JPH05287068A - 飽和ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

飽和ポリエステル樹脂の製造方法

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JPH05287068A
JPH05287068A JP8904092A JP8904092A JPH05287068A JP H05287068 A JPH05287068 A JP H05287068A JP 8904092 A JP8904092 A JP 8904092A JP 8904092 A JP8904092 A JP 8904092A JP H05287068 A JPH05287068 A JP H05287068A
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saturated polyester
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JP8904092A
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Tadayuki Hosogane
忠幸 細金
Shigekatsu Seki
重勝 関
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Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 末端基が実質的にヒドロキシル基である飽和
ポリエステル樹脂の合成の際に、生成する樹脂100重
量部に対して0.0001〜2重量部の脱グリコール触
媒を用いて、末端基が実質的にヒドロキシル基である数
平均分子量5,000以上の飽和ポリエステル樹脂を製
造し、熔融状態の該飽和ポリエステル樹脂100重量部
に対して、0.5〜5重量部のテトラカルボン酸二無水
物を反応させ、数平均分子量を10,000以上とす
る。 【効果】 実用上十分な強度を有し、且つ融点が高く、
用いる触媒が非常に少ない、フィルム形成能を有する飽
和ポリエステル樹脂の合成法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用上十分な高分子量
をもった、飽和のポリエステル樹脂の製造方法に関する
ものであり、特に淡色が要求され、その上脱グリコール
触媒の使用量が極めて少ない、飽和ポリエステル樹脂の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】実用上十分な数平均分子量をもったポリ
エチレンテレフタレートを合成する際、脱グリコール反
応の触媒として、チタン、亜鉛、マンガン、鉄、鉛、ア
ンチモンなどの重金属の有機アルコキシ化合物、ならび
に有機酸の金属塩を触媒に利用することはよく知られて
いる。これらの触媒が十分な量用いられるのであれば、
短時間に必要な数平均分子量まで高めることができるか
も知れず、そうであれば問題はないが、例えば食品関係
に用いられる包装材料には、これら触媒量は極力少ない
ことが望まれている。特に人体に有害な作用の認められ
ている種類のものの使用は避けなければならないことで
ある。従って毒性の認められない金属化合物を、極力少
量用いて実用性のある高分子量の飽和ポリエステル樹脂
を合成できるならば、食品関係の包装材料用として頗る
望ましいことが期待される。
【0003】飽和ポリエステル樹脂の高分子量化のため
には、ポリエステルをジイソシアナートで結合して高分
子量にすることも考えられる。例えば従来から、末端基
がヒドロキシル基である数平均分子量2,000〜2,
500程度の飽和ポリエステル樹脂を、ポリウレタン樹
脂の原料成分とし、ジイソシアナートと反応させて、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。
【0004】しかし、既存のポリウレタンに用いられる
飽和ポリエステル樹脂は、数平均分子量2,000〜2,
500の、いわばプレポリマーであり、この低分子量の
飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、実用的な
物性を得るためには、ジイソシアナートの分子量にもよ
るが、ジイソシアナートの使用量は10重量部以上、1
5〜20重量部にも及ぶ必要がある。しかしながら、例
えば10重量部以上のジイソシアナートを熔融飽和ポリ
エステル樹脂(種類にもよるがほぼ150℃以上)に添加
すると、低分子量の飽和ポリエステル樹脂であると、高
分子量の飽和ポリエステル樹脂であるとに拘わらず、必
ずゲル化して、取扱い可能な樹脂は得られない。実際に
は、10重量部以上のジイソシアナートの添加は、溶剤
に溶解した溶液状態で行われるか、フォームあるいはR
IM成形にみられるように、一度で最終硬化樹脂を得る
かである。
【0005】またゴムの場合、ヒドロキシル基をイソシ
アナート基に転換し(ジイソシアナートを加えて)、さ
らにグリコールで数平均分子量を増大することも行われ
ているが、イソシアナートの量は前記のように10重量
部以上という多さである。このような場合、飽和ポリエ
ステル樹脂の合成に重金属系の触媒を用いると、これが
イソシアナート基の反応性を著しく促進して、保存性不
良、望ましからざる架橋(分岐)をもたらすことから、
一般にポリウレタン原料樹脂としての低分子量の飽和ポ
リエステル樹脂は、無触媒で合成されている。従って、
数平均分子量は高くても2,500位が限界である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の課題を解決し、脱グリコール触媒およびテトラ
カルボン酸二無水物を用い、実用上十分な強度を有し且
つ融点も高く、さらに使用する脱グリコール触媒量を非
常に少量とすることのできる飽和ポリエステル樹脂の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、末端基が
実質的にヒドロキシル基である数平均分子量が5,00
0以上の飽和ポリエステル樹脂に、さらにテトラカルボ
ン酸二無水物を加え、反応させることにより、ゲル化す
ることなしに飽和ポリエステル樹脂の数平均分子量を希
望の水準まで高めることの困難な点を解消し、実用上十
分な強度を有し且つ融点が高い飽和ポリエステル樹脂が
得られることを見出し、本発明を完成することができ
た。
【0008】すなわち本発明者らは脱グリコール反応の
触媒を用いて、数平均分子量5,000以上、望ましく
は10,000以上の飽和ポリエステル樹脂を合成し、
さらに熔融状態の該飽和ポリエステル樹脂100重量部
に0.5〜5重量部のテトラカルボン酸二無水物を添
加、反応させることによって、飽和ポリエステル樹脂の
(1)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が
広がること、(2)数平均分子量を1.3〜5倍に高
め、これにより触媒の活性の乏しさと、それに基づく飽
和ポリエステル樹脂の数平均分子量を希望の水準まで高
めることの困難な点の解消、(3)揮発性の低いテトラ
カルボン酸二無水物を用いることにより、イソシアナー
トを用いた場合もっとも注意しなければならない毒性も
皆無に近くなることを見出し、本発明を完成することが
できた。
【0009】本発明は、(a)末端基が実質的にヒドロ
キシル基である飽和ポリエステル樹脂の合成過程で、生
成する樹脂100重量部に対して0.0001〜2重量
部の脱グリコール触媒を用いて、末端基が実質的にヒド
ロキシル基である数平均分子量5,000以上の飽和ポ
リエステル樹脂を合成し、(b)熔融状態の該飽和ポリ
エステル樹脂100重量部に0.5〜5重量部のテトラ
カルボン酸二無水物を添加、反応させることよりなる、
数平均分子量10,000以上の飽和ポリエステル樹脂
の製造方法を提供するものである。
【0010】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (飽和ポリエステル樹脂)本発明においては、テトラカ
ルボン酸二無水物と反応させる飽和ポリエステル樹脂
は、末端基が実質的にヒドロキシル基である、数平均分
子量5,000以上、好ましくは10,000以上の飽
和ポリエステル樹脂でなければならない。これが低分子
量の飽和ポリエステル樹脂、例えば数平均分子量が2,
500程度であると、本発明で利用する0.5〜5重量
部のテトラカルボン酸二無水物を用いても、良好な物性
を有する最終樹脂を得ることができないばかりか、テト
ラカルボン酸二無水物の熔融添加にあっては、前記した
0.5〜5重量部でも、量によっては反応中にゲル化を
生ずることが認められるなどの不都合がある。したがっ
て、末端ヒドロキシル価がほぼ30以下位でなければ、
安全な反応が行えない。本発明の数平均分子量5,00
0以上の飽和ポリエステル樹脂は必然的にこのレベルま
たは以下のヒドロキシル価であり、少量のテトラカルボ
ン酸二無水物の使用で、熔融状態といった苛酷な条件下
でも、安全に高分子量飽和ポリエステル樹脂を合成する
ことができる。したがって、本発明でいう飽和ポリエス
テル樹脂は、少なくとも数平均分子量5,000当たり
1個のテトラカルボン酸二無水物の添加により生成した
エステル結合を含むことになる。
【0011】本発明により得られる数平均分子量10,
000以上、望ましくは20,000以上の飽和ポリエ
ステル樹脂は、融点が60℃以上で結晶性があれば、強
靭なフィルムとすることができ、包装材料として利用す
ることが可能である。飽和ポリエステル樹脂を合成する
ために用いられるグリコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、ブタンジオール1,4、ヘキサンジオー
ル1,6、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
【化1】
【化2】 などがあげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらグリコール類と反応して飽和ポリエステ
ル樹脂を形成する多塩基酸(またはその酸無水物)に
は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸、無水コハク酸、無水アジピン酸などが一
般に市販されており、本発明に利用することができる。
なお、少量であれば3官能以上の多価カルボン酸、多価
アルコール、多価オキシカルボン酸を共縮合成分とする
ことができる。多価カルボン酸としてはトリメリット
酸、ピロメリット酸など、多価アルコールとしてはトリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、多価
オキシカルボン酸としてはりんご酸、くえん酸、酒石酸
などがそれぞれあげられる。特に、ブタンジオール1,
4とコハク酸(融点110〜115℃)、ならびにエチ
レングリコールとコハク酸(融点約97〜105℃)の
組合せが、ポリエチレンと類似の融点を示し、本発明に
とっては、最も望ましい組合せといえる。当然のことな
がら、目的を損なわない範囲で、グリコール類、多塩基
酸(またはその酸無水物)相互の併用は可能である。本
発明の飽和ポリエステル樹脂は、末端基が実質的にヒド
ロキシル基であるが、そのためには、合成反応に使用す
るグリコール類および酸成分の割合は、グリコール類を
幾分過剰に使用する必要がある。ポリエステルを合成す
る方法は特別なものではなく、一般にエステル化に続く
脱グリコール反応により高分子量化される。
【0012】(触媒)本発明の飽和ポリエステル樹脂の
合成に使用される脱グリコール触媒は、特に制限される
ものではなく、例えばアセトアセトイル型キレート化合
物、金属アルコキシドまたは有機酸の金属塩があげられ
る。アセトアセトイル型キレート化合物、金属アルコキ
シドまたは有機酸の金属塩を形成する金属としては、
鉄、マンガン、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、
イットリウム、ランタン、セリウム、リチウム、カルシ
ウム、チタン、亜鉛などがあげられる。他の金属、例え
ばアルミニウム、ストロンチウム、バリウムも使用でき
ないことはないが、触媒作用が弱かったり、毒性といっ
た点から特に望ましいといえない。前記の金属中、鉄、
コバルト、バナジウム、ジルコニウムはアセトアセトイ
ル型キレート化合物の方が、作用、色相などの点で優れ
ており、特にバナジウムはバナジル型のアセチルアセト
ネートでなければ実用性がない。イットリウム、ランタ
ン、セリウム、リチウム、カルシウムなどは有機酸の金
属塩の形で市販されており、特にキレート化合物を利用
しなければならないことは認められていない。これらの
脱グリコール触媒の使用割合は、生成樹脂100重量部
に対して0.0001〜2重量部、望ましくは0.00
05〜1重量部、更に望ましくは0.001〜0.1重
量部である。これらの脱グリコール触媒はエステル化の
最初から加えてもよく、また脱グリコール反応の直前に
加えてもよい。脱グリコール触媒の使用割合が0.00
01重量部未満では、触媒の作用が弱くなり、目的とす
る数平均分子量を有する飽和ポリエステル樹脂を得るこ
とが困難である。一方、脱グリコール触媒の使用割合が
2重量部より多い場合は、その作用は大きく変ることが
なく、触媒残渣のみが増加して好ましくない。
【0013】(テトラカルボン酸二無水物)さらに、本
発明の構成要素である生成した数平均分子量5,000
以上、望ましくは10,000以上の末端基が実質的に
ヒドロキシル基である飽和ポリエステル樹脂に、さらに
分子量を高めるために加えられるテトラカルボン酸二無
水物としては無水ピロメリット酸、3,3′,4,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2−ビス(3′,4′−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)チオエーテル二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ホスフィン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)スルホン二無水物、あるいは脂肪
族テトラカルボン酸類、例えばブタンテトラカルボン酸
二無水物などがあげられるが、特にブタンテトラカルボ
ン酸二無水物が生成樹脂の色相、反応性などの点から好
ましい。テトラカルボン酸二無水物を数平均分子量5,
000以上で末端基が実質的にヒドロキシル基である飽
和ポリエステル樹脂と反応させることによって、飽和ポ
リエステル樹脂の鎖が延長され分子量が高められる。
【0014】これらテトラカルボン酸二無水物の添加量
は、分子量にもよるが、飽和ポリエステル樹脂100重
量部に対して0.5〜5重量部、望ましくは1〜3重量
部である。テトラカルボン酸二無水物の添加量が0.5
重量部未満では、本発明の効果が得られず、また5重量
部より多い場合は、ゲル化の危険が生じる。
【0015】テトラカルボン酸二無水物の添加は、飽和
ポリエステル樹脂が均一な熔融状態で溶剤を含まず、容
易に撹拌可能な条件下で行われることが望ましい。別
に、固形状の飽和ポリエステル樹脂に添加し、エクスト
ルーダーを通して熔融、混合することも不可能ではない
が、一般には飽和ポリエステル樹脂の製造装置内か、あ
るいは熔融状態の飽和ポリエステル樹脂(例えばニーダ
ー内での)に添加することが実用的である。
【0016】本発明による飽和ポリエステル樹脂はフィ
ルム、シートなどに成形可能で、主として包装関係に利
用されるが、使用に際して滑剤、着色剤、他ポリマー、
離型剤、フィラー、補強材などを必要に応じて使用でき
ることは勿論である。
【0017】
【実施例】次に本発明の理解を助けるために、以下に実
施例を示す。
【0018】なお、分子量測定は、GPCに依った。条
件は次の通り。 使用機種 Shodex GPC SYSTEM−11(昭和電工
社製) 溶離液 5mM CF3COONa/HFIP(ヘキサフロロイソプ
ロパノール) カラム サンプルカラム HFIP−800P HFIP−80M×2本 リファレンスカラム HPIP−800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/min 検出器 Shodex RI スタンダード PMMA(Shodex STANDARD M−7
5)
【0019】実施例1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を備え
た1lのセパラブルフラスコに、エチレングリコール2
48.7g、コハク酸407.1gを仕込み、窒素気流中1
60〜195℃でエステル化して酸価を8.9とした
後、テトライソプロピルチタネート0.027gを加
え、最終的には0.1Torrまで減圧し、210〜220
℃で7時間脱グリコール反応を行い、数平均分子量1
6,200;重量平均分子量40,100;分子量分布
(重量平均分子量/数平均分子量)2.48の飽和ポリ
エステル樹脂(A)を得た。室温まで冷却すると、白色
ワックス状となり、融点は97〜102℃、酸価は殆ん
ど0であった。
【0020】得られた飽和ポリエステル樹脂(A)30
0gを190〜200℃に加熱し、熔融させ、これを撹
拌しながら3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物6.2gを加えた。粘度は徐々に増大
したが、ゲル化は生じなかった。均一になるように30
分間撹拌した後、冷却した。得られた飽和ポリエステル
樹脂(B)は、数平均分子量23,500;重量平均分子
量98,700;分子量分布4.20であり、微黄色ワ
ックス状で融点は100〜105℃であった。
【0021】飽和ポリエステル樹脂(A)および飽和ポ
リエステル樹脂(B)から、それぞれプレス成形機を用
いて厚さ約100μmのフィルムを作製した。次に作製
した厚さ約100μmのフィルムを試験用の延伸装置を
用い、40℃で3倍の延伸を行い厚さが約30μmの1
軸延伸フィルムを作製しようとしたところ、飽和ポリエ
ステル樹脂(A)は破断され1軸延伸フィルムは形成さ
れなかったが、飽和ポリエステル樹脂(B)は透明な1
軸延伸フィルムが形成された。この透明フィルムの引張
り強さは10.8〜14.2kg/mm2の値を示し、頗る強
靭であった。
【0022】実施例2 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を備え
た1lのセパラブルフラスコに、ブタンジオール1,4
を300g、コハク酸348gを仕込み、窒素気流中1
60〜195℃でエステル化反応を行い、酸価を9.1
とした後、テトライソプロピルチタネート0.027g
を加え、最終的には0.1Torrまで減圧し、210〜2
20℃で7時間脱グリコール反応を行い、数平均分子量
14,500;重量平均分子量38,400;分子量分
布2.65の飽和ポリエステル樹脂(C)を得た。室温
まで冷却すると、白色ワックス状となり融点は110〜
113℃であった。
【0023】得られた飽和ポリエステル樹脂(C)30
0gを190〜200℃に加熱し、熔融させ、これを撹
拌しながらブタンテトラカルボン酸二無水物5gを加え
た。粘度は徐々に増大したが、ゲル化は生じなかった。
均一になるように30分間撹拌した後、冷却した。得ら
れた飽和ポリエステル樹脂(D)は、数平均分子量が2
4,800;重量平均分子量が103,600;分子量分
布が4.18であり、僅かに黄色味を帯びた白色ワック
ス状となり融点は110〜113℃であった。
【0024】飽和ポリエステル樹脂(C)および飽和ポ
リエステル樹脂(D)から、それぞれプレス成形機を用
いて厚さが約100μmのフィルムを作製した。次に作
製した厚さが約100μmのフィルムを試験用の延伸装
置を用い、40℃で3倍の延伸を行い、厚さが約30μ
mの1軸延伸フィルムを作製しようとしたところ、飽和
ポリエステル樹脂(C)は破断され、1軸延伸フィルム
は形成されなかったが、飽和ポリエステル樹脂(D)は
透明な1軸延伸フィルムが形成された。この透明フィル
ムの引張り強さは10.9〜14.7kg/mm2の値を示
し、頗る強靭であった。
【0025】実施例3 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を備え
た1lのセパラブルフラスコに、ブタンジオール1,4
を300g、コハク酸348gを仕込み、窒素気流中16
0〜195℃でエステル化して酸価を9.3とした後、
テトライソプロピルチタネート0.027gを加え、最
終的には0.1Torrまで減圧し、210〜220℃で7
時間脱グリコール反応を行い、数平均分子量16,50
0;重量平均分子量41,300;分子量分布2.50
の飽和ポリエステル樹脂(E)を得た。室温まで冷却す
ると、白色ワックス状となり融点は110〜113℃で
あった。
【0026】得られた飽和ポリエステル樹脂(E)300
gを190〜200℃に加熱し、熔融させ、これを撹拌
しながら無水ピロメリット酸4.5gを加えた。粘度は徐
々に増大したが、ゲル化は生じなかった。均一になるよ
うに30分間撹拌した後、冷却した。得られた飽和ポリ
エステル樹脂(F)は数平均分子量が26,300;重量
平均分子量が109,400;分子量分布が4.16であ
り、微黄色ワックス状で融点は110〜115℃であっ
た。
【0027】飽和ポリエステル樹脂(E)および(F)
から、それぞれプレス成形機を用いて厚さが約100μ
mのフィルムを作製した。次に、作製した厚さが約10
0μmのフィルムを試験用の延伸装置を用い、40℃で
3倍の延伸を行い厚さ約30μmの1軸延伸フィルムを
作製しようとしたところ、飽和ポリエステル樹脂(E)は
破断され、1軸延伸フィルムは形成されなかったが、飽
和ポリエステル樹脂(F)は透明な1軸延伸フィルムが形
成された。この透明フィルムの引張り強さは11.3〜
14.8kg/mm2の値を示し、頗る強靭であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、実用上十分な強度を有
し、且つ融点も高く、さらに使用する触媒量を非常に少
量とし、フィルム形成能を有する飽和ポリエステル樹脂
の製造方法が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)末端基が実質的にヒドロキシル基で
    ある飽和ポリエステル樹脂の合成過程で、生成する樹脂
    100重量部に対して0.0001〜2重量部の脱グリ
    コール触媒を用いて、末端基が実質的にヒドロキシル基
    である数平均分子量5,000以上の飽和ポリエステル
    樹脂を合成し、 (b)熔融状態の該飽和ポリエステル樹脂100重量部に
    0.5〜5重量部のテトラカルボン酸二無水物を添加、
    反応させることよりなる、数平均分子量10,000以
    上の飽和ポリエステル樹脂の製造方法。
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