JPH08283528A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH08283528A JPH08283528A JP10901095A JP10901095A JPH08283528A JP H08283528 A JPH08283528 A JP H08283528A JP 10901095 A JP10901095 A JP 10901095A JP 10901095 A JP10901095 A JP 10901095A JP H08283528 A JPH08283528 A JP H08283528A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene
- ethylene
- weight
- block copolymer
- copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】射出成形時のフローマークが改良された熱可塑
性樹脂組成物を提供する。 【構成】(a)多段重合により得られるプロピレン−エ
チレンブロック共重合体50〜75重量%と、(b)オ
レフィン系エラストマー0〜18重量%と、(c)無機
フィラー22〜40重量%とを含有し、前記(a)多段
重合により得られるプロピレン−エチレンブロック共重
合体は、1.4以上のダイスウェル比(210℃、剪断
速度103 S -1、キャピラリーのL/D=40/0.8)
を有し、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体中
のプロピレン−エチレンランダム共重合部分は4.0以
上の極限粘度を有する熱可塑性樹脂組成物。
性樹脂組成物を提供する。 【構成】(a)多段重合により得られるプロピレン−エ
チレンブロック共重合体50〜75重量%と、(b)オ
レフィン系エラストマー0〜18重量%と、(c)無機
フィラー22〜40重量%とを含有し、前記(a)多段
重合により得られるプロピレン−エチレンブロック共重
合体は、1.4以上のダイスウェル比(210℃、剪断
速度103 S -1、キャピラリーのL/D=40/0.8)
を有し、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体中
のプロピレン−エチレンランダム共重合部分は4.0以
上の極限粘度を有する熱可塑性樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
し、剛性及び耐衝撃性に優れ、特に射出成形時のフロー
マークが改良された熱可塑性樹脂組成物に関する。
し、剛性及び耐衝撃性に優れ、特に射出成形時のフロー
マークが改良された熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の
無機フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹
脂組成物が提案されている。
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の
無機フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹
脂組成物が提案されている。
【0003】特開昭61−12742号は、(a)エチ
レン含量2〜3重量% メルトフローレート40〜45
g/10分のプロピレン−エチレンブロック共重合体6
2〜57重量%、(b)エチレン含量70〜80重量
%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)55〜58のエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム26〜28重量%、
(c)密度0.955〜0.960g/cm3 、メルト
フローレート18〜22g/10分の高密度ポリエチレ
ン2〜3重量%、(d)平均粒径1.8〜2.2μm、
比表面積36000−42000cm2 /gのタルク1
0〜12重量%からなり、メルトフローレート13〜1
8g/10分、密度0.950〜0.980g/cm
3 、曲げ弾性率11500〜14000kg/cm2 、
20〜80℃間の線膨張係数7×10-5〜10×10-5
cm/cm/℃及びJIS−Z8741の60°−60
°法による表面光沢度55%以上である樹脂組成物を開
示している。
レン含量2〜3重量% メルトフローレート40〜45
g/10分のプロピレン−エチレンブロック共重合体6
2〜57重量%、(b)エチレン含量70〜80重量
%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)55〜58のエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム26〜28重量%、
(c)密度0.955〜0.960g/cm3 、メルト
フローレート18〜22g/10分の高密度ポリエチレ
ン2〜3重量%、(d)平均粒径1.8〜2.2μm、
比表面積36000−42000cm2 /gのタルク1
0〜12重量%からなり、メルトフローレート13〜1
8g/10分、密度0.950〜0.980g/cm
3 、曲げ弾性率11500〜14000kg/cm2 、
20〜80℃間の線膨張係数7×10-5〜10×10-5
cm/cm/℃及びJIS−Z8741の60°−60
°法による表面光沢度55%以上である樹脂組成物を開
示している。
【0004】特開平1−149845号は、(a)エチ
レン含有量20〜60重量%の沸騰キシレン可溶分を5
〜12重量%含み、重合体全体のエチレン含量が1〜7
重量%でかつメルトフローレート15〜50g/10分
のプロピレン−エチレンブロック共重合体59〜74重
量%と、(b)プロピレン含量が20〜60重量%でか
つムーニー粘度ML1+4 (100℃)が100〜150
のエチレン−プロピレン共重合体ゴム35〜20重量%
と、(c)比表面積が30000cm2 /g以上、平均
粒径0.5〜2.0μmであるタルク3〜6重量%を配
合してなる樹脂組成物を開示している。
レン含有量20〜60重量%の沸騰キシレン可溶分を5
〜12重量%含み、重合体全体のエチレン含量が1〜7
重量%でかつメルトフローレート15〜50g/10分
のプロピレン−エチレンブロック共重合体59〜74重
量%と、(b)プロピレン含量が20〜60重量%でか
つムーニー粘度ML1+4 (100℃)が100〜150
のエチレン−プロピレン共重合体ゴム35〜20重量%
と、(c)比表面積が30000cm2 /g以上、平均
粒径0.5〜2.0μmであるタルク3〜6重量%を配
合してなる樹脂組成物を開示している。
【0005】しかしながら特開昭61−12742号及
び特開平1−149845号の樹脂組成物のようにプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体とエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(必要に応じて高密度ポリエチレン等
を添加)とタルクとからなるような系では、プロピレン
−エチレンブロック共重合体やエチレン−プロピレン共
重合体ゴムにおけるエチレンとプロピレンとの比や、分
子量等を調整することにより、それぞれの用途に適した
流動性を有する組成物としている。しかしながら、上記
組成物は、射出成形したときにフローマークが生じやす
いという問題がある。
び特開平1−149845号の樹脂組成物のようにプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体とエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(必要に応じて高密度ポリエチレン等
を添加)とタルクとからなるような系では、プロピレン
−エチレンブロック共重合体やエチレン−プロピレン共
重合体ゴムにおけるエチレンとプロピレンとの比や、分
子量等を調整することにより、それぞれの用途に適した
流動性を有する組成物としている。しかしながら、上記
組成物は、射出成形したときにフローマークが生じやす
いという問題がある。
【0006】このために、成形体の表面にシボを形成し
たり、塗装を施すことによりフローマークを隠蔽するこ
とが行われているが、これらの方法では特に大型射出成
形品を製造する場合に十分なフローマークの隠蔽効果を
得ることができず、また使用する用途によってはこれら
の方法を採用できない場合もある。
たり、塗装を施すことによりフローマークを隠蔽するこ
とが行われているが、これらの方法では特に大型射出成
形品を製造する場合に十分なフローマークの隠蔽効果を
得ることができず、また使用する用途によってはこれら
の方法を採用できない場合もある。
【0007】そこで、本発明者らは、(a)多段重合に
より得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体5
0〜75重量%と、(b)オレフィン系エラストマー2
0〜35重量%と、無機フィラー5〜20重量%とを含
有し、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体のダ
イスウェル比が1.4以上で、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重
合体部分の極限粘度が4.0以上である熱可塑性樹脂組
成物を提案した(特開平6−299040号)。
より得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体5
0〜75重量%と、(b)オレフィン系エラストマー2
0〜35重量%と、無機フィラー5〜20重量%とを含
有し、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体のダ
イスウェル比が1.4以上で、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重
合体部分の極限粘度が4.0以上である熱可塑性樹脂組
成物を提案した(特開平6−299040号)。
【0008】この熱可塑性樹脂組成物は、大型射出成形
品、特に自動車の各種外装品の射出成形時のフローマー
クが改良されるものであるが、自動車の内装用部品等と
しては剛性において必ずしも十分ではなかった。
品、特に自動車の各種外装品の射出成形時のフローマー
クが改良されるものであるが、自動車の内装用部品等と
しては剛性において必ずしも十分ではなかった。
【0009】したがって、本発明の目的は、剛性に優れ
耐衝撃性を損うことなく射出成形時のフローマークが改
良された熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
耐衝撃性を損うことなく射出成形時のフローマークが改
良された熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み、本発明
者らは、多段重合プロピレン−エチレンブロック共重合
体と、オレフィン系エラストマーと、タルク等の無機フ
ィラーとを含有する組成物において、耐衝撃性を損うこ
となく剛性に優れ射出成形した際のフローマークを減少
させるにはどのような物性を有するものを使用すればよ
いか鋭意研究した結果、プロピレン−エチレンブロック
共重合体として、所定の範囲のダイスウェル比と、所定
の範囲のプロピレン−エチレンランダム共重合部分の極
限粘度とを有するものを特定量配合すれば、フローマー
クがほとんど生じず本発明の目的を達成できることを見
出し、本発明に想到した。
者らは、多段重合プロピレン−エチレンブロック共重合
体と、オレフィン系エラストマーと、タルク等の無機フ
ィラーとを含有する組成物において、耐衝撃性を損うこ
となく剛性に優れ射出成形した際のフローマークを減少
させるにはどのような物性を有するものを使用すればよ
いか鋭意研究した結果、プロピレン−エチレンブロック
共重合体として、所定の範囲のダイスウェル比と、所定
の範囲のプロピレン−エチレンランダム共重合部分の極
限粘度とを有するものを特定量配合すれば、フローマー
クがほとんど生じず本発明の目的を達成できることを見
出し、本発明に想到した。
【0011】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、(a)多段重合により得られるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体50〜75重量%と、(b)オレフ
ィン系エラストマー0〜18重量%と、(c)無機フィ
ラー22〜40重量%とを含有するものであって、前記
(a)多段重合により得られるプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体は、1.4以上のダイスウェル比(21
0℃、剪断速度103 S -1 、キャピラリーのL/D=4
0/0.8)を有し、前記プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重合体
部分は4.0以上の極限粘度を有することを特徴とす
る。
は、(a)多段重合により得られるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体50〜75重量%と、(b)オレフ
ィン系エラストマー0〜18重量%と、(c)無機フィ
ラー22〜40重量%とを含有するものであって、前記
(a)多段重合により得られるプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体は、1.4以上のダイスウェル比(21
0℃、剪断速度103 S -1 、キャピラリーのL/D=4
0/0.8)を有し、前記プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重合体
部分は4.0以上の極限粘度を有することを特徴とす
る。
【0012】本発明をを以下詳細に説明する。[1]組成成分 (a)プロピレン−エチレンブロック共重合体 本発明において使用する(a)プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体は、多段重合により合成されるものであ
る。
ロック共重合体は、多段重合により合成されるものであ
る。
【0013】上記多段重合により合成されたプロピレン
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合部分と、少量の結晶性エチレンホモポリマー
部分とからなるものであり、それぞれの部分は単独のポ
リマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結合
した状態にあってもよい。なお、上記各部分は基本的に
はプロピレン及び/又はエチレンとからなるものである
が、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量含
有していてもよい。結晶性プロピレンホモポリマー部分 プロピレンホモポリマー部分としては、プロピレンのホ
モポリマー又は少量(5モル%以下程度)のコモマー成
分を含むプロピレンコポリマーが挙げられる。コモノマ
ー成分としては、ブテン−1、オクテン−1等の他のα
−オレフィンやジエン系モノマー等が挙げられる。
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合部分と、少量の結晶性エチレンホモポリマー
部分とからなるものであり、それぞれの部分は単独のポ
リマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結合
した状態にあってもよい。なお、上記各部分は基本的に
はプロピレン及び/又はエチレンとからなるものである
が、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量含
有していてもよい。結晶性プロピレンホモポリマー部分 プロピレンホモポリマー部分としては、プロピレンのホ
モポリマー又は少量(5モル%以下程度)のコモマー成
分を含むプロピレンコポリマーが挙げられる。コモノマ
ー成分としては、ブテン−1、オクテン−1等の他のα
−オレフィンやジエン系モノマー等が挙げられる。
【0014】上記プロピレンホモポリマー部分は0.8
〜1.5l/gの極限粘度(η)Hを有するのが好まし
い。極限粘度が0.8dl/g未満では延性が不足し、
また1.5dl/gを超えると、組成物の流動性が不足
するため好ましくない。プロピレン−エチレンランダム共重合部分 プロピレン−エチレンランダム共重合部分は、低結晶性
の部分であり、エチレンの含有率25〜65重量%のも
のが好ましい。エチレンの含有率が25重量%未満ある
いは65重量%を超えると、特に延性が不足するため好
ましくない。また上記プロピレン−エチレンランダム共
重合部分は、少量(5モル%以下程度)のコモノマー成
分を含有していてもよい。コモノマー成分としては、ブ
テン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやジエ
ン系モノマー等が挙げられる。
〜1.5l/gの極限粘度(η)Hを有するのが好まし
い。極限粘度が0.8dl/g未満では延性が不足し、
また1.5dl/gを超えると、組成物の流動性が不足
するため好ましくない。プロピレン−エチレンランダム共重合部分 プロピレン−エチレンランダム共重合部分は、低結晶性
の部分であり、エチレンの含有率25〜65重量%のも
のが好ましい。エチレンの含有率が25重量%未満ある
いは65重量%を超えると、特に延性が不足するため好
ましくない。また上記プロピレン−エチレンランダム共
重合部分は、少量(5モル%以下程度)のコモノマー成
分を含有していてもよい。コモノマー成分としては、ブ
テン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやジエ
ン系モノマー等が挙げられる。
【0015】上記プロピレン−エチレンランダム共重合
部分の極限粘度(η)CXS は4.0以上、好ましくは
4.0〜10.0dl/gである。プロピレン−エチレ
ンランダム共重合部分の極限粘度が4.0dl/g未満
では、フローマークが生じやすい。なお、極限粘度が1
0.0dl/gを超えると、組成物の流動性が不足する
ので好ましくない。結晶性エチレンホモポリマー部分 エチレンホモポリマー部分は、任意成分であり、上記プ
ロピレン−エチレンランダム共重合部分の合成時にわず
かに合成される成分である。上記結晶性エチレンホモポ
リマー部分としては、エチレンのホモポリマー又は少量
(5モル%以下程度)のコモマー成分を含むエチレンコ
ポリマーが挙げられる。コモノマー成分としては、ブテ
ン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやジエン
系モノマー等が挙げられる。
部分の極限粘度(η)CXS は4.0以上、好ましくは
4.0〜10.0dl/gである。プロピレン−エチレ
ンランダム共重合部分の極限粘度が4.0dl/g未満
では、フローマークが生じやすい。なお、極限粘度が1
0.0dl/gを超えると、組成物の流動性が不足する
ので好ましくない。結晶性エチレンホモポリマー部分 エチレンホモポリマー部分は、任意成分であり、上記プ
ロピレン−エチレンランダム共重合部分の合成時にわず
かに合成される成分である。上記結晶性エチレンホモポ
リマー部分としては、エチレンのホモポリマー又は少量
(5モル%以下程度)のコモマー成分を含むエチレンコ
ポリマーが挙げられる。コモノマー成分としては、ブテ
ン−1、オクテン−1等の他のα−オレフィンやジエン
系モノマー等が挙げられる。
【0016】上述したような各部分を含有する多段重合
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるエチレ
ンの含有量は、1〜16重量%であり、特に2.0〜1
2.5重量%であるのが好ましい。また結晶性プロピ
レンホモポリマー部分と、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合部分との含有量についは、+の合計を1
00重量%として、結晶性プロピレンホモポリマー部分
が75〜95重量%、プロピレン−エチレンランダム共
重合部分が5〜25重量%であるのが好ましい。上記範
囲外では、物性のバランスが悪化する。なお、結晶性エ
チレンホモポリマー部分を含有する場合、その含有量は
5重量%以下程度である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるエチレ
ンの含有量は、1〜16重量%であり、特に2.0〜1
2.5重量%であるのが好ましい。また結晶性プロピ
レンホモポリマー部分と、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合部分との含有量についは、+の合計を1
00重量%として、結晶性プロピレンホモポリマー部分
が75〜95重量%、プロピレン−エチレンランダム共
重合部分が5〜25重量%であるのが好ましい。上記範
囲外では、物性のバランスが悪化する。なお、結晶性エ
チレンホモポリマー部分を含有する場合、その含有量は
5重量%以下程度である。
【0017】上記多段重合プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体は、1.4以上、好ましくは1.4〜2.4
のダイスウェル比(210℃、剪断速度103 S -1 、キ
ャピラリーのL/D=40/0.8)を有する。ダイス
ウェル比が1.4未満ではフローマークが生じやすくな
る。なお、ダイスウェル比が2.4を超えると成形性が
低下するために好ましくない。
ク共重合体は、1.4以上、好ましくは1.4〜2.4
のダイスウェル比(210℃、剪断速度103 S -1 、キ
ャピラリーのL/D=40/0.8)を有する。ダイス
ウェル比が1.4未満ではフローマークが生じやすくな
る。なお、ダイスウェル比が2.4を超えると成形性が
低下するために好ましくない。
【0018】また、多段重合プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体のメルトフローレート(MFR、230
℃、2.16kg荷重)は15〜90g/10分である
のが好ましい。MFRの値が15g/10分未満では得
られる組成物の成形性、特に射出成形性が低下し、また
90g/10分を超えると機械的強度が低下するため好
ましくない。
ック共重合体のメルトフローレート(MFR、230
℃、2.16kg荷重)は15〜90g/10分である
のが好ましい。MFRの値が15g/10分未満では得
られる組成物の成形性、特に射出成形性が低下し、また
90g/10分を超えると機械的強度が低下するため好
ましくない。
【0019】なお、プロピレン−エチレンランダム共重
合部分以外の成分の合計(結晶性プロピレンホモポリマ
ー+結晶性エチレンホモポリマー)のメルトフローレー
トは、20〜220g/10分であるのが好ましい。
合部分以外の成分の合計(結晶性プロピレンホモポリマ
ー+結晶性エチレンホモポリマー)のメルトフローレー
トは、20〜220g/10分であるのが好ましい。
【0020】上述したような多段重合プロピレン−エチ
レンブロック共重合体は、まずチーグラ触媒等の存在下
でプロピレンを重合することにより、結晶性プロピレン
ホモポリマー部分(少量のコモノマー成分を含んでいて
もよい)を生成し、次の段階でエチレン+プロピレンに
切り替えてランダム共重合部分を生成することにより合
成することができる。なお、結晶性エチレンホモポリマ
ー部分は、上記ランダム共重合部分の合成工程において
微量生成される。
レンブロック共重合体は、まずチーグラ触媒等の存在下
でプロピレンを重合することにより、結晶性プロピレン
ホモポリマー部分(少量のコモノマー成分を含んでいて
もよい)を生成し、次の段階でエチレン+プロピレンに
切り替えてランダム共重合部分を生成することにより合
成することができる。なお、結晶性エチレンホモポリマ
ー部分は、上記ランダム共重合部分の合成工程において
微量生成される。
【0021】なお、結晶性プロピレンホモポリマー部
分、プロピレン−エチレンランダム共重合部分及び結晶
性プロピレンホモポリマー部分は、例えば、プロピレン
−エチレンブロック共重合体を沸騰キシレンに溶解し、
冷却後に結晶性プロピレンホモポリマー部分と、結晶性
エチレンホモポリマー部分を不溶部として分離し、前記
不溶部を100℃に再加熱して結晶性プロピレンホモポ
リマー部分を不溶部として、それぞれ分離することがで
きる。(b)オレフィン系エラストマー オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペン
テン等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共重合体
ゴム、並びに上記モノオレフィンの2種(エチレンとプ
ロピレンが望ましい)とジシクロペンタジエン、1,4
−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボ
ルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン又は
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンとの共重合体ゴ
ム等が挙げられる。具体的には、エチレン−プロピレン
共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム(EBR)及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)等が挙げられる。
分、プロピレン−エチレンランダム共重合部分及び結晶
性プロピレンホモポリマー部分は、例えば、プロピレン
−エチレンブロック共重合体を沸騰キシレンに溶解し、
冷却後に結晶性プロピレンホモポリマー部分と、結晶性
エチレンホモポリマー部分を不溶部として分離し、前記
不溶部を100℃に再加熱して結晶性プロピレンホモポ
リマー部分を不溶部として、それぞれ分離することがで
きる。(b)オレフィン系エラストマー オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペン
テン等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共重合体
ゴム、並びに上記モノオレフィンの2種(エチレンとプ
ロピレンが望ましい)とジシクロペンタジエン、1,4
−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボ
ルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン又は
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンとの共重合体ゴ
ム等が挙げられる。具体的には、エチレン−プロピレン
共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム(EBR)及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)等が挙げられる。
【0022】エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)は、エチレンの含有率が60〜80重量%、プロピ
レンの含有率が20〜40重量%であるのが好ましい。
より好ましい範囲は、エチレンが72〜78重量%、プ
ロピレンが22〜28重量%である。このようなエチレ
ン−プロピレン共重合体ゴムは、0.3〜9.0g/1
0分、特に0.4〜8.6g/10分のメルトフローレ
ート(MFR、230℃、2.16kg荷重)を有する
のが好ましい。
R)は、エチレンの含有率が60〜80重量%、プロピ
レンの含有率が20〜40重量%であるのが好ましい。
より好ましい範囲は、エチレンが72〜78重量%、プ
ロピレンが22〜28重量%である。このようなエチレ
ン−プロピレン共重合体ゴムは、0.3〜9.0g/1
0分、特に0.4〜8.6g/10分のメルトフローレ
ート(MFR、230℃、2.16kg荷重)を有する
のが好ましい。
【0023】また、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム(EPDM)は、上記エチレン−プロピレン共
重合体ゴムに、さらにジエン化合物を20モル%以下程
度共重合体したオレフィン系エラストマーである。上記
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、0.3
〜3.9g/10分、特に0.4〜2.5g/10分の
メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg
荷重)を有するのが好ましい。
合体ゴム(EPDM)は、上記エチレン−プロピレン共
重合体ゴムに、さらにジエン化合物を20モル%以下程
度共重合体したオレフィン系エラストマーである。上記
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、0.3
〜3.9g/10分、特に0.4〜2.5g/10分の
メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg
荷重)を有するのが好ましい。
【0024】エチレン−ブデン共重合体ゴム(EBR)
は、エチレンの含有量が75〜90重量%、ブデン−1
の含有量が10〜25重量%であるのが好ましい。特
に、エチレンの含有量が80〜85重量%、ブデン−1
の含有量が15〜20重量%のものが好ましい。なお、
エチレン−ブデン共重合体ゴムは、エチレン及びブデン
−1以外にヘキセン−1、オクテン−1等の他のα−オ
レフィンやエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン等のジエン化合物等を少量含有していてもよい。こ
のようなエチレン−ブデン共重合体ゴムは1.0〜80
g/10分、特に2.0〜50g/10分のメルトフロ
ーレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)を有
するのが好ましい。(c)無機フィラー 本発明において使用する無機フィラーとしては、タル
ク、マイカ、各種ウィスカ、ガラス繊維、炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。これらの内ではタルクが好ましい。
は、エチレンの含有量が75〜90重量%、ブデン−1
の含有量が10〜25重量%であるのが好ましい。特
に、エチレンの含有量が80〜85重量%、ブデン−1
の含有量が15〜20重量%のものが好ましい。なお、
エチレン−ブデン共重合体ゴムは、エチレン及びブデン
−1以外にヘキセン−1、オクテン−1等の他のα−オ
レフィンやエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン等のジエン化合物等を少量含有していてもよい。こ
のようなエチレン−ブデン共重合体ゴムは1.0〜80
g/10分、特に2.0〜50g/10分のメルトフロ
ーレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)を有
するのが好ましい。(c)無機フィラー 本発明において使用する無機フィラーとしては、タル
ク、マイカ、各種ウィスカ、ガラス繊維、炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。これらの内ではタルクが好ましい。
【0025】上記タルクは、平均粒径が3.0μm以下
のものが好ましい。タルクの平均粒径が3.0μmを超
えると、曲げ弾性率等の機械的強度や寸法安定性が低下
するため好ましくない。特に好ましいタルクの平均粒径
は1.0〜2.0μmである。なお、ここでいう平均粒
径とは、遠心沈降式粒度分布測定から求められる粒径で
ある。[2]配合割合 上述したような各種成分の配合割合は、
(a)多段重合プロピレン−エチレン ブロック共重合体が50〜75重量%、好ましくは55
〜70重量%であり、(b)オレフィン系エラストマー
が0〜18重量%、好ましくは5〜15重量%であり、
(c)無機フィラーが22〜40重量%、好ましくは2
5〜35重量%である。
のものが好ましい。タルクの平均粒径が3.0μmを超
えると、曲げ弾性率等の機械的強度や寸法安定性が低下
するため好ましくない。特に好ましいタルクの平均粒径
は1.0〜2.0μmである。なお、ここでいう平均粒
径とは、遠心沈降式粒度分布測定から求められる粒径で
ある。[2]配合割合 上述したような各種成分の配合割合は、
(a)多段重合プロピレン−エチレン ブロック共重合体が50〜75重量%、好ましくは55
〜70重量%であり、(b)オレフィン系エラストマー
が0〜18重量%、好ましくは5〜15重量%であり、
(c)無機フィラーが22〜40重量%、好ましくは2
5〜35重量%である。
【0026】(a)多段重合プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体が50重量%未満では得られる組成物の剛
性、硬度等が低下しやすく、一方70重量%を超えると
延性が低下する。
ック共重合体が50重量%未満では得られる組成物の剛
性、硬度等が低下しやすく、一方70重量%を超えると
延性が低下する。
【0027】(b)オレフィン系エラストマーが18重
量%を超えると硬度及び剛性等が低下する。
量%を超えると硬度及び剛性等が低下する。
【0028】さらに(c)無機フィラーの含有量が22
重量%未満では、剛性及び耐熱変形性が十分でなく、4
0重量%を超えると延性が低下する。[3]その他の成分 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その他にその改質を目
的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、
光安定座剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、発
泡剤等を添加することができる。[4]製造方法 このような本発明の組成物は一軸押出機、二軸押出機等
の押出機を用いて、180〜220℃、好ましくは19
0〜210℃で溶融混練することによって得ることがで
きる。[5]物性 上述したようにして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、7〜40g/10分、特に10〜35g/10分
のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16k
g荷重)を有するのが好ましい。MFRの値が7g/1
0分未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形性
が低下し、また40g/10分を超えると機械的強度が
低下するため好ましくない。
重量%未満では、剛性及び耐熱変形性が十分でなく、4
0重量%を超えると延性が低下する。[3]その他の成分 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その他にその改質を目
的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、
光安定座剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、発
泡剤等を添加することができる。[4]製造方法 このような本発明の組成物は一軸押出機、二軸押出機等
の押出機を用いて、180〜220℃、好ましくは19
0〜210℃で溶融混練することによって得ることがで
きる。[5]物性 上述したようにして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、7〜40g/10分、特に10〜35g/10分
のメルトフローレート(MFR、230℃、2.16k
g荷重)を有するのが好ましい。MFRの値が7g/1
0分未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形性
が低下し、また40g/10分を超えると機械的強度が
低下するため好ましくない。
【0029】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
1.3以上、特に1.3〜2.3のダイスウェル比(2
10℃、剪断速度103 S -1 、キャピラリーのL/D=
40/0.8)を有するのが好ましい。ダイスウェル比
が1.3未満では、射出成形品にフローマークが生じや
すくなるため好ましくない。なお、ダイスウェル比が
2.3を超えると成形性が低下するため好ましくない。
1.3以上、特に1.3〜2.3のダイスウェル比(2
10℃、剪断速度103 S -1 、キャピラリーのL/D=
40/0.8)を有するのが好ましい。ダイスウェル比
が1.3未満では、射出成形品にフローマークが生じや
すくなるため好ましくない。なお、ダイスウェル比が
2.3を超えると成形性が低下するため好ましくない。
【0030】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
5.0×102 〜2.0×103 ポイズ、特に6.5×
102 〜1.5×103 ポイズの粘度(キャピログラフ
により測定)を有するのが好ましい。粘度が5.0×1
02 ポイズ未満では、射出成形品にフローマークが生じ
やすくなり、一方2.0×103 ポイズを超えると組成
物の成形性、特に射出成形性が低下するため好ましくな
い。
5.0×102 〜2.0×103 ポイズ、特に6.5×
102 〜1.5×103 ポイズの粘度(キャピログラフ
により測定)を有するのが好ましい。粘度が5.0×1
02 ポイズ未満では、射出成形品にフローマークが生じ
やすくなり、一方2.0×103 ポイズを超えると組成
物の成形性、特に射出成形性が低下するため好ましくな
い。
【0031】
【作用】本発明においては、多段重合プロピレン−エチ
レンブロック共重合体と、オレフィン系エラストマー
と、無機フィラーとをそれぞれ所定量含有してなる組成
物において、多段重合プロピレン−エチレンブロック共
重合体として、所定の範囲のダイスウェル比と、所定の
範囲のプロピレン−エチレンランダム共重合部分の極限
粘度とを有するものを使用しているので、得られる組成
物は、射出成形したときにフローマークがほとんど生じ
ず、かつ剛性や耐衝撃性等の良好な機械的強度を有す
る。
レンブロック共重合体と、オレフィン系エラストマー
と、無機フィラーとをそれぞれ所定量含有してなる組成
物において、多段重合プロピレン−エチレンブロック共
重合体として、所定の範囲のダイスウェル比と、所定の
範囲のプロピレン−エチレンランダム共重合部分の極限
粘度とを有するものを使用しているので、得られる組成
物は、射出成形したときにフローマークがほとんど生じ
ず、かつ剛性や耐衝撃性等の良好な機械的強度を有す
る。
【0032】このような効果が得られる理由は必ずしも
明らかではないが、上記物性を有するプロピレン−エチ
レンブロック共重合体は、オレフィン系エラストマー及
び無機フィラーとの特定量を組成物とした時に、組成物
が射出成形に好適な溶融粘度を有するように作用するた
め、得られる組成物が射出成形時に均一な樹脂の流動性
を示すためであると考えられる。
明らかではないが、上記物性を有するプロピレン−エチ
レンブロック共重合体は、オレフィン系エラストマー及
び無機フィラーとの特定量を組成物とした時に、組成物
が射出成形に好適な溶融粘度を有するように作用するた
め、得られる組成物が射出成形時に均一な樹脂の流動性
を示すためであると考えられる。
【0033】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。
明する。
【0034】なお、原料となる樹脂及びタルクとしては
以下のものを使用した。 [1]2段重合プロピレン−エチレンブロック共重合体 第 1 表 物 性 BPP−1 BPP−2 BPP−3 BPP−4 BPP−5 MFR(1) 30 50 40 40 60 Cv(2) 15 10 15 15 5 Gv(3) 50 30 50 50 50 [η]CXS (4) 4 6 6 3 4 MFRHOMO (5) 90 130 190 90 70 ダイスウェル比(6) 1.4 1.7 1.7 1.4 1.3 注)(1)MFR:ASTM D1238により230℃、2.16kg荷重以 下で測定した(単位はg/10分)。 (2)Cv:プロピレン−エチレンブロック共重合体中の共重合部分(プロピレ ン−エチレンランダム共重合部分)の含有率(単位は重量%)。 (3)Gv:プロピレン−エチレンランダム共重合部分におけるエチレンの含有 率(単位は重量%)。 (4)[η]CXS :プロピレン−エチレンブロック共重合体中の共重合部分(プ ロピレン−エチレンランダム共重合部分)の極限粘度(単位はdl/g)。 (5)MFRHOMO:プロピレン−エチレンブロック共重合体中のホモ部分(結晶 性プロピレンホモポリマー部分及び結晶性エチレンホモポリマー部分)のメルト フローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重;単位はg/10分) (6)ダイスウェル比:210℃、剪断速度103 S -1 ,キャピラリーのL/D =40/0.8の条件以下で測定した(無次元量)。 [2]オレフィン系エラストマー EPR−1:[プロピレン含有率26重量%、メルトフ
ローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)
3.2g/10分] EPR−2:[プロピレン含有率23重量%、メルトフ
ローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)
0.8g/10分] [3]タルク タルク−1:[富士タルク(株)製 LMR100、平
均粒径1.8μm] タルク−2:[富士タルク(株)製 LMS300、平
均粒径1.2μm]実施例1〜7、比較例1〜6 第2表に示す割合で多段重合プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(BPP−1乃至BPP−5)、オレフィ
ン系エラストマー(EPR−1、EPR−2)及びタル
ク(タルク−1又はタルク−2)をスーパーミキサーで
ドライブレンドし、その後二軸押出機(45mmφ)に
投入して180〜220℃及びスクリュー回転数200
rpmで混練し、ペレットを得た。
以下のものを使用した。 [1]2段重合プロピレン−エチレンブロック共重合体 第 1 表 物 性 BPP−1 BPP−2 BPP−3 BPP−4 BPP−5 MFR(1) 30 50 40 40 60 Cv(2) 15 10 15 15 5 Gv(3) 50 30 50 50 50 [η]CXS (4) 4 6 6 3 4 MFRHOMO (5) 90 130 190 90 70 ダイスウェル比(6) 1.4 1.7 1.7 1.4 1.3 注)(1)MFR:ASTM D1238により230℃、2.16kg荷重以 下で測定した(単位はg/10分)。 (2)Cv:プロピレン−エチレンブロック共重合体中の共重合部分(プロピレ ン−エチレンランダム共重合部分)の含有率(単位は重量%)。 (3)Gv:プロピレン−エチレンランダム共重合部分におけるエチレンの含有 率(単位は重量%)。 (4)[η]CXS :プロピレン−エチレンブロック共重合体中の共重合部分(プ ロピレン−エチレンランダム共重合部分)の極限粘度(単位はdl/g)。 (5)MFRHOMO:プロピレン−エチレンブロック共重合体中のホモ部分(結晶 性プロピレンホモポリマー部分及び結晶性エチレンホモポリマー部分)のメルト フローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重;単位はg/10分) (6)ダイスウェル比:210℃、剪断速度103 S -1 ,キャピラリーのL/D =40/0.8の条件以下で測定した(無次元量)。 [2]オレフィン系エラストマー EPR−1:[プロピレン含有率26重量%、メルトフ
ローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)
3.2g/10分] EPR−2:[プロピレン含有率23重量%、メルトフ
ローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)
0.8g/10分] [3]タルク タルク−1:[富士タルク(株)製 LMR100、平
均粒径1.8μm] タルク−2:[富士タルク(株)製 LMS300、平
均粒径1.2μm]実施例1〜7、比較例1〜6 第2表に示す割合で多段重合プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(BPP−1乃至BPP−5)、オレフィ
ン系エラストマー(EPR−1、EPR−2)及びタル
ク(タルク−1又はタルク−2)をスーパーミキサーで
ドライブレンドし、その後二軸押出機(45mmφ)に
投入して180〜220℃及びスクリュー回転数200
rpmで混練し、ペレットを得た。
【0035】次に得られたペレットを射出成形機によ
り、射出温度210℃及び射出圧力60kg/cm2 で
後述する物性測定用の試験片に成形した。
り、射出温度210℃及び射出圧力60kg/cm2 で
後述する物性測定用の試験片に成形した。
【0036】このようにして得られた試験片に対して、
メルトフローレート、ダイスウェル比及び粘度の測定、
フローマークの有無、剛性及び耐衝撃性の評価を行っ
た。結果を第3表に示す。
メルトフローレート、ダイスウェル比及び粘度の測定、
フローマークの有無、剛性及び耐衝撃性の評価を行っ
た。結果を第3表に示す。
【0037】 第 2 表 組 成(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 BPPの種類 BPP-1 BPP-1 BPP-1 BPP-2 BPP-2 配合量 65 60 65 65 60 EPRの種類 EPR-1 EPR-1 EPR-2 EPR-2 EPR-1 配合量 10 10 10 10 10 タルクの種類 タルク-1 タルク-1 タルク-1 タルク-1 タルク-2 配合量 25 30 25 25 30 第 2 表(続 き) 組 成(重量部) 実施例6 実施例7 比較例1 比較例2 比較例3 BPPの種類 BPP-3 BPP-3 BPP-4 BPP-5 BPP-3 配合量 65 70 65 65 50 EPRの種類 EPR-1 EPR-1 EPR-1 EPR-1 EPR-1 配合量 10 5 10 10 25 タルクの種類 タルク-1 タルク-1 タルク-1 タルク-1 タルク-1 配合量 25 25 25 25 25 第 2 表(続 き) 組 成(重量部) 比較例4 比較例5 比較例6 BPPの種類 BPP-3 BPP-3 BPP-3 配合量 75 50 45 EPRの種類 EPR-1 EPR-1 EPR-1 配合量 10 5 20 タルクの種類 タルク-1 タルク-1 タルク-1 配合量 15 45 35 第 3 表 物 性 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 MFR(1) 20 18 17 27 30 ダイスウェル比(2) 1.3 1.3 1.3 1.6 1.6 粘度(×102 )(3) 8.0 8.5 8.5 7.3 7.0 フローマークの有無(4) 無 無 無 無 無 剛性の評価(5) 21000 23000 21000 21000 24000 耐衝撃性の評価(6) 〇 〇 〇 〇 〇 第 3 表(続 き) 物 性 実施例6 実施例7 比較例1 比較例2 比較例3 MFR(1) 27 32 27 38 15 ダイスウェル比(2) 1.6 1.6 1.3 1.2 1.4 粘度(×102 )(3) 7.3 6.8 7.3 6.0 9.0 フローマークの有無(4) 無 無 有 有 無 剛性の評価(5) 21000 23500 21000 21000 12000 耐衝撃性の評価(6) 〇 〇 〇 〇 〇 第 3 表(続 き) 物 性 比較例4 比較例5 比較例6 MFR(1) 30 25 15 ダイスウェル比(2) 1.6 1.4 1.4 粘度(×102 )(3) 7.0 7.5 9.0 フローマークの有無(4) 無 無 有 剛性の評価(5) 17000 35000 15000 耐衝撃性の評価(6) 〇 × 〇 (1)MFR:ASTM D1238により230℃、
2.16kg荷重以下で測定した(単位はg/10
分)。 (2)ダイスウェル比:210℃、剪断速度103
S -1 ,キャピラリーのL/D=40/0.8の条件以下
で測定した(無次元量)。 (3)粘度:210℃、剪断速度103 S -1 の条件以下
で測定した(単位はポイズ)。 (4)フローマークの有無:35cm×10cm×0.
3cmの射出成形品を作製し、その表面を目視にて観察
してフローマークの認められたものを”有”、認められ
なかったものを”無”として記載した。 (5)剛性の評価:曲げ弾性率(単位はkgf/cm
2 )をASTM D790により準拠して測定した。 (6)耐衝撃性の評価:次の条件でハイレートインパク
ト試験を行い、エネルギー比率が0.7以上のものを
〇、それ未満の物を×として評価した。なお、エネルギ
ー比とは、破壊全エネルギーに対する弾性塑性領域エネ
ルギー比のことである。 ハイレートインパクト試験測定条件 試料:厚さ3mm平板、衝撃速度:5m/sec、試験
温度:23℃、衝撃心の直径:15.9mm、バックア
ップリング口径:76.2mm、衝撃心の先端形状:球
形 第3表より明らかなように、実施例1〜7の組成物は、
MFRの値、ダイスウェル比及び粘度の値が射出成形に
好適なものであり、フローマークが無く、剛性及び耐衝
撃性が良好なものであった。これに対し、各比較例の組
成物はフローマークの無いものは、剛性及び/又は耐衝
撃性が十分でなく、また剛性及び耐衝撃性の良好なもの
には、フローマークが認められた。
2.16kg荷重以下で測定した(単位はg/10
分)。 (2)ダイスウェル比:210℃、剪断速度103
S -1 ,キャピラリーのL/D=40/0.8の条件以下
で測定した(無次元量)。 (3)粘度:210℃、剪断速度103 S -1 の条件以下
で測定した(単位はポイズ)。 (4)フローマークの有無:35cm×10cm×0.
3cmの射出成形品を作製し、その表面を目視にて観察
してフローマークの認められたものを”有”、認められ
なかったものを”無”として記載した。 (5)剛性の評価:曲げ弾性率(単位はkgf/cm
2 )をASTM D790により準拠して測定した。 (6)耐衝撃性の評価:次の条件でハイレートインパク
ト試験を行い、エネルギー比率が0.7以上のものを
〇、それ未満の物を×として評価した。なお、エネルギ
ー比とは、破壊全エネルギーに対する弾性塑性領域エネ
ルギー比のことである。 ハイレートインパクト試験測定条件 試料:厚さ3mm平板、衝撃速度:5m/sec、試験
温度:23℃、衝撃心の直径:15.9mm、バックア
ップリング口径:76.2mm、衝撃心の先端形状:球
形 第3表より明らかなように、実施例1〜7の組成物は、
MFRの値、ダイスウェル比及び粘度の値が射出成形に
好適なものであり、フローマークが無く、剛性及び耐衝
撃性が良好なものであった。これに対し、各比較例の組
成物はフローマークの無いものは、剛性及び/又は耐衝
撃性が十分でなく、また剛性及び耐衝撃性の良好なもの
には、フローマークが認められた。
【0038】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明において
は、多段重合プロピレン−エチレンブロック共重合体
と、オレフィン系エラストマーと、無機フィラーとをそ
れぞれ所定量含有してなる組成物において、多段重合プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体として、所定の範
囲のダイスウェル比と、所定の範囲のプロピレン−エチ
レンランダム共重合部分の極限粘度とを有するものを使
用しているので、得られる組成物は、射出成形したとき
にフローマークがほとんど生じず、製品表面の外観が向
上し、かつ良好な機械的強度を有する。
は、多段重合プロピレン−エチレンブロック共重合体
と、オレフィン系エラストマーと、無機フィラーとをそ
れぞれ所定量含有してなる組成物において、多段重合プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体として、所定の範
囲のダイスウェル比と、所定の範囲のプロピレン−エチ
レンランダム共重合部分の極限粘度とを有するものを使
用しているので、得られる組成物は、射出成形したとき
にフローマークがほとんど生じず、製品表面の外観が向
上し、かつ良好な機械的強度を有する。
【0039】このような本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、大型射出成形品、特に自動車の各種内装品、例えば
ダッシュボード、ドア内部部品等に好適である。
は、大型射出成形品、特に自動車の各種内装品、例えば
ダッシュボード、ドア内部部品等に好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】(a)多段重合により得られるプロピレン
−エチレンブロック共重合体50〜75重量%と、
(b)オレフィン系エラストマー0〜18重量%と、
(c)無機フィラー22〜40重量%とを含有する熱可
塑性樹脂組成物であって、前記(a)多段重合により得
られるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、1.
4以上のダイスウェル比(210℃、剪断速度103 S
-1 、キャピラリーのL/D=40/0.8)を有し、
前記プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピ
レン−エチレンランダム共重合体部分は4.0以上の極
限粘度を有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10901095A JPH08283528A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10901095A JPH08283528A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283528A true JPH08283528A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=14499289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10901095A Pending JPH08283528A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08283528A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG79256A1 (en) * | 1998-06-18 | 2001-03-20 | Sumitomo Chemical Co | Injection-molded product of propylene based resin composition |
JP2012516385A (ja) * | 2009-01-30 | 2012-07-19 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | ポリマー組成物、及び審美性の向上したtpo物品 |
-
1995
- 1995-04-10 JP JP10901095A patent/JPH08283528A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG79256A1 (en) * | 1998-06-18 | 2001-03-20 | Sumitomo Chemical Co | Injection-molded product of propylene based resin composition |
JP2012516385A (ja) * | 2009-01-30 | 2012-07-19 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | ポリマー組成物、及び審美性の向上したtpo物品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2785607B2 (ja) | エチレン−プロピレンブロック共重合体 | |
JP3352282B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその射出成形体 | |
JP4294381B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物 | |
JP3234070B2 (ja) | 射出成形用プロピレン系樹脂組成物 | |
US5502112A (en) | Thermoplastic olefins | |
JPH07157626A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2002012718A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形体 | |
JP3219306B2 (ja) | 塗装性に優れたポリオレフィン組成物 | |
JP4927522B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
JPH07157627A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH09194646A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JPH08283528A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH06299040A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH093299A (ja) | ポリプロピレン系組成物 | |
JP3119511B2 (ja) | 自動車用樹脂組成物 | |
JP3238575B2 (ja) | 自動車内装用樹脂組成物 | |
JP3119512B2 (ja) | 自動車用樹脂組成物 | |
JP2945189B2 (ja) | プロピレン重合体組成物 | |
JP3092960B2 (ja) | 成形物 | |
JP3368963B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP5793397B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法 | |
JPH05295225A (ja) | 自動車用樹脂組成物 | |
JP2889046B2 (ja) | 自動車用樹脂組成物 | |
JP3184268B2 (ja) | 自動車外装用樹脂組成物 | |
JPH08295785A (ja) | ポリオレフィン組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040203 |