JP3618115B2 - 楕円偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はSTN型液晶ディスプレイの着色防止等に用いられる楕円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
STN(Super Twisted Nematic)型液晶の複屈折性を利用した高コントラストな液晶ディスプレイはパーソナルコンピューターやワードプロセッサなどに用いられている。かかるディスプレイは液晶の複屈折性に基づくため表示が一般に青色系統ないし黄色系統に着色する。そのためSTN型液晶の複屈折による位相差を補償し、楕円偏光を直線偏光に戻して着色を打ち消す手段が講じられている。その手段として偏光板と複屈折性フイルムからなる位相差板とからなる楕円偏光板を用いる方式が提案されている。この方式はFTN方式などと呼ばれており、単層セルによる白黒表示を可能にして、それまでの別途の液晶セルを重ね合わせるD−STN方式の嵩高や高重量問題を解消している。
【0003】
位相差板用の原材料には透明度、耐熱性、光学的な均質性加工性などを備えたポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、アクリル系、ポリエステル系などが用いられており、特に単体透過率、加工性及び白表示等に優れた性質を有し、又コストが安価であるポリビニルアルコール系位相差フイルムが広く用いられている。
【0004】
しかしながら、かかるポリビニルアルコール系位相差フイルムは耐湿性に劣り、高湿度雰囲気下において位相差板の性質(リターデーション値(R値)、フイルム又はシートの重量、寸法など)が大きく変動するため、位相差フイルムの片面又は両面には三酢酸セルロース、二酢酸セルロース等のセルロース系フイルム、ポリカーボネート系フイルム、ポリメチルメタクリレート系フイルム、ポリスチレン系フイルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フイルム、ポリサルホン系フイルム等の高分子フイルムを保護層として形成することが試みられており、楕円偏光板として用いられる際には、離型フイルム/粘着剤層/保護層/接着剤層/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/接着剤層/保護層/粘着剤層/偏光フイルムを積層した構成を有している。かかる保護層の存在は、液晶ディスプレイの薄層化、軽量化、低コスト化の趨勢に反するものであり、又視野角が狭くなる問題点が指摘されており改善が強く求められている。これらの要求に対して保護層を有しない位相差板を用いた楕円偏光板の開発が試みられている。
【0005】
即ち、離型フイルム/粘着剤層/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/粘着剤層/偏光フイルムの積層構造からなる保護層を有しない位相差板を用いた楕円偏光板である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該積層体の場合、上記の如く粘着剤の特性により楕円偏光板の物性が大きく影響を受けることは言うまでもないことである。
その影響の一つに該積層体の寸法安定性が挙げられる。
つまり、該積層体を液晶セル等のガラス版に実装した場合に、温度・湿度条件により位相差フィルムと偏光フィルムがそれぞれ異なった挙動を示し、その結果フィルム同士のズレが生じる危険性がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかるに本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムからなる楕円偏光板において、アクリル系粘着剤層(1)の厚みd1が5〜25μmであり、かつアクリル系粘着剤層(1)の厚みd1とアクリル系粘着剤層(2)の厚みd2がd1/d2=0.4〜0.6である楕円偏光板は、実装時の高温・高湿条件においても位相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じることなく良好であり、更にはガラス面との貼着時における再剥離性(ガラス面への糊残りが少なく、通常、剥離強度が1.0kg/25mm未満のものが貼り直しが容易)にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
以下本発明について詳述する。
本発明の粘着剤層に用いられる、アクリル系粘着剤は、通常、硬化剤との併用でアクリル系粘着剤層に供される。
アクリル系粘着剤の具体的な構成成分としては、ガラス転移温度の低く柔らかいモノマー成分やガラス転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ少量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0009】
前記の主モノマー成分としては、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12程度のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、前記のコモノマー成分としては、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0010】
前記以外に官能基含有モノマー成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物等のカルボキシル基含有モノマーや2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0011】
かかる官能基含有モノマー成分のうちで、特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。
かかる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノマー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量により一概に規定できないが、一般的には上記主モノマーを50重量%以上含有させることが好ましい。
【0012】
本発明のアクリル系樹脂は、主モノマー、コモノマー、更に必要に応じて官能基含有モノマーを有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法によって容易に製造される。
【0013】
前記重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコールなどの脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。前記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例として挙げられる。
【0014】
かかるアクリル系粘着剤は、本発明の効果をより顕著に発揮させるために0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%程度の硬化剤が混合される。
硬化剤としての代表的なものはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、アミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示される。
【0015】
硬化剤のうちイソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど、及びこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物などが挙げられる。
【0016】
エポキシ系化合物としては、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0017】
アルデヒド系化合物としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。
アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0018】
金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩、たとえば、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロムなどが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネートなどが挙げられる。
【0019】
金属キレート化合物としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル配位化合物などが挙げられる。
アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウムなどが挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、およびそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられる。
【0020】
本発明におけるポリビニルアルコール系位相差フィルムとは、ポリビニルアルコール系(以下PVA系と略する。)の一軸延伸フイルム又はシートが用いられる。
該フイルム又はシートを構成するPVA系の材料としては、PVA、PVAを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂およびその他共重合によるPVA誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは、耐熱性が良好であるという点から、高ケン化度で高重合度のPVAが好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以上が好ましく、更には99モル%以上、特には99.5モル%以上であって、重合度1000以上、望ましくは1000〜3000のものが好ましい。
【0021】
前記PVA系の一軸延伸フイルム又はシートとは、PVA系樹脂をキャスト法、押出法、カレンダー法などの通常の方法で成膜した原反フイルム又はシートを1.1〜4倍、好ましくは1.1〜1.5倍程度一軸延伸し、150〜250℃で10秒以上、好ましくは200〜230℃で20秒以上熱処理して得られた厚さ30〜60μm程度、好ましくは40〜50μm程度のものであり、物性的にはリターデーション値が30〜800nm程度で、未だ耐湿性を有しない基材である。
【0022】
光学主軸が一定で、かつ光学的色斑が少ない位相差板をうるためには原反フイルムまたはシートは、厚さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均質なものであるのが好ましい。フイルムまたはシートに成膜時にダイラインなどが発生することは好ましくない。
本発明において光学的に色斑が小さい位相差フイルムをうるためには、延伸前のフイルム幅Aと延伸後のフイルム幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A−B)/A)を20%以下に抑えることが好ましい。
【0023】
前記一軸延伸する方法としては、たとえば多数のロールの間をフイルムを通過させることによってフイルムの予熱を行い、ついで2対の延伸ロールにより所定の倍率に延伸する方法、多数のロール間をフイルムを通過させる間に予熱と段階的な延伸を併行して行いながら、所定の倍率にまでもっていく方法、テンター法により巾方向に延伸する横一軸延伸法などの方法が採用されうる。
【0024】
延伸は、目的とする位相差板の用途に応じて適宜に行われる。即ち、リターデーション値とは、主延伸方向(MD方向)、およびこれに垂直な方向(TD方向)における屈折率差(IIMD−IITD)と位相差フイルムまたはシートの厚さの(d)との積で定義され、直交関係にある直線偏光が同位相で入射した場合の透過光の位相差を意味するリターデーション値(R値)が、使用光線の波長(λ)の例えば1/4の値となるように延伸処理を行った場合には、1/4波長板が得られ、1/2の値となるように延伸処理を行った場合には、1/2波長板が得られることとなる。
【0025】
使用光線が可視光線である場合、1/4波長板としてのリターデーション値は95〜170nmの範囲となる。従って、この範囲にある1/4波長板と直線偏光子とを組合わせることによって、ある可視光線における正確な円偏光が得られることになる。
本発明によるPVA系位相差板には、紫外線吸収剤や安定剤などの各種の添加剤が添加されていてもよい。
また、延伸後に行われる熱処理によりその分子配合が恒久的なものとされる。
【0026】
本発明におけるポリビニルアルコール系偏光フイルムは、特に限定はなく、偏光素膜をそのまま用いることもできるが、通常は偏光素膜の少なくとも片面(通常は両面)に保護層を積層したものを用いる。ここで偏光素膜とては、ポリビニルアルコール系重合体/ヨウ素系、ポリビニルアルコール系重合体/2色性染料系、ポリビニルアルコール系重合体/ポリエン系などが挙げられる。保護層としては、セルローストリアセテートシート、ポリカーボネートシート、ポリメチルメタクリレートシートをはじめとする光等方性の透明シートが挙げられる。その厚さは120〜200μm程度である。
【0027】
本発明の最大の特徴は、上記の如きアクリル系粘着剤層、ポリビニルアルコール系位相差フィルム及び偏光フィルムを用いたアクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムからなる楕円偏光板において、アクリル系粘着剤層(1)の厚みd1とアクリル系粘着剤層(2)の厚みd2をd1/d2=0.1〜0.95にコントロールするところにあり、アクリル系粘着剤層(1)の厚みd1とアクリル系粘着剤層(2)の厚みd2が上記の条件を外れると本発明の効果を得ることはできない。
即ち、d1/d2が0.1よりも小さい場合は、耐久時に剥離が生じ、逆に0.95よりも大きい場合は、耐久時に位相差板周辺に変色が生じ不適当である。好ましくはd1/d2=0.2〜0.8で、更に好ましくはd1/d2=0.4〜0.6である。
尚、本発明のアクリル系粘着剤層の厚みd1及びd2は乾燥時の厚み(固形分換算)を意味する。
【0028】
また、本発明のアクリル系粘着剤層(1)とアクリル系粘着剤層(2)の粘着剤は、それぞれ異なった組成の粘着剤を用いることも可能であるが、作業効率、コスト面等から同一の粘着剤を用いたほうが好ましい。更に、アクリル系粘着剤層(1)の厚みは、5〜25μmにすることが必要で、該厚みがμm未満では粘着力が低下し、25μmを超えると、アクリル系粘着剤の凝集破壊が見られ再剥離性が低下して不適当である。
【0029】
本発明の楕円偏光板は、通常、アクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムの積層体の粘着剤層(1)の外側に離型フィルムを設けられて、離型フィルム/アクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムの積層体とされる。
かかる離型フイルムは、ポリエステルやポリオレフィン等のプラスチックフイルムの片面又は両面を剥離剤で処理したものであり、一般的にポリエステルフイルムにシリコーン系剥離剤をコーティングしたものを使用する。その厚さは30〜50μm程度である。
【0030】
かかる楕円偏光板を液晶ディスプレイ等に貼り付ける場合には離型フイルムを剥がして粘着剤層(1)を液晶ディスプレイ等のガラス基板に貼り付ける。
かくして得られた楕円偏光板はSTN型液晶セル等の複屈折性液晶セルを用いたディスプレイにおける位相差による着色の打ち消しに好ましく用いられる。
【0031】
【作 用】
本発明のアクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムからなる楕円偏光板は、アクリル系粘着剤層(1)の厚みが特定の値で、かつアクリル系粘着剤層(1)の厚みとアクリル系粘着剤層(2)の厚みの比が特定の値にコントロールされているため、実装時の高温・高湿条件においても位相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じることなく良好で装着時の再剥離性にも優れSTN型液晶セル等の複屈折性液晶セルを用いたディスプレイに大変有用である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明について実例を挙げ更に詳述する。
尚、「部」及び「%」とあるのは重量基準である。
アクリル系粘着剤組成物(A)
還流管、温度計付きの重合反応缶に、酢酸エチル50部と、重合触媒として、アゾビスイソブチロニトリル0.03部を入れ、沸点まで昇温し、ブチルアクリレート67%、メチルアクリレート30%、アクリル酸3%を2時間かけて滴下仕込みを行った。重合率95%になるまで反応を行い、希釈溶剤として、酢酸エチルとトルエン混合溶剤にて、希釈を行った結果、樹脂分30%、粘度が4000cps/25℃の粘着剤を得た。この粘着剤に対して硬化剤として、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75%液を1.5部混合して粘着剤組成物とした。
【0033】
アクリル系粘着剤組成物(B)
アクリル系粘着剤組成物(A)において硬化剤としてトリメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75%液を0.5部配合した以外は同例に従って粘着剤組成物を得た。
アクリル系粘着剤組成物(C)
アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分としてブチルアクリレート67%、メチルアクリレート28.7%、アクリル酸4%、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート0.3%を使用した以外は同例に従って重合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてトリメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0034】
実施例1
平均重合度2000、平均ケン化度99.7モル%の厚さ60μmの一軸延伸ポリビニルアルコールフイルム(R値=410nm、延伸倍率1.15倍、延伸後220℃で30秒間熱処理したもの)の片面にアクリル系粘着剤層(2)としてアクリル系粘着剤組成物(A)を厚さ25μm(固形分換算)になるように塗布し、他の面にも同様にしてアクリル系粘着剤層(1)として厚さ10μm(固形分換算)になるようにアクリル系粘着剤組成物(A)を塗布した。続いて厚さ25μmの塗布面にポリビニルアルコール系延伸フイルムをヨウ素で染色処理してなる厚さ180μmのポリビニルアルコール系偏光フイルム(透過率41%、偏光度99.9%)を位相差板の延伸軸と偏光板の延伸軸が45°になる様に積層貼着し、もう一方の厚さ10μmの塗布面に厚さ40μmのポリエステル系離型フイルムを積層して楕円偏光板を得た。
かかる楕円偏光板(200mm×200mm)において、離型フイルムを剥がし粘着剤層(厚さ10μmの塗布面)に厚さ1.1mmのガラス基板(200mm×200mm)を積層したものを試験試料とし、40℃×95%Rhの雰囲気中で25時間放置後の寸法変化及びバビネ型コンペンセーター付の偏光顕微鏡(ニコンPOH−I型)に自在回転台を取り付け、サンプルを50゜傾斜させて延伸方向(MD)及び幅方向(TD)の視野角を調べた。
【0035】
なお、視野角(α)は、(50゜傾斜時の測定値)/(入射光に対して垂直時の測定値)より計算した値を示す。
更に、別途ガラス基板積層試験料を作製し、ガラス基板貼着直後の剥離強度(再剥離性)を調べた。尚、剥離速度は200mm/min。
【0036】
実施例2〜6及び比較例1,2
実施例1において表1で示す如きアクリル系粘着剤及び塗布厚み変化させた以外は同例に準じて測定を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0037】
〔表1〕
Figure 0003618115
【0038】
【表2】
Figure 0003618115
【0039】
【発明の効果】
本発明のアクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムからなる楕円偏光板は、アクリル系粘着剤層(1)の厚みが特定の値で、かつアクリル系粘着剤層(1)の厚みとアクリル系粘着剤層(2)の厚みの比が特定の値にコントロールされているため、実装時の高温・高湿条件においても位相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じることなく良好で装着時の再剥離性にも優れSTN型液晶セル等の複屈折性液晶セルを用いたディスプレイに大変有用である。

Claims (1)

  1. アクリル系粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/アクリル系粘着剤層(2)/ポリビニルアルコール系偏光フィルムからなる楕円偏光板において、アクリル系粘着剤層(1)の厚みd1が5〜25μmであり、かつアクリル系粘着剤層(1)の厚みd1とアクリル系粘着剤層(2)の厚みd2がd1/d2=0.4〜0.6であることを特徴とする楕円偏光板。
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