例に従って粘着剤組成
物を得た。 アクリル系粘着剤組成物(C) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート67%、メチルアクリレート2
8.7%、アクリル酸4%、2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレート0.3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0033】アクリル系粘着剤組成物(D) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート43.5%、エチルアクリレー
ト10%、アクリル酸3%を使用した以外は同例に従っ
て重合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤とし
てトリメチロールプロパントリレンジイソシアネートの
75%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0034】アクリル系粘着剤組成物(E) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート45.5%、2−エチルヘキシ
ルアクリレート30%、メチルアクリレート20%、ア
クリル酸4%、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
0.5%を使用した以外は同例に従って重合を行い粘着
剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてトリメチロール
プロパントリレンジイソシアネートの75%液を3.5
部混合して粘着剤組成物を得た。
【0035】アクリル系粘着剤組成物(F) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート69%、メチルアクリレート3
0%、アクリル酸1%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を0.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0036】アクリル系粘着剤組成物(G) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
して2−エチルヘキシルアクリレート96%、アクリル
酸4%を使用した以外は同例に従って重合を行い粘着剤
を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてトリメチロールプ
ロパントリレンジイソシアネートの75%液を5部混合
して粘着剤組成物を得た。
【0037】アクリル系粘着剤組成物(H) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート67%、メチルアクリレート3
0%、アクリル酸3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0038】アクリル系粘着剤組成物(I) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート57%、メチルアクリレート4
0%、アクリル酸3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を0.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0039】実施例1 平均重合度2000、平均ケン化度99.7モル%の厚
さ60μmの一軸延伸ポリビニルアルコールフイルム
(R値=410nm、延伸倍率1.15倍、延伸後22
0℃で30秒間熱処理したもの)の両面に90゜剥離強
度が1.8kg/inch、ゲル化分率が77%である
上記組成からなるアクリル系粘着剤組成物(A)を厚さ
25μmになるように積層し、続いて一方の面にポリビ
ニルアルコール系延伸フイルムをヨウ素で染色処理して
なる厚さ180μmの偏光フイルム(透過率41%、偏
光度99.9%)をもう一方の面に厚さ40μmの離型
フイルムを積層して楕円偏光板を得た。かかる楕円偏光
板において離型フイルムを剥がしアクリル系粘着剤組成
物層に厚さ1.1mmのガラス基板を積層したものを試
験試料とし、耐湿性及び視野角について下記の方法を用
いて測定した。結果はまとめて表2に示す。
【0040】(耐湿性)40℃×95%Rhの雰囲気中
で500時間放置後目視により外観の検査を行った。評
価基準は次のとおりとする。 ○:外観欠点なし ×:外観欠点あり(位相差フイルムの剥離、粘着剤の発
泡など)
【0041】(視野角)バビネ型コンペンセーター付の
偏光顕微鏡(ニコンPOH−I型)に自在回転台を取り
付け、サンプルを50゜傾斜させて測定し、以下のよう
に表した。
【化1】 50゜:サンプルを50゜傾斜時の値 R0゜:入射光に対して垂直時の値
【0042】実施例2〜5及び比較例1〜4 実施例1において表1で示す如きアクリル系粘着剤組成
物を用いた以外は同例に準じて測定を行った。結果をま
とめて表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】比較例5 実施例1と同様の一軸延伸ポリビニルアルコールフイル
ムの両面に厚さ50μmのトリアセチルセルロースフイ
ルムを保護層として接着した後同例に準じて更にアクリ
ル系粘着剤組成物層を設け、続いて一方の面に偏光板を
もう一方の面にガラス基板を積層して試験試料を作製し
た後、同例に準じて測定を行った。結果はまとめて表2
に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明においては非常に薄い楕円偏光板
が得られ、広い視野角の複屈折性液晶ディスプレイの形
成を可能にするほか、軽量で画面の大型化にも有利であ
る。また従来に比べ積層すべきフイルム数が少ないので
製造効率にも優れる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の楕円偏光板の構成図である。
【図2】 本発明の楕円偏光板の構成図である。
【符号の説明】
(1)ポリビニルアルコール系位相差フイルム (2)接着剤層 (3)保護層 (4)アクリル系粘着剤組成物層 (5)偏光フイルム (6)離型フイルム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系位相差フイルム
    (1)の両面にアクリル系粘着剤組成物層(4)を有
    し、かかる粘着剤組成物層の一方の面に偏光フイルム
    (5)をもう一方の面に離型フイルム(6)を積層した
    構成からなる楕円偏光板において、アクリル系粘着剤組
    成物として対ガラス板90゜剥離における剥離強度が
    0.5kg/inch以上かつゲル化分率が50重量%
    以上95重量%以下であるアクリル系粘着剤組成物を用
    いることを特徴とする楕円偏光板
JP12831492A 1992-04-20 1992-04-20 楕円偏光板 Pending JPH05297220A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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