JPH05297221A - 位相差板 - Google Patents

位相差板

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JPH05297221A
JPH05297221A JP12831592A JP12831592A JPH05297221A JP H05297221 A JPH05297221 A JP H05297221A JP 12831592 A JP12831592 A JP 12831592A JP 12831592 A JP12831592 A JP 12831592A JP H05297221 A JPH05297221 A JP H05297221A
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JP
Japan
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film
adhesive composition
sensitive adhesive
acrylic
pressure
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Application number
JP12831592A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Midori
好 英 緑
Masahiko Tomori
森 賢 彦 登
Yorihide Fukuda
田 自 秀 福
Mamoru Akiyama
山 護 秋
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、薄層化、軽量化、低コスト化が図
れ、更には視野角に優れた位相差板を提供する。 【構成】 ポリビニルアルコール系位相差フイルム
(1)の一方の面にアクリル系粘着剤組成物層(2)を
介して離型紙(3)を、もう一方の面に微粘着剤層
(4)を介して耐水性基材(5)を積層した構成からな
る位相差板において、アクリル系粘着剤組成物として対
ガラス板90゜剥離における剥離強度が0.5kg/i
nch以上かつゲル化分率が50重量%以上95重量%
以下であるアクリル系粘着剤組成物を用いることを特徴
とする位相差板

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位相差板に関する。更に
詳しくはSTN(Super Twisted Nam
atic)型液晶表示器に有用なポリビニルアルコール
系位相差板に関する。
【0002】
【従来の技術】STN型液晶の複屈折性を利用した高コ
ントラストな液晶ディスプレイはパーソナルコンピュー
ターやワードプロセッサなどに用いられている。かかる
ディスプレイは液晶の複屈折性に基づくため表示が一般
に青色系統ないし黄色系統に着色する。そのためSTN
型液晶の複屈折による位相差を補償し、楕円偏光を直線
偏光に戻して着色を打ち消す手段が講じられている。そ
の手段として偏光板と複屈折性フイルムからなる位相差
板とからなる楕円偏光板を用いる方式が提案されてい
る。この方式はFTN方式などと呼ばれており、単層セ
ルによる白黒表示を可能にして、それまでの別途の液晶
セルを重ね合わせるD−STN方式の嵩高や高重量問題
を解消している。
【0003】位相差板用の原材料には透明度、耐熱性、
光学的な均質性加工性などを備えたポリビニルアルコー
ル系、ポリカーボネート系、アクリル系、ポリエステル
系などが用いられており、特に単体透過率、加工性及び
白表示等に優れた性質を有し、又コストが安価であるポ
リビニルアルコール系位相差フイルムが広く用いられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ポリビニルアルコール系位相差フイルムは耐湿性に劣る
ために高湿度雰囲気下において位相差板の性質(リター
デーション値(R値)、フイルム又はシートの重量、寸
法など)が大きく変動するため、位相差フイルムの両面
には三酢酸セルロース、二酢酸セルロース等のセルロー
ス系フイルム、ポリカーボネート系フイルム、ポリメチ
ルメタクリレート系フイルム、ポリスチレン系フイル
ム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フ
イルム、ポリサルホン系フイルム等の高分子フイルムを
保護層として形成することが必須である。
【0005】かかる保護層の存在は、液晶ディスプレイ
の薄層化、軽量化、低コスト化の趨勢に反するものであ
り、又視野角が狭くなる問題点が指摘されており改善が
強く求められている。これらの要求に対して保護層を有
しない位相差板の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニ
ルアルコール系(以下、PVA系と略する)位相差フイ
ルム(1)の一方の面にアクリル系粘着剤組成物層
(2)を介して離型紙(3)を、もう一方の面に微粘着
剤層(4)を介して耐水性基材(5)を積層した構成か
らなる位相差板において、アクリル系粘着剤組成物とし
て対ガラス板90゜剥離における剥離強度が0.5kg
/inch以上かつゲル化分率が50重量%以上95重
量%以下であるアクリル系粘着剤組成物を用いることに
より目的を達成しうることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明の如き特定のアクリル系粘着
剤組成物を用いた場合には、該粘着剤組成物層が保護層
の役目も兼ね、保護層を省略してもポリビニルアルコー
ル系位相差フイルムは十分な耐水性が得られることを見
出し、薄層化、軽量化、低コストが図れ、更には視野角
に優れた位相差板を製造することに成功したのである。
以下本発明について詳述する。
【0008】本発明における位相差フイルムとはPVA
系の一軸延伸フイルム又はシートが用いられる。該フイ
ルム又はシートを構成するPVA系の材料としては、P
VA、PVAを酸の存在下でアルデヒド類と反応させ
た、例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホル
マール樹脂などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂お
よびその他共重合によるPVA誘導体が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらのうちでは、
耐熱性が良好であるという点から、高ケン化度で高重合
度のPVAが好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以
上が好ましく、更には99モル%以上、特には99.5
モル%以上であって、重合度1000以上、望ましくは
1000〜3000のものが好ましい。
【0009】前記PVA系の一軸延伸フイルム又はシー
トとは、PVA系樹脂をキャスト法、押出法、カレンダ
ー法などの通常の方法で成膜した原反フイルム又はシー
トを1.1〜4倍、好ましくは1.1〜1.5倍程度一軸
延伸し、150〜250℃で10秒以上、好ましくは2
00〜230℃で20秒以上熱処理して得られた厚さ3
0〜60μm程度、好ましくは40〜50μm程度のも
のであり、物性的にはリターデーション値が30〜80
0nm程度で、未だ耐湿性を有しない基材である。
【0010】光学主軸が一定で、かつ光学的色斑が少な
い位相差板をうるためには原反フイルムまたはシート
は、厚さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均質な
ものであるのが好ましい。フイルムまたはシートに成膜
時にダイラインなどが発生することは好ましくない。本
発明において光学的に色斑が小さい位相差フイルムをう
るためには、延伸前のフイルム幅Aと延伸後のフイルム
幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A−
B)/A)を20%以下に抑えることが好ましい。
【0011】前記一軸延伸する方法としては、たとえば
多数のロールの間をフイルムを通過させることによって
フイルムの予熱を行い、ついで2対の延伸ロールにより
所定の倍率に延伸する方法、多数のロール間をフイルム
を通過させる間に予熱と段階的な延伸を併行して行いな
がら、所定の倍率にまでもっていく方法、テンター法に
より巾方向に延伸する横一軸延伸法などの方法が採用さ
れうる。
【0012】延伸は目的とする位相差板の用途に応じて
適宜に行われる。即ち、リターデーション値とは主延伸
方向(MD方向)、およびこれに垂直な方向(TD方
向)における屈折率差(IIMD−IITD)と位相差フイルム
またはシートの厚さの(d)との積で定義され、直交関
係にある直線偏光が同位相で入射した場合の透過光の位
相差を意味するリターデーション値(R値)が、使用光
線の波長(λ)の例えば1/4の値となるように延伸処
理を行った場合には、1/4波長板が得られ、1/2の
値となるように延伸処理を行った場合には、1/2波長
板が得られることとなる。
【0013】使用光線が可視光線である場合、1/4波
長板としてのリターデーション値は95〜170nmの
範囲となる。従って、この範囲にある1/4波長板と直
線偏光子とを組合わせることによって、ある可視光線に
おける正確な円偏光が得られることになる。本発明によ
るPVA系位相差板には、紫外線吸収剤や安定剤などの
各種の添加剤が添加されていてもよい。また、延伸後に
行われる熱処理によりその分子配合が恒久的なものとさ
れる。
【0014】本発明におけるアクリル系粘着剤組成物と
はアクリル系粘着剤及び硬化剤を混合したものであり、
対ガラス板90゜剥離における剥離強度が0.5kg/
inch以上、好ましくは1.0kg/inch以上、
かつゲル化分率が50重量%以上95重量%以下、好ま
しくは60重量%以上90重量%以下を示すものであ
る。剥離強度が0.5kg/inch未満では高温、高
湿条件において位相差フイルムの性質が大きく変動し、
又ガラス板との剥離現象が生じるため好ましくない。ゲ
ル化分率が50重量%未満のものは高温、高湿条件にお
いて、位相差フイルムのR値の低下及び寸法変化等が起
こり又粘着剤組成物層中において気泡が発生し外観的に
好ましくなく、一方95重量%を越えるものは位相差フ
イルムとの著しい剥離が生じる。
【0015】本発明でいう対ガラス板90゜剥離におけ
る剥離強度とはJIS−C210790度引きはがし法
に準じて測定されたものである。但し、試験板としてガ
ラス基材を、試験片として巾25mmの位相差フイルム
に粘着剤組成物25μm程度を塗布したものを使用し、
又圧着方法としては試験片の圧着速さ200mm/mi
n、圧着回数5往復で試験片を圧着し、更にオートクレ
ーブ処理(圧力5kg/cm2、50℃、15分間)し
てエージング(60℃、12時間)したものとする。
【0016】ゲル化分率とはポリエチレン等のプラスチ
ックフイルム上に40mm×80mm×25μm程度に
塗布したアクリル系粘着剤組成物を250ml中のトル
エン中に約20℃で20〜24時間浸漬させた時の粘着
剤組成物の残存分を塗布量に対する重量基準で表したも
のである。アクリル系粘着剤の具体的な構成成分として
はガラス転移温度の低く柔らかいモノマー成分やガラス
転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ少
量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0017】前記の主モノマー成分としては、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシ
ル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸ア
ルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタク
リル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12
程度のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、
前記のコモノマー成分としては、アクリル酸メチルやメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸
アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0018】前記以外に官能基含有モノマー成分として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれ
らの無水物等のカルボキシル基含有モノマーや2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールア
クリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0019】かかる官能基含有モノマー成分のうちで、
特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。か
かる主モノマー成分の含有量は他に含有させるコモノマ
ー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量により
一概に規定できないが、一般的には上記主モノマーを5
0重量%以上含有させることが好ましい。
【0020】本発明のアクリル系樹脂は、主モノマー、
コモノマー、更に必要に応じて官能基含有モノマーを有
機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方
法によって容易に製造される。
【0021】前記重合に用いられる有機溶剤としては、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコ
ール、iso−プロピルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられ
る。前記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通
常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例
として挙げられる。
【0022】かかるアクリル系粘着剤は、本発明の効果
をより顕著に発揮させるために0.001〜10重量
%、好ましくは0.01〜5重量%程度の硬化剤が混合
される。硬化剤としての代表的なものはイソシアネート
系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、ア
ミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート
化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示
される。
【0023】硬化剤のうちイソシアネート系化合物とし
ては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイ
ソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイ
ソシアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキシ
リレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタ
ン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
など、及びこれらのケトオキシムブロック物またはフェ
ノールブロック物などが挙げられる。
【0024】エポキシ系化合物としては、ビスフェノー
ルA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミ
ン、N,N,N',N'−テトラグリシジルm−キシレン
ジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジグリシジルアミノ
メチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0025】アルデヒド系化合物としては、グリオキザ
ール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マ
レインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが
挙げられる。アミン化合物としては、ヘキサメチレンジ
アミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘ
キサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹
脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0026】金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、
亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシ
ウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金
属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの
塩、たとえば、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第
二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マ
グネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロムな
どが挙げられる。金属アルコキシドとしては、テトラエ
チルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニ
ウムイソプロピオネートなどが挙げられる。
【0027】金属キレート化合物としては、アルミニウ
ム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモ
ン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム
等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル
配位化合物などが挙げられる。アンモニウム塩として
は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、プロピオン酸アンモニウムなどが挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒ
ドラート、およびそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等
の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられ
る。かかるアクリル系粘着剤組成物層の厚さは適宜に決
定して良いが、一般には10〜40μmとされる。
【0028】本発明における離型紙とは特に限定はな
く、ポリエステルやポリオレフィンなどのプラスチック
フイルムの片面又は両面を剥離剤で処理したもので一般
的にはポリエステルフイルムにシリコーン系剥離剤をコ
ーティングしたものを使用する。その厚さは30〜50
μm程度が適当である。本発明における耐水性基材とは
特に限定はなく、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレ
ンフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等が
挙げられ、その厚さは30〜100μm程度が適当であ
る。
【0029】これらの耐水性基材を積層する際の微粘着
剤としては特に限定はなくマスキング用の低粘着力を有
するアクリル系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体
フイルム層を微粘着層とする共押出ラミネートフイルム
等任意の粘着剤が使用できる。但し、本発明の如きアク
リル系粘着剤組成物よりも低い粘着力を有するものであ
る。本発明における位相差板とは前記で述べた如きPV
A系位相差フイルムの一方の面にアクリル系粘着剤組成
物を介して、離型紙をもう一方の面に微粘着剤を介して
耐水性基材を積層することにより得られる。図1にその
構成を示す。
【0030】(1)はPVA系位相差フイルム、(2)
はアクリル系粘着剤組成物、(3)は離型紙、(4)は
微粘着剤層、(5)は耐水性基材である。かかる位相差
板を楕円偏光板として用いるには、耐水性基材(5)を
微粘着剤層(4)と共に剥がし、PVA系位相差フイル
ム(1)に粘着剤層又は接着剤層を介して偏光板を所定
の角度で積層させる。
【0031】
【作 用】本発明は特定のアクリル系粘着剤組成物を
用いることによりPVA系位相差フイルムを用いるに際
し、従来必須とされていた保護層が省略でき、その分薄
型化、軽量化、低コスト化が可能になった。
【0032】
【実施例】以下、本発明について実例を挙げ更に詳述す
る。尚、「部」及び「%」とあるのは特にことわりのな
い限り重量基準である。 アクリル系粘着剤組成物(A) 還流管、温度計付きの重合反応缶に、酢酸エチル50部
と、重合触媒として、アゾビスイソブチロニトリル0.
03部を入れ、沸点まで昇温し、ブチルアクリレート6
7%、メチルアクリレート30%、アクリル酸3%を2
時間かけて滴下仕込みを行った。重合率95%になるま
で反応を行い、希釈溶剤として、酢酸エチルとトルエン
混合溶剤にて、希釈を行った結果、樹脂分30%、粘度
が4000cps/25℃の粘着剤を得た。この粘着剤
に対して硬化剤として、トリメチロールプロパントリレ
ンジイソシアネートの75%液を1.5部混合して粘着
剤組成物とした。
【0033】アクリル系粘着剤組成物(B) アクリル系粘着剤組成物(A)において硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を0.5部配合した以外は同例に従って粘着剤組成
物を得た。 アクリル系粘着剤組成物(C) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート67%、メチルアクリレート2
8.7%、アクリル酸4%、2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレート0.3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0034】アクリル系粘着剤組成物(D) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート43.5%、エチルアクリレー
ト10%、アクリル酸3%を使用した以外は同例に従っ
て重合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤とし
てトリメチロールプロパントリレンジイソシアネートの
75%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0035】アクリル系粘着剤組成物(E) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート45.5%、2−エチルヘキシ
ルアクリレート30%、メチルアクリレート20%、ア
クリル酸4%、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
0.5%を使用した以外は同例に従って重合を行い粘着
剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてトリメチロール
プロパントリレンジイソシアネートの75%液を3.5
部混合して粘着剤組成物を得た。
【0036】アクリル系粘着剤組成物(F) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート69%、メチルアクリレート3
0%、アクリル酸1%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を0.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0037】アクリル系粘着剤組成物(G) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
して2−エチルヘキシルアクリレート96%、アクリル
酸4%を使用した以外は同例に従って重合を行い粘着剤
を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてトリメチロールプ
ロパントリレンジイソシアネートの75%液を5部混合
して粘着剤組成物を得た。
【0038】アクリル系粘着剤組成物(H) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート67%、メチルアクリレート3
0%、アクリル酸3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0039】アクリル系粘着剤組成物(I) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート57%、メチルアクリレート4
0%、アクリル酸3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を0.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0040】実施例1 平均重合度2000、平均ケン化度99.7モル%の厚
さ60μmの一軸延伸PVAフイルム(R値=410n
m、延伸倍率1.15倍、延伸後220℃で30秒間熱
処理したもの)の一方の面に90゜剥離における剥離強
度が1.8kg/inch、ゲル化分率が77%である
上記組成からなるアクリル系粘着剤組成物(A)を乾燥
後の厚さが25μmになるように塗布した後、厚さ38
μmのポリエチレンテレフタレートセパレーターを積層
し、もう一方の面に厚さが60μmのエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体とポリエチレンの共押出しフイルムを積層
して位相差板を作製した。次に上記で得られた位相差板
のエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの共押
出フイルムを剥がし、PVA系延伸フイルムをヨウ素で
染色処理してなる厚さ180μmの偏光板(透過率41
%、偏光度99.8%)を積層して楕円偏光板を得た。
かかる楕円偏光板においてポリエチレンテレフタレート
セパレーターを剥がしてアクリル系粘着剤組成物層に厚
さ1.1mmのガラス基板に積層して試験試料とし、耐
湿性及び視野角を下記の方法を用いて測定した。結果は
まとめて表2に示す。
【0041】(耐湿性)40℃×95%Rhの雰囲気中
で500時間放置後目視により外観の検査を行った。評
価基準は次のとおりとする。 ○:外観欠点なし ×:外観欠点あり(位相差フイルムの剥離、粘着剤の発
泡など)
【0042】(視野角)バビネ型コンペンセーター付の
偏光顕微鏡(ニコンPOH−I型)に自在回転台を取り
付け、サンプルを50゜傾斜させて測定し、以下のよう
に表した。
【化1】 50゜:サンプルを50゜傾斜時の値 R0゜:入射光に対して垂直時の値
【0043】実施例2〜5及び比較例1〜4 実施例1において表1で示す如きアクリル系粘着剤組成
物を用いた以外は同例に準じて測定を行った。結果をま
とめて表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】比較例5 実施例1と同様の一軸延伸ポリビニルアルコールフイル
ムの両面に厚さ50μmからなるPVA系接着剤を介し
てトリアセチルセルロースフイルムを保護層として接着
した後同例に準じて一方の面にはアクリル系粘着剤組成
物層を介してポリエチレンテレフタレートセパレーター
をもう一方の面にエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリ
エチレンとの共押出フイルムを積層して位相差板を得
た。かかる位相差板を用いて同例に準じて試験試料を作
製し、耐湿性及び視野角を測定した。結果はまとめて表
2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明においては非常に薄い位相差板が
得られ、広い視野角の複屈折性液晶ディスプレイの形成
を可能にするほか、軽量で画面の大型化にも有利であ
る。また従来に比べ積層すべきフイルム数が少ないので
製造効率にも優れる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の位相差板の構成図である。
【符号の説明】
(1)ポリビニルアルコール系位相差フイルム (2)アクリル系粘着剤組成物層 (3)離型紙 (4)微粘着剤層 (5)耐水性基材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】金属キレート化合物としては、アルミニウ
ム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモ
ン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム
等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル
配位化合物などが挙げられる。アンモニウム塩として
は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、プロピオン酸アンモニウムなどが挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒ
ドラート、およびそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等
の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられ
る。かかるアクリル系粘着剤組成物層の厚さは適宜に決
定して良いが、一般には〜40μmとされる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系位相差フイルム
    (1)の一方の面にアクリル系粘着剤組成物層(2)を
    介して離型紙(3)を、もう一方の面に微粘着剤層
    (4)を介して耐水性基材(5)を積層した構成からな
    る位相差板において、アクリル系粘着剤組成物として対
    ガラス板90゜剥離における剥離強度が0.5kg/i
    nch以上かつゲル化分率が50重量%以上95重量%
    以下であるアクリル系粘着剤組成物を用いることを特徴
    とする位相差板
JP12831592A 1992-04-20 1992-04-20 位相差板 Pending JPH05297221A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008282024A (ja) * 2008-06-03 2008-11-20 Nitto Denko Corp 粘着型光学部材
JP2009230115A (ja) * 2008-02-29 2009-10-08 Nitto Denko Corp 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2010170139A (ja) * 2010-02-16 2010-08-05 Nitto Denko Corp 粘着型光学部材

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