JP3368963B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段重合により得られ
るプロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフ
ィン系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物に関し、更に詳し
くは自動車、家電等の工業用材料として有用な上記熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系樹脂の耐衝撃性
を改善するために、プロピレン‐エチレンブロック共重
合体にエチレン‐プロピレン共重合体ゴム等及びタル
ク、炭酸カルシウム等の無機充填剤を配合することが知
られている。
【0003】例えば、特公昭64‐2536号公報に
は、(I)メルトインデックスが15〜30(g/10
分)、エチレン含量が5〜15重量%、プロピレンとエ
チレン共重合部のエチレン含量が30〜60重量%、か
つ該共重合部の135℃テトラリン溶液での極限粘度が
4〜10(dl/g)であるプロピレン‐エチレンブロ
ック共重合体50〜70重量部、(II) エチレン含量が
40〜80重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃) が1
5〜45、かつ70℃キシレン溶液での極限粘度が1.
2〜2.0(dl/g)であるエチレン‐プロピレン共
重合ゴム25〜35重量部、及び(III) 平均粒子径が
0.5〜10μであるタルク5〜20重量部からなる樹
脂組成物が開示されている。しかし、該樹脂組成物にお
いては、剛性度と低温における衝撃強度のバランスは改
善されるものの、未だ十分な延性を得るには至っていな
い。
【0004】また、特開平5‐98125号公報には、
(a)多段重合により得られるプロピレン‐エチレンブ
ロック共重合体50〜70重量%と、(b)エチレン‐
プロピレン共重合体系ゴム10〜20重量%と、(c)
エチレン‐ブテン共重合体ゴム10〜20重量%と、
(d)タルク7〜15重量%とを含有し、かつ前記
(b)+(c)の合計が25〜35重量%である自動車
外装用樹脂組成物であって、前記多段重合により得られ
るプロピレン‐エチレンブロック共重合体が、プロピレ
ン‐エチレンランダム共重合体部分を4〜10重量%含
有し、プロピレンホモポリマー部分の極限粘度が0.9
〜1.2dl/gであり、前記プロピレン‐エチレンラ
ンダム共重合体部分の極限粘度が4.0dl/g以上で
あり、前記プロピレン‐エチレンランダム共重合体部分
中のエチレン含有量が30〜70重量%であり、かつ前
記組成物中のプロピレンホモポリマー部分の極限粘度
(A)と、前記プロピレンホモポリマー部分以外の樹脂
成分の極限粘度(B)との比(A/B)が0.1〜2.
5の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物が開示さ
れている。このように上記発明は、二種類の異なるポリ
オレフィン系ゴムを配合することにより、プロピレン系
樹脂組成物の耐衝撃性、延性、機械的強度、耐熱変形
性、脆化温度、硬度のバランスを改善するものであり、
弾性率が低いという欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて延性
の大きいプロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリ
オレフィン系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の有する上記欠点を解決すべく、多段重合により得られ
るプロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフ
ィン系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物について、プロピ
レンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴムとの境界部
分の構造に着目し、種々の検討を加えた。その結果、下
記の(A)及び(B)の二種類のプロピレン‐エチレン
ブロック共重合体の混合物を使用することにより、プロ
ピレンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴムとの境界
部分において、プロピレンホモポリマー相、共重合相、
ポリオレフィン系ゴムの順に配置することができ、これ
によりプロピレンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴ
ムとの接着強度を向上して樹脂組成物の延性を著しく向
上し得ることを見出した。特に、共重合相(A)が低分
子量であっても、少量の超高分子量の共重合相(B)を
混合することによって延性を改善できる。
【0007】即ち、本発明は、多段重合により得られる
プロピレンホモポリマー相とプロピレン‐エチレンラン
ダム共重合相を含むプロピレン‐エチレンブロック共重
合体とポリオレフィン系ゴムとを含む熱可塑性樹脂組成
物において、上記プロピレン‐エチレンブロック共重合
体が、(A)プロピレン‐エチレンランダム共重合相の
エチレン含有量が5重量%以上50重量%以下であるプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体及び(B)プロピ
レン‐エチレンランダム共重合相のエチレン含有量が5
0重量%を超え98重量%以下であるプロピレン‐エチ
レンブロック共重合体から成ることを特徴とする樹脂組
成物である。
【0008】本発明の多段重合により得られるプロピレ
ン‐エチレンブロック共重合体は、実質的にプロピレン
ホモポリマー相と、プロピレン‐エチレンランダム共重
合相と、場合によっては少量のエチレンホモポリマー相
とからなるものであり、夫々の部分は単独のポリマーと
して存在していても、あるいは夫々が結合した状態にあ
ってもよい。上記各相は基本的にはプロピレン及び/又
はエチレンとからなるものであるが、他のα‐オレフィ
ンやジエン系モノマーを少量含有していてもよい。上記
プロピレンホモポリマー相としては、プロピレンのホモ
ポリマー又は少量のコモノマー成分を含むプロピレンコ
ポリマーが挙げられる。コモノマー成分としては、ブテ
ン‐1、オクテン‐1等の他のα‐オレフィンやジエン
系モノマー等が挙げられる。
【0009】成分(A)の多段重合により得られるプロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体中のプロピレン‐エ
チレンランダム共重合相は、低結晶性の部分であり、エ
チレンの含有量(Gv)が、5重量%以上50重量%以
下(分母は共重合相の重量)、好ましくは20重量%以
上40重量%以下である。エチレンの含有量が5重量%
未満あるいは50重量%を超えると、延性が不足するた
め好ましくない。該プロピレン‐エチレンランダム共重
合相の極限粘度[η]CXS (135℃、テトラリン溶
液)は、好ましくは2.0dl/g以上8.0dl/g
以下であり、特に好ましくは3.0dl/g以上7.0
dl/g以下である。該極限粘度が2.0dl/g未満
では、相溶化剤としての機能を十分に発揮し得ず延性等
の物性の向上が十分でなく、8.0dl/gを超えて
は、相溶化剤としてプロピレンホモポリマー相とポリオ
レフィン系ゴムとの間に存在し難くなるため好ましくな
い。
【0010】上記プロピレン‐エチレンランダム共重合
相の極限粘度[η]CXS (135℃、テトラリン溶液)
は、特公昭64-2536 号公報に記載されているように次の
式で計算される粘度を意味する。
【0011】[η]CXS =(1/X)[η]T −{(1
/X)−1}[η]P ここで、[η]P はプロピレンホモポリマー相の極限粘
度、[η]T はプロピレン‐エチレンブロック共重合体
の極限粘度、Xはプロピレン‐エチレンブロック共重合
体中のプロピレンホモポリマー相とプロピレン‐エチレ
ンランダム共重合相の重合比率(重合比率はプロピレン
ホモポリマー相とプロピレン‐エチレンブロック共重合
体の結晶融解熱量を測定することにより求めた。)を示
す。
【0012】成分(A)の多段重合により得られるプロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体中のプロピレン‐エ
チレンランダム共重合相の含有量(Cv)は好ましくは
1重量%以上30重量%以下、特に好ましくは3重量%
以上15重量%以下である。1重量%未満では延性及び
耐衝撃性が低下し、30重量%を超えては、流動性が低
下するため好ましくない。
【0013】プロピレン‐エチレンブロック共重合体中
のプロピレンホモポリマー相のメルトフローレート(J
IS K6758に準拠し230℃、2160g荷重下
で測定)は、好ましくは1(g/10分)以上500
(g/10分)以下であり、特に好ましくは5(g/1
0分)以上100(g/10分)以下である。メルトフ
ローレートが1(g/10分)未満では樹脂組成物の流
動性が不足し、また500(g/10分)を超えると延
性が不足するするため好ましくない。
【0014】該プロピレン‐エチレンブロック共重合体
中にエチレンホモポリマー相を含有する場合には、その
含有量は好ましくは40重量%以下であり、(A)のプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体全体中のエチレン
含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、特に好ま
しくは30〜40重量%である。
【0015】成分(B)の多段重合により得られるプロ
ピレン‐エチレンブロック共重合体において、プロピレ
ン‐エチレンランダム共重合相中のエチレンの含有量
(Gv)は、50重量%を超え98重量%以下(分母は
共重合相の重量)、好ましくは50重量%を超え80重
量%以下である。エチレンの含有量が50重量%以下あ
るいは98重量%を超えると、延性が不足するため好ま
しくない。
【0016】上記成分(B)のプロピレン‐エチレンブ
ロック共重合体において、プロピレン‐エチレンランダ
ム共重合相の極限粘度[η]CXS (135℃、テトラリ
ン溶液)、プロピレン‐エチレンランダム共重合相の含
有量(Cv)及びプロピレン‐エチレンブロック共重合
体中のプロピレンホモポリマー相のメルトフローレート
は、いずれも上記成分(A)と同じ範囲である。
【0017】該プロピレン‐エチレンブロック共重合体
中にエチレンホモポリマー相を含有する場合には、その
含有量は好ましくは40重量%以下であり、(B)のプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体全体中のエチレン
含有量は、好ましくは50〜98重量%であり、特に好
ましくは60〜70重量%である。
【0018】上記成分(A)及び(B)のプロピレン‐
エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(JI
S K6758に準拠し230℃、2160g荷重下で
測定)は、いずれも好ましくは1〜70(g/10分)
であり、特に好ましくは10〜30(g/10分)であ
る。該MFR値が1(g/10分)未満では得られる組
成物の成形性、特に射出成形性が低下し、また70(g
/10分)を超えると機械的強度が低下するため好まし
くない。
【0019】本発明で使用される上記の各(A)及び
(B)のプロピレン‐エチレンブロック共重合体は、例
えば、チーグラー・ナッタ系触媒により、まずプロピレ
ンを重合してプロピレンホモポリマー相(少量のコモノ
マー成分を含んでいてもよい)を生成し、次の段階でエ
チレンとプロピレンの混合物を共重合させることにより
ランダム共重合相を生成することにより得られる。
【0020】本発明の樹脂組成物中、多段重合により得
られるプロピレン‐エチレンブロック共重合体は、上記
成分(A)及び(B)から成るものであり、(A)及び
(B)から成るものであれば、夫々上記物性の範囲内で
二種類以上のプロピレン‐エチレンブロック共重合体を
使用することもできる。
【0021】本発明において、上記(A)と(B)との
配合比は、重量比で好ましくは98/2〜5/95、更
に好ましくは95/5〜10/90であり、配合比が9
0/10〜50/50の範囲では、著しく高い延性を得
ることができるため特に好ましい。該配合比が、98/
2を超えては延性が不足し、5/95未満でも延性が不
足するため好ましくない。
【0022】本発明において使用されるポリオレフィン
系ゴムとしては、エチレン‐プロピレン共重合体ゴム
(EPR)、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM)、エチレン‐ブテン共重合体ゴム(EB
R)、ポリスチレン‐ポリエチレンブチレン‐ポリスチ
レン共重合体ゴム(SEBS)及びポリスチレン‐ポリ
エチレンプロピレン‐ポリスチレン共重合体ゴム(SE
PS)等が挙げられる。エチレン‐プロピレン共重合体
ゴムは、エチレンの含有量が50〜90モル%、プロピ
レンの含有量が50〜10モル%であることが好まし
く、より好ましくはエチレンの含有量が70〜80モル
%、プロピレンの含有量が30〜20モル%である。エ
チレン‐プロピレン‐ジエン共重合体ゴムの場合、ジエ
ン化合物としては、例えばエチリデンノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン、1,4‐ヘキサジエン等が挙げら
れる。エチレン‐ブテン共重合体ゴムは、エチレンの含
有量が好ましくは70〜90モル%、ブテン‐1の含有
量が好ましくは30〜10モル%のランダム共重合体で
あり、特にエチレンの含有量が75〜85モル%、ブテ
ン‐1の含有量が15〜25モル%のものが好ましい。
また、EBRはエチレン及びブテン‐1以外のヘキセン
‐1、オクテン‐1等の他のα‐オレフィンやエチリデ
ンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエン化合
物を少量共重合していてもよい。ポリスチレン‐ポリエ
チレンブチレン‐ポリスチレン共重合体ゴムは、ポリス
チレンの含有量が好ましくは10〜65モル%、ポリエ
チレンブチレンの含有量が好ましくは35〜90モル%
のブロック共重合体であり、特にポリスチレンの含有量
が30〜40モル%、ポリエチレンブチレンの含有量が
60〜70モル%のものが好ましい。ポリエチレンブチ
レン中のブチレンの含有量は10〜70モル%が好まし
く、特に30〜50モル%が好ましい。ポリスチレン‐
ポリエチレンプロピレン‐ポリスチレン共重合体は、ポ
リスチレンの含有量が好ましくは10〜65モル%、ポ
リエチレンプロピレンの含有量が好ましくは35〜90
ル%、特にポリスチレンの含有量が30〜50モル%、
ポリエチレンプロピレンの含有量が50〜70モル%の
ものが好ましい。該ポリオレフィン系ゴムは、二種類以
上を任意に組合せて用いることもできる。
【0023】上記ポリオレフィン系ゴムのメルトフロー
レート[JIS K6758に準拠し230℃(EBR
については190℃)、2160g荷重下で測定]は、
好ましくは0.01〜200(g/10分)であり、特
に好ましくは0.1〜50(g/10分)である。該M
FRが、0.01(g/10分)未満では、樹脂組成物
の流動性が不足し、また200(g/10分)を超えて
は、延性が不足するため好ましくない。
【0024】本発明において、多段重合により得られる
プロピレン‐エチレンブロック共重合体(A)と(B)
との総量とポリオレフィン系ゴムとの配合比は、重量比
で好ましくは98/2〜2/98、特に好ましくは95
/5〜5/95である。該配合比が、98/2を超えて
は延性が低下し、2/98未満では曲げ弾性率等の機械
的強度が低下するため好ましくない。
【0025】また、本発明の樹脂組成物においては、上
記の成分以外に、その物性を損なわない範囲において、
その目的に応じ当業者に公知の各種の添加剤、例えば他
の高分子材料、顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、金
属フレーク、炭素繊維、ガラスフレーク、ミルドグラス
等の補強材や充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤及び難燃
剤等を添加することができる。
【0026】本発明の構造を有する樹脂組成物は、多段
重合により得られるプロピレン‐エチレンブロック共重
合体とポリオレフィン系ゴムとを例えば下記に示したよ
うに溶融混練することにより製造することができる。即
ち、該樹脂組成物は、スーパーミキサー等によりプリブ
レンドした後に二軸押出機を用いて製造することができ
る。混練温度は、好ましくは180〜250℃、特に好
ましくは190〜230℃であり、混練時間は好ましく
は15秒〜5分、特に好ましくは30秒〜1.5分であ
る。
【0027】以下、実施例及び比較例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0028】
【実施例】以下の実施例、比較例においては下記の化合
物を使用した。 <プロピレン‐エチレンブロック共重合体(ICP)>
表1に示すような性質を有する各種プロピレン‐エチレ
ンブロック共重合体を使用した。
【0029】
【表1】 *1 MFR(g/10分):JIS K6758によ
り230℃、2160g荷重下で測定したメルトフロー
レート *2 Cv(重量%):プロピレン‐エチレンブロック
共重合体中のプロピレン‐エチレンランダム共重合相の
含有率 *3 Gv(重量%):プロピレン‐エチレンランダム
共重合相中のエチレンの含有率 *4 MFRH (g/10分):プロピレン‐エチレン
ブロック共重合体中のプロピレンホモポリマー相のJI
S K6758により230℃、2160g荷重下で測
定したメルトフローレート *5 [η]CXS (dl/g):プロピレン‐エチレン
ブロック共重合体中のプロピレン‐エチレンランダム共
重合相の極限粘度 <ポリオレフィン系ゴム> ゴム1:エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPR、日
本合成ゴム株式会社製、EP961SP) エチレン含
有量77重量%、メルトフローレート(JIS K67
58により230℃、2160g荷重下で測定)0.8
(g/10分) ゴム2:エチレンプロピレンジエン共重合体ゴム(EP
DM、日本合成ゴム株式会社製、EP57P) エチレ
ン含有量72重量%、メルトフローレート(JIS K
6758により230℃、2160g荷重下で測定)
0. 4(g/10分) ゴム3:エチレンブテン共重合体ゴム(EBR、日本合
成ゴム株式会社製、EBM1041P) エチレン含有
量84重量%、メルトフローレート(JIS K675
8により190℃、2160g荷重下で測定)3.5
(g/10分) <任意物質> タルク:富士タルク工業株式会社製、LMS200、平
均粒径1.3μm
【0030】
【実施例1〜11、比較例1〜4】表2及び3に示す量
(重量部)の各成分を45mmφ二軸押出機(L/D=
30)を使用してバレル設定温度200℃、回転数20
0rpmで混練押出し、ペレットを作成した。更に出来
上がったペレットをシリンダー温度200℃、金型温度
50℃に設定した射出成形機により成形して、試験片を
作成し諸特性の試験に供した。一例として、図1に実施
例2で得られた成形品の切断面の電子顕微鏡写真(55
000倍、日立製作所製透過型電子顕微鏡H‐700H
使用、四酸化ルテニウムにより染色を施した)を示し
た。プロピレンホモポリマー相とポリオレフィン系ゴム
との境界部分において、プロピレンホモポリマー相、共
重合相、ポリオレフィン系ゴムの順で配置されているこ
とが分かる。
【0031】諸特性は次の試験方法により評価した。 ・引張破断伸び(%)及び引張降伏強度(kg/c
2 ):JIS K7113により測定した。 ・曲げ弾性率(kg/cm2 ):JIS K7203に
より測定した。 ・メルトフローレート(MFR、g/10分):JIS
K6758により測定した。 これらの評価結果を表2及び3に示した。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】 実施例1〜7は、多段重合により得られるプロピレン‐
エチレンブロック共重合体(A)と(B)の配合比を変
化させたものである。引張り破断伸び値は、(A)の配
合比が、50重量部以上のときに比較的良好な値を示
す。実施例8は、実施例4に対してポリオレフィン系ゴ
ムの配合比を増加させたものである。ゴムの配合比を増
加すると、引張り破断伸び値は増加する。実施例9及び
10は、実施例2に対してポリオレフィン系ゴムの種類
を変えたものである。いずれも実施例2とほぼ同等の引
張り破断伸び値を示した。実施例11は、実施例4に対
して任意物質であるタルクを配合した場合である。タル
クの配合により、引張り破断伸び値、引張り降伏強度及
び曲げ弾性率を著しく増加することができる。
【0034】一方、比較例1及び2は、夫々(A)又は
(B)単独とポリオレフィン系ゴムとを配合したもので
ある。比較例1及び2は、破断伸び値が小さい。本発明
のように(A)と(B)とを配合することにより、非常
に優れた延性を得ることができることが分った。比較例
3及び4は、夫々(A)、(B)のみを単独で使用した
ものであり、破断伸び値が著しく低い。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、極めて延性の大きいプ
ロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレフィン
系ゴムを含む熱可塑性樹脂組成物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた成形品の粒子状態を示す電
子顕微鏡写真である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/00 C08L 23/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段重合により得られるプロピレンホモ
    ポリマー相とプロピレン‐エチレンランダム共重合相を
    含むプロピレン‐エチレンブロック共重合体とポリオレ
    フィン系ゴムとを含む熱可塑性樹脂組成物において、上
    記プロピレン‐エチレンブロック共重合体が、(A)プ
    ロピレン‐エチレンランダム共重合相のエチレン含有量
    が5重量%以上50重量%以下であるプロピレン‐エチ
    レンブロック共重合体及び(B)プロピレン‐エチレン
    ランダム共重合相のエチレン含有量が50重量%を超え
    98重量%以下であるプロピレン‐エチレンブロック共
    重合体から成ることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)と(B)との配合比が、重量比で
    98/2〜5/95である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)と(B)との総量とポリオレフィ
    ン系ゴムとの配合比が、重量比で98/2〜2/98で
    ある請求項1又は2記載の樹脂組成物。
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