JP2882939B2 - 塗装性に優れたポリオレフィン組成物 - Google Patents
塗装性に優れたポリオレフィン組成物Info
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フィン組成物に関し、特に高温高圧洗浄時における塗膜
の耐剥離性の良好な塗装性に優れたポリオレフィン組成
物に関する。
ロピレンは軽量であり、かつ機械的強度等に優れている
ので、各種の分野に広く利用されている。しかしなが
ら、耐衝撃性に劣るため、その改良を目的として、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体にエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)等のゴム成分やタルク等の無機
フィラーを添加してなる種々のポリプロピレン系樹脂が
提案されている。
〜3重量%、メルトフローレート40〜45g/10 分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体62〜57重量%、(b)
エチレン含量70〜80重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100
℃)55 〜58のエチレン−プロピレン共重合体ゴム26〜28
重量%、(c) 密度0.955 〜0.960 g/cm3 、メルトフロー
レート18〜22g/10 分の高密度ポリエチレン2〜3重量
%、及び(d) 平均粒径1.8 〜2.2 μm、比表面積36000
〜42000 cm2 /gのタルク10〜12重量%からなり、メルト
フローレートが13〜18g/10 分、密度が0.950 〜0.980
g/cm3 、曲げ弾性率が11500 〜14000 kg/ cm2 、20〜80
℃間の線膨張係数が7×10-5〜10×10-5cm/ cm/ ℃、及
びJIS-Z8741 の60°−60°法による表面光沢度が55%以
上であることを特徴とする樹脂組成物を開示している。
が20〜60重量%の沸騰パラ−キシレン可溶分を5〜12重
量%含み、重合体全体のエチレン含量が1〜7重量%で
かつメルトフローレートが15〜50g/10 分のプロピレン
−エチレンブロック共重合体59〜74重量%と、(b) プロ
ピレン含量が20〜60重量%でかつムーニー粘度ML1+4(10
0℃) が100 〜150 のエチレン−プロピレン系共重合体
ゴム35〜20重量%と、(c) 比表面積が30000 cm2 /g以
上、平均粒径が0.5 〜2.0 μmであるタルク3〜6重量
%を配合してなることを特徴とする樹脂組成物を開示し
ている。
1-149845号の樹脂組成物は、いずれも熱変形を生じやす
く、例えばバンパーに用いた場合には、高温環境下にお
かれたときの車体との線膨張率の差により、変形しやす
く、このため外観を損なうことがあるという問題があ
る。また近年バンパー等にも美麗な塗装を施すのが一般
的であり、可飾性能としての塗装性に優れていることが
必要である。
塗膜性を改良するものとして、特開昭57-55952号は、エ
チレン含有量5〜10重量%、ポリプロピレン成分の沸騰
n-ヘプタン不溶分97重量%以上、常温パラ−キシレン可
溶分の固有粘度(デカリン、135 ℃)3〜4、メルトフ
ローインデックス2〜10の結晶性エチレン−プロピレン
ブロック共重合体55〜65重量%、固有粘度(デカリン、
135 ℃)2.0 〜3.5 、ムーニー粘度ML1+4 (100 ℃)
40〜100 の無定形エチレン−プロピレン共重合体30〜35
重量%、および平均粒子径0.5 〜5ミクロンのタルク5
〜15重量%よりなるバンパー用ポリプロピレン組成物を
開示している。しかしながら、このバンパー用ポリプロ
ピレン組成物には、塗装を施した場合の塗膜の剥離強度
は改良されているものの、高圧あるいは高温高圧等の一
層厳しい条件下での洗浄時における塗膜の剥離強度はい
まだ十分でないという問題がある。
るとともに、耐衝撃性、機械的強度、剛性等のバランス
が良好で、高温高圧洗浄等の厳しい条件下での塗膜の剥
離強度が良好な塗装性に優れたポリオレフィン組成物を
提供することである。
の結果、本発明者らは、塗膜の剥離強度は、一般に塗
膜のヤング率、基材の強度及び塗膜と基材との界面での
接着強度によって決定されるが、塗膜と基材の界面での
接着強度はある程度以上であれば剥離強度の大きさには
影響を与えないこと、近年の塗料の発達により塗膜と
基材との界面での接着強度は大幅に向上したので、基材
自身の強度が塗膜の剥離強度に関与する大きな要因とな
ること、しかし単に基材の強度を向上させるだけでは
耐衝撃性の低下を招き易いので、組成系をプロピレン−
エチレンブロック共重合体+共重合体ゴム(エチレン−
ブテン共重合体ゴム又はエチレン−ブテン共重合体ゴム
とエチレン−プロピレン共重合体ゴムとの混合物)+無
機フィラーとすべきこと、かつ耐衝撃性を低下させず
に基材の強度を向上させるには、組成物中のエラストマ
ー性成分(プロピレン−エチレンブロック共重合体中の
プロピレン−エチレンランダム共重合部分と共重合体ゴ
ムとの合計)を強化するのが効果的であることを発見
し、本発明に想到した。
ポリオレフィン組成物は、 (a)プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体50〜80重量%と、(b) エチレン−ブテン
共重合体ゴム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチ
レン−プロピレン共重合体ゴムとの混合物20〜40重量%
と、(c) 無機フィラー20重量%以下とを含有する組成物
であって、前記(a) 成分及び(b) 成分中の常温パラ−キ
シレン可溶分の数平均分子量が4×104 以上で、重量平
均分子量が20×104 以上であることを特徴とする。
ィン組成物は、(a) プロピレン−エチレンブロック共重
合体50〜80重量%と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムとの混合物20〜40重量%と、(c) 無
機フィラー20重量%以下とを含有する組成物であって、
前記(a) 成分及び(b) 成分中の常温パラ−キシレン可溶
分の結晶化度が20〜30%であることを特徴とする。
ィン組成物は、(a) プロピレン−エチレンブロック共重
合体50〜80重量%と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムとの混合物20〜40重量%と、(c) 無
機フィラー20重量%以下とを含有する組成物であって、
前記(a) 成分及び(b) 成分中の常温パラ−キシレン可溶
分の融点が50℃以上であることを特徴とする。
は、(a) プロピレン−エチレンブロック共重合体と、
(b) エチレン−ブテン共重合体ゴム又はエチレン−ブテ
ン共重合体ゴムとエチレン−プロピレン共重合体ゴムと
の混合物と、(c) 無機フィラーとを含有する。
体は、多段重合により合成されるものである。多段重合
では、まずチーグラ触媒等の存在下でプロピレンを重合
することにより、結晶性プロピレンホモポリマー部分
(少量のコモノマー成分を含んでいてもよい)を生成
し、次の段階でエチレン+プロピレンに切替えてランダ
ム共重合部分を生成する。
−エチレンブロック共重合体は、実質的に結晶性ホモ
ポリプロピレン部分と、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合部分と、ポリエチレン部分とからなるもので
あり、それぞれの部分は単独のポリマーとして存在して
いても、あるいはそれぞれが結合した状態にあってもよ
い。なお、上記各部分は基本的にはプロピレン及び/又
はエチレンとからなるものであるが、他のα−オレフィ
ンやジエン系モノマー等を少量含有していてもよい。
は、低結晶性の部分であり、エチレンの含有率が30〜70
重量%であるのが好ましい。エチレンの含有率が30重量
%未満あるいは70重量%を超えると、延性が不足するた
め好ましくない。上記プロピレン−エチレンランダム共
重合部分の重量平均分子量は、20×104 〜80×104 が好
ましく、特に50×104 〜80×104 が好ましい。また数平
均分子量は、4 ×104〜10×104 が好ましく、特に7 ×1
04 〜10×104 が好ましい。
体におけるエチレンの含有量は、2〜10重量%が好まし
い。また結晶性のプロピレンホモポリマー部分と、
プロピレン−エチレンランダム共重合部分と、結晶性
のエチレンホモポリマー部分との含有量については、
++の合計を100 重量%として、プロピレンホモポ
リマー部分が85〜95重量%、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合部分が5 〜15重量%、及びエチレンホモポリ
マー部分が5重量%以下であるのが好ましい。上記範囲
外では、物性のバランスが悪化する。
重合体のメルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) は15〜120 g/10 分が好ましい。MFR の値が15g/1
0 分未満では得られる組成物の成形性、特に射出成形性
が低下し、また120 g/10 分を超えると機械的強度が低
下するため好ましくない。
重合体ゴム単独又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエ
チレン−プロピレン共重合体ゴムとの混合物である。共
重合体ゴムの数平均分子量は2×104 〜8×104 が好ま
しく、特に3×104 〜6×104 が好ましい。また重量平
均分子量は7×104 〜20×104 が好ましく、特に10×10
4 〜20×104 が好ましい。
エチレンの含有率が70〜85モル%、ブテン-1の含有率が
15〜30モル%であるのが好ましい。より好ましい範囲
は、エチレンが75〜85モル%、ブテン-1が15〜25モル%
である。エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR) のメルト
インデックス(MI 、190 ℃、2.16kg荷重) は1〜30g/1
0 分であるのが好ましく、より好ましくは1〜20g/10
分である。
は、エチレンの含有率が50〜90モル%、プロピレンの含
有率が50〜10モル%であるのが好ましい。より好ましい
範囲は、エチレンが70〜80モル%、プロピレンが30〜20
モル%である。エチレン−プロピレン共重合体ゴムのメ
ルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重) は0.5〜2
0g/10 分であるのが好ましく、より好ましくは0.5 〜1
0g/10 分である。なお共重合体ゴムとしてエチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) を配合しても
良い。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EP
DM) 中のジエン化合物としては、エチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げ
られる。
に用いられているものであり、例えばタルク、マイカ、
繊維結晶性ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げ
られる。これらのうちでは特にタルクが好ましい。無機
フィラーの平均粒径は15μm以下が好ましい。無機フィ
ラーが針状又は繊維状の場合、繊維径が1〜100 μm
で、アスペクト比が3〜30のものが好ましい。
ック共重合体が50〜80重量%、好ましくは55〜70重量%
であり、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴム又はエチレ
ン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロピレン共重合
体ゴムとの混合物が20〜40重量%、好ましくは20〜30重
量%であり、(c) 無機フィラーが20重量%以下、好まし
くは5〜15重量%である。
50重量%未満では得られる組成物の伸度、硬度等が低下
しやすく、また80重量%を超えると耐衝撃性が低下す
る。
伸度等の引張物性が低下し、また40重量%を超えると曲
げ弾性率等の機械的強度が低下する。
撃性、引張伸びが低下する。なお下限については特に制
限はないが、5 重量%未満では、その添加効果が顕著で
なく好ましくない。
プロピレン−エチレンランダム共重合部分と、(b) 成分
との合計量に相当し、その抽出法としては、例えば組成
物を沸騰パラ−キシレンに溶解して無機フィラーを不溶
部として分離し、冷却後にプロピレンホモポリマー部分
とエチレンホモポリマー部分とを不溶部として分離した
後に、残った溶液部分〔(a) 成分及び(b) 成分中の常温
パラ−キシレン可溶分〕から得る方法等がある。エラス
トマー性成分の数平均分子量は4×104 以上、好ましく
は4×104 〜7×104 であり、重量平均分子量は20×10
4以上、好ましくは20×104 〜30×104 である。数平均
分子量が4×104 未満、及び重量平均分子量が20×104
未満では組成物の機械的強度の向上が不十分であり、塗
膜の剥離強度の向上が十分でない。
は、第一の組成物と同様に、(a) プロピレン−エチレン
ブロック共重合体と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムとの混合物と、(c) 無機フィラーと
を含有してなる。
の組成物の場合と同じものを用いることができる。なお
プロピレン−エチレンランダム共重合部分の数平均分子
量及び重量平均分子量については特に制限はない。
はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロピレ
ン共重合体ゴムとの混合物であり、第一の組成物で使用
するものと基本的には同じであるが、その結晶化度は20
〜30%であるのが好ましい。なお重量平均分子量及び数
平均分子量については特に制限はない。
て、エチレンが70〜85モル%、ブテン-1が15〜30モル%
で、結晶化度が20〜30%のものを使用するのが好まし
い。またエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)とし
て、エチレンが70〜80モル%、プロピレンが20〜30モル
%で、結晶化度が10〜20%のものを使用するのが好まし
い。
及びエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR) を併用する
場合、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)が25〜
75%、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR) が75〜25
%、より好ましくはエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR)が30〜70%、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EB
R) が70〜30%となるように配合すると、上記範囲の結
晶化度を得ることができる。
に、ゴム的性質を損なわない範囲で、線状低密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等
のポリエチレンを、樹脂成分全体を100 重量%として20
重量%以下程度の割合で配合するのが好ましい。
ることができる。
ック共重合体が50〜80重量%、好ましくは55〜70重量%
であり、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴム又はエチレ
ン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロピレン共重合
体ゴムとの混合物が20〜40重量%、好ましくは20〜30重
量%であり、(c) 無機フィラーが20重量%以下、好まし
くは5〜15重量%である。各成分の配合割合の限定理由
は第一の組成物と同じである。
30%である。エラストマー性成分の結晶化度が20%未満
では、エラストマー性成分の機械的強度の向上が不十分
であり、一方30%を超えると組成物の耐衝撃性が低下す
る。
組成物と同様に、(a)プロピレン−エチレンブロック共
重合体と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴム又はエチ
レン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロピレン共重
合体ゴムとの混合物と、(c) 無機フィラーとを含有して
なる。
の組成物と同じものを用いることができる。なおプロピ
レン−エチレンランダム共重合部分の数平均分子量、重
量平均分子量及び結晶化度は特に制限はない。
ン共重合体ゴム単独又はエチレン−ブテン共重合体ゴム
とエチレン−プロピレン共重合体ゴムとの混合物であ
り、第一の組成物で使用するものと基本的には同じであ
るが、その融点が50〜70℃であるのが好ましい。なお重
量平均分子量、数平均分子量、及び結晶化度については
特に制限はない。
の融点は10〜50℃であるのが好ましく、特に30〜50℃で
あるのが好ましい。またエチレン−ブテン共重合体ゴム
(EBR) の融点は60〜90℃であるのが好ましく、特に70〜
90℃であるのが好ましい。従って、共重合体ゴムの融点
を50〜70℃とするには、エチレン−プロピレン共重合体
ゴム(EPR) とエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR) を併
用する。
ることができる。
ック共重合体が50〜80重量%、好ましくは55〜70重量%
であり、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴム又はエチレ
ン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロピレン共重合
体ゴムとの混合物が20〜40重量%、好ましくは20〜30重
量%であり、(c) 無機フィラーが20重量%以下、好まし
くは5〜15重量%である。各成分の配合割合の限定理由
は第一の組成物の場合と同様である。
上、好ましくは55〜65℃である。エラストマー性成分の
融点が50℃未満では、組成物中のエラストマー相の耐熱
性が不十分となり、高温剥離強度の向上が十分でない。 [4] その他 第一乃至第三の塗装性に優れたポリオレフィン組成物に
は、上記成分の他に改質を目的として、他の添加剤、例
えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑
剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤等を添加することがで
きる。また第一乃至第三の組成物は、上記成分の混合物
を一軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて、180 〜
230 ℃、好ましくは190 〜210 ℃で溶融混練することに
よって得ることができる。
たポリオレフィン組成物について説明したが、より塗装
性、剥離強度及び高温剥離強度に優れたポリオレフィン
組成物とするには、各組成物の要件を兼備させるのが好
ましい。第一の組成物、第二の組成物、第三の組成物の
要件をそれぞれ〔A〕、〔B〕及び〔C〕として、本発
明の塗装性に優れたポリオレフィン組成物が具備する要
件の全ての場合を以下に例示する。 〔A〕 〔B〕 〔C〕 〔A〕+〔B〕 〔A〕+〔C〕 〔B〕+〔C〕 〔A〕+〔B〕+〔C〕
は、エラストマー性成分(プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重合部
分と、エチレン−ブテン共重合体ゴム又はエチレン−ブ
テン共重合体ゴムとエチレン−プロピレン共重合体ゴム
との混合物の合計)を強化してなるので、塗膜の剥離強
度や耐洗浄性、特に高温高圧洗浄条件下での剥離強度に
優れている。
必ずしも明らかではないが、エラストマー性成分の分
子量をある程度大きくしたり、エラストマー性成分の
結晶化度を大きくしたり、あるいはエラストマー性成
分の融点を高くしたりすると、及びの場合には、エ
ラストマー性成分が強化されて塗膜の剥離強度が向上
し、またの場合には、エラストマー性成分の耐熱性が
強化されて高温時の剥離強度が向上するためであると考
えられる。
明する。なお、原料となる樹脂及びタルクとしては以下
のものを使用した。 [1] プロピレン−エチレンブロック共重合体 BPP:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重)60 g/10 分、エチレン含有量4 重量%〕
kg荷重)0.8g/10 分、硬さ(JIS A) =74、融点43℃、結
晶化度11%、数平均分子量5.7 ×104、重量平均分子量1
4.2×104 、プロピレン含有率20重量%〕EPR−2:
〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷重)3.6g
/10 分、硬さ(JIS A) =73、融点41.3℃、結晶化度12
%、数平均分子量4.5 ×104 、重量平均分子量9.9 ×10
4 、プロピレン含有率22重量%〕
kg荷重)1.3g/10 分、硬さ(JIS A) =87、融点78.2℃、
結晶化度26%、数平均分子量6.5 ×104 、重量平均分子
量12.7×104 、ブテン−1含有率20重量%〕EBR−
2:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16kg荷重)
3.5g/10 分、硬さ(JIS A) =85、融点70.8℃、結晶化
度25%、数平均分子量3.8 ×104 、重量平均分子量8.3
×104 、ブテン−1含有率20重量%〕
(MI、190 ℃、2.16kg荷重)1.0g/10 分〕
25μm〕
共重合体(BPP)と、エチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR-1 又はEPR-2)、エチレン−ブテン共重合体ゴム
(EBR-1 又はEBR-2)及びタルクをスーパーミキサーでド
ライブレンドし、その後二軸押出機に投入し、 190〜25
0 ℃、スクリュー回転数200rpmで混練し、ペレットを得
た。
平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、結晶化度
及び融点を測定した。結果を第1表にあわせて示す。な
おエラストマー性成分は、組成物を沸騰パラ−キシレン
に溶解し、無機フィラーを不溶部として分離し、冷却後
にプロピレンホモポリマー部分と、エチレンホモポリマ
ー部分とを不溶部として分離した後の残部である。
より物性測定用試験片を作製し、曲げ弾性率、アイゾッ
ト衝撃強度、塗膜の剥離強度及び耐洗車性を測定した。
結果を第2表に示す。
量:GPCにより測定。 (2) 結晶化度:小角X線散乱にて測定。 (3) 融点:示差走査熱量計にて測定。
(単位はkgf /cm2 ) 。 (2) アイゾット衝撃強度:ASTM D256 により3.2 mm厚試
験片を用いて、ノッチ付きにて測定 (単位はkgf ・cm/
cm)。 (3) 剥離強度:150 mm×70mm×3mmのシートにTCE蒸
気洗浄を施した後、プライマー、アクリルメラミントッ
プペイントを常法により塗装し、120 度で30分間焼付し
て得た塗装プレートの塗膜を、引張り試験機を用いて23
℃又は60℃の温度で10mm巾にて 180°剥離させた時に得
られた強度を測定(単位はg/10mm巾)。 (4) 室温高圧洗車性:試験片の一部をマスクし、(4) 塗
膜剥離強度測定用試験片と同じ塗装を行い、得られた試
験片の無塗装と塗膜との境界に対して、高さ100 mmから
直径3mm のノズルより23℃の水を圧力80kg/cm2 で噴射
して塗膜の状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○:塗膜に変化ない。 △:塗膜に僅かな変化。 ×:塗膜が剥離。 (5) 高温高圧洗車性:試験片の一部をマスクし、(4) 塗
膜剥離強度測定用試験片と同じ塗装を行い、得られた試
験片の無塗装と塗膜との境界に対して、高さ100 mmから
直径3mmのノズルより60℃の水を圧力80kg/cm2 で噴射
して塗膜の状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○:塗膜に変化ない。 △:塗膜に僅かな変化。 ×:塗膜が剥離。
オレフィン組成物は、良好な塗装性を示し、特に第一乃
至第三の組成物の全ての要件を兼ね備えた実施例1は、
高温時の塗膜の剥離性、耐高温高圧洗車性等に極めて優
れている。
に優れたポリオレフィン組成物は、その中のエラストマ
ー性成分(プロピレン−エチレンブロック共重合体中の
プロピレン−エチレンランダム共重合部分と、エチレン
−ブテン共重合体ゴム又はエチレン−ブテン共重合体ゴ
ムとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとの混合物の合
計)を強化してなるので、塗膜の剥離強度、高温高圧で
の洗浄時の耐性に優れている。このような特徴を有する
本発明の塗装性に優れたポリオレフィン組成物は各種用
途に適用可能であり、特に自動車の各種外装品等に好適
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (a) プロピレン−エチレンブロック共重
合体50〜80重量%と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムとの混合物20〜40重量%と、(c) 無
機フィラー20重量%以下とを含有する組成物であって、
前記(a) 成分及び(b) 成分中の常温パラ−キシレン可溶
分の数平均分子量が4×104 以上で、重量平均分子量が
20×104以上であることを特徴とする塗装性に優れたポ
リオレフィン組成物。 - 【請求項2】 (a) プロピレン−エチレンブロック共重
合体50〜80重量%と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムとの混合物20〜40重量%と、(c) 無
機フィラー20重量%以下とを含有する組成物であって、
前記(a) 成分及び(b) 成分中の常温パラ−キシレン可溶
分の結晶化度が20〜30%であることを特徴とする塗装性
に優れたポリオレフィン組成物。 - 【請求項3】 (a) プロピレン−エチレンブロック共重
合体50〜80重量%と、(b) エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム又はエチレン−ブテン共重合体ゴムとエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムとの混合物20〜40重量%と、(c) 無
機フィラー20重量%以下とを含有する組成物であって、
前記(a) 成分及び(b) 成分中の常温パラ−キシレン可溶
分の融点が50℃以上であることを特徴とする塗装性に優
れたポリオレフィン組成物。
Priority Applications (9)
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JP17015492A JP2882939B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 塗装性に優れたポリオレフィン組成物 |
DE69327979T DE69327979T2 (de) | 1992-06-04 | 1993-04-01 | Harzzusammensetzung mit exzellenter Farbbeschichtbarkeit |
EP97201322A EP0789054B1 (en) | 1992-06-04 | 1993-04-01 | Resin composition having excellent paint coatability |
DE69313927T DE69313927T2 (de) | 1992-06-04 | 1993-04-01 | Harzusammensetzung mit exellenter Farbbeschichtbarkeit |
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EP93302604A EP0574114B1 (en) | 1992-06-04 | 1993-04-01 | Resin composition having excellent paint coatability |
EP96200197A EP0714948B1 (en) | 1992-06-04 | 1993-04-01 | Resin composition having excellent paint coatability |
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Publication Number | Publication Date |
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-
1992
- 1992-06-04 JP JP17015492A patent/JP2882939B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH05331348A (ja) | 1993-12-14 |
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