JPH05239173A - 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法Info
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- JPH05239173A JPH05239173A JP4043674A JP4367492A JPH05239173A JP H05239173 A JPH05239173 A JP H05239173A JP 4043674 A JP4043674 A JP 4043674A JP 4367492 A JP4367492 A JP 4367492A JP H05239173 A JPH05239173 A JP H05239173A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (1)(イ)グリコール成分、(ロ)脂肪族
(環状脂肪族を含む)ジカルボン酸(またはその酸無水
物)成分、(ハ)3官能の多価カルボン酸(またはその
酸無水物)成分、の3成分を反応して得られる、数平均
分子量10,000以上で末端基が実質的にヒドロキシ
ル基である融点60℃以上のポリエステル(a)100
重量部に、(2)該ポリエステル(a)の融点以上の熔
融状態で、0.1〜3重量部の多価イソシアナートを反
応させる。 【効果】 優れた物性と、成形に必要な熔融粘度とを兼
ね備えた、フィルム、成形品、繊維等の各種分野に応用
可能な脂肪族ポリエステルの製造方法が提供される。
(環状脂肪族を含む)ジカルボン酸(またはその酸無水
物)成分、(ハ)3官能の多価カルボン酸(またはその
酸無水物)成分、の3成分を反応して得られる、数平均
分子量10,000以上で末端基が実質的にヒドロキシ
ル基である融点60℃以上のポリエステル(a)100
重量部に、(2)該ポリエステル(a)の融点以上の熔
融状態で、0.1〜3重量部の多価イソシアナートを反
応させる。 【効果】 優れた物性と、成形に必要な熔融粘度とを兼
ね備えた、フィルム、成形品、繊維等の各種分野に応用
可能な脂肪族ポリエステルの製造方法が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子量脂肪族ポリエ
ステルの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは
本発明は、優れた物性と、成形に必要な熔融粘度とを兼
ね備えた、フィルム、成形品、繊維等の各種分野に応用
可能な脂肪族ポリエステルの製造方法に関するものであ
る。
ステルの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは
本発明は、優れた物性と、成形に必要な熔融粘度とを兼
ね備えた、フィルム、成形品、繊維等の各種分野に応用
可能な脂肪族ポリエステルの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および課題】従来、フィルム、成形品、繊
維等の成形に用いられていた高分子量ポリエステル(こ
ゝでいう高分子量ポリエステルとは、数平均分子量が1
0,000以上を指すものとする)は、テレフタル酸
(ジメチルエステルを含む)とエチレングリコールとの
縮合体であるポリエチレンテレフタレートに限られる、
といっても過言ではなかった。テレフタル酸の替わり
に、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いてポリエス
テルを製造した例もあるが、脂肪族ジカルボン酸を使用
してポリエステルを合成し、これをフィルム、成形品、
繊維等に成形し、実用化された例は皆無といってもよ
い。実用化されていない理由としては、たとえ合成され
た脂肪族ポリエステルが結晶性であったとしても、その
融点は100℃以下のものがほとんどであるため、熔融
時の熱安定性に乏しく、また、脂肪族ポリエステルの合
成に用いられる成分、例えば、グリコール成分としてエ
チレングリコールを用いた場合は、熔融粘度が低く、と
くにフィルム形成上、インフレーション法等に用いるに
は十分満足すべき熔融粘度を有していないこと等が挙げ
られる。さらに重要な理由は、脂肪族ポリエステルの性
質、とくに引張強さで代表される性質が、ポリエチレン
テレフタレートと同一レベルの数平均分子量でも、著し
く劣った値しか示さず、実用性がまったく見出せなかっ
たからに他ならない。脂肪族ポリエステルの数平均分子
量をより上昇させて特性向上を期待する研究は、その熱
安定性の不良から十分に進展していないように思われ
る。本発明は、上記のような従来の課題を解決し、実用
上十分な高分子量を有し、成形に必要な熔融粘度と、成
形品の実用性のある強度を有する高分子量脂肪族ポリエ
ステルの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
維等の成形に用いられていた高分子量ポリエステル(こ
ゝでいう高分子量ポリエステルとは、数平均分子量が1
0,000以上を指すものとする)は、テレフタル酸
(ジメチルエステルを含む)とエチレングリコールとの
縮合体であるポリエチレンテレフタレートに限られる、
といっても過言ではなかった。テレフタル酸の替わり
に、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いてポリエス
テルを製造した例もあるが、脂肪族ジカルボン酸を使用
してポリエステルを合成し、これをフィルム、成形品、
繊維等に成形し、実用化された例は皆無といってもよ
い。実用化されていない理由としては、たとえ合成され
た脂肪族ポリエステルが結晶性であったとしても、その
融点は100℃以下のものがほとんどであるため、熔融
時の熱安定性に乏しく、また、脂肪族ポリエステルの合
成に用いられる成分、例えば、グリコール成分としてエ
チレングリコールを用いた場合は、熔融粘度が低く、と
くにフィルム形成上、インフレーション法等に用いるに
は十分満足すべき熔融粘度を有していないこと等が挙げ
られる。さらに重要な理由は、脂肪族ポリエステルの性
質、とくに引張強さで代表される性質が、ポリエチレン
テレフタレートと同一レベルの数平均分子量でも、著し
く劣った値しか示さず、実用性がまったく見出せなかっ
たからに他ならない。脂肪族ポリエステルの数平均分子
量をより上昇させて特性向上を期待する研究は、その熱
安定性の不良から十分に進展していないように思われ
る。本発明は、上記のような従来の課題を解決し、実用
上十分な高分子量を有し、成形に必要な熔融粘度と、成
形品の実用性のある強度を有する高分子量脂肪族ポリエ
ステルの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明は、(1)(イ)グリコール成分、
(ロ) 脂肪族(環状脂肪族を含む)ジカルボン酸(ま
たはその酸無水物)成分、(ハ) 3官能の多価カルボ
ン酸(またはその酸無水物)成分、の3成分を反応して
得られる、数平均分子量10,000以上で末端基が実
質的にヒドロキシル基である融点60℃以上のポリエス
テル(a)100重量部に、(2) 該ポリエステル
(a)の融点以上の熔融状態で、0.1〜3重量部の多
価イソシアナートを反応させることを特徴とする、高分
子量脂肪族ポリエステルの製造方法を提供するものであ
る。
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明は、(1)(イ)グリコール成分、
(ロ) 脂肪族(環状脂肪族を含む)ジカルボン酸(ま
たはその酸無水物)成分、(ハ) 3官能の多価カルボ
ン酸(またはその酸無水物)成分、の3成分を反応して
得られる、数平均分子量10,000以上で末端基が実
質的にヒドロキシル基である融点60℃以上のポリエス
テル(a)100重量部に、(2) 該ポリエステル
(a)の融点以上の熔融状態で、0.1〜3重量部の多
価イソシアナートを反応させることを特徴とする、高分
子量脂肪族ポリエステルの製造方法を提供するものであ
る。
【0004】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、とくにフィルム形成、或は成形品の成形に必要
な熔融粘度を高め且つ重量平均分子量と数平均分子量と
の比{MW(重量平均分子量)/MN(数平均分子量)}
を極力大きくするために、ポリエステル合成に一成分と
して3官能の多価カルボン酸(またはその酸無水物)成
分を用い、所望のグリコール成分と、脂肪族(環状脂肪
族を含む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)成分と
を反応させて得られる、少なくとも数平均分子量10,
000、望ましくは20,000以上で、末端基が実質
的にヒドロキシル基であるポリエステル100重量部
に、0.1〜3重量部、より望ましくは0.5〜2重量部
の多価イソシアナートを、該ポリエステルの融点以上の
熔融状態で添加することを特徴としている。3官能の多
価カルボン酸(またはその酸無水物)成分を適量用いる
と、ポリエステルに分岐構造を導入することが出来、多
価イソシアナートとの添加、反応と相俟って、数平均分
子量に比し、重量平均分子量を著しく増大させることが
可能となる。
発明は、とくにフィルム形成、或は成形品の成形に必要
な熔融粘度を高め且つ重量平均分子量と数平均分子量と
の比{MW(重量平均分子量)/MN(数平均分子量)}
を極力大きくするために、ポリエステル合成に一成分と
して3官能の多価カルボン酸(またはその酸無水物)成
分を用い、所望のグリコール成分と、脂肪族(環状脂肪
族を含む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)成分と
を反応させて得られる、少なくとも数平均分子量10,
000、望ましくは20,000以上で、末端基が実質
的にヒドロキシル基であるポリエステル100重量部
に、0.1〜3重量部、より望ましくは0.5〜2重量部
の多価イソシアナートを、該ポリエステルの融点以上の
熔融状態で添加することを特徴としている。3官能の多
価カルボン酸(またはその酸無水物)成分を適量用いる
と、ポリエステルに分岐構造を導入することが出来、多
価イソシアナートとの添加、反応と相俟って、数平均分
子量に比し、重量平均分子量を著しく増大させることが
可能となる。
【0005】本発明に利用可能なグリコール成分は、ポ
リエステルの融点を60℃以上にするために、エチレン
グリコール、ブタンジオール1,4、ヘキサンジオール
1,6、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが一般
的であり、とくにエチレングリコール、ブタンジオール
1,4が本発明には好適である。
リエステルの融点を60℃以上にするために、エチレン
グリコール、ブタンジオール1,4、ヘキサンジオール
1,6、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが一般
的であり、とくにエチレングリコール、ブタンジオール
1,4が本発明には好適である。
【0006】本発明に用いる脂肪族(環状脂肪族を含
む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)成分は、カル
ボキシル基間のメチレン基の数が偶数である種類が、融
点を60℃以上に保つのに有利である。それらの例とし
ては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸等が挙げられる。勿論これら相互の併
用も可能である。
む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)成分は、カル
ボキシル基間のメチレン基の数が偶数である種類が、融
点を60℃以上に保つのに有利である。それらの例とし
ては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸等が挙げられる。勿論これら相互の併
用も可能である。
【0007】グリコール成分と脂肪族(環状脂肪族を含
む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)成分の使用割
合は、末端基をヒドロキシル基とするためにはグリコー
ル成分が幾分過剰であることが望ましく、10〜15%
増しが好ましい。
む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)成分の使用割
合は、末端基をヒドロキシル基とするためにはグリコー
ル成分が幾分過剰であることが望ましく、10〜15%
増しが好ましい。
【0008】3官能の多価カルボン酸(またはその酸無
水物)成分は、例えばトリメシン酸、プロパントリカル
ボン酸等を使用することができるが、実用上からは無水
トリメリット酸が有利であり、本発明の目的には十分で
ある。その使用割合は、脂肪族(環状脂肪族を含む)ジ
カルボン酸(またはその酸無水物)成分100モル
(%)に対して、0.5モル(%)以上5モル(%)以
下である。3官能の多価カルボン酸(またはその酸無水
物)成分の使用割合が、5モル(%)を超える場合に
は、エステル化反応中にゲル化する危険性が著しく増大
する。また、0.5モル(%)未満では実際問題として併
用の効果が現れない。望ましい使用割合は1〜3モル
(%)である。3官能の多価カルボン酸(またはその酸
無水物)成分は、前記のポリエステル(a)の反応当初
から添加するのが便利であるが、エステル化反応中に加
えても良い。
水物)成分は、例えばトリメシン酸、プロパントリカル
ボン酸等を使用することができるが、実用上からは無水
トリメリット酸が有利であり、本発明の目的には十分で
ある。その使用割合は、脂肪族(環状脂肪族を含む)ジ
カルボン酸(またはその酸無水物)成分100モル
(%)に対して、0.5モル(%)以上5モル(%)以
下である。3官能の多価カルボン酸(またはその酸無水
物)成分の使用割合が、5モル(%)を超える場合に
は、エステル化反応中にゲル化する危険性が著しく増大
する。また、0.5モル(%)未満では実際問題として併
用の効果が現れない。望ましい使用割合は1〜3モル
(%)である。3官能の多価カルボン酸(またはその酸
無水物)成分は、前記のポリエステル(a)の反応当初
から添加するのが便利であるが、エステル化反応中に加
えても良い。
【0009】ポリエステルの合成は、一般に上記の成分
のエステル化および脱グリコール反応により行われる。
その条件としては、例えば、エステル化反応は、温度1
80〜230℃、5〜16時間で行うことができる。こ
の場合、酸価は、30以下が好ましい。脱グリコール反
応は、温度180〜230℃、2〜16時間、圧力1To
rr以下で行い、脱グリコール反応には、触媒として無機
並びに有機の各種金属化合物、例えば金属のアルコキサ
イド、有機酸塩、キレート、酸化物等が用いられ、好ま
しくは、触媒としてチタンの有機化合物を使用するのが
よい。その例としては、テトライソプロピルチタネー
ト、チタンオキシアセチルアセトネート等が挙げられ
る。チタンの有機化合物は、ポリエステル100重量部
に対して、金属チタン量として0.001〜0.1重量部
使用するのが好ましい。かくして得られるポリエステル
(a)の数平均分子量は、10,000以上であること
が必要である。数平均分子量が10,000未満では、
多価イソシアナートの添加量が多くなり、ゲル化の危険
性が急増する。
のエステル化および脱グリコール反応により行われる。
その条件としては、例えば、エステル化反応は、温度1
80〜230℃、5〜16時間で行うことができる。こ
の場合、酸価は、30以下が好ましい。脱グリコール反
応は、温度180〜230℃、2〜16時間、圧力1To
rr以下で行い、脱グリコール反応には、触媒として無機
並びに有機の各種金属化合物、例えば金属のアルコキサ
イド、有機酸塩、キレート、酸化物等が用いられ、好ま
しくは、触媒としてチタンの有機化合物を使用するのが
よい。その例としては、テトライソプロピルチタネー
ト、チタンオキシアセチルアセトネート等が挙げられ
る。チタンの有機化合物は、ポリエステル100重量部
に対して、金属チタン量として0.001〜0.1重量部
使用するのが好ましい。かくして得られるポリエステル
(a)の数平均分子量は、10,000以上であること
が必要である。数平均分子量が10,000未満では、
多価イソシアナートの添加量が多くなり、ゲル化の危険
性が急増する。
【0010】上記のようにして得られた数平均分子量1
0000以上、望ましくは20000以上の末端基が実
質的にヒドロキシル基であるポリエステル(a)に、さ
らに分子量を高めるために、多価イソシアナートを添加
する。使用できる多価イソシアナートは、一般に市販さ
れているものでよく、とくに制限はないが、例えば、
2,4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジ
イソシアナートと2,6−トリレンジイソシアナートと
の混合体、ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5
−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシア
ナート、水素化キシリレンジイソシアナート、ヘキサメ
チレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート
等が挙げられ、とくに、ヘキサメチレンジイソシアナー
トが、生成樹脂の色相、ポリエステル添加時の反応性等
の点から好ましい。また3官能のタイプ、例えばヘキサ
メチレンジイソシアナートの3量体またはトリフェニル
メタントリイソシアナート等が利用可能である。これら
多価イソシアナートの添加量は、得られたポリエステル
(a)の分子量にもよるが、ポリエステル100重量部
に対して0.1〜3重量部、望ましくは0.5〜2重量部
である。多価イソシアナートの添加量が0.1重量部未
満では、本発明の効果が得られず、また3重量部より多
い場合は、ゲル化の危険が生じる。添加は、ポリエステ
ルが均一な熔融状態で溶剤を含まず、容易に撹拌可能な
条件下で行われることが望ましい。別に、固形状のポリ
エステルに添加し、エクストルーダーを通して熔融、混
合することも不可能ではないが、一般には、ポリエステ
ル製造装置内か、或は熔融状態のポリエステル(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。本発
明のウレタン結合を含み、分岐構造を有する高分子量脂
肪族ポリエステルは、実用に供するに際して、その必要
に応じて補強材、フィラー、着色剤、安定剤、滑剤等を
併用出来ることは勿論である。
0000以上、望ましくは20000以上の末端基が実
質的にヒドロキシル基であるポリエステル(a)に、さ
らに分子量を高めるために、多価イソシアナートを添加
する。使用できる多価イソシアナートは、一般に市販さ
れているものでよく、とくに制限はないが、例えば、
2,4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジ
イソシアナートと2,6−トリレンジイソシアナートと
の混合体、ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5
−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシア
ナート、水素化キシリレンジイソシアナート、ヘキサメ
チレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート
等が挙げられ、とくに、ヘキサメチレンジイソシアナー
トが、生成樹脂の色相、ポリエステル添加時の反応性等
の点から好ましい。また3官能のタイプ、例えばヘキサ
メチレンジイソシアナートの3量体またはトリフェニル
メタントリイソシアナート等が利用可能である。これら
多価イソシアナートの添加量は、得られたポリエステル
(a)の分子量にもよるが、ポリエステル100重量部
に対して0.1〜3重量部、望ましくは0.5〜2重量部
である。多価イソシアナートの添加量が0.1重量部未
満では、本発明の効果が得られず、また3重量部より多
い場合は、ゲル化の危険が生じる。添加は、ポリエステ
ルが均一な熔融状態で溶剤を含まず、容易に撹拌可能な
条件下で行われることが望ましい。別に、固形状のポリ
エステルに添加し、エクストルーダーを通して熔融、混
合することも不可能ではないが、一般には、ポリエステ
ル製造装置内か、或は熔融状態のポリエステル(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。本発
明のウレタン結合を含み、分岐構造を有する高分子量脂
肪族ポリエステルは、実用に供するに際して、その必要
に応じて補強材、フィラー、着色剤、安定剤、滑剤等を
併用出来ることは勿論である。
【0011】
【実施例】次に本発明の理解を助けるために、以下に実
施例を示す。実施例 1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lセパラブルフラスコに、エチレングリコール20
5g、コハク酸354g、無水トリメリット酸9g(コ
ハク酸に対して1.5モル%)、テトライソプロピルチ
タネート0.06g(金属チタンとして100ppm)を仕
込み、窒素ガス気流中、200〜205℃でエステル化
して酸価5.9とした後、0.5〜0.6Torrの減圧化、
220℃で脱グリコール反応を3.5時間行った。得ら
れたポリエステル(I)は白色ワックス状、融点約98
℃、数平均分子量27,400、重量平均分子量75,6
00であった。ポリエステル(I)300gを205℃
に熔融し、ヘキサメチレンジイソシアナート3gを熔融
ブレンドした。粘度は急速に増大したがゲル化はしなか
った。得られた本発明の高分子量脂肪族ポリエステル
は、淡黄色ワックス状、融点97〜98℃、数平均分子
量43,900、重量平均分子量288,000でMW/
MN≒6.5となった。このことは、分子量分布が広くな
っていることを示し、フィルム成形性が良好であること
を示している。JIS−K−7210A法のメルトフロ
ー測定では、荷重0.325kgの場合ポリエステル
(I)は全量流出したが、本発明の高分子量脂肪族ポリ
エステルは、僅かに3.51g/10分が流出しただけ
であった。次に、得られた高分子量脂肪族ポリエステル
を厚さ75〜80μにプレス成形し、3倍に延伸したフ
ィルムの引張強さは、13.6kg/mm2で頗る強靱であっ
た。また生分解性も認められた。さらに、高分子量脂肪
族ポリエステルは、インフレーション成形が可能である
ことが確認された。
施例を示す。実施例 1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lセパラブルフラスコに、エチレングリコール20
5g、コハク酸354g、無水トリメリット酸9g(コ
ハク酸に対して1.5モル%)、テトライソプロピルチ
タネート0.06g(金属チタンとして100ppm)を仕
込み、窒素ガス気流中、200〜205℃でエステル化
して酸価5.9とした後、0.5〜0.6Torrの減圧化、
220℃で脱グリコール反応を3.5時間行った。得ら
れたポリエステル(I)は白色ワックス状、融点約98
℃、数平均分子量27,400、重量平均分子量75,6
00であった。ポリエステル(I)300gを205℃
に熔融し、ヘキサメチレンジイソシアナート3gを熔融
ブレンドした。粘度は急速に増大したがゲル化はしなか
った。得られた本発明の高分子量脂肪族ポリエステル
は、淡黄色ワックス状、融点97〜98℃、数平均分子
量43,900、重量平均分子量288,000でMW/
MN≒6.5となった。このことは、分子量分布が広くな
っていることを示し、フィルム成形性が良好であること
を示している。JIS−K−7210A法のメルトフロ
ー測定では、荷重0.325kgの場合ポリエステル
(I)は全量流出したが、本発明の高分子量脂肪族ポリ
エステルは、僅かに3.51g/10分が流出しただけ
であった。次に、得られた高分子量脂肪族ポリエステル
を厚さ75〜80μにプレス成形し、3倍に延伸したフ
ィルムの引張強さは、13.6kg/mm2で頗る強靱であっ
た。また生分解性も認められた。さらに、高分子量脂肪
族ポリエステルは、インフレーション成形が可能である
ことが確認された。
【0012】実施例 2 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lセパラブルフラスコに、ブタンジオール1,4を3
00g、コハク酸283g、アジピン酸88g、無水ト
リメリット酸6g(コハク酸およびアジピン酸の合計に
対して1モル%)、チタンオキシアセチルアセトネート
0.08g(Ti含有量29ppm)を仕込み、窒素ガス気
流中205〜210℃でエステル化して酸価4.7とし
た後、215〜220℃で0.5〜0.6Torrの減圧下、
3時間脱グリコール反応を行うと、数平均分子量279
00、重量平均分子量86,900のポリエステル(I
I)が、白色ワックス状、融点約86〜87℃で得られ
た。ポリエステル(II)500gを210℃に熔融し、
イソホロンジイソシアナート6gを加えた。粘度は急速
に増大したが、ゲル化はしなかった。得られた本発明の
高分子量脂肪族ポリエステルは、淡黄色ワックス状、融
点約89〜90℃、数平均分子量43,300、重量平
均分子量307,600で、MW/MN≒7.1となった。
JIS−K−7210A法、荷重2.16kgのメルトフ
ロー測定では、流出量は僅かに0.01g/10分以下
であった。さらに、この得られた高分子量脂肪族ポリエ
ステルをプレス成形して、厚さ75〜80μのフィルム
を調製し、これを3倍に一軸延伸して得られたフィルム
の引張強さは、14.7〜16.9kg/mm2を示し、頗る
強靱であった。
た1lセパラブルフラスコに、ブタンジオール1,4を3
00g、コハク酸283g、アジピン酸88g、無水ト
リメリット酸6g(コハク酸およびアジピン酸の合計に
対して1モル%)、チタンオキシアセチルアセトネート
0.08g(Ti含有量29ppm)を仕込み、窒素ガス気
流中205〜210℃でエステル化して酸価4.7とし
た後、215〜220℃で0.5〜0.6Torrの減圧下、
3時間脱グリコール反応を行うと、数平均分子量279
00、重量平均分子量86,900のポリエステル(I
I)が、白色ワックス状、融点約86〜87℃で得られ
た。ポリエステル(II)500gを210℃に熔融し、
イソホロンジイソシアナート6gを加えた。粘度は急速
に増大したが、ゲル化はしなかった。得られた本発明の
高分子量脂肪族ポリエステルは、淡黄色ワックス状、融
点約89〜90℃、数平均分子量43,300、重量平
均分子量307,600で、MW/MN≒7.1となった。
JIS−K−7210A法、荷重2.16kgのメルトフ
ロー測定では、流出量は僅かに0.01g/10分以下
であった。さらに、この得られた高分子量脂肪族ポリエ
ステルをプレス成形して、厚さ75〜80μのフィルム
を調製し、これを3倍に一軸延伸して得られたフィルム
の引張強さは、14.7〜16.9kg/mm2を示し、頗る
強靱であった。
【0013】尚、分子量測定は、GPCに依った。条件
は次の通り。 使用機種 Shodex GPC SYSTEM-11(昭和電工社
製) 溶離液 5mM CF3COONa/HFIP(ヘキサフロロ
イソプパノール) カラム サンプルカラム HFIP-800P HFIP-80M×2本 リファレンスカラム HPIP-800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/min 検出器 Shodex RI スタンダード PMMA (Shodex STANDARD M−
75)
は次の通り。 使用機種 Shodex GPC SYSTEM-11(昭和電工社
製) 溶離液 5mM CF3COONa/HFIP(ヘキサフロロ
イソプパノール) カラム サンプルカラム HFIP-800P HFIP-80M×2本 リファレンスカラム HPIP-800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/min 検出器 Shodex RI スタンダード PMMA (Shodex STANDARD M−
75)
【0014】
【発明の効果】本発明によって、優れた物性と、成形に
必要な熔融粘度とを兼ね備えた、フィルム、成形品、繊
維等の各種分野に応用可能な脂肪族ポリエステルの製造
方法が提供される
必要な熔融粘度とを兼ね備えた、フィルム、成形品、繊
維等の各種分野に応用可能な脂肪族ポリエステルの製造
方法が提供される
Claims (2)
- 【請求項1】 (1)(イ)グリコール成分、 (ロ) 脂肪族(環状脂肪族を含む)ジカルボン酸(ま
たはその酸無水物)成分、 (ハ) 3官能の多価カルボン酸(またはその酸無水
物)成分、 の3成分を反応して得られる、数平均分子量10,00
0以上で末端基が実質的にヒドロキシル基である融点6
0℃以上のポリエステル(a)100重量部に、 (2) 該ポリエステル(a)の融点以上の熔融状態
で、0.1〜3重量部の多価イソシアナートを反応させ
ることを特徴とする、高分子量脂肪族ポリエステルの製
造方法。 - 【請求項2】 3官能の多価カルボン酸(またはその酸
無水物)成分の使用割合が、使用される(ロ)脂肪族
(環状脂肪族を含む)ジカルボン酸(またはその酸無水
物)成分100モル(%)に対して、0.5モル(%)
以上5モル(%)以下である、請求項1に記載の方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4043674A JPH05239173A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 |
US08/107,776 US5436056A (en) | 1991-12-20 | 1992-12-21 | Method of producing a high molecular weight aliphatic polyester and film thereof |
PCT/JP1992/001671 WO1993013152A1 (en) | 1991-12-20 | 1992-12-21 | Process for producing high-molecular aliphatic polyester, and film |
DE69222522T DE69222522T2 (de) | 1991-12-20 | 1992-12-21 | Verfahren zur herstellung eines hochmolekularen aliphatischen polyesters und folie |
EP93900428A EP0572682B1 (en) | 1991-12-20 | 1992-12-21 | Process for producing high-molecular aliphatic polyester, and film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4043674A JPH05239173A (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05239173A true JPH05239173A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=12670391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4043674A Pending JPH05239173A (ja) | 1991-12-20 | 1992-02-28 | 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05239173A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19980082076A (ko) * | 1998-08-20 | 1998-11-25 | 김석태 | 폴리에스테르 수지 조성물 및 그 제조방법 |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP4043674A patent/JPH05239173A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19980082076A (ko) * | 1998-08-20 | 1998-11-25 | 김석태 | 폴리에스테르 수지 조성물 및 그 제조방법 |
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