JPH07330881A - 生分解性環状脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

生分解性環状脂肪族ポリエステルの製造方法

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JPH07330881A
JPH07330881A JP12255194A JP12255194A JPH07330881A JP H07330881 A JPH07330881 A JP H07330881A JP 12255194 A JP12255194 A JP 12255194A JP 12255194 A JP12255194 A JP 12255194A JP H07330881 A JPH07330881 A JP H07330881A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 [A](1)1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを80モル%以上含むグリコール成分(下記のポ
リエチレングリコールを除く)および(2)コハク酸お
よび/またはアジピン酸を80モル%以上含むジカルボ
ン酸(またはその無水物)成分の合計量100重量部に
対し、(3)数平均分子量200以上のポリエチレング
リコールを1〜30重量部加え、重縮合して得られる、
融点70℃以上の環状脂肪族ポリエステル(a)100
重量部に対し、[B]多価イソシアナート0.01〜3
重量部を、熔融状態の環状脂肪族ポリエステル(a)に
加え、反応させ、数平均分子量を20,000以上とす
る。 【効果】 セルロース、澱粉等の親水性有機ポリマーに
対する親和性に優れ、実用上十分な物性を維持しなが
ら、特定の条件で生分解しやすい生分解性環状脂肪族ポ
リエステルの製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース、澱粉等の
親水性有機ポリマーに対する親和性に優れ、実用上十分
な物性を維持しながら、特定の条件で生分解し易い生分
解性環状脂肪族ポリエステルの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリエステルが生分解性を示すこ
とは、よく知られており、本発明者らも幾つかの提案を
行っている。例えば、特開平5−70578号明細書に
は、1,4−シクロヘキサンジメタノールとコハク酸
(またはその無水物)から合成されたポリエステルが開
示されている。即ち、このポリエステルは、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールとコハク酸とを重縮合させて
数平均分子量10,000以上のポリエステルを合成
し、このポリエステル100重量部当り0.1〜5重量
部の多価イソシアナートを反応させて得られる、数平均
分子量が20,000以上の少量のウレタン結合を含む
ものである。
【0003】このポリエステルは、土中に埋めて置く
と、条件にもよるが、約半年から1年位で崩壊が始ま
り、やがて原形を失うに至ることが確認されている。ま
た、この現象は活性汚泥中でも起こることも分かってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ポリエステルは、生分解性を示すとはいえ、その速度は
必ずしも速いものではない。また、セルロース、澱粉等
の親水性有機ポリマーに対する親和性も良好ではない。
ポリエステルの用途によっては、空気中では十分な物性
とその保持が長期間行われる一方、水中に浸漬される
と、一定期間経過後、極力速やかに分解して消失するこ
とが望ましい場合もある。但し、水溶性あるいは水膨潤
性であってはならない。本発明は、上記のような従来の
課題を解決し、セルロース、澱粉等の親水性有機ポリマ
ーに対する親和性に優れ、実用上十分な物性を維持しな
がら、特定の条件で生分解し易い生分解性環状脂肪族ポ
リエステルの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セルロー
ス、澱粉等の親水性有機ポリマーに対する親和性に優
れ、実用上十分な物性を保持しながら、特定の条件、例
えば水中、などで分解し易い生分解性環状脂肪族ポリエ
ステルを得るために種々検討した結果、ポリエステルの
一部分に親水性を付与することによって目的を達成出来
ること、さらに詳しくは、親水性部分としてはポリエチ
レングリコールが適当であることを見出して本発明を完
成することができた。
【0006】すなわち本発明は、 [A](1) 1,4−シクロヘキサンジメタノールを
80モル%以上含むグリコール成分(下記のポリエチレ
ングリコールを除く)および(2) コハク酸および/
またはアジピン酸を80モル%以上含むジカルボン酸
(またはその無水物)成分の合計量100重量部に対
し、(3) 数平均分子量200以上のポリエチレング
リコールを1〜30重量部加え、続いて前記(1)、
(2)および(3)成分を重縮合して得られる、融点7
0℃以上の環状脂肪族ポリエステル(a)100重量部
に対し、 [B]多価イソシアナート0.01〜3重量部を、熔融
状態の該環状脂肪族ポリエステル(a)に加え、反応さ
せ、数平均分子量を20,000以上とすることを特徴
とする、生分解性環状脂肪族ポリエステルの製造方法を
提供するものである。
【0007】また本発明は、ポリエチレングリコールの
数平均分子量が、600〜3,000である、前記の方
法を提供するものである。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の[A]段階において合成される環状脂肪族ポリエ
ステルは、末端基が実質的にヒドロキシル基である。こ
の環状脂肪族ポリエステルは、グリコール成分およびジ
カルボン酸(またはその無水物)成分共に、脂肪族のも
のを原料として用いる。
【0009】本発明に用いられるグリコール成分は、そ
の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルである。併用できるグリコール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクチレングリコー
ル、1,10−デカメチレングリコールなどが挙げられ
る。グリコール成分は、そのすべてが1,4−シクロヘ
キサンジメタノールであってもよい。なお、ここでいう
グリコール成分とは、ポリエチレングリコールは除いた
ものを意味する。1,4−シクロヘキサンジメタノール
は、高い融点を有するポリエステルを製造するために使
用するものである。グリコール成分中の1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールの割合が80モル%未満では、高
融点のポリエステルが得られない。
【0010】本発明に用いられるジカルボン酸(または
その無水物)成分は、その80モル%以上がコハク酸
(またはその無水物)および/またはアジピン酸(また
はその無水物)である。併用できる他のジカルボン酸成
分としては、例えば、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙
げられる。ジカルボン酸(またはその無水物)成分は、
そのすべてがコハク酸(またはその無水物)またはアジ
ピン酸であってもよい。また、コハク酸およびアジピン
酸は、ジカルボン酸成分に対して80モル%以上である
ならば、これらは任意の割合で併用してもよい。ジカル
ボン酸(またはその無水物)成分中のコハク酸および/
またはアジピン酸の割合が80モル%未満では、ポリエ
ステルの融点が低くなるので好ましくない。
【0011】グリコール成分およびジカルボン酸(また
はその無水物)成分の使用割合は、ジカルボン酸(また
はその無水物)成分1モルに対して、グリコール成分
1.05〜1.2モル位が好適である。
【0012】本発明においては、上記グリコール成分お
よびジカルボン酸(またはその無水物)成分の合計量1
00重量部に対し、数平均分子量(以下、単に分子量と
いう)200以上のポリエチレングリコールを1〜30
重量部加え、これらの成分を重縮合させて、ポリエステ
ル構造中にポリエチレングリコール成分を導入すること
に一つの特徴を有する。
【0013】本発明に用いられるポリエチレングリコー
ルは、分子量200以上であれば、本発明の目的の一
つ、すなわち水中で生分解性の速度を高めることができ
る。然し、ポリエチレングリコールの分子量は、一定量
使用の場合、分子量の大きい方が生成するポリエステル
の融点低下が少ないが、生分解性といった点からは、な
るべく低分子量のタイプが望ましく、両者を両立させる
面からはポリエチレングリコールの分子量は、600〜
3,000が適当な範囲となる。
【0014】ポリエチレングリコールの使用量は、上記
のように、グリコール成分およびジカルボン酸(または
その無水物)成分の合計量100重量部に対し、1〜3
0重量部である。ポリエチレングリコールの選択された
分子量にもよるが、30重量部を超えて配合すると、得
られる生分解性環状脂肪族ポリエステルの融点低下が大
きくなり、またその耐水性も低下するので実用的ではな
くなる。逆に1重量部未満では、変性の意味に乏しく、
効果が発揮されない。
【0015】本発明においては、重縮合反応の際に目的
を損なわない範囲内の3官能以上の多価アルコール、3
官能以上の多価カルボン酸(またはその無水物)および
3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれた
少なくとも1種の多官能化合物を併用すれば、例えば分
枝が導入されてその分子量分布が広がり、その結果性質
の多様化が図れ好ましい。
【0016】3官能以上の多価アルコールの例として
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリット、トリアリルイソシアヌレートエチレンオキシ
ド付加物などが挙げられる。また、脱水した形のモノエ
ポキシ化合物であるグリシドールも使用し得る。
【0017】3官能以上のオキシカルボン酸としては、
市販品がいずれも利用可能ではあるが、低コストで入手
できるといった点からは、リンゴ酸、酒石酸並びにクエ
ン酸が好適である。
【0018】3官能以上の多価カルボン酸(またはその
無水物)の例としては、トリメシン酸、プロパントリカ
ルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタ
テトラカルボン酸無水物などが挙げられる。とくに無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸が好適である。
【0019】上記の多官能化合物の各成分は、必要に応
じて混合して用いることができる。多官能化合物の使用
量は、ジカルボン酸(またはその無水物)成分全体10
0モル%に対して、合計0.1〜5モル%であり、重縮
合反応の当初から加えることができる。多官能化合物の
使用量が0.1モル%未満では、添加する意味が乏し
く、5モル%より多い場合は、反応中でのゲル化の危険
性が増大する。
【0020】本発明においては、[A]段階により得ら
れる環状脂肪族ポリエステルの融点を70℃以上とする
ことが必要であるが、そのためには、上記に示した各原
料を重縮合し、続いて脱グリコール反応を行うことによ
り達成することができる。なお、この[A]段階におい
て得られる環状脂肪族ポリエステルの融点が70℃未満
の場合は、その後の[B]段階で分子量を高めたとして
も、必要とする物性を得ることができない。
【0021】重縮合反応は、160〜230℃、5〜1
6時間、好ましくは不活性ガス雰囲気下で実施すること
ができる。この温度より低温では反応速度が遅く実用性
に乏しい。またこの温度より高温では分解の危険性が高
くなり避けたほうがよい。従って180〜220℃の間
の温度で[A]段階の重縮合反応を実施することが好ま
しい。重縮合反応は、環状脂肪族ポリエステルの酸価が
30以下、好ましくは15以下、さらに好適には10以
下に達するまで実施される。この場合、分子量が大きい
程脱グリコール反応による分子量増大が円滑に行えるの
で、高分子量のものが望ましい。
【0022】脱グリコール反応は、5Torr以下の減圧
下、170〜230℃で2〜16時間実施される。より
好適には、1Torr以下の高真空下、180〜210℃で
実施することが、反応速度および分解防止の点から望ま
しい。得られる環状脂肪族ポリエステルは、末端基が実
質的にヒドロキシル基であり、酸価はゼロとなる。脱グ
リコール反応の際は、触媒を併用する必要がある。それ
らの例には、チタン、錫、アンチモン、セリウム、ゲル
マニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウ
ム、マグネシウム、カルシウムおよびストロンチウムか
らなる群から選ばれた、少なくとも一種の金属の有機ま
たは無機の金属化合物があげられ、使用量としては、生
成する環状脂肪族ポリエステル100重量部に対し、
0.001〜0.5重量部である。金属化合物触媒の使用
量が0.001重量部未満では、脱グリコール反応が遅
くなって実用的ではなくなり、0.5重量部より多く用
いても逆に分解反応を強める結果となり好ましくない。
望ましい使用量は、金属の種類によっても異なるが、
0.005〜0.2重量部である。金属化合物触媒として
は、例えば金属のアルコキサイド、有機酸塩、キレー
ト、酸化物等が用いられ、とくにチタンの有機化合物例
えばチタン酸アルキルエステル、チタンオキシアセチル
アセトネート、シュウ酸チタンなどの化合物が有用であ
る。いわゆる生分解性ポリエステルは土中または水中で
微生物崩壊を受けるが、金属触媒または金属は土中に残
留するとみられるので、安全なタイプでなければならな
い。そのような観点からすれば、望ましい金属として
は、チタン、ゲルマニウム、亜鉛、マグネシウム、カル
シウムなどがあげられる。
【0023】さらに、本発明は、[A]段階で得られた
且つ融点70℃以上の熔融状態の環状脂肪族ポリエステ
ル(a)100重量部に、[B]段階として、多価イソ
シアナート0.01〜3重量部を反応させ、分子量20,
000以上とすることを包含する。このことにより生成
する少量のウレタン結合を含む生分解性環状脂肪族ポリ
エステルは、実用上十分な物性および所望の生分解性を
示し、インフレーション、ブロー成形、射出成形などの
従来の成形法で所望の成形品を得ることができる。
【0024】用いられる多価イソシアナートは、例え
ば、1分子中にイソシアナート基を2個以上有するタイ
プで、成形品の着色を避ける意味から脂肪族または環状
脂肪族のタイプが望ましい。それらの例としては、ヘキ
サメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナ
ート、水素化キシリレンジイソシアナート、水素化ジフ
ェニルメタンジイソシアナート、並びに多価イソシアナ
ートと多価アルコールとの付加物で、イソシアナート基
を1分子中に2個以上有する化合物、さらにはこれらの
3量体等が挙げられる。
【0025】多価イソシアナートの添加量は、上記のよ
うに、[A]段階で得られた環状脂肪族ポリエステル
(a)100重量部に、多価イソシアナート0.01〜
3重量部である。0.01重量部未満では多価イソシア
ナート利用の効果に乏しく、3重量部を超えて用いても
ゲル化の危険性が増大するのみで増量の意味がない。よ
り望ましくは0.3〜1重量部である。
【0026】本発明により得られた生分解性環状脂肪族
ポリエステルは、その実用化に当たって、所望の添加
剤、例えば無機あるいは有機のフィラー、補強材、着色
剤、滑剤、安定剤などを必要に応じて併用できることは
勿論である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール290g、アジピン酸292g、
グリセリン2g、分子量1,000のポリエチレングリコ
ール30gを仕込み、窒素気流下210〜215℃に重
縮合して酸価10.8とした後、テトライソプロピルチ
タネート0.06gを加え、さらに215〜220℃で
3時間、最終的には0.5Torrの減圧下に脱グリコール
反応を行い、数平均分子量19,770、重量平均分子
量87,320、融点約102℃の淡黄褐色のやや透明
感のある環状脂肪族ポリエステル(a)が得られた。環
状脂肪族ポリエステル(a)300gを別の1リットル
のセパラブルフラスコに秤取し、窒素気流下、190℃
で熔融して亜リン酸0.15gを加えた。色はほとんど無
色となった。次に、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ナート2gを加え、30分間撹拌した。得られた生分解
性環状脂肪族ポリエステル(A)は、僅かに黄褐色を帯
びた、やや透明感のある白色結晶体で、数平均分子量は
29,300、重量平均分子量は、142,900で、メ
ルトフロー値(2.16kgf/190℃、10分間保持時
のグラム数、JIS K7210)は16g/10分で
あった。また、DSC測定による融点は104℃であっ
た。なお、参考までに実施例1で得られた生分解性環状
脂肪族ポリエステル(A)のDSC曲線を図1に示す。
得られた生分解性環状脂肪族ポリエステル(A)を、1
50℃、50kg/cm2でプレス成形後、3倍に冷時延伸
した厚さ約50μのフィルムは頗る透明で、引張強さ
(JIS K6760による測定)は10.7kg/mm2
強靭であった。
【0028】なお、本明細書において、数平均および重
量平均分子量は、以下の条件のGPCにより測定した値
である。 GPC測定条件 Shodex GPC SYSTEM−11(昭和電工社製) 溶離液 CF3COONa 5m mol/ヘキサフルオロイソプロピルア ルコール(HFIP)(1リットル) カラム サンプルカラム HFIP−800P HFIP−80M×2本 リファレンスカラム HFIP−800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/分 検出器 Shodex RI STD: PMMA(Shodex STANDARD M−75)
【0029】比較例 1 ポリエチレングリコールを用いなかったこと以外は、実
施例1を繰り返し、数平均分子量19,600、重量平
均分子量84,900の環状脂肪族ポリエステル(b)
を得た。この環状脂肪族ポリエステル(b)300g
に、ヘキサメチレンジイソシアナート1.3gを加えた。
その結果、数平均分子量29,700、重量平均分子量
124,000の生分解性環状脂肪族ポリエステル
(B)が得られた。生分解性環状脂肪族ポリエステル
(B)の融点はほぼ同様の103℃を示し、メルトフロ
ー値は14.9g/10分であった。
【0030】上記の実施例1および比較例1で得られた
生分解性環状脂肪族ポリエステル(A)および(B)そ
れぞれを5gずつ濾紙の間にはさみ、150℃の加熱炉
に入れ、テフロンシートで上下を覆った上で、100g
の荷重をかけた。ポリエチレングリコールを成分に含む
ポリエステル(A)はよく含浸して、濾紙の含浸部分は
ほとんど透明状態となり、含浸部分の直径も5cm程であ
った。これに対して、ポリエステル(B)は含浸性が悪
く、ポリエステルが含浸した部分は直径約2.6cm位に
止まり、透明性も乏しく、未含浸部分が濾紙表面に残っ
ていて、両者の間には、セルロールに対して著しく濡れ
(親和性)の相違が見られた。
【0031】実施例 2 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール300g、コハク酸202g、ドデ
カン二酸46g、分子量3,000のポリエチレングリコ
ール50gを仕込み、窒素気流下205〜210℃に重
縮合して酸価9.1とした後、テトライソプロポキシチ
タン0.1gを加え、215〜220℃で、3時間、最終
的には0.6Torrの減圧下に脱グリコール反応を行い、
数平均分子量18,900、重量平均分子量50,10
0、融点約121℃の淡黄褐色の環状脂肪族ポリエステ
ル(d)が得られた。環状脂肪族ポリエステル(d)を
300g秤取し、トリイソデシルホスファイト1.5g加
え、190℃に熔融しながらイソホロンジイソシアナー
ト4.5gを加えた。30分間同温度で撹拌を続け、金属
製バットに流出、冷却した。得られた生分解性環状脂肪
族ポリエステル(D)は、結晶性で、黄褐色のやや透明
感があり、数平均分子量28,600、重量平均分子量
112,000、融点123℃であった。150℃、1
00kg/cm2でプレス成形し、さらに3倍延伸して得ら
れた厚さ約50μのフィルムの引張強さは13.8kg/m
m2であった。上記のフィルムを、川崎市内にある昭和電
工(株)川崎樹脂研究所敷地内のテニスコートの端部の
地面下20cmに埋めたところ、3カ月後にはボロボロと
なって原形を止めないほどになっていた。
【0032】比較例 2 ポリエチレングリコールを用いなかったこと以外は、実
施例2を繰り返した。得られた環状脂肪族ポリエステル
(e)は、数平均分子量19,400、重量平均分子量
52,300、融点約126℃、淡黄褐色であった。イ
ソホロンジイソシアナート添加後に得られた生分解性環
状脂肪族ポリエステル(E)は、数平均分子量29,4
00、重量平均分子量118,000、融点123℃で
あった。実施例2と同じ条件で作製したフィルムの引張
強さは14.4kg/mm2であった。さらに、実施例2と同
じ条件で生分解性のテストを行ったところ、生分解性環
状脂肪族ポリエステル(E)から作製されたフィルム
は、僅かに数箇所小さな孔があいた状態で、原形を維持
しており、実施例2と比較例2とでは、両者の生分解性
に著しい差が認められた。
【0033】
【発明の効果】本発明によって、セルロース、澱粉等の
親水性有機ポリマーに対する親和性に優れ、実用上十分
な物性を維持しながら、特定の条件で生分解し易い生分
解性環状脂肪族ポリエステルの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた生分解性環状脂肪族ポリエ
ステル(A)のDSC曲線を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](1) 1,4−シクロヘキサンジ
    メタノールを80モル%以上含むグリコール成分(下記
    のポリエチレングリコールを除く)および(2) コハ
    ク酸および/またはアジピン酸を80モル%以上含むジ
    カルボン酸(またはその無水物)成分の合計量100重
    量部に対し、(3) 数平均分子量200以上のポリエ
    チレングリコールを1〜30重量部加え、続いて前記
    (1)、(2)および(3)成分を重縮合して得られ
    る、融点70℃以上の環状脂肪族ポリエステル(a)1
    00重量部に対し、 [B]多価イソシアナート0.01〜3重量部を、熔融
    状態の該環状脂肪族ポリエステル(a)に加え、反応さ
    せ、数平均分子量を20,000以上とすることを特徴
    とする、生分解性環状脂肪族ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエチレングリコールの数平均分子量
    が、600〜3,000である、請求項1に記載の方
    法。
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KR100308535B1 (ko) * 1998-08-20 2001-11-30 김석태 폴리에스테르수지조성물및그제조방법
JP2005534744A (ja) * 2002-07-30 2005-11-17 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー スルホン化脂肪族−芳香族コポリエーテルエステル

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