JP3799078B2 - 粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、高温下又は高温高湿下においても凝集力及び接着力の経時変化が小さく、かつ、曲面接着力にも優れた新規な粘着剤組成物に関するものであり、特に光学フィルムと基材との接着に適した粘着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、従来より用いられている粘着剤組成物あるいは粘着テープ、粘着シート等のその応用物品は常温において指圧程度の圧力で種々の適用体面に接着可能であるために、種々の用途に用いられている。しかし、該組成物あるいはその応用物品は、被着体面に接着後、高温又は高温高湿の条件下に曝されると、被着体面から剥離するといった欠点が生じ、その用途にも制約を受けているのが実状である。
【0003】
そこでこれらを解決するために、高温、高湿又は水中等の条件下でも使用可能な接着性を発揮する粘着剤組成物として、例えば、アクリル系重合体にビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシランから選ばれた少なくとも1種が配合された感圧性接着剤組成物(特公昭62−30233号公報)、エポキシ基と反応可能な水酸基を有するアクリル系樹脂にエポキシ基含有シラン化合物を配合した粘着剤組成物(特開昭61−7369号公報)、イソシアネート基と反応可能なエチレン性不飽和モノマーと共重合してなるアクリル系樹脂にイソシアネート基含有有機ケイ素化合物を配合した粘着剤組成物(特開平1−158087号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭62−30233号公報開示の技術では、アクリル系重合体とシラン系化合物との結合力が弱いために接着力の向上は少なく、又、凝集力等の経時的変化の小さい粘着剤組成物を得るという点ではまだまだ満足のいくものではない。又、特開昭61−7369号公報開示の技術においては、グリシジル基と水酸基含有アクリル系樹脂との反応が遅く、常温では硬化し難いのが欠点であり、仮に硬化を促進させるために塩基性触媒を使用すると耐水性及び耐湿性が極端に低下してしまう。
【0005】
更に、特開平1−158087号公報開示技術においては、上記の常温硬化性が改善され、経時的にも耐水性、耐湿性の低下しない粘着剤組成物が得られているものの、より粘着力が要求される曲面の被着体、例えば、被着体として曲面が選ばれるラベル用途や光学用途(光学フィルムとガラス基材の接着用途)におけるフィルム型液晶あるいは曲面を有する液晶表示体等の曲面部分への粘着性能については、上記公報も含めて、何ら考慮されておらず、延いては該粘着剤組成物の使用用途にも制約を受けることになる。この点について本発明者等が詳細に検討した結果、粘着剤用途の多様化を考えると、上記技術では充分な粘着性は得られず、充分といえるほど満足した粘着剤組成物を得るにはまだまだ改良の余地が残されている。
【0006】
そこで上述の背景に基づき、高温下又は高温高湿下においても凝集力及び接着力の経時変化が小さく、かつ、被着体として曲面が選ばれるラベル用途や曲面を有するフィルム型液晶あるいは液晶表示体等の曲面の被着体への粘着力(曲面接着力)にも優れた粘着剤組成物の開発が望まれている。特に、偏光板、位相差板、楕円偏光板等の光学用途においてはその適用頻度も高く、かかる粘着剤組成物が大いに活用され得る状況にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかるに、本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂中に、硬化剤、化1で示されるシラン系化合物及び、硬化助剤としてポリオール系化合物又は/及びメラミン系化合物を配合させてなることを特徴とする粘着剤組成物が、上記課題を解決することを見いだし本発明を完成した。
【化1】
(但し、式中Rは炭素数4〜20のβ−ジケトン及びβ−ケトエステル構造の1種又は2種以上を含む一価置換基を表し、Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基もしくはアシルオキシ基及びアミノ基から選ばれる加水分解性基を表す。又、mは1、2又は3、nは0、1又は2を示し、1≦m+n≦3である。)
【0008】
本発明の最大の特徴は、アクリル系樹脂中に硬化剤、特にイソシアネート系化合物及び、上記シラン系化合物、更に硬化助剤としてポリオール系化合物又は/及びメラミン系化合物をも併用し、配合した点にあり、このとき高温又は高温高湿下でも経時変化の小さい非常に優れた凝集力、接着力あるいは曲面接着力を顕著に示すものである。
【0009】
又、本発明の粘着剤組成物は、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学用途においてガラス基材との接着に用いることにより、耐久性に優れ、光学特性変化の小さい光学積層体を提供することができる。
【0010】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のアクリル系樹脂の構成成分としては、ガラス転移温度の低く柔らかいモノマー成分やガラス転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に少量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0011】
前記の主モノマー成分としては、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12程度のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、前記のコモノマー成分としては、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン等が挙げられる。又、アルキル基が芳香環基、複素環基、ハロゲン原子等で置換されているアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステル等、一般にアクリル系樹脂の合成に用いられるモノマーを、本発明の粘着剤アクリル系樹脂の合成にも用いることもできる。
【0012】
前記以外に官能基含有モノマー成分としては、例えばカルボキシル基含有モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物等があり、ヒドロキシル基含有モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール等がある。
【0013】
又、3級アミノ基含有モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等があり、アミド基、N−置換アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等がある。ニトリル基含有モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリル、フマロニトリル等がある。その他、リン酸系のアクリレート等も挙げられる。
【0014】
かかる官能基含有モノマー成分のうちで、特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。
かかる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノマー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量により一概には規定できないが、一般的には上記主モノマーを50重量%以上含有させることが好ましい。
又、官能基含有モノマー成分の含有量は0.001〜50重量%、好ましくは0.001〜25重量%、更に好ましくは0.01〜25重量%であることが望まれる。
本発明のアクリル系樹脂は主モノマー、コモノマー、更に官能基含有モノマーを有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法によって容易に製造される。
【0015】
前記重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
前記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が具体例として挙げられる。
【0016】
本発明では、上述したように上記アクリル系樹脂に、硬化剤、前記化1に示されるシラン系化合物及び、硬化助剤としてポリオール系化合物又は/及びメラミン系化合物が配合される。該硬化剤としては、特に制限されることはないがイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、アミン系化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示される。
【0017】
硬化剤のうちイソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等、及びこれらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック物あるいはイソシアヌレート等が挙げられる。
【0018】
エポキシ系化合物としては、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0019】
アルデヒド系化合物としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0020】
金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩、例えば塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロム等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート等が挙げられる。
【0021】
金属キレート化合物としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル配位化合物等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム等が挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、及びそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられる。
【0022】
本発明では、上記硬化剤のなかでも、イソシアネート系化合物が好ましく、特にそのなかでも、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートアダクトが最も有効である。
かかる硬化剤の添加量はアクリル系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、更に好ましくは0.3〜5重量部である。かかる添加量が0.01重量部未満では、硬化が充分になされず、高温の条件下では不良となり、一方10重量部を越えると硬化が促進され過ぎて接着力が低下し好ましくない。
【0023】
又、本発明で使用するシラン系化合物としては、上記化1で示される化合物であれば特に限定されないが、具体例としては下記のもの等が挙げられる。
【化2】
【化3】
【化4】
【0024】
【化5】
【化6】
【化7】
【0025】
【化8】
【化9】
【化10】
【0026】
【化11】
【化12】
【化13】
【0027】
【化14】
【化15】
【化16】
【0028】
【化17】
【化18】
【化19】
【0029】
【化20】
【化21】
【化22】
【0030】
【化23】
本発明では、種々の上記シラン系化合物を単独又は併用することも可能である。
【0031】
本発明では、必要に応じて上記シラン系化合物の他に、エポキシ系シラン、アクリル系シラン、メルカプト系シラン、水酸基系シラン等の他のシラン系化合物を併用することも可能である。
【0032】
かかるシラン系化合物の添加量については、アクリル系樹脂100重量部に対して0.0001〜10重量部、好ましくは0.0005〜7重量部、更に好ましくは0.001〜5重量部であり、かかる添加量が0.0001重量部未満では添加の効果が得られず、10重量部を越えると凝集力が低下し、本発明の優れた接着力、凝集力を示さない。
【0033】
本発明においては、硬化剤、上記シラン系化合物の他に更に硬化助剤としてポリオール系化合物やメラミン系化合物を一種又は二種以上配合させることが必要である。かかる配合量は、アクリル系樹脂100重量部に対して、ポリオール系化合物の割合で0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜30重量部、メラミン系化合物の場合で0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部であることが好ましく、本発明の効果が顕著に発揮できる。
【0034】
該ポリオール系化合物としては、特に制限されることはなくポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、水酸基含有ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、ヒマシ油の誘導体、トール油誘導体等の窒素を含有しないポリオールが挙げられ、その中でも好適には、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール等が挙げられるが、好ましくは下記の化24及び化26に示されるような窒素を含有したポリオール系化合物が挙げられ、具体的には、化24としてトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン、好ましくはメチルジエタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンが挙げられ、化26としてはN,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、アデカクオドロール(旭電化工業(株))が挙げられる。
【0035】
【化24】
ここで、R、R′はアルキル基で、R1は水素、アルキル基、アシル基、フェニル基、あるいは下記の化25のいずれかで、m、n、k、lは0以上の整数(但し、mとn、kとlとはいずれも同時に0にはならない。)である。
【0036】
【化25】
【化26】
ここで、R、R′はアルキル基で、Xはアルキレン基又はフェニレン基で、a、b、m、n、k、l、x、yは0以上の整数(但し、aとb、mとn、kとl、xとyとはいずれも同時に0にはならない。)で、pは1以上の整数である。
【0037】
又、該メラミン系化合物としては特に制限されないが下記の化27で示される化合物が好ましく、具体的にはR2が水素(9重量%)、−CH2OH(31重量%)、−CH2OBu(60重量%)からなるスーパーベッカミンJ−820−60(大日本インキ化学工業)が挙げられる。
【0038】
【化27】
ここで、R2は水素又は−CH2−O−R2′(但し、R2′は水素、アルキル基)で、R3はR2又は縮合により生成する結合で、rは1以上の整数である。
【0039】
又、前記アクリル系樹脂、硬化剤、化1で示されるシラン系化合物、更には硬化助剤の配合方法については、特に制限はなく一括仕込みや、上記アクリル系樹脂、硬化剤、シラン系化合物、硬化助剤を予め任意に複数を混合して、残る成分を後から混合してもよい。
【0040】
かくして本発明の粘着剤組成物は、高温下又は高温高湿下においても凝集力及び接着力の経時変化が小さく、かつ、本発明特有の曲面接着力にも優れた効果を示す粘着剤組成物である。
かかる粘着剤組成物の使用については、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤に溶解したものを基材又は剥離フィルム等のフィルムに塗布した後、30〜170℃、好ましくは40〜150℃の乾燥温度で乾燥して硬化され、その粘着特性が得られる。
【0041】
そして、該粘着剤組成物は、粘着テープ、粘着シート等の各種粘着用途として有効に用いられ、更に各種基材に貼り合わされる。基材は特に限定されないが、ステンレス板、アルミニウム板、鋼板、銅板等をはじめとするあらゆる材質の金属板、ポリエチレン板、ポリプロピレン板、メラミン板、フェノール板等の合成樹脂化粧板、合板、単板、ガラス板等のいわゆる板状物の他、棒状物、陶器や各種成形物の表面に貼り合わすことができる。
【0042】
又、本発明の粘着剤組成物は、基材、特にガラス基材と光学フィルムとの接着において非常に優れた効果を示す。即ち、該粘着剤組成物を用いることにより、高温又は高温高湿環境下での使用において、粘着剤層の発泡や剥離等の外観欠点が発生せず、耐熱性、耐湿熱性に優れ、更に光学特性についても優れた光学積層体を得ることができる。
【0043】
本発明に用いる光学フィルムとしては、光学特性を有するフィルムであれば特に限定されないが、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム等の使用が好ましく、これらの光学フィルムとガラス基板の接着に本発明の粘着剤組成物を用いることにより、耐熱性、耐湿熱性及び光学特性に優れた光学フィルム/ガラス基板の光学積層体が得られるのである。
尚、本発明では、主として偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムには保護層を設けるが、特に断りのない限り、ここでは保護層の有無にかかわらず光学フィルムと称する。
【0044】
以下、光学積層体について詳述する。
本発明では、例えば、主としてポリビニルアルコール系偏光フィルムを基材とし、これに必要に応じ保護層を設けた偏光板、あるいはポリビニルアルコール系やポリカーボネート系の位相差フィルムを基材とし、これに必要に応じ保護層を設けた位相差板、更には偏光フィルムと位相差フィルムを組み合わせた楕円偏光板等に、粘着剤層及び剥離フィルムを付加するのである。粘着剤層及び剥離フィルムを付加する方法としては、剥離フィルムの上に粘着剤層を設け、その上に光学フィルムを貼り合わせる方法、あるいは逆に光学フィルムの上に粘着剤層を設け、その上に剥離フィルムを貼り合わせる方法が通常取られる。
【0045】
このようにして得られた粘着剤層を有する光学フィルムは使用時に適当に切断され、剥離フィルムを剥がし、相手基材であるガラスあるいは他の基材と貼り合わせ、液晶表示素子、防眩用あるいはサングラスとして用いられる。
又、前記粘着剤層を有する光学フィルムは、更に反射板及び/又は半透明層を設けることにより、反射型あるいは半透過型の液晶表示板に使用される。この反射板としては通常アルミニウム、銀等の箔、板が使用される。又、半透明層としては反射型及び透過型の両方に使用可能となるべく反射率と透過率が選ばれ、適宜材料は選択される。
【0046】
位相差フィルムには、特に制限されることなくポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリマー、トリアセチルセルロース系樹脂、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニル等が採用されるが、主としてポリカーボネート、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムが用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。又、ポリビニルアルコールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えばポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びポリビニルアルコール誘導体が挙げられる。平均重合度は500〜10000、ケン化度は80〜100モル%のもので、1.01〜4倍程度に一軸延伸されたものであることが望ましい。
【0047】
一方、偏光フィルムには平均重合度が1500〜10000、ケン化度が85〜100モル%の上記ポリビニルアルコール系樹脂を原反フィルムとして、ヨウ素−ヨウ化カリの水溶液あるいは二色性染料により染色された一軸延伸フィルム(2〜10倍、好ましくは3〜7倍程度の延伸倍率)が用いられる。
【0048】
保護層としては従来から知られているセルロースアセテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルエーテルケトン系フィルム、ポリスルホン系フィルム等が挙げられるが、好適には三酢酸セルロースフィルム等のセルロースアセテート系フィルムが用いられる。更に、必要に応じて、上記樹脂フィルムにサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合させることも可能である。
【0049】
【作用】
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂中に、硬化剤、特にイソシアネート系化合物及び、上記化1で示されるシラン系化合物、更に硬化助剤としてポリオール系化合物又は/及びメラミン系化合物を配合させてなるために、高温下又は高温高湿下でも凝集力及び接着力の経時変化が小さく、かつ、曲面接着力にも優れた効果を示し、又、光学フィルムと基材との接着に用いた場合、粘着剤の発泡や剥離を起こさないといった耐久性に優れるばかりでなく、高温、高湿環境下で長時間放置してもその光学特性が低下しないといった効果も発揮する。かかる特性を利用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車両用と、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有用である。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
参考例1
アクリル酸n−ブチル:アクリル酸=95:5(重量比)の配合物100部を重合開始剤としての過酸化ベンゾイルを0.1部添加してトルエン中で重合し、共重合物溶液を得た。該共重合物溶液に、該共重合物溶液の固形分100部に対して、イソシアネート系化合物としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)1.0部、アセトアセトキシプロピルトリメトキシシラン(上記化2)(A)1.0部を添加し、充分混合して粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物について、接着力、凝集力及び曲面接着力の評価を行った。尚、接着力、凝集力及び曲面接着力の評価方法は下記に示す通りである。
【0051】
(接着力)
上記粘着剤組成物をトルエンに溶解した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、100℃で2分間乾燥(乾燥後の塗布厚25μm)し、これをJIS Z 0237に準じた手動ローラで3往復してガラス板(サイズ:幅25mm、長さ180mm)に圧着した。該サンプルをオートクレーブ処理(50℃、15分、5kg/cm2)し、60℃で12時間熱処理し、20℃、65%RHの条件下で1時間放置した後、JIS B 7721に準じた装置により、JIS Z 0237に準じた90度引きはなし法で接着力(kg/25mm)を測定した。引き上げる速度は200mm/minであった。
【0052】
(凝集力)
上記と同様に粘着剤組成物を塗工したポリエチレンテレフタレートフィルム(サイズ:幅25mm、長さ150mm)をガラス板(サイズ:幅40mm、長さ80mm)にJIS Z 0237に準じた手動ローラで3往復して圧着した。該サンプルをオートクレーブ処理(50℃、15分、5kg/cm2)し、20℃、65%RHの条件下で1時間放置した後、端部に1kgの荷重をかけ、JIS Z 0237に準じて測定をし、70℃で48時間後のずれの大きさ(mm)を測定し、下記の基準で評価した。
◎・・・0〜0.5(mm)未満
○・・・0.5〜5.0(mm)未満
△・・・5.0〜10.0(mm)未満
×・・・10.0(mm)以上
【0053】
(曲面接着力)
30mmφのガラス製円筒の曲面に幅25mm、長さ66mmの上記同様の試験片を円筒の自重(200g)を利用して貼り付けて、オートクレーブ処理(50℃、15分、5kg/cm2)し、40℃、24時間放置して更に40℃、95%RHの条件下24時間放置した後の剥がれの大きさ(mm)を測定し、下記の基準により評価した。
◎・・・0〜0.5(mm)未満
○・・・0.5〜5.0(mm)未満
△・・・5.0〜10.0(mm)未満
×・・・10.0(mm)以上
【0054】
又、得られた粘着剤組成物を厚さ1.1mmのガラス板上にアプリケーターを用いて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃2分間乾燥して粘着性板を得、一方、膜厚30μmのポリビニルアルコール偏光フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度99モル%、4倍延伸)の両側を厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムで積層した偏光板(ポリビニルアルコール偏光フィルムの延伸軸方向を45度傾けて150mm×200mmに切断)を作製し、この片面に上記粘着性板を積層し、ローラーで押圧してガラス積層偏光板を製造した。該偏光板の耐熱(90℃、500時間)、耐湿熱(60℃×90%RH、500時間)試験を行い、外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0055】
尚、偏光板の光学特性については単体透過率τ(%)及び偏光度V(%)を測定した。ここで、本発明でいう偏光度は
[(H11−H1)/(H11+H1)]1/2×100(%)
で示され、H11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する方向になるように重ね合わせた状態で測定した透過率(%)である。
【0056】
同様に位相差フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度97モル%、1.1倍延伸のポリビニルアルコールフィルム、膜厚50μm)についても、位相差フィルムの両側に厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムを積層した位相差板(ポリビニルアルコールフィルムの延伸軸方向を45度傾けて150mm×200mmに切断)を作製し、この片面に上記粘着性板を積層し、ローラーで押圧してガラス積層位相差板を製造した。該位相差板の耐熱(70℃、500時間)、耐湿熱(40℃×95%RH、500時間)試験を行い、外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0057】
尚、位相差板の光学特性についてはレターデーション値(RD)を測定した。位相差フィルムにおけるレターデーション値(RD)とは、主延伸方向(MD方向)及びこれに垂直な方向(TD方向)における屈折率(IIMD−IITD)と位相差フィルムの厚さ(d)との積で定義され、バビネ型コンペンサーター付の偏光顕微鏡(ニコンPOH−1型)を用い補償法にて測定した(光源は白色光)。
【0058】
更に、三酢酸セルロースフィルム/偏光フィルム/三酢酸セルロースフィルム/粘着剤層/三酢酸セルロースフィルム/位相差フィルム/三酢酸セルロースフィルム/粘着剤層からなる構成をもった楕円偏光板についても、耐熱(70℃、500時間)、耐湿熱(40℃×95%RH、500時間)試験を行い、外観変化を評価した。
【0059】
評価基準は以下の通りである。
(外観変化)
目視により耐久試験後、粘着剤の発泡、剥離の発生を観察した。
変化無し ・・・○
発泡、剥離有り・・・×
(光学特性変化)
偏光板については、耐久試験前後の単体透過率τ(%)及び偏光度V(%)の差により評価した。絶対値で5%以下であることが望まれる。
位相差板については、耐久試験前後のRD値の差により評価した。絶対値で30nm以下であることが望まれる。
【0060】
参考例2
参考例1において、(A)を4,4−ジアセチル−ブチルトリメトキシシラン(上記化18)(B)に変代えた以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0061】
参考例3
参考例1において、(A)を4−エトキシカルボニル−4−アセチル−ブチルトリメトキシシラン(上記化19)(C)に代えた以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0062】
参考例4
参考例1において、コロネートL(日本ポリウレタン社製)及びコロネートHL(日本ポリウレタン社製)の混合物(L:HL=1:1)に代えた以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。
又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0063】
参考例5
参考例1において、コロネートL(日本ポリウレタン社製)をトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルに代えた以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0064】
実施例1
参考例1において、更に硬化助剤としてN−メチルジエタノールアミンを1.0部添加した以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0065】
実施例2
参考例1において、更に硬化助剤としてトリメチロールプロパンを1.0部添加した以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0066】
実施例3
参考例1において、更に硬化助剤としてスーパーベッカミンJ−820−60(大日本インキ化学工業)を0.3部添加した以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0067】
比較例1
参考例1において、(A)を添加しなかった以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0068】
比較例2
参考例1において、コロネートL(日本ポリウレタン社製)を添加しなかった以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0069】
比較例3
参考例1において、(A)をN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランに代えた以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0070】
比較例4
参考例1において、(A)を添加しない代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを1.0部添加した以外は同様に行い、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。
【0071】
比較例5
参考例1のアクリル系共重合物100部にトリメトキシシランプロピルイソシアネート1.0部を添加して粘着剤組成物を得、得られた粘着剤組成物について参考例1と同様に接着力、凝集力及び曲面接着力を評価した。又、該粘着剤組成物を用いて参考例1と同様にして得られる偏光板、位相差板、楕円偏光板についても上記方法により外観変化及び光学特性変化を評価した。参考例、実施例及び比較例のそれぞれの評価結果は表1〜4にまとめて示す。
【0072】
[表1]
粘着物性
接着力 凝集力 曲面接着力
( kg/25mm )
参考例1 1.8 ○ ◎
〃 2 1.9 ○ ◎
〃 3 1.8 ○ ◎
〃 4 1.7 ○ ◎
〃 5 1.8 ○ ◎
実施例1 1.6 ◎ ◎
〃 2 1.7 ◎ ◎
〃 3 1.7 ◎ ◎
比較例1 0.8 × ×
〃 2 0.6 × △
〃 3 0.6 × ×
〃 4 1.2 △ △
〃 5 1.0 × ×
【0073】
[表2]
(外観変化)
偏光板 位相差板 楕円偏光板
耐熱 耐湿熱 耐熱 耐湿熱 耐熱 耐湿熱
試験後 試験後 試験後 試験後 試験後 試験後
参考例1 ○ ○ ○ ○ ○ ○
〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○
〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○
〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○
〃 5 ○ ○ ○ ○ ○ ○
実施例1 ○ ○ ○ ○ ○ ○
〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○
〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○
比較例1 × × × × × ×
〃 2 × × × × × ×
〃 3 × × × × × ×
〃 4 × × × × × ×
〃 5 × × × × × ×
【0074】
[表3]
(光学特性)
耐熱 耐熱 耐湿熱 耐湿熱
試験前 試験後 試験前 試験後
参考例1 偏光板 τ 40.0 40.5 40.0 41.0
V 99.9 99.9 99.9 99.8
位相差板 RD 402 410 403 398
参考例2 偏光板 τ 39.8 40.2 39.8 41.0
V 99.9 99.9 99.9 99.8
位相差板 RD 400 408 400 394
参考例3 偏光板 τ 39.8 40.2 39.8 41.0
V 99.9 99.9 99.9 99.8
位相差板 RD 403 410 403 398
参考例4 偏光板 τ 40.0 40.5 40.0 41.0
V 99.9 99.9 99.9 99.8
位相差板 RD 398 410 400 393
参考例5 偏光板 τ 40.1 40.5 40.2 41.0
V 99.9 99.9 99.9 99.7
位相差板 RD 400 408 398 391
実施例1 偏光板 τ 40.2 40.3 40.1 41.2
V 99.9 99.9 99.9 99.8
位相差板 RD 399 405 402 396
実施例2 偏光板 τ 40.1 40.6 39.9 41.0
V 99.9 99.9 99.9 99.7
位相差板 RD 405 410 402 397
実施例3 偏光板 τ 40.0 40.7 39.9 40.7
V 99.9 99.9 99.9 99.8
位相差板 RD 403 410 402 396
注)τ:単体透過率(%)
V:偏光度(%)
RD:レターデーション値(nm)
【0075】
【表4】
尚、比較例1〜5については、耐久試験後には発泡、剥離を起こすため光学特性を測定することはできなかったので、試験前の測定値は敢えて記さなかった。
【0076】
【発明の効果】
本発明の粘着剤組成物は、高温下又は高温高湿下でも凝集力及び接着力の経時変化が小さく、かつ、曲面接着力にも優れた効果を示し、又、各種光学フィルムとガラス等の各種基材との接着においては、粘着剤の発泡や剥離を起こさないといった耐久性に優れるばかりでなく、高温、高湿環境下で長時間放置してもその光学特性が低下しないといった効果も奏する。
Claims (6)
- アクリル系樹脂中に、硬化剤、化1で示されるシラン系化合物及び、硬化助剤としてポリオール系化合物又は/及びメラミン系化合物を配合させてなることを特徴とする粘着剤組成物。
- 化1で示されるシラン系化合物の添加量が、アクリル系樹脂100重量部に対して0.0001〜10重量部であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
- 硬化剤がイソシアネート系化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
- 硬化剤の添加量がアクリル系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 基材と光学フィルムの接着に用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 光学フィルムが偏光フィルム、位相差フィルム及び楕円偏光フィルムのいずれかであることを特徴とする請求項5記載の粘着剤組成物。
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