JPH05295225A - 自動車用樹脂組成物 - Google Patents
自動車用樹脂組成物Info
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- JPH05295225A JPH05295225A JP12416492A JP12416492A JPH05295225A JP H05295225 A JPH05295225 A JP H05295225A JP 12416492 A JP12416492 A JP 12416492A JP 12416492 A JP12416492 A JP 12416492A JP H05295225 A JPH05295225 A JP H05295225A
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- ethylene
- propylene
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- copolymer rubber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形性に優れるとともに、耐衝撃性、機械的
強度、耐熱変形性、脆化温度、硬度等のバランスが良好
で、かつ成形収縮率や線膨張率の小さい自動車用樹脂組
成物を提供する。 【構成】 高流動性プロピレン−エチレンブロック共重
合体と、エチレン−プロピレン共重合体系ゴムと、高流
動性エチレン−ブテン共重合体ゴムと、高流動性ポリエ
チレン、微細タルクとを含有する組成物において、各樹
脂成分の配合比をコントロールするとともに、タルクの
含有量を抑制し、さらに組成物中のプロピレンホモポリ
マー部分とそれ以外の樹脂成分との極限粘度の比を特定
してなる組成物。
強度、耐熱変形性、脆化温度、硬度等のバランスが良好
で、かつ成形収縮率や線膨張率の小さい自動車用樹脂組
成物を提供する。 【構成】 高流動性プロピレン−エチレンブロック共重
合体と、エチレン−プロピレン共重合体系ゴムと、高流
動性エチレン−ブテン共重合体ゴムと、高流動性ポリエ
チレン、微細タルクとを含有する組成物において、各樹
脂成分の配合比をコントロールするとともに、タルクの
含有量を抑制し、さらに組成物中のプロピレンホモポリ
マー部分とそれ以外の樹脂成分との極限粘度の比を特定
してなる組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用樹脂組成物に関
し、特に成形性に優れるとともに、耐衝撃性、硬度、延
性等のバランスがよく、かつ成形収縮率及び線膨張率の
小さい塗装可能な自動車用樹脂組成物に関する。
し、特に成形性に優れるとともに、耐衝撃性、硬度、延
性等のバランスがよく、かつ成形収縮率及び線膨張率の
小さい塗装可能な自動車用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の無機
フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹脂が
提案されている。
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の無機
フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹脂が
提案されている。
【0003】特開昭61-12742号は、(a) エチレン含量2
〜3重量%、メルトフローレート40〜45g/10 分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体62〜57重量%、(b)
エチレン含量70〜80重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100
℃)55 〜58のエチレン−プロピレン共重合体ゴム26〜28
重量%、(c) 密度0.955 〜0.960 g/cm3 、メルトフロー
レート18〜22g/10 分の高密度ポリエチレン2〜3重量
%、(d) 平均粒径1.8 〜2.2 μm、比表面積36000 〜42
000 cm2 /gのタルク10〜12重量%からなり、メルトフロ
ーレートが13〜18g/10 分、密度が0.950 〜0.980 g/cm
3 、曲げ弾性率が11500 〜14000 kg/ cm2 、20〜80℃間
の線膨張係数が7×10-5〜10×10-5cm/ cm/ ℃、及びJI
S-Z8741 の60°−60°法による表面光沢度が55%以上で
あることを特徴とする樹脂組成物を開示している。
〜3重量%、メルトフローレート40〜45g/10 分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体62〜57重量%、(b)
エチレン含量70〜80重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100
℃)55 〜58のエチレン−プロピレン共重合体ゴム26〜28
重量%、(c) 密度0.955 〜0.960 g/cm3 、メルトフロー
レート18〜22g/10 分の高密度ポリエチレン2〜3重量
%、(d) 平均粒径1.8 〜2.2 μm、比表面積36000 〜42
000 cm2 /gのタルク10〜12重量%からなり、メルトフロ
ーレートが13〜18g/10 分、密度が0.950 〜0.980 g/cm
3 、曲げ弾性率が11500 〜14000 kg/ cm2 、20〜80℃間
の線膨張係数が7×10-5〜10×10-5cm/ cm/ ℃、及びJI
S-Z8741 の60°−60°法による表面光沢度が55%以上で
あることを特徴とする樹脂組成物を開示している。
【0004】特開平1-149845号は、(a) エチレン含有量
が20〜60重量%の沸騰キシレン可溶分を5〜12重量%含
み、重合体全体のエチレン含量が1〜7重量%でかつメ
ルトフローレートが15〜50g/10 分のプロピレン−エチ
レンブロック共重合体59〜74重量%と、(b) プロピレン
含量が20〜60重量%でかつムーニー粘度ML1+4 (100℃)
が100 〜150 のエチレン−プロピレン系共重合体ゴム35
〜20重量%と、(c) 比表面積が30000 cm2 /g以上、平均
粒径が0.5 〜2.0 μmであるタルク3〜6重量%を配合
してなることを特徴とする樹脂組成物を開示している。
が20〜60重量%の沸騰キシレン可溶分を5〜12重量%含
み、重合体全体のエチレン含量が1〜7重量%でかつメ
ルトフローレートが15〜50g/10 分のプロピレン−エチ
レンブロック共重合体59〜74重量%と、(b) プロピレン
含量が20〜60重量%でかつムーニー粘度ML1+4 (100℃)
が100 〜150 のエチレン−プロピレン系共重合体ゴム35
〜20重量%と、(c) 比表面積が30000 cm2 /g以上、平均
粒径が0.5 〜2.0 μmであるタルク3〜6重量%を配合
してなることを特徴とする樹脂組成物を開示している。
【0005】しかしながら特開昭61-12742号及び特開平
1-149845号の樹脂組成物は、いずれも熱変形を生じやす
く、例えばバンパーに用いた場合には、高温環境下にお
かれたときの車体との線膨張率の差により、変形しやす
く、このため外観を損なうことがあるという問題があ
る。
1-149845号の樹脂組成物は、いずれも熱変形を生じやす
く、例えばバンパーに用いた場合には、高温環境下にお
かれたときの車体との線膨張率の差により、変形しやす
く、このため外観を損なうことがあるという問題があ
る。
【0006】また上述したようなプロピレン−エチレン
ブロック共重合体とエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(及び必要に応じ高密度ポリエチレン)とタルクとから
なるような組成系では、一般にプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体やエチレン−プロピレン共重合体ゴムに
おけるエチレンとプロピレンとの比や、分子量等を調整
することにより、それぞれの用途に適した流動性を有す
る組成物としている。しかしながら、上記のような方法
では、成形性、剛性、耐熱変形性、脆化温度、硬度等の
諸物性が自動車の外装用樹脂として良好にバランスされ
ている組成物とするのが困難であるという問題がある。
特に自動車の外装用樹脂としては、流動性、剛性、耐衝
撃性のバランスは重要である。
ブロック共重合体とエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(及び必要に応じ高密度ポリエチレン)とタルクとから
なるような組成系では、一般にプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体やエチレン−プロピレン共重合体ゴムに
おけるエチレンとプロピレンとの比や、分子量等を調整
することにより、それぞれの用途に適した流動性を有す
る組成物としている。しかしながら、上記のような方法
では、成形性、剛性、耐熱変形性、脆化温度、硬度等の
諸物性が自動車の外装用樹脂として良好にバランスされ
ている組成物とするのが困難であるという問題がある。
特に自動車の外装用樹脂としては、流動性、剛性、耐衝
撃性のバランスは重要である。
【0007】したがって、本発明の目的は、成形性に優
れるとともに、耐衝撃性、機械的強度、耐熱変形性、脆
化温度、硬度等のバランスが良好で、かつ成形収縮率や
線膨張率の小さい自動車用樹脂組成物を提供することで
ある。
れるとともに、耐衝撃性、機械的強度、耐熱変形性、脆
化温度、硬度等のバランスが良好で、かつ成形収縮率や
線膨張率の小さい自動車用樹脂組成物を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、高流動性プロピレン−エチレン
ブロック共重合体と、エチレン−プロピレン共重合体系
ゴムと、高流動性エチレン−ブテン共重合体ゴムと、高
流動性ポリエチレンと、微細タルクとを含有する組成物
において、各樹脂成分の配合比をコントロールするとと
もに、タルクの含有量を抑制し、さらに組成物中のプロ
ピレンホモポリマー部分とそれ以外の樹脂成分との極限
粘度の比を特定することにより、成形性に優れるととも
に、耐衝撃性、延性、硬度等のバランスがよく、特に表
面硬度に優れており、しかも成形収縮率や線膨張率も小
さく、自動車の外装用の樹脂として好適な組成物とする
ことができることを見出し、本発明に想到した。
の結果、本発明者らは、高流動性プロピレン−エチレン
ブロック共重合体と、エチレン−プロピレン共重合体系
ゴムと、高流動性エチレン−ブテン共重合体ゴムと、高
流動性ポリエチレンと、微細タルクとを含有する組成物
において、各樹脂成分の配合比をコントロールするとと
もに、タルクの含有量を抑制し、さらに組成物中のプロ
ピレンホモポリマー部分とそれ以外の樹脂成分との極限
粘度の比を特定することにより、成形性に優れるととも
に、耐衝撃性、延性、硬度等のバランスがよく、特に表
面硬度に優れており、しかも成形収縮率や線膨張率も小
さく、自動車の外装用の樹脂として好適な組成物とする
ことができることを見出し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明の自動車用樹脂組成物
は、(a) メルトフローレートが40g/10 分以上のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体50〜79重量%と、(b)
エチレン−プロピレン共重合体系ゴム5〜20重量%と、
(c) メルトインデックスが15〜30g/10 分のエチレン−
ブテン共重合体ゴム5〜20重量%と、(d) メルトインデ
ックスが15〜30g/10 分のポリエチレン5〜25重量%
と、(e) 平均粒子径が1.5 μm以下のタルク7重量%未
満とを含有し、かつ前記(b) +(c) +(d) の合計が20〜
40重量%である組成物であって、前記組成物中のプロピ
レンホモポリマー部分の極限粘度(A) と、それ以外の樹
脂成分の極限粘度(B) との比(B/A)が0.1 〜2.5 の
範囲内であることを特徴とする。
は、(a) メルトフローレートが40g/10 分以上のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体50〜79重量%と、(b)
エチレン−プロピレン共重合体系ゴム5〜20重量%と、
(c) メルトインデックスが15〜30g/10 分のエチレン−
ブテン共重合体ゴム5〜20重量%と、(d) メルトインデ
ックスが15〜30g/10 分のポリエチレン5〜25重量%
と、(e) 平均粒子径が1.5 μm以下のタルク7重量%未
満とを含有し、かつ前記(b) +(c) +(d) の合計が20〜
40重量%である組成物であって、前記組成物中のプロピ
レンホモポリマー部分の極限粘度(A) と、それ以外の樹
脂成分の極限粘度(B) との比(B/A)が0.1 〜2.5 の
範囲内であることを特徴とする。
【0010】本発明を以下詳細に説明する。本発明にお
いて、(a) プロピレン−エチレンブロック共重合体は、
多段重合により合成されるものである。
いて、(a) プロピレン−エチレンブロック共重合体は、
多段重合により合成されるものである。
【0011】多段重合では、まずチーグラ触媒等の存在
下でプロピレンを重合することにより、結晶性プロピレ
ンホモポリマー部分(少量のコモノマー成分を含んでい
てもよい)を生成し、次の段階でエチレン+プロピレン
に切替えてランダム共重合体部分を生成する。
下でプロピレンを重合することにより、結晶性プロピレ
ンホモポリマー部分(少量のコモノマー成分を含んでい
てもよい)を生成し、次の段階でエチレン+プロピレン
に切替えてランダム共重合体部分を生成する。
【0012】上記多段重合により合成されたプロピレン
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体部分と、場合によっては少量のポリエチレ
ン部分とからなるものであり、それぞれの部分は単独の
ポリマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結
合した状態にあってもよい。なお、上記各部分は基本的
にはプロピレン及び/又はエチレンとからなるものであ
るが、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量
含有していてもよい。
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体部分と、場合によっては少量のポリエチレ
ン部分とからなるものであり、それぞれの部分は単独の
ポリマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結
合した状態にあってもよい。なお、上記各部分は基本的
にはプロピレン及び/又はエチレンとからなるものであ
るが、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量
含有していてもよい。
【0013】上記各部分の含有量については+の合
計を100 重量%として、結晶性ホモポリプロピレン部分
が80〜95重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合
体部分が5〜20重量%が好ましい。なお、ポリエチレン
部分を含有するとしても、その含有量は5重量%以下程
度である。
計を100 重量%として、結晶性ホモポリプロピレン部分
が80〜95重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合
体部分が5〜20重量%が好ましい。なお、ポリエチレン
部分を含有するとしても、その含有量は5重量%以下程
度である。
【0014】上記プロピレン−エチレンブロック共重合
体のメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) は40g/10 分以上である。MFRの値が40g/10 分
未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形性が低
下する。好ましいプロピレン−エチレンブロック共重合
体のMFRは40〜100 g/10 分である。
体のメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) は40g/10 分以上である。MFRの値が40g/10 分
未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形性が低
下する。好ましいプロピレン−エチレンブロック共重合
体のMFRは40〜100 g/10 分である。
【0015】本発明において、(b) エチレン−プロピレ
ン共重合体系ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム(EPR) 、及びこれにジエン化合物を共重合した
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) が
挙げられる。エチレン−プロピレン共重合体系ゴムは、
エチレンの含有率が50〜90モル%、プロピレンの含有率
が50〜10モル%であることが好ましい。より好ましい範
囲は、エチレンが70〜80モル%、プロピレンが30〜20モ
ル%である。なお、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム(EPDM) の場合、ジエン化合物としては、エチ
リデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキ
サジエン等が挙げられる。
ン共重合体系ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム(EPR) 、及びこれにジエン化合物を共重合した
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) が
挙げられる。エチレン−プロピレン共重合体系ゴムは、
エチレンの含有率が50〜90モル%、プロピレンの含有率
が50〜10モル%であることが好ましい。より好ましい範
囲は、エチレンが70〜80モル%、プロピレンが30〜20モ
ル%である。なお、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム(EPDM) の場合、ジエン化合物としては、エチ
リデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキ
サジエン等が挙げられる。
【0016】このようなエチレン−プロピレン共重合体
系ゴムのメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) は0.5 〜20g/10 分であるのが好ましく、より好ま
しくは0.5 〜10g/10 分である。
系ゴムのメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) は0.5 〜20g/10 分であるのが好ましく、より好ま
しくは0.5 〜10g/10 分である。
【0017】また本発明において、(c) エチレン−ブテ
ン共重合体ゴム(EBR) とは、エチレンの含有量が70〜90
モル%、ブテン-1の含有量が30〜10モル%のブロック共
重合体であり、特にエチレンの含有量が75〜85モル%、
ブテン-1の含有量が15〜25モル%のものが好ましい。な
お、EBR については、エチレン及びブテン−1以外にヘ
キセン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやエ
チリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエ
ン化合物等を少量含有していてもよい。
ン共重合体ゴム(EBR) とは、エチレンの含有量が70〜90
モル%、ブテン-1の含有量が30〜10モル%のブロック共
重合体であり、特にエチレンの含有量が75〜85モル%、
ブテン-1の含有量が15〜25モル%のものが好ましい。な
お、EBR については、エチレン及びブテン−1以外にヘ
キセン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやエ
チリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエ
ン化合物等を少量含有していてもよい。
【0018】本発明においては上記EBR としてメルトイ
ンデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重) が15〜30g/10
分のものを使用する。MIが15g/10 分未満では得られ
る組成物の成形性、特に射出成形性が低下する。一方30
g/10 分を超えると、得られる組成物の衝撃強度が低下
する。より好ましいMIは15〜20g/10 分である。
ンデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重) が15〜30g/10
分のものを使用する。MIが15g/10 分未満では得られ
る組成物の成形性、特に射出成形性が低下する。一方30
g/10 分を超えると、得られる組成物の衝撃強度が低下
する。より好ましいMIは15〜20g/10 分である。
【0019】本発明において(d) ポリエチレンとは、基
本的にはエチレンから誘導される繰り返し単位からなる
ものであり、そのメルトインデックス (MI、190 ℃、2.
16kg荷重) が15〜30g/10 分のものである。MIが15g
/10 分未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形
性が低下する。一方30g/10 分を超えると、得られる組
成物の硬度が低下する。より好ましいMIは15〜20g/1
0 分である。またポリエチレンの密度は通常0.890 〜0.
975 g/cm3 である。
本的にはエチレンから誘導される繰り返し単位からなる
ものであり、そのメルトインデックス (MI、190 ℃、2.
16kg荷重) が15〜30g/10 分のものである。MIが15g
/10 分未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形
性が低下する。一方30g/10 分を超えると、得られる組
成物の硬度が低下する。より好ましいMIは15〜20g/1
0 分である。またポリエチレンの密度は通常0.890 〜0.
975 g/cm3 である。
【0020】このようなポリエチレンは、その分枝構造
や密度等により低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン等が挙げられるが、本発明
においてはいずれのものも用いることができる。特に線
状低密度ポリエチレンが好ましい。
や密度等により低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン等が挙げられるが、本発明
においてはいずれのものも用いることができる。特に線
状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0021】本発明において(e) タルクは、樹脂等の充
填剤・強化剤等として一般に用いられているものであ
る。ただし、平均粒径が1.5 μm以下のものを用いる。
タルクの平均粒径が1.5 μmを超えると、曲げ弾性率等
の機械的強度が低下する。なお、ここで平均粒径は、積
算ふるいにより求めた粒度分布曲線が50%の線と交差す
るときの粒径である。
填剤・強化剤等として一般に用いられているものであ
る。ただし、平均粒径が1.5 μm以下のものを用いる。
タルクの平均粒径が1.5 μmを超えると、曲げ弾性率等
の機械的強度が低下する。なお、ここで平均粒径は、積
算ふるいにより求めた粒度分布曲線が50%の線と交差す
るときの粒径である。
【0022】上述したような各種成分の配合割合は、
(a) プロピレン−エチレンブロック共重合体が50〜79重
量%、好ましくは55〜70重量%であり、(b) エチレン−
プロピレン共重合体系ゴムが5〜20重量%、好ましくは
5〜15重量%であり、(c) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ムが5〜20重量%、好ましくは10〜17重量%であり、
(d) ポリエチレンが5〜25重量%、好ましくは5〜23重
量%であり、(e) タルクが7重量%未満、好ましくは1
〜6重量%である。
(a) プロピレン−エチレンブロック共重合体が50〜79重
量%、好ましくは55〜70重量%であり、(b) エチレン−
プロピレン共重合体系ゴムが5〜20重量%、好ましくは
5〜15重量%であり、(c) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ムが5〜20重量%、好ましくは10〜17重量%であり、
(d) ポリエチレンが5〜25重量%、好ましくは5〜23重
量%であり、(e) タルクが7重量%未満、好ましくは1
〜6重量%である。
【0023】(a) プロピレン−エチレンブロック共重合
体が50重量%未満では得られる組成物の伸度、硬度等が
低下しやすく、また79重量%を超えると耐衝撃性が低下
する。
体が50重量%未満では得られる組成物の伸度、硬度等が
低下しやすく、また79重量%を超えると耐衝撃性が低下
する。
【0024】(b) エチレン−プロピレン共重合体系ゴム
が5重量%未満では引張破断伸度等の引張物性が低下
し、また20重量%を超えると曲げ弾性率等の機械的強度
が低下する。
が5重量%未満では引張破断伸度等の引張物性が低下
し、また20重量%を超えると曲げ弾性率等の機械的強度
が低下する。
【0025】(c) エチレン−ブテン共重合体ゴムが5重
量%未満では硬度や引張破断伸度や流動性が低下し、ま
た20重量%を超えると、曲げ弾性率が低下する。
量%未満では硬度や引張破断伸度や流動性が低下し、ま
た20重量%を超えると、曲げ弾性率が低下する。
【0026】(d) ポリエチレンが5重量%未満では曲げ
弾性率等の機械的強度や流動性の向上が十分でなく、ま
た25重量%を超えると、引張破断伸度等の引張物性が低
下する。
弾性率等の機械的強度や流動性の向上が十分でなく、ま
た25重量%を超えると、引張破断伸度等の引張物性が低
下する。
【0027】さらに(d) タルクの含有量が7重量%以上
では、低温衝撃特性、引張伸びが低下する。なお、下限
については特に制限はないが、1重量%以下では、その
添加効果が顕著でなく好ましくない。
では、低温衝撃特性、引張伸びが低下する。なお、下限
については特に制限はないが、1重量%以下では、その
添加効果が顕著でなく好ましくない。
【0028】ただし、本発明においては(b) 成分、(c)
成分及び(d) 成分については、組成物全体を100 重量%
としてそれぞれの合計 ((b) +(c) +(d) ) が20〜40重
量%となるようにする。(b) +(c) +(d) が20重量%未
満では引張破断伸度等の引張物性が低下し、また40重量
%を超えると、各種物性のバランスが悪くなる。
成分及び(d) 成分については、組成物全体を100 重量%
としてそれぞれの合計 ((b) +(c) +(d) ) が20〜40重
量%となるようにする。(b) +(c) +(d) が20重量%未
満では引張破断伸度等の引張物性が低下し、また40重量
%を超えると、各種物性のバランスが悪くなる。
【0029】また、本発明においては、その組成物中の
プロピレンホモポリマー部分の極限粘度(A) と、それ以
外の樹脂成分との極限粘度(B) の比(B/A) が0.1 〜2.5
の範囲内にあることが必要である。極限粘度の比が上記
の範囲を外れると射出成形品における成形収縮率や線膨
張率が大きくなるために寸法安定性が悪くなる。特に大
型成形品に求められる成形収縮率が8/1000以下でかつ線
膨張率が8×5-5℃-1以下であるような良好な寸法安定
性を有するものが得られない。
プロピレンホモポリマー部分の極限粘度(A) と、それ以
外の樹脂成分との極限粘度(B) の比(B/A) が0.1 〜2.5
の範囲内にあることが必要である。極限粘度の比が上記
の範囲を外れると射出成形品における成形収縮率や線膨
張率が大きくなるために寸法安定性が悪くなる。特に大
型成形品に求められる成形収縮率が8/1000以下でかつ線
膨張率が8×5-5℃-1以下であるような良好な寸法安定
性を有するものが得られない。
【0030】なお、プロピレンホモポリマー部分の分離
は、例えば、組成物を沸騰キシレンに溶解し、タルクを
不溶部として分離し、冷却後にプロピレンホモポリマー
部分と、エチレンホモポリマー部分を不溶部として分離
し、前記不溶部を100 ℃に再加熱してポリエチレン部分
を溶解し、これを除去することにより行えばよい。
は、例えば、組成物を沸騰キシレンに溶解し、タルクを
不溶部として分離し、冷却後にプロピレンホモポリマー
部分と、エチレンホモポリマー部分を不溶部として分離
し、前記不溶部を100 ℃に再加熱してポリエチレン部分
を溶解し、これを除去することにより行えばよい。
【0031】本発明の自動車用樹脂組成物は、その他に
その改質を目的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、
酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、
離型剤、発泡剤等を添加することができる。
その改質を目的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、
酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、
離型剤、発泡剤等を添加することができる。
【0032】このような本発明の組成物は一軸押出機、
二軸押出機等の押出機を用いて、150 〜300 ℃、好まし
くは190 〜250 ℃で溶融混練することによって得ること
ができる。
二軸押出機等の押出機を用いて、150 〜300 ℃、好まし
くは190 〜250 ℃で溶融混練することによって得ること
ができる。
【0033】
【作用】本発明の自動車用樹脂組成物は、高流動性プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体と、エチレン−プロ
ピレン共重合体系ゴムと、高流動性エチレン−ブテン共
重合体ゴムと、高流動性ポリエチレンと、微細タルクと
を含有し、かつ組成物中のプロピレンホモポリマー部分
と、それ以外の樹脂成分との極限粘度の比を所定の範囲
とするとともに、タルクの含有量を所定量より少ないも
のとしている。このような本発明の自動車用樹脂組成物
は、塗装性及び成形性に優れるとともに、耐衝撃性、機
械的強度、耐熱変形性、脆化温度、硬度等のバランスが
良好で、特に硬度に優れており、加えて射出成形品の成
形収縮率や線膨張率も小さいものである。
ピレン−エチレンブロック共重合体と、エチレン−プロ
ピレン共重合体系ゴムと、高流動性エチレン−ブテン共
重合体ゴムと、高流動性ポリエチレンと、微細タルクと
を含有し、かつ組成物中のプロピレンホモポリマー部分
と、それ以外の樹脂成分との極限粘度の比を所定の範囲
とするとともに、タルクの含有量を所定量より少ないも
のとしている。このような本発明の自動車用樹脂組成物
は、塗装性及び成形性に優れるとともに、耐衝撃性、機
械的強度、耐熱変形性、脆化温度、硬度等のバランスが
良好で、特に硬度に優れており、加えて射出成形品の成
形収縮率や線膨張率も小さいものである。
【0034】このような効果が得られる理由は必ずしも
明らかではないが、プロピレン−エチレンブロック共重
合体は、オレフィン系エラストマーとの相溶性の良好な
ものであり、これにエチレン−プロピレン共重合体系ゴ
ムと、エチレン−ブテン共重合体ゴムの2種類のゴムを
併用することにより耐衝撃性、引張物性等を低下させる
ことなく、硬度の向上が得られ、ポリエチレンの添加に
より柔軟性の向上が得られ、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体と、エチレン−ブテン共重合体ゴムと、ポ
リエチレンとをそれぞれ特定の流動特性を有するものと
することにより成形性の向上が得られ、さらにプロピレ
ンホモポリマー部分とそれ以外の樹脂成分の極限粘度を
特定の比とすることにより各成分の分散状態を制御し、
しかもタルクの配合量を抑制しているので、各種物性値
のバランスが自動車外装用の材料として好適なものとな
るためであると考えられる。
明らかではないが、プロピレン−エチレンブロック共重
合体は、オレフィン系エラストマーとの相溶性の良好な
ものであり、これにエチレン−プロピレン共重合体系ゴ
ムと、エチレン−ブテン共重合体ゴムの2種類のゴムを
併用することにより耐衝撃性、引張物性等を低下させる
ことなく、硬度の向上が得られ、ポリエチレンの添加に
より柔軟性の向上が得られ、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体と、エチレン−ブテン共重合体ゴムと、ポ
リエチレンとをそれぞれ特定の流動特性を有するものと
することにより成形性の向上が得られ、さらにプロピレ
ンホモポリマー部分とそれ以外の樹脂成分の極限粘度を
特定の比とすることにより各成分の分散状態を制御し、
しかもタルクの配合量を抑制しているので、各種物性値
のバランスが自動車外装用の材料として好適なものとな
るためであると考えられる。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、原料となる樹脂及びタルクとしては以下
のものを使用した。 [1] プロピレン−エチレンブロック共重合体 BPP−1:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 40g/10 分、エチレン含有量7重量%〕 BPP−2:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 15g/10 分、エチレン含有量7.5 重量%〕 BPP−3:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 40g/10 分、エチレン含有量10重量%〕 [2] プロピレンホモポリマー HPP:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) 40g/10 分〕 [3] エチレン−プロピレン共重合体ゴム EPR−1:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 0.7 g/10 分、硬さ(JIS A) =57〕 EPR−2:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 9g/10 分、硬さ(JIS A) =73〕 [4] エチレン−ブテン共重合体ゴム EBR−1:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16
kg荷重) 20g/10 分、硬さ(JIS A) =89〕 EBR−2:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16
kg荷重) 3.5 g/10 分、硬さ(JIS A) =85〕 [5] ポリエチレン ・線状低密度ポリエチレン LLDPE−1:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、
2.16kg荷重) 20g/10 分、密度0.924 g/cm3 〕 LLDPE−2:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、
2.16kg荷重) 4g/10 分、密度0.934 g/cm3 〕 [6] タルク Ta−1:〔富士タルク(株)製 LMS300、平均粒径1.
25μm〕 Ta−2:〔富士タルク(株)製 LMR100、平均粒径1.
8 μm〕
明する。なお、原料となる樹脂及びタルクとしては以下
のものを使用した。 [1] プロピレン−エチレンブロック共重合体 BPP−1:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 40g/10 分、エチレン含有量7重量%〕 BPP−2:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 15g/10 分、エチレン含有量7.5 重量%〕 BPP−3:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 40g/10 分、エチレン含有量10重量%〕 [2] プロピレンホモポリマー HPP:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) 40g/10 分〕 [3] エチレン−プロピレン共重合体ゴム EPR−1:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 0.7 g/10 分、硬さ(JIS A) =57〕 EPR−2:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16
kg荷重) 9g/10 分、硬さ(JIS A) =73〕 [4] エチレン−ブテン共重合体ゴム EBR−1:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16
kg荷重) 20g/10 分、硬さ(JIS A) =89〕 EBR−2:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16
kg荷重) 3.5 g/10 分、硬さ(JIS A) =85〕 [5] ポリエチレン ・線状低密度ポリエチレン LLDPE−1:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、
2.16kg荷重) 20g/10 分、密度0.924 g/cm3 〕 LLDPE−2:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、
2.16kg荷重) 4g/10 分、密度0.934 g/cm3 〕 [6] タルク Ta−1:〔富士タルク(株)製 LMS300、平均粒径1.
25μm〕 Ta−2:〔富士タルク(株)製 LMR100、平均粒径1.
8 μm〕
【0036】実施例1〜5 、比較例1〜12 第1表に示す配合割合でプロピレン−エチレンブロック
共重合体(BPP-1 、BPP-2 又はBPP-3)、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム (EPR-1 又はEPR-2)、エチレン−ブ
テン共重合体ゴム (EBR-1 又はEBR-2)、線状低密度ポリ
エチレン (LLDPE-1 又はLLDPE-2)及びタルク (Ta-1又は
Ta-2) をスーパーミキサーでドライブレンドし、その後
二軸押出機に投入し、 190〜250 ℃、スクリュー回転数
200rpmで混練し、ペレットを得た。なお、比較例8はプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体の代わりにプロピ
レンホモポリマー(HPP-1)を使用した例である。
共重合体(BPP-1 、BPP-2 又はBPP-3)、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム (EPR-1 又はEPR-2)、エチレン−ブ
テン共重合体ゴム (EBR-1 又はEBR-2)、線状低密度ポリ
エチレン (LLDPE-1 又はLLDPE-2)及びタルク (Ta-1又は
Ta-2) をスーパーミキサーでドライブレンドし、その後
二軸押出機に投入し、 190〜250 ℃、スクリュー回転数
200rpmで混練し、ペレットを得た。なお、比較例8はプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体の代わりにプロピ
レンホモポリマー(HPP-1)を使用した例である。
【0037】次に得られたペレットを、射出成形機によ
り、射出温度210 ℃、射出圧力600kg/cm 2 で後述する
物性測定用の試験片に成形した。
り、射出温度210 ℃、射出圧力600kg/cm 2 で後述する
物性測定用の試験片に成形した。
【0038】このようにして得られた試験片に対して、
メルトフローレート、引張破断伸度、曲げ弾性率、アイ
ゾット衝撃強度、熱変形温度、ロックウェル硬度、成形
収縮率、線膨張率及び組成物中のプロピレンホモポリマ
ー部分と、それ以外の樹脂成分との極限粘度を測定し
た。結果を第2表に示す。
メルトフローレート、引張破断伸度、曲げ弾性率、アイ
ゾット衝撃強度、熱変形温度、ロックウェル硬度、成形
収縮率、線膨張率及び組成物中のプロピレンホモポリマ
ー部分と、それ以外の樹脂成分との極限粘度を測定し
た。結果を第2表に示す。
【0039】 第 1 表 組 成 (重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 BPP−1 60.7 66.4 55.3 58.6 64.6 EPR−1 11.1 5.5 5.5 − 5.4 EPR−2 − − − 13.3 − EBR−1 11.1 16.6 11.1 13.3 10.8 LLDPE−1 11.1 5.5 22.1 8.8 16.2 Ta−1 6 6 6 6 3 極限粘度比 [η] B /[η] A (1) 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1
【0040】 第 1 表 (続 き) 組 成 (重量部) 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 BPP−1 66.4 66.4 60.8 77.5 56.1 64.7 EPR−1 11.1 − 22.1 5.5 11.3 − EPR−2 − − − − − 32.3 EBR−1 16.5 22.1 − 5.5 11.3 − EBR−2 − − − − − − LLDPE-1 − 5.5 11.1 5.5 11.3 − Ta−1 6 6 6 6 10 3 極限粘度比 [η] B /[η] A (1) −* −* −* −* −* −* 注) *:測定しなかった。
【0041】 第 1 表 (続 き) 組 成 (重量部) 比較例7 比較例8 比較例9 比較例10 比較例11 比較例12 BPP−1 − − 66.4 60.7 66.4 − BPP−2 60.7 − − − − − BPP−3 − − − − − 64.6 HPP − 60.7 − − − − EPR−1 11.1 11.1 5.5 11.1 5.5 10.8 EBR−1 11.1 11.1 − 11.1 16.6 − EBR−2 − − 16.6 − − 10.8 LLDPE-1 11.1 11.1 5.5 − 5.5 − LLDPE-2 − − − 11.1 − 10.8 Ta−1 6 6 6 6 − 3 Ta−2 − − − − 6 − 極限粘度比 [η] B /[η] A (1) −* −* −* −* −* 2.7 注) *:測定しなかった。
【0042】(1) プロピレンホモポリマー部分とそれ以
外の樹脂成分との極限粘度比:組成物を冷キシレンに溶
解し、不溶部から無機フイラー(タルク)を除いたもの
を100 ℃に加熱して、エチレンホモポリマー部分を溶
解、除去し、残余をプロピレンホモポリマー部分とし
た。次いで、これとプロピレンホモポリマー部分を除い
た樹脂成分とを、それそれ135 ℃デカリン溶液での粘度
を測定し、プロピレンホモポリマー部分の極限粘度を
〔η〕A 、それ以外の樹脂成分の極限粘度を〔η〕B と
して、その比〔η〕B / 〔η〕A を算出した。
外の樹脂成分との極限粘度比:組成物を冷キシレンに溶
解し、不溶部から無機フイラー(タルク)を除いたもの
を100 ℃に加熱して、エチレンホモポリマー部分を溶
解、除去し、残余をプロピレンホモポリマー部分とし
た。次いで、これとプロピレンホモポリマー部分を除い
た樹脂成分とを、それそれ135 ℃デカリン溶液での粘度
を測定し、プロピレンホモポリマー部分の極限粘度を
〔η〕A 、それ以外の樹脂成分の極限粘度を〔η〕B と
して、その比〔η〕B / 〔η〕A を算出した。
【0043】 第 2 表 物 性 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 M F R (g/10 分)(1) 20 25 20 20 22 引張破断伸度 (%) (2) 400以上 400以上 300 400以上 400以上 曲げ弾性率 (kgf/cm2 ) (3) 13000 12500 15000 12500 12000 アイゾット衝撃強度 (kgf-cm/cm, ノッチ付き) (4) 23℃ 44 48 42 46 44 −30℃ 9 9 8 9 10 熱変形温度 (℃) (5) 107 109 107 106 106 ロックウェル硬度 (R)(6) 63 60 70 60 66 成形収縮率(7) (×1/1000) 8.0 7.7 9.2 7.7 9.4 線膨張率(8) (×10-5℃-1) 7.3 7.3 7.7 7.2 8.2
【0044】 第 2 表 (続 き) 物 性 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 M F R (g/10 分)(1) 18 26 12 26 18 16 引張破断伸度 (%) (2) 400以上 120 400以上 50 110 400以上 曲げ弾性率 (kgf/cm2 ) (3) 11800 15000 12000 16000 13400 8400 アイゾット衝撃強度 (kgf-cm/cm, ノッチ付き) (4) 23℃ 36 33 44 22 30 41 −30℃ 8 5 9 5 6 10 熱変形温度 (℃) (5) 109 115 95 116 111 90 ロックウェル硬度 (R)(6) 50 70 44 77 58 42 成形収縮率(7) (×1/1000) 7.7 9.3 8.3 11.8 6.3 8.1 線膨張率(8) (×10-5℃-1) 7.4 7.6 7.3 9.2 6.1 7.4
【0045】 第 2 表 (続 き) 物 性 比較例7 比較例8 比較例9 比較例10 比較例11 比較例12 M F R (g/10 分)(1) 12 26 17 17 25 17 引張破断伸度 (%) (2) 400以上 100 400以上 400以上 400以上 400以上 曲げ弾性率 (kgf/cm2 ) (3) 13500 15000 11500 12000 11300 11000 アイゾット衝撃強度 (kgf-cm/cm, ノッチ付き) (4) 23℃ 44 8 50 44 47 47 −30℃ 9 4 10 9 10 10 熱変形温度 (℃) (5) 106 115 107 107 105 100 ロックウェル硬度 (R)(6) 63 75 57 62 57 58 成形収縮率(7) (×1/1000) 8.0 10.7 7.5 7.7 8.7 10.1 線膨張率(8) (×10-5℃-1) 7.3 9.0 7.2 7.4 8.2 8.9
【0046】(1) MFR:ASTM D1238により230 ℃、21
60gの荷重下で測定。 (2) 引張破断伸度:ASTM D638 により測定。 (3) 曲げ弾性率:ASTM D790 により測定。 (4) アイゾット衝撃強度:ASTM D256 により3.2 mm厚試
験片を用いて、ノッチ付きにて測定。 (5) 熱変形温度:ASTM D648 により4.6 kg/ cm2 の圧力
にて測定。 (6) ロックウェル硬度:ASTM D785 により測定。 (7) 成形収縮率:350 mm×100 mm×3mmのシートを成形
後、24時間、20℃の恒温室に放置し、その収縮率を幅方
向(TD)及び長手方向(MD)について測定し、平均
値をとった。 (8) 線膨張率:成形収縮率と同様のシートについて、−
30〜+80℃の温度範囲における寸法変化を幅方向(T
D)及び長手方向(MD)について測定し、平均値とし
た。
60gの荷重下で測定。 (2) 引張破断伸度:ASTM D638 により測定。 (3) 曲げ弾性率:ASTM D790 により測定。 (4) アイゾット衝撃強度:ASTM D256 により3.2 mm厚試
験片を用いて、ノッチ付きにて測定。 (5) 熱変形温度:ASTM D648 により4.6 kg/ cm2 の圧力
にて測定。 (6) ロックウェル硬度:ASTM D785 により測定。 (7) 成形収縮率:350 mm×100 mm×3mmのシートを成形
後、24時間、20℃の恒温室に放置し、その収縮率を幅方
向(TD)及び長手方向(MD)について測定し、平均
値をとった。 (8) 線膨張率:成形収縮率と同様のシートについて、−
30〜+80℃の温度範囲における寸法変化を幅方向(T
D)及び長手方向(MD)について測定し、平均値とし
た。
【0047】第2表より明らかなように、本発明の自動
車用樹脂組成物は、成形性(MFRの値)、引張破断伸
度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、熱変形温度、ロ
ックウェル硬度、成形収縮率及び線膨張率の値がすべて
良好なレベルにあり、特にロックウェル硬度が優れてい
る。これに対し、各比較例の組成物は上記各種物性の少
なくとも一つが大きく低下したものとなっている。
車用樹脂組成物は、成形性(MFRの値)、引張破断伸
度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、熱変形温度、ロ
ックウェル硬度、成形収縮率及び線膨張率の値がすべて
良好なレベルにあり、特にロックウェル硬度が優れてい
る。これに対し、各比較例の組成物は上記各種物性の少
なくとも一つが大きく低下したものとなっている。
【0048】また、各実施例の組成物について塗装性の
評価を行った。塗装性の評価は、成形品をトリクロルエ
タン蒸気で洗浄し、プライマー及びウレタン系上塗料を
使用して、標準塗装仕様により塗装し、一次密着性 (ゴ
バン目試験) 及び耐温水試験(40℃×240 時間浸漬) 後
のゴバン目試験を行い密着性とブリスタの有無を判定す
ることにより行った。本発明の組成物は、塗膜の密着
性、耐水性などの塗装性能がいずれも良好であることが
わかった。
評価を行った。塗装性の評価は、成形品をトリクロルエ
タン蒸気で洗浄し、プライマー及びウレタン系上塗料を
使用して、標準塗装仕様により塗装し、一次密着性 (ゴ
バン目試験) 及び耐温水試験(40℃×240 時間浸漬) 後
のゴバン目試験を行い密着性とブリスタの有無を判定す
ることにより行った。本発明の組成物は、塗膜の密着
性、耐水性などの塗装性能がいずれも良好であることが
わかった。
【0049】以上に詳述したように、本発明の自動車用
樹脂組成物は、高流動性プロピレン−エチレンブロック
共重合体と、エチレン−プロピレン共重合体系ゴムと、
高流動性エチレン−ブテン共重合体ゴムと、微細タルク
とを含有する組成物において、各樹脂成分の配合比をコ
ントロールするとともに、タルクの含有量を抑制し、さ
らに組成物中のプロピレンホモポリマー部分とそれ以外
の樹脂成分との極限粘度の比を特定してなるので、成形
性に優れるとともに、耐衝撃性、延性、硬度等のバラン
スがよく、特に硬度に優れており、しかも成形収縮率や
線膨張率も小さく、自動車の外装用の樹脂として好適な
ものである。
樹脂組成物は、高流動性プロピレン−エチレンブロック
共重合体と、エチレン−プロピレン共重合体系ゴムと、
高流動性エチレン−ブテン共重合体ゴムと、微細タルク
とを含有する組成物において、各樹脂成分の配合比をコ
ントロールするとともに、タルクの含有量を抑制し、さ
らに組成物中のプロピレンホモポリマー部分とそれ以外
の樹脂成分との極限粘度の比を特定してなるので、成形
性に優れるとともに、耐衝撃性、延性、硬度等のバラン
スがよく、特に硬度に優れており、しかも成形収縮率や
線膨張率も小さく、自動車の外装用の樹脂として好適な
ものである。
【0050】このような本発明の組成物は自動車の各種
外装品、例えばバンパー、サイドモール、マットガード
等に好適である。
外装品、例えばバンパー、サイドモール、マットガード
等に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:04) (72)発明者 北野 吉祥 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 岩井 久幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西尾 武純 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 (a) メルトフローレートが40g/10 分以
上のプロピレン−エチレンブロック共重合体50〜79重量
%と、(b) エチレン−プロピレン共重合体系ゴム5〜20
重量%と、(c) メルトインデックスが15〜30g/10 分の
エチレン−ブテン共重合体ゴム5〜20重量%と、(d) メ
ルトインデックスが15〜30g/10 分のポリエチレン5〜
25重量%と、(e) 平均粒子径が1.5 μm以下のタルク7
重量%未満とを含有し、かつ前記(b) +(c) +(d) の合
計が20〜40重量%である組成物であって、前記組成物中
のプロピレンホモポリマー部分の極限粘度(A) と、それ
以外の樹脂成分の極限粘度(B) との比(B/A)が0.1
〜2.5 の範囲内であることを特徴とする自動車用樹脂組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12416492A JPH05295225A (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 自動車用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12416492A JPH05295225A (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 自動車用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295225A true JPH05295225A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14878535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12416492A Pending JPH05295225A (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 自動車用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295225A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097337A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Japan Polychem Corp | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
KR100648060B1 (ko) * | 2005-12-27 | 2006-11-23 | 주식회사 효성 | 온수파이프 또는 패널용 폴리프로필렌 수지 조성물 |
WO2024009842A1 (ja) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 株式会社プライムポリマー | 樹脂組成物及びその成形体 |
-
1992
- 1992-04-17 JP JP12416492A patent/JPH05295225A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097337A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Japan Polychem Corp | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP4535590B2 (ja) * | 2000-09-20 | 2010-09-01 | 日本ポリプロ株式会社 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
KR100648060B1 (ko) * | 2005-12-27 | 2006-11-23 | 주식회사 효성 | 온수파이프 또는 패널용 폴리프로필렌 수지 조성물 |
WO2024009842A1 (ja) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 株式会社プライムポリマー | 樹脂組成物及びその成形体 |
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