JPH08157540A - 高屈折率レンズ用樹脂の製造法 - Google Patents

高屈折率レンズ用樹脂の製造法

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JPH08157540A
JPH08157540A JP6335297A JP33529794A JPH08157540A JP H08157540 A JPH08157540 A JP H08157540A JP 6335297 A JP6335297 A JP 6335297A JP 33529794 A JP33529794 A JP 33529794A JP H08157540 A JPH08157540 A JP H08157540A
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bis
bisphenol
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Seizaburo Sakakibara
清三郎 榊原
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F218/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an acyloxy radical of a saturated carboxylic acid, of carbonic acid or of a haloformic acid
    • C08F218/14Esters of polycarboxylic acids
    • C08F218/16Esters of polycarboxylic acids with alcohols containing three or more carbon atoms

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Abstract

(57)【要約】 【目的】工業的につくり易く、取扱い易い単量体群を用
い、且つ汎用性の重合設備を用いて、共重合させ、すぐ
れた性質とN1.57〜1.60の高屈折率を有する
レンズ用、その他光学材料用、樹脂を効率よく製造する
方法を提供すること。 【構成】ジアリルイソフタレートおよび/またはジアリ
ルテレフタレートとp−フェニルフェノールアリルカー
ボネートを主単量体とし、必要があればビスフェノール
Sを原料とする数種の単量体と、さらに、固体成分を溶
解する能力を増強したり、アリル基の反応性を励起する
等の必要があれば、単独重合体の屈折率が1.55以上
である他の単量体を少量加えてラジカル共重合させるこ
とにより、高屈折率レンズ用、その他光学材料用、樹脂
を効率よく製造する方法を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業的に比較的容易に
製造できる、ラジカル重合可能な単量体を用いて、諸物
性のすぐれた、高屈折率レンズ用、その他光学材料用、
樹脂を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性のレンズ用樹脂には、古くから
ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)を注
型重合させた樹脂が用いられているが、その屈折率N
は1.50であり、クラウンガラスレンズの屈折率N
1.52〜1.53よりも低く、この樹脂を用いたレン
ズは高度数になるにつれて急速に厚さが増すという欠点
があつた。
【0003】熱可塑性樹脂には、ポリスチレンおよびポ
リカーボネートのように高い屈折率(N1.58〜
1.59)を有するものがあるが、これらは可融可溶性
で可塑性があるため、次のような用途には不向きであ
る。即ち眼鏡レンズのように枠入れするときにレンズの
周辺の切削および研磨を必要とし、また眼鏡枠によつて
締めつけられ、さらにまた、特別な度数のレンズをつく
るために半製品レンズの片面を玉摺加工機によつて高速
切削および研磨するような操作には不向きであり、やは
り熱硬化性樹脂が高い適合性をもつている。
【0004】熱硬化性樹脂であつて、レンズその他の光
学材料として使用可能であつて、しかも高屈折率を有す
る樹脂を製造する方法は、ラジカル重合によるか、ジイ
ソシアネート等を用いるウレタン生成重合によるか、或
いはそれらの複合的重合によるかのいずれかが一般に用
いられてきた。その中でウレタン生成重合は、温度その
他の重合条件が厳しく、また屈折率を向上させるために
チオ化合物を原料の一つとして用いた場合には、その臭
気と毒性を打消すために、多大の設備投資と製造コスト
アップを必要とするという問題点があつた。(特開昭6
4−54021、同64−26622、特開平2−15
3302、同3−138601、同5−307101参
照)
【0005】一方、ラジカル重合の場合は、ベンゼン核
を有するもの、さらに、それにClまたはBr原子を置
換した単量体を使用する方法が一般に行われてきたが、
十分に望ましい高屈折率が得られないか、或いは十分な
耐光性が得られない等の欠点があつた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
問題点および欠点を解消しようとするものであり、従来
汎用されている重合設備を用い、無臭且つ無毒性、或い
はそれに近い性質の単量体を有効に組合わせて用いて、
ラジカル重合により、高屈折率を有する、レンズ用その
他光学材料用、樹脂を製造する方法を提供するものであ
る。
【0007】さらに言えば、これまで、その取扱いの容
易さ、単量体の安定度の高さ等の故に重要視されて来
た、ジアリルイソフタレートおよびジアリルテレフタレ
ートのみを主成分として用いた樹脂は屈折率Nが1.
57未満のものが殆どであり、敢えて1,57以上を希
求すれば物性の低下を招来するという欠点があり、本発
明はこれを解決するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの課題を解
決するために鋭意研究を行い、本発明に到達した。即ち
本発明は第1単量体としてジアリルイソフタレートおよ
びジアリルテレフタレートより成る群の1種または2種
と、第2単量体として、p−フェニルフェノールアリル
カーボネートと、必要があれば、第3単量体として、ビ
スフェノールSビス(アリルカーボネート)、ビスフェ
ノールSジアクリレート、ビスフェノールSジメタクリ
レート、ビス(アクリロキシ−ポリアルコキシ−フェニ
ル)スルホンおよびビス(メタクリロキシ−ポリアルコ
キシ−フェニル)スルホンより成る群から選ばれた1種
または1種以上と、さらに必要があれば第4単量体とし
て、単独重合体の屈折率が1.55以上の、ラジカル重
合可能な、1種または1種以上の他の単量体を加えて、
共重合させることを特徴とする高屈折率レンズ用樹脂の
製造法である。
【0009】本発明で使用するp−フェニルフェノール
アリルカーボネートは、一般にpーフェニルフェノール
にクロロぎ酸アリルを、例えばアセトンまたはメチルイ
ソブチルケトン等の溶媒中で、水酸化ナトリウムまたは
ピリジン等の塩基性物質の存在下で反応させることによ
り合成することができる。精製は減圧蒸溜をも利用する
と好結果が得られる。
【0010】第3単量体で用いるビスフェノールSビス
(アリルカーボネート)はこれと類似の方法で合成する
ことができる。即ちビスフェノールSにクロロぎ酸アリ
ルを、例えばアセトンまたはメチルイソブチルケトン等
の溶媒中で、水酸化ナトリウムまたはピリジン等の塩基
性物質の存在下で反応させることにより合成することが
できる。但し精製は活性炭およびキョーワード(協和化
学工業(株〕製、以下同じ)による脱色と、アセトンま
たはトルエン等を用いる再結晶法によった。
【0011】ビスフェノールSジアクリレートおよびビ
スフェノールSジメタクリレートはビスフェノールSに
それぞれアクリル酸クロリドまたはメタクリル酸クロリ
ドを、例えばアセトン等の溶媒中で、水酸化ナトリウム
の存在下で、反応させることにより合成することができ
る。精製はアセトンまたはトルエン等を用いる再結晶法
によつた。
【0012】次にビス(アクリロキシ−ポリアルコキシ
−フェニル)スルホンおよびビス(メタクリロキシ−ポ
リアルコキシ−フェニル)スルホンについて述べる。こ
れらの単量体は、基本原料であるビスフェノールSの両
端のフェノール性OH基に少なくとも1モルづつ、最高
3モルづつ(合計2〜6モルで、両端の付加モル数が同
数でないこともある)の酸化エチレンまたは酸化プロピ
レンを付加させた構造のグリコール類をアクリル酸また
はメタクリル酸でエステル化した構造をもつものであ
る。それらのエステル化は、アセトン等の溶媒中でピリ
ジン等の塩基性物質の存在下で、アクリル酸クロリドま
たはメタクリル酸クロリドを反応させることにより合成
することができる。精製は、生成物が結晶性の場合には
アセトンからの再結晶法により、また低融点物質の場合
には、アセトンに溶かして活性炭およびキョーワードで
脱色して行つた。
【0013】第4単量体は、第1ないし第3単量体の共
重合物の性質を補助的に改善するためのもので、その例
としては、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、2,2−ビス(アクリロキシ−ポリエトキシ−フェ
ニル)プロパン〔注:ポリエトキシは酸化エチレンの合
計4モルを超え6モル以下の重合基、以下同じ〕、2,
2−ビス(メタクリロキシ−ポリエトキシ−フェニル)
プロパン、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチ
レン、ジビニルベンゼン類、1,3,5−ベンゼントリ
カルボン酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼン
トリカルボン酸トリアリルエステル、安息香酸アリルエ
ステル、o−フェニル安息香酸アリルエステル、p−フ
ェニル安息香酸アリルエステル、ビフェニル−2,2’
−ジカルボン酸ジアリルエステル、ビスフェノールAビ
ス(アリルカーボネート)、ベンジルメチルマレエー
ト、ベンジルメチルフマレート、ジフェニルジビニルシ
ラン、トリフェニルビニルシラン等を挙げることができ
る。
【0014】請求項2において、第1単量体の量を10
〜70重量%に制限した理由は、10重量%より少ない
場合には、第2単量体および第3単量体の固体成分の量
如何によつては、低温(例えば40℃付近)では固体成
分を析出することがあり、この温度で働く重合開始剤が
使用できないなどの不都合を生ずることがあり、また7
0重量%を超える場合には、第2単量体および第3単量
体の屈折率向上効果を減殺するなどの不都合を生ずるこ
とがあるからである。
【0015】また、第2単量体の量を5〜60重量%に
制限した理由は、5重量%より少ない場合には、本発明
で達成しようとする高屈折率は得難く、また60重量%
を超える場合には、単量体混合物において固体成分が析
出し易い傾向があるので、工業的見地から実用性が乏し
くなるからである。
【0016】第3単量体の量を0〜50重量%にした理
由は、この成分は結晶性固体から粘稠液体まで範囲が広
いが、その内で結晶性固体或いはアモルファス性固体の
方が屈折率向上効果が大であるが、上記と同様にこのも
のが多すぎると固体成分析出の難点があり、また粘稠液
体の物質は却って屈折率向上効果を妨げる恐れがある反
面、このものは耐衝撃性を向上させる効果があり、それ
らを勘案して0〜50重量%を好ましいとした。
【0017】第4単量体の量を0〜30重量%にした理
由は、この成分は補助的な効果を求めて加えるものであ
つて、少量の添加で足りることが多い。例えば、固体成
分を溶解する能力の増強用(例えばフェニルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ジビニルベ
ンゼン類、ジフェニルジビニルシラン等)、アリル基の
反応性励起用(例えばベンジルメチルマレエート、ベン
ジルメチルフマレート等)、屈折率微調節用(例えばビ
フェニル−2,2’−ジカルボン酸ジアリルエステル、
トリフェニルビニルシラン等)および架橋密度向上用
(例えば1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアリ
ルエステル、1.2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ
アリルエステル等)等の作用のために加えられるが、大
抵合計で0〜30重量%で足りる。
【0018】上記に説明した単量体を適宜混合して単量
体混合物をつくり、これを共重合させるにはラジカル重
合開始剤を用いる。これには比較的低温(30〜50℃
付近)で有効に作用するジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジネオペンチルパーオキシジカーボネートおよびビ
ス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカー
ボネート等、また中程度の温度(60〜80℃付近)で
有効に作用するt−ブチルパーオキシピバレート、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびt
−ブチルパーオキシイソブチレート等、さらにまた比較
的高温(90〜110℃付近)で有効に作用する1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサンおよびt−ブチルパーオキシ−
3,5,5−トリチルヘキサノエート等が好適な例とし
て挙げられる。
【0019】これらの重合開始剤は単独で或いは2種類
以上混合して使用する。使用量は全単量体混合物に対し
て0.5〜8重量%(2種類以上の重合開始剤を用いる
ときは合計で)が必要である。
【0020】また本発明で製造する高屈折率レンズ用樹
脂は耐光性を重視するので、重合に際して単量体混合物
中に紫外線吸収剤を添加する。これには2−(3,5−
ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
ゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール
等のトリアゾール系、或いは2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベン
ジルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系の化合
物を用いて好結果を挙げ得る。即ち全単量体混合物に対
してこれらの紫外線吸収剤を0.05〜2重量%混合す
る。これによりレンズ等に成形後、太陽光照射下で経時
変化のために黄変および物性劣化することを防ぎ、また
特に眼鏡用レンズとして使用した場合、紫外線をできる
だけ遮断し、目を保護することに役立てられる。
【0021】本発明においては、重合および成形は、通
常、2枚のよく研磨し且つ表面を強化したガラス製モー
ルドを、単量体等に対して化学的に不活性なゴム状弾性
物質(例えばエチレン−ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等)で造つたガスケットを介し
て、平行に並べるように組立て、その空間に上述した各
単量体、重合開始剤および紫外線吸収剤等の混合液(離
型剤、黄変補色用色素等を加えることもある)を、必要
があれば、予備重合した後に注入する。ここで予備重合
とは、該混合液を僅少量の重合開始剤の存在下に、予め
緩く加熱撹拌して液の粘度を若干高めることである。
(また単量体混合物の1成分或いは2〜3成分だけを別
に予備重合してから、他の単量体と混合してもよい。即
ちブロック共重合になる。) このようにすることによ
り、モールドとガスケットの透間から該混合液が漏れる
ことを防ぐと同時に重合時の体積収縮による悪影響を少
なくする効果がある。
【0022】注入が終れば加熱炉に入れて重合させる。
重合時間は10〜30時間が一般的に可であるが、15
〜20時間が操作の都合からも好適な場合が多い。加熱
炉の温度調節は既述のように、重合開始剤の種類によつ
て有効に作用する温度が異なることを考慮して行うべき
である。例えば重合開始剤として比較的低温で有効に作
用するジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートを単
独で用いる場合には30〜50℃の間の昇温速度をでき
るだけ緩やかにし、そして最高重合温度を90〜100
℃でとどめ、この温度で0.5〜3時間保持して余分の
重合開始剤を重合物中に残留させることなく、すべて分
解するようにするべきである。
【0023】もし、例えば、重合開始剤として比較的低
温で有効に作用するジネオペンチルパーオキシジカーボ
ネートと中程度の温度で有効に作用するt−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエートと比較的高温で有効
に作用するt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメ
チルヘキサノエートを混合して用いる場合には、30〜
50℃、60〜80℃および90〜110℃付近のそれ
ぞれの温度範囲で昇温速度をできるだけ緩やかにし、そ
れらの中間の昇温速度を比較的速やかにし、そして最高
重合温度を120℃にして、この温度で0.5〜3時間
保持して余分の重合開始剤を残らず分解するようにする
べきである。
【0024】重合が終れば、重合物をモールドから離型
する。離型は通常は熱時に行うが、少し温度が下つたと
きに行う方がよい場合もある。先ずガスケットを外し、
次いで機械的に重合物をモールドから外す。本発明の重
合物は、通常、特別な離型剤を用いることなしに離型が
可能である。(単量体等の混合液をモールドに注入する
ことから始つて離型に至るまでを注型重合と呼んでい
る。)
【0025】離型が終れば、熱処理を行う。通常は最高
重合温度よりも5〜10℃高い温度の加熱炉に入れて3
0分ないし2時間その温度に保つて熱処理する。(尚、
熱処理は、次の半製品レンズの荒摺、それに続く研磨後
にも行う必要がある。)
【0026】以上の操作でできたレンズはそのまま製品
として実用に供し得るが、注型重合により、先ず半製品
レンズをつくり、これの後面を荒摺および研磨すること
により、希望する度数の製品レンズにすることもでき
る。本発明の重合成形物はこのような荒摺および研磨工
程においてもよく適合し、熔融したり研磨面が荒れるこ
となく、すぐれた製品にすることができることを認め
た。
【0027】また本発明の製造法によるレンズ用樹脂は
分散染料を用いて80〜95℃の染浴中にてよく染色す
ることができ、また有機性および含シリコン系等の硬質
塗膜を強固に密着させることができ、さらにまた真空蒸
着装置中でSiOおよび金属酸化物の強固な蒸着が基
本的に可能であることを認めた。
【0028】本発明をさらに具体的且つ詳細に説明する
ために、以下に実施例を示す。但し本発明はこれらの実
施例によつて限定されるものではない。尚、実施例にお
いて示す諸物性の試験法は次の通りである。 1)屈折率N:アッベの屈折計を測定した。接触液に
はモノブロモナフタレンを使用した。 2)鉛筆硬度 :JIS(K5400)により測定し
た。 3)耐衝撃性 :厚さ2mmのレンズ用樹脂平板にFD
A規格に適合する鋼球落下試験を行い、割れないものを
良とした。 4)耐光性 :紫外線照射試験器内で200時間照射試
験を行い、黄変等の着色のないものを良とした。 5)染色性 :90℃の分散染料染浴中に15分間浸
し、中濃度まで染着するかどうかを試験し、可能なもの
を良とした。
【0029】
【実施例1】ジアリルイソフタレート67重量部、p−
フェニルフェノールアリルカーボネート20重量部、ベ
ンジルメタクリレート10重量部およびベンジルメチル
マレエート3重量部より成る単量体混合物に、紫外線吸
収剤として2−〔2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾー
ル0.3重量部を加えて溶かし、これにラジカル重合開
始剤としてジネオペンチルパーオキシジカーボネート
1.5重量部、t−ブチルパーオキシイソブチレート
1.5重量部およびt−ブチルパーオキシ−3,5,5
−トリメチルヘキサノエート1.5重量部を加えて溶か
し、この重合用混合液を2枚の表面強化ガラス平板モー
ルド(間隔2m)とエチレン−ブタジエン共重合物製の
ガスケットでできた空間に室温で注入し、注型重合を行
つた。
【0030】重合のときの温度−時間曲線は30℃から
50℃までの昇温は5時間かけて緩い傾斜で行い、50
℃から70℃までは2時間で割合急速に昇温し、70℃
から110℃までは8時間かけて緩い傾斜で昇温し、1
10℃から120℃までは1時間で割合急速に昇温し、
そして120℃で2時間持続加温して重合を終結させ
た。
【0031】直ちにガスケットを外し、モールドから樹
脂板を機械的に離型させた。離型は比較的容易であつ
た。この樹脂板を125℃で1時間熱処理し、内部歪を
除去した。この樹脂板は無色透明で、その試験結果を表
2に示した。
【0032】
【実施例2〜4】実施例1で用いた単量体混合物に代え
て、表1に示した組成で、同様の条件で樹脂板をつくつ
た。これらはいずれも無色透明で、それらの試験結果を
表2に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【実施例5】実施例1で用いた単量体混合物に代えて、
ジアリルイソフタレート25重量部、p−フェニルフェ
ノールアリルカーボネート35重量部、ビスフェノール
Sビス(アリルカーボネート)17重量部、ビス(メタ
クリロキシ−エトキシ−フェニル)スルホン8重量部、
ベンジルメタクリレート5重量部、トリフェニルビニル
シラン3重量部、ジフェニルジビニルシラン3重量部、
ベンジルメチルマレエート4重量部より成る単量体混合
物を用い、ラジカル重合開始剤としてビス(4−t−ブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1.8
重量部、t−ブチルパーオキシイソブチレート1.5重
量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン1.2重量部を用い、モールドに注入すると
きの温度を40℃にし、重合開始温度を40℃にするこ
との他は、実施例1と同様の条件で樹脂板をつくつた。
これは無色透明で、その試験結果を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の製造法により、工業的につくり
易く取扱い易い単量体群を用い、且つ汎用性の重合設備
を用いて、能率よく、すぐれた性質の高屈折率レンズ
用、その他光学材料用、樹脂を製造することを可能なら
しめるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1単量体としてジアリルイソフタレー
    トおよびジアリルテレフタレートより成る群の1種また
    は2種と、第2単量体としてp−フェニルフェノールア
    リルカーボネートと、必要があれば、第3単量体とし
    て、ビスフェノールSビス(アリルカーボネート)、ビ
    スフェノールSジアクリレート、ビスフェノールSジメ
    タクリレート、ビス(アクリロキシ−ポリアルコキシ−
    フェニル)スルホンおよびビス(メタクリロキシ−ポリ
    アルコキシ−フェニル)スルホンより成る群から選ばれ
    た1種または1種以上と、さらに必要があれば第4単量
    体として、単独重合体の屈折率が1.55以上の、ラジ
    カル重合可能な、1種または1種以上の他の単量体を加
    えて、共重合させることを特徴とする高屈折率レンズ用
    樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 第1単量体としてジアリルイソフタレー
    トおよびジアリルテレフタレートより成る群の1種また
    は2種を10〜70重量%、第2単量体としてp−フェ
    ニルフェノールアリルカーボネートを5〜60重量%、
    第3単量体として、ビスフェノールSビス(アリルカー
    ボネート)、ビスフェノールSジアクリレート、ビスフ
    ェノ−ルSジメタクリレート、ビス(アクリロキシ−ポ
    リアルコキシ−フェニル)スルホンおよびビス(メタク
    リロキシ−ポリアルコキシ−フェニル)スルホンより成
    る群から選ばれた1種または1種以上を合計で0〜50
    重量%、そして第4単量体として、単独重合体の屈折率
    が1.55以上の、ラジカル重合可能な、1種または1
    種以上の他の単量体を合計で0〜30重量%混合して共
    重合させることを特徴とする高屈折率レンズ用樹脂の製
    造法。
JP6335297A 1994-12-09 1994-12-09 高屈折率レンズ用樹脂の製造法 Pending JPH08157540A (ja)

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