JP3434622B2 - 生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法

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JP3434622B2 JP18427195A JP18427195A JP3434622B2 JP 3434622 B2 JP3434622 B2 JP 3434622B2 JP 18427195 A JP18427195 A JP 18427195A JP 18427195 A JP18427195 A JP 18427195A JP 3434622 B2 JP3434622 B2 JP 3434622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性脂肪族ポ
リエステルの製造方法に関するものであり、さらに詳し
くは本発明は、合成の際の重縮合に時間を要さず、その
上生成されたポリエステルは、実用上十分な物性を示
し、各種成形方法に適用性を示す生分解性脂肪族ポリエ
ステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業分野で使用されたプラス
チックの廃棄物が、河川、海洋、土壌を汚染する可能性
を有し、大きな社会問題になっている。この汚染防止の
ため、生分解性を有するプラスチックの出現が待望され
既に、例えば、微生物による発酵法により製造されるポ
リ(3−ヒドロキシブチレート)やブレンド系の天然高
分子である澱粉と汎用プラスチックとのブレンド物等が
知られている。しかし、前者はポリマーの熱分解温度が
融点に近いため成形加工性に劣ることや微生物が作りだ
すため、原料原単位が非常に悪い欠点を有している。ま
た、後者は天然高分子自身が熱可塑性でないため、成形
性に難があり、利用範囲に大きな制約を受けている。現
段階では、生分解性を示し且つ実用性のあるプラスチッ
クは、脂肪族ポリエステルに限られるといっても過言で
はない。
【0003】従来、本発明者らは、グリコール成分とし
て1,4−ブタンジオールやエチレングリコールを、脂
肪族ジカルボン酸成分としてコハク酸(無水コハク酸を
含む)を主成分とし、これに必要に応じてアジピン酸を
10〜20モル%併用して、生分解性のコントロールを
加味したポリエステルを合成し、このポリエステル10
0重量部に、0.5〜3重量部の多価イソシアナートを
反応させ、数平均分子量を3万以上の必要レベルにまで
高めることにより、優れた実用物性と各種成形方法が適
用可能な高分子量脂肪族ポリエステルを合成し、実用に
供してきた。
【0004】なお、生分解性のコントロール、あるいは
ポリエステルの柔軟性付与、融点のコントロール等はす
べてコハク酸に必要量の脂肪族ジカルボン酸(例えばア
ジピン酸)を併用し、共縮合タイプとすることで行われ
ていた。
【0005】他の直鎖状グリコールの併用により共縮合
化が実用化されなかった理由の一つは、コスト的に有利
でなかった他、得られた共縮合ポリエステルの物性にと
くに有利な点が認められなかったからに他ならない。
【0006】また、バイオポリエステル(バクテリア生
産のポリエステル)のように、アルキル基を有するヒド
ロキシカルボン酸のポリエステルは別として、グリコー
ル成分にアルキル基が存在することは、生分解性を不利
な方向にもたらす傾向があり、並びにアルキル基を有す
るグリコール成分とコハク酸とから得られたポリエステ
ルの融点は甚だ低く、0℃近くまたはそれ以下であるこ
とから、アルキル基を有するグリコール成分が利用され
ることは無かったといっても過言ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルキル基
を有するグリコール成分を用い、1,4−ブタンジオー
ルとコハク酸とから主になる脂肪族ポリエステルを改良
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1,4−
ブタンジオールとコハク酸とから主になる脂肪族ポリエ
ステルを、アルキル基を有するグリコール成分の併用に
より改良することを目的として鋭意検討した結果、その
使用量によっては次に列記するような予想しなかった効
果が発現することを見いだし、本発明を完成することが
できた。
【0009】(1)重縮合反応の時間が著しく短縮され
る。 理由は必ずしも明らかではないが、同一分子量(数平
均)に達する時間はほぼ1/2〜1/3になる。これに
より製造コストが低減される。 (2)最終到達分子量が大きい。 例えば1,4−ブタンジオールとコハク酸とからなる脂
肪族ポリエステルに比較して、アルキル基を有するグリ
コール成分を用いた場合は、同一反応条件で、ほぼ30
〜50%の分子量アップとなり、用途によっては多価イ
ソシアナートの添加を必要としない場合も生ずる。分子
量が増大することにより、得られる脂肪族ポリエステル
の物理的強度が高まる。 (3)成形品の透明度が拡大する。 後述するように、融点、結晶化温度を大幅に下げること
なく、成形品、例えばフィルムの透明度を向上させるこ
とができる。これは透明感を有する成形品を所望する場
合に有利な性質となる。 (4)生分解性が良好である。 前記のように、アルキル基を有するグリコール成分を用
いると、生分解性が悪化する傾向のあることは先に述べ
たが、本発明における適切な条件下では生分解性は逆に
高まる。このことは従来からの常識を覆す驚くべき事実
である。
【0010】上記のような予期されない顕著な効果は、
次のような本発明の構成により達成される。すなわち本
発明は、
【0011】[A]下記一般式(1)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、RはCH3またはC25を表す)
【0014】で示されるα−グリコールが1〜30モル
%、および残部が実質的に1,4−ブタンジオールであ
るグリコール成分と、 [B]コハク酸(またはその無水物)70〜100モル
%、およびアジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸および
ドデカン二酸からなる群から選ばれた少なくとも1種0
〜30モル%からなる脂肪族ジカルボン酸(またはその
無水物)成分と、を重縮合する、数平均分子量30,0
00以上且つ融点70℃以上の生分解性脂肪族ポリエス
テルの製造方法であって、得られる脂肪族ポリエステル
の融点以上の温度で、多価イソシアナートが添加される
ことを特徴とする前記製造方法を提供するものである。
【0015】
【0016】さらに本発明は、多価イソシアナートが、
脂肪族ポリエステル100重量部に対し、0.1〜3重
量部の割合で用いられる、前記の製造方法を提供するも
のである。
【0017】さらにまた本発明は、3官能以上の多価ア
ルコール、3官能以上の多価カルボン酸(またはその無
水物)および3官能以上のオキシカルボン酸からなる群
から選ばれた少なくとも1種の多官能成分を併用し、得
られる脂肪族ポリエステルに分枝構造を導入する、前記
の製造方法を提供するものである。
【0018】また本発明は、多官能成分が、脂肪族ジカ
ルボン酸(またはその無水物)成分全体100モル%に
対し、0.1〜5モル%の割合で用いられる、前記の製
造方法を提供するものである。
【0019】さらに本発明は、α−グリコールが1,2
−ブタンジオールであり、その使用量が1〜20モル%
である、前記の製造方法を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。 (グリコール成分)本発明におけるグリコール成分は、
1,4−ブタンジオールを主成分とするものであるが、
グリコール成分の一部は、上記一般式(1)で示される
α−グリコールであることが必要である。α−グリコー
ルの具体例としては、プロピレングリコール、1,2−
ブタンジオールが挙げられる。α−グリコールはグリコ
ール成分中1〜30モル%、好ましくは5〜20モル%
の範囲内で使用することができる。なお、α−グリコー
ルが1,2−ブタンジオールである場合は、1〜20モ
ル%の範囲が好ましい。α−グリコールの使用量が下限
値未満では、実質上添加した効果が発現せず、逆に上限
値を超えて添加すると、融点の急激な低下という点で不
利である。
【0021】(脂肪族ジカルボン酸(またはその無水
物)成分)本発明における脂肪族ジカルボン酸(または
その無水物)成分は、コハク酸(またはその無水物)で
あるが、得られる脂肪族ポリエステルの融点が70℃を
下回らない範囲で他の脂肪族ジカルボン酸を併用するこ
とができる。その例としては、アジピン酸、ピメリン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。この併
用される脂肪族ジカルボン酸の使用割合は、α−グリコ
ールの使用量により異なるものであるが、一般的に脂肪
族ジカルボン酸成分全体に対し、1〜30モル%、好ま
しくは2〜10モル%程度である。コハク酸は、脂肪族
ジカルボン酸(またはその無水物)成分中、70〜99
モル%、好ましくは90〜98モル%用いることがで
き、脂肪族ジカルボン酸(またはその無水物)成分中、
全体がコハク酸単独、すなわち100モル%がコハク酸
であってもよい。コハク酸に他の脂肪族ジカルボン酸を
併用するのは、脂肪族ポリエステルの生分解性の向上が
主な目的であるが、他には脂肪族ポリエステルに柔軟性
を付与し、脂肪族ポリエステルの融点と生分解性をコン
トロールするためである。他の脂肪族ジカルボン酸の添
加量が脂肪族ジカルボン酸(またはその無水物)成分全
体に対し、30モル%を超える場合は、融点が低下して
成形性が悪化し、生分解性のコントロールがバランスの
とれたものとならない。
【0022】グリコール成分と、脂肪族ジカルボン酸
(またはその無水物)成分との使用割合は任意であり、
とくに制限されない。
【0023】(多官能成分)本発明においては、重縮合
反応の際に目的を損なわない範囲内の3官能以上の多価
アルコール、3官能以上の多価カルボン酸(またはその
無水物)および3官能以上のオキシカルボン酸からなる
群から選ばれた少なくとも1種の多官能成分を併用すれ
ば、例えば分枝が導入されてその分子量分布が広がり、
その結果性質の多様化が図れ好ましい。
【0024】3官能以上の多価アルコールの例として
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリット、トリアリルイソシアヌレートエチレンオキシ
ド付加物などが挙げられる。また、脱水した形のモノエ
ポキシ化合物であるグリシドールも使用し得る。
【0025】3官能以上のオキシカルボン酸としては、
市販品がいずれも利用可能ではあるが、低コストで入手
できるといった点からは、リンゴ酸、酒石酸並びにクエ
ン酸が好適である。
【0026】3官能以上の多価カルボン酸(またはその
無水物)の例としては、トリメシン酸、プロパントリカ
ルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタ
テトラカルボン酸無水物などが挙げられる。とくに無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸が好適である。
【0027】上記の多官能成分は、必要に応じて混合し
て用いることができる。多官能成分の使用量は、脂肪族
ジカルボン酸(またはその無水物)成分全体100モル
%に対して、合計0.1〜5モル%であり、重縮合反応
の当初から加えることができる。多官能成分の使用量が
0.1モル%未満では、添加する意味が乏しく、5モル
%より多い場合は、反応中でのゲル化の危険性が増大す
る。
【0028】本発明においては、得られる脂肪族ポリエ
ステルの数平均分子量が30,000以上且つ融点を7
0℃以上とすることが必要であるが、そのためには、上
記に示した各原料を重縮合し、続いて脱グリコール反応
を行うことにより達成することができる。なお、脂肪族
ポリエステルの数平均分子量が30,000未満且つ融
点が70℃未満の場合は、実用上所望される物性が得難
い。
【0029】なお、本明細書において、数平均および重
量平均分子量は、以下の条件のGPCにより測定した値
である。 GPC測定条件 Shodex GPC SYSTEM−11(昭和電工社製) 溶離液 CF3COONa 5m mol/ヘキサフ
ルオロイソプロピルアルコール(HFIP)(1リット
ル) カラム サンプルカラム HFIP−800P HFIP−80M×2本 リファレンスカラム HFIP−800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/分 検出器 Shodex RI STD: PMMA(Shodex STANDARD M−7
5)
【0030】重縮合反応は、160〜230℃、5〜1
2時間、好ましくは不活性ガス雰囲気下で実施すること
ができる。この温度より低温では反応速度が遅く実用性
に乏しい。またこの温度より高温では分解の危険性が高
くなり避けたほうがよい。重縮合反応は、脂肪族ポリエ
ステルの酸価が30以下、好ましくは15以下、さらに
好適には10以下に達するまで実施される。この場合、
分子量が大きい程脱グリコール反応による分子量増大が
円滑に行えるので、高分子量のものが望ましい。
【0031】脱グリコール反応は、5Torr以下の減圧
下、170〜230℃で2〜12時間実施される。より
好適には、1Torr以下の高真空下、180〜210℃で
実施することが、反応速度および分解防止の点から望ま
しい。得られる脂肪族ポリエステルは、末端基が実質的
にヒドロキシル基であり、酸価はゼロとなる。
【0032】脱グリコール反応の際は、触媒を併用する
必要がある。それらの例には、チタン、錫、アンチモ
ン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガ
ン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよ
びストロンチウムからなる群から選ばれた、少なくとも
一種の金属の有機または無機の金属化合物があげられ、
使用量としては、生成する脂肪族ポリエステル100重
量部に対し、0.001〜0.5重量部である。金属化合
物触媒の使用量が0.001重量部未満では、脱グリコ
ール反応が遅くなって実用的ではなくなり、0.5重量
部より多く用いても逆に分解反応を強める結果となり好
ましくない。望ましい使用量は、金属の種類によっても
異なるが、0.005〜0.2重量部である。金属化合物
触媒としては、例えば金属のアルコキサイド、有機酸
塩、キレート、酸化物等が用いられ、とくにチタンの有
機化合物例えばチタン酸アルキルエステル、チタンオキ
シアセチルアセトネート、シュウ酸チタンなどの化合物
が有用である。いわゆる生分解性ポリエステルは土中ま
たは水中で微生物崩壊を受けるが、金属触媒または金属
は土中に残留するとみられるので、安全なタイプでなけ
ればならない。そのような観点からすれば、望ましい金
属としては、チタン、ゲルマニウム、亜鉛、マグネシウ
ム、カルシウムなどがあげられる。
【0033】さらに本発明は、得られた数平均分子量3
0,000以上且つ融点70℃以上の熔融状態の脂肪族
ポリエステル100重量部に、多価イソシアナート0.
1〜3重量部を、該ポリエステルの融点以上の温度で添
加し反応させ、分子量をさらに高めることもできる。こ
のことにより生成する少量のウレタン結合を含む脂肪族
ポリエステルは、実用上十分な物性および所望の生分解
性を示し、インフレーション、ブロー成形、射出成形な
どの従来の成形法で所望の成形品を得ることができる。
【0034】用いられる多価イソシアナートは、例え
ば、1分子中にイソシアナート基を2個以上有するタイ
プで、成形品の着色を避ける意味から脂肪族または環状
脂肪族のタイプが望ましい。それらの例としては、ヘキ
サメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナ
ート、水素化キシリレンジイソシアナート、水素化ジフ
ェニルメタンジイソシアナート、並びに多価イソシアナ
ートと多価アルコールとの付加物で、イソシアナート基
を1分子中に2個以上有する化合物、さらにはこれらの
3量体等が挙げられる。
【0035】多価イソシアナートの添加量は、上記のよ
うに、脂肪族ポリエステル100重量部に対し、多価イ
ソシアナート0.1〜3重量部である。0.1重量部未満
では多価イソシアナート利用の効果に乏しく、3重量部
を超えて用いてもゲル化の危険性が増大するのみで増量
の意味がない。より望ましくは0.3〜1重量部であ
る。
【0036】本発明により得られた生分解性脂肪族ポリ
エステルは、その実用化に当たって、所望の添加剤、例
えば無機あるいは有機のフィラー、補強材、着色剤、滑
剤、安定剤などを必要に応じて併用できることは勿論で
ある。
【0037】上記のようにして得られた本発明における
脂肪族ポリエステルは、生分解性を有し、既存のポリオ
レフィン用の成形機を用いてフィルム、ブロー成形品、
射出成形品、発泡成形品等に加工することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、1,4−ブタン
ジオール243g、プロピレングリコール40g、コハク
酸354gを仕込み、窒素ガス気流下210〜215℃
に重縮合して酸価9.6、数平均分子量8,600とした
後、テトライソプロポキシチタン0.3gを加え、0.5
〜1.0Torrの減圧下、220℃で規定時間、脱グリコ
ール反応を行った。融点103.5℃、白色ワックス状
の脂肪族ポリエステル(A)が得られた。
【0039】比較例 1 実施例1と同様の装置に、1,4−ブタンジオール29
5gおよびコハク酸354gを仕込み、実施例1と同様に
重縮合反応を行い、酸価10.1、数平均分子量8,10
0とした後、テトライソプロポキシチタン0.3gを加
え、0.5〜1.0Torrの減圧下、220℃で規定時間脱
グリコール反応を行い、融点115℃、白色ワックス状
の脂肪族ポリエステル(B)が得られた。
【0040】上記実施例1および比較例1で得られた脂
肪族ポリエステルの数平均分子量の推移を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記の脱グリコール反応4時間後の時点の
それぞれの脂肪族ポリエステルを200gずつ秤取し、
200℃で熔融撹拌しながらヘキサメチレンジイソシア
ナート2.4gを加えた。粘度は急速に増大したがゲル化
はしなかった。脂肪族ポリエステル(A)の場合、ジイ
ソシアナートを反応させることにより数平均分子量4
5,800、重量平均分子量197,000となった。こ
れを脂肪族ポリエステル(A)−Iとする。また脂肪族
ポリエステル(B)の場合、ジイソシアナートを反応さ
せることにより数平均分子量40,500、重量平均分
子量139.000となった。これを脂肪族ポリエステ
ル(B)−Iとする。
【0043】脂肪族ポリエステル(A)−Iおよび
(B)−Iをそれぞれ180℃でプレス成形し、60℃
で3倍に一軸延伸して得られた厚さ約50μmのフィル
ムは、(A)−Iはほとんど完全に透明でその引張強度
は11.6kg/mm2であった。一方、(B)−Iのフィル
ムはやや白濁しており、透明感に欠けるものであった。
引張強度は11.9kg/mm2であった。
【0044】実施例 2(参考例) 脱グリコール反応を8時間行ったこと以外は、実施例1
を繰り返した。得られた脂肪族ポリエステル(C)は、
数平均分子量46,000、重量平均分子量176,00
0、融点は104℃、白色ワックス状結晶であった。脂
肪族ポリエステル(C)を実施例1と同様に3倍に一軸
延伸して得た厚さ約50μmのフィルムは透明で、その
引張強度は9.9kg/mmであった。
【0045】実施例 3 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、1,4−ブタン
ジオール230g、1,2−ブタンジオール54g、グリ
セリン2g、コハク酸354gを仕込み、窒素ガス気流下
210〜215℃に重縮合して酸価8.7とした後、テ
トライソプロポキシチタン0.1gを加え、220℃で
最終的には0.4Torrの減圧下、2時間脱グリコール反
応を行った。融点93℃、白色ワックス状、数平均分子
量34,000、重量平均分子量95,000の脂肪族ポ
リエステル(D)が得られた。この脂肪族ポリエステル
(D)200gを200℃に熔融し、ヘキサメチレンジ
イソシアナート2.4gを加えた。粘度は急速に増大した
がゲル化はしなかった。得られた脂肪族ポリエステル
(D)−Iの数平均分子量は56,000、重量平均分
子量は248,500であった。脂肪族ポリエステル
(D)−Iを実施例1と同様に3倍に一軸延伸して得ら
れた約50μmのフィルムは透明で、その引張強度は1
1.2kg/mm2であった。
【0046】実施例 4 川砂90重量%および油粕10重量%をよく混合し、十
分に水を供給し、温度を25〜30℃に制御したもの
に、上記実施例および比較例で得られた脂肪族ポリエス
テル(A)−I、(B)−I、(C)および(D)−I
から製造された各フィルムを埋設して約1カ月〜3カ月
間放置した後これらを取り出し、生分解性を評価した。
なお、埋設後10日毎に土壌を切り返した。結果を表2
に示す。表2から、α−グリコールを用いないで合成し
た脂肪族ポリエステル(B)−Iよりも、メチル基の存
在する(A)−Iおよび(C)、エチル基の存在する
(D)−Iのほうが、生分解性が良好であった。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、重縮合反応の時間が著
しく短縮され、これにより製造コストが低減され;最終
到達分子量が大きく、得られる脂肪族ポリエステルの物
理的強度が高まり;成形品の透明度が拡大し;さらに生
分解性が良好である脂肪族ポリエステルの製造方法が提
供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石岡 領治 東京都港区芝大門1丁目13番9号 昭和 電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−271656(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]下記一般式(1) 【化1】 (式中、RはCHまたはCを表す)で示される
    α−グリコールが1〜30モル%、および残部が実質的
    に1,4−ブタンジオールであるグリコール成分と、 [B]コハク酸(またはその無水物)70〜100モル
    %、およびアジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸および
    ドデカン二酸からなる群から選ばれた少なくとも1種0
    〜30モル%からなる脂肪族ジカルボン酸(またはその
    無水物)成分と、を重縮合する、数平均分子量30,0
    00以上且つ融点70℃以上の生分解性脂肪族ポリエス
    テルの製造方法であって、得られる脂肪族ポリエステル
    の融点以上の温度で、多価イソシアナートが添加される
    ことを特徴とする前記製造方法。
  2. 【請求項2】 多価イソシアナートが、脂肪族ポリエス
    テル100重量部に対し、0.1〜3重量部の割合で用
    いられる、請求項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 3官能以上の多価アルコール、3官能以
    上の多価カルボン酸(またはその無水物)および3官能
    以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれた少なく
    とも1種の多官能成分を併用し、得られる脂肪族ポリエ
    ステルに分枝構造を導入する、請求項1または2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 多官能成分が、脂肪族ジカルボン酸(ま
    たはその無水物)成分全体100モル%に対し、0.1
    〜5モル%の割合で用いられる、請求項に記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 α−グリコールが1,2−ブタンジオー
    ルであり、その使用量が1〜20モル%である、請求項
    1に記載の製造方法。
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