JP2713108B2 - 熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法Info
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Description
熱安定性を改良する方法に関し、さらに詳しくは、成形
品、フィルム、繊維といった従来ポリマーが用いられて
いた各分野に有用な、熱安定性にすぐれた生分解性脂肪
族ポリエステルの製造方法に関する。
から、プラスチック原料として実用化がはかられてい
る。しかし、従来からの知見では、脂肪族ポリエステル
は熱安定性に乏しく、熱分解し易いため合成時にも分子
量が実用的物性を示す迄上昇せず、またフィルム、ブロ
ー成形による成形品、繊維など、成形に必要な高温に一
定時間保持する必要性のあるケースでは熱分解し易く、
熔融粘度が時間と共に変ることは、実用上致命的ともい
える欠点である。
分子量の増大をはかるために、脂肪族ポリエステルの分
子量を所望の大きさとした後、多価イソシアナートとポ
リエステル末端のヒドロキシル基とを反応させることで
所期の成果を得ることができることを見出したが、同時
にその手法は脂肪族ポリエステルの熱安定性の向上にも
頗る有用なものであったことが判明した。しかし、脂肪
族ポリエステルの用途によっては、例えば射出成形によ
る成形品の製造、またはファイバーの製造などでポリエ
ステルの熔融粘度が低いことが求められる場合もある
が、その時でも熱安定性はすぐれていることが要求され
る。
粘度の高低に拘らず熱時の安定性を改良する方法につい
て種々検討した結果、脂肪族ポリエステルの末端基がヒ
ドロキシル基であっても、カルボキシル基であってもそ
れらが存在する限り、脂肪族ポリエステルの熱安定性は
望むことができず、特にカルボキシル基の残存は熱安定
性に著しい悪影響を及ぼすことを見出した。
ルムなどの成形品の透明性を低下させず、フィルムなど
の成形品の表面に粉末が析出することのない、熱安定性
にすぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法を提
供するにある。
リエステルの熱安定性を実用上満足できる段階に迄高め
るために種々検討した結果、末端基が実質的にヒドロキ
シル基である脂肪族ポリエステルを合成した後、この脂
肪族ポリエステルに、さらにモノイソシアナートを反応
させることによってヒドロキシル基をウレタン結合に変
換することで目的を達成できることを知り、本発明を完
成することができた。
(i)
リコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールか
らなる群から選ばれた少なくとも1種のグリコール成分
と(2)一般式(ii)
カルボン酸またはその酸無水物からなる群から選ばれた
少なくとも1種の酸成分とを反応させて得られる、重量
平均分子量が20,000以上で融点が70℃以上の脂
肪族ポリエステル100重量部に対して、〔B〕0.5
〜10重量部のモノイソシアナート化合物を反応させ、
次いで〔C〕反応生成物より低分子量のオリゴマーを除
去することを特徴とする熱安定性にすぐれた生分解性脂
肪族ポリエステルの製造方法に関する。
(1)グリコール成分と(2)酸成分との反応の際に、
3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボ
ン酸またはその酸無水物および3官能以上のオキシカル
ボン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の多官能
化合物を併用することを特徴とする、前記の熱安定性に
すぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法に関す
る。
に、熱解離性を示すことから、脂肪族ポリエステルの熱
安定性の改良には疑問が持たれたが、実際には熱安定性
の改良には頗る有効であることを見出した点に本発明の
特長がある。
を土中または水中に放置した場合に、微生物の作用で脂
肪族ポリエステルが分解、消失する性質を意味する。そ
のような生分解性は、合成ポリマー中では脂肪族ポリエ
ステルのみが有していることはよく知られているが、実
用上の見地からは融点が成形品を製造するに十分でなけ
ればならず、一般には70℃以上が求められている。
発明の方法に用いられる脂肪族ポリエステルは、原料と
して、〔A〕(1)一般式(i)
リコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールか
らなる群から選ばれた少なくとも1種のグリコール成分
と(2)一般式(ii)
カルボン酸またはその酸無水物からなる群から選ばれた
少なくとも1種の酸成分を用い、これら各成分をエステ
ル化し、続いて金属化合物触媒の存在下、脱グリコール
反応することにより合成される。
が2〜10の間の偶数のものであり、具体的にはエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−
デカンジオールがあげられる。
一般式(i)で示されるグリコールと1,4−シクロヘ
キサンジメタノールからなる群から選ばれた少なくとも
1種が使用される。これらのグリコール成分は、高融点
でかつフィルム形成性の脂肪族ポリエステルを合成でき
るため好ましい。前記グリコール成分のなかで、入手が
容易で低価格であり、しかも生成脂肪族ポリエステルの
融点が高い、といった点からはエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,4−シクロイキサンジメ
タノールが最適である。
テルを合成するために使用される酸成分は、一般式(i
i)で示されるジカルボン酸またはその酸無水物からな
る群から選ばれた少なくとも1種が用いられる。一般式
(ii)で示されるジカルボン酸またはその酸無水物は、
nが2〜10の間の偶数のものであり、これを使用する
ことによって高融点で、しかもフィルム形成能を有する
脂肪族ポリエステルを合成することができる。一般式
(ii)で示されるジカルボン酸またはその酸無水物とし
ては、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸があげられる。これらの
なかで脂肪族ポリエステルの融点を高める点からはコハ
ク酸の使用が望ましく、他の酸成分はコハク酸に併用し
て物性改良用として用いることが好ましい。
成分1モルに対し、グリコール成分1.05〜1.2モ
ル%位が好適である。
分との反応の際に、3官能以上の多価アルコール、3官
能以上の多価カルボン酸またはその無水物および3官能
以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれた少なく
とも1種の多官能化合物を併用することにより、例えば
分岐が導入されてポリエステルの分子量分布を拡大し、
成形品を成形する際に必要とされる熔融粘度を調節する
ことが可能となる。
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリット、トリアリルイソシアヌレートエチレンオキシ
ド付加物などがあげられる。また、脱水した形のモノエ
ポキシ化合物であるグリシドールも使用し得る。さら
に、ジエポキシ化合物も使用できる。
市販品がいずれも利用可能ではあるが、低コストで入手
できるといった点からは、リンゴ酸、酒石酸並びにクエ
ン酸が好適である。
水物の例としては、トリメシン酸、プロパントリカルボ
ン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテト
ラカルボン酸無水物などがあげられる。特に無水トリメ
リット酸、無水ピロメリット酸が好適である。
じて混合して用いることができる。多官能化合物の使用
量は、脂肪族ジカルボン酸またはその無水物成分全体1
00モル%に対して、合計0.1〜5モル%であり、エ
ステル化の当初から加えることが一般的であるが、エポ
キシ化合物のように反応末期に加えることのできるタイ
プもある。本発明においては、脱グリコール反応を行
い、脂肪族ポリエステルの重量平均分子量を20,00
0以上とする必要があるが、そのためには脱グリコール
反応の触媒を併用する必要がある。それらの例には、チ
タン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜
鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシ
ウム、カルシウムおよびストロンチウムからなる群から
選ばれた、少なくとも1種の金属の有機または無機の金
属化合物があげられ、使用量としては、生成する脂肪族
ポリエステル100重量部に対し、0.001〜0.5
重量部である。金属化合物触媒の使用量が0.001重
量部未満では、脱グリコール反応が遅くなって実用的で
はなくなり、0.5重量部より多く用いても逆に分解反
応を強める結果となり好ましくない。望ましい使用量
は、金属の種類によっても異なるが、0.005〜0.
2重量部である。金属化合物触媒としては、例えば金属
のアルコキサイド、有機酸塩、キレート、酸化物などが
用いられ、特にチタンの有機化合物、例えばチタン酸ア
ルキルエステル、チタンオキシアセチルアセトネート、
シュウ酸チタンなどの化合物が有用である。いわゆる生
分解性ポリエステルは土中で微生物崩壊を受けるが、金
属触媒または金属は土中に残留するとみられるので、安
全なタイプでなければならない。そのような観点からす
れば、望ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、
亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどがあげられる。
〜16時間、好ましくは不活性ガス雰囲気下で実施する
ことができる。この温度より低温では反応速度が遅く実
用性に乏しい。またこの温度より高温では分解の危険性
が高くなり避けた方がよい。従って180〜220℃の
間の温度で第1段のエステル化反応を実施することが好
ましい。エステル化反応は、脂肪族ポリエステルの酸価
が30以下、好ましくは15以下、さらに好適には10
以下に達するまで実施される。この場合、分子量が大き
い程脱グリコール反応による分子量増大が円滑に行える
ので、高分子量のものが望ましい。脱グリコール反応
は、5Torr以下の減圧下、170〜230℃で2〜16
時間実施される。より好適には、1Torr以下の高真空
下、180〜220℃で実施することが、反応速度およ
び分解防止の点から望ましい。得られるポリエステル
は、末端基が実質的にヒドロキシル基であり、酸価は実
質上ゼロとなる。
重量平均分子量が20,000以上で、融点が70℃以
上であることが必要である。重量平均分子量が20,0
00未満の場合は、必要とする物性を有する成形品を得
ることができない。また、脂肪族ポリエステルの融点が
70℃未満では、ポリエチレンなどのポリオレフィンの
成形機を使用して成形品の製造が困難となる。本発明で
分子量を重量平均とした理由は、それが成形性、熔融粘
度に支配的であるからに他ならない。
が20,000以上で、かつ融点が70℃以上の脂肪族
ポリエステルに、モノイソシアナートを反応させる。
び脂肪族のモノイソシアナート、例えばフェニルイソシ
アナート、ベンジルイソシアナート、などが使用可能で
あるが、一般に市販されているジイソシアナートよりの
合成もでき、この方法が実用的である。市販のジイソシ
アナートからモノイソシアナートを合成する方法として
は、例えばイソホロンジイソシアナート、2,4−トリ
レンジイソシアナートのような2個のイソシアナート基
の反応性の異なるジイソシアナートに、例えば低級アル
コールを一方のイソシアナート基と等モル反応させるこ
とにより行われる。勿論、他のジイソシアナート類、例
えばヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイ
ソシアナートなども利用可能である。
応により得られるウレタン結合は、熱解離温度が200
℃以上と高く、本発明による脱グリコール反応終了時の
温度210〜220℃でも解離を起こさず、分子量の増
大によるゲル化の危険性がない。
シアナートの分子量によっても異なるが生成ポリエステ
ル100重量部に対して、0.5〜10重量部である。
モノイソシアナートの使用量が0.5重量部未満では、
目的とする安定化効果が得難く、10重量部より多く添
加しても効果のより一層の増大は望めない。
の反応は、脂肪族ポリエステルの融点以上の熔融状態で
行うことが好ましい。
上の尺度は、環状オリゴマーの減少として把えることが
できる。例えば、脂肪族と芳香族とを問わず、重縮合に
より合成されたポリエステルは、高分子量領域と共に、
必ず1〜5重量%の、数平均分子量が2,000以下の
環状オリゴマーを含むことが知られている(Journal of
polymer sience;polymerchemistry, Vol. 17, 2103〜21
18 (1979))。
低下(例えば耐薬品性、耐水性)もさることながら、フ
ィルムなどの成形品の透明性の減少、表面に粉末が析出
物となって現われ、商品価値を著しく損なう、などの欠
点の原因となる。
モノイソシアナートを必要量反応させた後、脂肪族ポリ
エステル中に含まれる環状オリゴマーを除去して環状オ
リゴマーの含有量を1%未満とし、前記欠点を生じない
範囲に迄減少させることよりなるものである。モノイソ
シアナートによる安定化がはかられなければ、環状オリ
ゴマーを除去しても脂肪族ポリエステルから環状オリゴ
マーが再生されるので意味がない。
ゴマーの除去方法には特に制限はなく、例えば減圧下に
溜去する方法や抽出によって除去する方法などが採用さ
れる。減圧条件や抽出条件などは適宜選択される。
に際して無機や有機のフィラー、補強材、ワックス類、
安定剤、ポリマー、着色剤などを必要に応じて併用でき
ることは勿論である。
実施例を示す。なお、融点はDSC(示差走査熱量計)
法によって測定した。また、分子量の測定は、次のGP
Cにより次の条件で行った。 Shodex GPC SYSTEM-11 溶離液 CF3 COONa 5mmol/HFIP(ヘキサフロロイ
ソプロパノール、1l) カラム サンプルカラム HFIP-800P HFIP-80M ×2本 リファレンスカラム HFIP-800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/min 検出器 Shodex RI STD PMMA (Shodex STANDA
RD M−75)
た1lのセパラブルフラスコに、1,4−ブタンジオー
ル198g、コハク酸236gを仕込み、窒素ガス気流
中、195〜205℃にてエステル化を行い、酸価7.
4とした後、テトライソプロピルチタネート0.05g
加え、温度215〜220℃で最終的には0.5Tor
rの減圧下、8時間脱グリコール反応を行った。数平均
分子量18,600、重量平均分子量50,400、白
色の硬いワックス状で融点が116℃のポリエステル
(a)が得られた。このポリエステル(a)には、GP
C測定によると、数平均分子量が2,000以下の環状
オリゴマーが3.1%含有されていることが確認され
た。
にイソホロンジイソシアナート222gとエタノール4
6gとの付加物であるモノイソシアナートを11g加
え、窒素気流下、同温度で30分間反応させた。イソシ
アナートの吸収が赤外分析により消失したことを確認し
た後、温度200〜210℃で最終的には0.5Torrの
減圧下でオリゴマーの溜去を行った。その結果残存オリ
ゴマーは60分で1.2%、120分で0.8%となっ
たことが確認された。末端処理された環状オリゴマーの
含有量が0.8%のポリエステル(A)は、アイボリー
色を帯びた白色結晶で、融点が約118℃、数平均分子
量が20,300、重量平均分子量が52,000であ
った。
を各々プレス成形して、厚さ約100〜110μのフィ
ルムを成形し、室温に放置したところ、ポリエステル
(a)よりのフィルムは3日後には全面白濁し、かつフ
ィルム表面には粉末状の析出物が認められた。一方、ポ
リエステル(A)より得られたフィルムは、15日間放
置後も透明性を失わず、フィルム表面に環状オリゴマー
の析出は認められなかった。
た1lのセパラブルフラスコに、1,4−ブタンジオー
ルを195g、無水コハク酸200g、トリメチロール
プロパン2.6gを仕込み、195〜205℃、窒素ガ
ス気流中でエステル化して酸価9.1とした後、テトラ
イソプロピルチタネート0.05gを添加し、温度21
5〜220℃で最終的には0.5Torrの減圧下に7時間
脱グリコール反応を行った。得られたポリエステル
(b)は、白色ワックス状であり、融点が116℃、数
平均分子量が22,600、重量平均分子量が99,0
00であった。GPC分析の結果、数平均分子量が2,
000以下の環状オリゴマーの含有率は3.9%であっ
た。
熔融し、これにヘキサメチレンジイソシアナート168
gとメタノール32gとの反応生成物であるモノイソシ
アナート4gを加えた。30分間反応して、イソシアナ
ート基の赤外吸収が消失したことを確認した後、温度2
10〜215℃、最終的には0.4Torrの減圧下で3時
間、オリゴマーの除去を行った。最終的に得られたポリ
エステル(B)は、幾分アイボリー色を帯びた白色結晶
で、融点が118℃、数平均分子量が24,400、重
量平均分子量が119,000であり、数平均分子量
2,000以下のオリゴマー含有率は1%であった。
ノールの反応生成物であるモノイソシアナートを加えず
に、前記と同様に加熱、減圧処理したところ、得られた
ポリエステル(C)のオリゴマー含有率は4.4%とな
り、かえってオリゴマー含有率は増大していた。
を各々プレス成形して、厚さ約100〜110μのフィ
ルムを成形し、室温に放置した所、ポリエステル(C)
よりのフィルムは3日後には全面白濁し、かつ表面に粉
末状の析出物が認められたが、ポリエステル(B)より
のフィルムは15日後も透明のままでオリゴマーの析出
はみられなかった。
た1lのセパラブルフラスコに、エチレングリコール7
4g、1,4−シクロヘキサンジメタノール144g、
アジピン酸292gを仕込み、195〜200℃、窒素
気流中でエステル化して酸価7.9とした後、テトライ
ソプロピルチタネート0.06gを加え、最終的には
0.6Torrの減圧下、215〜220℃に8時間脱グリ
コール反応を行った。淡黄褐色ワックス状で、融点81
℃、数平均分子量19,800、重量平均分子量61,
300のポリエステル(d)が得られた。酢酸エチルを
用いたソックスレー抽出によるテストでは、5.7%の
溶出分が認められた。
ス気流下、200℃に熔融させた。これに2,4−トリ
レンジイソシアナート174gとベンジルアルコール1
08gとの付加物であるモノイソシアナートを5.7g
加え、30分間反応させると、赤外分析の結果イソシア
ナート基の吸収は消失したことが確認された。末端基処
理したポリエステル(D)は、黄褐色ワックス状で、融
点が83℃、数平均分子量が21,000、重量平均分
子量が75,500、酢酸エチル抽出分が0.9%であ
った。
(d)およびポリエステル(D)を各々50gずつガラ
スビンにとり、窒素置換の油浴で210℃、60分間加
熱した。その結果、ポリエステル(d)は、数平均分子
量が15,900、重量平均分子量が40,100とな
り、分子量が著しく減少したが、ポリエステル(D)は
数平均分子量が20,100、重量平均分子量が68,
400となり、分子量の低下率は少なかった。
成形品の透明性を失わず、成形品の表面に粉末状の析出
物の発生がない、熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族ポ
リエステルを提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 〔A〕(1)一般式(i) 【化1】 (式中、nは2〜10の間の偶数を示す)で示されるグ
リコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールか
らなる群から選ばれた少なくとも1種のグリコール成分
と(2)一般式(ii) 【化2】 (式中、mは2〜10の間の偶数を示す)で示されるジ
カルボン酸またはその酸無水物からなる群から選ばれた
少なくとも1種の酸成分とを反応させて得られる、重量
平均分子量が20,000以上で融点が70℃以上の脂
肪族ポリエステル100重量部に対して、 〔B〕0.5〜10重量部のモノイソシアナート化合物
を反応させ、次いで 〔C〕反応生成物より低分子量のオリゴマーを除去する
ことを特徴とする熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族ポ
リエステルの製造方法。 - 【請求項2】 〔A〕の(1)グリコール成分と(2)
酸成分との反応の際に、3官能以上の多価アルコール、
3官能以上の多価カルボン酸またはその酸無水物および
3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれた
少なくとも1種の多官能化合物を併用することを特徴と
する請求項1記載の熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族
ポリエステルの製造方法。 - 【請求項3】 低分子量のオリゴマーが、減圧下で除去
されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造
方法。 - 【請求項4】 低分子量のオリゴマーが、抽出除去され
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱安
定性にすぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造方
法。
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JP5197450A JP2713108B2 (ja) | 1993-08-09 | 1993-08-09 | 熱安定性にすぐれた生分解性脂肪族ポリエステルの製造方法 |
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JP2006131752A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル樹脂の製造方法 |
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1993
- 1993-08-09 JP JP5197450A patent/JP2713108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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