JPH05287026A - 芳香族ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
芳香族ビニル系樹脂の製造方法Info
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- JPH05287026A JPH05287026A JP8371192A JP8371192A JPH05287026A JP H05287026 A JPH05287026 A JP H05287026A JP 8371192 A JP8371192 A JP 8371192A JP 8371192 A JP8371192 A JP 8371192A JP H05287026 A JPH05287026 A JP H05287026A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高屈折率、透明性など光学的性質に優れ、し
かも耐衝撃性にも優れた芳香族ビニル系樹脂を製造する
方法を提供する。 【構成】 芳香族ビニル系単量体60〜99重量%、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体1〜40重量%、
多官能不飽和単量体0〜39重量%よりなる単量体混合
物100重量部、スチレン−ジエン系共重合体1〜50
重量部、およびラジカル重合開始剤とを均一な液状組成
物とし、これを型枠内に注入して重合させる芳香族ビニ
ル系樹脂の製造方法。
かも耐衝撃性にも優れた芳香族ビニル系樹脂を製造する
方法を提供する。 【構成】 芳香族ビニル系単量体60〜99重量%、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体1〜40重量%、
多官能不飽和単量体0〜39重量%よりなる単量体混合
物100重量部、スチレン−ジエン系共重合体1〜50
重量部、およびラジカル重合開始剤とを均一な液状組成
物とし、これを型枠内に注入して重合させる芳香族ビニ
ル系樹脂の製造方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種成形品や板状製品
として用いられる芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】芳香族ビニル系単量体を主な成分として
なる、芳香族ビニル系樹脂にはさまざまな種類がある
が、代表例としてはポリスチレンが挙げられる。ポリス
チレンは透明性、軽量性、高屈折率などの特徴を生かし
て各種用途に用いられている。ポリスチレンの耐候性を
改善した樹脂として、メタクリル酸メチル/スチレン樹
脂(通称MS樹脂)がある。さらにMS樹脂の耐衝撃性
を改良する方法として、MS樹脂にスチレン−ブタジエ
ン系共重合体をブレンドする方法が知られている。 【0003】USP3029223には、スチレン50〜60重量
%、メチルメタクリレート40〜50重量%よりなるモ
ノマー混合物100重量部に、特定のブタジエン含量の
スチレン−ブタジエン系共重合体5〜10重量部を溶解
させたのち、塊状重合によって樹脂を得る方法が提案さ
れている。 【0004】また、これらとは別に、主に塩化ビニル樹
脂改質剤用として、メタクリル酸メチル−ブタジェン−
スチレン樹脂(通称MBS樹脂)があるが、これらは乳
化重合に依って製造されている。 【0005】さらに、特開昭61-223071 号公報,特開昭
62-187712 号公報には、スチレン類と多官能単量体を重
合してなる架橋樹脂板及びレンズの提案がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】スチレン−ブタジエン
系共重合体をMS樹脂と単にブレンドする方法では、樹
脂が不均一になり易い。樹脂が不均一だと、耐衝撃性の
改良が充分でなく、透明性が低下するなど物性にむらを
生じる。 またMBS樹脂を製造するのに用いられる
乳化重合法では、均一なものを得るためにはモノマーの
逐次添加や連続添加などの煩雑な手法が必要となるうえ
に、乳化重合法一般の欠点として、乳化剤が樹脂中に残
留することから、着色したり、透明性が低下したりす
る。一方、USP3029223の方法は、具体的には缶状の容器
中で塊状重合した後、生成した塊の重合体を粉砕し、こ
れを射出成形のごとくの成形操作によって成形品を得る
ことになり、成形品を得るには煩雑であるし、成形品の
歪みも生じ易い。又スチレン量が50〜60重量%の範
囲のものであるため、高屈折率性、軽量などスチレンの
もつ特徴が充分発現出来ない。 【0007】本発明は、高屈折率で、透明性が優れしか
も、耐衝撃性に優れた芳香族ビニル系樹脂を製造する方
法を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ビニル
系単量体60〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体1〜40重量%、多官能不飽和単量体0〜3
9重量%よりなる単量体混合物100重量部、スチレン
−ジエン系共重合体1〜50重量部、およびラジカル重
合開始剤を均一な液状組成物とし、これを型枠内に注入
して重合させる、芳香族ビニル系樹脂の製造方法であ
る。 【0009】本発明における芳香族ビニル系単量体と
は、分子内に芳香族環および、ビニル基もしくはビニリ
デン基を有する化合物であり、具体的には、スチレン、
クロルスチレン、ブロムスチレン、αメチルスチレン、
などのスチレン誘導体や、Nビニルカルバゾール、ビニ
ルチオフェンなどを例示することが出来る。このなかで
好ましくはスチレン誘導体であり、更に好ましくはスチ
レンである。芳香族ビニル系単量体の量は、単量体混合
物中60〜99重量%の範囲であり、好ましくは75〜
95重量%の範囲である。60%未満では屈折率が低く
なり、また99%を超えると耐衝撃性や耐候性が充分で
ない。 【0010】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体とは、メタクリル酸又はアクリル酸とエステ
ルのうち単官能のものを言う。具体的には、メタクリル
酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタアクリル
酸イソブチル、アクリル酸イソプロピル、メタアクリル
酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、メタアクリル
酸t−ブチル、アクリル酸フェニル、メタアクリル酸フ
ェニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸シ
クロヘキシル等の脂肪族、脂環式又は芳香族アルコール
のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが例示
される。なかでも脂肪族又は脂環式アルコールのエステ
ルが好ましい。これらの成分は1種でも良いが、2種以
上併用することも可能である。 【0011】(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量
は、単量体混合物中1〜40重量%の範囲である。好ま
しくは5〜25重量%である。1%未満では耐候性が低
くなる。また40%をこえると屈折率が低くなり、透明
性も低くなる。 【0012】本発明における多官能不飽和単量体とは、
分子内にビニル基もしくはビニリデン基を2個以上有す
る単量体とのことであり、具体的に例示すればエチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、
ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジ
メタアクリレート、あるいは、ビスフェノールA又はビ
スフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の未端水
酸基をアクリル酸又はメタアクリル酸でエステル化した
もの、アリールメタクリレート、ジビニルベンゼン等を
例示することができる。 【0013】多官能不飽和単量体の使用量の範囲は、単
量体混合物中0〜39重量%であり、好ましくは0.0
1〜20重量%である。更に好ましくは0.1〜15重
量%である。多官能不飽和単量体を併用することによっ
て、さらに高い耐衝撃性をうることが出来、また透明性
も一層向上する。しかし39重量%を越えると、種類に
よっては屈折率が低くなる。 【0014】本発明におけるスチレン−ジエン系共重合
体とは、ジエンとスチレンとの共重合体であり、該共重
合体には、ジエン成分の残存二重結合に水素添加したも
のも含まれる。ジエンとしては例えばブタジエン、イソ
プレン等があげられる。該共重合体中のスチレン成分と
ジエン成分との比率は必要とする物性に応じて各種の物
を使用できるが、スチレン単位の比率が、50重量%を
越え90重量%以下、好ましくは55〜80重量%のも
のである。また共重合の結合様式としてはランダム、ブ
ロック、グラフトなどのいずれの結合様式でも良いが、
なかでもブロック共重合体が好ましい。該ブロック共重
合体の中でもスチレン−ジエン−スチレンのトリブロッ
ク共重合体がより好ましい。また構造としては、直鎖型
およびラジアル型がある。 【0015】該スチレン−ジエン共重合体は、単量体混
合物100重量部に対し、1〜50重量部の範囲で用い
る。好ましくは2〜30重量部の範囲である。1重量未
満では耐衝撃性改良効果が充分でない。また50重量部
を超えると前記単量体類と混合物が均一な液状組成物と
なりがたく、また均一な液状組成物となっても粘度が高
くて型枠への注入等の取扱いが困難となる。 【0016】本発明において用いられるラジカル重合開
始剤は、油溶性の公知の物を使用できる。具体的には、
例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル等のアゾ系重合開始剤や、ラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
等の過酸化物系重合開始剤等を用いることができる。ま
た、公知の各種レドックス系開始剤を用いることもでき
る。 【0017】その添加量は、重合方法や条件によって適
宜選択すればよいが、通常、単量体混合物100重量部
に対し0.05〜5重量部の範囲である。 【0018】このほか、本液状組成物中には公知の添加
剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、染料などを添加する
ことも当然可能である。 【0019】本発明においては、芳香族ビニル系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン−
ジエン系共重合体、ラジカル重合開始剤、および必要に
より添加する多官能不飽和単量体を、あらかじめ均一な
液状組成物としておく。このことによって均一性と透明
性に優れた樹脂が得られるのである。あらかじめ均一な
液状組成物とするための方法は特に限定ないが、例えば
前記単量体類の混合物を加温、撹拌しつつ、スチレン−
ジエン系共重合体を加えて溶解し、最後にラジカル重合
開始剤を添加して均一な溶液とする。 【0020】得られた均一な液状組成物を用いて型枠に
注入して重合を行う。ここで言う型枠とはいわゆる所望
の形状を転写し得る内部形状を有しており、ガラス、金
属、樹脂、ゴムなどの材質で構成されたものである。 【0021】該液状組成物を、必要に応じて予め脱気や
ろ過して異物を除去した後、型枠に注入し、空気浴や水
浴などの手段によって加熱、昇温して重合を行い、重合
完了後解枠して所望の形状の重合体を得る。この場合の
重合条件は、組成物の組成や、ラジカル重合開始剤の種
類、量などによって適宜選択すれば良いが、例えば50
〜130℃の範囲となる様加熱、除熱を行い、1〜20
時間程度とするのが一般的である。 【0022】 【発明の効果】本発明によって、従来の方法に比べ、高
屈折率でかつ透明性、耐衝撃性に優れた芳香族ビニル系
樹脂が得られる。この芳香族ビニル系樹脂は、所望の形
状で得ることができる。さらに加工して、複雑な形状の
成形品にすることができる。従って、また、高い屈折率
と透明性を備えていることから光学部品用樹脂としても
好適である。 【0023】 【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。なお文中での物性測定方法は以下の方法によっ
た。 ・全光線透過率、及びヘイズ:ASTM D−1003
に従い、ヘイズメータによって測定した。 ・アイゾット衝撃値:ASTM D−256に準じ、厚
み3mmのサンプルで測定した。 ・屈折率:ASTM D−542に従い、アッベ屈折率
計により測定した。 【0024】実施例1 スチレン80重量部、メタクリル酸メチル20重量部、
よりなる単量体混合物、スチレン含量約75重量%のス
チレン−ブタジエン系共重合体(トリブロック型)25
重量部を撹拌しつつ溶解した。続いてラジカル重合開始
剤としてベンゾイルパーオキサイド0.6重量部を添加
し溶解して均一な液状組成物を得た。この液状組成物を
ガスケットと2枚のガラス板によって構成された型枠に
注入し、水浴中80℃で5時間、その後空気浴中で12
0℃、1時間重合を行い、透明な樹脂板を得た。評価結
果を〔表1〕に示す。 【0025】実施例2 スチレン80重量部、メタクリル酸メチル19重量部、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート1重量部より
なる単量体混合物に対し、実施例1で用いたのと同じス
チレン−ブタジエン系共重合体25重量部を撹拌しつつ
溶解した。続いてラジカル重合開始剤としてベンゾイル
パーオキサイド0.6重量部を添加し溶解して均一な液
状組成物を得た。この組成物を用い実施例1と同様の方
法で重合を行い、透明な樹脂板を得た。評価結果を〔表
1〕に示す。 【0026】比較例1 スチレン80重量部、メタクリル酸メチル20重量部、
ラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド
0.6重量部を添加し溶解して均一な液状組成物を得
た。この組成物を用い実施例1と同様にして重合を行
い、透明な樹脂板を得た。 評価結果を〔表1〕に示
す。 【0027】比較例2 メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(重量比20:
80)75重量%と、実施例1で用いたのと同じスチレ
ン−ブタジエン系共重合体25重量%とをブラベンダー
プラストミルで溶融混練し、プレス成形により樹脂板を
得た。評価結果を〔表1〕に示す。 【0028】 【表1】
として用いられる芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】芳香族ビニル系単量体を主な成分として
なる、芳香族ビニル系樹脂にはさまざまな種類がある
が、代表例としてはポリスチレンが挙げられる。ポリス
チレンは透明性、軽量性、高屈折率などの特徴を生かし
て各種用途に用いられている。ポリスチレンの耐候性を
改善した樹脂として、メタクリル酸メチル/スチレン樹
脂(通称MS樹脂)がある。さらにMS樹脂の耐衝撃性
を改良する方法として、MS樹脂にスチレン−ブタジエ
ン系共重合体をブレンドする方法が知られている。 【0003】USP3029223には、スチレン50〜60重量
%、メチルメタクリレート40〜50重量%よりなるモ
ノマー混合物100重量部に、特定のブタジエン含量の
スチレン−ブタジエン系共重合体5〜10重量部を溶解
させたのち、塊状重合によって樹脂を得る方法が提案さ
れている。 【0004】また、これらとは別に、主に塩化ビニル樹
脂改質剤用として、メタクリル酸メチル−ブタジェン−
スチレン樹脂(通称MBS樹脂)があるが、これらは乳
化重合に依って製造されている。 【0005】さらに、特開昭61-223071 号公報,特開昭
62-187712 号公報には、スチレン類と多官能単量体を重
合してなる架橋樹脂板及びレンズの提案がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】スチレン−ブタジエン
系共重合体をMS樹脂と単にブレンドする方法では、樹
脂が不均一になり易い。樹脂が不均一だと、耐衝撃性の
改良が充分でなく、透明性が低下するなど物性にむらを
生じる。 またMBS樹脂を製造するのに用いられる
乳化重合法では、均一なものを得るためにはモノマーの
逐次添加や連続添加などの煩雑な手法が必要となるうえ
に、乳化重合法一般の欠点として、乳化剤が樹脂中に残
留することから、着色したり、透明性が低下したりす
る。一方、USP3029223の方法は、具体的には缶状の容器
中で塊状重合した後、生成した塊の重合体を粉砕し、こ
れを射出成形のごとくの成形操作によって成形品を得る
ことになり、成形品を得るには煩雑であるし、成形品の
歪みも生じ易い。又スチレン量が50〜60重量%の範
囲のものであるため、高屈折率性、軽量などスチレンの
もつ特徴が充分発現出来ない。 【0007】本発明は、高屈折率で、透明性が優れしか
も、耐衝撃性に優れた芳香族ビニル系樹脂を製造する方
法を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ビニル
系単量体60〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体1〜40重量%、多官能不飽和単量体0〜3
9重量%よりなる単量体混合物100重量部、スチレン
−ジエン系共重合体1〜50重量部、およびラジカル重
合開始剤を均一な液状組成物とし、これを型枠内に注入
して重合させる、芳香族ビニル系樹脂の製造方法であ
る。 【0009】本発明における芳香族ビニル系単量体と
は、分子内に芳香族環および、ビニル基もしくはビニリ
デン基を有する化合物であり、具体的には、スチレン、
クロルスチレン、ブロムスチレン、αメチルスチレン、
などのスチレン誘導体や、Nビニルカルバゾール、ビニ
ルチオフェンなどを例示することが出来る。このなかで
好ましくはスチレン誘導体であり、更に好ましくはスチ
レンである。芳香族ビニル系単量体の量は、単量体混合
物中60〜99重量%の範囲であり、好ましくは75〜
95重量%の範囲である。60%未満では屈折率が低く
なり、また99%を超えると耐衝撃性や耐候性が充分で
ない。 【0010】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体とは、メタクリル酸又はアクリル酸とエステ
ルのうち単官能のものを言う。具体的には、メタクリル
酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタアクリル
酸イソブチル、アクリル酸イソプロピル、メタアクリル
酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、メタアクリル
酸t−ブチル、アクリル酸フェニル、メタアクリル酸フ
ェニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸シ
クロヘキシル等の脂肪族、脂環式又は芳香族アルコール
のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが例示
される。なかでも脂肪族又は脂環式アルコールのエステ
ルが好ましい。これらの成分は1種でも良いが、2種以
上併用することも可能である。 【0011】(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量
は、単量体混合物中1〜40重量%の範囲である。好ま
しくは5〜25重量%である。1%未満では耐候性が低
くなる。また40%をこえると屈折率が低くなり、透明
性も低くなる。 【0012】本発明における多官能不飽和単量体とは、
分子内にビニル基もしくはビニリデン基を2個以上有す
る単量体とのことであり、具体的に例示すればエチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、
ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジ
メタアクリレート、あるいは、ビスフェノールA又はビ
スフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の未端水
酸基をアクリル酸又はメタアクリル酸でエステル化した
もの、アリールメタクリレート、ジビニルベンゼン等を
例示することができる。 【0013】多官能不飽和単量体の使用量の範囲は、単
量体混合物中0〜39重量%であり、好ましくは0.0
1〜20重量%である。更に好ましくは0.1〜15重
量%である。多官能不飽和単量体を併用することによっ
て、さらに高い耐衝撃性をうることが出来、また透明性
も一層向上する。しかし39重量%を越えると、種類に
よっては屈折率が低くなる。 【0014】本発明におけるスチレン−ジエン系共重合
体とは、ジエンとスチレンとの共重合体であり、該共重
合体には、ジエン成分の残存二重結合に水素添加したも
のも含まれる。ジエンとしては例えばブタジエン、イソ
プレン等があげられる。該共重合体中のスチレン成分と
ジエン成分との比率は必要とする物性に応じて各種の物
を使用できるが、スチレン単位の比率が、50重量%を
越え90重量%以下、好ましくは55〜80重量%のも
のである。また共重合の結合様式としてはランダム、ブ
ロック、グラフトなどのいずれの結合様式でも良いが、
なかでもブロック共重合体が好ましい。該ブロック共重
合体の中でもスチレン−ジエン−スチレンのトリブロッ
ク共重合体がより好ましい。また構造としては、直鎖型
およびラジアル型がある。 【0015】該スチレン−ジエン共重合体は、単量体混
合物100重量部に対し、1〜50重量部の範囲で用い
る。好ましくは2〜30重量部の範囲である。1重量未
満では耐衝撃性改良効果が充分でない。また50重量部
を超えると前記単量体類と混合物が均一な液状組成物と
なりがたく、また均一な液状組成物となっても粘度が高
くて型枠への注入等の取扱いが困難となる。 【0016】本発明において用いられるラジカル重合開
始剤は、油溶性の公知の物を使用できる。具体的には、
例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル等のアゾ系重合開始剤や、ラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
等の過酸化物系重合開始剤等を用いることができる。ま
た、公知の各種レドックス系開始剤を用いることもでき
る。 【0017】その添加量は、重合方法や条件によって適
宜選択すればよいが、通常、単量体混合物100重量部
に対し0.05〜5重量部の範囲である。 【0018】このほか、本液状組成物中には公知の添加
剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、染料などを添加する
ことも当然可能である。 【0019】本発明においては、芳香族ビニル系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン−
ジエン系共重合体、ラジカル重合開始剤、および必要に
より添加する多官能不飽和単量体を、あらかじめ均一な
液状組成物としておく。このことによって均一性と透明
性に優れた樹脂が得られるのである。あらかじめ均一な
液状組成物とするための方法は特に限定ないが、例えば
前記単量体類の混合物を加温、撹拌しつつ、スチレン−
ジエン系共重合体を加えて溶解し、最後にラジカル重合
開始剤を添加して均一な溶液とする。 【0020】得られた均一な液状組成物を用いて型枠に
注入して重合を行う。ここで言う型枠とはいわゆる所望
の形状を転写し得る内部形状を有しており、ガラス、金
属、樹脂、ゴムなどの材質で構成されたものである。 【0021】該液状組成物を、必要に応じて予め脱気や
ろ過して異物を除去した後、型枠に注入し、空気浴や水
浴などの手段によって加熱、昇温して重合を行い、重合
完了後解枠して所望の形状の重合体を得る。この場合の
重合条件は、組成物の組成や、ラジカル重合開始剤の種
類、量などによって適宜選択すれば良いが、例えば50
〜130℃の範囲となる様加熱、除熱を行い、1〜20
時間程度とするのが一般的である。 【0022】 【発明の効果】本発明によって、従来の方法に比べ、高
屈折率でかつ透明性、耐衝撃性に優れた芳香族ビニル系
樹脂が得られる。この芳香族ビニル系樹脂は、所望の形
状で得ることができる。さらに加工して、複雑な形状の
成形品にすることができる。従って、また、高い屈折率
と透明性を備えていることから光学部品用樹脂としても
好適である。 【0023】 【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。なお文中での物性測定方法は以下の方法によっ
た。 ・全光線透過率、及びヘイズ:ASTM D−1003
に従い、ヘイズメータによって測定した。 ・アイゾット衝撃値:ASTM D−256に準じ、厚
み3mmのサンプルで測定した。 ・屈折率:ASTM D−542に従い、アッベ屈折率
計により測定した。 【0024】実施例1 スチレン80重量部、メタクリル酸メチル20重量部、
よりなる単量体混合物、スチレン含量約75重量%のス
チレン−ブタジエン系共重合体(トリブロック型)25
重量部を撹拌しつつ溶解した。続いてラジカル重合開始
剤としてベンゾイルパーオキサイド0.6重量部を添加
し溶解して均一な液状組成物を得た。この液状組成物を
ガスケットと2枚のガラス板によって構成された型枠に
注入し、水浴中80℃で5時間、その後空気浴中で12
0℃、1時間重合を行い、透明な樹脂板を得た。評価結
果を〔表1〕に示す。 【0025】実施例2 スチレン80重量部、メタクリル酸メチル19重量部、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート1重量部より
なる単量体混合物に対し、実施例1で用いたのと同じス
チレン−ブタジエン系共重合体25重量部を撹拌しつつ
溶解した。続いてラジカル重合開始剤としてベンゾイル
パーオキサイド0.6重量部を添加し溶解して均一な液
状組成物を得た。この組成物を用い実施例1と同様の方
法で重合を行い、透明な樹脂板を得た。評価結果を〔表
1〕に示す。 【0026】比較例1 スチレン80重量部、メタクリル酸メチル20重量部、
ラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド
0.6重量部を添加し溶解して均一な液状組成物を得
た。この組成物を用い実施例1と同様にして重合を行
い、透明な樹脂板を得た。 評価結果を〔表1〕に示
す。 【0027】比較例2 メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(重量比20:
80)75重量%と、実施例1で用いたのと同じスチレ
ン−ブタジエン系共重合体25重量%とをブラベンダー
プラストミルで溶融混練し、プレス成形により樹脂板を
得た。評価結果を〔表1〕に示す。 【0028】 【表1】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】芳香族ビニル系単量体60〜99重量%、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体1〜40重量%、
多官能不飽和単量体0〜39重量%よりなる単量体混合
物100重量部、スチレン−ジエン系共重合体1〜50
重量部、およびラジカル重合開始とを均一な液状組成物
とし、これを型枠内に注入して重合させる芳香族ビニル
系樹脂の製造方法。 【請求項2】該多官能不飽和単量体の量が、0.01〜
20重量%であることを特徴とする〔請求項1〕の製造
方法。 【請求項3】スチレン−ジエン系共重合体におけるスチ
レン単位の比率が、50重量%を越え90重量%以下で
あることを特徴とする〔請求項1〕の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08371192A JP3158626B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 芳香族ビニル系樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08371192A JP3158626B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 芳香族ビニル系樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287026A true JPH05287026A (ja) | 1993-11-02 |
JP3158626B2 JP3158626B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=13810088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08371192A Expired - Fee Related JP3158626B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 芳香族ビニル系樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3158626B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-06 JP JP08371192A patent/JP3158626B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3158626B2 (ja) | 2001-04-23 |
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