JP2010271497A - 光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリイミドよりも安価であり、かつ、環境に優しい溶媒の使用が可能である材料を用いた、位相差発現性の高い光学フィルムを提供する。
【解決手段】nx>ny>nzの屈折率異方性を有し、下記式(1)で表される正面位相差Reが30〜80nmの範囲であり、かつ、下記式(2)で表される厚み方向位相差Rthが120〜180nmの範囲である光学補償層を含む光学フィルムであって、前記光学補償層が、下記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、重合度nが1500〜5000の範囲であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする。

Re=(nx−ny)×d (1)
Rth=(nx−nz)×d (2)
d:前記光学補償層の厚み(nm)

【化1】
Figure 2010271497

【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置に関する。
従来、各種液晶表示装置には、光学補償を目的として、複屈折層を含む光学フィルムが使用されている。前記光学フィルムとしては、例えば、透明フィルム基材上に、ポリイミドを溶媒に溶解させた溶液を塗布して塗膜を形成し、前記透明フィルム基材と前記塗膜とを共に延伸することによって作製したもの等があげられる(特許文献1)。前記光学フィルムは、例えば、液晶表示装置の液晶セルと偏光子との間に配置すれば、前記液晶表示装置の表示特性を広視野角化できるため、前記液晶セルの視角補償フィルムとして有用である。
特開2004−46065号公報
しかし、前記光学フィルムは、ポリイミドが非常に高価であるため、生産コスト面に問題がある。また、ポリイミドは、可溶な溶媒が限られ、使用できる溶媒の種類は、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の環境負荷の高い溶媒しか好適に用いることができなかった。
一方、ポリビニルアルコール系樹脂は、水やエタノール等、およびこれらの混合溶媒等の環境に優しい溶媒を使用することができる。しかし、一般的に、ポリビニルアルコール系樹脂により形成された塗膜は、位相差発現性が低い。この位相差を補うためには、塗膜を厚く塗布すればよいが、生産コストの増大を招くこととなる。
そこで、本発明は、ポリイミドよりも安価であり、かつ、環境に優しい溶媒の使用が可能である材料を用いた、位相差発現性の高い光学フィルム、それを用いた偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の光学フィルムは、
nx>ny>nzの屈折率異方性を有し、下記式(1)で表される正面位相差Reが30〜80nmの範囲であり、かつ、下記式(2)で表される厚み方向位相差Rthが120〜180nmの範囲である光学補償層を含む光学フィルムであって、
前記光学補償層が、下記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、重合度nが1500〜5000の範囲であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする。

Re=(nx−ny)×d (1)
Rth=(nx−nz)×d (2)
d :前記光学補償層の厚み(nm)
nx:前記光学補償層の面内で屈折率が最大となる方向(遅相軸方向)の屈折率
ny:前記光学補償層の面内で前記nxの方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率
nz:前記nxおよび前記nyの各方向に対し直交する前記光学補償層の厚み方向の屈折率

Figure 2010271497
本発明の偏光板は、光学フィルムと偏光子とを含む偏光板であって、
前記光学フィルムが、前記本発明の光学フィルムであることを特徴とする。
本発明の液晶パネルは、液晶セルと光学部材とを含む液晶パネルであって、
前記光学部材が、前記本発明の光学フィルムまたは前記本発明の偏光板であり、
前記光学部材が、前記液晶セルの少なくとも一方の側に配置されていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、光学部材または液晶パネルを含む液晶表示装置であって、
前記光学部材が、前記本発明の光学フィルムまたは前記本発明の偏光板であり、
前記液晶パネルが、前記本発明の液晶パネルであることを特徴とする。
本発明によれば、前記繰り返し単位を含み、前記重合度nが1500〜5000の範囲であるポリビニルアルコール系樹脂を用いることにより、塗膜形成時の溶媒の選択幅が広く、位相差発現性も高い光学フィルムを、安価に得ることができる。
図1は、本発明の偏光板の構成の一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明の液晶パネルの構成の一例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の液晶パネルに備える液晶セルの構成の一例を示す模式断面図である。 図4は、本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す模式断面図である。
本発明の光学フィルムにおいて、下記式(3)で表される前記光学補償層の厚み方向配向性Δnxzが、0.004以上であることが好ましい。前記Δnxzは、0.006以上であることがより好ましく、0.01以上であることがさらに好ましい。前記Δnxzの上限値は、特に限定されないが、例えば、0.1である。

Δnxz=nx−nz (3)
本発明の光学フィルムにおいて、前記光学補償層の厚みが、30μm以下であることが好ましい。本発明によれば、位相差発現性が高いため、前記光学補償層を薄くすることができる。前記厚みは、25μm以下とすることがより好ましく、1〜20μmの範囲とすることがさらに好ましい。
本発明の光学フィルムにおいて、さらに、透明フィルム基材を含み、前記光学補償層が、前記透明フィルム基材上に形成されていてもよい。
つぎに、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の記載により制限されない。
前述のとおり、本発明の光学フィルムは、nx>ny>nzの屈折率異方性を有し、前記Reが30〜80nmの範囲であり、かつ、前記Rthが120〜180nmの範囲である光学補償層を含む光学フィルムであって、前記光学補償層が、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが1500〜5000の範囲であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする。前記重合度nが1500以上であることで、位相差発現性が高く(例えば、前記Δnxzが、0.004以上)、加湿条件下においても配向が崩れにくい光学フィルムとなる。また、前記重合度nが5000以下であることで、前記ポリビニルアルコール系樹脂を後述の塗布に適した粘度の溶液とすることが容易であり、スジ状の塗布不良、白濁および凹凸のない光学フィルムとなる。前記重合度nは、好ましくは、2500〜5000の範囲であり、より好ましくは、3000〜4500の範囲である。さらに、前記ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリイミドと比較して非常に安価であり、生産コストの面でも優れているという利点も有する。
前述のとおり、本発明の光学フィルムは、例えば、透明フィルム基材上に、前記光学補償層が形成されているという態様であってもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法は、特に限定されず、例えば、基材上に、前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む形成材料を塗布して塗膜を形成し、前記基材と前記塗膜との積層体を延伸または収縮させることにより製造できる。前記塗膜の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜600μmの範囲である。
前記基材としては、特に限定されず、例えば、プラスチック基材でもよいし、ガラス基材やシリコンウエハのような無機化合物の基材でもよい。前記プラスチック基材としては、キヤスト法で作製したものや、溶融ポリマーを製膜してから、延伸処理して作製したもの等があげられ、これらの中でも、精密な塗布精度が可能であることから、延伸処理によって機械的強度が増したプラスチック基材が好ましい。
また、前記基材は、例えば、透明性に優れるポリマーから形成される透明フィルム基材が好ましい。このような基材であれば、基材上に光学補償層を形成した積層体を、そのまま光学フィルムとして使用できるからである。
前記透明フィルム基材としては、例えば、アクリル、アクリロニトリル・スチレン(AS)、アクリロニトリルアクリルゴムスチレン(AAS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エポキシ(EP)、メタクリル−スチレン(MS)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリサルフォン(PSU)、低密度ポリエチレン(LDPE)、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
前記透明フィルム基材としては、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。前記アクリル系樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が、115℃以上のものが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。Tgが115℃以上であることにより、耐久性に優れたものとなる。前記アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。前記ガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準じたDSC法により求めることができる。
前記アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切なアクリル系樹脂を採用し得るが、好ましくは、前記アクリル系樹脂として、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体および脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ノルボルニル共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ノルボルニル共重合体等)等があげられる。より好ましくは、ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のポリアクリル酸アルキルおよびポリメタクリル酸アルキルである。ここで、前記アルキル基は、炭素数1〜6であることが好ましい。さらに好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%の範囲、好ましくは70〜100重量%の範囲)とするメタクリル酸メチル系樹脂があげられる。
前記アクリル系樹脂の具体例としては、例えば、三菱レイヨン(株)製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有するアクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tgアクリル系樹脂等があげられる。前記アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂、グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂、グルタルイミド構造を有するアクリル系樹脂を用いることも好ましい。これらのアクリル系樹脂は、高い耐熱性、高い透明性、高い機械的強度を有するからである。
前記ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報等に記載の、ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂があげられる。前記ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂は、好ましくは、下記一般式(1)で表されるラクトン環構造を有する。
Figure 2010271497
一般式(1)において、
、RおよびRは、それぞれ、水素原子または炭素数1〜20の有機残基であり、前記有機残基は、酸素原子を含んでいてもよく、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよい。
前記グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂としては、特開2006−283013号公報、特開2006−335902号公報、特開2006−274118号公報、国際公開WO2007/026659等に記載の、グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂があげられる。前記グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂は、好ましくは、下記一般式(2)で表されるグルタル酸無水物構造を含有する。
Figure 2010271497
一般式(2)において、
およびRは、それぞれ、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、RおよびRは同一でも異なっていてもよい。
前記基材上に前記形成材料を塗布する方法としては、例えば、前記形成材料を加熱溶融して塗布する方法や、前記形成材料を溶媒に溶解させた溶液を塗布する方法等があげられる。塗布処理は、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の適宜な方法で行うことができる。
前記溶媒としては、前記形成材料を溶解できれば特に限定されず、適宜選択することができ、例えば、水、エタノール等を用いることができる。前記溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。従来のポリイミドを用いた光学フィルムでは、ポリイミドが水に不溶であるため、前記溶媒として水を用いることができないのに対し、本発明の光学フィルムでは、前記溶媒として、例えば、水を用いることで、環境負荷を低減できる。前記溶液は、塗布に適した粘度となることから、前記溶媒100重量部に対して、例えば、前記ポリビニルアルコール系樹脂が3〜30重量部の範囲で配合されることが好ましく、より好ましくは5〜15重量部の範囲で配合されることである。
また、前記形成材料に、前記ポリビニルアルコール系樹脂を架橋させる架橋剤を加え、前記延伸工程または収縮工程の後に、加熱、紫外線照射、電子線照射等による架橋処理工程を有することも好ましい。
前記架橋剤としては、任意の適切な架橋剤を採用し得る。前記架橋剤は、好ましくは、前記ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物である。前記架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物、マレイン酸、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基とを2個有するアルキレンジアミン類、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニル)メタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物等のイソシアネート類、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類、メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン等の二価金属または三価金属の塩およびその酸化物等があげられる。これらの中でも、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂やジアルデヒド類が好ましい。前記アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としては、メチロール基を有する化合物が好ましい。前記ジアルデヒド類としては、グリオキザールが好ましい。中でも、メチロール基を有する化合物が好ましく、メチロールメラミンが特に好ましい。前記アルデヒド化合物としては、例えば、日本合成化学(株)製の商品名「グリオキザール」、OMNOVA製の商品名「セクアレッツ755」等があげられる。前記アミン化合物としては、例えば、三菱瓦斯化学(株)製の商品名「メタキシレンジアミン」等があげられる。前記メチロール化合物としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の商品名「ウォーターゾール」シリーズ等があげられる。
前記架橋剤の配合量は、前記ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、例えば、1〜60重量部の範囲である。前記配合量を前記の範囲とすることで、透明性、接着性、耐水性に優れた光学補償層を形成することができる。
前記基材と前記塗膜との積層体の延伸方法は、特に限定されないが、例えば、長手方向に一軸延伸する自由端延伸方法、長手方向を固定した状態で幅方向に一軸延伸する固定端延伸方法等があげられる。
そして、前記積層体の延伸は、例えば、前記基材上に前記形成材料を塗布して塗膜を形成し、ついで、前記塗膜を乾燥させた後に、前記乾燥した塗膜と前記基材とを延伸してもよいし、また、前記塗膜を乾燥させる前に前記塗膜が形成された基材を延伸してもよい。前記延伸は、前記基材と前記塗膜との両方を共に引っ張ることによって行ってもよいが、例えば、つぎの理由から、前記基材のみを延伸することにより、前記塗膜を間接的に延伸することも好ましい。前記基材のみを延伸した場合、この延伸により前記基材に発生する張力によって、前記基材上の前記塗膜が間接的に延伸される。そして、積層体を延伸するよりも、単層体を延伸するほうが、通常、均一な延伸となるため、前述のように基材のみを均一に延伸すれば、これに伴って、前記基材上の前記塗膜も均一に延伸できるためである。前記基材のみの延伸によって前記塗膜を間接的に延伸することで、得られる光学フィルムの光学特性をより均一にすることができ、特に前記遅相軸方向の特性のばらつきを効果的に防止することができるため、前記で得られる光学フィルムは液晶表示装置の画面大型化にも良好に対応することができる。
延伸条件としては、特に限定されず、前記基材や前記形成材料の種類等に応じて適宜定めることができるが、延伸方向は、前記基材の幅方向であることが好ましい。延伸倍率は、7倍以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.05〜4倍の範囲であり、さらに好ましくは1.05〜1.5倍の範囲である。
本発明の光学フィルムは、前記基材と前記塗膜との積層体を収縮させることによっても製造することができる。前記基材と前記塗膜との積層体の収縮方法としては、例えば、前記基材の異方的な寸法変化を利用したり、積極的な収縮性能をもつ基材を利用したりして、前記基材を収縮させることにより、前記基材上の塗膜を間接的に収縮させる方法があげられる。この際には、例えば、延伸機等を利用して収縮率を制御することが好ましい。その制御方法としては、例えば、前記延伸機のクリップを一時的に開放して、前記基材の移送方向に弛緩させる方法や、前記延伸機のクリップの間隔を徐々に狭くする方法等があげられる。収縮倍率は、0.5倍以上1倍未満であることが好ましい。
このようにして基材上に形成された光学補償層は、nx>ny>nzの屈折率異方性を有する。前記光学補償層のRe、Rth、Δnxzおよび厚みは、前述のとおりである。前記Reは、好ましくは、35〜75nmの範囲であり、より好ましくは、40〜65nmの範囲である。前記Rthは、好ましくは、130〜180nmの範囲である。前記光学補償層は、前記基材との積層体としてそのまま本発明の光学フィルムとして使用してもよいし、前記基材から剥離した光学補償層単層として本発明の光学フィルムとして使用してもよい。
本発明の偏光板は、光学フィルムと偏光子とを含む偏光板であって、前記光学フィルムが、前記本発明の光学フィルムである。本発明の偏光板の構成としては、前記光学フィルムを構成する前記基材側または前記光学補償層側に、偏光子が積層されて構成されている。なお、前記光学補償層を前記基材から剥離した前記光学補償層単層と、偏光子との積層体も偏光板として用いることができる。偏光子上には保護層を形成してもよい。図1の模式断面図に、本発明の偏光板の構成の一例を示す。同図においては、分かりやすくするために、各構成部材の大きさ、比率等は、実際とは異なっている。図示のとおり、この偏光板10は、保護層11、偏光子12、および前記本発明の光学フィルム13が、この順序で積層され構成されている。前記偏光板の全体厚みは、例えば、20〜300μmの範囲である。前記範囲の厚みとすることで、より機械的強度に優れた偏光板を得ることができる。
前記偏光板の各構成部材(光学部材)の間には、任意の接着層や、任意の光学部材(好ましくは、等方性を示すもの)が配置されてもよい。前記「接着層」とは、隣り合う光学部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で一体化させるものをいう。前記接着層を形成する材料としては、例えば、従来公知の接着剤、粘着剤、アンカーコート剤等があげられる。前記接着層は、接着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着剤層が形成されたような、多層構造であってもよい。また、肉眼的に認知できないような薄い層(ヘアーラインともいう)であってもよい。
前記偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる(例えば、特開2008−90263号公報参照)。
前記保護層を形成する材料としては、任意の適切なものが選択され得る。前記保護層は、セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂、またはアクリル系樹脂を含む高分子フィルムであることが好ましい。前記セルロース系樹脂を含む高分子フィルムは、例えば、特開平7−112446号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。前記ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムは、例えば、特開2001−350017号公報に記載の方法により得ることができる。前記アクリル系樹脂を含む高分子フィルムは、例えば、特開2004−198952号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。
前記保護層は、前記偏光子側とは反対側に表面処理層を有してもよい。前記表面処理としては、目的に応じて、適宜、適切な処理が採用され得る。前記表面処理層としては、例えば、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理(アンチリフレクション処理ともいう)、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)等の処理層があげられる。これらの表面処理は、画面の汚れや傷つきを防止したり、室内の蛍光灯や太陽光線が画面に映り込むことによって、表示画面が見えづらくなることを防止したりする目的で使用される。前記表面処理層は、一般的には、ベースフィルムの表面に前記の処理層を形成する処理剤を固着させたものが用いられる。前記ベースフィルムは、前記保護層を兼ねていてもよい。さらに、前記表面処理層は、例えば、帯電防止処理層の上にハードコート処理層を積層したような多層構造であってもよい。
前述のとおり、本発明の液晶パネルは、液晶セルと光学部材とを含む液晶パネルであって、前記光学部材が、前記本発明の光学フィルムまたは前記本発明の偏光板であり、前記光学部材が、前記液晶セルの少なくとも一方の側に配置されていることを特徴とする。図2の模式断面図に、本発明の液晶パネルの構成の一例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。図示のとおり、この液晶パネル30では、前記本発明の偏光板10が、前記光学フィルム13が前記液晶セル41側に位置する状態で、前記液晶セル41の視認側(同図において上側)およびバックライト側(同図において下側)の双方に配置されている。なお、この例の液晶パネルでは、前記液晶セルの視認側およびバックライト側の双方に、前記本発明の偏光板が配置されている。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明の液晶パネルにおいて、前記本発明の偏光板は、前記液晶セルの視認側およびバックライト側の少なくとも一方の側に配置されていればよい。
前記液晶セルとしては、例えば、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型のもの等があげられる。また、前記液晶セルとしては、スーパーツイストネマチック液晶表示装置に採用されているような、単純マトリクス型のもの等もあげられる。
前記液晶セルは、一対の基板により液晶層が挟持されているという構成が一般的である。図3に、液晶セルの構成の一例を示す。図示のように、本例の液晶セル41は、一対の基板411a、411b間に、スペーサー412が配置されることにより、空間が形成され、前記空間に、液晶層413が挟持されている。図示しないが、前記一対の基板のうち、一方の基板(アクティブマトリクス基板)には、例えば、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(例えば、TFT)と、このアクティブ素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を伝える信号線とが設けられる。前記一対の基板のうち、他方の基板には、例えば、カラーフィルターが設けられる。
前記カラーフィルターは、前記アクティブマトリクス基板に設けてもよい。または、例えば、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置の照明手段として、RGBの3色光源(さらに、多色の光源を含んでもよい)が用いられる場合には、前記カラーフィルターは、省略してもよい。前記一対の基板の間隔(セルギャップ)は、例えば、スペーサーによって制御される。前記セルギャップは、例えば、1.0〜7.0μmの範囲である。各基板の前記液晶層に接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜が設けられる。または、例えば、パターニングされた透明基板によって形成されるフリンジ電界を利用して、液晶分子の初期配向が制御される場合には、前記配向膜は、省略してもよい。
前記液晶セルの屈折率は、nz>nx=nyの関係を示すことが好ましい。前記屈折率がnz>nx=nyの関係を示す液晶セルとしては、駆動モードの分類によれば、例えば、バーティカル・アラインメント(VA)モード、ツイスティッド・ネマティック(TN)モード、垂直配向型電界制御複屈折(ECB)モード、光学補償複屈折(OCB)モード等があげられる。本発明において、前記液晶セルの駆動モードは、前記VAモードであることが好ましい。
本発明において、前記液晶パネルの駆動モードがインプレーンスイッチング(IPS)モードであることも好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光板または液晶パネルを含むことを特徴とする。図4の概略断面図に、本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す。同図においては、分かりやすくするために、各構成部材の大きさ、比率等は、実際とは異なっている。図示のとおり、この液晶表示装置200は、液晶パネル100と、前記液晶パネル100の一方の側に配置された直下方式のバックライトユニット80とを少なくとも備える。前記直下方式のバックライトユニット80は、光源81と、反射フィルム82と、拡散板83と、プリズムシート84と、輝度向上フィルム85とを少なくとも備える。なお、本例の液晶表示装置200では、バックライトユニットとして、直下方式が採用された場合を示しているが、本発明は、これに限定されず、例えば、サイドライト方式のバックライトユニットであってもよい。サイドライト方式のバックライトユニットは、前記の直下方式の構成に加え、さらに導光板と、ライトリフレクターとを少なくとも備える。なお、図4に例示した構成部材は、本発明の効果が得られる限りにおいて、液晶表示装置の照明方式や液晶セルの駆動モード等、用途に応じてその一部が省略され得るか、または、他の光学部材で代替され得る。
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルのバックライト側から光を照射して画面を見る透過型であってもよいし、液晶パネルの視認側から光を照射して画面を見る反射型であってもよいし、透過型と反射型の両方の性質を併せ持つ、半透過型であってもよい。
本発明の液晶表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等である。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例および比較例により何ら制限されない。なお、各実施例および各比較例における各種物性および特性は、下記の方法により評価若しくは測定した。
(光学補償層の正面位相差Re、厚み方向位相差Rthおよび厚み方向配向性Δnxz)
波長590nmにおける光学補償層の面内位相差Re、厚み方向位相差Rthおよび厚み方向配向性Δnxzは、王子計測機器(株)製の商品名「KOBRA−WPR」を用いて測定した。
(厚み)
厚みは、アンリツ製のデジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
(液晶表示装置の斜め方向のコントラスト比)
23℃の暗室でバックライトを点灯させてから30分経過した後、ELDIM社製の商品名「EZ Contrast160D」を用いて、白画像および黒画像を表示した場合の、極角60°方向で方位角を0°〜360°に変化させ、方位角45°、135°、225°、315°におけるXYZ表示系のY値を測定した。白画像におけるY値(YW:白輝度)と、黒画像におけるY値(YB:黒輝度)とから、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を算出し、方位角45°、135°、225°、315°における斜め方向のコントラスト比の平均値を求めた。
[実施例1]
(光学フィルム)
光学補償層の形成材料として、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが2400のポリビニルアルコール系樹脂((株)クラレ製の商品名「ポバール PVA124」)を用いた。この10重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、250μmの厚みで塗布した。これを80℃で3分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥しながら、1.08倍に自由端延伸することで、前記フィルム基材上に厚みが24μmのポリビニルアルコール系樹脂の光学補償層が積層された積層体を得た。ついで、前記フィルム基材から前記光学補償層を剥離して、光学フィルムを得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置)
この光学フィルムと偏光板(日東電工(株)製の商品名「SIG1423DU」)とを、前記光学補償層の遅相軸方向が、前記偏光板の吸収軸方向と直交するように、アクリル系粘着剤(厚み:20μm)を介して貼着し、光学補償層付偏光板を作製した。VAモードの液晶セルを含む市販の液晶表示装置(シャープ(株)製の商品名「LC−46RX5」)から液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されている偏光板等の光学部材を全て取り除いた。この液晶セルのガラス板の表裏を洗浄し、液晶セルを得た。ついで、前記液晶セルの視認側およびバックライト側の双方の面に、前記光学補償層側を前記液晶セル側として、前記光学補償層付偏光板をアクリル系粘着剤(厚み:20μm)を介して貼着し、液晶パネルを得た。前記液晶パネルを、元の液晶表示装置のバックライトユニットと結合し、液晶表示装置を作製した。
[実施例2]
(光学フィルム)
光学補償層の形成材料として、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが4000のポリビニルアルコール系樹脂(日本酢ビ・ポバール(株)製の商品名「JC40」)を用いた。この8重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、188μmの厚みで塗布し、これを80℃で3分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥しながら、1.1倍に自由端延伸することで、前記フィルム基材上に厚みが14μmのポリビニルアルコール系樹脂の光学補償層が積層された積層体を得た。ついで、前記フィルム基材から前記光学補償層を剥離して、光学フィルムを得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置)
この光学フィルムで作製した光学補償層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶パネルおよび液晶表示装置を作製した。
[実施例3]
(光学フィルム)
光学補償層の形成材料として、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが1800のポリビニルアルコール系樹脂(日本合成化学工業(株)製の商品名「ゴーセノール NH−18」)を用いた。この10重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、300μmの厚みで塗布し、これを80℃で3分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥しながら、1.06倍に自由端延伸することで、前記フィルム基材上に厚みが29μmのポリビニルアルコール系樹脂の光学補償層が積層された積層体を得た。ついで、前記フィルム基材から前記光学補償層を剥離して、光学フィルムを得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置)
この光学フィルムで作製した光学補償層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶パネルおよび液晶表示装置を作製した。
[実施例4]
(光学フィルム)
光学補償層の形成材料として、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが4000のポリビニルアルコール系樹脂(日本酢ビ・ポバール(株)製の商品名「JC40」)を用いた。この8重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、300μmの厚みで塗布し、これを80℃で3分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥しながら、1.05倍に自由端延伸することで、前記フィルム基材上に厚みが23μmのポリビニルアルコール系樹脂の光学補償層が積層された積層体を得た。ついで、前記フィルム基材から前記光学補償層を剥離して、光学フィルムを得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置)
この光学フィルムで作製した光学補償層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶パネルおよび液晶表示装置を作製した。
[比較例1]
(光学フィルム)
光学補償層の形成材料として、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが1100のポリビニルアルコール系樹脂(日本合成化学工業(株)製の商品名「ゴーセノール NM−11」)を用いた。この12重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、267μmの厚みで塗布し、これを80℃で3分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥しながら、1.05倍に自由端延伸することで、前記フィルム基材上に厚みが31μmのポリビニルアルコール系樹脂の光学補償層が積層された積層体を得た。ついで、前記フィルム基材から前記光学補償層を剥離して、光学フィルムを得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置)
この光学フィルムで作製した光学補償層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶パネルおよび液晶表示装置を作製した。
[比較例2]
(光学フィルム)
光学補償層の形成材料として、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが500のポリビニルアルコール系樹脂((株)クラレ製の商品名「ポバール 105」)を用いた。この15重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、267μmの厚みで塗布し、これを80℃で3分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥しながら、1.04倍に自由端延伸することで、前記フィルム基材上に厚みが39μmのポリビニルアルコール系樹脂の光学補償層が積層された積層体を得た。ついで、前記フィルム基材から前記光学補償層を剥離して、光学フィルムを得た。
(液晶パネルおよび液晶表示装置)
この光学フィルムで作製した光学補償層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶パネルおよび液晶表示装置を作製した。
[比較例3]
0.4重量%の過硫酸アンモニウム水溶液中に、酢酸ビニルを蒸気として吹き込み、乳化重合を行った。得られた重合物を乾燥し、重合度が5500のポリ酢酸ビニルを得た。このポリ酢酸ビニルにメタノールを加えた溶液に水酸化ナトリウムを添加し、ケン化を行った。得られたケン化物を乾燥し、前記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、前記重合度nが5500のポリビニルアルコール系樹脂を得た。この5重量%水溶液を、フィルム基材(JSR(株)製の商品名「FEKV150D0」)上に、600μmの厚みで塗布し、これを80℃で6分間乾燥し、さらに、140℃で3分間乾燥したところ、ポリビニルアルコール層が白濁し、表面に凹凸のある積層体となった。
実施例および比較例で用いたポリビニルアルコール系樹脂の重合度n、実施例および比較例で得られた光学フィルムの屈折率分布、正面位相差Re、厚み方向位相差Rth、厚み方向配向性Δnxz、および液晶表示装置の斜め方向コントラスト比を、下記表1に示す。前記重合度nが1500〜5000の範囲である実施例1〜4において、nx>ny>nzの屈折率異方性を有し、Reが30〜80nmの範囲であり、Rthが120〜180nmの範囲である光学フィルムが得られた。また、実施例1〜4で得られた光学フィルムを含む液晶表示装置では、高い斜め方向のコントラスト比が得られた。一方、前記重合度nが1500〜5000の範囲にない比較例1および2では、光学フィルムのRthが120〜180nmの範囲になかった。また、比較例1および2で得られた光学フィルムを含む液晶表示装置では、斜め方向のコントラスト比が低かった。なお、比較例3においては、ポリビニルアルコール層が白濁し、表面に凹凸のある積層体となったため、光学特性の測定をすることはできなかった。
Figure 2010271497
以上のように、本発明の光学フィルムは、ポリイミドよりも安価であり、かつ、環境に優しい溶媒の使用が可能である材料を用いた、位相差発現性の高いものである。本発明の光学フィルム、それを用いた偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置の用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
10 偏光板
11 保護層
12 偏光子
13 光学フィルム
30、100 液晶パネル
41 液晶セル
411a、411b 基板
412 スペーサー
413 液晶層
80 バックライトユニット
81 光源
82 反射フィルム
83 拡散板
84 プリズムシート
85 輝度向上フィルム
200 液晶表示装置

Claims (7)

  1. nx>ny>nzの屈折率異方性を有し、下記式(1)で表される正面位相差Reが30〜80nmの範囲であり、かつ、下記式(2)で表される厚み方向位相差Rthが120〜180nmの範囲である光学補償層を含む光学フィルムであって、
    前記光学補償層が、下記構造式(I)で表される繰り返し単位を含み、重合度nが1500〜5000の範囲であるポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする光学フィルム。

    Re=(nx−ny)×d (1)
    Rth=(nx−nz)×d (2)
    d :前記光学補償層の厚み(nm)
    nx:前記光学補償層の面内で屈折率が最大となる方向(遅相軸方向)の屈折率
    ny:前記光学補償層の面内で前記nxの方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率
    nz:前記nxおよび前記nyの各方向に対し直交する前記光学補償層の厚み方向の屈折率

    Figure 2010271497
  2. 下記式(3)で表される前記光学補償層の厚み方向配向性Δnxzが、0.004以上である請求項1記載の光学フィルム。

    Δnxz=nx−nz (3)
  3. 前記光学補償層の厚みが、30μm以下である請求項1または2記載の光学フィルム。
  4. さらに、透明フィルム基材を含み、
    前記光学補償層が、前記透明フィルム基材上に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  5. 光学フィルムと偏光子とを含む偏光板であって、
    前記光学フィルムが、請求項1から4のいずれか一項に記載の光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
  6. 液晶セルと光学部材とを含む液晶パネルであって、
    前記光学部材が、請求項1から4のいずれか一項に記載の光学フィルムまたは請求項5記載の偏光板であり、
    前記光学部材が、前記液晶セルの少なくとも一方の側に配置されていることを特徴とする液晶パネル。
  7. 光学部材または液晶パネルを含む液晶表示装置であって、
    前記光学部材が、請求項1から4のいずれか一項に記載の光学フィルムまたは請求項5記載の偏光板であり、
    前記液晶パネルが、請求項6記載の液晶パネルであることを特徴とする液晶表示装置。
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JP2013061502A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Kuraray Co Ltd ポリビニルアルコール系位相差フィルム
CN110959126A (zh) * 2017-07-25 2020-04-03 日本瑞翁株式会社 层叠体

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